JP3231591B2 - 光学部材検査装置 - Google Patents

光学部材検査装置

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JP3231591B2
JP3231591B2 JP25506695A JP25506695A JP3231591B2 JP 3231591 B2 JP3231591 B2 JP 3231591B2 JP 25506695 A JP25506695 A JP 25506695A JP 25506695 A JP25506695 A JP 25506695A JP 3231591 B2 JP3231591 B2 JP 3231591B2
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正之 杉浦
正人 原
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、レンズ等の光学部
材の屈折率異常等の光学的欠陥を検出するための光学部
材検査装置に関し、特に、検査対象としてセットされる
光学部材の芯出しを自動的に行うことができる光学部材
検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ,プリズム等の光学部材は、入射
した光束が規則正しく屈折して、平行に進行したり、一
点又は線状に収束したり発散するように設計されてい
る。しかしながら、光学部材の成形異常により屈折力が
不規則に変化していたり、形成後の人的取り扱いによっ
て光学部材の表面上にゴミ,キズ等が生じていると、入
射した光束が乱れてしまうので、所望の性能を得ること
ができなくなる。特に、樹脂を金型に注入して射出成形
する事によって作成されるレンズやプリズム等の光学部
材では、成形異常によってヒケ(樹脂が金型表面から離
間して生じる陥没),ジェッティング(光学部材内にお
いて樹脂密度が部分的に変化している箇所),フローマ
ーク(樹脂の収縮に伴って光学部材表面に生じるW字状
の皺)が生じ易いので、このような欠陥を効率良く検出
することが必要となっている。
【0003】そのため、本発明者は、セットされた光学
部材の光学的欠陥を自動的に検出することができる光学
部材検査装置を、特願平7−229242号として出願
した。この光学部材検査装置は、光学部材の焦点位置に
おいて回転自在に配置されたナイフエッジと、ナイフエ
ッジの背後に配置されて照明光を発散するための拡散板
と、光学部材を透過した光を撮像するための撮像装置と
により、構成される。このような構成の光学部材検査装
置によると、光学部材表面又は内部における屈折力(屈
折力)異常箇所が、明暗濃度の急激な変化部位として観
察されるのである。
【0004】このような光学部材検査装置によって上述
した「屈折力(屈折力)異常箇所が明暗濃度の急激な変
化部位として観察される」という効果を十分に得るに
は、ナイフエッジの縁と検査対象光学部材の光軸とが合
致していなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学部
材の光軸をナイフエッジの縁に合わせる作業(以下、
「光学部材の芯出し」という)を作業者が手動で行うに
は長時間を要し、また、作業者の熟練の程度に依り芯出
し精度にバラツキが生じてしまう。このように芯出し精
度にバラツキが生じると、測定結果として得られた測定
画像における明暗濃淡の程度もばらついてしまうので、
測定画像に基づく欠陥度合いの検知も不可能になってし
まう。
【0006】本発明は、以上の問題意識に基づいてなさ
れたものであり、検査対象である光学部材の芯出しを自
動的に行うことができる光学部材検査装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】各請求項記載の発明は、
上記課題を解決するためになされたものである。請求項
1記載の発明は、光学部材の光学的欠陥を検出する光学
部材検査装置であって、照明光によって照明される拡散
板と、前記光学部材を含む光学系の焦点位置に配置さ
れ、前記拡散板によって拡散された光を部分的に透過さ
せ且つ部分的に遮光するように前記拡散板に接している
遮光手段と、この遮光手段における前記光を部分的に透
過させる部分と部分的に遮光する部分との境界線に接す
る回転軸を中心にこの遮光手段を180度回転させる回
転手段と、前記光学系を透過した光を撮像する撮像手段
と、前記回転手段による前記遮光手段の回転の前後の時
点において前記撮像手段によって撮像された画像同士の
輝度差を算出する輝度差算出手段と、この輝度差算出手
段によって算出された輝度差に基づいて、前記光学系の
光軸と前記遮光手段の回転軸とのズレを相殺するよう
に、前記光学系の光軸を移動させる移動手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0008】光学部材とは、凸レンズ及び凹レンズ,プ
リズム,凹面鏡及び凸面鏡,並びに、平行平面板を含
む。また、ガラスからなる光学部材及び樹脂成形による
光学部材を含む。光学部材の光学的欠陥とは、屈折率や
屈折力の部分的異常や光学部材の表面の欠陥等を言う。
屈折率や屈折力の異常としては、樹脂成形の光学部材に
おけるヒケやジェッティングやフローマーク,ガラスか
らなる光学部材における面加工の不良,等が例示され
る。また、光学部材の表面の欠陥としては、表面のキズ
や汚れやゴミ,等が列挙される。
【0009】拡散板は、背後から照明される透光部材で
あっても良いし、表面側から照明される反射部材であっ
ても良い。遮光手段は、拡散板の表面に直接印刷された
遮光パターンであっても良いし、板状の不透明部材を適
宜切り出して拡散板に貼り付けたものであっても良い
し、拡散板とは別個の透明部材表面上に遮光パターンを
印刷したものであっても良い。この遮光手段における光
を部分的に透過させる部分と遮光させる部分との境界線
は、直線状であることが望ましい。また、境界線は、遮
光手段の回転軸と接している限り、一本のみであっても
良いし縞状に複数本あっても良い。
【0010】「光学部材を含む光学系」とは、凸レンズ
である光学部材そのもの,若しくは、凹レンズである光
学部材を含む正レンズ群のことである。この光学系の全
体としての焦点位置が遮光手段の位置に一致するよう
に、各部材が調整される。
【0011】回転手段は、拡散板と一体に遮光手段を回
転させても良いし、拡散板が固定された状態で遮光手段
のみを回転させても良い。回転手段は、結果として遮光
部材を180度回転させれば良く、必ずしも一度に18
0度回転させる必要はない。但し、光学部材の光軸のズ
レを互いに直交する2方向に分割して検出する場合に
は、互いに90度づつずれた4つの回転位置に夫々止め
るように、遮光部材を回転させても良い。この場合、遮
光部材を90度づつ回転させても良いし、180度回転
させた後で90度又は270度回転させ、その後で18
0度回転させるようにしても良い。
【0012】撮像手段は、固体撮像素子によって撮像す
るものであっても撮像管によって撮像するものであって
も良い。輝度差算出手段は、画像全体の輝度に基づいて
輝度差を算出しても良いし、画像の一部同士に基づいて
輝度差を算出しても良い。
【0013】移動手段は、輝度差に対応する光学系の光
軸の移動量を演算式を適用することによって算出しても
良いし、予め様々な輝度差の値と移動量とを対応付けて
いるテーブルから輝度差に対応する移動量を読み出して
も良い。なお、「前記光学系の光軸と前記遮光手段の回
転軸とのズレを相殺するように前記光学系の光軸を移動
させる」とは、前記光学系の光軸と前記遮光手段の回転
軸とのズレの向きとは逆向きに、このズレの絶対量と同
じ量だけ光学系の光軸を移動させるという意である。
【0014】請求項2による光学部材検査装置は、請求
項1の光学系が凸レンズであることで特定したものであ
る。請求項3による光学部材検査装置は、請求項1の光
学系が凹レンズである前記光学部材と凸レンズである補
正レンズとからなり、全体として正レンズ系であること
で特定したものである。
【0015】請求項4による光学部材検査装置は、請求
項1の移動手段が、前記回転手段による前記遮光手段の
回転の前後の時点における前記境界線の方向及び前記光
学系の光軸の方向に共に直交する方向に前記光学部材を
移動させることで、特定したものである。
【0016】請求項5による光学部材検査装置は、請求
項1の回転手段が、前記遮光手段を互いに90度づつず
れた4つの回転位置へ夫々回転させ、撮像手段が、前記
4つの回転位置の各々において、前記光学系を透過した
光を撮像し、輝度差算出手段が、互いに180度ずれて
いる回転位置における前記画像同士の輝度差を算出し、
移動手段が、各輝度差に夫々対応する方向に前記光学部
材を移動させることで、特定したものである。このよう
にすれば、光学部材を互いに直交する方向へ夫々移動さ
せることができるので、光学部材の光軸に直交する面内
でこの光学部材を移動させて芯出しすることが可能にな
る。
【0017】請求項6による光学部材検査装置は、請求
項1の移動手段が、前記輝度差算出手段によって算出さ
れた輝度差を前記光学系の光軸と前記遮光手段の回転軸
との間のズレを相殺するのに要する移動量に変換し、変
換された移動量に従って前記光学部材を移動させること
で、特定したものである。
【0018】請求項7による光学部材検査装置は、請求
項6の移動手段が、前記輝度差と前記移動量とを対応さ
せたテーブルを有しているとともに、前記輝度差に基づ
いてこのテーブルを参照して対応する移動量を読み出す
ことで、特定したものである。このようにテーブルを備
えていると処理時間が短時間で済む。
【0019】請求項8による光学部材検査装置は、請求
項1の遮光手段の回転軸が前記撮像手段の撮像光軸と一
致していることで特定したものである。請求項9記載の
光学部材検査装置は、請求項1の輝度差算出手段が、前
記回転手段による前記遮光手段の回転の前後の時点にお
ける前記境界線の方向及び前記光学系の光軸の方向に共
に直交する直線上での前記各画像の輝度を積分し、積分
された各画像の輝度同士の輝度差を算出することで、特
定したものである。このように輝度を積分する領域を必
要最小限に限定することにより、処理時間を短縮するこ
とができるとともに余計なノイズの混入を防止すること
ができる。
【0020】
【本発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明
の実施の形態を説明する。
【0021】
【実施形態1】 <光学部材検査装置の全体構成>図1及び図2は、本発
明による光学部材検査装置の第1の実施の形態を示す光
学構成図である。図1及び図2に示すように、光学部材
検査装置を構成する照明ユニット4と撮像装置7とは、
同一の光軸l上に、互いに向き合って配置されている。
【0022】この撮像手段としての撮像装置7は、全体
として正レンズ系である撮像レンズ8と、この撮像レン
ズ8によって収束された光による像を撮像するCCDエ
リアセンサからなる撮像素子9とから、構成されてい
る。この撮像素子9によって撮像された画像データは、
表示装置10及び画像処理部14に入力される。
【0023】表示装置10は、この光学部材検査装置の
初期調整時(即ち、後述する照明ユニット4の位置調整
時)に用いられる画像モニタ装置である。画像処理部1
4は、検査対象光学部材が良品であるか不良品であるか
の判定処理を行うプロセッサであり、撮像素子9から入
力された画像データに対して所定の画像処理を行い、検
査対象光学部材の光学的欠陥の程度を数値化するととも
に、この数値を一定の判定基準値(許容値)と比較し、
この数値が判定基準値内に収まっているか超えているか
の判定を行う。この判定処理を行うために、画像処理部
14は、第1のメモリ14a及び第2のメモリ14bを
有している。また、この画像処理部14は、この判定処
理を行うのに伴って、ナイフエッジ回転制御部15に対
してモータ13の回転指示を行う。
【0024】この画像処理装置14は、さらに、X−Y
移動ステージ制御部17を制御して、検査対象の光学部
材A,Bの芯出しを行う。この芯出しを行う際にも、画
像処理装置14は、ナイフエッジ回転制御部15に対し
てモータ13の回転指示を行い、撮像装置7の撮像素子
9によって撮像された画像データを入力し、それらの画
像データの輝度同士の輝度差を算出する(輝度差算出手
段に対応)。そして、算出された輝度差に対し、光軸ズ
レ量変換テーブル16を参照しつつ所定の処理を実行
し、X−Y移動ステージ制御部17に対して動作指示を
行うのである。
【0025】このX−Y移動ステージ制御部17は、検
査対象の光学部材A,Bを光軸lに直交する面内にて移
動させて芯出しを行うために、X−Y移動ステージ18
に対して駆動パルスを出力する。
【0026】このX−Y移動ステージ18は、装置内の
固定部に対してY方向(図1及び図2の紙面内において
光軸lに直交する方向)にスライドするYステージ18
a,及び、このYステージ18aに対してX方向(図1
及び図2の紙面に直交する方向)にスライドするXステ
ージ18bから構成されている。このYステージ18a
には、X−Y移動ステージ制御部17からの駆動パルス
を受けてこのYステージ18aをY方向にスライド駆動
するためのY方向用パルスモータ20が取り付けられて
いる。同様に、Xステージ18bには、X−Y移動ステ
ージ制御部17からの駆動パルスを受けてこのXステー
ジ18bをX方向にスライド駆動するためのX方向用パ
ルスモータ21が取り付けられている。さらに、Xステ
ージ18bの上面(図面上の上側面)には、検査対象の
光学部材A,Bから一体に伸びているランナ19の先端
を保持するための保持部22が設けられている。以上の
構成により、X−Y移動ステージ18は、X−Y移動ス
テージ制御部17からの駆動パルスを受けて、検査対象
の光学部材A,Bを光軸lに直交する面内で移動させ、
その光軸を光軸lに合致させることができるのである。
即ち、これら画像処理部14,X−Y移動ステージ制御
部17,X−Y移動ステージ18,保持部22が、移動
手段を構成する。
【0027】また、画像処理部14に接続されたナイフ
エッジ回転制御部15は、画像処理部14からの回転指
示に従い、検査時にはモータ13を22.5度づつ回転
させ、芯出し時にはモータ13を適当量回転させる。
【0028】一方、照明ユニット4は、全体として、光
軸l上を撮像装置7に向けて進退移動することができ
る。この照明ユニット4の内部には、その中心を光軸l
と同軸にした円盤状の拡散板5が、光軸lに直交する面
内において光軸lを中心に回転自在に保持されている。
この拡散板5の撮像装置7側の面には、遮光手段として
の遮光板6が一体に貼り付けられている。この遮光板6
は、上面図である図3に示すように、不透明部材からな
る半円形の板であり、拡散板5の中心を通る径方向の直
線を弦(ナイフエッジ)6aとするとともに、拡散板5
と同一半径の円弧を有している。このような構成を備え
た結果、拡散板5によって拡散された光は、この遮光板
6により部分的に遮光されるとともに、遮光板6に覆わ
れていない部分により部分的に透過される。
【0029】拡散板5の周縁部には、この拡散板5と同
軸の環状ギア11が固着されている。この環状ギア11
は、ピニオンギア12と噛合しており、このピニオンギ
ア12は、照明ユニット4内に固定されているモータ1
3の回転軸に取り付けられている。従って、モータ13
がナイフエッジ回転制御部15によって回転駆動される
と、遮光板6及び拡散板5は、両ギア12,11を介し
て回転駆動を受け、図4に示すように、光軸lに直交す
る面内(即ち、拡散板5と遮光板6との接触面の面内)
において回転駆動される。なお、この場合の回転方向
は、図3に示すように、撮像装置7側から見て時計方向
である。この回転の結果、遮光板6のナイフエッジ
(弦)6aも、光軸lを中心に回転することになる。即
ち、これら画像処理部14,ナイフエッジ回転制御部1
5,モータ13,及びギア11,12により、回転手段
が構成される。
【0030】拡散板5の裏面側において、照明ユニット
4には、光ファイバー束3の先端3aが固着されてい
る。この光ファイバー束3の基端3bには、白色ランプ
1と集光レンズ2とからなる光源装置が配置されてい
る。そして、白色ランプ1から出射された白色光が、集
光レンズ2によって集光されて、その基端3bからこの
光ファイバー束3内に入射される。この白色光は、光フ
ァイバー束3内を伝送され、その先端3aから拡散板5
に向けて照射される。即ち、遮光板6のナイフエッジ6
aが背後から照明されるのである。なお、光ファイバー
束3の長さは、照明ユニット4の移動可能距離よりも十
分長くとってある。従って、照明ユニット4が移動して
も、この光ファイバー束3が追従して、常に遮光板6の
ナイフエッジ6aを照明することができる。
【0031】検査対象の光学部材A,Bは、その周面か
ら一体に伸びたランナ19の先端が保持部22に保持さ
れて、撮像装置7と照明ユニット4との間に配置され
る。具体的に説明すると、図1に示すように検査対象光
学部材が凸レンズAである場合には、凸レンズAの焦点
位置が拡散板5の表面と一致する位置に、凸レンズAが
配置される。また、図2に示すように検査対象光学部材
が凹レンズBである場合には、凹レンズBと照明ユニッ
ト4との間に、この凹レンズBのパワー(絶対値)より
も大きいパワー(絶対値)を有する凸レンズである補正
レンズCを配置する。この凹レンズB及び補正レンズC
からなるレンズ群は全体的に正レンズ群であり、その合
成焦点位置が拡散板5の表面と一致するように、これら
凹レンズB及び補正レンズCが配置されている。即ち、
検査対象光学部材を含む光学系の焦点位置を遮光手段の
位置と一致させているのである。 <光学欠陥表示の原理>以上のように被検査光学部材
(及び補正レンズC)を配置すると、検査対象光学部材
から出射される光は、この検査対象光学部材が良品であ
る限り、平行光となる。従って、撮像装置7側から見る
と、遮光板6のナイフエッジ6aが無限遠上に位置して
いるのと等価になる。
【0032】ところで、仮に、検査対象光学部材Aの焦
点位置(検査対象光学部材Bと補正レンズCとからなる
光学系の合成焦点位置)がナイフエッジ6aの位置より
も撮像装置7側にずれると、検査対象光学部材A(検査
対象光学部材B)と撮像装置7の撮像レンズ8との間の
空間に、ナイフエッジ6aの倒立像(実像)が形成され
る。このナイフエッジ6aの倒立像(実像)は撮像レン
ズ8によってリレーされ、撮像レンズ8の撮像素子9側
の空間に、ナイフエッジ6aの正立像(実像)が形成さ
れる。逆に、検査対象光学部材Aの焦点位置(検査対象
光学部材Bと補正レンズCとからなるレンズ群の合成焦
点位置)がナイフエッジ6aの位置よりも光ファイバー
束3側にずれると、遮光板6の光ファイバー束8側の空
間に、ナイフエッジ6aの正立像(虚像)が形成され
る。このナイフエッジ6aの正立像(虚像)は撮像レン
ズ8によってリレーされ、撮像レンズ8の撮像素子9側
の空間に、ナイフエッジ6aの倒立像(実像)が形成さ
れる。即ち、検査対象光学部材Aの焦点位置(検査対象
光学部材Bと補正レンズCとからなる光学系の合成焦点
位置)とは、この位置に存在する物体(ナイフエッジ6
a)の像が、撮像レンズ8の撮像素子9側の空間におい
て正立像として結像されるか倒立像として結像されるか
の境界点であり、光学的に不安定な状態となる位置であ
る。
【0033】なお、検査対象光学部材と撮像レンズ8と
の間隔は、検査対象光学部材Aの焦点位置(検査対象光
学部材Bと補正レンズCとからなる光学系の合成焦点位
置)がナイフエッジ6aの位置よりも撮像装置7側に僅
かにずれただけであってもそれらの間(正確には、両者
の焦点位置同士の間)にナイフエッジ6aの倒立像(実
像)が形成されるように、可能な限り長くとってある。
また、撮像素子9は、撮像レンズ8によって正立像が形
成されても倒立像が形成されてもこれらの像をある程度
明瞭に撮像できるように、正立像の形成位置(平均位
置)と倒立像の形成位置(平均位置)との中間点に配置
される。この位置とは、撮像レンズ8に関して検査対象
光学部材A,Bの表面と光学的に等価な位置である。
【0034】従って、撮像素子9上には、常に、検査対
象光学部材の外縁の実像(倒立像)αが結像されるとと
もに、この検査対象光学部材の外縁の実像αの周囲に
は、検査対象光学部材を通さずに直接見えるナイフエッ
ジ6aの実像(倒立像)がややぼけて結像される(図5
(a)〜(e)参照)。
【0035】そして、この検査対象光学部材の外縁の実
像αの内側には、検査対象光学部材Aの焦点位置(検査
対象光学部材Bと補正レンズCとからなる光学系の合成
焦点位置)がナイフエッジ6aの位置よりも撮像装置7
側にずれている場合には、ナイフエッジ6aの実像(正
立像)が、ややぼけて結像される(図5(d),図5
(e)参照)。このナイフエッジ6aの実像(正立像)
は、焦点位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量が大きくな
り(図5(d)参照)、ずれ量が大きくなる程ぼけ量が
少なくなって明確になる(図5(e)参照)。
【0036】これとは逆に、検査対象光学部材Aの焦点
位置(検査対象光学部材Bと補正レンズCとからなる光
学系の合成焦点位置)がナイフエッジ6aの位置よりも
光ファイバー束3側にずれている場合には、検査対象光
学部材の外縁の実像αの内側には、ナイフエッジ6aの
実像(倒立像)が、ややぼけて結像される(図5
(b),図5(a)参照)。ナイフエッジ6aの実像
(倒立像)は、焦点位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量
が大きくなり(図5(b)参照)、ずれ量が大きくなる
程ぼけ量が少なくなって明確になる(図5(a)参
照)。
【0037】また、検査対象光学部材Aの焦点位置(検
査対象光学部材Bと補正レンズCとからなる光学系の合
成焦点位置)がナイフエッジ6aの位置と一致すると、
検査対象光学部材の外縁の実像αの内側におけるぼけ量
が最大となり、全体に均一な明度で光線が照射されるよ
うになる(図5(c)参照)。
【0038】表示装置10及び画像処理部14に入力さ
れる画像データ中において、検査対象光学部材の外縁α
の内側部分は、検査対象光学部材Aの焦点位置(検査対
象光学部材Bと補正レンズCとからなるレンズ群の合成
焦点位置)が拡散板5の表面の位置と一致した時には、
検査対象光学部材A,Bに光学的欠陥がない限り、ナイ
フエッジ6aの黒色部分(白色光が遮られている部分)
と白色部分(白色光が透過する部分)とが完全に混合し
て、均一濃度の灰色の平面として表示される(球面レン
ズの場合)。なお、検査対象光学部材A,Bとして非球
面レンズを検査する場合には、焦点位置が一点のみでは
なく緩やかに変化しているので、輝度変化が非常に穏や
かな画像となる。
【0039】これに対して、検査対象光学部材A,B内
に屈折率異常が生じている部分やその表面の形状欠陥に
よって屈折力異常が生じている部分がある場合には、そ
の異常部分のみ、正常な部分の焦点距離と異なる焦点距
離を有することと等価になっている。従って、図6に示
すように、その異常部分にだけ、ナイフエッジの像γが
現れる。この異常部分の屈折率(屈折力)異常の程度
(焦点距離のずれ量)は、ナイフエッジの像γの現れ方
に反映される。即ち、ナイフエッジの像の濃淡が明確に
現れれば現れるほど、屈折率(屈折力)異常の程度(焦
点距離のずれ量)が大きくなる。
【0040】なお、検査対象光学部材Aの表面にゴミや
汚れが付着していたり、キズがついている場合には、画
像データ中における検査対象光学部材の外縁αの内側部
分に、これらゴミ,汚れ,又はキズの像が撮像レンズ8
によって形成される。即ち、ゴミや汚れによって光が遮
断されている場合には周囲より暗い影が形成され、キズ
によって光線の発散が生じている場合には輝点が形成さ
れる。 <自動芯出しの原理>次に、図7乃至図18を用いて、
自動芯出しの原理を説明する。
【0041】図7は、撮像装置7の撮像素子9によって
撮像されるフィールドを示す。この図7に示されるよう
に、撮像素子9によって撮像されるフィールドには、こ
のフィールドの中心位置を原点“0”として、X方向に
伸びるX方向中心軸,及びY方向に伸びるY方向中心軸
が、夫々定義されている。
【0042】また、X方向中心軸上には、原点“0”を
中心とした一定範囲を規定するための座標点x1及びx2
が、定義されている。同様に、Y方向中心軸上には、原
点“0”を中心とした一定範囲を規定するための座標点
1及びy2が、定義されている。これらの座標点x1
2,y1,及びy2は、検査対象光学部材A,Bが芯出
しされた状態で所定の方向を向いてセットされた場合に
おいて、図7にて一点鎖線で示すその外縁像αの内側に
存する座標点である。
【0043】ところで、検査対象光学部材A,Bの光軸
が装置光軸lと一致している場合,即ち、検査対象光学
部材A,Bの焦点位置が遮光部材6のナイフエッジ6a
の位置と一致している場合には、そのナイフエッジ6a
がぼかされつつ拡大されるので、ナイフエッジ6aの方
向に拘わらず、撮像素子9によって撮像された外縁α内
の輝度は一定である。図10(a)は、この状態にてナ
イフエッジ6aの方向を0°とした場合において、撮像
素子9によって撮像された画像を示し、図10(b)は
同図(a)の状態からナイフエッジ6aの方向を180
°回転させた場合における画像を示す。また、図15
は、図10(a)(b)の夫々の画像におけるY方向中
心軸上での輝度分布を測定したグラフである。
【0044】ところが、検査対象光学部材A,Bの光軸
が装置光軸lからズレた場合には、ナイフエッジ6aの
方向が180°回転する毎に、検査対象光学部材A,B
の焦点と遮光部材6との相対位置関係が変化する。即
ち、ナイフエッジ6aが或る方向を向いている場合に
は、検査対象光学部材A,Bの焦点が遮光部材6上に位
置し、ナイフエッジ6aが180°回転すると、検査対
象光学部材A,Bの焦点が拡散板5上に位置するのであ
る。従って、検査対象光学部材A,Bの焦点が遮光部材
6上に位置している時には、遮光部材6自体が拡大され
るので、撮像素子9によって撮像された外縁α内の輝度
は低くなる。一方、検査対象光学部材A,Bの焦点が拡
散板5上に位置している時には、拡散板5自体が拡大さ
れるので、撮像素子9によって撮像された外縁α内の輝
度は高くなる。
【0045】図8は、検査対象光学部材A,Bの光軸が
装置光軸lに対してY方向に−0.2mmズレた場合に
おける画像を示し、図13は、図8の夫々の画像におけ
るY方向中心軸上での輝度分布を測定したグラフであ
る。同様に、図9は、検査対象光学部材A,Bの光軸が
装置光軸lに対してY方向に−0.1mmズレた場合に
おける画像を示し、図14は、図9の夫々の画像におけ
るY方向中心軸上での輝度分布を測定したグラフであ
る。同様に、図11は、検査対象光学部材A,Bの光軸
が装置光軸lに対してY方向に+0.1mmズレた場合
における画像を示し、図16は、図11の夫々の画像に
おけるY方向中心軸上での輝度分布を測定したグラフで
ある。同様に、図12は、検査対象光学部材A,Bの光
軸が装置光軸lに対してY方向に+0.2mmズレた場
合における画像を示し、図17は、図12の夫々の画像
におけるY方向中心軸上での輝度分布を測定したグラフ
である。なお、図8乃至図12の各々において、(a)
はナイフエッジ6aが基準方向(0°の方向)を向いた
状態における画像を示し、(b)はナイフエッジ6bが
基準方向から180°回転した状態における画像を示
す。
【0046】本実施形態において、画像処理部14は、
ナイフエッジ6aの方向を180°とした場合の画像に
おけるy1〜y2(x1〜x2)の範囲内の輝度の積分値
(輝度断面積)から、ナイフエッジ6aの方向を0°と
した場合の画像におけるy1〜y2(x1〜x2)の範囲内
の輝度の積分値(輝度断面積)を減算することにより、
「輝度差」を算出する。図18は、図13乃至図17の
各図から算出された輝度差をプロットしたものである。
この図18から明らかなように、検査対象光学部材A,
Bの光軸の装置光軸lに対するズレ量が大きくなる程、
「輝度差」の絶対値が、大きくなる。また、ナイフエッ
ジ6aの基準方向(0°の方向)を一定とした場合、ズ
レの向きによって輝度差の極性が逆転する。つまり、検
査対象光学部材A,Bの光軸の装置光軸lに対するズレ
量と「輝度差」とは、正比例関係にあるのである。
【0047】従って、現時点における画像から「輝度
差」を算出し、算出された「輝度差」に基づいて図18
のグラフを逆に辿れば、現時点における検査対象光学部
材A,Bの光軸が装置光軸lに対するズレ量を知ること
ができる。このようにして得られたx,y各方向におけ
るズレ量を相殺する距離だけ、光学部材A,Bを、X−
Y移動ステージ18によって移動させれば、光学部材
A,Bの芯出しを行うことができるのである。
【0048】なお、実際には、本実施形態は、輝度差と
移動量とを精密に対応させた光軸ズレ量変換テーブル1
6を備え、算出した輝度差に基づいてこの光軸ズレ量変
換テーブルを参照して移動量を求めるようにしている。
なお、この光軸ズレ量変換テーブル16は、Y方向用の
光軸ズレ量変換テーブルとX方向用の光軸ズレ量変換テ
ーブルとから構成されている。以下、各光軸ズレ量変換
テーブルの作成手順を説明する。
【0049】Y方向用の光軸ズレ量変換テーブルを作成
するには、先ず、検査実施前の時点において、光学的欠
陥を有さない良品の光学部材A,BをX−Y移動ステー
ジ18にセットし、照明ユニット4の位置を所定の位置
(拡散板5と遮光部材6との接触面に光学部材A,Bの
焦点が合致する位置)に調整する。次に、遮光部材6の
ナイフエッジ6aの方向を基準方向(図1及び図2に示
す方向)に合わせ、マニュアル操作によりこの光学部材
A,Bの芯出しを行う。この芯出しが完了したかどうか
は、この状態における画像とナイフエッジ6aを180
°回転させた状態における画像に基づいて算出された
「輝度差」が0となったかどうかにより、確認される。
【0050】このようにして芯出しが完了したならば、
以後、光学部材A,Bを10μmづつ+Y方向にずらし
ながら、各位置での「輝度差」を算出する。そして、こ
のような「輝度差」の算出を、ズレ量が500μmにな
るまで繰り返す。そして、各ズレ量毎の「輝度差」を6
4で除算し、下記表1のように各ズレ量毎に整理する。
【0051】
【表1】 次に、各ズレ量[単位:μm]をパルス数(移動量)に
変換する。即ち、本実施形態におけるX−Y移動ステー
ジ18は、X−Y移動ステージ制御部17からの駆動パ
ルスを一個受ける毎に、検査対象光学部材A,BをY方
向に10μmずつ移動させる。従って、表1における各
ズレ量の値を1/10にすることにより、各ズレ量[単
位:μm]に対応するパルス数(移動量)[単位:個]
を求めることができるのである。
【0052】次に、「輝度差/64」の値(1〜,1刻
み)に対応するパルス数を求める。ここで、表1に記載
のない「輝度差/64」の値については、正確に対応し
たパルス数がないので、小さい側で最も近い「輝度差/
64」の値(表1に記載があるもの)に対応した移動量
(パルス数)をあてはめる。
【0053】このようにして求められた「輝度差/6
4」の値は、表2に示すように、Y方向用の光軸ズレ量
変換テーブルのテーブルアドレスとして用いられる。
【0054】
【表2】
【0055】また、Y方向用の光軸ズレ量変換テーブル
内における各テーブルアドレスが示す位置には、対応す
る移動量(パルス数)が書き込まれる。なお、このよう
に作成されたY方向用の光軸ズレ量変換テーブルは、−
Y方向のズレに対しても代用される。即ち、画像処理部
14は、算出した「輝度差」の絶対値に基づいてY方向
用の光軸ズレ量変換テーブルを参照することによって対
応する移動量(パルス数)を読み出すとともにこの「輝
度差」の極性に応じた移動方向を決定し、これら移動量
(パルス数)及び移動方向をX−Y移動ステージ制御部
17に通知するのである。
【0056】以上は、Y方向用の光軸ズレ量変換テーブ
ル作成についての説明であったが、X方向用の光軸ズレ
量変換テーブルについても同様にして作成される。 <制御処理>次に、画像処理部14において実行される
自動芯出し及び光学部材検査のための制御処理の内容
を、図19乃至図22のフローチャートを用いて説明す
る。
【0057】図19に示す制御処理のメインルーチン
は、当該光学部材検査装置に電源を投入することによ
り、スタートする。そして、スタート後最初のS001
において自動芯出し処理を実行するかどうかを判定す
る。この判定は、画像処理部14に接続された図示せぬ
自動芯出し開始ボタンが押下されたか否かによって行わ
れる。そして、図示せぬ自動芯出し開始ボタンが押下さ
れた場合には、S002において自動芯出処理を実行す
る。
【0058】図20及び図21は、S002にて実行さ
れる自動芯出処理サブルーチンを示すフローチャートで
ある。このサブルーチンに入って最初のS101では、
ナイフエッジ回転制御部15に対して原点復帰命令を発
行する。ナイフエッジ回転制御部15は、この原点復帰
命令を受けると、モータ13を駆動して、ナイフエッジ
6aの回転位置を原点に復帰させる。この原点とは、図
3に示した0°の回転位置であり、図1及び図2に示す
ように、紙面に直交する方向(X方向)にそのナイフエ
ッジ6aを向けた状態で遮光板6自体が図の左側に位置
する回転位置である。
【0059】次のS102では、S101での原点復帰
命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するのを待
つ。次のS103では、この時点において撮像素子9に
よって撮像された画像のデータを入力する。
【0060】次のS104では、座標位置y1と座標位
置y2との間でY方向に並んだ全ての画素の輝度値の総
和YAを求める。次のS105では、ナイフエッジ回転
制御部15に対して180度回転命令を発行する。ナイ
フエッジ回転制御部15は、この180度回転命令を受
けると、モータ13を駆動して、ナイフエッジ6aを時
計方向に180度回転させる。
【0061】次のS106では、S105での180度
回転命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するの
を待つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aの向
きが光軸lに対して反転することになる。
【0062】次のS107では、この時点において撮像
素子9によって撮像された画像のデータを入力する。次
のS108では、座標位置y1と座標位置y2との間でY
方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和YBを求める。
【0063】次のS109では、S104にて算出した
輝度値総和YAから、S108にて算出した輝度値総和
Bを減算する(輝度差算出手段に対応)。次のS11
0では、S109での減算結果に基づいて、Y方向用の
光軸ズレ量変換テーブル16を参照し、Y方向の移動量
(パルス数)ΔYを求める。
【0064】次のS111では、ナイフエッジ回転制御
部15に対して270度回転命令を発行する。ナイフエ
ッジ回転制御部15は、この270度回転命令を受ける
と、モータ13を駆動して、ナイフエッジ6aを時計方
向に270度回転させる。
【0065】次のS112では、S111での270度
回転命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するの
を待つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aは図
1及び図2の紙面の左右方向(Y方向)を向き、遮光板
6自体が図1及び図2の奥側に位置するようになる。
【0066】次のS113では、この時点において撮像
素子9によって撮像された画像のデータを入力する。次
のS114では、座標位置x1と座標位置x2との間でX
方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和XAを求める。
【0067】次のS115では、ナイフエッジ回転制御
部15に対して180度回転命令を発行する。ナイフエ
ッジ回転制御部15は、この180度回転命令を受ける
と、モータ13を駆動して、ナイフエッジ6aを時計方
向に180度回転させる。
【0068】次のS116では、S115での180度
回転命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するの
を待つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aの向
きが光軸lに対して反転することになる。
【0069】次のS117では、この時点において撮像
素子9によって撮像された画像のデータを入力する。次
のS118では、座標位置x1と座標位置x2との間でX
方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和XBを求める。
【0070】次のS119では、S114にて算出した
輝度値総和XAから、S118にて算出した輝度値総和
Bを減算する(輝度差算出手段に対応)。次のS12
0では、S119での減算結果に基づいて、X方向用の
光軸ズレ量変換テーブル16を参照し、X方向の移動量
(パルス数)ΔXを求める。
【0071】次のS121では、X−Y移動ステージ制
御部17に対して、光学部材A,BをX方向にΔXだけ
移動させるとともにY方向にΔYだけ移動させるよう、
命令する(移動手段に対応)。この命令に応じてX−Y
移動ステージ18が駆動されると、X−Y移動ステージ
18にセットされた光学部材A,Bの芯出しがなされる
のである。このステップが完了すると、処理が図19の
メインルーチンに戻される。
【0072】図19のメインルーチンでは、S002の
自動芯出し処理が完了すると、一旦、処理がS001に
戻される。一方、S001にて図示せぬ自動芯出し開始
ボタンが押下されていないと判定された場合には、S0
03において、光学部材の検査を実行するか否かをチェ
ックする。このチェックは、画像処理部14に接続され
た図示せぬ検査開始ボタンが押下されたか否かによって
行われる。そして、図示せぬ検査開始ボタンが押下され
た場合には、S004以下の処理が実行される。
【0073】S004では、撮像素子9から入力された
画像データを構成する各画素(ピクセル)の輝度を25
6階調の数値情報に変換し、夫々第1メモリ14aに書
き込む。
【0074】次のS005では、メモリ14aに書き込
まれた各数値情報を順番に走査して、微分処理を行う。
即ち、画像中における左上の画素から右下の画素に向け
て順番に各画素の数値をチェックする。そして、チェッ
ク対象画素の数値とこれの左隣の画素の数値及び上側に
隣接する画素の数値とを比較し、それら数値の差の絶対
値を、このチェック対象画素の微分値[0〜255]と
する。このように得られた微分値に変換された画像デー
タでは、検査対象光学部材の光学的欠陥がある部分の輪
郭,及びナイフエッジ6aの縁だけが濃度の高い画像と
なる(画像内における濃淡変化が大きい部位を光学部材
の光学欠陥を示す部位として強調する強調手段に相
当)。
【0075】次のS006では、画像合成処理を実行す
る。即ち、S005にて得られた各微分値を、第2メモ
リ14bに書き込む。この際、前回のループ処理でのS
006の結果として前回の画像の微分値が第2メモリ1
4bに書き込まれている場合には、第2メモリ14bに
既に書き込まれている各微分値を取り出し、今回のルー
プ処理でのS005において得られた各微分値を加算し
た後に、第2メモリ14bに上書きする。
【0076】次のS007では、処理を開始した後にナ
イフエッジ6aが一回転したか否かをチェックする。そ
して、未だ一回転していない場合には、S011におい
て、ナイフエッジ回転制御部15に対してナイフエッジ
6aを22.5度回転させる命令をする。この回転後の
画像データが撮像素子9から入力された場合には、処理
をS004に戻し、この新たな画像データに対する処理
を実行する。
【0077】このようにナイフエッジ6aを若干量づつ
回転させて(S011)得られた画像データを累積する
(S006)ようにしたのは、次の理由による。即ち、
直線状のナイフエッジ6aを光路に挿入すると、ナイフ
エッジ6aの方向と平行な方向における異常成分は最も
良く検出され得るが、ナイフエッジ6aの方向と直交す
る方向における異常成分はあまり良く検出されない。そ
のため、ナイフエッジ6a自体を光軸lに直交する面内
で回転させて、あらゆる方向における異常成分を全て検
出して、同一の画像上に合成しているのである。また、
この結果、次の効果も得られる。即ち、ナイフエッジ6
aを停止させた場合の画像では、図6に示すように、光
学的欠陥部分の縁(図6中央の円弧部分)の他にナイフ
エッジ6aの縁(図6中央の左右に延びる白黒の境界
線)も、濃淡が急激に変化している箇所として映し出さ
れる。このナイフエッジ6aの縁は、本来検出が求めら
れている光学的欠陥部分の縁自体ではないので、検出さ
れないことが望ましい。そこで、ナイフエッジ6aを回
転させると、光学的欠陥部分の縁の位置が不動であるの
に対して、ナイフエッジ6aの縁は回転する。従って、
画像合成処理をすると、光学的欠陥部分の縁が益々強調
されるのに対して、ナイフエッジ6aの縁は光学的欠陥
部分の閉領域(縁によって囲まれている部分)内におい
て面状に平均化されるので、境界線としては認識されな
くなるのである。
【0078】以上のようにループ処理を繰り返した結果
ナイフエッジが1回転すると(即ち、ナイフエッジ6a
の22.5度づつの回転を16回繰り返すと)、S00
7からこのループ処理を抜けて、処理はS008に進
む。
【0079】図22は、このS008において実行され
る検査対象領域抽出処理サブルーチンの内容を示すフロ
ーチャートである。このサブルーチンに入って最初のS
201では、二値化処理を行う。この二値化処理とは、
第2メモリ内の画像データの各画素に対応する数値情報
が所定の閾値を超えていればその数値情報を255
(白)に置き換え、超えていなければ0(黒)に置き換
える処理である。この閾値は、検査対象光学部材の外縁
αが途切れることなく白(255)の閉曲線として残し
得るような値に、設定されている。この二値化処理の結
果得られる画像データを図23(a)に示す。図23
(a)におけるδはランナ19と光学部材A,Bの境に
形成される射出成形用のゲートの像であり、εはゲート
上の模様の像であり、ηはジェッティング等の屈折率異
常部分であり、σは光学部材表面に付着したゴミの像で
ある。なお、図23では、描画の都合上、白/黒を反転
して描いている。
【0080】次のS202では、閉領域抽出処理が実行
される。この閉領域抽出処理とは、閉じた白線によって
囲まれている領域のみを抽出する処理である。具体的に
は、S201により二値化された画像データを構成する
黒い画素[0]のうち、白い画素[255]によって取
り囲まれているものを閉領域内の画素とみなす。そし
て、この閉領域内のものと見なされた全画素の数値を2
55とし、それ以外の全画素の数値を0とする。この閉
領域抽出処理の結果得られる画像データを図23(b)
に示す。図23(b)に示すように、この閉領域抽出処
理の結果、端部が開いている線δは消去されるが、閉曲
線である光学部材の外縁α内では白/黒の逆転が生じる
だけなので、内部の閉曲線η及び点σは残ってしまう。
【0081】次のS203では、穴埋め処理が実行され
る。この穴埋め処理とは、白い画素[255]の中に残
された黒い画素[0]を消去するための処理である。具
体的には、S12によって得られた画像データを構成す
る黒い画素[0]のうち、白い画素[255]によって
取り囲まれているものの数値を255とする。この穴埋
め処理の結果得られる画像データを図23(c)に示
す。図23(c)に示すように、この穴埋め処理の結
果、光学部材外縁α内の閉曲線η及び点σは消去され、
大小二つの領域α,εのみが残る。
【0082】次のS204では、領域選択処理が実行さ
れる。この領域選択処理とは、本来必要とされる領域の
みを有効とするとともに、ゲートの一部等に基づいて抽
出されたそれ以外の閉領域を削除するための処理であ
る。具体的には、S203によって得られた画像データ
に含まれる各閉領域のうち、画面中央に位置する閉領域
はそのままとし、それ以外の全閉領域を構成する全画素
の数値を0とする。この領域選択処理の結果得られる画
像データを図9(d)に示す。図9(d)に示すよう
に、この画像における白い画素[255]の領域は検査
対象光学部材の画像の領域に対応しているので、この画
像のことを以下「マスク画像」という。
【0083】次のS205では、マスク画像を構成する
各画素の値(8ビットパラレルのデジタル値)と第2メ
モリ14bに書き込まれている各画素の値(8ビットパ
ラレルのデジタル値)とをAND演算する。このAND
演算処理の結果、第2メモリ14bに書き込まれた画像
データのうち、マスク画像の白い画素[255]の領域
に対応する部分のみがそのまま残され、他の部分の画素
の数値は全て0となる。
【0084】以上により、良品又は不良品の判定に用い
られる画像データが得られるので、このサブルーチンを
終了して、図19のメインルーチンに処理を戻す。図1
9においてS008の次に実行されるS009では、S
008の結果抽出された画像データを構成する各画素の
数値を、引き目ノイズが抽出されないレベルに設定され
た閾値と比較し、二値化(255:白,又は、0:黒)
する。即ち、画像データを構成する各画素の数値が閾値
よりも大きければ(明るければ)その数値を255に置
き換え、画像データを構成する各画素の数値が閾値より
も小さければ(暗ければ)数値を0に置き換える。そし
て、二値化後の画像の図形的特徴量(白い部分の面積,
最大幅,重心,フィレ径,等)を算出する。例えば、白
い[255の]画素の数を数えて面積量とする。
【0085】次のS010では、合否判定処理を実行す
る。即ち、S009において算出された各図形的特徴量
を、予め設定されている各合否判定基準値と比較する。
そして、対応する合否判定基準値を超過している図形的
特徴量が一つでもあれば不合格(不良品)と判定する
が、全ての図形的特徴量が夫々に対応する合否判定基準
値内に収まっていれば合格(良品)と判定する。なお、
判定に用いられる図形的特徴量のうちどれを合否判定に
用いるかは、検査対象光学部材の種類に依って定まる。
この合否判定処理が完了すると、この画像処理を終了す
る。 <光学部材検査装置による検査手順>本実施形態による
光学部材検査装置によって光学部材A,Bを検査する時
には、検査者は、予め用意された良品の光学部材A,B
をX−Y移動ステージ18にセットする。なお、検査対
象光学部材が凹レンズBである場合には、検査対象光学
部材Bと照明ユニット4との間に、補正レンズCを挿入
する。このように、本実施形態では、凸レンズで構成さ
れる補正レンズCを装着することで、検査対象光学部材
が凹レンズBでも検査することができる。そして、検査
者は、このようにしてセットした光学部材A,Bの芯出
しを、マニュアル操作によって行う。
【0086】検査者は、次に、白色ランプ1を点灯し
て、遮光板6のナイフエッジ6aを照明させる。する
と、表示装置10上に、撮像素子9によって撮像された
映像が映し出される。
【0087】検査者は、次に、表示装置10に映し出さ
れる映像を見ながら、照明ユニット4を移動させる。そ
して、図5(a)又は(b)のように、検査対象光学部
材の外縁αの内側において、検査対象光学部材の外縁α
の外側に見えるナイフエッジβと同じ方向にナイフエッ
ジγが見える時には、照明ユニット4が検査対象光学部
材に近過ぎる場合であるので、照明ユニット4を検査対
象光学部材から遠ざける。逆に、図5(d)又は(e)
のように、検査対象光学部材の外縁αの内側において、
検査対象光学部材の外縁αの外側に見えるナイフエッジ
βと逆の方向にナイフエッジγが見える時には、照明ユ
ニット4が検査対象光学部材から遠すぎる場合であるの
で、照明ユニット4を検査対象光学部材に近付ける。こ
のような照明ユニット4の進退調整を行った結果、図5
(c)のように、ナイフエッジγが検査対象光学部材の
外縁α内の大部分において消えた時には、照明ユニット
4が適正位置にある場合であるので、調整を停止する。
このように、本実施形態では、照明ユニット4が光軸l
方向に移動可能となっているので、焦点距離の違う複数
種類の光学部材を検査することができる。
【0088】次に、検査者は、良品の光学部材を外し、
実際の検査対象である光学部材A,BをX−Y移動ステ
ージ18にセットし直す。そして、図示せぬ自動芯出し
開始ボタンを押下する。すると、図20及び図21の自
動芯出し処理が実行される(S002)。即ち、装置光
軸lに対する光学部材A,Bの光軸のY方向におけるズ
レ量が輝度差に基づいて検出され(S109)、そのズ
レ量を相殺するY方向の移動量ΔYが求められる(S1
10)。同様に、装置光軸lに対する光学部材A,Bの
光軸のX方向におけるズレ量が輝度差に基づいて検出さ
れ(S119)、そのズレ量を相殺するX方向の移動量
ΔXが求められる(S120)。そして、これら移動量
ΔY,ΔXに応じてX−Y移動ステージ18による移動
が行われ、光学部材A,Bの芯出しが行われるのである
(S121)。
【0089】次に、検査者は、図示せぬ検査開始ボタン
を押下して、図19のS004以降による画像処理を開
始させる。すると、ナイフエッジ回転制御部15によっ
てナイフエッジ6aが22.5度づつ回転駆動されると
ともに(S011)、各回転位置において検査対象光学
素子A,Bを通過した光によって形成される画像が、撮
像装置7によって撮像される(S004)。画像処理部
14は、撮像した各画像の濃淡変化箇所を微分処理によ
って強調し(S005)、一回転分にわたって加算する
(S006,S007)。その結果、検査対象光学部材
のいかなる方向における欠陥成分(屈折率[屈折力]異
常,表面欠陥)に関しても、それを有している領域が抽
出され、それらが一つの画像データにまとめ上げられ
る。即ち、この画像データでは、欠陥の方向如何に拘わ
らず、欠陥を有している部位が白く浮き上がっている画
像となっている。なお、このように得られた画像データ
には、本来光学部材として機能している部分以外の箇所
についてのデータも含まれているが、S008の検査対
象領域抽出処理によって、その箇所についてのデータは
削除される。そして、異常部分の面積や最大幅等が数値
化され、一定の判断基準値と比較され、この比較結果に
応じて良品であるか不良品であるかの判定が客観的にな
されるのである。
【0090】
【実施形態2】本発明の第2の実施の形態は、上述した
第1実施形態に比して、図19のS002にて実行され
る自動芯出し処理サブルーチンの内容のみが異なり、他
の構成を同一とする。この第2実施形態において実行さ
れる自動芯出し処理サブルーチンを、図24及び図25
のフローチャートに示す。
【0091】このサブルーチンに入って最初のS301
では、ナイフエッジ回転制御部15に対して原点復帰命
令を発行する。ナイフエッジ回転制御部15は、この原
点復帰命令を受けると、モータ13を駆動して、ナイフ
エッジ6aの回転位置を原点に復帰させる。この原点と
は、図3に示した0°の回転位置であり、図1及び図2
に示すように、紙面に直交する方向(X方向)にそのナ
イフエッジ6aを向けた状態で遮光板6自体が図の左側
に位置する回転位置である。次のS302では、S30
1での原点復帰命令に応じたナイフエッジ6aの回転が
終了するのを待つ。次のS303では、この時点におい
て撮像素子9によって撮像された画像のデータを入力す
る。
【0092】次のS304では、ナイフエッジ回転制御
部15に対して90度回転命令を発行する。ナイフエッ
ジ回転制御部15は、この90度回転命令を受けると、
モータ13を駆動して、ナイフエッジ6aを時計方向に
90度回転させ始める。■ 次のS305では、S30
3にて入力した画像データを構成している全画素の輝度
値の中から、座標位置y1と座標位置y2との間でY方向
に並んでいる全ての画素の輝度値を抽出し、その総和Y
Aを求める。なお、このS305の処理の実行中でも、
ナイフエッジ回転制御部15はモータ13の駆動を継続
する。
【0093】次のS306では、S304の90度回転
命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するのを待
つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aが図1及
び図2の紙面の左右方向(Y方向)を向き、遮光板6自
体が図1及び図2の奥側に位置するようになる。次のS
307では、この時点において撮像素子9によって撮像
された画像のデータを入力する。
【0094】次のS308では、ナイフエッジ回転制御
部15に対して90度回転命令を発行する。ナイフエッ
ジ回転制御部15は、この90度回転命令を受けると、
モータ13を駆動して、ナイフエッジ6aを時計方向に
90度回転させ始める。
【0095】次のS309では、S307にて入力した
画像データを構成している全画素の輝度値の中から、座
標位置x1と座標位置x2との間でX方向に並んでいる全
ての画素の輝度値を抽出し、その総和XAを求める。な
お、このS309の処理の実行中でも、ナイフエッジ回
転制御部15はモータ13の駆動を継続する。
【0096】次のS310では、S308の90度回転
命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するのを待
つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aが図1及
び図2の紙面に直交する方向(X方向)を向き、遮光板
6自体が図1及び図2の右側に位置するようになる。
【0097】次のS311では、この時点において撮像
素子9によって撮像された画像のデータを入力する。次
のS312では、ナイフエッジ回転制御部15に対して
90度回転命令を発行する。ナイフエッジ回転制御部1
5は、この90度回転命令を受けると、モータ13を駆
動して、ナイフエッジ6aを時計方向に90度回転させ
始める。
【0098】次のS313では、S311にて入力した
画像データを構成している全画素の輝度値の中から、座
標位置y1と座標位置y2との間でY方向に並んでいる全
ての画素の輝度値を抽出し、その総和YBを求める。
【0099】次のS314では、S305にて算出した
輝度値総和YAから、S313にて算出した輝度値総和
Bを減算する(輝度差算出手段に対応)。次のS31
5では、S314での減算結果に基づいて、Y方向用の
光軸ズレ量変換テーブル16を参照し、Y方向の移動量
(パルス数)ΔYを求める。なお、S313乃至S31
5までの処理の実行中でも、ナイフエッジ回転制御部1
5はモータ13の駆動を継続する。
【0100】次のS316では、S312の90度回転
命令に応じたナイフエッジ6aの回転が終了するのを待
つ。この回転が終了すると、ナイフエッジ6aが図1及
び図2の紙面の左右方向(Y方向)を向き、遮光板6自
体が図1及び図2の手前側に位置するようになる。
【0101】次のS317では、この時点において撮像
素子9によって撮像された画像のデータを入力する。次
のS318では、S317にて入力した画像データを構
成している全画素の輝度値の中から、座標位置x1と座
標位置x2との間でX方向に並んでいる全ての画素の輝
度値を抽出し、その総和XBを求める。
【0102】次のS319では、S309にて算出した
輝度値総和XAから、S318にて算出した輝度値総和
Bを減算する(輝度差算出手段に対応)。次のS32
0では、S319での減算結果に基づいて、X方向用の
光軸ズレ量変換テーブル16を参照し、X方向の移動量
(パルス数)ΔXを求める。
【0103】次のS321では、X−Y移動ステージ制
御部17に対して、光学部材A,BをX方向にΔXだけ
移動させるとともにY方向にΔYだけ移動させるよう、
命令する(移動手段に対応)。この命令に応じてX−Y
移動ステージ18が駆動されると、光学部材A,Bの芯
出しがなされるのである。このステップが完了すると、
処理が図19のメインルーチンに戻される。
【0104】上述の第1実施形態にて実行される図20
及び図21の自動芯出し処理においては、ナイフエッジ
回転制御部15に対して回転命令を発行する毎に(S1
05,S111,S115)、画像処理部14はその回
転命令に対するナイフエッジ6aの回転が終了するのを
待ってから次の処理を行っていた。従って、回転が終了
するまでの時間中は他の処理を行うことができないの
で、全体としての処理時間が長くなってしまっていた。
これに対して、本第2実施形態にて実行される図24及
び図25の処理においては、ナイフエッジ回転制御部1
5に対して回転命令を一旦発行した後では(S304,
S308,S312)、画像処理部14は、ナイフエッ
ジ回転制御部15によるナイフエッジ6aの回転制御と
並行して、他の処理を実行することができる(S30
5,S309,S313〜315)。従って、全体とし
ての処理時間を短くすることが可能となっている。
【0105】また、上述の第1実施形態にて実行される
図20及び図21の自動芯出し処理においては、ナイフ
エッジ6aは、最小限計630度回転しなければならな
かった。従って、この事によっても、全体としての処理
時間が長くなってしまっていた。これに対して、本第2
実施形態にて実行される図24及び図25の処理におい
ては、ナイフエッジ6aは、最小限計270度回転する
だけで済む。従って、この事によっても、全体としての
処理時間を短くすることができる。
【0106】本第2実施形態におけるその他の構成及び
作用は、第1実施形態のものと全く同じであるので、そ
の説明を省略する。
【0107】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光学部
材検査装置によれば、検査対象である光学部材の芯出し
を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による光学部材検査
装置の構成図
【図2】 図1の光学部材検査装置を凹レンズに適用し
た場合における構成図
【図3】 図1における遮光板の正面図
【図4】 遮光板の回転状態を示す斜視図
【図5】 図1における照明ユニットの移動調整時にお
ける表示装置上の画像を示す図
【図6】 ヒケを有する光学部材を検査した場合におけ
る表示装置上の画像を示す図
【図7】 画像データ上に定義された座標軸及び座標位
置の説明図
【図8】 Y方向におけるズレ量が−0.2μmである
場合における画像データ
【図9】 Y方向におけるズレ量が−0.1μmである
場合における画像データ
【図10】 Y方向において芯出しされた状態における
画像データ
【図11】 Y方向におけるズレ量が+0.1μmであ
る場合における画像データ
【図12】 Y方向におけるズレ量が+0.2μmであ
る場合における画像データ
【図13】 図8の画像データにおけるY方向中心軸上
の輝度分布を示すグラフ
【図14】 図9の画像データにおけるY方向中心軸上
の輝度分布を示すグラフ
【図15】 図10の画像データにおけるY方向中心軸
上の輝度分布を示すグラフ
【図16】 図11の画像データにおけるY方向中心軸
上の輝度分布を示すグラフ
【図17】 図12の画像データにおけるY方向中心軸
上の輝度分布を示すグラフ
【図18】 図13乃至図17から算出された輝度差を
プロットしたグラフ
【図19】 図1及び図2の画像処理部において実行さ
れる制御処理の内容を示すフローチャート
【図20】 図19のS002にて実行される自動芯出
処理サブルーチンを示すフローチャート
【図21】 図19のS002にて実行される自動芯出
処理サブルーチンを示すフローチャート
【図22】 図19のS008にて実行される検査対象
領域抽出処理サブルーチンを示すフローチャート
【図23】 図22の検査対象領域抽出処理の説明図
【図24】 本発明の第2の実施形態において図19の
S002にて実行される自動芯出処理サブルーチンを示
すフローチャート
【図25】 本発明の第2の実施形態において図19の
S002にて実行される自動芯出処理サブルーチンを示
すフローチャート
【符号の説明】
4 照明ユニット 5 拡散板 6 遮光板 7 撮像装置 8 撮像レンズ 9 撮像素子 13 モータ 14 画像処理部 15 ナイフエッジ回転制御部 16 光軸ズレ量変換テーブル 17 X−Y移動ステージ制御部 18 X−Y移動ステージ A 凸レンズ B 凹レンズ C 補正レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木田 敦 東京都板橋区前野町2丁目36番9号旭光 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−72823(JP,A) 特開 平9−61292(JP,A) 特開 平6−174583(JP,A) 特開 平9−101234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 G01N 21/84 - 21/958

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材
    検査装置であって、 照明光によって照明される拡散板と、 前記光学部材を含む光学系の焦点位置に配置され、前記
    拡散板によって拡散された光を部分的に透過させ且つ部
    分的に遮光するように前記拡散板に接している遮光手段
    と、 この遮光手段における前記光を部分的に透過させる部分
    と部分的に遮光する部分との境界線に接する回転軸を中
    心にこの遮光手段を180度回転させる回転手段と、 前記光学系を透過した光を撮像する撮像手段と、 前記回転手段による前記遮光手段の回転の前後の時点に
    おいて前記撮像手段によって撮像された画像同士の輝度
    差を算出する輝度差算出手段と、 この輝度差算出手段によって算出された輝度差に基づい
    て、前記光学系の光軸と前記遮光手段の回転軸とのズレ
    を相殺するように、前記光学系の光軸を移動させる移動
    手段とを備えたことを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 【請求項2】前記光学系は、凸レンズである前記光学部
    材のみからなることを特徴とする請求項1記載の光学部
    材検査装置。
  3. 【請求項3】前記光学系は、凹レンズである前記光学部
    材と凸レンズである補正レンズとからなり、全体として
    正レンズ系であることを特徴とする請求項1記載の光学
    部材検査装置。
  4. 【請求項4】前記移動手段は、前記回転手段による前記
    遮光手段の回転の前後の時点における前記境界線の方向
    及び前記光学系の光軸の方向に共に直交する方向に、前
    記光学部材を移動させることを特徴とする請求項1記載
    の光学部材検査装置。
  5. 【請求項5】前記回転手段は、前記遮光手段を互いに9
    0度づつずれた4つの回転位置へ夫々回転させ、 前記撮像手段は、前記4つの回転位置の各々において、
    前記光学系を透過した光を撮像し、 前記輝度差算出手段は、互いに180度ずれている回転
    位置における前記画像同士の輝度差を算出し、 前記移動手段は、各輝度差に夫々対応する方向に、前記
    光学部材を移動させることを特徴とする請求項1記載の
    光学部材検査装置。
  6. 【請求項6】前記移動手段は、前記輝度差算出手段によ
    って算出された輝度差を、前記光学系の光軸と前記遮光
    手段の回転軸との間のズレを相殺するのに要する移動量
    に変換し、変換された移動量に従って前記光学部材を移
    動させることを特徴とした請求項1記載の光学部材検査
    装置。
  7. 【請求項7】前記移動手段は、前記輝度差と前記移動量
    とを対応させたテーブルを有しているとともに、前記輝
    度差に基づいてこのテーブルを参照して、対応する移動
    量を読み出すことを特徴とする請求項6記載の光学部材
    検査装置。
  8. 【請求項8】前記遮光手段の回転軸は前記撮像手段の撮
    像光軸と一致していることを特徴とする請求項1記載の
    光学部材検査装置。
  9. 【請求項9】前記輝度差算出手段は、前記回転手段によ
    る前記遮光手段の回転の前後の時点における前記境界線
    の方向及び前記光学系の光軸の方向に共に直交する直線
    上での前記各画像の輝度を積分し、積分された各画像の
    輝度同士の輝度差を算出することを特徴とする請求項1
    記載の光学部材検査装置。
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