JP3231454U - 調理用焼き板 - Google Patents

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敬司 浅井
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Abstract

【課題】黒皮鉄板に比べ、肉の焦げ付きを抑制しやすく、シーズニングにより密着性の高い被膜を形成することができ、保管時の油のべとつき感を低減可能な調理用焼き板を提供する。【解決手段】調理用焼き板1は、熱源の上に配置されて食材の加熱調理を行うために用いられる。調理用焼き板1は、鋳鉄または鋼からなる。調理用焼き板1は、第1の板面11と、第1の板面11とは反対側の第2の板面とを備える。第1の板面11および第2の板面のうち少なくとも一方の板面全体には、切断跡130、切削跡、研削跡、および、研磨跡からなる群より選択される少なくとも一種より構成された表面凹凸13を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、調理用焼き板に関する。
従来、ガスバーナー、ガスコンロ、バーベキューコンロ、焚火台等の熱源を利用して肉類、魚介類、野菜等の食材の加熱調理を行うために、金属製の板状体からなる調理用焼き板が用いられている。
この種の調理用焼き板としては、例えば、製造時に形成された黒皮を表面に有するSS400等からなる圧延鋼板を四角形に切り出して形成した焼き板(以下、単に「黒皮鉄板」という。)が広く知られている。調理用焼き板は、通常、少なくとも初回使用前に、食用油成分に由来する被膜を板面に加熱形成するシーズニングを行った後に使用される。
なお、特許文献1には、板状体ではないが、略中央に頂点を有する曲面と、曲面上の全面に形成された微細な凹凸からなる粗面とを有する鋳物製のバーベキュー用焼き板が開示されている。
実公平2−032192号公報
しかしながら、黒皮鉄板は、圧延鋼板からなるので、板面が極めて平滑である。そのため、板面に肉がひっついて焦げ付きやすい。また、黒皮鉄板は、シーズニングにより密着性の高い被膜を形成することが難しく、使用後のタワシによる水洗い時に焦げ等と一緒に被膜が剥離しやすい。そのため、被膜が剥離しないように弱い力で洗わなければならず、清掃性に劣る。また、黒皮鉄板は、錆びつきやすいため、保管時に錆び止め用の食用油を毎回うすく塗る必要がある。そのため、板面が平滑であることも相まって、油のべとつき感が残る。
本考案は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、黒皮鉄板に比べ、肉の焦げ付きを抑制しやすく、シーズニングにより密着性の高い被膜を形成することができ、保管時の油のべとつき感を低減可能な調理用焼き板を提供しようとするものである。
本考案の一態様は、熱源の上に配置されて食材の加熱調理を行うために用いられる調理用焼き板であって、
鋳鉄または鋼からなり、
第1の板面と、上記第1の板面とは反対側の第2の板面とを備え、
上記第1の板面および上記第2の板面のうち少なくとも一方の板面全体に、
切断跡、切削跡、研削跡、および、研磨跡からなる群より選択される少なくとも一種より構成された表面凹凸を有する、
調理用焼き板にある。
上記調理用焼き板は、上記表面凹凸を有する板面上で肉を焼いた際に、上記表面凹凸により板面と肉との接触面積が少なくなる。そのため、上記調理用焼き板は、板面が平滑な黒皮鉄板に比べ、肉の焦げ付きを抑制することができる。また、上記調理用焼き板は、上記表面凹凸を有する板面上に、シーズニングにより食用油成分に由来する被膜を形成した際に、上記表面凹凸によるアンカー効果により密着性の高い被膜を形成することができる。そのため、上記調理用焼き板は、使用後のタワシによる水洗い時に被膜が剥離し難い。また、これにより、上記調理用焼き板は、一旦シーズニングした後は、保管時に錆び止め用の食用油を積極的に塗る必要がない。そのため、上記調理用鉄板は、板面に上記表面凹凸を有することによって使用者の手指と板面との接触面積が少なくなることも相まって、食用油成分に由来する被膜があっても、保管時における油のべとつき感を低減することができる。
図1は、実施形態1の調理用焼き板の正面の一例を示した説明図である。 図2は、実施形態1の調理用焼き板の背面の一例を示した説明図である。 図3は、実施形態1の調理用焼き板の左側面(図3(a))、右側面(図3(b))、平面(図3(c))、底面(図3(d))の一例を示した説明図である。 図4は、実施形態1の調理用焼き板のIV−IV線矢視断面の一部を拡大して模式的に示した説明図である。 図5は、実施形態1の調理用焼き板において、線状の突出部および線状の溝部を有する鋸目跡からなる切断跡より構成される表面凹凸の変形例(鋸目パターンの変形例)を示した説明図であり、図5(a)は、四角形の四辺のうち対向する二辺に略平行な直線状の突出部を有する場合、図5(b)および図5(c)は、円弧線状の突出部を有する場合を示したものである。 図6は、実施形態1の調理用焼き板における板外形の変形例を示した説明図であり、図6(a)は、板外形が円形状である場合、図6(b)は、板外形が正方形状である場合、図6(c)は、板外形が小円と大円とが連結したダルマ形状である場合を示したものである。 図7は、鋸目跡からなる切断跡より構成される表面凹凸を有する調理用焼き板の製造方法の一例を示した説明図であり、図7(a)は、鋳鉄または鋼からなる鋳物製のブロック体の一例を示したものであり、図7(b)は、一方向に回転する帯鋸刃によりブロック体を薄く切断する際における帯鋸刃の経時的な位置を示したものである。 図8は、実施形態2の調理用焼き板が有する穴部および接続路の一例を模式的に示した説明図である。 図9は、実験例1にて作製した、試験体1−1の調理用焼き板の正面の写真(図9(a))、左側面の写真(図9(b))、平面の写真(図9(c))である。 図10は、実験例1にて作製した、試験体1−1の調理用焼き板の背面の写真(図10(a))、試験体1−1の調理用焼き板の正面の写真(図9(a))におけるE−E線斜視F−G部分に対応する部分の部分拡大断面図(図10(b))である。 図11は、実験例1にて作製した、試験体1−1の調理用焼き板の正面の写真(図9(a))におけるA−A’部分拡大図(図11(a))、B−B’部分拡大図(図11(b))である。 図12は、実験例1にて作製した、試験体1−1の調理用焼き板の正面の写真(図9(a))におけるC−C’部分拡大図(図12(a))、D−D’部分拡大図(図12(b))である。 図13は、実験例1において作製した鋳物製のブロック体の説明写真であり、図13(a)はブロック体の鋳肌面の一部を示した写真、図13(b)は鋳肌面の顕微鏡写真(倍率100倍)である。 図14は、実験例2における、試料2−1の調理用焼き板の板面に垂直な断面の組織観察について説明した図である。 図15は、実験例2における、試料2−1の調理用焼き板の鋳肌面からなる板側面の組織観察について説明した図である。 図16は、実験例3において作製した、異なる鋸目跡からなる切断跡より構成される表面凹凸を有する試験体3−1〜試験体3−3の調理用焼き板の外観写真である。 図17は、実験例4において作製した、試験体4−1Cの黒皮鉄板、試験体4−1の調理用焼き板、および、試験体4−2の調理用焼き板のシーズニング後の板面の状態と、焼肉テスト後にタワシを用いて水洗した後の板面の状態とを示した写真である。 図18は、実刑例5において、試験体4−1の調理用焼き板、試験体4−2の調理用焼き板、試験体4−1Cの黒皮鉄板、および、試験体5−1の調理用焼き板の板面を、顕微鏡観察した結果(倍率100倍)を示した説明図である。
(実施形態1)
実施形態1の調理用焼き板について、図1〜図7を用いて説明する。図1〜図3に例示されるように、本実施形態の調理用焼き板1は、熱源(不図示)の上に配置されて食材(不図示)の加熱調理を行うために用いられる板状体である。熱源としては、例えば、ガスバーナー、ガスコンロ、バーベキューコンロ、焚火台等の火を用いる熱源や、IHコンロ、電気コンロ等の電気を用いる熱源などを例示することができる。
調理用焼き板1は、第1の板面11と、第1の板面11とは反対側の第2の板面12とを備える。調理用焼き板1は、第1の板面11および第2の板面12のうち少なくとも一方の板面全体にわたって表面凹凸13を有している。本実施形態では、図1および図2に示されるように、第1の板面11および第2の板面12の両方が表面凹凸13を有する例が示されている。
表面凹凸13は、切断跡130、切削跡(不図示)、研削跡(不図示)、および、研磨跡(不図示)からなる群より選択される少なくとも一種、好ましくは、切断跡130、切削跡、研削跡、および、研磨跡からなる群より選択される一種より構成される。なお、この種の加工跡より構成される表面凹凸13は、型面やロール面の凹凸が板面に転写されることによって形成される凹凸とは異なるものである。切断跡130としては、具体的には、鋸刃や切断砥石等による跡などを例示することができる。切削跡としては、具体的には、切削工具(バイト)による跡などを例示することができる。研削跡としては、具体的には、研削砥石による跡などを例示することができる。研磨跡としては、具体的には、研磨材による跡などを例示することができる。
調理用焼き板1において、第1の板面11および第2の板面12の両方が表面凹凸13を有する場合、第1の板面11が有する表面凹凸13と、第2の板面12が有する表面凹凸13とは、同種の加工跡により構成されていてもよいし、互いに異なる加工跡により構成されていてもよい。図1および図2では、第1の板面11および第2の板面12の両方が、切断跡130より構成される表面凹凸13を有している例が示されている。
なお、調理用焼き板1において、第1の板面11および第2の板面12の両方が表面凹凸13を有する場合には、いずれの板面が調理面とされてもよい。また、第1の板面11および第2の板面12のいずれか一方が表面凹凸13を有する場合には、表面凹凸13を有する板面が調理面とされる。
調理用焼き板1は、鋳鉄または鋼から構成される。鋳鉄としては、ねずみ鋳鉄、ダクタイル鋳鉄などを例示することができる。調理用焼き板1は、好ましくは、鋳鉄、より好ましくは、ねずみ鋳鉄から構成されているとよい。この構成によれば、切断跡130、切削跡、研削跡、および、研磨跡からなる群より選択される少なくとも一種より構成された表面凹凸13を有する板面に、鋳鉄に含まれる炭素が露出する。炭素は、シーズニングにより形成される食用油成分に由来する被膜とのなじみがよい。そのため、調理用焼き板1が鋳鉄からなる場合には、上記表面凹凸13によるアンカー効果と相まって食用油成分に由来する被膜の密着性を向上させることができる。なお、調理用焼き板1が鋼からなる場合、鋼はほとんど単体の炭素を含まないため、上記表面凹凸13を有する板面に炭素はほぼ露出しない。また、板状体を形成可能な鋳型に溶けた鋳鉄を流し込み、凝固、冷却することによってはじめから型通りに板状に形成された鋳物製の焼き板は、鋳鉄からできていても、鋳型内壁面に接していた板面に炭素をほとんど含まないチル層が形成される。そのため、このように製造された鋳物製の焼き板も、板面に炭素がほとんど露出しない。
調理用焼き板1が鋳鉄から構成されている場合には、シーズニングの繰り返しの実施や、初期シーズニングを行った後の繰り返しの調理(通常、食用油を引いてから調理が行われる)により、調理用焼き板1を早期に黒色化することができる。これは、表面凹凸13を有する板面にシーズニングにより密着性の高い被膜が形成された後、その被膜が剥がれ難いことにより、シーズニングの繰り返しや繰り返しの調理による食用油の塗布によって安定して被膜が成長するためであると考えられる。したがって、調理用焼き板1が鋳鉄から構成されている場合には、使用後のタワシによる水洗いによって被膜が剥離しやすい黒皮鉄板に比べ、調理用焼き板1の使用によって板面をより黒々とさせる楽しみを比較的早期から享受することができる。また、調理用焼き板1が鋳鉄から構成されている場合には、黒皮鉄板に比べ、黒色ムラの少ない被膜を形成することができる。
上述した調理用焼き板1は、表面凹凸13を有する板面上で肉を焼いた際に、表面凹凸13により板面と肉との接触面積が少なくなる。そのため、調理用焼き板1は、板面が平滑な黒皮鉄板に比べ、肉の焦げ付きを抑制することができる。また、調理用焼き板1は、表面凹凸13を有する板面上に、シーズニングにより食用油成分に由来する被膜を形成した際に、表面凹凸13によるアンカー効果により密着性の高い被膜を形成することができる。そのため、調理用焼き板1は、使用後のタワシによる水洗い時に被膜が剥離し難い。また、これにより、調理用焼き板1は、一旦シーズニングした後は、保管時に錆び止め用の食用油を積極的に塗る必要がない。そのため、調理用焼き板1は、板面に表面凹凸13を有することによって使用者の手指と板面との接触面積が少なくなることも相まって、食用油成分に由来する被膜があっても、保管時における油のべとつき感を低減することができる。また、調理用焼き板1は、一旦シーズニングした後は、使用後に水洗し、乾燥させ、食用油を塗らずに保管しても錆び難いので、メンテナンスの手間を少なくすることができる。
調理用焼き板1において、表面凹凸13は、具体的には、図1から図6に示されるように、鋸目跡130aからなる切断跡130より構成されていることが好ましい。なお、鋸目跡130aは、鋸切断によって板面に形成される鋸の刃跡のことである。
上記構成によれば、例えば、断面四角形状等の所望の断面形状を有する鋳鉄または鋼からなるブロック体(ブロック状の鋳鉄鋳物またはブロック状の鋼鋳物等)を、鋸によって所定厚みの板状に薄切りすることにより、その板面に、鋸目跡130aからなる切断跡130より構成された表面凹凸13を形成することができる。これに対して、切削跡、研削跡、または、研磨跡等より構成される表面凹凸13は、例えば、鋳型を用いてはじめから型通りに板状に形成された鋳物製の焼き板の鋳肌面を切削加工、研削加工、研磨加工するなどして形成することになる。そのため、上記構成によれば、表面凹凸13が他の加工跡より構成される場合に比べ、調理用焼き板1の製造性に優れる。また、上記構成によれば、製造時に削り屑等の不要部分を減らすことができるので、材料の無駄も生じ難い。また、上記構成によれば、鋳鉄または鋼からなるブロック体を鋸にて任意の厚みの板状に薄切りすることにより、鋸目跡130aからなる切断跡130より構成される表面凹凸13を形成することができるので、調理用焼き板1の板厚を自由に設定することができる。そのため、上記構成によれば、板厚が規格化されている黒皮鉄板に比べ、板厚選択の自由度が高く、板厚のオーダーメイドにも対応可能な調理用焼き板1が得られる。また、上記構成によれば、鋸刃速度、鋸刃のピッチ、鋸刃のアサリ量、鋸刃の外形状(帯鋸刃、丸鋸刃等)等を変化させることにより、鋸目跡130aの幅、鋸目跡130aの凹凸度合い、鋸目跡130aの縞模様状のパターン等を自由に調節することができる。そのため、上記構成によれば、鋸目跡130aによる美観に優れた調理用焼き板1が得られる。また、鋸目跡130aからなる切断跡130より構成された表面凹凸13は、切削跡等より構成される表面凹凸13に比べ、凹凸が細かくなり難い。そのため、上記構成によれば、焦げが生じた場合に焦げが凹部に入り込んでタワシで擦っても取りきれないといった現象を少なくすることができる。
調理用焼き板1において、鋸目跡130aは、具体的には、図1から図6に示されるように、互いに離間した複数の線状の突出部130bと、隣り合う突出部130bの間に形成された複数の溝部130cとを有する構成とすることができる。つまり、鋸目跡130aは、板面上にて線状の突出部130bと線状の溝部130cとが交互に配置された構成とすることができる。この構成によれば、表面凹凸13が形成された板面のどの部分に肉等の食材をのせても、互いに離間した複数の線状の突出部130bによって食材が主に支持され、隣り合う突出部130bの間に形成された複数の溝部130cには、調理時に板面に引いた油や肉からの脂が主に保持される。そのため、この構成によれば、黒皮鉄板に比べ、肉の焦げ付きを抑制しやすくなる。また、上記構成によれば、調理時に板面に油を引く際には、線状の突出部130bおよび線状の溝部130cに沿って油を引くことができるので、油を引きやすい。また、上記構成によれば、使用後のタワシによる水洗い時に、線状の突出部130bおよび線状の溝部130cに沿ってタワシを進退させて汚れを落とすことができるので、清掃時の負荷が増大することもない。また、上記構成によれば、複数の突出部130bと複数の溝部130cとにより、板面全体に縞模様状を呈する表面凹凸13を確実に形成することができるので、調理用焼き板1の美観付与を確実なものとすることができる。なお、隣り合う線状の突出部130b同士は、一部接触している部分があってもよい。
調理用焼き板1において、各突出部130bは、図1、図2、図5(a)、図6等に例示されるように、直線状であってもよいし、図5(b)、図5(c)等に例示されるように、円弧線状などの曲線状であってもよい。同様に、各溝部130cは、図1、図2、図5(a)、図6等例示されるように、直線状であってもよいし、図5(b)、図5(c)等に例示されるように、円弧線状などの曲線状であってもよい。なお、図5およぶ図6は、突出部130bを簡略化して線で描いたものである。
線状の突出部130bおよび溝部130cは、例えば、帯鋸刃を用いて鋳鉄または鋼からなるブロック体を板状に薄切りすることにより形成することができる。また、円弧線状の突出部130bおよび溝部130cは、例えば、丸鋸刃を用いて鋳鉄または鋼からなるブロック体を板状に薄切りすることにより形成することができる。
各突出部130bが直線状である場合、図1、図2、図6に示されるように、各突出部130bの形成方向は、徐々に変化する構成とすることができる。つまり、表面凹凸13を有する板面上にて各突出部130bの傾きが徐々に変化する構成とすることができる。また、各突出部130bの一方端部側における突出部130bのピッチと、各突出部130bの他方端部側における突出部130bのピッチとは、異なる構成とすることができる。つまり、各突出部130bの一方端部側における突出部130bのピッチは、各突出部130bの他方端部側における突出部130bのピッチよりも大きいまたは小さい構成とすることができる。なお、各突出部130bの一方端部側における突出部130bのピッチとは、各突出部130bの一方端部に位置する全ての突出部130bについて、互いに隣接する突出部130の幅方向中央部間の距離を測定して得たピッチ測定値の平均値である。同様に、各突出部130bの他方端部における突出部130bのピッチは、各突出部130bの他方端部に位置する全ての突出部130bについて、互いに隣接する突出部130の幅方向中央部間の距離を測定して得たピッチ測定値の平均値である。これらの構成によれば、図5(a)に例示されるように直線状を呈する各突出部130bが互いに平行である場合に比べ、複数の突出部130bと複数の溝部130cとによる縞模様に変化を与えることができ、調理用焼き板1の美観向上に寄与することができる。
調理用焼き板1の板外形は、特に限定されない。図1〜図3、図5、図6(b)では、板外形が四角形状(長方形状、正方形状等)とされている例が示されている。なお、上記四角形状とは、角部が直角の四角形のみならず、四角形の角部が斜めに形成されたものや、四角形の角部が丸められたものなどを含む意味である。また、調理用焼き板1の板外形は、四角形状以外の多角形状などであってもよいし、図6(a)に例示されるように、円形状(楕円形状も含む)などであってもよいし、図6(c)に例示されるように、小円と大円とが滑らかに連結したダルマ形状などであってもよい。また、調理用焼き板1の板外形は、複数の図形の組み合わせた形状であってもよいし、キャラクター、動物、植物(花、葉、野菜、果物等)の全体または一部の輪郭形状などであってもよい。このような板外形は、形状自由度の高い鋳造によって所望の断面形状を有する鋳物製のブロック体を作製し、当該ブロック体を切断することにより比較的簡単に形成することができる。そのため、調理用焼き板1は、圧延鋼板から切り出される黒皮鉄板に比べ、板外形の自由度が高い。なお、図5および図6では、調理用焼き板1の第1の板面11側を示したが、第2の板面12側も同様の表面凹凸13等を有する構成とすることができる。
調理用焼き板1の板外形が四角形状である場合、突出部130bは、図1および図2に示されるように、対向する二辺の間を繋ぐ複数の第1突出部131bと、隣接する二辺の間を繋ぐ複数の第2突出部132bとを含む構成とすることができる。この構成によれば、四角形の四辺のうち対向する二辺と直線状を呈する各突出部130bとが互いに略平行である場合(図5(a)等)に比べ、複数の突出部130bと複数の溝部130cとによる縞模様に変化を与えることができ、調理用焼き板1の美観向上に寄与することができる。
調理用焼き板1は、図4に例示されるように、突出部130bおよび溝部130cの表面にさらに微細凹凸130dを有する構成とすることができる。この構成によれば、突出部130bおよび溝部130cによる凹凸だけではなく、微細凹凸130dによる凹凸も加わるため、表面凹凸13の表面積が増加する。そのため、この構成によれば、表面凹凸13によるアンカー効果が大きくなり、密着性の高い被膜形成を確実なものとすることができる。微細凹凸130dは、例えば、突出部130bの形成方向に形成された複数の筋などから構成することができる。
調理用焼き板1は、第1の板面11および第2の板面12に鋳肌面14を有しておらず、板側面に鋳肌面14を有する構成とすることができる。この構成によれば、鋳物製のブロック体を板状に薄切りすることにより調理用焼き板1を製造することができるので、鋳型を用いて1枚ずつ焼き板を鋳造する場合に比べ、生産性を向上させることができる。また、鋳型形成のための木型の作製も不要になるので、製造コストを低減することができる。また、この構成において、とりわけ、調理用焼き板1が鋳鉄からなる場合には、第1の板面11および第2の板面12において、鋳鉄に含まれる炭素の露出を確実なものとすることができる。そのため、この構成によれば、食用油成分に由来する被膜と炭素との親和性が高いことによる被膜の密着性向上を確実なものとすることができる。なお、調理用焼き板1は、板側面全体が鋳肌面14から構成されていてもよいし、板側面の一部が鋳肌面14から構成され、板側面の残部に鋳肌面14がない構成とされていてもよい。なお、板側面の鋳肌面14は、上述した鋳物製のブロック体の表面の鋳肌面に由来するものとすることができる。
調理用焼き板1の板厚は、軽量性と蓄熱性とのバランスなどを考慮して選択することができる。調理用焼き板1の板厚は、例えば、2mm以上15mm以下、好ましくは、3mm以上10mm以下、より好ましくは、3mm以上8mm以下、さらにより好ましくは、3mm以上7mm以下とすることができる。
鋸目跡130aからなる切断跡130より構成される表面凹凸13を有する調理用焼き板1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図7(a)に示されるように、所望の断面形状を有する鋳鉄または鋼からなるブロック体4を準備する。図7(a)では、角部が丸みを帯びた断面四角形状を有する、直方体状の鋳物製のブロック体4が例示されている。次いで、図7(b)に示されるように、一方向に回転する帯鋸刃(回転鋸刃)91により切断を行う横型バンドソー9の基台92上に、バイスやチェーン等の固定手段(不図示)により、ブロック体4を固定する。次いで、一方向に回転する帯鋸刃91を矢印Y方向に上から下に下ろし(上から下に送り)、ブロック体4を薄く切断する。図7(b)では、直方体状のブロック体4の角部から切断を開始し、基台92と接触する面側にて帯鋸刃91が略水平となるように切断を終了する例が示されている。以上の方法により、所望厚みの板状体からなる調理用焼き板1を製造することができる。また、これを繰り返せば、一回の鋳造によって作製した一つのブロック体4から複数枚の調理用焼き板1を製造することができる。そのため、鋸目跡130aからなる切断跡130より構成される表面凹凸13を有する調理用焼き板1は、1枚ずつ鋳造される焼き板に比べ、製造過程における熱エネルギー消費量が少なくて済み、CO排出量を減らす脱炭素社会・低炭素社会に貢献することができる。なお、鋳物製のブロック体4の表面は、鋳造時に鋳型内壁面に接して形成されているので、鋳肌面40となっている。そのため、ブロック体4から調理用焼き板1を最初に切断する際には、ブロック体4における切断方向に垂直な方向の一方の端面側にある鋳肌面40は、上記と同様にして切断しておく必要がある。また、例えば、A5サイズの調理用焼き板1を2つに切断してA6サイズの調理用焼き板1を製造するなど、あるサイズの調理用焼き板1をブロック体4から薄切りして製造した後、その調理用焼き板1をさらに切断することによってより小さなサイズの調理用焼き板1を製造することもできる。この場合、調理用焼き板1は、板側面の一部が鋳肌面14で構成され、板側面の残部が鋳肌面14のない面で構成されることになる。
(実施形態2)
実施形態2の調理用焼き板1について、図8を用いて説明する。図8に例示されるように、本実施形態の調理用焼き板1は、さらに、穴部2と、接続路3とを有している。なお、図8では、図面作成の便宜上、第1の板面11等の板面に形成された表面凹凸13は省略されている。
従来、黒皮鉄板を持ち上げる取っ手として、一対の棒状部または板部を先端部に有する取っ手(不図示)が広く使用されている。穴部2は、調理用焼き板1を持ち上げる取っ手の先端部を差し込むための部位である。穴部2は、板厚方向に貫通している。接続路3は、穴部2と調理用焼き板1の板側面とを接続しており、板厚方向に貫通している。なお、穴部2および接続路3は、調理用焼き板1の板外周縁のいずれの位置に形成されていてもよい。本実施形態は、長方形状の板外形を有する調理用焼き板1における一方の短辺側における板外周縁中央部に、穴部2および接続路3を形成した例である。また、図8では、長穴形状の穴部2の例を示したが、穴部2の形状は、特に限定されない。また、接続路3の形状も、特に限定されない。
本実施形態の調理用焼き板1によれば、一般的に広く使用されている取っ手の先端部を穴部2に差し込むことにより、取っ手の先端部に調理用焼き板1を引っ掛けて持ち上げることが可能になる。さらに、本実施形態の調理用焼き板1は、接続路3を有しているので、例えば、発砲スチロール等の材料を用い、穴部2を形成するための部位を有するブロック体4と同じ形状の模型を作り、この模型を砂の中に埋設し、注湯して模型を消失させて湯と置き換える消失模型鋳造法により、穴部2を形成するための部位を有するブロック体4を容易に形成することができる。そして、このようなブロック体4を薄切りするだけで、穴部2を有する調理用焼き板1を製造することできる。そのため、本実施形態の調理用焼き板1によれば、黒皮鉄板で行われているようなレーザー加工、ドリル加工、切削加工などによる穴部2の後形成が不要になる。それ故、穴部2を有する調理用焼き板1の製造性に優れる。その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
<実験例1>
発砲スチロールによる消失模型を用いた消失模型鋳造法により、断面長方形状(約A5サイズ)の鋳鉄(材質:FC200)からなる鋳物製のブロック体を作製した。次いで、一方向に回転する帯鋸刃により切断を行う横型バンドソーを用いてブロック体を切断することにより、ブロック体から約5mmの板厚を有する調理用焼き板を切り出した。これを試験体1−1の調理用焼き板とする。
図9から図12に、試験体1−1の調理用焼き板の外観等を示す。なお、試験体1−1の調理用焼き板の右側面図は、左側面図とほぼ同一に表れるため省略する。同様に、試験体1−1の調理用焼き板の底面図は、平面図とほぼ同一に表れるため省略する。図9から図12に示されるように、試験体1−1の調理用焼き板は、両板面が切断面であり、両板面全体に、鋸目跡からなる切断跡より構成された表面凹凸を有していることがわかる。また、鋸目跡は、互いに離間した複数の線状の突出部と、隣り合う突出部の間に形成された複数の溝部とを有していることがわかる。また、図9に示されるように、試験体1−1の調理用焼き板は、板側面に鋳肌面を有していることがわかる。この鋳肌面は、図13(a)に例示されるように、ブロック体の表面の鋳肌面の一部である。なお、図13(b)は、鋳肌面の顕微鏡写真(倍率100倍)であり、後述する図18に示される鋸目跡からなる切断跡より構成された表面凹凸の顕微鏡写真(倍率100倍)とは全く異なることがわかる。板側面にある鋳肌面は、必要に応じて、グラインダー等により全部または一部が除去されてもよい。
<実験例2>
実験例1で作製した鋳鉄鋳物製のブロック体から、実験例1と同様にして、試験体2−1の調理用焼き板を作製した。次いで、図14に示されるように、調理用焼き板における短辺側の端部を板面に対して垂直に切断し、板面に垂直な断面の組織を倍率100倍にて観察した。その結果、図14に示されるように、両板面の表面に達する片状炭素が確認された。また、図15に示されるように、調理用焼き板における板面の隅部を研磨して鋸目跡を除去し、鋳肌面からなる板側面近傍の組織を観察した。その結果、図15に示されるように、組織が白くなり、鋳肌面の表面にまで達する片状炭素は実質的に見られなかった。つまり、鋳肌面の表層にチル層が確認された。
これらの結果から、はじめから型通りに板状に形成される鋳物製の焼き板は、板面がチル層によって覆われてしまうため、鋳鉄に含まれる炭素を板面に露出させ難いことがわかる。これに対し、上記調理用焼き板は、切断跡より構成された表面凹凸を有する板面に、鋳鉄に含まれる炭素を露出させることができる。なお、上記の結果によれば、板面が、切削跡、研削跡、または、研磨跡からなる表面凹凸を有する場合には、製造時における板面の切削、研削、または、研磨によってチル層が除去され、チル層より内部の鋳鉄が板面に露出する。そのため、これらの場合にも、鋳鉄に含まれる炭素を板面に露出させることが可能である。
<実験例3>
実験例1で作製した鋳鉄鋳物製のブロック体から板状体を薄切りする際のバンドソーの鋸刃の下降速度を変えた点以外は実験例1と同様にして、異なる鋸目跡からなる切断跡より構成される表面凹凸を有する試験体3−1〜試験体3−3の調理用焼き板を作製した。なお、本例では、試験体3−1の調理用焼き板の作製時における鋸刃の下降速度(鋸刃の送り速度、以下同様)<試験体3−2の調理用焼き板の作製時における鋸刃の下降速度<試験体3−3の調理用焼き板の作製時における鋸刃の下降速度とした。図16に、各試験体の調理用焼き板の板面を並べて示す。なお、図16では、左側から順に、試験体3−2の調理用焼き板、試験体3−3の調理用焼き板、試験体3−1の調理用焼き板が並べられている。
図16に示されるように、例えば、鋸刃切断時の鋸刃の下降速度を変えることにより、板面に形成される鋸目跡の形状を変えることができることが確認された。
<実験例4>
実験例1で作製した鋳鉄鋳物製のブロック体から、実験例1と同様にして、試験体4−1の調理用焼き板(大きさ:約A5サイズ、板厚5mm、材質:FC200)を作製した。また、断面長方形状(約A5サイズ)の鋼からなるブロック体を用いた点以外は実験例1と同様にして、試験体4−2の調理用焼き板(大きさ:約A5サイズ、板厚5mm、材質:SS400)を作製した。また、比較例として、試験体4−1Cの黒皮鉄板(大きさ:約A5サイズ、板厚4.5mm、材質:SS400)を準備した。
次いで、ガスバーナーを用い、各調理用焼き板および黒皮鉄板を、食用油を塗布することなく空焚き状態で10分間加熱した後、5分間自然冷却させた。次いで、各調理用焼き板および黒皮鉄板の板面全体に、食用油としてのグレープシードオイルを塗布し、白煙があがらなくなるまで加熱することにより、食用油成分に由来する被膜を焼き付けた。その後、この操作を再度実施して同様に被膜を焼き付けた。
食用油を2回塗布する上記シーズニングの結果、表1および図17に示されるように、試験体4−1Cの黒皮鉄板の板面は、まだらな黒色になり、均一な被膜の形成が難しかった。この黒皮鉄板と比較して、試験体4−1および試験体4−2の調理用鉄板の板面は、板面全体が比較的均一に黒色になった。また、両調理用鉄板同士を比較すると、鋳鉄からなる試験体4−1の調理用鉄板は、鋼からなる試験体4−2の調理用鉄板に比べ、少ない回数のシーズニングで黒色化できることが確認された。
次いで、シーズニング後の各調理用焼き板および黒皮鉄板の板面にグレープシードオイルを引き、牛肉を用いて焼肉を行った。なお、焼肉テストは同条件で行った。
上記焼肉テストの結果、表1に示されるように、試験体4−1Cの黒皮鉄板は、肉の焦げ付きが多く発生した。この黒皮鉄板と比較して、試験体4−1および試験体4−2の調理用鉄板は、肉の焦げ付きがあまり発生しなかった。この結果から、圧延によって平滑にされた板面に比べ、切断跡等より構成された表面凹凸を有する板面が、肉の焦げ付き抑制に有効であることが確認された。これは、上記表面凹凸により板面と肉との接触面積が少なくなるためであると考えられる。
次いで、上記焼肉後の板面を、プラスチック製のタワシを用いて水洗いし、汚れを除去した後、乾燥させた。
上記水洗の結果、表1および図17に示されるように、試験体4−1Cの黒皮鉄板の板面は、焦げ付いた部分の被膜が剥げて黒皮表面が露出した。この黒皮鉄板と比較して、試験体4−2の調理用鉄板の板面は、肉を焼いた部分の黒色が少し薄くなる程度であった。また、試験体4−1の調理用鉄板の板面は、肉を焼いた部分がどこか分かるが、上記シーズニング後と比べてそれほど大きな色の変化は見られなかった。この結果から、試験体4−1および試料4−2の調理用鉄板は、黒皮鉄板に比べ、食用油成分に由来する被膜の密着性が高いことが確認された。これは、上記表面凹凸によるアンカー効果によるものと考えられる。また、両調理用鉄板同士を比較すると、鋳鉄からなる試験体4−1の調理用鉄板は、鋼からなる試験体4−2の調理用鉄板に比べ、タワシで擦っても黒色の退色が少なかった。これは、試験体4−1の調理用鉄板では、シーズニングによる被膜形成時に、板面に露出した炭素と被膜とのなじみがよいために被膜の密着性が高くなったためであると考えられる。なお、調理用焼き板は、通常、重曹で洗われるとは考え難いが、被膜の密着強度を確認するため、あえて重曹を溶かした水を含浸させたキッチンペーパーを、水洗後の板面に15分つけてから再度水洗した。その結果、試験体4−1Cの黒皮鉄板は、板面の被膜の剥がれが広がった。これに対し、試験体4−1および試験体4−2の調理用鉄板は、特段大きな変化は見られなかった。この結果からも、黒皮鉄板の板面には、密着性の高い被膜を形成することが困難なことがわかる。なお、調理用鉄板の使用後、板面の黒色が薄くなった部分は、再度シーズニングを行うことにより、比較的容易かつ均一に黒色化することができた。
また、試験体4−1Cの黒皮鉄板は、タワシを用いた水洗によって被膜が剥がれてしまうため、錆び防止のため、錆び止め用の食用油を薄く塗布して保管する必要がある。黒皮鉄板の板面は圧延によって平滑なので、塗布した錆び止め用の食用油が板面全面に伸び広がり、手で持ったときの油のべとつき感が極めて大きい。また、塗布しただけの食用油は空気に触れて酸化し、不快な臭いの原因にもなる。このような黒皮鉄板と比較して、試験体4−1および試験体4−2の調理用鉄板は、タワシを用いた水洗によっても被膜が剥がれ難いため、保管時に錆び止め用の食用油を積極的に塗布する必要がない。そのため、試験体4−1および試験体4−2の調理用鉄板は、板面に上記表面凹凸を有することによって使用者の手指と板面との接触面積が少なくなることも相まって、食用油成分に由来する被膜があっても、保管時における油のべとつき感を低減することができる。
Figure 0003231454
<実験例5>
鋳肌面を旋盤加工により削り取ることにより、板面に、バイト跡からなる切削跡より構成される表面凹凸を有する鋳鉄(FC250)製の試験体5−1の調理用焼き板を作製した。
試験体4−1の調理用鉄板、試験体4−2の調理用鉄板、試験体4−1Cの黒皮鉄板、および、試験体5−1の調理用焼き板の板面を、顕微鏡観察(倍率100倍)した。その結果を、図18に示す。
図18に示されるように、試験体4−1Cの黒皮鉄板の板面は平滑な平坦面から構成されていることがわかる。これに対し、試験体4−1の調理用鉄板、試験体4−2の調理用鉄板、試験体5−1の調理用焼き板の板面は、線状の突出部と線状の溝部とが交互に並んだ縞模様状の表面凹凸を有しており、当該表面凹凸の表面には、さらに微細凹凸が形成されていることがわかる。また、鋳鉄からなる調理用焼き板は、表面凹凸の表面に炭素が存在してこともわかる。
本考案は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態、各実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
例えば、上述した調理用焼き板において、第1の板面および第2の板面の両方が表面凹凸を有する場合、いずれか一方の板面を琺瑯にて覆うことができる。また、第1の板面および第2の板面のうちの一方だけが表面凹凸を有する場合、表面凹凸を有さない方の板面を琺瑯にて覆うことができる。
1 調理用焼き板
11 第1の板面
12 第2の板面
13 表面凹凸
130 切断跡

Claims (10)

  1. 熱源の上に配置されて食材の加熱調理を行うために用いられる調理用焼き板であって、
    鋳鉄または鋼からなり、
    第1の板面と、上記第1の板面とは反対側の第2の板面とを備え、
    上記第1の板面および上記第2の板面のうち少なくとも一方の板面全体に、
    切断跡、切削跡、研削跡、および、研磨跡からなる群より選択される少なくとも一種より構成された表面凹凸を有する、
    調理用焼き板。
  2. 上記表面凹凸は、上記切断跡より構成されており、
    上記切断跡は、鋸目跡からなる、請求項1に記載の調理用焼き板。
  3. 上記鋸目跡は、互いに離間した複数の線状の突出部と、隣り合う上記突出部の間に形成された複数の溝部とを有する、請求項2に記載の調理用焼き板。
  4. 各上記突出部は直線状であり、
    各上記突出部の形成方向が徐々に変化する、請求項3に記載の調理用焼き板。
  5. 各上記突出部は、直線状であり、
    各上記突出部の一方端部側における上記突出部のピッチと、各上記突出部の他方端部側における上記突出部のピッチとが異なっている、請求項3または請求項4に記載の調理用焼き板。
  6. 板外形が四角形状であり、
    上記突出部は、対向する二辺の間を繋ぐ複数の第1突出部と、隣接する二辺の間を繋ぐ複数の第2突出部とを含む、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の調理用焼き板。
  7. 上記突出部および上記溝部の表面に微細凹凸を有する、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の調理用焼き板。
  8. 上記第1の板面および上記第2の板面に鋳肌面を有しておらず、板側面に鋳肌面を有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の調理用焼き板。
  9. 板厚が2mm以上15mm以下である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の調理用焼き板。
  10. 上記調理用焼き板を持ち上げる取っ手の先端部を差し込むための部位であって、板厚方向に貫通する穴部と、
    上記穴部と板側面とを接続しており、板厚方向に貫通する接続路とを有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の調理用焼き板。
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