JP3231186U - 印刷物 - Google Patents

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浩 吉野
浩 吉野
澤田 真一
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Abstract

【課題】ニスを用いずに機能性材料を表面に塗布した印刷物を提供する。【解決手段】印刷層Pが、用紙上Rの少なくとも一部に形成されている印刷物であって、この印刷層の表面に分散し、あるいは、印刷層が形成されていない部分では用紙の表面に分散するよう機能性材料Xが配されている。【選択図】図1

Description

本考案は、所定の機能性材料を表面に分散させた印刷物に関する。
印刷物に抗菌性・坑ウィルス性等の機能を付与する方法として、材料に抗菌剤等の機能性材料を添加した用紙を用いる方法や、印刷後の印刷物表面に、例えば抗菌剤を混入したニスを塗布する方法(例えば特許文献1)などが知られている。
ここで用紙に抗菌性等を添加する方法では、印刷により画像が形成された箇所では抗菌作用等の機能が発揮されない。特にベタ塗りの多い印刷物では抗菌作用等の機能が減殺されてしまう。
特開2010−184986号公報
そこで特許文献1に開示されているように、印刷後の印刷物表面に抗菌剤を混入したニスを塗布して、印刷物表面にニスの層を形成することが考えられる。この方法によれば、印刷後も抗菌作用は発揮される。しかしながら、ニスの塗布により用紙が備える風合いが損なわれてしまう。また、使用するニスの量も多くなるので、コストも大きくなっていた。
本考案は上記実情に鑑みて為されたもので、その目的の一つは、ニスを用いずに機能性材料を表面に塗布した印刷物を得ることであり、また、これによりコストを削減し、用紙の風合いを活かすことを可能とすることである。
上記従来例の問題点を解決するための本考案の一態様は、印刷層が、用紙上の少なくとも一部に形成されている印刷物であって、この印刷層の表面に分散し、あるいは、当該印刷層が形成されていない部分では用紙の表面に分散するよう機能性材料が配されている印刷物としたものである。
本考案によると、ニスを用いずに機能性材料を表面に塗布した印刷物を得ることができる。
本考案の実施の形態の一例に係る印刷物の例を表す説明図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置の構成を表す概略図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置が備える溶液塗布ユニットの例を表す概略構成図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置が備える溶液塗布ユニットの例を表すもう一つの概略構成図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置の制御方法の例を表すフローチャート図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置が備える溶液塗布ユニットの別の例を表す概略構成図である。 本考案の実施の形態の一例に係る印刷物を製造するための溶液塗布装置が備える溶液塗布ユニットの別の例に係る部材の例を表す形状説明図である。
本考案の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本考案の実施の形態に係る印刷物は、図1に例示するように、印刷層Pが用紙Rの表面(図1では表側の面と裏側の面との両面に印刷層を形成した例を示しているが、表側と裏側の面のうち、いずれか一方の表面にのみ印刷層Pが形成されたものであってもよい)の少なくとも一部に形成されているものであり、また、この印刷層Pの表面に分散し、あるいは、印刷層Pが形成されていない部分では用紙の表面に分散するよう機能性材料Xが配されているものである。図1の例では、用紙Rや、用紙R上の印刷部分に形成されたインクの層である印刷層Pとの表面の微細な凹凸(微小凹部)に、機能性材料Xが押圧されて嵌まり込んだ状態にあるものを示している。またこの機能性材料Xは、バインダー材料が混合されたものであってもよく、当該バインダー材料により用紙Rや、印刷部分の微小凹部に嵌まり込んで固定された状態にあってもよい。
このような印刷物は、機能性材料の溶液を塗布または吹きつけて乾燥させることで得ることができる。この印刷物の製造のための装置及び製造の方法については後に述べる。
本実施の形態では、機能性材料の溶液(以下機能性材料溶液と呼ぶ)は、例えば、銅イオン抗菌剤や銀イオン抗菌剤などを揮発性の溶媒に分散した溶液であり、抗菌・抗ウィルス作用を有するものとしてもよい。もっとも機能性材料溶液が有する機能は、抗菌・抗ウィルス作用に限られず、他の機能を有するものであっても構わない。さらに本実施の形態の一例では、この機能性材料溶液には、印刷物表面に抗菌剤を固定するバインダー材料を混合している。
本実施の形態では、機能性材料の濃度等は、印刷が行われている用紙などの媒体(必ずしも紙でなくとも、布など他のシート状のものであってもよい)の種類により適宜実験的に調整しておく。
本実施の形態では、このように機能性材料の溶液を塗布または吹きつけて乾燥させることとして、印刷層Pを被覆する層を形成せず、印刷層や用紙表面に機能性材料を固定することとしたので、ニスを用いずに機能性材料を表面に塗布した状態の印刷物とすることができる。
[この印刷物を得るための装置の例]
本考案の実施の形態に係る印刷物を得るための溶液塗布装置1は、印刷物に所定の機能性材料溶液を塗布するものであり、図2に例示するように、基本的に給紙部11と、第1搬送部12と、第1用紙検知部13と、溶液塗布ユニット14と、乾燥部15と、第2搬送部16と、第2用紙検知部17と、排出部18と、制御部19とを含んで構成される。
なお、以下の説明において、図示した各部の大きさや比率、配置位置の間隔などは説明の都合により実際のものから変更されており、その大きさや比率、配置位置の間隔等は、一例に過ぎず、適宜変更され得るものである。
この例において給紙部11は、印刷処理後の未処理の印刷物を蓄積する。本実施の形態の例では、この未処理の印刷物は、断ち切り前の状態のものであるとする。第1搬送部12は、給紙部11から溶液塗布ユニット14に向けて印刷物を搬送する。この第1搬送部12は、印刷物の搬送経路Cに沿って第1用紙検出部13よりも上流側(給紙部11側)に位置する、少なくとも一対のローラー12a,12bを備え、このローラー12a,bを互いに異なる方向へ回転させることで所定の搬送経路Cに沿って印刷物を一枚ずつ搬送する。
なお、以下では説明のため、搬送経路C上の印刷物の搬送方向をX軸正の向きとし、搬送経路C(印刷物の搬送軌跡)上を搬送される印刷物の面から、当該面の法線方向の一方側(以下搬送経路Cの上側と呼ぶ)方向をY軸正の向きとする。なお、搬送経路C上を搬送される印刷物の面から、当該面の法線方向の他方側(Y軸負の向き)を、以下では、搬送経路Cの下側と呼ぶ。またこのXY面に直交し、図面奥向き方向を便宜的にZ軸正の向きとする。
第1用紙検知部13は、印刷物の搬送経路Cに沿って溶液塗布ユニット14よりも上流側の位置X1に配置され、当該位置に用紙が到達したときに、その旨を表す信号を、制御部19に出力する。この第1用紙検知部13は、例えばフォトインタラプタであり、印刷物の搬送経路Cの上側と下側との対向する位置にそれぞれ発光部と光検出器とを配したものである。
すなわち、この第1用紙検知部13は、第1搬送部12が備えるローラーのうち、溶液塗布ユニット14に最も近い位置にあるローラ12a,12bと、溶液塗布ユニット14による溶液塗布位置との間の位置X1に配される。そして第1用紙検知部13は、この位置X1に印刷物の用紙先端が到達して、発光部からの光が光検出器で検出されなくなると、その旨を表す信号を制御部19に出力する。
溶液塗布ユニット14は、印刷物に機能性材料溶液を塗布する塗布モードと、印刷物への機能性材料溶液の塗布を停止する停止モードとのいずれかに設定可能となっており、後に説明する制御部19によって制御される。この溶液塗布ユニット14は、塗布モードである間は、搬送経路C上の印刷物の面を表裏から押圧して、機能性材料溶液を印刷物に塗布する。また停止モードとなると、溶液塗布ユニット14は、印刷物への塗布を中断する。この溶液塗布ユニット14の詳細な構成と動作については後に説明する。
乾燥部15は、印刷物の搬送経路C上で溶液塗布ユニット14より下流側(排出部18側)に配置される。この乾燥部15は搬送経路Cの上側と下側とにそれぞれ配され、ファンによって生成された気流を、搬送経路C上の印刷物の上側面と下側面とにそれぞれ吹きつける。
第2搬送部16は、溶液塗布ユニット14及び乾燥部15よりも下流側に配置される。この第2搬送部16は、印刷物の搬送経路C(印刷物の搬送軌跡)の上側と下側との対向する位置にそれぞれ配され、互いに反対の方向に回転制御される一対のローラ16a,16bを備える。この第2搬送部16は、制御部19から制御され、当該制御に基づいてローラ16a,bを回転させて、印刷物を、搬送経路Cに沿って排出部18側に搬送する。この第2搬送部16は、また、印刷物の先端がローラ16a,bに挟まれた位置に達したときに、その旨を表す信号を、制御部19に出力する。上述の第1搬送部12と、この第2搬送部16とが、本考案の搬送ユニットに相当する。
第2用紙検知部17は、第2搬送部16よりさらに下流側の位置X2に配され、当該位置に印刷物があるときに、その旨を表す信号を、制御部19に出力する。この第2用紙検知部17は、例えばフォトインタラプタであり、第1用紙検知部13と同様の動作を行う。排出部18は、機能性材料溶液が塗布され、乾燥された印刷物を受けて蓄積する。
制御部19は、コンピュータ等のプログラム制御デバイスを用いて実現される。この制御部19は、メモリやディスクデバイスに接続され、当該メモリやディスクデバイスに格納されたプログラムに従って動作する。このプログラムは、コンピュータ可読かつ非一時的な記録媒体に格納されて提供され、上記メモリ等に格納されたものであってよい。本実施の形態では、この制御部19は、上記各部をプログラムに従って制御する。この制御の方法については、後に詳しく説明する。
次に、溶液塗布ユニット14の構成について述べる。図3,図4は溶液塗布ユニット14の構成例を表す概略図である。本実施の形態の一例では、この溶液塗布ユニット14は、機能性材料溶液を貯える貯留タンク141と、パイプ142と、供給制御部143と、一対の塗布サブユニット144とを含む。
この塗布サブユニット144の一方である塗布サブユニット144aは、図3,図4に例示するように、支持体21aと、散布部材22aと、塗布部材23aと、押圧体24aとを含む。また、この塗布サブユニット144の他方である塗布サブユニット144bは、図3,図4に例示するように、支持体21bと、散布部材22bと、塗布部材23bと、押圧体24bと、第1のアクチュエータ25bと、第2のアクチュエータ26bと、を含んで構成される。図3は、塗布サブユニット144を、XY面で破断してZ軸方向から見た状態を表しており、図4は塗布サブユニット144を、YZ面で破断してX軸方向から見た状態を表している。
パイプ142は、本考案の供給路に相当し、その一端側が貯留タンク141に接続される。またこのパイプ142の他端は、一対の塗布サブユニット144a,bのそれぞれの散布部材22a,bに接続される。
供給制御部143は、ポンプUを備え、制御部19から駆動の指示を受けて貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出し、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bへと、パイプ142を介して供給する。
一対の塗布サブユニット144a,bは、それぞれ、印刷物の搬送経路Cの上側と下側とに配される。以下の説明では印刷物の搬送経路Cの下側に配した塗布サブユニット144aが第1の塗布サブユニットを実現し、印刷物の搬送経路Cの下側に配した塗布サブユニット144bが第2の塗布サブユニットを実現する。
塗布サブユニット144aの支持体21aは、上側支持体21aUと、下側支持体21aDとを備える。上側支持体21aUと、下側支持体21aDとはいずれも、断面が実質的にコの字状の柱状部材であり、具体的にその上側支持体21aUは、長手方向には搬送経路C(印刷物の移動軌跡)の幅方向(Z軸方向)の長さよりも長く、その断面(XY断面)は、平面部231aを有し、当該平面部231aのX軸方向両端231aR,231aLがY軸方向(搬送経路Cとは逆側)に折り曲げられて形成されている。なお、下側支持体21aDは、上側支持体21aUよりもX軸方向にやや大きく形成されてもよく、平面部231aのX軸方向両端231aR,231aLが搬送経路Cの方向に折り曲げられて、上側支持体21aUと、下側支持体21aDとの間に空洞Vaを形成する。
散布部材22aは、上側支持体21aUに吊られた状態で(空洞V内に)支持され、搬送経路CのZ軸方向に亘って配設されたパイプであって、その表面に複数の開口を設けたものである。この散布部材22aは、パイプ142を介して機能性材料溶液が供給されると、当該供給された機能性材料溶液を、開口を通じて散布する。
塗布部材23aは、例えば不織布等で構成され、散布部材22aが散布する機能性材料溶液を受けて、毛細管現象等により塗布部材23a全体に機能性材料溶液が浸潤するよう構成されたものである。この塗布部材23aは上側支持体21aUと押圧体24aとの外周に巻回されている。この例では、散布部材22aは、塗布部材23aと上側支持体21aUとの間に位置することとなり、散布部材22aが散布する機能性材料溶液は、塗布部材23aの下側の面で受けられ、毛細管現象等により塗布部材23a全体に浸潤する。
押圧体24aは、上側支持体21aUの平面部231aに積層配置され、長手方向には搬送経路C(印刷物の移動軌跡)の幅方向(Z軸方向)の長さよりも長く、断面(XY断面)が矩形状となる四角柱状の部材である。この押圧体24aは、例えばウレタンやゴムなどの弾性体により構成されてもよい。
本実施の形態では押圧体24aの上側面に位置する塗布部材23aの部分が、搬送経路Cに接する位置となるよう、塗布サブユニット144aが固定される。例えばこの塗布サブユニット144aは、溶液塗布装置1の筐体(不図示)に対して固定されればよく、そのような固定の方法は広く知られているので、ここでの詳しい説明は省略する。
また、塗布サブユニット144bの支持体21bは、上側支持体21bUと、下側支持体21bDとを備える。上側支持体21bUと、下側支持体21bDとはいずれも、断面が実質的にコの字状の柱状部材であり、具体的にその上側支持体21bUは、長手方向には搬送経路C(印刷物の移動軌跡)の幅方向(Z軸方向)の長さよりも長く、その断面(XY断面)は、平面部231bを有し、当該平面部231bのX軸方向両端231bR,231bLがY軸方向(搬送経路Cの側)に折り曲げられて形成されている。
また下側支持体21bDは、上側支持体21bUよりもX軸方向にやや大きく形成され、平面部231bのX軸方向両端231bR,231bLは、搬送経路Cとは反対側に折り曲げられて形成される。これにより、上側支持体21bUと、下側支持体21bDとの間には空洞Vbが形成される。
散布部材22bは、上側支持体21bUの平面部231bの裏側面(空洞Vb側)に吊られた状態で支持される。この散布部材22bは、搬送経路CのZ軸方向に亘って配設されたパイプであって、その表面に複数の開口を設けたものである。散布部材22bは、パイプ142を介して機能性材料溶液が供給されると、当該供給された機能性材料溶液を、開口を通じて散布する。
塗布部材23bは、塗布部材23aと同様の素材を用いて、例えば不織布等で構成され、散布部材22bが散布する機能性材料溶液を受けて、毛細管現象等により塗布部材23b全体に機能性材料溶液が浸潤するよう構成されたものである。本実施の形態ではこの塗布部材23bは下側支持体21aDと押圧体24bとの外周に巻回された状態にある。ここでの例では、散布部材22bは、塗布部材23bの上側であって、塗布部材23bと上側支持体21bUとの間に位置することとなる。従って、散布部材22bが散布する機能性材料溶液は、塗布部材23bの上側の面で受けられ、毛細管現象等により塗布部材23b全体に浸潤する。
押圧体24bは、下側支持体21bDの平面部231b下方に積層配置され、長手方向には搬送経路C(印刷物の移動軌跡)の幅方向(Z軸方向)の長さよりも長く、断面(XY断面)が矩形状となる四角柱状の部材である。この押圧体24bもまた、例えばウレタンやゴムなどの弾性体により構成されてもよい。またこの押圧体24bは、塗布サブユニット144aの押圧体24aに対し、搬送経路Cを挟んで対向する位置に配される。
第1のアクチュエータ25bは、ソレノイドなどのリニアアクチュエータであり、図4に例示されるように、支持体21bの両端部にそれぞれ配される。この第1のアクチュエータ25bはそれぞれ上下動する駆動体251を有し、この駆動体251はそれぞれ支持体21bの端部に固定される。この例では、支持体21bは、第1のアクチュエータ25bを介して溶液塗布装置1の筐体に、上下移動可能な状態で固定されることとなる。そして第1のアクチュエータ25bは、制御部19からの指示により、駆動体251を、Y軸方向に(上下に)移動させる。
すなわち第1のアクチュエータ25bが、駆動体251の移動により支持体21bをY軸方向に移動させることにより、塗布部材23bの下側面が、搬送経路Cに接する(あるいは近接する)位置(下側位置Y1)と、塗布部材23bの下側面が搬送経路Cから離れた上方の位置(上側位置Y2)との間で移動する。
なお、第1のアクチュエータ25bは、オンとなった(電流が供給された)ときに駆動体251を上側に移動して、塗布部材23bの下側面の位置を上側位置Y2とし、オフとなったときには駆動体251を引き上げずに(制御せずに)、重力で落下するままとし、それによって駆動体251が下方に引き下げられて塗布部材23bの下側面の位置を下側位置Y1(上側位置Y2より搬送経路Cに近い位置であればよい)まで移動させるものであってもよい。
第2のアクチュエータ26bは、ソレノイドなどのリニアアクチュエータであり、図4に例示するように、支持体21bの上方(上側位置Y2より上方)に複数(図4では2つ)配される。この第2のアクチュエータ26bは、駆動体261を備え、制御部19からの指示により、この駆動体261を、Y軸方向に移動させる。本実施の形態では、第2のアクチュエータ26bは、駆動体261を、駆動体261により上側支持体21bUの平面部231bをY軸負の方向に押圧して、塗布部材23bの下側面が搬送経路C側に押圧された状態(下側位置Y1からさらに押圧した位置)とする第1の位置と、上側支持体21bUの平面部231bを押圧しない第2の位置との間で移動させる。
またこの第2のアクチュエータ26bは、オンとなった(電流が供給された)ときに駆動体261を下側に移動して、塗布部材23bの下側面が搬送経路C側に押圧された状態とし、オフとなったときには、駆動体261の制御をせずに、下方への押圧力を加えないよう制御するものであってもよい。
これら第1、第2のアクチュエータ25b,26bにより、塗布部材23bが印刷物に対して押圧され、塗布サブユニット144aの押圧体24aが押圧する塗布部材23aと、塗布部材23bとで搬送経路C上の印刷物を挟んで、当該印刷物への両面に機能性材料溶液を塗布する塗布モードと、塗布部材23bが搬送経路Cから離れた位置に移動される停止モードとの間で制御が行われる。つまり、第1のアクチュエータ25bにより、塗布部材23bの下側面が上側位置Y2の位置に設定された状態が停止モードの状態(後に説明する別の停止モードの状態と区別するため、この停止モードの状態を特に退避停止モードと呼ぶ)に相当する。
また第1のアクチュエータ25bにより塗布部材23bの下側面が下側位置Y1に設定され、かつ、第2のアクチュエータ26bにより塗布部材23bの下側面が搬送経路C側に押圧された状態が塗布モードの状態に相当する。この塗布モードでは、搬送経路C上の印刷物は、その表面側は塗布サブユニット144bの塗布部材23bから押圧力を受け、裏面側は塗布サブユニット144aの塗布部材23aに押し付けられることとなって(従って反作用として押圧力を受けることとなって)いる。印刷物は、このように表裏両面側から押圧力を受けつつ、搬送されることとなる。このため第2のアクチュエータ26bの押圧力は、実験的に、印刷物の搬送を妨げない程度の力に設定されてもよい。
なお、第1のアクチュエータ25bにより塗布部材23bの下側面が下側位置Y1に設定され、第2のアクチュエータ26bが塗布部材23bの下側面を搬送経路C側に押圧しない状態もまた、塗布が行われない、停止モード(退避停止モードと区別する必要がある場合は、非駆動停止モードと呼ぶ)に相当する。
[制御部の動作]
次に、本実施の形態の制御部19の動作例について説明する。制御部19は、処理開始の指示を利用者から受けて、図5に例示するように動作する。制御部19は、まず第1搬送部12をオンとして、給紙部11から印刷物を搬送させる(S1)。また制御部19は、溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出し、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bへと、パイプ142を介して供給するよう指示する(S2:機能性材料溶液の供給開始指示)。
このとき、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bが供給された機能性材料溶液を散布し、塗布部材23a,bに機能性材料溶液を浸潤させる。
制御部19は、第1用紙検知部13から印刷物の用紙先端が到達した旨の信号の入力があるまで待機し(S3)、当該信号の入力を受けると、溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、機能性材料溶液の導出を停止するよう指示する(S4)。またこのとき制御部19は、塗布サブユニット144bの第1のアクチュエータ25bを制御し、支持体21bをY軸方向正の方向に移動させ、塗布部材23bの下側面を、搬送経路Cから離れた上方の位置(上側位置Y2)に移動させる(S5:退避停止モードの指示)。そして制御部19は、第2搬送部16からの信号を待機する(S6)。
この間も第1搬送部12は、印刷物の搬送を継続しており、印刷物の先端は、搬送経路Cに沿ってX軸正の方向へ移動し、塗布サブユニット14が対向している位置を通過して、第2搬送部16のローラ16a,bに達する。このとき第2搬送部16は、印刷物先端が到来した旨を表す信号を、制御部19に出力する。
制御部19は、ステップS6において、第2搬送部16から上記信号を受け入れると、退避停止モードの指示をキャンセルして、塗布サブユニット144bの第1のアクチュエータ25bを制御し、支持体21bをY軸方向負の方向に移動させ、塗布部材23bの下側面を、搬送経路Cに近接した位置(下側位置Y1)に移動させる(S7:非駆動停止モードへ移行)。なお、このとき第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を一時的に停止してもよい。
制御部19はさらに、第2のアクチュエータ26bを制御して、上側支持体21bUの平面部231bをY軸負の方向に押圧して、塗布部材23bの下側面を、搬送経路C側に押圧された状態とする第1の位置へ移動させる(S8:塗布モードの指示)。制御部19は、このときさらに溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出し、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bへと、パイプ142を介して供給するよう指示し、また、乾燥部15を動作させて、印刷物に対して気流を吹きつけさせる。
なお、先の段階で第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を一時的に停止していた場合は、ここで第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を再開させる。
これによりまず塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bが供給された機能性材料溶液を散布し、塗布部材23a,bに機能性材料溶液を浸潤させることとなる。そして当該塗布部材23a,bが印刷物の両面側から印刷物に対して押圧された状態となり、機能性材料溶液を印刷物の表面に押し付けて塗布する状態を維持しつつ、第1搬送部12及び第2搬送部16によって、搬送経路Cに沿って当該印刷物が送られることとなる。
なお、第1搬送部12は、1枚の印刷物の後端がローラ12a,bを通過すると(印刷物1枚を搬送し終えると)、動作を停止する。
制御部19はさらに、第2用紙検知部17が、その位置X2に印刷物があることを表す信号の出力を停止する(第2用紙検知部17の位置X2に印刷物の後端が達する)まで待機し(S9)、位置X2に印刷物の後端が達すると、全体の動作を停止させる(S10:停止制御)。
この停止制御では、制御部19は、溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、機能性材料溶液の導出を停止するよう指示し、第1,第2のアクチュエータ25b,26bを非駆動停止モードへ移行させる。また制御部19は、乾燥部15を停止させる。
制御部19は、そして、利用者から停止の指示があるか、あるいは、給紙部11に印刷物がなくなるまで、ステップS1に戻って処理を続ける(A)。
もっとも、最初の印刷物に対する処理後、2枚目の印刷物以降は、直前に処理した印刷物に対しての処理の結果、ステップS8において印刷物後端が塗布サブユニット144の位置を通過した後も機能性材料溶液の塗布部材23への浸潤が続けられるため、ステップS2を省略してもよい。
[動作]
本実施の形態は以上の構成を備えており、次のように動作する。なお、以下の例では、溶液塗布ユニット14を塗布モードとしたときに、塗布サブユニット144の塗布部材23a,bが印刷物に接する範囲に断ち切り線が含まれるよう、塗布サブユニット144と第2搬送部16との距離が設定されているものとする。
利用者は用紙上に印刷を行い、断ち切り前となっている印刷物を、本実施の形態の溶液塗布装置1の給紙部11に積層しておき、溶液塗布装置1に対して処理開始の指示を行う。
すると、溶液塗布装置1は、第1搬送部12をオンとして、給紙部11から印刷物を1枚だけ抽出し、搬送経路Cに沿ってその搬送を開始する。またこのとき、溶液塗布ユニット14の供給制御部143が、貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出し、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bへと、パイプ142を介して供給する。
そして塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bが、当該供給された機能性材料溶液を散布し、塗布部材23a,bに機能性材料溶液を浸潤させる。その後、第1用紙検知部13の位置まで印刷物の用紙先端が到達すると、第1用紙検知部13からの信号を受けた制御部19により、機能性材料溶液の供給停止が指示される。このためここで散布部材22a,bからの機能性材料溶液の散布は停止する。
さらに制御部19が、塗布サブユニット144bに対して退避停止モードの指示を行い、第1のアクチュエータ25bが支持体21bをY軸方向正の方向に移動させて、塗布部材23bの下側面を、搬送経路Cから離れた上方の位置(上側位置Y2)に移動させる。
その後、印刷物の先端が、第2搬送部16のローラ16a,bの位置に達すると、第2搬送部16が印刷物先端が到来した旨の信号を制御部19に出力する。制御部19はこの信号の入力を受けて、第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を一時的に停止し、塗布サブユニット144bの第1のアクチュエータ25bを制御し、支持体21bをY軸方向負の方向に移動させ、塗布部材23bの下側面を、搬送経路Cに近接した位置(下側位置Y1)に移動させる。
制御部19はさらに、第2のアクチュエータ26bを制御して、上側支持体21bUの平面部231bをY軸負の方向に押圧し、塗布部材23bの下側面を、搬送経路C側に押圧された状態とする第1の位置へ移動させる。
さらに制御部19は、溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出し、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bへと、パイプ142を介して供給するよう指示する。制御部19は、また、乾燥部15を動作させて、印刷物に対して気流の吹きつけを開始する。
そして制御部19は、第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を再開させる。
これにより溶液塗布ユニット14は塗布モードとして動作することとなり、塗布サブユニット144a,bの散布部材22a,bが、貯留タンク141から供給された機能性材料溶液を散布し、塗布部材23a,bに機能性材料溶液を浸潤させる。またこの塗布部材23a,bが印刷物の両面側から印刷物に対して押圧された状態で、印刷物両面に機能性材料溶液を塗布する状態を維持しつつ、搬送経路Cに沿って印刷物が搬送される。これによって、第1搬送部12,第2搬送部16による印刷物の搬送再開時に、溶液塗布ユニット14の位置にあった部分から搬送方向後端に至るまでの印刷物の部分に機能性材料溶液が塗布される。
その後、印刷物の後端が第2用紙検知部17の位置X2を通過すると、第2用紙検知部17が、印刷物があることを表す信号の出力を停止する。制御部19は、この信号の停止を受けて、全体の動作を終了し、停止させる。つまり、この段階で機能性材料溶液の散布は停止される。
さらに溶液塗布装置1は、給紙部11に印刷物があれば、給紙部11から印刷物を1枚だけ抽出して搬送を開始する動作から繰り返して動作する。
このように本実施の形態では、印刷物の塗布範囲の開始位置(断ち切り線)が第1、第2の塗布サブユニット144の配置位置近傍に設定された所定の設定位置(ここでの例では塗布サブユニット144の直下)に到来したときに、溶液塗布ユニット14を塗布モードとする。
[実施形態の効果]
このような装置によると、断ち切り線より外の余計な部分に溶液を塗布することなく、また溶液塗布中は印刷物に塗布部材を押圧しつつ印刷物を搬送して塗布を行うので、印刷物表面の微細な凹凸に機能性材料を嵌入し、バインダー材料により固定させることができ、比較的少ない量の機能性材料溶液で、十分な機能を発揮する分量の機能性材料を印刷物表面に固定できる。
つまりこの例によると、印刷された部分についてはインク表面の、インクの分子間に機能性材料である例えば銅イオン材料が押し込まれた状態となり、印刷のない部分については用紙の繊維の間に機能性材料である例えば銅イオン材料が押し込まれた状態となって、印刷物の全面(かつ両面)で機能性材料の機能の発揮が期待できる。また、機能性材料を分散した層を固定するのではなく、機能性材料を印刷物表面の凹凸に嵌入して、バインダー材料により固定された状態とする。これにより、印刷物のインク表面及び用紙表面に機能性材料を被覆するので、印刷や用紙の風合いを損ねることがない。
なお、用紙や印刷により凸(微小な凸)となった部分にも機能性材料は分散するが、第2搬送部16のローラ等にて扱き落とされてしまうため、不連続な塗膜となって、用紙や印刷の風合いが損なわれず、また、筆記・捺印特性も損なわれることがない。
さらに本実施の形態の溶液塗布装置1を用いると、断ち切られる部分など、機能性材料を被覆する必要がない部分については少なくともその一部への溶液塗布が行われないので、機能性材料溶液の使用量を低減できる。また、溶液を塗布する位置に印刷物の塗布範囲が到来するまでは、機能性材料溶液の供給・散布が行われないよう制御されることで、機能性材料溶液の揮発による損失も低減できる。
[変形例]
ここまでの説明では、溶液塗布ユニット14が備える第1、第2の塗布サブユニット144のうち、搬送経路の上側にある第2の塗布サブユニット144bのみを搬送経路に対して離隔した位置と近接した位置とで移動し、また塗布モードでは塗布部材23bを搬送経路に向けて押圧することとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。
例えば搬送経路の下側に配される塗布サブユニット144aも、塗布モードでは塗布部材23aを搬送経路に向けて押圧することとしてもよい。
[塗布ユニットの別の態様]
また、溶液塗布ユニットは、上述の例のものだけに限られない。本実施の形態の別の例に係る溶液塗布ユニット14は、一対の塗布サブユニット144に代えて、一つの塗布サブユニット144′を備える。この塗布サブユニット144′は、図6に例示するように、XY面内に円弧状の断面を有し、Z軸方向は搬送経路Cの幅よりも長い下皿体31と、この下皿体31と実質的に同形状を有し、X軸方向の長さを短くした蓋体32と、材料供給部33と、スクレーパー34と、液量センサ35とを備えるものであってもよい。
この例では、下皿体31は搬送経路Cの下側に配され、蓋体32は下皿体31に対して搬送経路Cを挟んで、搬送経路Cの上側に配される。またこの下皿体31の底部(最下部)には開口31aが形成されている。
また、材料供給部33は、図6に例示するように、下皿体31の下方(Y軸負の方向、すなわち重力方向)に配された三方コック331と、この三方コック331よりさら下方に配される排液貯留タンク332とを含む。ここで三方コック331は、貯留タンク141にパイプ142を介して連結された流入管331aと、下皿体31の開口31aに連結された供給管331bと、排液貯留タンク332に連結された排出管331cとを備える。この三方コック331は、制御部19によって制御され、電気的に流路を切り替える。ここでの例では、この三方コック331は、制御部19からの指示により、流入管331aを介して供給される機能性材料溶液を供給管331bへ導出する供給モードと、供給管331bから流入する機能性材料溶液を排出管331cへ導出する排液モードと、三方コック331の供給管331bを閉塞する閉塞モードとのいずれかのモードに切り替えられる。
スクレーパー34は、搬送経路Cの下流側の下皿体31と蓋体32との間隙に配され、この位置に到来した印刷物表面に付着した余分な機能性材料溶液を落とす。具体的にこのスクレーパー34は、搬送経路Cを挟んで対向配置される一対のローラー34a,bを備え、印刷物が、このローラー34a,b間を通過することで、印刷物表面の余分な機能性材料溶液を落とす(落ちた機能性材料溶液は下皿体31によって受けられるように、下皿体31,蓋体32,及びローラー34a,bの配置位置を設定する)。
液量センサ35は、下皿体31に貯留される機能性材料溶液の液量を検出して、当該検出した液量の情報を制御部19に出力する。
またこの例では、これらローラー34a,bの押圧により、印刷物表面の微細な凹凸(分子間の間隙など)への機能性溶液材料の嵌入及び固定を促進する。
本実施の形態のこの例では、制御部19は、図5に例示した動作のステップS2にて、溶液塗布ユニット14の供給制御部143のポンプUを駆動させて、貯留タンク141からパイプ142を介して機能性材料溶液を導出させる。そしてこれにより制御部19は、当該導出した機能性材料溶液を、塗布サブユニット144′の三方コック331の流入管331aに供給する。
また制御部19は、ここで、液量センサから入力される情報を監視し、次の液量制御処理を行う。すなわち制御部19は、液量センサから入力される情報により、下皿体31に貯留された機能性材料溶液の液量が所定の液量を下回っていると判断すると、三方コック331を制御して、供給モードとする。
三方コック331は制御部19からの制御を受けて、流入管331aを介して供給される機能性材料溶液を供給管331bへ導出し、下皿体31の開口31aを介して下皿体31と蓋体32との間に機能性材料溶液を充填する。
一方、制御部19は、液量センサから入力される情報により、下皿体31に貯留された機能性材料溶液の液量が所定の液量を上回っていると判断すると、供給制御部143のポンプUの駆動を停止するとともに、三方コック331を閉塞モードとするよう制御して、供給管331bを閉塞する。
制御部19は、以上の液量センサから入力される情報に基づく液量制御処理を繰り返し行い、下皿体31と蓋体32との間の機能性材料溶液の液量を一定に保持する。
また制御部19は、第1用紙検知部13から印刷物の用紙先端が到達した旨の信号が入力されると、ステップS4の動作により溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、機能性材料溶液の導出を停止するよう指示し、三方コック331を閉塞モードとするよう制御する。またこの例では制御部19は、ステップS5,S7の動作は行わない(溶液塗布ユニット14がアクチュエータを備えないため)。
そして第2搬送部16が、印刷物先端が到来した旨を表す信号を出力すると、制御部19はこの信号を受けて、ステップS8にて溶液塗布ユニット14に塗布モードの指示を行い、先の例のステップS8の動作に代えて、上述の液量制御処理を実行する。そしてそれにより、制御部19は、下皿体31と蓋体32との間の機能性材料溶液の液量を一定に保持する。また制御部19はこのとき、乾燥部15を動作させて、印刷物に対して気流を吹きつけさせる。
なお、この例でも、第2搬送部16が、印刷物先端が到来した旨を表す信号を出力したときに第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を一時的に停止してもよい。その場合は、このステップS8にて、第1搬送部12及び第2搬送部16による印刷物の搬送を再開させる。
このとき制御部19の液量制御処理が行われ、制御部19は下皿体31と蓋体32との間の機能性材料溶液の液量を一定に保持する。これにより、機能性材料溶液に印刷物が浸漬され、印刷物の両面に機能性材料溶液が塗布された状態となる。そして第1搬送部12及び第2搬送部16が、搬送経路Cに沿って印刷物を搬送することで、ステップS8の時点で、搬送経路C上、下皿体31と蓋体32との間にあった位置よりも搬送経路の下流側にある範囲にかけて、印刷物の両面に機能性材料溶液が塗布された状態となる。
そして制御部19は、第2用紙検知部17が、その位置X2に印刷物があることを表す信号の出力を停止する(第2用紙検知部17の位置X2に印刷物の後端が達する)まで待機し(S9)、印刷物の後端が位置X2に達すると、全体の動作を停止させる(S10:停止制御)。
この停止制御では、制御部19は、溶液塗布ユニット14の供給制御部143に対して、機能性材料溶液の導出を停止するよう指示する(停止モードとする)。また制御部19は、三方コック331を閉塞モードとするよう制御する。そして制御部19は、乾燥部15を停止させる。
またこの例でも、制御部19は、利用者から停止の指示があるか、あるいは、給紙部11に印刷物がなくなるまで、ステップS1に戻って処理を続ける。
そして制御部19は、利用者から停止の指示があるか、あるいは、給紙部11に印刷物がなくなるなど、動作を終了するときには、三方コック331を、排液モードとなるよう制御する。これにより三方コック331が、供給管331bから流入する機能性材料溶液を排出管331cへ導出するよう動作する。本実施の形態のここでの例では、三方コック331及び排液タンク332は下皿体31より下方に配されているため、供給管331bから排出管331cへの流路が開放されると、重力の作用によって下皿体31に貯留している機能性材料溶液は、下皿体31の開口31a、供給管331b,三方コック331、排出管331cを通じて、排液タンク332へ導出される。
なお、排液タンク332に貯留された機能性材料溶液は、貯留タンク141に戻されてもよい。この際、排液タンク332に貯留された機能性材料溶液はフィルタを通じてゴミなどを濾し取った後に貯留タンク141に戻すこととしてもよい。
なお本実施の形態のこの例では、下皿体31と蓋体32との間での印刷物の通過をスムーズにするため、下皿体31と蓋体32との少なくとも一方に、搬送経路方向に凸となる畝状部311を、Y軸方向に断続的に配してもよい(図7(a))。この畝状部311は、X軸に対して角度をもって交差する方向に配されてもよい(図7(b))。図7は、下皿体31に畝状部311を設けた例を示す概略斜視図である。
この例の溶液塗布ユニット14を備えた溶液塗布装置1によると、断ち切り仕上げのない印刷物の両面全体に機能性材料溶液を塗布することができる。
またここまでに説明したいずれの種類の溶液塗布ユニット14を備えた溶液塗布装置1でも、印刷が行われていない状態の媒体にも機能性材料溶液を塗布でき、比較的密度の低い印刷であれば、このように印刷が行われていない状態の媒体に機能性材料溶液してから印刷を行っても、全体的な機能性材料塗布の効果は維持できる。
1 溶液塗布装置、11 給紙部、12 第1搬送部、13 第1用紙検知部、14 溶液塗布ユニット、15 乾燥部、16 第2搬送部、17 第2用紙検知部、18 排出部、19 制御部、21 支持体、22 散布部材、23 塗布部材、24 押圧体、25 第1のアクチュエータ、26 第2のアクチュエータ、31 下皿体、32 蓋体、33 材料供給部、34 スクレーパー、141 貯留タンク、142 パイプ、143 供給制御部、144,144′ 塗布サブユニット、231 平面部、251,261 駆動体、311 畝状部。

Claims (4)

  1. 印刷層が、用紙上の少なくとも一部に形成されている印刷物であって、
    前記印刷層の表面に分散し、あるいは、前記印刷層が形成されていない部分では用紙の表面に分散するよう機能性材料が配されている印刷物。
  2. 請求項1に記載の印刷物であって、
    機能性材料の溶液を塗布または吹きつけて乾燥させ、前記印刷層の表面に、あるいは、前記印刷層が形成されていない部分では用紙の表面に、前記機能性材料を分散して配した状態にある印刷物。
  3. 請求項1または2に記載の印刷物であって、
    前記機能性材料の少なくとも一部は、印刷層の表面、あるいは、前記印刷層が形成されていない部分では用紙の表面が有する微小凹部に嵌入して配される印刷物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷物であって、
    前記機能性材料は、抗ウィルス機能または抗菌機能の少なくとも一方を備える材料である印刷物。
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