JP3231158B2 - アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置 - Google Patents
アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置Info
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- JP3231158B2 JP3231158B2 JP25655493A JP25655493A JP3231158B2 JP 3231158 B2 JP3231158 B2 JP 3231158B2 JP 25655493 A JP25655493 A JP 25655493A JP 25655493 A JP25655493 A JP 25655493A JP 3231158 B2 JP3231158 B2 JP 3231158B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、胴部がストレートな
形状のフランジ加工前の缶などのアルミニウム製有底筒
体状容器の開口部を検出する装置に関し、特に洗浄工程
もしくはその直後の段階で前記容器の開口部が上向きに
なっていることを検出するための装置に関するものであ
る。
形状のフランジ加工前の缶などのアルミニウム製有底筒
体状容器の開口部を検出する装置に関し、特に洗浄工程
もしくはその直後の段階で前記容器の開口部が上向きに
なっていることを検出するための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】飲料缶などに使用されているDI缶(D
rawing & Ironing缶)は、通常、以下のような工程を経
て製造されている。すなわち先ず、円形のブランクに絞
り加工および再絞り加工を施してカップ状の成形体と
し、ついでその成形体に潤滑油を吹き付けつつしごき加
工を行い、さらに底部をドーム状にするドーミングを行
い、その後に缶の高さを揃えるために開口部側を切断す
るトリミングを行って基本的な形状をなす有底容器とす
る。そしてこの有底容器には、前工程で付着した潤滑油
を除去するための脱脂処理、インキや塗料の密着性を向
上させるための化成処理、さらには化成液を除去する水
洗処理を施している。またこの種の洗浄工程の後には、
脱イオン水などの洗浄水を完全に除去するために乾燥処
理を行っている。
rawing & Ironing缶)は、通常、以下のような工程を経
て製造されている。すなわち先ず、円形のブランクに絞
り加工および再絞り加工を施してカップ状の成形体と
し、ついでその成形体に潤滑油を吹き付けつつしごき加
工を行い、さらに底部をドーム状にするドーミングを行
い、その後に缶の高さを揃えるために開口部側を切断す
るトリミングを行って基本的な形状をなす有底容器とす
る。そしてこの有底容器には、前工程で付着した潤滑油
を除去するための脱脂処理、インキや塗料の密着性を向
上させるための化成処理、さらには化成液を除去する水
洗処理を施している。またこの種の洗浄工程の後には、
脱イオン水などの洗浄水を完全に除去するために乾燥処
理を行っている。
【0003】上述した工程のうち洗浄工程については特
開平5−177179号公報や特開平5−154419
号公報に記載されており、また乾燥工程については特開
平5−68957号公報に記載されている。これらの公
報にも記載されているように、洗浄工程では、洗浄液が
有底容器の内部に溜まることを防ぐために、有底容器を
倒置状態(開口部を下向きとした状態)で網目状もしく
は格子状のメッシュコンベヤに載せて搬送し、その間に
洗浄液を吹き付けて有底容器の洗浄を行っている。
開平5−177179号公報や特開平5−154419
号公報に記載されており、また乾燥工程については特開
平5−68957号公報に記載されている。これらの公
報にも記載されているように、洗浄工程では、洗浄液が
有底容器の内部に溜まることを防ぐために、有底容器を
倒置状態(開口部を下向きとした状態)で網目状もしく
は格子状のメッシュコンベヤに載せて搬送し、その間に
洗浄液を吹き付けて有底容器の洗浄を行っている。
【0004】またその洗浄工程と乾燥工程とは連続して
行っているが、これらの工程は、一方が容器に水または
水溶液を吹付ける工程であり、他方が容器に加熱空気を
吹付ける工程であって、同一のコンベヤを使用するとエ
ネルギーのロスが大きいので、洗浄工程のコンベヤと乾
燥工程のコンベヤとの間で有底容器の移し替えを行って
いる。上記の特開平5−68957号公報に記載されて
いる例では、有底容器のパスラインの上方に吸着コンベ
ヤからなるトランスファーを配置し、洗浄工程から送り
出された有底容器をそのトランスファーで吸着して吊り
上げ、その状態で乾燥工程のコンベヤに載せ替えるよう
になっている。
行っているが、これらの工程は、一方が容器に水または
水溶液を吹付ける工程であり、他方が容器に加熱空気を
吹付ける工程であって、同一のコンベヤを使用するとエ
ネルギーのロスが大きいので、洗浄工程のコンベヤと乾
燥工程のコンベヤとの間で有底容器の移し替えを行って
いる。上記の特開平5−68957号公報に記載されて
いる例では、有底容器のパスラインの上方に吸着コンベ
ヤからなるトランスファーを配置し、洗浄工程から送り
出された有底容器をそのトランスファーで吸着して吊り
上げ、その状態で乾燥工程のコンベヤに載せ替えるよう
になっている。
【0005】このような工程間での有底容器の移し替え
を行う場合、開口部が上向きの逆置状態の容器がある
と、その内部には前工程での洗浄液などが溜まっていて
重量が重くなっているので、トランスファーで吸着して
吊り上げることができず、その結果、これが転倒して内
部の洗浄液などを周囲に振り撒いてしまい、搬送設備の
みならず周囲の有底容器を洗浄液などで汚染し、これが
原因で後工程での印刷不良が生じるなどの不都合をもた
らす。したがって上述したいわゆる逆置状態の有底容器
を事前に除去する必要がある。
を行う場合、開口部が上向きの逆置状態の容器がある
と、その内部には前工程での洗浄液などが溜まっていて
重量が重くなっているので、トランスファーで吸着して
吊り上げることができず、その結果、これが転倒して内
部の洗浄液などを周囲に振り撒いてしまい、搬送設備の
みならず周囲の有底容器を洗浄液などで汚染し、これが
原因で後工程での印刷不良が生じるなどの不都合をもた
らす。したがって上述したいわゆる逆置状態の有底容器
を事前に除去する必要がある。
【0006】ところで搬送途中の有底容器の姿勢を検出
する方法や装置が従来、種々開発されており、例えば光
電スイッチやレーザなどを使った光学的センサーや、磁
界の変化によって対象物を検出する装置が知られてい
る。
する方法や装置が従来、種々開発されており、例えば光
電スイッチやレーザなどを使った光学的センサーや、磁
界の変化によって対象物を検出する装置が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように開口部
が上向きの逆置状態の容器は、トランスファーの前段階
で検出して除去する必要があるが、倒置状態の容器の底
部に溜まった洗浄水を吹き飛ばすブローオフ装置以前の
環境もしくはトランスファー以前の環境は、水蒸気やミ
ストが充満している環境であるために、光学的なセンサ
ーを使用することは実質上不可能である。
が上向きの逆置状態の容器は、トランスファーの前段階
で検出して除去する必要があるが、倒置状態の容器の底
部に溜まった洗浄水を吹き飛ばすブローオフ装置以前の
環境もしくはトランスファー以前の環境は、水蒸気やミ
ストが充満している環境であるために、光学的なセンサ
ーを使用することは実質上不可能である。
【0008】これに対して磁界の変化に基づいて対象物
を検出する装置では、水蒸気やミストの影響を受けない
が、従来では、容器の底部を検出するように構成してい
たので以下のような不都合があった。すなわち、磁界の
変化に基づいて対象物を検出するセンサーヘッド内のコ
イルから発生された磁界が、容器の底部に生じる渦電流
によって変化することを利用しており、そのためにコイ
ルに対向するように容器を配置させ、その容器の底部が
コイルに接近して位置していれば、磁界が変化して倒置
状態であると検出し、これとは反対に逆置状態であれ
ば、磁界の変化がないために、開口部が上向きになって
いるとを判定していた。しかるにこれはコイルに容器が
対向していることを前提とするものであるから、容器が
コイルに対向する位置に移動することを検出する同期セ
ンサーを設ける必要があり、そのために装置が複雑かつ
高価になる問題があり、また多数の容器を不規則にかつ
接近させて搬送する場合には、同期センサーを配置する
スペースが得られず、同期を採ることできないために実
質上使用できないなどの不都合があった。
を検出する装置では、水蒸気やミストの影響を受けない
が、従来では、容器の底部を検出するように構成してい
たので以下のような不都合があった。すなわち、磁界の
変化に基づいて対象物を検出するセンサーヘッド内のコ
イルから発生された磁界が、容器の底部に生じる渦電流
によって変化することを利用しており、そのためにコイ
ルに対向するように容器を配置させ、その容器の底部が
コイルに接近して位置していれば、磁界が変化して倒置
状態であると検出し、これとは反対に逆置状態であれ
ば、磁界の変化がないために、開口部が上向きになって
いるとを判定していた。しかるにこれはコイルに容器が
対向していることを前提とするものであるから、容器が
コイルに対向する位置に移動することを検出する同期セ
ンサーを設ける必要があり、そのために装置が複雑かつ
高価になる問題があり、また多数の容器を不規則にかつ
接近させて搬送する場合には、同期センサーを配置する
スペースが得られず、同期を採ることできないために実
質上使用できないなどの不都合があった。
【0009】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたもので、従来とは異なり、逆置状態の容器の開口部
を検出することのできる装置を提供することを目的とす
るものである。
れたもので、従来とは異なり、逆置状態の容器の開口部
を検出することのできる装置を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高周波磁
界を発生するとともに検出対象物に生じる渦電流に基づ
く磁界の変化を感知するセンサーヘッド内のコイル径
を、有底筒体状の容器の直径と同程度とすることによ
り、頂部開口部側を感知できる距離が底部を感知できる
距離よりも長いことを発見し、この発明を完成させたの
である。
界を発生するとともに検出対象物に生じる渦電流に基づ
く磁界の変化を感知するセンサーヘッド内のコイル径
を、有底筒体状の容器の直径と同程度とすることによ
り、頂部開口部側を感知できる距離が底部を感知できる
距離よりも長いことを発見し、この発明を完成させたの
である。
【0011】すなわちこの発明は、上記の目的を達成す
るために、開口部および胴部ならびに底部を有するアル
ミニウム製の有底筒体状の多数の容器を搬送コンベヤ上
に載せて搬送する間に、それらの容器の開口部が上向き
になっていることを検出するアルミ有底筒体状容器の頂
部開口部検出装置において、前記搬送コンベヤが容器載
置部の両側に容器の左右方向への移動を規制する仕切部
を備えており、また高周波磁界を発生するとともに検出
対象物に生じる渦電流に基づく磁界の変化を感知するセ
ンサーヘッドが、前記コンベヤの容器載置部上の容器の
上端より高い位置に設置され、そのセンサーヘッドと容
器上端との間隔が、底部側が上向きになった容器を感知
可能な間隔より広くかつ開口部側が上向きになった容器
を感知可能な間隔以下に設定され、前記センサーヘッド
内のコイル径が、前記容器の直径とほぼ同程度に設定さ
れていることを特徴とするものである。
るために、開口部および胴部ならびに底部を有するアル
ミニウム製の有底筒体状の多数の容器を搬送コンベヤ上
に載せて搬送する間に、それらの容器の開口部が上向き
になっていることを検出するアルミ有底筒体状容器の頂
部開口部検出装置において、前記搬送コンベヤが容器載
置部の両側に容器の左右方向への移動を規制する仕切部
を備えており、また高周波磁界を発生するとともに検出
対象物に生じる渦電流に基づく磁界の変化を感知するセ
ンサーヘッドが、前記コンベヤの容器載置部上の容器の
上端より高い位置に設置され、そのセンサーヘッドと容
器上端との間隔が、底部側が上向きになった容器を感知
可能な間隔より広くかつ開口部側が上向きになった容器
を感知可能な間隔以下に設定され、前記センサーヘッド
内のコイル径が、前記容器の直径とほぼ同程度に設定さ
れていることを特徴とするものである。
【0012】なお、両側に仕切部が設けられた容器載置
部が搬送コンベヤの進行方向に沿って複数列設けられ、
かつセンサーヘッドが各容器載置部の上方に配置されて
いることが好ましい。
部が搬送コンベヤの進行方向に沿って複数列設けられ、
かつセンサーヘッドが各容器載置部の上方に配置されて
いることが好ましい。
【0013】
【作用】この発明の装置においては、有底筒体状容器が
左右方向への大幅な移動ができないコンベヤの容器載置
部上に載置されているので、高周波磁界を発生するセン
サーヘッドがコンベヤによって搬送される有底筒体状容
器の上方に配置されていることになり、その磁界は、セ
ンサーヘッドの下方を通過する容器によって変化する。
すなわち底部が上向きの倒置状態の容器の場合には、底
部と胴部とに生じる渦電流が相殺し合うので、磁界が影
響を受ける範囲が狭くなり、これに対して開口部が上向
きの逆置状態の場合には、胴部に生じる渦電流のみに基
づく影響を受けるから、磁界が影響を受ける範囲が広く
なる。したがってこの発明の装置では、容器の底部を感
知可能な範囲より高い位置でかつ開口部を感知可能な範
囲以下の位置にセンサーヘッドを配置したから、不良設
置状態である逆置状態の容器のみを検出することができ
る。
左右方向への大幅な移動ができないコンベヤの容器載置
部上に載置されているので、高周波磁界を発生するセン
サーヘッドがコンベヤによって搬送される有底筒体状容
器の上方に配置されていることになり、その磁界は、セ
ンサーヘッドの下方を通過する容器によって変化する。
すなわち底部が上向きの倒置状態の容器の場合には、底
部と胴部とに生じる渦電流が相殺し合うので、磁界が影
響を受ける範囲が狭くなり、これに対して開口部が上向
きの逆置状態の場合には、胴部に生じる渦電流のみに基
づく影響を受けるから、磁界が影響を受ける範囲が広く
なる。したがってこの発明の装置では、容器の底部を感
知可能な範囲より高い位置でかつ開口部を感知可能な範
囲以下の位置にセンサーヘッドを配置したから、不良設
置状態である逆置状態の容器のみを検出することができ
る。
【0014】また搬送コンベヤの容器載置部が複数列と
なっており、各容器載置部の上方にセンサーヘッドが配
置されていると短時間に大量の容器を処理できる。
なっており、各容器載置部の上方にセンサーヘッドが配
置されていると短時間に大量の容器を処理できる。
【0015】
【実施例】つぎにこの発明の一実施例を図面に参照して
説明する。図1はこの発明の実施例における全体的な構
成を示す模式図であり、ここで検出対象とする有底容器
1は、例えば前述したアルミニウム製DI缶用の中間製
品であって開口端のトリミングを終了した容器である。
この有底容器1を洗浄工程を通過させて搬送するコンベ
ヤ2の終端部には、有底容器1を吸着して吊り下げた状
態で搬送する吸着コンベヤからなるトランスファー3が
配置されている。またコンベヤ2の終端部でかつトラン
スファー3に有底容器1を受け渡す箇所より手前側(上
流側)には、有底容器1の開口部を検出するためのセン
サーヘッド4が、後述するコンベヤ2の有底容器1の載
置部と対面するように配置されている。
説明する。図1はこの発明の実施例における全体的な構
成を示す模式図であり、ここで検出対象とする有底容器
1は、例えば前述したアルミニウム製DI缶用の中間製
品であって開口端のトリミングを終了した容器である。
この有底容器1を洗浄工程を通過させて搬送するコンベ
ヤ2の終端部には、有底容器1を吸着して吊り下げた状
態で搬送する吸着コンベヤからなるトランスファー3が
配置されている。またコンベヤ2の終端部でかつトラン
スファー3に有底容器1を受け渡す箇所より手前側(上
流側)には、有底容器1の開口部を検出するためのセン
サーヘッド4が、後述するコンベヤ2の有底容器1の載
置部と対面するように配置されている。
【0016】上記のコンベヤ2は、図示しない洗浄工程
において洗浄液の通過を可能にするため、図2に示すよ
うに、多数のリンク5を屈曲自在に連結した2条のガイ
ド6を相互に平行に配置し、かつそれらのガイド6の間
に、有底容器1を載せるためのピン7を掛け渡して配置
したものを1組とする多列構造である。すなわち、左右
両側のガイド6を仕切部とする有底容器1の載置部を進
行方向に複数列設けてある。したがって、有底容器1は
搬送されている間に左右への移動がガイド6により規制
され、左右方向の大幅な移動を行うことができない。
において洗浄液の通過を可能にするため、図2に示すよ
うに、多数のリンク5を屈曲自在に連結した2条のガイ
ド6を相互に平行に配置し、かつそれらのガイド6の間
に、有底容器1を載せるためのピン7を掛け渡して配置
したものを1組とする多列構造である。すなわち、左右
両側のガイド6を仕切部とする有底容器1の載置部を進
行方向に複数列設けてある。したがって、有底容器1は
搬送されている間に左右への移動がガイド6により規制
され、左右方向の大幅な移動を行うことができない。
【0017】また前記センサーヘッド4は、高周波磁界
を発生するためのコイル8を内蔵しており、コントロー
ラ9によって制御されて高周波磁界を発生するととも
に、その磁界が変化した場合には、所定の検出信号を出
力するようになっている。より具体的には、このセンサ
ーヘッド4およびコントローラ9を主体とする検出装置
は、コイル8で発生させた高周波磁界に例えばアルミニ
ウム製の検出対象物が入り込むことによりその対象物に
渦電流を生じさせ、それに伴って磁界が変化することに
より対象物を検出するよう構成されている。そして特に
この発明では、センサーヘッド4の設置高さ、すなわち
コンベヤ2上の有底容器1の上端とセンサーヘッド4と
の間隔が、以下のように設定されている。
を発生するためのコイル8を内蔵しており、コントロー
ラ9によって制御されて高周波磁界を発生するととも
に、その磁界が変化した場合には、所定の検出信号を出
力するようになっている。より具体的には、このセンサ
ーヘッド4およびコントローラ9を主体とする検出装置
は、コイル8で発生させた高周波磁界に例えばアルミニ
ウム製の検出対象物が入り込むことによりその対象物に
渦電流を生じさせ、それに伴って磁界が変化することに
より対象物を検出するよう構成されている。そして特に
この発明では、センサーヘッド4の設置高さ、すなわち
コンベヤ2上の有底容器1の上端とセンサーヘッド4と
の間隔が、以下のように設定されている。
【0018】有底容器1とほぼ同径のコイル8で発生す
る高周波磁界にアルミニウム製の有底容器1を対向配置
すると有底容器1に渦電流が生じるが、図3の(A)に
示すように底部1aがコイル8に対向している状態で
は、その底部1aと胴部1bとに渦電流が生じ、かつそ
れらの電流方向が反対になるのでそれらの電流が相殺し
合う。これに対して図3の(B)に示すように開口部1
cがコイル8に対向している状態では、胴部1bのみに
渦電流が生じる。また例えば有底容器1が底部1aを上
にして傾いていた場合には、底部1aと胴部1bとの両
方向に渦電流が生じてそれらが相殺し合う。したがって
コイル8が発生する磁界は、これらの渦電流に伴って生
じる磁界によって影響を受けるが、その度合いは、有底
容器1の姿勢によって異なる。
る高周波磁界にアルミニウム製の有底容器1を対向配置
すると有底容器1に渦電流が生じるが、図3の(A)に
示すように底部1aがコイル8に対向している状態で
は、その底部1aと胴部1bとに渦電流が生じ、かつそ
れらの電流方向が反対になるのでそれらの電流が相殺し
合う。これに対して図3の(B)に示すように開口部1
cがコイル8に対向している状態では、胴部1bのみに
渦電流が生じる。また例えば有底容器1が底部1aを上
にして傾いていた場合には、底部1aと胴部1bとの両
方向に渦電流が生じてそれらが相殺し合う。したがって
コイル8が発生する磁界は、これらの渦電流に伴って生
じる磁界によって影響を受けるが、その度合いは、有底
容器1の姿勢によって異なる。
【0019】図4は本発明者らが有底容器1の姿勢に応
じて磁界が影響を受ける範囲を測定した結果を示す図で
あって、で示す本来の設置姿勢である倒置状態であれ
ば、有底容器1の上端からL1 の範囲で磁界に影響が生
じ、換言すれば、その範囲で有底容器1を検出できる。
またで示す傾いた状態では、有底容器1の上端からL
2 (<L1 )の範囲で磁界に影響が生じ、センサーヘッ
ド4をこの範囲に置いた場合に有底容器1を検出でき
る。これに対してで示す開口部1cが上向きの逆置状
態であれば、その開口端よりL3 (>L1 )の範囲で磁
界に影響が生じ、センサーヘッド4を有底容器1の上端
よりある程度大きく離しても有底容器1を検出すること
ができる。
じて磁界が影響を受ける範囲を測定した結果を示す図で
あって、で示す本来の設置姿勢である倒置状態であれ
ば、有底容器1の上端からL1 の範囲で磁界に影響が生
じ、換言すれば、その範囲で有底容器1を検出できる。
またで示す傾いた状態では、有底容器1の上端からL
2 (<L1 )の範囲で磁界に影響が生じ、センサーヘッ
ド4をこの範囲に置いた場合に有底容器1を検出でき
る。これに対してで示す開口部1cが上向きの逆置状
態であれば、その開口端よりL3 (>L1 )の範囲で磁
界に影響が生じ、センサーヘッド4を有底容器1の上端
よりある程度大きく離しても有底容器1を検出すること
ができる。
【0020】このように前記センサーヘッド4によって
検出可能な範囲が有底容器1の姿勢によって異なってい
るので、図1に示す実施例では、コンベヤ2に傾けずに
載せた有底容器1の上端からL1 より大きくかつL3 以
下の間隔の範囲L(L1 <L≦L3 )にセンサーヘッド
4が配置されている。
検出可能な範囲が有底容器1の姿勢によって異なってい
るので、図1に示す実施例では、コンベヤ2に傾けずに
載せた有底容器1の上端からL1 より大きくかつL3 以
下の間隔の範囲L(L1 <L≦L3 )にセンサーヘッド
4が配置されている。
【0021】したがって上記のコンベヤ2に載せた有底
容器1がセンサーヘッド4の下方を通過した場合、その
有底容器1が底部1aを上向きとした倒置状態であれ
ば、センサーヘッド4がこれを検出することはなく、こ
れに対して開口部1cを上向きとしたいわゆる逆置状態
であれば、センサーヘッド4によって発生された高周波
磁界が変化するので、逆置状態の有底容器1が検出され
る。この検出結果に基づいて逆置状態の有底容器1をト
ランスファー3に至る以前に所定の手段で排除すること
により、その内部に溜まっていた洗浄液などを周囲に振
り撒くことによる不都合を未然に防止することができ
る。
容器1がセンサーヘッド4の下方を通過した場合、その
有底容器1が底部1aを上向きとした倒置状態であれ
ば、センサーヘッド4がこれを検出することはなく、こ
れに対して開口部1cを上向きとしたいわゆる逆置状態
であれば、センサーヘッド4によって発生された高周波
磁界が変化するので、逆置状態の有底容器1が検出され
る。この検出結果に基づいて逆置状態の有底容器1をト
ランスファー3に至る以前に所定の手段で排除すること
により、その内部に溜まっていた洗浄液などを周囲に振
り撒くことによる不都合を未然に防止することができ
る。
【0022】なおここで本発明者らが行った具体的な例
を示す。使用した有底容器は、フランジ加工前のアルミ
ニウム製の350mlの缶であり、胴部の外径が約66m
m、胴部の厚さが約100μm 、底部のドームの径が約
50mmであった。またセンサーは、オムロン(株)社製
TL−LP50を使用し、コイルの径は67mmであっ
た。前記のL1 ないしL3 の値は、L1 =15.75m
m、L2 =6mm、L3 =29.4mmであった。したがっ
てセンサーは、缶の上端から16mm以上かつ29mm以内
の範囲に設置すればよいことが判明した。またコイルと
缶との半径方向のずれについて測定したところ、図5に
示す結果が得られた。図5でY軸は缶の上端とセンサー
との間隔を示し、X軸はコイルの中心と缶の中心との半
径方向のずれ寸法を示している。また図5で太い線が開
口部を上向きとした逆置缶を対象とした測定結果であ
り、また細い線が底部を上向きとした倒置缶についての
測定結果である。なお、図5は半径方向での中心から片
側についてのみ示している。この図5に示す結果から、
センサーを缶の上端から20mmの位置に設置すれば、缶
が半径方向に25mmずれても開口部を検出できることが
判明した。
を示す。使用した有底容器は、フランジ加工前のアルミ
ニウム製の350mlの缶であり、胴部の外径が約66m
m、胴部の厚さが約100μm 、底部のドームの径が約
50mmであった。またセンサーは、オムロン(株)社製
TL−LP50を使用し、コイルの径は67mmであっ
た。前記のL1 ないしL3 の値は、L1 =15.75m
m、L2 =6mm、L3 =29.4mmであった。したがっ
てセンサーは、缶の上端から16mm以上かつ29mm以内
の範囲に設置すればよいことが判明した。またコイルと
缶との半径方向のずれについて測定したところ、図5に
示す結果が得られた。図5でY軸は缶の上端とセンサー
との間隔を示し、X軸はコイルの中心と缶の中心との半
径方向のずれ寸法を示している。また図5で太い線が開
口部を上向きとした逆置缶を対象とした測定結果であ
り、また細い線が底部を上向きとした倒置缶についての
測定結果である。なお、図5は半径方向での中心から片
側についてのみ示している。この図5に示す結果から、
センサーを缶の上端から20mmの位置に設置すれば、缶
が半径方向に25mmずれても開口部を検出できることが
判明した。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の装置によれば、底部を上向きにした倒置状態の有底容
器と開口部を上向きにした逆置状態の有底容器とが混在
している場合であっても、センサーヘッドが有底容器の
開口部のみを感知して信号出力するので、逆置状態の有
底容器を確実に検出することができる。
の装置によれば、底部を上向きにした倒置状態の有底容
器と開口部を上向きにした逆置状態の有底容器とが混在
している場合であっても、センサーヘッドが有底容器の
開口部のみを感知して信号出力するので、逆置状態の有
底容器を確実に検出することができる。
【0024】また容器載置部を搬送コンベヤの進行方向
に沿って複数列設け、かつそれらの上方にセンサーヘッ
ドを配置することにより、短時間に大量の有底容器の処
理を行うことが可能になる。
に沿って複数列設け、かつそれらの上方にセンサーヘッ
ドを配置することにより、短時間に大量の有底容器の処
理を行うことが可能になる。
【図1】この発明の実施例を模式的に示す図である。
【図2】コンベヤの構造を説明するための部分図であ
る。
る。
【図3】コイルと有底容器との相対位置を倒置容器と逆
置容器とについて示す図である。
置容器とについて示す図である。
【図4】磁界が有底容器の姿勢に応じて影響を受ける範
囲を測定した結果を示す図である。
囲を測定した結果を示す図である。
【図5】有底容器の半径方向での感知可能範囲の測定結
果を示す図である。
果を示す図である。
1 有底容器 1a 底部 1b 胴部 1c 開口部 2 コンベヤ 4 センサーヘッド 8 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−154419(JP,A) 特開 昭63−265108(JP,A) 特開 平3−150440(JP,A) 特開 平5−177179(JP,A) 特開 昭60−233501(JP,A) 実開 昭59−142709(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65B 57/02 B65B 55/04 B05B 13/02 G01B 21/20
Claims (2)
- 【請求項1】 開口部および胴部ならびに底部を有する
アルミニウム製の有底筒体状の多数の容器を搬送コンベ
ヤ上に載せて搬送する間に、それらの容器の開口部が上
向きになっていることを検出するアルミ有底筒体状容器
の頂部開口部検出装置において、 前記搬送コンベヤが容器載置部の両側に容器の左右方向
への移動を規制する仕切部を備えており、また高周波磁
界を発生するとともに検出対象物に生じる渦電流に基づ
く磁界の変化を感知するセンサーヘッドが、前記コンベ
ヤの容器載置部上の容器の上端より高い位置に設置さ
れ、そのセンサーヘッドと容器上端との間隔が、底部側
が上向きになった容器を感知可能な間隔より広くかつ開
口部側が上向きになった容器を感知可能な間隔以下に設
定され、前記センサーヘッド内のコイル径が、前記容器
の直径とほぼ同程度に設定されていることを特徴とする
アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置。 - 【請求項2】 前記容器載置部が搬送コンベヤの進行方
向に沿って複数列設けられるとともに、それらの各容器
載置部の両側に前記仕切部が設けられ、さらに前記セン
サーヘッドが各容器載置部の上方に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載のアルミ有底筒体状容器の
頂部開口部検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25655493A JP3231158B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25655493A JP3231158B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0796923A JPH0796923A (ja) | 1995-04-11 |
JP3231158B2 true JP3231158B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=17294258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25655493A Expired - Fee Related JP3231158B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | アルミ有底筒体状容器の頂部開口部検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231158B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5398495B2 (ja) * | 2009-11-30 | 2014-01-29 | ユニバーサル製缶株式会社 | 缶洗浄装置および缶洗浄方法 |
CN109719051B (zh) * | 2017-10-30 | 2024-10-01 | 桂林三金药业股份有限公司 | 一种自动检测产品状态的产线设备 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP25655493A patent/JP3231158B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0796923A (ja) | 1995-04-11 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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