JP3230702B2 - 乗算回路 - Google Patents

乗算回路

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JP3230702B2 JP36061392A JP36061392A JP3230702B2 JP 3230702 B2 JP3230702 B2 JP 3230702B2 JP 36061392 A JP36061392 A JP 36061392A JP 36061392 A JP36061392 A JP 36061392A JP 3230702 B2 JP3230702 B2 JP 3230702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図2) 発明が解決しようとする課題(図2) 課題を解決するための手段(図1) 作用(図1) 実施例(図1) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は乗算回路に関し、例えば
テレビジヨンの映像信号復調回路において復調時の直交
歪や、キヤリアリーク、波形歪を大幅に改善する際に適
用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、テレビジヨン受像機のチユーナに
おいては、映像信号を復調するために4象限掛算器を用
いる方式があり、映像信号復調回路として、例えば図2
に示す構成のものが用いられている。
【0004】図2において、1は全体としてテレビジヨ
ンの映像信号復調回路を示し、電圧電流変換部2に差動
入力されたAM変調映像信号S1と、キヤリア入力部3
に差動入力された中間周波搬送波S2とを掛け算し、復
調信号S3を出力するようになされている。
【0005】電圧電流変換部2は、トランジスタQ1及
びQ2がベースをそれぞれ変調信号入力端子P1及びP
2に接続され、かつエミツタを抵抗R1を介して相互に
接続され、かつそれぞれのエミツタを電流源4及び5を
介しアースに接続されてエミツタホロワの差動対に構成
されており、かつそれぞれのコレクタを接続端子P3及
びP4に接続されている。
【0006】ここでAM変調映像信号S1が変調信号入
力端子P1及びP2に差動入力されると、トランジスタ
Q1及びQ2は、抵抗R1で電流に変換されたAM変調
映像信号S1を増幅し、接続端子P3及びP4に差動出
力するようになされている。
【0007】キヤリア入力部3は、トランジスタQ3及
びQ4の差動対が共通エミツタを接続端子P3に接続さ
れていると共に、トランジスタQ5及びQ6の差動対が
共通エミツタを接続端子P4に接続されている。またト
ランジスタQ3及びQ6のベースが共通に搬送波入力端
子P5に接続され、かつトランジスタQ4及びQ5のベ
ースが共通に搬送波入力端子P6に接続されている。さ
らにトランジスタQ3及びQ5のコレクタが共通に出力
端子P7に接続され、かつトランジスタQ4及びQ6の
コレクタが共通に出力端子P8に接続されている。
【0008】ここで搬送波入力端子P5及びP6から一
定の振幅に制限された中間周波搬送波S2が入力される
と、トランジスタQ3、Q4、Q5及びQ6は中間周波
搬送波S2によつてスイツチ動作すると共に、接続端子
P3及びP4を介し入力されるAM変調映像信号S1を
掛け算し、全波整流された復調信号S3を出力端子P7
及びP8に出力するようになされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電圧電流変
換部2のトランジスタQ1及びQ2のベース・コレクタ
間には寄生容量C1及びC2が存在するため、AM変調
映像信号S1を入力すると、AM変調映像信号S1が寄
生容量C1及びC2を通してキヤリア入力部3のトラン
ジスタQ3、Q4、Q5及びQ6の方に抜け、復調の効
率が低下したり、波形歪を発生させるという問題があつ
た。
【0010】逆に、キヤリア入力部3のトランジスタQ
3、Q4、Q5及びQ6側から中間周波搬送波S2が電
圧電流変換部2のトランジスタQ1及びQ2に抜け、そ
の成分が、トランジスタQ1、Q2から見た信号源イン
ピーダンスにより加算され、復調のときの中間周波搬送
波S2の漏れや波形歪の原因になつていたという問題が
あつた。つまり、電圧電流変換部2の構成方法が復調の
ときの直交歪や、中間周波搬送波S2の漏れ及び波形歪
の原因になつていたという問題があつた。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、復調時の直交歪や、搬送波、波形歪を一段と減少さ
せ得る乗算回路を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、第1の入力端子対P1及びP2の
うち一方の入力端子P1より第1の差動入力信号S1を
入力される第1のトランジスタQ7と、第1のトランジ
スタQ7と差動対をなし、所定電圧を入力される第2の
トランジスタQ8とによつてなる第1の差動入力段と、
第1の入力端子対P1及びP2のうち他方の入力端子P
2より第1の差動入力信号S1を入力される第3のトラ
ンジスタQ10と、第3のトランジスタQ10と差動対
をなし、所定電圧を入力される第4のトランジスタQ9
とによつてなる第2の差動入力段と、第1の差動入力段
より出力される1対の第1の差動出力信号及び第2の差
動入力段より出力される1対の第2の差動出力信号のう
ち第2のトランジスタQ8及び第4のトランジスタQ9
より出力される互いに逆位相の関係にある1対の差動出
力信号を入力し、当該1対の差動出力信号と、第2の入
力端子対P5及びP6より入力される第2の差動入力信
号S2とを乗算し、その乗算出力を出力端子対P7及び
P8より出力する乗算部とを設ける。
【0013】また本発明においては、第1の差動入力段
は、第1及び第2のトランジスタQ7及びQ8のエミツ
タを第1の抵抗R2を介し相互に接続され、かつ第1の
トランジスタQ7のエミツタを第1の電流源8を介しア
ースに接続され、かつ第2のトランジスタQ8のエミツ
タを第2の電流源9を介しアースに接続され、かつ第1
及び第2のトランジスタQ7及びQ8のベースを第2の
抵抗R3を介し相互に接続され、かつ第1のトランジス
タQ7のベースを第1の入力端子対P1及びP2のうち
一方の入力端子P1に接続され、かつ第1のトランジス
タQ7のコレクタを第1の直流電圧源10を介しアース
に接続され、かつ第2のトランジスタQ8のコレクタよ
り互いに逆位相の関係にある1対の差動出力信号の一方
の出力信号を出力し、第2の差動入力段は、第3及び第
4のトランジスタQ10及びQ9のエミツタを第3の抵
抗を介し相互に接続され、かつ第3のトランジスタQ1
0のエミツタを第3の電流源12を介しアースに接続さ
れ、かつ第4のトランジスタQ9のエミツタを第4の電
流源11を介しアースに接続され、かつ第3及び第4の
トランジスタQ10及びQ9のベースを第4の抵抗R5
を介し相互に接続され、かつ第3のトランジスタQ10
のベースを第1の入力端子対P1及びP2のうち他方の
入力端子P2に接続され、かつ第4のトランジスタQ9
のベースを第2のトランジスタQ8のベースに接続さ
れ、かつ第3のトランジスタQ10のコレクタを第2の
直流電圧源13を介しアースに接続され、かつ第4のト
ランジスタQ9のコレクタより互いに逆位相の関係にあ
る1対の差動出力信号の他方の出力信号を出力する。
【0014】さらに本発明においては、 第1の抵抗R
2が第3の抵抗R4と同一値であり、かつ第2の抵抗R
3が第4の抵抗R5と同一値である。
【0015】
【作用】第1の差動入力段の第2のトランジスタQ8及
び第2の差動入力段の第4のトランジスタQ9のベース
が交流的に仮想接地され、第1の差動入力信号S1が第
2のトランジスタQ8の寄生容量C3及び第4のトラン
ジスタQ9の寄生容量C4を介し乗算部3に抜けること
がなくなり、また第2の差動入力信号S2が寄生容量C
3及びC4を介し第1の差動入力信号S1の信号源に抜
けることもなくなる。これにより第1の差動入力信号S
1を復調するときの直交歪や、第2の差動入力信号S2
の漏れ、波形歪を一段と減少させることができる。
【0016】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0017】図2との対応部分に同一符号を付して示す
図1において、6は全体としてテレビジヨンの映像信号
復調回路を示し、電圧電流変換部7に差動入力されたA
M変調映像信号S1と、キヤリア入力部3に差動入力さ
れた中間周波搬送波S2とを掛け算し、復調信号S3を
出力するようになされている。
【0018】電圧電流変換部7は、トランジスタQ7及
びQ8がエミツタを抵抗R2を介して相互に接続され、
かつエミツタをそれぞれ電流源8及び9を介しアースに
接続されてエミツタホロワの差動対に構成されており、
かつベースを抵抗R3を介して相互に接続され、かつコ
レクタをそれぞれ直流電圧源10及び接続端子P3に接
続されている。このトランジスタQ7、Q8及び抵抗R
2は、変調信号入力端子P1側の入力部となつている。
【0019】またトランジスタQ9及びQ10がエミツ
タを抵抗R2と同一値の抵抗R4を介して相互に接続さ
れ、かつエミツタをそれぞれ電流源11及び12を介し
アースに接続されてエミツタホロワの差動対に構成され
ており、かつベースを抵抗R5を介して相互に接続さ
れ、かつコレクタをそれぞれ接続端子P4及び直流電圧
源13に接続されている。このトランジスタQ9、Q1
0及び抵抗R4は、変調信号入力端子P2側の入力部と
なつている。
【0020】さらにトランジスタQ7のベースが変調信
号入力端子P1に接続され、かつトランジスタQ8及び
Q9のベースが共通に接続され、かつトランジスタQ1
0のベースが変調信号入力端子P2に接続されている。
抵抗R3及びR5はトランジスタQ7、Q8、Q9及び
Q10のバイアス回路であり、同一の抵抗値に設定され
ている。
【0021】キヤリア入力部3は接続端子P3及びP4
で電圧電流変換部7に接続されており、映像信号復調回
路1の場合と同一の動作で復調信号S3を出力端子P7
及びP8に出力する。
【0022】以上の構成において、AM変調映像信号S
1が変調信号入力端子P1及びP2に差動入力される
と、トランジスタQ7、及びQ8は、抵抗R2で電流に
変換されたAM変調映像信号S1を増幅し、それぞれ直
流電圧源10及び接続端子P3に差動出力する。またト
ランジスタQ9、及びQ10は、R4で電流に変換され
たAM変調映像信号S1を増幅し、それぞれ接続端子P
4及び直流電圧源13に差動出力する。
【0023】これによりトランジスタQ8及びQ9のコ
レクタに大きさが同じで逆相の信号電流が流れる。さら
にAM変調映像信号S1が抵抗R3及びR5に流れ、抵
抗R3及びR5のそれぞれの両端に電圧が発生するが、
抵抗R3及びR5が同一の抵抗値のため、抵抗R3及び
R5の接続中点すなわちトランジスタQ8及びQ9のベ
ースは交流的に仮想接地される。
【0024】トランジスタQ8及びQ9のベース・コレ
クタ間には寄生容量C3及びC4が存在するが、上述し
たようにトランジスタQ8及びQ9のベース電位が交流
的に仮想接地されているため、トランジスタQ8及びQ
9のベース電位は安定し、AM変調映像信号S1が寄生
容量C3及びC4を通してキヤリア入力部3のトランジ
スタQ3、Q4、Q5及びQ6の方へ抜けてしまうこと
はない。
【0025】またトランジスタQ8及びQ9のベース電
位が交流的に仮想接地されているため、中間周波搬送波
S2がキヤリア入力部3のトランジスタQ3、Q4、Q
5及びQ6側から電圧電流変換部7のAM変調映像信号
S1を入力されるトランジスタQ7及びQ10に抜けて
しまうこともない。
【0026】トランジスタQ7及びQ10のベース・コ
レクタ間には寄生容量C5及びC6が存在するが、寄生
容量C5及びC6を抜けるAM変調映像信号S1は直流
電圧源10及び13を介し接地され、ミラー効果として
作用しないため、AM変調映像信号S1の信号源(図示
せず)の負荷が軽くなる。因みに、映像信号復調回路1
においては、寄生容量C1及びC2がミラー効果のた
め、見かけ上容量が大きく見え、信号源負荷が重くな
る。
【0027】以上の構成によれば、電圧電流変換部7の
トランジスタQ8及びQ9のベースが交流的に仮想接地
され、AM変調映像信号S1が寄生容量C3及びC4を
介しキヤリア入力部3に抜けることがなくなり、また中
間周波搬送波S2が寄生容量C3及びC4を介しAM変
調映像信号S1の信号源に抜けることもなくなる。これ
によりAM変調映像信号S1を復調するときの直交歪
や、中間周波搬送波S2の漏れ、波形歪を一段と減少さ
せることができる。
【0028】なお上述の実施例においては本発明をテレ
ビジヨンの映像信号復調回路に適用した場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、広く任意の第1及び第
2の信号を乗算した出力信号を取り出す場合に適用する
ことができる。
【0029】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、第1の差
動入力段の第2のトランジスタ及び第2の差動入力段の
第4のトランジスタのベースが交流的に仮想接地され、
第1の差動入力信号が第2のトランジスタの寄生容量及
び第4のトランジスタの寄生容量を介し乗算部に抜ける
ことがなくなり、また第2の差動入力信号が寄生容量を
介し第1の差動入力信号の信号源に抜けることもなくな
る。これにより第1の差動入力信号を復調するときの直
交歪や、第2の差動入力信号の漏れ、波形歪を一段と減
少させ得る乗算回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗算回路の一実施例を示す接続図
である。
【図2】従来例を示す接続図である。
【符号の説明】
1、6……映像信号復調回路、2、7……電圧電流変換
部、3……キヤリア入力部、4、5、8、9、11、1
2……電流源、10、13……直流電圧源、C1〜C6
……寄生容量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 1/18 G06G 7/163 H03D 1/04 H03D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の入力端子対のうち一方の入力端子よ
    り第1の差動入力信号を入力される第1のトランジスタ
    と、当該第1のトランジスタと差動対をなし、所定電圧
    を入力される第2のトランジスタとによつてなる第1の
    差動入力段と、 上記第1の入力端子対のうち他方の入力端子より上記第
    1の差動入力信号を入力される第3のトランジスタと、
    当該第3のトランジスタと差動対をなし、上記所定電圧
    を入力される第4のトランジスタとによつてなる第2の
    差動入力段と、 上記第1の差動入力段より出力される1対の第1の差動
    出力信号及び上記第2の差動入力段より出力される1対
    の第2の差動出力信号のうち上記第2のトランジスタ及
    び上記第4のトランジスタより出力される互いに逆位相
    の関係にある1対の差動出力信号を入力し、当該1対の
    差動出力信号と、第2の入力端子対より入力される第2
    の差動入力信号とを乗算し、その乗算出力を出力端子対
    より出力する乗算部とを具えることを特徴とする乗算回
    路。
  2. 【請求項2】上記第1の差動入力段は、 上記第1及び第2のトランジスタのエミツタを第1の抵
    抗を介し相互に接続され、かつ上記第1のトランジスタ
    のエミツタを第1の電流源を介しアースに接続され、か
    つ上記第2のトランジスタのエミツタを第2の電流源を
    介しアースに接続され、かつ上記第1及び第2のトラン
    ジスタのベースを第2の抵抗を介し相互に接続され、か
    つ上記第1のトランジスタのベースを上記第1の入力端
    子対のうち一方の入力端子に接続され、かつ上記第1の
    トランジスタのコレクタを第1の直流電圧源を介しアー
    スに接続され、かつ上記第2のトランジスタのコレクタ
    より上記互いに逆位相の関係にある1対の差動出力信号
    の一方の出力信号を出力し、 上記第2の差動入力段は、 上記第3及び第4のトランジスタのエミツタを第3の抵
    抗を介し相互に接続され、かつ上記第3のトランジスタ
    のエミツタを第3の電流源を介しアースに接続され、か
    つ上記第4のトランジスタのエミツタを第4の電流源を
    介しアースに接続され、かつ上記第3及び第4のトラン
    ジスタのベースを第4の抵抗を介し相互に接続され、か
    つ上記第3のトランジスタのベースを上記第1の入力端
    子対のうち他方の入力端子に接続され、かつ上記第4の
    トランジスタのベースを上記第2のトランジスタのベー
    スに接続され、かつ上記第3のトランジスタのコレクタ
    を第2の直流電圧源を介しアースに接続され、かつ上記
    第4のトランジスタのコレクタより上記互いに逆位相の
    関係にある1対の差動出力信号の他方の出力信号を出力
    することを特徴とする請求項1に記載の乗算回路。
  3. 【請求項3】上記第1の抵抗が上記第3の抵抗と同一値
    であり、かつ上記第2の抵抗が上記第4の抵抗と同一値
    であることを特徴とする請求項2に記載の乗算回路。
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