JP3152715B2 - 掛算回路 - Google Patents

掛算回路

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JP3152715B2
JP3152715B2 JP2807792A JP2807792A JP3152715B2 JP 3152715 B2 JP3152715 B2 JP 3152715B2 JP 2807792 A JP2807792 A JP 2807792A JP 2807792 A JP2807792 A JP 2807792A JP 3152715 B2 JP3152715 B2 JP 3152715B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は差動増幅回路を用いて構
成され、周波数変換器、同期検波器、振幅位相変調器、
復調器および可変利得増幅器等に使用される掛算回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】図17に従来よく使われている掛算回路
を示す。図17において、二つの入力端子対LO1,L
O2およびMO1,MO2には掛算すべき二つの入力信
号が入力される。入力端子対LO1,LO2に入力され
る第1の入力信号は、トランジスタQ1,Q2からなる
第1の差動増幅回路とトランジスタQ3,Q4からなる
第2の差動増幅回路によって増幅される。第1および第
2の差動増幅回路のそれぞれの出力端子対は、第1の入
力信号に対する両差動増幅回路の出力が打ち消し合うよ
うに接続される。一方、入力端子対MO1,MO2に入
力される第2の入力信号は、トランジスタQ5,Q6か
らなる第3の差動増幅回路によって増幅され、トランジ
スタQ5,Q6のコレクタ電流の変化に変換される。
【0003】第1および第2の差動増幅回路の共通エミ
ッタ端子には、トランジスタQ5,Q6のコレクタが接
続されているため、第1および第2の差動増幅回路の利
得はトランジスタQ5,Q5のコレクタ電流に比例す
る。これにより、第1および第2の差動増幅回路の共通
出力端子対OP1,OP2間に、第1および第2の入力
信号の電圧の積に比例した電圧、すなわち掛算出力が得
られる。
【0004】このような掛算回路では、差動増幅回路の
非線形性のために、入力信号の電圧振幅が大きくなると
出力信号波形が歪むという問題がある。この問題を解決
するため、米国特許第4,965,528号に開示され
ているように、第3の差動増幅回路として2組の差動増
幅回路を組み合わせ、それぞれに適当な直流オフセット
を与えることによって線形範囲を広げる技術が提案され
ている。差動増幅回路の直流オフセットは、差動増幅回
路を構成する差動トランジスタ対のエミッタ面積比によ
って設定できる。
【0005】また、第3の差動増幅回路として、3組以
上の差動増幅回路を組み合わせることによって、さらに
線形範囲を広げることも提案されている。この場合の差
動増幅回路への直流オフセットの付与や、各差動増幅回
路の電流の重み付けの仕方については、電気学会電子回
路研究会資料番号ECT−90−20に記載されてい
る。
【0006】ところが、この方法では第3の差動増幅回
路の数を増やすほどエミッタ面積の大きなトランジスタ
が必要となるため、トランジスタの寄生容量が増大し、
高い周波数での使用が困難になる。例えば第3の差動増
幅回路を構成する差動トランジスタ対のエミッタ面積比
を1:4とすれば、差動トランジスタ対のコレクタ・グ
ラウンド間の寄生容量の和は図17の場合に比較して約
5倍となるので、第1の入力信号の周波数が高くなる
と、第1および第2の差動増幅回路のCMRR(同相除
去比)が低下する。また、コレクタ・ベース間の寄生容
量を通しての入力端子対LO1,LO2から入力端子対
MO1,MO2への信号の回り込みが大きくなる。
【0007】CMRRの低下は、例えば掛算回路を送信
機の周波数変換器や変調器として用い、第1の入力信号
として局部発振信号、第2の入力信号として送信信号を
それぞれ与えた場合、送信出力側へのキャリアリークを
増大させる要因となる。入力端子対LO1,LO2から
入力端子対MO1,MO2へ回り込む信号が増大する
と、例えば掛算回路を受信機の周波数変換器に用いた場
合、LO1,LO2に入力される局部発振信号がMO
1,MO2から高周波増幅器等を通してアンテナから放
射される不要放射を増大させる結果となる。
【0008】さらに、従来技術による線形範囲の拡大化
の手法は、第2の入力信号が入力される第3の差動増幅
回路側のみしか適用できず、第1および第2の差動増幅
回路の線形範囲の拡大は達成されないため、第1の入力
信号成分が歪み易いという問題があった。
【0009】一方、周波数変換器や復調器のように、第
1、第2の入力信号の周波数と所望の出力信号の周波数
が比較的離れている場合、より簡単には図17の掛算回
路の半分である図18の構成の掛算回路がしばしば用い
られる。図18において、入力端子対LO1,LO2と
入力端子Rfには掛算すべき二つの入力信号が入力され
る。入力端子対LO1,LO2に入力される第1の入力
信号は、トランジスタQ11,Q12からなる差動増幅
回路によって増幅される。一方、入力端子Rfに入力さ
れる第2の入力信号は、差動増幅回路のトランジスタQ
11,Q12の共通エミッタ端子にコレクタが接続され
たエミッタ接地トランジスタQ13によって増幅され
る。差動増幅回路の負荷回路に設けられた出力端子OP
から、掛算出力が得られる。
【0010】図18の掛算回路は、受信機の周波数変換
器や復調器として使用する場合、雑音指数が十分でない
う問題がある。この掛算回路で発生する雑音は、主にエ
ミッタ接地トランジスタQ13のベースの寄生抵抗の熱
雑音である。この熱雑音を小さくするには、エミッタ接
地トランジスタQ13のエミッタ面積を大きく(従って
ベース面積を大きく)すればよい。
【0011】しかしながら、トランジスタQ13のエミ
ッタ面積を大きくすると、線形化を図った図17の掛算
回路と同様に、差動増幅回路のCMRRの低下や、入力
端子対LO1,LO2から入力端子Rfへの信号の回り
込みの増加という問題が生じる。特に、ダイレクトコン
バージョン方式の受信機では、受信周波数と局部発振周
波数がほぼ同じであるため、入力端子対LO1,LO2
に局部発振信号を入力し、入力端子Rfに受信信号を入
力した場合、局部発振信号が入力端子Rfを通して漏れ
出ることになり、大きな問題となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、線形
範囲を拡大させた従来の図17に示すような掛算回路で
は、トランジスタの寄生容量の増大により高い周波数領
域で差動増幅回路の同相除去比が低下するとともに、二
つの入力端子対間の信号の回り込みが増大するという問
題と、線形範囲の拡大が一方の入力信号に対してのみし
かなされず、他方の入力信号に与えられる歪が十分に抑
圧されないという問題があった。
【0013】さらに、図18に示すように簡易化した掛
算回路においても、雑音指数を良好にするためにエミッ
タ面積の大きいエミッタ接地トランジスタを用いると、
同様に差動増幅回路の高周波領域での同相除去比の低下
や、入力端子間の信号の回り込みの増大という問題があ
った。
【0014】本発明の目的は、トランジスタの寄生容量
による高周波側での同相除去比の低下を防止できるとと
もに、入力端子間の回り込みを少なくできる掛算回路を
提供することにある。本発明の他の目的は、両方の入力
信号に対して差動増幅回路の線形範囲を拡大させて低歪
化を達成できる掛算回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は第1の入力信号の増幅部と第2の入力信
号の増幅部の間に、ベース接地トランジスタを挿入する
ことを基本とする。
【0016】すなわち、例えば線形化を図った掛算回路
においては、第1の入力信号を増幅する第1および第2
の差動増幅回路の共通エミッタ端子と、第2の入力信号
を増幅する複数の第3の差動増幅回路の出力端子対との
間に、それぞれベース接地トランジスタを挿入する。よ
り具体的には、第1の入力信号を入力とし、出力端子対
と共通エミッタ端子をそれぞれ有する第1および第2の
差動増幅回路と、第1および第2の差動増幅回路の出力
端子対を第1の入力信号に対する第1および第2の差動
増幅回路の出力が互いに打ち消されるように接続すると
共に、第1および第2の差動増幅回路の出力の差を出力
信号として取り出す出力手段と、ベースが交流的に接地
され、コレクタが第1および第2の差動増幅回路のそれ
ぞれの共通エミッタ端子に接続された第1および第2の
ベース接地トランジスタと、第2の入力信号を入力と
し、それぞれの出力端子対が第1および第2のベース接
地トランジスタのエミッタに共通に接続され、所定の直
流オフセットが付与された複数の第3の差動増幅回路と
を有する。
【0017】第1および第2の差動増幅回路はそれぞれ
複数個ずつ設けられていてもよく、その場合は第1およ
び第2のベース接地トランジスタもそれぞれ複数個ずつ
設けられる。これにより第1および第2の差動増幅回路
にも直流オフセットを付与した構成をとることが可能と
なる。
【0018】さらに、本発明は第1の入力信号を差動増
幅回路で増幅し、第2の入力信号をエミッタ接地トラン
ジスタで増幅する掛算回路において、差動増幅回路の共
通エミッタ端子とエミッタ接地トランジスタのコレクタ
の間にベース接地トランジスタを挿入する。より具体的
には、第1の入力信号を入力とし、出力端子対と共通エ
ミッタ端子を有する差動増幅回路と、この差動増幅回路
の出力端子対の少なくとも一方の出力端子に接続される
負荷回路と、第2の入力信号をベースへの入力とするエ
ミッタ接地トランジスタと、ベースが交流的に接地さ
れ、コレクタが前記差動増幅回路の共通エミッタ端子に
接続され、エミッタが前記エミッタ接地トランジスタの
コレクタに接続された該エミッタ接地トランジスタより
も小さいエミッタ面積を有するベース接地トランジスタ
とを有する。
【0019】
【作用】第1および第2の差動増幅回路の共通エミッタ
端子と複数の第3の差動増幅回路の出力端子対との間
に、第1および第2のベース接地トランジスタを挿入す
ると、これらのベース接地トランジスタのエミッタ面積
を第3の差動増幅回路に使用されるトランジスタの最大
のエミッタ面積より小さくすることによって、第1およ
び第2の差動増幅回路の共通エミッタ端子から第3の差
動増幅回路の出力端子対側を見たインピーダンスは、こ
れらのベース接地トランジスタがない場合より大きくな
る。
【0020】これによって第3の差動増幅回路の一部の
トランジスタを直流オフセットを付与するためにエミッ
タ面積を大きくしても、そのトランジスタの大きな寄生
容量による第1および第2の差動増幅回路の同相除去比
の低下が防止され、また第1の入力端子対側から第2の
入力端子対側への信号の回り込みが少なくなる。
【0021】さらに、第1および第2のベース接地トラ
ンジスタをそれぞれ複数個設けるとともに、第1および
第2の差動増幅回路もそれぞれ複数個設けることで、第
1および第2の差動増幅回路にも直流オフセットを付与
するようにすれば、第1の入力信号のみでなく第2の入
力信号に対しても線形範囲が拡大され、掛算回路全体と
して更に低歪化が達成される。
【0022】また、第1の入力信号を増幅する差動増幅
回路の共通エミッタ端子と、第2の入力信号を増幅する
エミッタ接地トランジスタのコレクタの間にベース接地
トランジスタを挿入すると、エミッタ接地トランジスタ
としてベースの寄生抵抗を小さくするなどの目的で面積
の大きいトランジスタを使用しても、上記と同様の原理
により差動増幅回路の同相除去比の低下が防止され、か
つ第1の入力端子対側から第2の入力端子側への信号の
回り込みが減少する。ベース接地トランジスタのベース
の寄生抵抗は大きいが、この寄生抵抗による熱雑音はエ
ミッタ接地トランジスタの出力インピーダンスによる負
帰還効果によって出力にはほとんど現れないので、エミ
ッタ接地トランジスタの面積を大きくできることと相ま
って、掛算回路の雑音指数が改善される。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の第1の実施例に係る掛算回路の
回路である。図1において、二つの入力端子対LO1,
LO2およびMO1,MO2には掛算すべき二つの入力
信号が入力される。入力端子対LO1,LO2に入力さ
れる第1の入力信号は、トランジスタ1,2からなる第
1の差動増幅回路とトランジスタ3,4からなる第2の
差動増幅回路によって増幅される。第1の差動増幅回路
の出力端子対(トランジスタ1,2のコレクタ)と第2
の差動増幅回路の出力端子対(トランジスタ3,4のコ
レクタ)とは、第1の入力信号に対する両差動増幅回路
の出力が打ち消し合うように負荷抵抗9,10の一端に
接続されると共に、掛算回路の出力端子対OP1,OP
2に接続されている。
【0024】すなわち、第1の差動増幅回路において
は、入力端子LO1にベースが接続されているトランジ
スタ1のコレクタが負荷抵抗9および出力端子OP1に
接続され、入力端子LO2に接続されたベースが接続さ
れているトランジスタ2のコレクタが負荷抵抗10およ
び出力端子OP2に接続されているのに対して、第2の
差動増幅回路においては逆に、入力端子LO1にベース
が接続されているトランジスタ3のコレクタが負荷抵抗
10および出力端子OP2に接続され、入力端子LO2
にベースが接続されているトランジスタ4のコレクタが
負荷抵抗9および出力端子OP1に接続されている。な
お、負荷抵抗9,10の他端は電源Vccに接続されて
いる。
【0025】第1の差動増幅回路におけるトランジスタ
1,2の共通エミッタ端子および第2の差動増幅回路に
おけるトランジスタ3,4の共通エミッタ端子には、そ
れぞれベースが交流的に接地された第1および第2のベ
ース接地トランジスタ13,14のコレクタが接続され
ている。
【0026】一方、入力端子対MO1,MO2に入力さ
れる第2の入力信号は、トランジスタ5,7およびトラ
ンジスタ6,8からなる二つの第3の差動増幅回路によ
り増幅される。これら第3の差動増幅回路のそれぞれの
共通エミッタ端子は、定電流源11,12に接続されて
いる。
【0027】第3の差動増幅回路の出力端子対は、ベー
ス接地トランジスタ13,14のエミッタに共通に接続
されている。すなわち、トランジスタ5,6のコレクタ
は第1のベース接地トランジスタ13のエミッタに共通
接続され、トランジスタ7,8のコレクタは、第2のベ
ース接地トランジスタ14に共通接続されている。
【0028】第3の差動増幅回路をそれぞれ構成する二
つのトランジスタは、所定のエミッタ面積比を有し、こ
の例ではトランジスタ5,8に対してトランジスタ6,
7は約4倍のエミッタ面積を有する。このようなエミッ
タ面積比の設定によって、二つの第3の差動増幅回路は
入力端子対MO1,MO2からの第2の入力信号に対し
てそれぞれ直流オフセットが付与されることになるの
で、これらの差動増幅回路の出力を合成することによ
り、第3の差動増幅回路の線形範囲が拡大される。この
直流オフセットによる線形範囲の拡大の原理については
公知であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0029】第1の入力信号を増幅する第1および第2
の差動増幅回路は、共通エミッタ端子がベース接地トラ
ンジスタ13,14を介して第3の差動増幅回路の出力
端子対に結合されているので、その利得は第2の入力信
号を増幅する第3の差動増幅回路のコレクタ電流に比例
する。従って、出力端子対OP1,OP2間から第1お
よび第2の入力信号の積に比例した電圧振幅の出力信号
が得られるので、図1の回路は掛算回路として動作す
る。
【0030】ここで、ベース接地トランジスタ13,1
4のエミッタ面積は、第3の差動増幅回路におけるトラ
ンジスタの最大のエミッタ面積(トランジスタ6,7の
エミッタ面積)より小さく、その寄生容量も小さい。ベ
ース接地トランジスタ13,14のエミッタ面積が第3
の差動増幅回路のトランジスタ5,8と等しく、トラン
ジスタ6,7のエミッタ面積がトランジスタ5,8のエ
ミッタ面積の約5倍とすれば、寄生容量は約1/5とな
る。このため高い周波数領域では、ベース接地トランジ
スタ13,14がなく第1および第2の差動増幅回路の
共通エミッタ端子と第3の差動増幅回路のコレクタが直
結されている従来の線形範囲が拡大されたものと比較し
て、第1および第2の差動増幅回路の共通エミッタ端子
より第3の差動増幅回路側を見たインピーダンスは高く
なる。従って、高い周波数での第1および第2の差動増
幅回路のCMRR(同相除去比)が高くなる。
【0031】この効果を計算機シミュレーションによっ
て確認した結果を図2に示す。この種の掛算回路では、
通常差動増幅回路の一方の入力端子を交流的に接地して
使用するので、図1において掛算回路で入力端子LO1
に正弦波入力を与え、入力端子LO2を交流的に接地し
たときの出力端子OP1におけるキャリアリークの周波
数特性を求め、図2に示した。図2において、曲線Aは
図1の掛算回路のキャリアリーク、曲線Bは図1のベー
ス接地トランジスタ13,14を除去した掛算回路のキ
ャリアリーク、曲線Cは図8に示した従来の基本的な掛
算回路のキャリアリークをそれぞれ示している。
【0032】入力端子対LO1,LO2間に差動成分の
みの信号を入力すると、キャリアリークは−100dB
以下であったので、図2の曲線は同相成分によるキャリ
アリークを表わしていると考えられる。曲線Aに示され
るように、図1の掛算回路はベース接地トランジスタ1
3,14のない場合に比較して全周波数領域でキャリア
リークが少なく、特に低い周波数ではキャリアリークが
約30dB、また図3の掛算回路に比較しても約8dB
少なくなっており、本発明によるCMRRの改善効果は
明らかである。
【0033】従って、この掛算回路を送信機の周波数変
換器や変調器として用い、第1の入力信号として局部発
振信号、第2の入力信号として送信信号を与えた場合、
送信出力側へのキャリアリークを減少させることができ
る。
【0034】また、ベース接地トランジスタ13,14
におけるコレクタ電圧変動のエミッタ側への伝達量も小
さくなるので、トランジスタ5,6のコレクタにおける
電圧変化が小さくなり、それだけ入力端子LO1から入
力端子MO1側へのキャリアリークが少なくなる。
【0035】従って、この掛算回路を受信機の周波数変
換器に用いて、入力端子対LO1,LO2間に局部発振
器からの局部発振信号を入力し、入力端子対MO1,M
O2間に受信信号を入力した場合、局部発振信号がMO
1,MO2より漏れ出て高周波増幅器等を通してアンテ
ナから不要放射として放射される量を低減できる。
【0036】図3は、この効果を計算機シミュレーショ
ンによって確認した結果を示したもので、入力端子対L
O1,LO2間に図2の場合と同様の入力を与えたとき
の、入力端子MO1側へのキャリアリークの周波数特性
である。図2において、曲線Dは図1の掛算回路のキャ
リアリーク、曲線Eは図1のベース接地トランジスタ1
3,14を除去した掛算回路のキャリアリーク、曲線F
は図8に示した従来の基本的な掛算回路のキャリアリー
クをそれぞれ示している。曲線Dによれば、全周波数領
域で曲線E,Fよりキャリアリークが低くなっている。
特に、低い周波数では図1の掛算回路のキャリアリーク
は図3の基本的な掛算回路のそれに対して40dB少な
くなっており、本発明によるキャリアリークの低減効果
は明らかである。
【0037】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
4は、第2の実施例に係る掛算回路であり、第3の差動
増幅回路を4個組み合わせることで、線形範囲をさらに
拡大させている。トランジスタ21と25、22と2
6、23と27、24と28の各差動トランジスタ対
と、これらの差動トランジスタ対のエミッタ共通端子に
それぞれ接続された定電流源31〜34で4個の第3の
差動増幅回路が構成されている。ここで、トランジスタ
21,28と、トランジスタ22,27と、トランジス
タ23〜26とのエミッタ面積比を例えば13:2:1
と選ぶことにより、各差動増幅回路に直流オフセットが
与えられている。また、定電流源31〜34の電流比を
図中に示すように選ぶことにより、重み付けが行われて
いる。
【0038】第3の差動増幅回路の個数は3個、あるい
は5個以上でもよく、必要とされる線形範囲に応じてそ
の個数を選べばよい。図4の例に見られるように、差動
増幅回路の数を多くするほどエミッタ面積の大きいトラ
ンジスタを必要とし、それだけ寄生容量も大きくなるの
で、ベース接地トランジスタ13,14を設けることに
よる周波数特性の改善効果はより顕著となる。
【0039】図5は、第3の実施例に係る掛算回路であ
り、第1および第2の差動増幅回路をそれぞれ2個ずつ
設け、かつ第1および第2のベース接地トランジスタも
2個ずつ設けている。すなわち、差動トランジスタ対4
1,43と、差動トランジスタ対42,44が第1の差
動増幅回路を構成し、差動トランジスタ対45,47と
差動トランジスタ対46,48が第2の差動増幅回路を
構成している。トランジスタ41,44,45,48と
トランジスタ42,43,46,47のエミッタ面積比
が例えば4:1に選ばれることにより、第1および第2
の差動増幅回路に直流オフセットが付与されている。
【0040】第1の差動増幅回路の二つのエミッタ共通
端子は第1のベース接地トランジスタ58,59のコレ
クタに接続され、第2の差動増幅回路の二つのエミッタ
共通端子は第2のベース接地トランジスタ60,61の
コレクタに接続されている。一方、トランジスタ49〜
54と定電流源55〜57とで3個の第3の差動増幅回
路が構成されている。これら第3の差動増幅回路の共通
出力端子対の一方の端子(トランジスタ49〜51の共
通コレクタ端子)に第1のベース接地トランジスタ5
8,59のエミッタが共通に接続され、また共通出力端
子対の他方の端子(トランジスタ52〜54の共通コレ
クタ端子)に、第2のベース接地トランジスタ60,6
1のエミッタが共通接続されている。
【0041】このように本実施例では、第1および第2
のベース接地トランジスタを複数個設けることにより、
第1および第2の差動増幅回路をそれぞれ複数個設け、
直流オフセットを与えることができるので、入力端子対
LO1,LO2に与えられるの第1の入力信号に対して
も線形範囲を拡大できる。従って、本実施例の掛算回路
は例えば両方の入力信号が情報信号であって、両入力に
対して広い周波数範囲にわたり線形性が要求されるよう
な用途に適している。
【0042】図6は、第4の実施例に係る掛算回路であ
り、トランジスタ71〜82で構成されるそれぞれ3個
の第1および第2の差動増幅回路と、それぞれ3個の第
3および第4のベース接地トランジスタ91〜93およ
び94〜96が設けられている。第3の差動増幅回路
は、トランジスタ83〜88と定電流源97〜99で構
成されている。
【0043】この実施例では、例えば第1および第2の
差動増幅回路におけるトランジスタ71,76,77,
82とトランジスタ72〜75,78〜81とのエミッ
タ面積比を8:1とし、ベース接地トランジスタ91,
93,94,96とべース接地トランジスタ92,95
とのエミッタ面積比を3:2とすることにより、第1お
よび第2の差動増幅回路に直流オフセットを持たせると
共に、ベース接地トランジスタにエミッタ面積に比例し
たコレクタ電流が流れるために第1および第2の差動増
幅回路にエミッタ電流の分配比の重み付けを行うことが
できる。
【0044】なお、第3の差動増幅回路においては、ト
ランジスタ83,88とトランジスタ84〜87とのエ
ミッタ面積比が例えば8:1に選ばれ、かつ定電流源9
7〜99の電流比が図中に示すように選定されることに
より、直流オフセットの付与と重み付けが行われてい
る。
【0045】また、この実施例による重み付けの方式を
用いると、掛算回路全体をnpn型およびpnp型のい
ずれか一方のタイプのトランジスタのみで構成すること
が可能である。通常、集積回路ではnpnトランジスタ
の方がpnpトランジスタより周波数特性が良好である
ため、この実施例のようにnpnトランジスタのみで構
成できることは、掛算回路の周波数特性を向上させる上
で有利である。
【0046】図7は、第5の実施例に係る掛算回路であ
り、図6における第1および第2の差動増幅回路の各エ
ミッタ共通端子と重み付け用ベース接地トランジスタ9
1〜96との間に、エミッタ面積が小さいベース接地ト
ランジスタ105〜110を挿入している。従って、こ
の実施例によると図6の実施例の利点に加えて、重み付
け用ベース接地トランジスタ91〜96にエミッタ面積
の大きく寄生容量の大きいトランジスタが含まれること
によるCMRRの劣化を抑制できるという効果が得られ
る。なお、この実施例では第3の差動増幅回路はトラン
ジスタ101〜104と定電流源111,112で構成
され、トランジスタ101,104とトランジスタ10
2,103とのエミッタ面積比は例えば4:1であり、
また定電流源111,112の電流比は図示のような値
に選定されている。
【0047】図8〜図12は、上述した第1〜第5の実
施例を変形した実施例に係る掛算回路であり、入力端子
対LO1,LO2、入力端子対LO3,LO4および入
力端子対MO1,MO2には入力信号と共に適当な直流
バイアス電位が与えられ、またベース接地トランジスタ
のベース端子VB1,VB2,VB3,VB4は適当な
直流バイアス電位が与えられると共に、交流的に接地さ
れる。このようにしても、先の実施例と同様の動作が得
られることはいうまでもない。
【0048】以上の実施例では、第1の入力信号および
第2の入力信号をいずれも差動増幅回路に入力したが、
第1の入力信号を差動増幅回路に入力し、第2の入力信
号をエミッタ接地増幅回路に入力してもよい。その実施
例を以下に説明する。
【0049】図14は、第6の実施例に係る掛算回路で
あり、入力端子対LO1,LO2には第1の入力信号が
入力され、もう一つの入力端子Rfには第2の入力信号
が入力される。入力端子対LO1,LO2に入力される
第1の入力信号は、トランジスタ201,202からな
る差動増幅回路によって増幅される。この差動増幅回路
の出力端子対(トランジスタ201,202のコレク
タ)は、負荷回路203を介して電源Vccに接続され
ている。負荷回路203は、この例ではトランジスタ2
04,205からなるカレントミラー回路によって構成
され、トランジスタ205のコレクタが出力端子OPに
接続されている。
【0050】一方、入力端子Rfに入力される第2の入
力信号は、エミッタ接地トランジスタ207によって増
幅される。このトランジスタ207のベースは入力端子
Rfに接続され、エミッタは接地されている。
【0051】差動増幅回路におけるトランジスタ20
1,202の共通エミッタ端子には、ベース接地トラン
ジスタ206のコレクタが接続され、このトランジスタ
206のエミッタはエミッタ接地トランジスタ207の
コレクタに接続されている。また、このベース接地トラ
ンジスタ206のベース端子VBは、適当な直流バイア
ス電位が与えられると共に、交流的に接地されている。
【0052】第1の入力信号を増幅する差動増幅回路の
共通エミッタ端子は、ベース接地トランジスタ206を
介して、第2の入力信号を増幅するエミッタ接地トラン
ジスタ207のコレクタに結合されているので、差動増
幅回路の利得はトランジスタ207のコレクタ電流に比
例する。従って、出力端子OPから第1および第2の入
力信号の積に比例した出力信号が得られるので、図13
の回路は掛算回路として動作する。
【0053】この掛算回路を微弱な信号を受信復調する
ような受信機の周波数変換器や復調器として使用する場
合、雑音指数を極力小さくするために、エミッタ接地ト
ランジスタ207のベース寄生抵抗が発生する熱雑音を
小さくする必要がある。このために、エミッタ接地トラ
ンジスタ207にはベース寄生抵抗の小さい、すなわち
エミッタ面積の比較的大きなトランジスタが使用され
る。一方、ベース接地トランジスタ206はエミッタ接
地トランジスタ207よりもエミッタ面積の小さいトラ
ンジスタが使用される。例えばトランジスタ206と2
07とのエミッタ面積比は、1:4に選ばれる。
【0054】従って、トランジスタ206の寄生容量は
トランジスタ207のそれより小さいので、差動増幅回
路の共通エミッタ端子よりエミッタ接地トランジスタ2
07のコレクタ側を見たインピーダンスは、ベース接地
トランジスタ206がない従来の掛算回路(例えば図1
8)に比較して高くなる。これにより、エミッタ接地ト
ランジスタ207にエミッタ面積の大きいトランジスタ
を使用することによるCMRRの低下や、入力端子対L
O1,LO2への入力信号の入力端子Rf側への回り込
みが減少する。
【0055】図14は、第7の実施例に係る掛算回路で
あり、第1の入力信号を増幅する差動増幅回路を3個設
け、かつベース接地トランジスタも3個設けている。す
なわち、第1の差動トランジスタ対301,304と、
第2の差動トランジスタ対302,305および第3の
差動トランジスタ対303,306がそれぞれ差動増幅
回路を構成している。これらの差動増幅回路の各々の出
力端子対は、共通の負荷回路307に接続される。負荷
回路307には出力端子OPが設けられる。
【0056】3個の差動増幅回路のそれぞれの共通エミ
ッタ端子は、それぞれベース接地トランジスタ308,
309,310のコレクタに接続され、トランジスタ3
08のエミッタはエミッタ接地トランジスタ311のコ
レクタに接続されている。また、ベース接地トランジス
タ308,309,310の共通ベース端子VBは、適
当な直流バイアス電位が与えられると共に、交流的に接
地されている。
【0057】この実施例では、差動増幅回路を構成する
トランジスタ301,306とトランジスタ302,3
03,304,305とのエミッタ面積比を例えば4:
1とし、トランジスタ308,309,310のエミッ
タ面積比を例えば3:2:3とすることにより、差動増
幅回路に直流オフセットを付与すると共に、差動増幅回
路の各々の共通エミッタ端子に流れる電流の分配比に重
み付けを行う。これにより、入力端子対LO1,LO2
に入力される第1の入力信号に対する線形化が達成され
る。従って、この掛算回路を例えば受信機の周波数変換
器(ミキサ)として使用し、入力端子対LO1,LO2
に局部発振信号、入力端子Rfに高周波入力信号を入力
した場合、局部発振信号の高調波を少なくできる。この
結果、高周波入力信号に含まれる妨害波や雑音と、局部
発振信号との積が所望の出力周波数に重畳されて出力さ
れる量を減少させることができる。
【0058】図15は、第8の実施例に係る掛算回路で
あり、図14における差動増幅回路の各エミッタ共通端
子と重み付け用ベース接地トランジスタ308〜310
(第2のベース接地トランジスタ)との間に、エミッタ
面積が小さいベース接地トランジスタ312〜314
(第1のベース接地トランジスタ)を挿入している。ト
ランジスタ308〜310の共通ベース端子VB1およ
びトランジスタ312〜314の共通ベース端子VB2
は、いずれも適当な直流バイアス電位が与えられると共
に、交流的に接地されている。
【0059】従って、この実施例によると図14の実施
例の利点に加えて、重み付け用ベース接地トランジスタ
308〜310にエミッタ面積が大きく寄生容量の大き
いトランジスタが含まれることによるCMRRの劣化
を、追加したベース接地トランジスタ312〜314に
よって抑制でき、入力端子対LO1,LO2に入力され
た信号が入力端子Rf側に回り込む量を減少させること
ができるという効果が得られる。
【0060】図16は、第9の実施例に係る掛算回路で
あり、ダイレクトコンバージョン方式の受信機における
直交復調器として用いる掛算回路に好適な例である。こ
の掛算回路は、図13に示した掛算回路を単位掛算回路
として2個組み合わせたものであり、これら2個の単位
掛算回路で一つのエミッタ接地トランジスタを共有して
いる。
【0061】図16においては、2個の単位掛算回路に
対してそれぞれ入力端子対LO1,LO2およびLO
3,LO4が設けられている。直交復調器の場合、これ
らの入力端子対LO1,LO2に入力される信号と入力
端子対LO3,LO4に入力される信号は、互いに90
°位相をずらせた局部発振信号である。もう一つの入力
端子Rfには、復調されるべき信号、すなわち変調され
た信号が入力される。
【0062】入力端子対LO1,LO2に入力される信
号は、トランジスタ401,402からなる差動増幅回
路によって増幅され、負荷回路405から出力端子OP
11へ出力される。また、入力端子対LO3,LO4に
入力される信号は、トランジスタ403,404からな
る差動増幅回路によって増幅され、負荷回路406から
出力端子OP12へ出力される。一方、入力端子Rfに
入力される第2の入力信号は、エミッタ接地トランジス
タ409によって増幅される。このトランジスタ409
のベースは入力端子Rfに接続され、エミッタは接地さ
れている。
【0063】トランジスタ401,402の共通エミッ
タ端子およびトランジスタ403,404の共通エミッ
タ端子は、ベース接地トランジスタ407,408のコ
レクタにそれぞれ接続され、トランジスタ407,40
8のエミッタはエミッタ接地トランジスタ407のコレ
クタに共通に接続されている。ベース接地トランジスタ
407,408の共通ベース端子VBは、適当な直流バ
イアス電位が与えられると共に、交流的に接地されてい
る。
【0064】互いに90°位相のずれた局部発振信号を
それぞれ増幅する2つの差動増幅回路の各々共通エミッ
タ端子は、ベース接地トランジスタ407,408をそ
れぞれ介して、変調された信号を増幅するエミッタ接地
トランジスタ409のコレクタに結合されているので、
出力端子OP11,OP12から互いに90°位相が異
なる復調出力、すなわち直交復調出力が得られる。
【0065】この実施例において、ベース接地トランジ
スタ407,408は、寄生抵抗を減らすためにエミッ
タ面積を大きくしたエミッタ接地トランジスタ409の
寄生容量の影響を低減すると共に、エミッタ接地トラン
ジスタ409の出力電流(コレクタ電流)を2個差動増
幅回路に分配する役割を果たす。
【0066】直交復調器は、位相誤差と変換利得誤差を
小さくすることが重要である。従来の一般的な直交復調
器では、復調されるべき変調された信号を2分配した
後、位相が互いに90°ずれた局部発振信号が供給され
た独立した2つの掛算回路にそれぞれ入力される。これ
に対して、図16の掛算回路を用いた直交復調器では、
変調された信号は2つの掛算回路に共通のエミッタ接地
トランジスタ409のベースに入力され、分配と同時に
局部発振信号との掛算(直交復調)が行われる。従っ
て、図16の掛算回路を用いてた直交復調器は、上述し
た従来の直交復調器に比較して、変調された信号が通過
する素子の数が少ないため、それだけ誤差要因が少なく
なり、位相誤差および変換利得誤差を低減することがで
きる。
【0067】なお、図16の実施例では基本となる2組
の単位掛算回路として図13の掛算回路を用いたが、図
14または図15に示した掛算回路を用いてよい。ま
た、3個あるいはそれ以上の数の単位掛算回路を、エミ
ッタ接地トランジスタを共有して組み合わせることも可
能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、高い周波数での同相除
去比の低下と、掛算されるべき2つの信号が入力される
入力端子間の信号の回り込みが少なく、また線形範囲が
広く歪みの小さい掛算回路を提供することができる。
【0069】従って、この掛算回路を例えば送信機に用
いればキャリアリークが少なく歪みの小さい送信出力が
得られる。また、この掛算回路を受信機に用いた場合は
低雑音でダイナミックレンジが広く、かつ局部発振信号
がアンテナ系に漏れ出ることによる不要放射を少なくす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る掛算回路の回路図
【図2】図1の掛算回路の出力端子におけるキャリアリ
ークの周波数特性を示す図
【図3】図1の掛算回路の入力端子におけるキャリアリ
ークの周波数特性を示す図
【図4】本発明の第2の実施例に係る掛算回路の回路図
【図5】本発明の第3の実施例に係る掛算回路の回路図
【図6】本発明の第4の実施例に係る掛算回路の回路図
【図7】本発明の第5の実施例に係る掛算回路の回路図
【図8】第1の実施例の変形例を示す回路図
【図9】第2の実施例の変形例を示す回路図
【図10】第3の実施例の変形例を示す回路図
【図11】第4の実施例の変形例を示す回路図
【図12】第5の実施例の変形例を示す回路図
【図13】本発明の第6の実施例に係る掛算回路の回路
【図14】本発明の第7の実施例に係る掛算回路の回路
【図15】本発明の第8の実施例に係る掛算回路の回路
【図16】本発明の第9の実施例に係る掛算回路の回路
【図17】従来の掛算回路の回路図
【図18】従来の掛算回路の回路図
【符号の説明】
LO1,LO2…第1の入力端子対 MO1,MO2…第2の入力端子対 Rf…第2の入力端子 OP1,OP2…出力端子対 OP…出力端子 1,2,41〜44,71〜76…第1の差動増幅回路
のトランジスタ 3,4,45〜48,77〜82…第2の差動増幅回路
のトランジスタ 9,10…負荷抵抗 5〜8,21〜28,49〜54,83〜88,101
〜104…第3の差動増幅回路のトランジスタ 13,58,59,105〜107…第1のベース接地
トランジスタ 14,60,61,108〜110…第2のベース接地
トランジスタ 91〜93…第3のベース接地トランジスタ 94〜96…第4のベース接地トランジスタ 201〜202,301〜306,401〜404…差
動増幅回路のトランジスタ 206,308〜310,312〜314,407〜4
08…ベース接地トランジスタ 207,311,409…エミッタ接地トランジスタ 203,307,405,406…負荷回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 7/14 G06G 7/16 - 7/154 H03D 1/22 H03F 3/45

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子をそれぞれ有する第1および第2の差
    動増幅回路と、 第1および第2の差動増幅回路の出力端子対を第1の入
    力信号に対する第1および第2の差動増幅回路の出力が
    互いに打ち消されるように接続すると共に、第1および
    第2の差動増幅回路の出力の差を出力信号として取り出
    す出力手段と、 ベースが交流的に接地され、コレクタが第1および第2
    の差動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続さ
    れた第1および第2のベース接地トランジスタと、 第2の入力信号を入力とし、それぞれの出力端子対が第
    1および第2のベース接地トランジスタのエミッタに共
    通に接続され、所定の直流オフセットが付与された複数
    の第3の差動増幅回路とを具備すること特徴とする掛算
    回路。
  2. 【請求項2】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子をそれぞれ有する所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第1および第2の差動増幅回路
    と、 第1の差動増幅回路の出力端子対と第2の差動増幅回路
    の出力端子対とを第1の入力信号に対する第1の差動増
    幅回路の出力と第2の差動増幅回路の出力が互いに打ち
    消されるように接続すると共に、第1および第2の差動
    増幅回路の出力の差を出力信号として取り出す出力手段
    と、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第1の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、
    エミッタが共通接続された複数の第1のベース接地トラ
    ンジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第2の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、
    エミッタが共通接続された複数の第2のベース接地トラ
    ンジスタと、 第2の入力信号を入力とし、第1および第2のベース接
    地トランジスタのそれぞれの共通エミッタ端子にそれぞ
    れの出力端子対が共通に接続され、所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第3の差動増幅回路とを具備する
    ことを特徴とする掛算回路。
  3. 【請求項3】第1および第2のベース接地トランジスタ
    は、エミッタ面積が第3の差動増幅回路に用いられるト
    ランジスタの最大のエミッタ面積より小さいことを特徴
    とする請求項1または2記載の掛算回路。
  4. 【請求項4】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子をそれぞれ有する所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第1および第2の差動増幅回路
    と、 第1の差動増幅回路の出力端子対と第2の差動増幅回路
    の出力端子対とを第1の入力信号に対する第1の差動増
    幅回路の出力と第2の差動増幅回路の出力が互いに打ち
    消されるように接続すると共に、第1および第2の差動
    増幅回路の出力の差を出力信号として取り出す出力手段
    と、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第1の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、
    エミッタが共通接続された所定のエミッタ面積比を有す
    る複数の第1のベース接地トランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第2の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、
    エミッタが共通接続された所定のエミッタ面積比を有す
    る複数の第2のベース接地トランジスタと、 第2の入力信号を入力とし、第1および第2のベース接
    地トランジスタのそれぞれの共通エミッタ端子にそれぞ
    れの出力端子対が共通に接続され、所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第3の差動増幅回路とを具備する
    ことを特徴とする掛算回路。
  5. 【請求項5】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子をそれぞれ有する所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第1および第2の差動増幅回路
    と、 第1の差動増幅回路の出力端子対と第2の差動増幅回路
    の出力端子対とを第1の入力信号に対する第1の差動増
    幅回路の出力と第2の差動増幅回路の出力が互いに打ち
    消されるように接続すると共に、第1および第2の差動
    増幅回路の出力の差を出力信号として取り出す出力手段
    と、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第1の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続された
    複数の第1のベース接地トランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが複数の第2の差
    動増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続された
    複数の第2のベース接地トランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが第1のベース接
    地トランジスタのそれぞれのエミッタに接続され、エミ
    ッタが共通接続された所定のエミッタ面積比を有する複
    数の第3のベース接地トランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが第2のベース接
    地トランジスタのそれぞれのエミッタに接続され、エミ
    ッタが共通接続された所定のエミッタ面積比を有する複
    数の第4のベース接地トランジスタと、 第2の入力信号を入力とし、第1および第2のベース接
    地トランジスタのそれぞれの共通エミッタ端子にそれぞ
    れの出力端子対が共通に接続され、所定の直流オフセッ
    トが付与された複数の第3の差動増幅回路とを具備する
    ことを特徴とする掛算回路。
  6. 【請求項6】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子を有する差動増幅回路と、 この差動増幅回路の出力端子対の少なくとも一方の出力
    端子に接続される負荷回路と、 第2の入力信号をベースへの入力とするエミッタ接地ト
    ランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが前記差動増幅回
    路の共通エミッタ端子に接続され、エミッタが前記エミ
    ッタ接地トランジスタのコレクタに接続された該エミッ
    タ接地トランジスタよりも小さいエミッタ面積を有する
    ベース接地トランジスタとを具備することを特徴とする
    掛算回路。
  7. 【請求項7】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子を有する所定の直流オフセットが付与
    された複数の差動増幅回路と、 この差動増幅回路の出力端子対の少なくとも一方の出力
    端子に接続される負荷回路と、 第2の入力信号をベースへの入力とするエミッタ接地ト
    ランジスタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが前記複数の差動
    増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、エ
    ミッタが前記エミッタ接地トランジスタのコレクタに接
    続された所定のエミッタ面積比を有する複数のベース接
    地トランジスタとを具備することを特徴とする掛算回
    路。
  8. 【請求項8】第1の入力信号を入力とし、出力端子対と
    共通エミッタ端子を有する所定の直流オフセットが付与
    された複数の差動増幅回路と、 この差動増幅回路の出力端子対の少なくとも一方の出力
    端子に接続される負荷回路と、 第2の入力信号をベースへの入力とするエミッタ接地ト
    ランジスタと、 ベースが交流的に接地され、エミッタが前記エミッタ接
    地トランジスタのコレクタに共通に接続された所定のエ
    ミッタ面積比を有する複数の第1のベース接地トランジ
    スタと、 ベースが交流的に接地され、コレクタが前記複数の差動
    増幅回路のそれぞれの共通エミッタ端子に接続され、エ
    ミッタが前記複数の第1のベース接地トランジスタのそ
    れぞれのコレクタに接続された、エミッタ面積が第1の
    ベース接地トランジスタのうちで最小エミッタ面積のト
    ランジスタのそれと等しいかそれより小さい複数の第2
    のベース接地トランジスタとを具備することを特徴とす
    る掛算回路。
  9. 【請求項9】請求項6、7または8に記載の掛算回路を
    単位掛算回路として、複数個の単位掛算回路を備え、こ
    れら複数の単位掛算回路で前記エミッタ接地トランジス
    タを共有したことを特徴とする掛算回路。
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