JP3230690B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP3230690B2 JP06368492A JP6368492A JP3230690B2 JP 3230690 B2 JP3230690 B2 JP 3230690B2 JP 06368492 A JP06368492 A JP 06368492A JP 6368492 A JP6368492 A JP 6368492A JP 3230690 B2 JP3230690 B2 JP 3230690B2
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崎 貞 明 山
田 順 一 岡
金 孝 信 岩
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動制御装置に
おけるフィードバック系を持つ、サーボ演算に必要な被
制御負荷の位置を検出するレゾルバを備える位置検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、レゾルバを備えた従来の位置検
出装置の回路構成を示すブロック図である。レゾルバ1
は、回転子に設けられた単相の励磁巻線1aと、固定子
に設けられた2相検出巻線1b,1cとを備えている。
レゾルバ1の回転子は図示していない位置検出に係る負
荷を駆動するモータの回転子シャフトに連結されている
ものとする。2相検出巻線1b,1cには、励磁巻線1
aによる磁束との鎖交に基づいて回転子位置に対応する
2相検出電圧が誘導される。励磁巻線1aには、正弦波
発振器4からの正弦波電圧が、移相器3および電流アン
プ2を介して正弦波励磁電圧として印加される。移相器
3は正弦波励磁電圧と検出巻線1a,1bの出力位相を
合わせるために設けられている。2相検出巻線1b,1
cの出力段には、インピーダンス整合のために差動アン
プ5,6が設けられている。正弦波発振器4からの正弦
波電圧信号及び差動アンプ5,6の出力信号はそれぞれ
ハイパスフィルタ12,13,14を介してR/Dコン
バータ11に入力され、ここで後述の回転角θに係るsi
nθおよびcosθに比例する信号が生成される。
【0003】このような従来例における位置検出の原理
を説明する。レゾルバ1の励磁巻線1aに正弦波発振器
4から移相器3及び電流アンプ2を通して、波高値V1
の正弦波電圧 V=V1・sin(ωt) ……(1) を励磁電圧として印加すると、回転子の回転角θに応
じ、励磁巻線1aと検出巻線1b,1cとの間の磁気的
な結合率が変化し、検出巻線1b,1cにはそれぞれ、
電圧変換比をkとし、回転角θの正弦(sin)および余
弦(cos)に比例する検出電圧 Vs=k・V・sinθ =k・V1・sin(ωt)・sinθ ……(2) Vc=k・V・cosθ =k・V1・sin(ωt)・cosθ ……(3) が誘導される。
【0004】この検出電圧Vs,Vcをそれぞれ差動ア
ンプ5,6およびハイパスフィルタ13,14を通して
R/Dコンバータ11に入力し、さらに正弦波発振器4
からの正弦波励磁電圧を、ハイパスフィルタ12を介し
て入力することにより、(2),(3)式に含まれてい
るsin(ωt)成分を除去し、レゾルバ1の回転子の回
転角θすなわち回転子シャフト位置に応じた、sinθお
よびcosθに比例する検出信号Es,Ecをディジタル
値の形で出力する。すなわち、定数をKとして、 Es=K・sinθ ……(4) Ec=K・cosθ ……(5) が得られる。
【0005】以上述べた検出電圧Vs,Vcは理想的な
レゾルバの場合に得られるものである。この種の実際の
レゾルバにおいては、(2),(3)式に示す基本波成
分に、かなりの量の高調波成分等が重畳した形のひずみ
波となるのが普通である。以下、これについて若干の検
討を加える。
【0006】励磁巻線1aと検出巻線1b,1cとの間
の磁気的な結合率を表す相互インダクタンスMs(θ)
あるいはMc(θ)は、回転子の回転角θの関数とし
て、一般的に次式で表すことができる。
【0007】 Ms(θ)=Ms1・sinθ+Mso ……(6) Mc(θ)=Mc1・cos(θ+φ)+Mco ……(7) ここに、 Ms(θ)は、検出巻線1bの相互インダクタンス Ms1・sinθは、検出巻線1bの1次の相互インダクタ
ンス Msoは、検出巻線1bの直流成分の相互インダクタンス Mc(θ)は、検出巻線1cの相互インダクタンス Mc1・cosθは、検出巻線1cの1次の相互インダクタ
ンス Mcoは、検出巻線1cの直流成分の相互インダクタンス φは、検出巻線1bのインダクタンスと検出巻線1cの
インダクタンスとの間に存在する、基本波成分に対する
本来の位相差90°に対する位相誤差であるとする。
【0008】理想的なレゾルバでは検出巻線1bと検出
巻線1cの相互インダクタンスに関して次の条件が成立
しなければならない。すなわち、 Mso=Mco=0 ……(8) Ms1=Mc1 ……(9) φ=0 ……(10)
【0009】(8)式ないし(10)式の意味するとこ
ろであるが、(8)式は直流成分を含まないことを意味
し、(9)式は両検出巻線の基本波のインダクタンス値
が互いに等しいことを意味し、(10)式は両インダク
タンスの基本波に対する位相差が正しく電気角90°
(sin,cosの関係)にあることを意味するものである。
【0010】従って、レゾルバ1において条件(8)式
ないし(10)式が成立しなければ、次のような検出誤
差を生じることになる。すなわち、 (8)式が成立しない場合は、直流成分による誤差を生
じ、 (9)式が成立しない場合は、両検出電圧の差による誤
差を生じ、 (10)式が成立しない場合は、位相誤差に基づく誤差
を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の誤差要因に基づ
いて、検出巻線1b,1cに誘導される検出電圧Vs,
Vcは、現実には次のように表されることになる。すな
わち、 Vs=k・V1・sin(ωt)・sin(θ) +As・sin(ωt) ……(11) Vc=k・(1+α)・V1・sin(ωt)・cos(θ+β) +Ac・sin(ωt) ……(12) ただし、αは検出巻線1bの検出信号と検出巻線1cの
検出信号の波高値(振幅)の差、βは検出巻線1cの検
出信号の、正弦波発振器4からの基本正弦波に対する遅
れ位相である。
【0012】このような従来例にあっては、図3(a)
に示すように、符号31で示す検出位置誤差が符号30
で示す検出位置θに重畳して検出される。このように、
現実的には各種の誤差要因が本来の検出電圧に重畳して
混入することから、正確なサーボ演算などに必須の信頼
度の高い位置検出をすることができないという不都合が
存在していた。
【0013】そこで、本発明は、レゾルバを用いる位置
検出装置において、検出位置誤差を大幅に低減し得る位
置検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、回転子に設けられた単相励
磁巻線および固定子に設けられた2相検出巻線を有する
レゾルバを備え、単相励磁巻線に交流励磁電圧を印加
し、2相検出巻線から交流励磁電圧と回転子の回転角の
正弦および余弦との積に比例する2相検出電圧を取出す
位置検出装置において、2相検出巻線によって検出され
た2相検出電圧に含まれる励磁電圧成分を、励磁巻線に
印加される交流励磁電圧を入力として生成された補償電
圧によって相殺する補償回路を設けたことを特徴とする
ものである。
【0015】さらに請求項2に係る発明は、回転子に設
けられた単相励磁巻線および固定子に設けられた2相検
出巻線を有するレゾルバを備え、単相励磁巻線に交流励
磁電圧を印加し、2相検出巻線から交流励磁電圧と回転
子の回転角の正弦および余弦との積に比例する2相検出
電圧を取出す位置検出装置において、2相検出巻線によ
って検出された2相検出電圧に含まれる振幅誤差成分
を、励磁巻線に印加される交流励磁電圧を入力として生
成された補償電圧によって相殺する補償回路を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0016】さらにまた、請求項3に係る発明は、回転
子に設けられた単相励磁巻線および固定子に設けられた
2相検出巻線を有するレゾルバを備え、単相励磁巻線に
交流励磁電圧を印加し、2相検出巻線から交流励磁電圧
と回転子の回転角の正弦および余弦との積に比例する2
相検出電圧を取出す位置検出装置において、一方の検出
巻線によって検出された検出電圧と他方の検出巻線によ
って検出された検出電圧との間の位相差が電気角90°
に対して過不足があるとき、その過不足分を補償する補
償回路を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】このように構成された本発明によれば、レゾル
バの検出電圧に含まれる検出位置誤差要因を大幅に低減
し、より正確な位置検出をすることができる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の回路構成を示す
ブロック図である。図1に示すように、正弦波発振器4
の出力に基づいてレゾルバ1の励磁巻線1aに、移相器
3および電流アンプ2を介して(1)式で表される励磁
電圧Vを印加する。レゾルバ1の回転子を回転させる
と、検出巻線1b,1cとの磁気的結合率が変化し、検
出巻線1b,1cにそれぞれ基本的には(11),(1
2)式で表される検出電圧Vs,Vcが誘導される。こ
の検出電圧Vs,Vcは差動アンプ5,6を通して、本
発明に係る補償回路部分に導入される。
【0019】図1の補償回路部分は、補償回路7〜10
からなっている。補償回路7,8には、正弦波発振器4
の出力信号が導入され、ここで、検出電圧Vs,Vcに
含まれる(11)式および(12)式中の右辺第2項の
誤差要因As・sin(ωt)およびAc・sin(ωt)を
取り除くための相殺電圧成分を、内蔵する可変抵抗RH
1,RH2を適切に調節することによって生成し、その
出力値を差動アンプ5の出力信号から減算器15および
補償回路9の入力段によって減算する。これによって上
記の右辺第2項の誤差要因を除去する。
【0020】この時点で、(11)式および(12)式
の右辺第2項が除去され、検出電圧Vs,Vcはそれぞ
れ次の(13)式および(14)式で表されるものとな
る。すなわち、 Vs=k・V1・sin(ωt)・sin(θ) ……(13) Vc=k・(1+α)・V1・sin(ωt)・cos(θ+β) =k・(1+α)・V1・sin(ωt) ・{cos(θ)・cos(β)−sin(θ)・sin(β)} =k・(1+α)・cos(β)・V1・sin(ωt)・cos(θ) −k・(1+α)・sin(β)・V1・sin(ωt)・sin(θ) ……(14)
【0021】(13)式は(2)式に示した正しい検出
電圧Vsに等しいものである。これに対して(14)式
の検出電圧Vcは、右辺第2項が全体として誤差要因を
なすと共に、右辺第1項に含まれる(1+α)・cos
(β)が振幅誤差要因として含まれている。これらの誤
差要因は補償回路10および9によって除去される。
【0022】補償回路10において、減算器15から出
力される電圧Vsを入力として、ここに内蔵されている
可変抵抗RH4を調節することにより、(14)式の右
辺第2項である、 k・(1+α)・sin(β)・V1・sin(ωt)・sin(θ) に相当する電圧を生成し、これを補償回路9に減算要素
として入力することによって(14)式右辺の第2項を
除去する。さらに補償回路9では、内蔵される可変抵抗
RH3を調整することにより、(14)式中の右辺第1
項に含まれる振幅誤差要素(1+α)・cos(β)を
「1」にして、ここから(3)式に示す正しい検出電圧
Vcを出力する。
【0023】以上のようにして、ハイパスフィルタ1
3,14には、(2)式および(3)式で示されるよう
な誤差のない検出電圧信号が導入されることになる。検
出電圧信号と正弦波発振器4から入力される基本正弦波
信号を、それぞれハイパスフィルタ13,14,12を
通して、不要な低周波成分を除去してから、R/Dコン
バータ11に入力し、ここで所定の演算処理を施してsi
n(ωt)成分を除去し、(4)式および(5)式で示
すように回転位置θの正弦および余弦に応じた信号、す
なわちsinθおよびcosθに比例するディジタル位置検出
信号を得ることができる。
【0024】上記の補償回路7〜10の調整機能はそれ
ぞれ独立になされ得るものであり、しかもその一部また
は全部を選択的に適用することができる。
【0025】ここで、従来例と本発明の実施結果を図3
に示す。図3(a)は従来技術による位置検出装置(図
2)を用いた場合の測定結果を示す図であり、図3
(b)は本発明の一実施例(図1)を用いた場合の測定
結果を示す図である。図3(a)は、レゾルバ1の回転
子がある基準点0°の位置から駆動されて2回転720
°の位置に至るまでの検出信号の推移を示しており、す
でに述べた誤差要因により検出位置誤差31が零値を挟
んで正値あるいは負値として現れている(図ではあたか
もアナログ量のように表現されているが、R/Dコンバ
ータ11の出力段でディジタル量に変換される)。検出
位置θ・30はレゾルバ1の回転子の絶対的位置を示す
ものであり、検出位置誤差を全く含まない場合の理想的
検出位置である。いま、初めの1回転中における0°か
らの検出位置誤差31と検出位置θ・30の関連をみる
と、検出位置誤差31の曲線上の点33a,34a,3
5a,36a,37aは検出位置θ・30の直線上に重
畳した点33b,34b,35b,36b,37bがそ
れぞれ対応し、それらの点を連続した特性曲線33つま
りはこの従来例における実際の位置検出値33である。
【0026】しかるに、本発明の実施結果を示す図3
(b)では、検出位置誤差32の誤差量が著しく抑制さ
れ、検出位置誤差32を検出位置θ・30に重畳して説
明するまでもなく、従来例に比較して大幅に優れている
ことは一目瞭然である。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、検
出位置誤差要因を含んだレゾルバの誤差要因に対する補
償を行うことにより、検出誤差を大幅に低減し、より正
確な位置検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における回路構成を示すブロ
ック図。
【図2】従来例の回路構成を示すブロック図。
【図3】従来例と本発明の一実施例における位置検出の
実施結果を示す説明図。
【符号の説明】
1 レゾルバ 1a 励磁巻線 1b 検出巻線 1c 検出巻線 2 電流アンプ 3 移相器 4 正弦波発振器 5 差動アンプ(インピーダンス・マッチング手段) 6 差動アンプ(インピーダンス・マッチング手段) 7 補償回路 8 補償回路 9 補償回路 10 補償回路 11 R/Dコンバータ 12 ハイパスフィルタ 13 ハイパスフィルタ 14 ハイパスフィルタ 15 減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩 金 孝 信 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1 号 株式会社安川電機内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/245 G01B 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転子に設けられた単相励磁巻線および固
    定子に設けられた2相検出巻線を有するレゾルバを備
    え、前記単相励磁巻線に交流励磁電圧を印加し、前記2
    相検出巻線から前記交流励磁電圧と前記回転子の回転角
    の正弦および余弦との積に比例する2相検出電圧を取出
    す位置検出装置において、 前記2相検出巻線によって検出された2相検出電圧に含
    まれる励磁電圧成分を、前記励磁巻線に印加される交流
    励磁電圧を入力として生成された補償電圧によって相殺
    する補償回路を設けたことを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】回転子に設けられた単相励磁巻線および固
    定子に設けられた2相検出巻線を有するレゾルバを備
    え、前記単相励磁巻線に交流励磁電圧を印加し、前記2
    相検出巻線から前記交流励磁電圧と前記回転子の回転角
    の正弦および余弦との積に比例する2相検出電圧を取出
    す位置検出装置において、 前記2相検出巻線によって検出された2相検出電圧に含
    まれる振幅誤差成分を、前記励磁巻線に印加される交流
    励磁電圧を入力として生成された補償電圧によって相殺
    する補償回路を設けたことを特徴とする位置検出装置。
  3. 【請求項3】回転子に設けられた単相励磁巻線および固
    定子に設けられた2相検出巻線を有するレゾルバを備
    え、前記単相励磁巻線に交流励磁電圧を印加し、前記2
    相検出巻線から前記交流励磁電圧と前記回転子の回転角
    の正弦および余弦との積に比例する2相検出電圧を取出
    す位置検出装置において、 一方の検出巻線によって検出された検出電圧と他方の検
    出巻線によって検出された検出電圧との間の位相差が電
    気角90°に対して過不足があるとき、その過不足分を
    補償する補償回路を設けたことを特徴とする位置検出装
    置。
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