JP3230565B2 - 光スペクトラムアナライザ - Google Patents
光スペクトラムアナライザInfo
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Description
た光スペクトラムアナライザに関し、特にダイナミック
レンジの向上のための改善に関するものである。
る波長多重通信システムにおける伝送信号は、キャリア
としてのレーザ光と光(ファイバ)アンプによるASE
ノイズである。このようなシステムにおいては、レーザ
光のスペクトルを正確に測定することはもちろんのこ
と、伝送信号のS/Nに多大な影響を与えるASEノイ
ズを評価することもまた重要であった。
を用いた分光装置は可動部がなく、波長多重通信システ
ムの伝送信号モニタとして最適であるが、レーザ光近傍
のASEノイズ(amplified spontaneous emission noi
se)を検出するためにはダイナミックレンジが不十分で
あった。一般に分散素子として回折格子を用いた分光装
置では、ダイナミックレンジは干渉曲線のスロープによ
って決まる。すなわちダイナミックレンジは、単色光
(波長λ0 のレーザ光)が入射したとして、図10に示
すように、波長λ0 とオフセットΔλにおけるレベル差
として定義される。したがってレーザ光近傍の微弱な光
などはレーザ光のスロープに埋もれてしまう。
必要があるが、光スペクトラムアナライザなどの分光装
置においてダイナミックレンジを向上させる方式として
は、従来よりモノクロメータを2台またはそれ以上直列
に並べる方式がある。この方式は、それぞれの分散素子
(プリズムまたは回折格子)を追動させ、本来の光スペ
クトルとそれに重畳した迷光とを分離するものであり、
いわゆるダブルモノクロメータと呼ばれる方式である。
子と固定された分散素子とを組み合わせた分光装置で
は、上記のような手法を採用するのは機構上困難であ
り、他の方式の出現が切望されていた。
ペクトル幅が装置の分解能に比べてはるかに狭いレーザ
光と光学系におけるASEノイズとが混在する光伝送シ
ステム(特に波長多重通信システム)において、レーザ
光を測定した場合のスペクトル形状がその中心波長およ
びパワーによって予め類推できることを利用し、レーザ
光に埋もれたASEノイズなども測定できるようにし、
等価的にダイナミックレンジを向上させ得る光スペクト
ラムアナライザを実現することにある。
るために本発明では、入射口からの被測定光を分散素子
に入射し、分散素子から出射される光を集束して複数の
受光素子から成るアレイ素子に照射するように構成され
た分光装置と、前記各アレイ素子の出力と前記入射口で
の光パワー分布とから被測定光の中心波長を補間しトー
タルパワーを演算により求める機能、および前記求めら
れた被測定光の中心波長とトータルパワーから被測定光
のスペクトル形状を演算により求め、そのスペクトルと
前記アレイ素子より得られる実データから被測定光以外
のスペクトルを演算により求める機能を有する演算装置
と、前記被測定光のスペクトルと被測定光以外のスペク
トルのいずれか一方または両方を表示する表示装置を備
え、ASEノイズも検出することができるように構成し
たことを特徴とする。
説明する。図1は本発明に係る光スペクトラムアナライ
ザの一実施例を示す構成図である。図1において、10
は分散素子とアレイ素子を有する分光装置、20は分光
装置10のアレイ素子の駆動および信号読み出しを行う
駆動装置、30は演算装置、40は表示装置である。
ティングミラー12、回折格子などの分散素子13、フ
ォーカシングミラー14、アレイ素子15から構成され
る。スリット11の入射口を通して入射された被測定光
はコリメーティングミラー12で平行光となり分散素子
13に入射する。分散素子13の出射光はフォーカシン
グミラー14でアレイ素子15上に集束する。この場
合、分散素子13は固定されていて、アレイ素子15に
当たる光スポットの位置は被測定光の波長に対応して移
動する(ずれる)。
ゴリズムについて説明する。アレイ素子は、図2に示す
ように、短冊状の受光部(素子または受光素子という)
が配列されたもので、ここでは素子の数をs 、素子の
長さをL、素子の幅をd、素子のピッチをrとする。こ
のような構成のアレイ素子の中で出力が最大となるn番
目の素子の中心と、出射ビーム(強度分布f(x,y))の
中心(x=0)とがΔxだけずれている場合、本発明で
は各素子の出力Pn-2 ,Pn-1 ,Pn(max) ,P
n+1 ,・・・からΔxを求め、被測定光の中心波長を補
間してトータルパワーを推定する。
はレーザ光を想定している)、出射ビームの広がり(あ
るいは形状)は主としてレンズによる回折および入射口
のパワー分布によって決まる。 (2) アレイ素子の番号と波長とは予め対応が付けられて
おり、アレイ素子間もΔxによって補間できるものとす
る。素子番号1,・・・,n-1 ,n ,n+1 ,・・・,s
に対し、波長λ1 ,・・・λn-1 ,λn ,λn+1 ,・
・・,λ s が対応し、各素子間の波長差は λk −λk-1 ≒Δλ ただし、k:2〜s とする。
チャートに示すように、実測値P1,・・・,Pn-1 ,
Pn ,Pn+1 ,・・・,P s を用い、Δxを推定し、被
測定光の中心波長λ0 とトータルパワーPtotal を求め
ることができる。以下中心波長λ0 とトータルパワーP
total を求める場合の動作について説明する。
射口での光強度分布g(ξ,η)がガウス型の場合、ト
ータルパワーを1とすれば、 g(ξ,η)=(2/πω0 2)exp{−2(ξ2+η2)/ω0 2}……(1) ただし、ω0 はスポットサイズとなる。
少の回折の効果を受けても、アレイ素子上での光強度分
布f(x,y)はやはりガウス型となり、損失がないも
のとすれば、 f(x,y)=(2/πω2)exp{−2(x2+y2)/ω2} ……(2) ただし、ωはスポットサイズとなる。
パワーpは、
軸)を
d/2+Δx} t2 =(2)1/2 (1/ω){(k−n)r+d/2+
Δx} となる。
差関数
n-1 ,pn ,pn+1 等とΔxの関係について述べる。図
4はpn-1 ,pn ,ln(pn+1 /pn-1 )に対するΔx
の関係を示す図である。なお、pn+1 はpn-1 を左右反
転したものである。ただし、d=30μmとし、r=5
0μm、ω=30,50,70の場合を示した。つまり
pn+1 /pn-1 の対数値すなわちln(pn+1 /pn-1 )
とΔxとはほぼ直線的になり、 ln(pn+1 /pn-1 )∝Δx となる。
が得られれば、Δxは容易に求められ、中心波長λ0 お
よびトータルパワーPtotal はそれぞれ次式で求められ
る。 λ0 =λn −Δx・Δλ/r Ptotal =Pn /pn
関係を求めておき、実測したデータPn+1 ,Pn-1 によ
るln(pn+1 /pn-1 )の値からΔxを推定するもので
あるが、本発明はこれに限らず次のようにしてもよい。
ln(pn+1 /pn-1 )とΔxの直線性に着目し、この関
係を3点(−r/2,ln(pn+1 /pn-1 )),(0,
0),(r/2,ln(pn+1 /pn-1 ))を通る直線で
近似し、予め行う計算は、Δx=r/2または−r/2
の場合のln(pn+1 /pn-1 )のみにしている。
pn-1 )と上記直線のずれは、図5に示す通りである。
ただし、r=50μm、d=30μmである。この場合
ωが小さいほど誤差は大きくなるが、ω=30μmの場
合でも誤差は±3%である。つまり、上記方法によって
中心波長を補間するとき、 λ0 =λn −Δx・Δλ/r において、例えば、 λn =1550.0nm Δλ=0.10nm として、Δxに±3%の誤差があっても、λ0 を0.0
1nmの桁までは確定できる。実際の光学系では、ωは
使用するシングルモードファイバによって若干変化する
が、測定中は不変であるから、予め知る必要があるのは
近似に使う1本の直線の傾きのみである。
なるとき、すなわちΔx=±r/2のときのln(pn+1
/pn-1 )のみである。図6は、r=50μm、d=3
0μmとし、Δx=−r/2=−25μmにおけるln
(pn+1 /pn-1 )とωの関係を示したものである。さ
らに実用的には、理論的なpn-1 ,pn ,pn+1 を求め
るときに補誤差関数Erfc(x)を用いるよりも数値積
分を行った方が便利な場合もあり、またきざみをあまり
細かくしなくても十分な精度が得られる。
/3公式(m=1)で求めたln(pn+1 /pn-1 )の比
較である。ただし、ω=50μm、r=50μm、d=
30μmの場合である。一方トータルパワーはPn /p
n で求められるが、上記条件のときシンプソンの1/3
公式で求めたpn の誤差は約0.25%であり、実用上
問題はない。
Δx=12.12μmによる理論値pn-1 ,pn ,p
n+1 との比較である(実際にはpn =0.365で規格
化した値をプロット)。
し11.6nWと求められているため、実測値の縦軸の
目盛としては、Pn の値が Pn /pn =11.6nW すなわち Pn =11.6nW×0.365=4.23nW と表示されるようにしておけばよい。
ワーからトータルパワーを求めることができる。更に演
算装置30は、図9に示すように、上記のようにして求
められたレーザ光の中心波長とパワーからスペクトル形
状を演算により推定する。ここでそのスペクトルがK個
の波長f1(λi),f2(λi),・・・,fK(λi)か
ら成るものとする。
ザ光スペクトルすなわちASEノイズのスペクトルを求
める。
られたレーザ光の光スペクトルと非レーザ光スペクトル
のいずれか一方または両方を指定により表示することが
できる。
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明はその本質から逸脱せずに多くの
変更、変形をなし得ることは明らかである。例えば、実
施例では入射口での光強度分布g(ξ,η)がガウス型
である場合について説明したが、これに限らずローレン
ツ型であってもよい。
ーザ光のスペクトルは既知として電気的に相殺するよう
にしているため、背景に埋もれていたブロードな光(A
SEノイズ)のスペクトルをよりS/N良く検出するこ
とができる。
施例を示す要部構成図
ト
す図
チャート
る。
Claims (3)
- 【請求項1】入射口からの被測定光を分散素子に入射
し、分散素子から出射される光を集束して複数の受光素
子から成るアレイ素子に照射するように構成された分光
装置と、 前記各アレイ素子の出力と前記入射口での光パワー分布
とから被測定光の中心波長を補間しトータルパワーを演
算により求める機能、および前記求められた被測定光の
中心波長とトータルパワーから被測定光のスペクトル形
状を演算により求め、そのスペクトルと前記アレイ素子
より得られる実データから被測定光以外のスペクトルを
演算により求める機能を有する演算装置と、前記被測定
光のスペクトルと被測定光以外のスペクトルのいずれか
一方または両方を表示する表示装置を備えたことを特徴
とする光スペクトラムアナライザ。 - 【請求項2】前記入射口にシングルモードファイバを用
い、前記演算装置は入射口での光パワー分布をガウス型
またはローレンツ型として前記被測定光の中心波長を補
間しトータルパワーを演算により求めるように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の光スペクトラムアナラ
イザ。 - 【請求項3】前記演算装置は、最大出力を示す受光素子
の両側の受光素子の出力の比の対数の値が、最大出力を
示す受光素子の中心と入射ビームの中心とのずれに比例
するものと近似し、前記被測定光の中心波長を補間しト
ータルパワーを演算により求めるように構成したことを
特徴とする請求項1記載の光スペクトラムアナライザ。
Priority Applications (6)
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-
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