JP3230420U - コークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉 - Google Patents

コークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉 Download PDF

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【課題】シール性能を安定的に向上させ、炉蓋のガスシールの安定化が図れるコークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉を提供する。【解決手段】コークス炉蓋10は、炉蓋フレーム13の炉内側に炉口気密重合部材14が設けられ、この炉口気密重合部材14は、コークス炭化炉11の出入口12近傍の炉壁周面に当接するフランジ部材30が周設された耐熱金属製シールプレート26と、その炉内側に、耐熱性シート32を介して面着され、耐火煉瓦34が内張りされた金属製炉内プレート27と、耐熱金属製シールプレート26の炉外側に炉蓋フレーム13に対して摺動可能に設けられた金属製スライドプレート28を有し、耐熱金属製シールプレート26、金属製炉内プレート27、及び、金属製スライドプレート28を一体とする埋込みボルト39の取付け位置が、金属製スライドプレート28の幅方向端位置から中央部へ向けて25〜100mmの範囲内にある。【選択図】図1

Description

本考案は、石炭を乾留してコークスを製造するコークス炭化炉(コークス炉の炭化室)に使用するコークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉に関する。
コークス炉でのコークスの生産において、高炉用コークスには高炉の操業上から壊烈強度の高いものが要求される。この壊烈強度が高いコークスの生産には、コークス炉(炭化炉)に装入する石炭において、強粘結炭を配合することが必要である。
近年、強粘結炭は、資源量が少なく価格も高騰しており、この対策技術として、強粘結炭の配合比率を下げても、壊烈強度を維持できるコークスの生産技術が開発されている。
その方法の一つとして、コークス炉に装入する石炭の水分量を減少させる、いわゆる調湿炭法がある。調湿炭法(調湿炭装入)でコークス炉を操業すると、コークス炉内のガス圧力が従来の操業方法より数倍程度高くなり、そのためコークス炉からガス漏れが発生する。このガス漏れの大半は炉蓋(コークス炉蓋)からである。
上記したガス漏れ防止対策として、特許文献1には、炭化炉内の気密性が優れたコークス炉に使用されるコークス炉蓋が開示されている。このコークス炉で用いられる炉蓋構造の技術は、多くのコークス炉に採用され、環境対策において貢献している。具体的には、コークス炭化炉の出入口を塞ぐ耐熱金属製シールプレートを、リブで補強した金属製スライドプレートと金属製炉内プレートとで挟み込み、これらをボルトで強固に締め付けカセット型化して面着圧力を上げ、コークス炉の操業時に炉蓋が高温となった際の耐熱金属製シールプレートの膨張による皺の発生を抑制させて、シール性能を安定的に向上させている。
この技術において、面着圧力を上昇させる方法としては、ボルトピッチ(間隔)が重要な要素であり、特に炉蓋の上下方向(高さ方向)のボルトピッチを重要視していた。
特許3421844号公報
しかしながら、コークス炉の操業時(高温時)には、耐熱金属製シールプレート(材質:例えば、ステンレス鋼板)、金属製スライドプレート(材質:例えば、SS材)、及び、金属製炉内プレート(材質:例えば、SS400)の膨張係数の違いによる膨張差があるため、その膨張差で耐熱金属製シールプレートに皺が発生していた。
この耐熱金属製シールプレートに発生した皺は、上記したように、炉蓋のガスシールの安定化に影響するため、更なる耐熱金属製シールプレートの皺の発生抑制対策が必要であった。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、シール性能を安定的に向上させ、炉蓋のガスシールの安定化が図れるコークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉を提供することを目的とする。
本願考案者らが種々の技術検証を行った結果、耐熱金属製シールプレート、金属製スライドプレート、及び、金属製炉内プレートの膨張係数の違いにより、コークス炉の操業時に発生する耐熱金属製シールプレートの皺の対策には、炉蓋の幅方向(水平方向)におけるボルトの取付け位置が重要であることが判明した。特に、スライドプレートの幅方向両端部における面着圧力が重要であることに想到した。
本考案は、以上の知見をもとになされたものであり、その要旨は以下の通りである。
前記目的に沿う第1の考案に係るコークス炉蓋は、コークス炭化炉(コークス炉の炭化室)の出入口(窯口、開口部)に開閉可能に設けられた炉蓋フレーム(フレーム状の炉蓋本体)を備え、該炉蓋フレームの前記コークス炭化炉の炉内側に炉口気密重合部材が設けられたコークス炉蓋において、
前記炉口気密重合部材は、
前記コークス炭化炉の出入口近傍の炉壁周面に当接する、断面がナイフエッジ状となったフランジ部材が周設された耐熱金属製シールプレートと、
前記耐熱金属製シールプレートの前記コークス炭化炉の炉内側に、耐熱性シートを介して面着され、該コークス炭化炉の炉内に突出する耐火煉瓦が内張りされた金属製炉内プレートと、
前記耐熱金属製シールプレートの前記コークス炭化炉の炉外側に設けられ、前記炉蓋フレームに対して摺動可能で、湾曲防止用補強リブを前記炉蓋フレーム側に備えた金属製スライドプレートとを有し、
前記耐熱金属製シールプレート、前記金属製炉内プレート、及び、前記金属製スライドプレートは、その幅方向端部に設けられた埋込みボルトで一体となって、しかも、該埋込みボルトの取付け位置が、前記金属製スライドプレートの幅方向端位置から中央部へ向けて、25mm以上100mm以下の範囲内にある。
第1の考案に係るコークス炉蓋において、前記耐火煉瓦の前記金属製炉内プレートとの対向側には、該耐火煉瓦、前記金属製炉内プレート、前記耐熱金属製シールプレート、及び、前記金属製スライドプレートを一体的に締結する締結ボルトが設けられ、前記埋込みボルトは、前記金属製スライドプレートを平面視して、前記締結ボルトより幅方向外側に取付けられていることが好ましい。
前記目的に沿う第2の考案に係るコークス炉は、第1の考案に係るコークス炉蓋を用いたコークス炉であって、前記炉蓋フレームの周縁部には、前記耐熱金属製シールプレートの前記フランジ部材を前記炉壁周面に押圧する伸縮可能な駆動機構が設けられている。
本考案に係るコークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉は、耐熱金属製シールプレート、金属製炉内プレート、及び、金属製スライドプレートを一体にする埋込みボルトの取付け位置が、金属製スライドプレートの幅方向両端位置から中央部へ向けて、25mm以上100mm以下の範囲内にあるので、金属製スライドプレートの幅方向両端部における面着圧力を高くでき、耐熱金属製シールプレートの皺の発生を従来よりも抑制、更には防止できる。
従って、シール性能を安定的に向上させることができ、コークス炉蓋のガスシールの安定化を長期的に渡って維持できる。
本考案の一実施の形態に係るコークス炉蓋の部分拡大平断面図である。 図1の部分拡大図である。 同コークス炉蓋の分解斜視図である。 同コークス炉蓋の炉口気密重合部材の部分拡大平断面図である。 同コークス炉蓋の炉口気密重合部材を構成する金属製炉内プレートに設けられる締結ボルトと埋込みボルトの取付け位置を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
図1〜図3に示すように、本考案の一実施の形態に係るコークス炉蓋10は、コークス炉を構成するコークス炭化炉(炭化炉や炭化室とも称す)11の出入口12に開閉可能(開閉自在)に設けられた炉蓋フレーム13を備え、この炉蓋フレーム13のコークス炭化炉11の炉内側(以下、単に炉内側とも記載)に炉口気密重合部材14が設けられたものである。以下、詳しく説明する。
コークス炉は、石炭を乾留してコークスを製造する従来公知の設備であり、炉体下部に設けた蓄熱炉の上部に、燃焼炉(燃焼室)とコークス炭化炉11を交互に配列して組合わせたものである(例えば、特許文献1参照)。使用にあっては、供給された燃料ガスと空気が蓄熱炉で予熱された後、燃焼炉で燃焼ガスになって1000〜1200℃の高温度に昇温され、隣接するコークス炭化炉11に装入された石炭を加熱する。
コークス炭化炉11は、耐火煉瓦等を使用して築造され、その両側に設けられたコークス押出機側とコークス排出側の各出入口(窯口、開口部)12にコークス炉蓋10を設けて、出入口12を閉塞している。
コークス炉蓋10の炉蓋フレーム(炉蓋本体)13は、鋳鉄で製造された枠体構造の鋳鉄製フレーム部材であり、図1〜図3に示すように、上下方向(高さ方向)に長尺なコークス炭化炉11の出入口12を閉塞する大きさで構成され、この出入口12に開閉可能(着脱可能)に設けられている。
このコークス炭化炉11の出入口12には、炉壁枠フレーム(枠体)15が設けられ、この炉壁枠フレーム15の上下方向の2箇所に、水平方向に間隔を有して配置された対となる押圧支持部材(閂フック)16が、コークス炭化炉11の炉外側(以下、単に炉外側とも記載)へ向けて突出して設けられている。
炉蓋フレーム13の炉外側には、その上下方向の2箇所に閂17が設けられ、この閂17が、対となる押圧支持部材16の間に配置された炉蓋フレーム13を跨ぐように、押圧支持部材16に架設される。この閂17は、押圧軸18を介して、炉蓋フレーム13をコークス炭化炉11の出入口12に強く押圧するものである。具体的には、炉蓋フレーム13の上下方向の2箇所にスプリングケース19が設けられ、この各スプリングケース19内には、押圧軸18が挿通された圧縮ばね20が嵌装され、スプリングケース蓋21によって封じられている。この押圧軸18の基側は、スプリングケース蓋21から外方へ突出し、その突出部分に、閂17が押圧軸ヘッド22によって取付け固定されている。
上記したように、閂17は、炉蓋フレーム13の上下方向の2箇所に設けられているが、炉蓋フレーム13の上下方向に渡ってコークス炭化炉11の出入口12を強く押圧できる位置に設けられていれば、特に限定されるものではなく、任意の位置に複数箇所設けることができる。また、ここでは、圧縮ばね20に皿ばねを使用しているが、この皿ばねの代わりにコイル圧縮ばねを使用することもでき、更に、圧縮ばねの代わりに螺子ボルト等を使用することもできる。
なお、図1、図3中の符号23〜25はそれぞれ、ガイド金物、本体受けローラ、炉蓋フレーム13の吊り軸である。
炉口気密重合部材14は、耐熱金属製シールプレート(ダイヤフラム)26と、金属製炉内プレート27と、金属製スライドプレート28とを有している。
耐熱金属製シールプレート26は、コークス炭化炉11の出入口12を全面閉塞する耐熱金属板(可撓性耐熱金属板)29と、その周端部に設けられたフランジ部材30とで構成されている。このフランジ部材30は、コークス炭化炉11の出入口12近傍の炉壁(炉壁枠フレーム15)周面に当接する、断面がナイフエッジ状(刃形状)となったものであり、図4に示すように、プレス成形法を用いて曲げた耐熱金属板29の周縁部に全周端部肉盛溶接を施して接合され、耐熱金属板29とは一体構造になっている。
上記した耐熱金属製シールプレート26のフランジ部材30は、炉蓋フレーム13の周縁部に間隔を有して多数設けられた伸縮可能な駆動機構(押圧機構)31により、炉壁周面に押圧され、コークス炭化炉11の出入口12全体を閉塞(密封)し、コークス炭化炉11内で発生する炉内ガスの漏出を防止するものである。なお、駆動機構31には、例えば、シリンダーやスプリング等を使用できる。
このため、耐熱金属製シールプレート26は、1000℃以上の高温度に耐えかつコークス炭化炉11の出入口12側に弾性変形し易い可撓性を有する金属板で構成され、例えば、可撓性を失わない程度の厚みで、2.0mm未満のステンレス鋼板を使用するとよい。
耐熱金属製シールプレート26の炉内側には、図3に示すように、上下方向に複数分割(ここでは、8分割)された金属製炉内プレート27が設けられている。
図1〜図3に示すように、金属製炉内プレート27は耐熱金属製シールプレート26に、パッキンとなる耐熱性シート32を介して面着され、この金属製炉内プレート27の炉内側には、コークス炭化炉11の炉内に突出し、キャスタープレート33が設けられた耐火煉瓦34が、耐熱性のウールシート35を介して内張りされている。
なお、上記した耐熱性シート32、キャスタープレート33、耐火煉瓦34、及び、ウールシート35は、金属製炉内プレート27に合わせて上下方向に複数分割されている。
耐熱性シート32は、コークス炭化炉11の高温度の熱を受けて膨張する耐火煉瓦34や、形状変化する金属製炉内プレート27の変形押圧力(応力)を吸収することにより、耐熱金属製シールプレート26や炉蓋フレーム13にかかる変形応力を減衰し、更には、本考案の目的であるコークス炉蓋10の気密性を保持しようとするものである。また、ウールシート35は、耐火煉瓦34の変形押圧力(応力)を吸収しようとするものである。
このため、耐熱性シート32には耐熱性ゴムやセラミックファイバー材の他にグラファイト材等、また、ウールシート35にはセラミックファイバー材等、変形する際に生じる応力を吸収するシート状の弾性材料を、短尺(短冊)や長尺にして使用できる。
耐火煉瓦34は、コークス炭化炉11内を高温度に保持し、この高温度に曝されるコークス炉蓋10の焼損を防止するものであり、上記したように、築造作業や補修作業の容易性から、上下方向に複数分割された短尺な耐火煉瓦を並べて使用したり、あるいは更に、耐火煉瓦間の目地から炉内ガス漏れを防止するため不定形耐火物の内張りを施したりして、築造されている。
この耐火煉瓦34の材質については、特に限定されるものではなく、例えば、シャモット質やドロマイト質等、多くの種類の耐火物材料を使用できる。
耐熱金属製シールプレート26の炉外側には、金属製スライドプレート28が面着した状態で設けられている。
金属製スライドプレート28は、炉内側に設けた耐火煉瓦34や各種のシート等を把持するものである。このため、これら把持部材の重量にも耐え、また、高温度にも湾曲変形することなく一定の形状が保持されるように、金属製スライドプレート28の背面側(炉蓋フレーム13側)の幅方向両側に、その上下方向に渡って、2本(複数本)の湾曲防止用補強リブ36が設けられている。なお、湾曲防止用補強リブの設置位置、形状、本数等は、上記した要件を満足できる範囲で任意に設定できる。
前記した耐火煉瓦34の金属製炉内プレート27側の表面(金属製炉内プレート27との対向側)の幅方向両側には、複数の締結ボルト(アンカーボルト)37が植設され、この締結ボルト37は、炉蓋フレーム13側へ向けてキャスタープレート33を介して突出している。この締結ボルト37は、ウールシート35、金属製炉内プレート27、耐熱性シート32、耐熱金属製シールプレート26、及び、金属製スライドプレート28にそれぞれ形成された遊通孔38を介して、これらを耐火煉瓦34と一体的に締結するものである。
更に、耐熱金属製シールプレート26、耐熱性シート32、金属製炉内プレート27、及び、金属製スライドプレート28は、図1、図2、図4に示すように、その幅方向端部(ここでは、幅方向両側)に設けられた埋込みボルト39により一体となっている。
埋込みボルト39は、耐熱金属製シールプレート26の皺の発生抑制に有効な、金属製スライドプレート28の幅方向両端部における面着圧力を高めるためのものであり、埋込みボルト39の取付け位置(軸心位置)Pを、金属製スライドプレート28の幅方向端位置から中央部へ向けて、25mm以上100mm以下の範囲R内にしている(金属製スライドプレート28の幅は、例えば450mm程度)。具体的には、埋込みボルト39は、耐熱金属製シールプレート26、耐熱性シート32、及び、金属製スライドプレート28にそれぞれ形成された遊通孔40を介して、金属製炉内プレート27のネジ44で炉外側から一体的に締結し強固に締め付け、これらをカセット型化して面着圧力を上げている。
ここで、埋込みボルトの取付け位置Pが25mm未満の場合、取付け位置Pが金属製スライドプレートの幅方向の端位置により過ぎて、遊通孔の穿設がしづらくなり、また、金属製スライドプレートの幅方向端部の強度が低下しシール性が損なわれるおそれがある。一方、埋込みボルトの取付け位置Pが100mm超の場合、金属製スライドプレートの幅方向端部(ここでは、幅方向両端部)における面着圧力を高めることができなくなる。
従って、本考案においては、埋込みボルト39の取付け位置Pを、金属製スライドプレート28の幅方向端位置から(幅方向両端からそれぞれ)中央部へ向けて、25mm以上100mm以下(好ましくは、上限が60mm、更には50mm)の範囲R内にする必要がある。
特に、埋込みボルト39は、金属製スライドプレート28(金属製炉内プレート27)を平面視して、図2、図5に示すように、前記した耐火煉瓦34に植設された締結ボルト37より、幅方向外側(端位置側)に取付けられていることが好ましい。
前記した耐火煉瓦34に植設された締結ボルト37は、耐火煉瓦34の材質上(耐火煉瓦34は脆く壊れ易いため)、耐火煉瓦34の幅方向両端部に設けづらい。このため、金属製スライドプレート28の幅方向両端部における面着圧力を高めるには、上記したように、埋込みボルト39を締結ボルト37より幅方向外側に取付ける必要があり、これにより、耐火煉瓦34の損傷を抑制、更には防止できる。
なお、金属製スライドプレート28の上下方向における埋込みボルト39及び締結ボルト37の取付け間隔(ボルトピッチ)は、400mm以下(好ましくは380mm以下)であることが好ましい。これにより、金属製スライドプレート28と金属製炉内プレート27による耐熱金属製シールプレート26の抑え込み力を高めることができる。
従って、加熱と冷却が繰り返される過酷な使用条件においても、高温度のコークス炭化炉11の気密性を長期間にわたって保持することができる。
図1〜図3に示すように、金属製スライドプレート28の背面側には、その幅方向両側に設けられた対となるスライド用金物支持部材41が、金属製スライドプレート28の上下方向に間隔を有して、複数(ここでは8個、合計16個)設けられている。
このスライド用金物支持部材41は、金属製スライドプレート28の上下方向に沿った溝を有するものであり、この溝内を、炉蓋フレーム13の炉内側(金属製スライドプレート28の対向側)に設けられたスライド用嵌合部材42が移動することで、金属製スライドプレート28が炉蓋フレーム13に対して摺動可能になる。
なお、図3中の符号43は、炉蓋フレーム13に嵌め込まれる連結ピンである。
本考案に係るコークス炉は、以上のように構成された本考案のコークス炉蓋10を、コークス炭化炉11の出入口12を閉塞するように当接した後、閂17と伸縮自在な駆動機構31を駆動することで、コークス炭化炉11の出入口12をしっかりと閉塞できる。その後、通常のコークス製造作業に基づいて操業される。
従って、本考案のコークス炉蓋10(コークス炉)により、コークス炭化炉11の気密性が確実に長期間保持されるため、石炭を乾留する際に発生する一酸化炭素ガスや塩素ガスなどのような有害で公害な炉内発生ガスの漏出を防止でき、コークス炉上での安全な作業環境を確保する効果を奏する。
以上、本考案を、実施の形態を参照して説明してきたが、本考案は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本考案のコークス炉蓋及びこれを用いたコークス炉を構成する場合も本考案の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、耐熱金属製シールプレートと金属製炉内プレートとの間に耐熱性シートを配置した場合について説明したが、必要に応じて配置しなくてもよい(なくてもよい)。この場合、埋込みボルトは、耐熱金属製シールプレート、金属製炉内プレート、及び、金属製スライドプレートを、一体にすることになる。
10:コークス炉蓋、11:コークス炭化炉、12:出入口、13:炉蓋フレーム、14:炉口気密重合部材、15:炉壁枠フレーム、16:押圧支持部材、17:閂、18:押圧軸、19:スプリングケース、20:圧縮ばね、21:スプリングケース蓋、22:押圧軸ヘッド、23:ガイド金物、24:本体受けローラ、25:吊り軸、26:耐熱金属製シールプレート、27:金属製炉内プレート、28:金属製スライドプレート、29:耐熱金属板、30:フランジ部材、31:駆動機構、32:耐熱性シート、33:キャスタープレート、34:耐火煉瓦、35:ウールシート、36:湾曲防止用補強リブ、37:締結ボルト、38:遊通孔、39:埋込みボルト、40:遊通孔、41:スライド用金物支持部材、42:スライド用嵌合部材、43:連結ピン、44:ネジ

Claims (3)

  1. コークス炭化炉の出入口に開閉可能に設けられた炉蓋フレームを備え、該炉蓋フレームの前記コークス炭化炉の炉内側に炉口気密重合部材が設けられたコークス炉蓋において、
    前記炉口気密重合部材は、
    前記コークス炭化炉の出入口近傍の炉壁周面に当接する、断面がナイフエッジ状となったフランジ部材が周設された耐熱金属製シールプレートと、
    前記耐熱金属製シールプレートの前記コークス炭化炉の炉内側に、耐熱性シートを介して面着され、該コークス炭化炉の炉内に突出する耐火煉瓦が内張りされた金属製炉内プレートと、
    前記耐熱金属製シールプレートの前記コークス炭化炉の炉外側に設けられ、前記炉蓋フレームに対して摺動可能で、湾曲防止用補強リブを前記炉蓋フレーム側に備えた金属製スライドプレートとを有し、
    前記耐熱金属製シールプレート、前記金属製炉内プレート、及び、前記金属製スライドプレートは、その幅方向端部に設けられた埋込みボルトで一体となって、しかも、該埋込みボルトの取付け位置が、前記金属製スライドプレートの幅方向端位置から中央部へ向けて、25mm以上100mm以下の範囲内にあることを特徴とするコークス炉蓋。
  2. 請求項1記載のコークス炉蓋において、前記耐火煉瓦の前記金属製炉内プレートとの対向側には、該耐火煉瓦、前記金属製炉内プレート、前記耐熱金属製シールプレート、及び、前記金属製スライドプレートを一体的に締結する締結ボルトが設けられ、前記埋込みボルトは、前記金属製スライドプレートを平面視して、前記締結ボルトより幅方向外側に取付けられていることを特徴とするコークス炉蓋。
  3. 請求項1又は2記載のコークス炉蓋を用いたコークス炉であって、前記炉蓋フレームの周縁部には、前記耐熱金属製シールプレートの前記フランジ部材を前記炉壁周面に押圧する伸縮可能な駆動機構が設けられたことを特徴とするコークス炉。
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