JP3230021B2 - 化合物半導体結晶成長方法 - Google Patents
化合物半導体結晶成長方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機金属気相堆積(m
etalorganic vapor phase e
pitaxy:MOVPE)法を適用して化合物半導体
結晶を成長させる方法の改良に関する。
etalorganic vapor phase e
pitaxy:MOVPE)法を適用して化合物半導体
結晶を成長させる方法の改良に関する。
【0002】例えば、可視光半導体レーザなどに於い
て、段差形状基板上に結晶成長と同時にラテラル方向に
pn接合を生成させる技術を適用し、低非点収差の横モ
ード制御型構造を作成できることが報告されているが、
現在、種々困難な問題があるので、それを容易に実現で
きる手段を開発しなければならない。
て、段差形状基板上に結晶成長と同時にラテラル方向に
pn接合を生成させる技術を適用し、低非点収差の横モ
ード制御型構造を作成できることが報告されているが、
現在、種々困難な問題があるので、それを容易に実現で
きる手段を開発しなければならない。
【0003】
【従来の技術】一般に、段差形状基板上に於いて、半導
体レーザやバイポーラ・トランジスタなどを簡単に形成
する為には、結晶成長中にラテラル方向にpnp接合や
npn接合が生成されるラテラルpn接合形成技術が有
効である。
体レーザやバイポーラ・トランジスタなどを簡単に形成
する為には、結晶成長中にラテラル方向にpnp接合や
npn接合が生成されるラテラルpn接合形成技術が有
効である。
【0004】MOVPE法では、ドーパント取り込みの
面方位依存性を利用することでラテラルpn接合を形成
できることが知られている。
面方位依存性を利用することでラテラルpn接合を形成
できることが知られている。
【0005】図8及び図9は不純物ドーピングの面方位
依存性を説明する為の線図であり、横軸には基板のオフ
角を、また、縦軸には不純物の相対的な取り込まれ率を
それぞれ採ってある。図8はMgとZnの場合、また、
図9はSeの場合であって、化合物半導体結晶は何れも
AlGaInPである。
依存性を説明する為の線図であり、横軸には基板のオフ
角を、また、縦軸には不純物の相対的な取り込まれ率を
それぞれ採ってある。図8はMgとZnの場合、また、
図9はSeの場合であって、化合物半導体結晶は何れも
AlGaInPである。
【0006】各図から明らかなように、Znなどp型不
純物の取り込まれ率は (311)A>(100)≧(111)B なる依存性があるのに対し、Seなどn型不純物の取り
込まれ率は、逆に (111)B>(100)>(111)A なる依存性がある。
純物の取り込まれ率は (311)A>(100)≧(111)B なる依存性があるのに対し、Seなどn型不純物の取り
込まれ率は、逆に (111)B>(100)>(111)A なる依存性がある。
【0007】従って、異なる面方位をもつ半導体層表面
に対し、前記p型不純物及びn型不純物を同時にドーピ
ングすれば、p型結晶層とn型結晶層とを同時に成長さ
せることが可能である。
に対し、前記p型不純物及びn型不純物を同時にドーピ
ングすれば、p型結晶層とn型結晶層とを同時に成長さ
せることが可能である。
【0008】図10はp型不純物及びn型不純物を同時
ドーピングした際の面方位依存性を説明する為の線図で
あり、横軸には(100)面から(111)A面方向へ
のオフ角を、また、縦軸にはキャリヤ濃度をそれぞれ採
ってある。
ドーピングした際の面方位依存性を説明する為の線図で
あり、横軸には(100)面から(111)A面方向へ
のオフ角を、また、縦軸にはキャリヤ濃度をそれぞれ採
ってある。
【0009】図から明らかなように、面方位に応じてp
型結晶層とn型結晶層とが一回の成長で得られるので、
例えば主面が(100)面である半導体層表面に側面が
(111)A面である溝を形成し、そこに前記同時ドー
ピングをした結晶層を成長させれば、主面にはn型結晶
層が、また、溝内にはp型結晶層がそれぞれ成長するこ
とになる。
型結晶層とn型結晶層とが一回の成長で得られるので、
例えば主面が(100)面である半導体層表面に側面が
(111)A面である溝を形成し、そこに前記同時ドー
ピングをした結晶層を成長させれば、主面にはn型結晶
層が、また、溝内にはp型結晶層がそれぞれ成長するこ
とになる。
【0010】図11はラテラルpn接合形成技術を適用
して作成した従来の半導体レーザを表す要部切断正面図
である(要すれば、「米国特許第5,065,200号
明細書」、を参照)。
して作成した従来の半導体レーザを表す要部切断正面図
である(要すれば、「米国特許第5,065,200号
明細書」、を参照)。
【0011】図に於いて、1はp+ −InP基板、1A
は溝、2はZnドープInPクラッド層、3はInGa
AsP活性層、4はpn同時ドープInPクラッド層、
4Nはn−InPクラッド層、4Pはp−InP電流ブ
ロック兼クラッド層、5はn側電極をそれぞれ示してい
る。
は溝、2はZnドープInPクラッド層、3はInGa
AsP活性層、4はpn同時ドープInPクラッド層、
4Nはn−InPクラッド層、4Pはp−InP電流ブ
ロック兼クラッド層、5はn側電極をそれぞれ示してい
る。
【0012】図から明らかなように、pn同時ドープI
nPクラッド層4は、主面上に形成されたn−InPク
ラッド層4Nと溝1A内のp−InP電流ブロック兼ク
ラッド層4Pとからなっていて、所謂、ラテラルpn接
合を構成している。
nPクラッド層4は、主面上に形成されたn−InPク
ラッド層4Nと溝1A内のp−InP電流ブロック兼ク
ラッド層4Pとからなっていて、所謂、ラテラルpn接
合を構成している。
【0013】前記従来の技術の他には、例えば結晶成長
時に於ける選択的な不純物拡散を利用する技術が公知で
ある。これは、結晶成長時に或る濃度限界以上のZnを
ドーピングすると、Znが自動的に拡散することを利用
している。
時に於ける選択的な不純物拡散を利用する技術が公知で
ある。これは、結晶成長時に或る濃度限界以上のZnを
ドーピングすると、Znが自動的に拡散することを利用
している。
【0014】即ち、容易にZnの高濃度ドーピングが可
能である面、例えば(311)A面及びそれよりもドー
ピング効率が小さい面、例えば(100)面で構成され
る段差形状基板上にZnを不純物とするp型結晶層とn
型結晶層とを多層成長させた場合、(311)A面で
は、高濃度p型結晶層と低濃度n型結晶層とが交互に成
長され、また、(100)面では低濃度p型結晶層と高
濃度n型結晶層とが交互に成長される。
能である面、例えば(311)A面及びそれよりもドー
ピング効率が小さい面、例えば(100)面で構成され
る段差形状基板上にZnを不純物とするp型結晶層とn
型結晶層とを多層成長させた場合、(311)A面で
は、高濃度p型結晶層と低濃度n型結晶層とが交互に成
長され、また、(100)面では低濃度p型結晶層と高
濃度n型結晶層とが交互に成長される。
【0015】ところが、(311)A面では、高濃度p
型結晶層に於けるZnが低濃度n型結晶層にも拡散され
てp型化し、結果として全体が単一の高濃度p型結晶層
になってしまう。然しながら、n型不純物は拡散しない
ので、(100)面では、低濃度p型結晶層と高濃度n
型結晶層とが交互に成長された構成が維持される。
型結晶層に於けるZnが低濃度n型結晶層にも拡散され
てp型化し、結果として全体が単一の高濃度p型結晶層
になってしまう。然しながら、n型不純物は拡散しない
ので、(100)面では、低濃度p型結晶層と高濃度n
型結晶層とが交互に成長された構成が維持される。
【0016】図12はZnの自動的な拡散を利用して作
成した半導体レーザを表す要部切断正面図である(要す
れば、特公昭62−52985号公報、を参照)。図に
於いて、11はp−GaAs基板、12Aはp−GaA
s層、12Bはn−GaAs層、12Cは単一化された
p−GaAs層、13はp−GaAlAsクラッド層、
14はアンドープGaAlAs活性層、15はn−Ga
AlAsクラッド層、16はn−GaAsキャップ層、
17はn側電極、18はp側電極をそれぞれ示してい
る。
成した半導体レーザを表す要部切断正面図である(要す
れば、特公昭62−52985号公報、を参照)。図に
於いて、11はp−GaAs基板、12Aはp−GaA
s層、12Bはn−GaAs層、12Cは単一化された
p−GaAs層、13はp−GaAlAsクラッド層、
14はアンドープGaAlAs活性層、15はn−Ga
AlAsクラッド層、16はn−GaAsキャップ層、
17はn側電極、18はp側電極をそれぞれ示してい
る。
【0017】この半導体レーザに於けるp−GaAs層
12Cは、Znを含有した高濃度p−GaAs層と低濃
度n−GaAs層との多層成長膜であったものが、高濃
度p−GaAs層中のZnが低濃度n−GaAs層に拡
散されて単一の高濃度p−GaAs層12Cとなったも
のであり、従って、この場合もラテラルpn接合が構成
されている。
12Cは、Znを含有した高濃度p−GaAs層と低濃
度n−GaAs層との多層成長膜であったものが、高濃
度p−GaAs層中のZnが低濃度n−GaAs層に拡
散されて単一の高濃度p−GaAs層12Cとなったも
のであり、従って、この場合もラテラルpn接合が構成
されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図11について説明し
た従来例では、良好なラテラルpn接合が得られ、結晶
性も極めて良好であったが、生産性に問題がある。即
ち、この従来の技術では、p型不純物として例えばZn
を、また、n型不純物として例えばSeを同時ドーピン
グするので、ZnとSeとの間に反応が起こってZnS
eパーティクルとなり、これが成長装置に於ける反応管
を汚すので、二回目以後の結晶成長に悪影響を及ぼすこ
とになる。
た従来例では、良好なラテラルpn接合が得られ、結晶
性も極めて良好であったが、生産性に問題がある。即
ち、この従来の技術では、p型不純物として例えばZn
を、また、n型不純物として例えばSeを同時ドーピン
グするので、ZnとSeとの間に反応が起こってZnS
eパーティクルとなり、これが成長装置に於ける反応管
を汚すので、二回目以後の結晶成長に悪影響を及ぼすこ
とになる。
【0019】図12について説明した従来例では、高濃
度ドーピングで拡散する点に問題がある。即ち、Znな
どが拡散する場合、結晶中の空格子などの点欠陥を介在
して行なわれ、その空格子などの点欠陥は拡散が進行す
るにつれて増加し、そして、GaAsやAlGaInP
などのワイド・バンド・ギャップ化合物半導体では深い
準位を生成する為、結晶の発光効率が低下することが知
られている。
度ドーピングで拡散する点に問題がある。即ち、Znな
どが拡散する場合、結晶中の空格子などの点欠陥を介在
して行なわれ、その空格子などの点欠陥は拡散が進行す
るにつれて増加し、そして、GaAsやAlGaInP
などのワイド・バンド・ギャップ化合物半導体では深い
準位を生成する為、結晶の発光効率が低下することが知
られている。
【0020】このようなことは、面方位の如何に拘わら
ず、高濃度ドーピングで拡散した場合に発生し、従っ
て、前記従来例に於いても、高濃度ドーピングに依って
Znを拡散させた部分の近傍に於ける結晶性は著しく劣
化し、素子特性に悪影響を与える旨の問題がある。
ず、高濃度ドーピングで拡散した場合に発生し、従っ
て、前記従来例に於いても、高濃度ドーピングに依って
Znを拡散させた部分の近傍に於ける結晶性は著しく劣
化し、素子特性に悪影響を与える旨の問題がある。
【0021】本発明は、気相成長装置に於ける反応管を
汚染して次回からの結晶成長に悪影響を及ぼすことがな
く、また、不純物の特異な拡散などを利用することな
く、容易にラテラルpn接合を形成できるようにする。
汚染して次回からの結晶成長に悪影響を及ぼすことがな
く、また、不純物の特異な拡散などを利用することな
く、容易にラテラルpn接合を形成できるようにする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は図12について
説明した従来の技術を改善したものであり、次に、その
原理を解説する。図1は本発明の原理を解説する為の多
層半導体層に関するエネルギ・バンド・ダイヤグラムで
ある。
説明した従来の技術を改善したものであり、次に、その
原理を解説する。図1は本発明の原理を解説する為の多
層半導体層に関するエネルギ・バンド・ダイヤグラムで
ある。
【0023】図に於いて、EC は伝導帯の底、EV は価
電子帯の頂、Eg はエネルギ・バンド・ギャップ、DL
は空乏層領域、(A)はpn接合を生成する半導体層の
エネルギ・バンド・ダイヤグラム、(B)はpnp接合
を生成する半導体層のエネルギ・バンド・ダイヤグラ
ム、(C)はnpn接合を生成する半導体層のエネルギ
・バンド・ダイヤグラム、(D)はn型半導体層がp反
転した場合のエネルギ・バンド・ダイヤグラム、(E)
はp型半導体層がn反転した場合のエネルギ・バンド・
ダイヤグラム、21はn型半導体層、22はp型半導体
層、23はp型半導体層、24はn型半導体層、25は
p型半導体層、26はn型半導体層、27はp型半導体
層、28はn型半導体層をそれぞれ示している。尚、破
線はpn接合面を表している。
電子帯の頂、Eg はエネルギ・バンド・ギャップ、DL
は空乏層領域、(A)はpn接合を生成する半導体層の
エネルギ・バンド・ダイヤグラム、(B)はpnp接合
を生成する半導体層のエネルギ・バンド・ダイヤグラ
ム、(C)はnpn接合を生成する半導体層のエネルギ
・バンド・ダイヤグラム、(D)はn型半導体層がp反
転した場合のエネルギ・バンド・ダイヤグラム、(E)
はp型半導体層がn反転した場合のエネルギ・バンド・
ダイヤグラム、21はn型半導体層、22はp型半導体
層、23はp型半導体層、24はn型半導体層、25は
p型半導体層、26はn型半導体層、27はp型半導体
層、28はn型半導体層をそれぞれ示している。尚、破
線はpn接合面を表している。
【0024】本発明では、不純物を含有させた半導体層
を成長させる際、不純物の拡散が少ない条件で実施する
ので、半導体層中には、p型不純物過剰領域、或いは、
n型不純物過剰領域が作り込まれる。
を成長させる際、不純物の拡散が少ない条件で実施する
ので、半導体層中には、p型不純物過剰領域、或いは、
n型不純物過剰領域が作り込まれる。
【0025】p型半導体層とn型半導体層との接合界面
では、両者のフェルミ準位差に起因して、例えば図1の
(A)に見られるように電界が加わって空乏層領域DL
が生成される。尚、空乏層領域DLは、主として低濃度
のn型半導体層21に拡がるのであるが、高濃度のp型
半導体層22中にも僅かではあるが拡がる。
では、両者のフェルミ準位差に起因して、例えば図1の
(A)に見られるように電界が加わって空乏層領域DL
が生成される。尚、空乏層領域DLは、主として低濃度
のn型半導体層21に拡がるのであるが、高濃度のp型
半導体層22中にも僅かではあるが拡がる。
【0026】pnp接合やnpn接合でも、前記説明し
たpn接合と同じ現象が起こり、そのエネルギ・バンド
は(B)或いは(C)のようになる。
たpn接合と同じ現象が起こり、そのエネルギ・バンド
は(B)或いは(C)のようになる。
【0027】ところで、空乏層幅は、単純な場合、一般
に次式のような関係で説明される。 Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型キャリヤ濃度 Np :p型キャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率
に次式のような関係で説明される。 Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型キャリヤ濃度 Np :p型キャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率
【0028】前記の式からすれば、低いキャリヤ濃度の
場合には、空乏層幅Wは大となるから、例えば前記
(B)に見られるpnp接合に於けるn型半導体層24
の厚さを空乏層幅Wn よりも小さくしておけば、n型不
純物過剰の条件下にあるn型半導体層24であっても、
本来であれば電子がキャリヤとして振る舞うべきとこ
ろ、拡散に依って供給される正孔の作用で、その正孔が
キャリヤとして振る舞うようにp反転してしまう。即
ち、n型半導体層或いはp型半導体層に於いて、その層
厚が2Wn 或いは2Wp より小さい場合にはパンチ・ス
ルーが発生し、2Wn 或いは2Wp より大きい場合には
パンチ・スルーが発生しない。
場合には、空乏層幅Wは大となるから、例えば前記
(B)に見られるpnp接合に於けるn型半導体層24
の厚さを空乏層幅Wn よりも小さくしておけば、n型不
純物過剰の条件下にあるn型半導体層24であっても、
本来であれば電子がキャリヤとして振る舞うべきとこ
ろ、拡散に依って供給される正孔の作用で、その正孔が
キャリヤとして振る舞うようにp反転してしまう。即
ち、n型半導体層或いはp型半導体層に於いて、その層
厚が2Wn 或いは2Wp より小さい場合にはパンチ・ス
ルーが発生し、2Wn 或いは2Wp より大きい場合には
パンチ・スルーが発生しない。
【0029】(D)は(B)に見られるpnp接合に於
けるn型半導体層24がp反転したことを示している。
即ち、(D)に於いては、(B)に比較して、n型半導
体層24に於けるバンド全体の曲がりがなくなって、p
型半導体層23或いは25と同様になっている。
けるn型半導体層24がp反転したことを示している。
即ち、(D)に於いては、(B)に比較して、n型半導
体層24に於けるバンド全体の曲がりがなくなって、p
型半導体層23或いは25と同様になっている。
【0030】前記(D)及び(B)に関して、pnp接
合を生成するn型半導体層24のp反転について説明し
たが、このようなことは(C)に見られるnpn接合の
場合も同様である。即ち、p型半導体層27の厚さを空
乏層幅Wp よりも小さくしておけば、拡散に依って供給
される電子の作用で、その電子がキャリヤとして振る舞
うようにn反転させることができ、(E)はその状態を
表している。
合を生成するn型半導体層24のp反転について説明し
たが、このようなことは(C)に見られるnpn接合の
場合も同様である。即ち、p型半導体層27の厚さを空
乏層幅Wp よりも小さくしておけば、拡散に依って供給
される電子の作用で、その電子がキャリヤとして振る舞
うようにn反転させることができ、(E)はその状態を
表している。
【0031】前記したところから、本発明に依る化合物
半導体結晶成長方法に於いては、(1)化合物半導体基
板(例えばn−GaAs基板)に斜面或いは溝からなる
段差領域(例えば溝31A)を形成することに依って段
差形状化合物半導体基板(例えばn−GaAs基板3
1)とする工程と、次いで、前記段差形状化合物半導体
基板上に厚さがtn であるn型化合物半導体層(例えば
n型半導体層32)及び厚さがtp であるp型化合物半
導体層(例えばp型半導体層33)を交互に且つそれ等
の厚さtn 及びtp が W=((2εs ・Eg )/(qNB ))1/2 W:空乏層幅 εs :比誘電率 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 NB :キャリヤ濃度 Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Np :p型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率 なる式で定められるn型化合物半導体層に延びる空乏層
幅Wn 及びp型化合物半導体層に延びる空乏層幅Wp を
用いて tn >2Wn 且つtp <2Wp となるか、或いは、 tp >2Wp 且つtn <2Wn となるよう選択して積層形成する工程とが含まれてなる
ことを特徴とするか、或いは、
半導体結晶成長方法に於いては、(1)化合物半導体基
板(例えばn−GaAs基板)に斜面或いは溝からなる
段差領域(例えば溝31A)を形成することに依って段
差形状化合物半導体基板(例えばn−GaAs基板3
1)とする工程と、次いで、前記段差形状化合物半導体
基板上に厚さがtn であるn型化合物半導体層(例えば
n型半導体層32)及び厚さがtp であるp型化合物半
導体層(例えばp型半導体層33)を交互に且つそれ等
の厚さtn 及びtp が W=((2εs ・Eg )/(qNB ))1/2 W:空乏層幅 εs :比誘電率 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 NB :キャリヤ濃度 Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Np :p型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率 なる式で定められるn型化合物半導体層に延びる空乏層
幅Wn 及びp型化合物半導体層に延びる空乏層幅Wp を
用いて tn >2Wn 且つtp <2Wp となるか、或いは、 tp >2Wp 且つtn <2Wn となるよう選択して積層形成する工程とが含まれてなる
ことを特徴とするか、或いは、
【0032】(2)前記(1)に於いて、主面の面指数
が(100)又はその近傍にある化合物半導体基板(例
えばn−GaAs基板)に(011)方向に延びる(X
11)A面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領
域(例えば斜面41A)を形成して段差形状化合物半導
体基板(例えばn−GaAs基板41)とする工程と、
次いで、n型及びp型の各化合物半導体層(例えばn型
半導体層42並びにp型半導体層43)を交互に積層成
長して(011)方向に延びる前記(X11)A面(X
は正数)上にp型導通領域(例えばp型導通領域44)
を生成させる工程とが含まれてなることを特徴とする
か、或いは、
が(100)又はその近傍にある化合物半導体基板(例
えばn−GaAs基板)に(011)方向に延びる(X
11)A面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領
域(例えば斜面41A)を形成して段差形状化合物半導
体基板(例えばn−GaAs基板41)とする工程と、
次いで、n型及びp型の各化合物半導体層(例えばn型
半導体層42並びにp型半導体層43)を交互に積層成
長して(011)方向に延びる前記(X11)A面(X
は正数)上にp型導通領域(例えばp型導通領域44)
を生成させる工程とが含まれてなることを特徴とする
か、或いは、
【0033】(3)前記(1)に於いて、主面の面指数
が(100)又はその近傍にある化合物半導体基板(例
えばn−GaAs基板)に(011)方向に延びる(X
11)B面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領
域(例えば斜面61A)を形成して段差形状化合物半導
体基板(例えばn−GaAs基板61)とする工程と、
次いで、n型及びp型の各化合物半導体層(例えばn型
半導体層62並びにp型半導体層63)を交互に積層成
長して(011)方向に延びる(X11)B面(Xは正
数)上にn型導通領域(例えばn型導通領域64)を生
成させ且つ前記主面上にp型導通領域を生成させるか或
いは前記n型及びp型の各化合物半導体層が積層された
ままとする工程とが含まれてなることを特徴とするか、
或いは、
が(100)又はその近傍にある化合物半導体基板(例
えばn−GaAs基板)に(011)方向に延びる(X
11)B面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領
域(例えば斜面61A)を形成して段差形状化合物半導
体基板(例えばn−GaAs基板61)とする工程と、
次いで、n型及びp型の各化合物半導体層(例えばn型
半導体層62並びにp型半導体層63)を交互に積層成
長して(011)方向に延びる(X11)B面(Xは正
数)上にn型導通領域(例えばn型導通領域64)を生
成させ且つ前記主面上にp型導通領域を生成させるか或
いは前記n型及びp型の各化合物半導体層が積層された
ままとする工程とが含まれてなることを特徴とするか、
或いは、
【0034】(4)前記(1)に於いて、主面の面指数
が(100)面から(311)A方向にオフしたオフ角
がy1である化合物半導体基板(例えばn−GaAs基
板)に面指数が(100)面から(311)A方向に更
にオフしたオフ角がy2であってy2>y1なる斜面か
らなる段差領域を形成して段差形状化合物半導体基板
(例えばn−GaAs基板71)とする工程と、次い
で、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層成長
して斜面上にp型導通領域(例えばp型導通領域74)
を生成させると共に主面上にn型導通領域(例えばn型
導通領域72及び73)を生成させるか或いは前記n型
及びp型の各化合物半導体層が積層されたままとする工
程とが含まれてなることを特徴とするか、或いは、
が(100)面から(311)A方向にオフしたオフ角
がy1である化合物半導体基板(例えばn−GaAs基
板)に面指数が(100)面から(311)A方向に更
にオフしたオフ角がy2であってy2>y1なる斜面か
らなる段差領域を形成して段差形状化合物半導体基板
(例えばn−GaAs基板71)とする工程と、次い
で、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層成長
して斜面上にp型導通領域(例えばp型導通領域74)
を生成させると共に主面上にn型導通領域(例えばn型
導通領域72及び73)を生成させるか或いは前記n型
及びp型の各化合物半導体層が積層されたままとする工
程とが含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0035】(5)前記(1)に於いて、主面の面指数
が(100)面から(111)B方向にオフしたオフ角
がy1である化合物半導体基板に面指数が(100)面
から(111)B方向に更にオフしたオフ角がy2であ
ってy2>y1なる斜面からなる段差領域を形成して段
差形状化合物半導体基板とする工程と、次いで、n型及
びp型の各化合物半導体層を交互に積層成長して斜面上
にn型導通領域を生成させると共に主面上にp型導通領
域を生成させるか或いは前記n型及びp型の各化合物半
導体層が積層されたままとする工程とが含まれてなるこ
とを特徴とするか、或いは、
が(100)面から(111)B方向にオフしたオフ角
がy1である化合物半導体基板に面指数が(100)面
から(111)B方向に更にオフしたオフ角がy2であ
ってy2>y1なる斜面からなる段差領域を形成して段
差形状化合物半導体基板とする工程と、次いで、n型及
びp型の各化合物半導体層を交互に積層成長して斜面上
にn型導通領域を生成させると共に主面上にp型導通領
域を生成させるか或いは前記n型及びp型の各化合物半
導体層が積層されたままとする工程とが含まれてなるこ
とを特徴とするか、或いは、
【0036】(6)前記(2)或いは(4)に於いて、
成長させるべき化合物半導体層のソース・ガスに於ける
五族/三族比を大きくするか或いは成長温度を低くして
段差領域に於けるp型化合物半導体層の成長速度と主面
に於けるp型化合物半導体層の成長速度との比を大きく
することを特徴とするか、或いは、
成長させるべき化合物半導体層のソース・ガスに於ける
五族/三族比を大きくするか或いは成長温度を低くして
段差領域に於けるp型化合物半導体層の成長速度と主面
に於けるp型化合物半導体層の成長速度との比を大きく
することを特徴とするか、或いは、
【0037】(7)前記(3)或いは(5)に於いて、
成長させるべき化合物半導体層のソース・ガスに於ける
五族/三族比を大きくするか或いは成長温度を低くして
段差領域に於けるn型化合物半導体層の成長速度と主面
に於けるn型化合物半導体層の成長速度との比を大きく
することを特徴とする。
成長させるべき化合物半導体層のソース・ガスに於ける
五族/三族比を大きくするか或いは成長温度を低くして
段差領域に於けるn型化合物半導体層の成長速度と主面
に於けるn型化合物半導体層の成長速度との比を大きく
することを特徴とする。
【0038】
【作用】前記手段を採ることに依り、ZnとSeの同時
ドーピングは行なう必要がなくなり、従って、ZnとS
eとが反応してZnSeパーティクルが生成されてMO
VPE装置の反応管を汚して次回以降の結晶成長に悪影
響を及ぼす虞は皆無となり、また、電流の流路、即ち、
導電領域を生成させるのにZnなどの拡散に依存するの
ではなく、空乏化に依るパンチ・スルー、即ち、導電型
の反転を利用しているので、空格子などの点欠陥が形成
されることはなく、従って、深い準位などが生成されて
例えば結晶の発光効率を低下させるなどの虞もなくな
り、特性良好な半導体素子を製造するのに充分に寄与す
ることができる。
ドーピングは行なう必要がなくなり、従って、ZnとS
eとが反応してZnSeパーティクルが生成されてMO
VPE装置の反応管を汚して次回以降の結晶成長に悪影
響を及ぼす虞は皆無となり、また、電流の流路、即ち、
導電領域を生成させるのにZnなどの拡散に依存するの
ではなく、空乏化に依るパンチ・スルー、即ち、導電型
の反転を利用しているので、空格子などの点欠陥が形成
されることはなく、従って、深い準位などが生成されて
例えば結晶の発光効率を低下させるなどの虞もなくな
り、特性良好な半導体素子を製造するのに充分に寄与す
ることができる。
【0039】
【実施例】図2は本発明に於ける第一実施例を解説する
為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス
及びエッチャントをフッ酸溶液とするウエット・エッチ
ング法を適用することに依り、主面の面指数が(10
0)ジャストであって、且つ、Siがドーピングされて
n型になっているGaAs基板31に於ける(011)
方向に(511)A面を表出させる溝31Aを形成す
る。
為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス
及びエッチャントをフッ酸溶液とするウエット・エッチ
ング法を適用することに依り、主面の面指数が(10
0)ジャストであって、且つ、Siがドーピングされて
n型になっているGaAs基板31に於ける(011)
方向に(511)A面を表出させる溝31Aを形成す
る。
【0040】(2) レジスト膜などを除去してから、
MOVPE法を適用することに依り、n型半導体層32
とp型半導体層33を交互に多層に成長させる。
MOVPE法を適用することに依り、n型半導体層32
とp型半導体層33を交互に多層に成長させる。
【0041】この場合、n型半導体層32及びp型半導
体層33それぞれの成長に共通するデータを例示すると
次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 尚、この成長条件に依った場合、Zn濃度が2×1018
〔cm-3〕までは、Znの大きな拡散は起き難い。
体層33それぞれの成長に共通するデータを例示すると
次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 尚、この成長条件に依った場合、Zn濃度が2×1018
〔cm-3〕までは、Znの大きな拡散は起き難い。
【0042】また、n型半導体層32の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:2.5×10-7 (100)ジャスト面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (511)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:2.5×10-7 (100)ジャスト面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (511)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
【0043】また、p型半導体層33の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:ジメチル亜鉛(DMZn:Zn(C
H3 )2 ) ソース・ガスの二族/三族比:0.1 (100)ジャスト面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (511)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:ジメチル亜鉛(DMZn:Zn(C
H3 )2 ) ソース・ガスの二族/三族比:0.1 (100)ジャスト面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (511)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
【0044】第一実施例の場合、(100)ジャスト面
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(511)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)ジャスト面の場合と大きく相違する。
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(511)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)ジャスト面の場合と大きく相違する。
【0045】前記したように、n型半導体層32及びp
型半導体層33は、両方とも厚さが400〔nm〕であ
るから、溝31Aに対応する領域では、n型半導体層3
2が全て空乏化されてp反転し、その結果、電流路とな
るp型導通領域34が生成される。また、(100)ジ
ャスト面に於いては空乏層が延びきらないので、n型半
導体層32及びp型半導体層33は共に成長当初の状態
を維持している。尚、この場合、式(1)で説明した空
乏層幅Wは、p及びnのフェルミ準位のエネルギを考慮
して厳密に選定する。
型半導体層33は、両方とも厚さが400〔nm〕であ
るから、溝31Aに対応する領域では、n型半導体層3
2が全て空乏化されてp反転し、その結果、電流路とな
るp型導通領域34が生成される。また、(100)ジ
ャスト面に於いては空乏層が延びきらないので、n型半
導体層32及びp型半導体層33は共に成長当初の状態
を維持している。尚、この場合、式(1)で説明した空
乏層幅Wは、p及びnのフェルミ準位のエネルギを考慮
して厳密に選定する。
【0046】図3は本発明に於ける第二実施例を解説す
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板41をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面41Aを形成する。
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板41をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面41Aを形成する。
【0047】(2) n型半導体層42とp型半導体層
43を交互に多層に成長させる。この場合、n型半導体
層42及びp型半導体層43それぞれの成長に共通する
データを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 尚、この成長条件に依った場合、Zn濃度が2×1018
〔cm-3〕までは、Znの大きな拡散は起き難い。
43を交互に多層に成長させる。この場合、n型半導体
層42及びp型半導体層43それぞれの成長に共通する
データを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 尚、この成長条件に依った場合、Zn濃度が2×1018
〔cm-3〕までは、Znの大きな拡散は起き難い。
【0048】また、n型半導体層42の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-7 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-7 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
【0049】また、p型半導体層43の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.05 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.05 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
【0050】第二実施例の場合、(100)6度オフ面
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(411)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)6度オフ面の場合と大きく相違する。
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(411)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)6度オフ面の場合と大きく相違する。
【0051】n型半導体層42並びにp型半導体層43
は、両方とも厚さが400〔nm〕であるから、斜面4
1Aに対応する領域では、n型半導体層42が全て空乏
化されてp反転し、その結果、電流路となるp型導通領
域44が生成される。また、(100)6度オフ面に於
いては空乏層が延びきらないので、n型半導体層42及
びp型半導体層43は共に成長当初の状態を維持してい
る。
は、両方とも厚さが400〔nm〕であるから、斜面4
1Aに対応する領域では、n型半導体層42が全て空乏
化されてp反転し、その結果、電流路となるp型導通領
域44が生成される。また、(100)6度オフ面に於
いては空乏層が延びきらないので、n型半導体層42及
びp型半導体層43は共に成長当初の状態を維持してい
る。
【0052】図4は本発明に於ける第三実施例を解説す
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板51をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面51Aを形成する。
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板51をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面51Aを形成する。
【0053】(2) n型半導体層52とp型半導体層
53を交互に多層に成長させる。n型半導体層52の成
長に関するデータを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-7 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
53を交互に多層に成長させる。n型半導体層52の成
長に関するデータを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-7 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
【0054】p型半導体層53の成長に関するデータを
例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:330 成長温度:710〔℃〕 厚さ:(100)6度オフ面で400〔nm〕 :(411)A面で500〔nm〕 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.05 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:330 成長温度:710〔℃〕 厚さ:(100)6度オフ面で400〔nm〕 :(411)A面で500〔nm〕 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.05 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
【0055】第三実施例の場合、(100)6度オフ面
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(411)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)6度オフ面の場合と大きく相違する。
に於いて、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕で
あり、そして、p側への空乏層の延びは約121〔n
m〕であって略同等である。また、(411)A面で
は、n側への空乏層の延びは約382〔nm〕であり、
そして、p側への空乏層の延びは約7〔nm〕であっ
て、(100)6度オフ面の場合と大きく相違する。
【0056】斜面51Aに対応する領域に於けるn型半
導体層52の厚さは400〔nm〕であり、そして、p
型半導体層53の厚さは500〔nm〕であるから、n
型半導体層52が全て空乏化されてp反転し、その結
果、電流路となるp型導通領域54が生成される。尚、
斜面51Aに対応する領域に於けるp型半導体層53は
厚くなっているので、全体の抵抗値を低くすることがで
きる旨の利点もある。また、(100)6度オフ面に於
いては空乏層が延びきらないので、n型半導体層52及
びp型半導体層53は共に成長当初の状態を維持してい
る。
導体層52の厚さは400〔nm〕であり、そして、p
型半導体層53の厚さは500〔nm〕であるから、n
型半導体層52が全て空乏化されてp反転し、その結
果、電流路となるp型導通領域54が生成される。尚、
斜面51Aに対応する領域に於けるp型半導体層53は
厚くなっているので、全体の抵抗値を低くすることがで
きる旨の利点もある。また、(100)6度オフ面に於
いては空乏層が延びきらないので、n型半導体層52及
びp型半導体層53は共に成長当初の状態を維持してい
る。
【0057】図5は本発明に於ける第四実施例を解説す
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(211)Bであるn−GaA
s基板61をウエット・エッチングして、(011)方
向に(111)B面が現れる斜面61Aを形成する。
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(211)Bであるn−GaA
s基板61をウエット・エッチングして、(011)方
向に(111)B面が現れる斜面61Aを形成する。
【0058】(2) n型半導体層62とp型半導体層
63を交互に多層に成長させる。この場合、n型半導体
層62及びp型半導体層63それぞれの成長に共通する
データを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕
63を交互に多層に成長させる。この場合、n型半導体
層62及びp型半導体層63それぞれの成長に共通する
データを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕
【0059】また、n型半導体層62の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:1.4×10-7 (211)B面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕 (111)B面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:1.4×10-7 (211)B面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕 (111)B面でのキャリヤ濃度:1×1018〔cm-3〕
【0060】また、p型半導体層63の成長に独特のデ
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.1 (211)B面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕 (111)B面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
ータを例示すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.1 (211)B面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕 (111)B面でのキャリヤ濃度:2×1016〔cm-3〕
【0061】第四実施例の場合、(211)B面に於い
ては、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕であ
り、そして、p側への空乏層の延びは約121〔nm〕
であって略同等である。然しながら、(111)B面に
於いては、p側への空乏層の延びは約382〔nm〕で
あり、そして、n側への空乏層の延びは約7〔nm〕で
あって、(211)B面の場合と大きく相違する。
ては、n側への空乏層の延びは約121〔nm〕であ
り、そして、p側への空乏層の延びは約121〔nm〕
であって略同等である。然しながら、(111)B面に
於いては、p側への空乏層の延びは約382〔nm〕で
あり、そして、n側への空乏層の延びは約7〔nm〕で
あって、(211)B面の場合と大きく相違する。
【0062】n型半導体層62並びにp型半導体層63
は、両方とも厚さが400〔nm〕であるから、斜面6
1Aに対応する領域では、p型半導体層63が全て空乏
化されてn反転し、その結果、電流路となるn型導通領
域64が生成される。また、(211)B面に於いては
空乏層が延びきらないので、n型半導体層62及びp型
半導体層63は共に成長当初の状態を維持している。
は、両方とも厚さが400〔nm〕であるから、斜面6
1Aに対応する領域では、p型半導体層63が全て空乏
化されてn反転し、その結果、電流路となるn型導通領
域64が生成される。また、(211)B面に於いては
空乏層が延びきらないので、n型半導体層62及びp型
半導体層63は共に成長当初の状態を維持している。
【0063】図6は本発明に於ける第五実施例を解説す
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板71をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面71Aを形成する。
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板71をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面71Aを形成する。
【0064】(2) n型半導体層とp型半導体層を交
互に多層に成長させる。この場合、n型半導体層及びp
型半導体層それぞれの成長に共通するデータを例示する
と次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:100〔nm〕 尚、本実施例の場合、n型半導体層並びにp型半導体層
が共に100〔nm〕と薄いことが特徴である。
互に多層に成長させる。この場合、n型半導体層及びp
型半導体層それぞれの成長に共通するデータを例示する
と次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:100〔nm〕 尚、本実施例の場合、n型半導体層並びにp型半導体層
が共に100〔nm〕と薄いことが特徴である。
【0065】n型半導体層の成長に独特のデータを例示
すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:1.5×10-6 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕
すると次の通りである。 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:1.5×10-6 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
17〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:1×1017〔cm-3〕
【0066】p型半導体層の成長に独特のデータを例示
すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.025 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
16〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:5×1017〔cm-3〕
すると次の通りである。 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.025 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
16〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:5×1017〔cm-3〕
【0067】第5実施例の場合、(100)6度オフ面
に於いて、n側への空乏層の延びは約23〔nm〕であ
り、そして、p側への空乏層の延びは約233〔nm〕
である。また、(411)A面では、n側への空乏層の
延びは約158〔nm〕であり、そして、p側への空乏
層の延びは約32〔nm〕である。
に於いて、n側への空乏層の延びは約23〔nm〕であ
り、そして、p側への空乏層の延びは約233〔nm〕
である。また、(411)A面では、n側への空乏層の
延びは約158〔nm〕であり、そして、p側への空乏
層の延びは約32〔nm〕である。
【0068】n型半導体層並びにp型半導体層は、両方
とも厚さが100〔nm〕と薄いので、斜面71Aに対
応する領域に於いては、n型半導体層が全て空乏化され
てp反転し、そして、(100)6度オフ面に於いて
は、p型半導体層が全て空乏化されてn反転することに
なり、その結果、n型導通領域72及び73、電流路と
なるp型導通領域74が生成される。
とも厚さが100〔nm〕と薄いので、斜面71Aに対
応する領域に於いては、n型半導体層が全て空乏化され
てp反転し、そして、(100)6度オフ面に於いて
は、p型半導体層が全て空乏化されてn反転することに
なり、その結果、n型導通領域72及び73、電流路と
なるp型導通領域74が生成される。
【0069】図7は本発明に於ける第六実施例を解説す
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板81をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面81Aを形成する。
る為の半導体ウエハを表す要部切断側面図である。 (1) 主面の面指数が(100)面から(111)A
面方向に6度オフしたn−GaAs基板81をウエット
・エッチングして、(011)方向に(411)A面が
現れる斜面81Aを形成する。
【0070】(2) p型半導体層82とn型半導体層
83を交互に多層に成長させる。p型半導体層82の成
長に関するデータを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:200〔nm〕 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.025 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
16〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:5×1017〔cm-3〕
83を交互に多層に成長させる。p型半導体層82の成
長に関するデータを例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:200〔nm〕 不純物:Zn ソース・ガス:DMZn ソース・ガスの二族/三族比:0.025 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:5×10
16〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:5×1017〔cm-3〕
【0071】n型半導体層83の成長に関するデータを
例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-6 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
18〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1017〔cm-3〕
例示すると次の通りである。 材料:(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 P ソース・ガスの五族/三族比:180 成長温度:710〔℃〕 厚さ:400〔nm〕 不純物:Se ソース・ガス:H2 Se ソース・ガスの六族/五族比:3×10-6 (100)6度オフ面でのキャリヤ濃度:1×10
18〔cm-3〕 (411)A面でのキャリヤ濃度:2×1017〔cm-3〕
【0072】第六実施例の場合、p型半導体層82が2
00〔nm〕と薄く、そして、n型半導体層83が40
0〔nm〕と厚いところに特徴があって、(100)6
度オフ面に於いて、n側への空乏層の延びは約11〔n
m〕であり、そして、p側への空乏層の延びは約239
〔nm〕である。また、(411)A面では、n側への
空乏層の延びは約104〔nm〕であり、そして、p側
への空乏層の延びは約44〔nm〕である。
00〔nm〕と薄く、そして、n型半導体層83が40
0〔nm〕と厚いところに特徴があって、(100)6
度オフ面に於いて、n側への空乏層の延びは約11〔n
m〕であり、そして、p側への空乏層の延びは約239
〔nm〕である。また、(411)A面では、n側への
空乏層の延びは約104〔nm〕であり、そして、p側
への空乏層の延びは約44〔nm〕である。
【0073】前記したように、p型半導体層82は薄
く、そして、n型半導体層83は厚くなっていることか
ら、斜面81Aに対応する領域に於いては空乏層が延び
きらないのでp型半導体層82及びn型半導体層83は
共に成長当初の状態を維持し、また、(100)6度オ
フ面に於いては、p型半導体層82が全て空乏されるの
でn反転してn型導通領域84及びn型導通領域85が
生成される。尚、この構造のウエハは、例えば半導体レ
ーザや面発光型LED(light emitting
diode)を製造する場合に適用して有効である。
く、そして、n型半導体層83は厚くなっていることか
ら、斜面81Aに対応する領域に於いては空乏層が延び
きらないのでp型半導体層82及びn型半導体層83は
共に成長当初の状態を維持し、また、(100)6度オ
フ面に於いては、p型半導体層82が全て空乏されるの
でn反転してn型導通領域84及びn型導通領域85が
生成される。尚、この構造のウエハは、例えば半導体レ
ーザや面発光型LED(light emitting
diode)を製造する場合に適用して有効である。
【0074】
【発明の効果】本発明に依る化合物半導体結晶成長方法
に於いては、化合物半導体基板に段差領域を形成して段
差形状化合物半導体基板とし、段差形状化合物半導体基
板上に不純物を過剰に含有したn型及びp型の各化合物
半導体層を交互に且つそれ等の化合物半導体層の厚さt
n 及びtp が Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Np :p型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率 なる式で定められるn型化合物半導体層に延びる空乏層
幅Wn 及びp型化合物半導体層に延びる空乏層幅Wp を
用いて tn >2Wn 且つtp <2Wp となるか、或いは、 tp >2Wp 且つtn <2Wn となるよう選択して積層形成する。
に於いては、化合物半導体基板に段差領域を形成して段
差形状化合物半導体基板とし、段差形状化合物半導体基
板上に不純物を過剰に含有したn型及びp型の各化合物
半導体層を交互に且つそれ等の化合物半導体層の厚さt
n 及びtp が Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Np :p型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率 なる式で定められるn型化合物半導体層に延びる空乏層
幅Wn 及びp型化合物半導体層に延びる空乏層幅Wp を
用いて tn >2Wn 且つtp <2Wp となるか、或いは、 tp >2Wp 且つtn <2Wn となるよう選択して積層形成する。
【0075】前記構成を採ることに依り、ZnとSeの
同時ドーピングは行なう必要がなくなり、従って、Zn
とSeとが反応してZnSeパーティクルが生成されて
MOVPE装置の反応管を汚して次回以降の結晶成長に
悪影響を及ぼす虞は皆無となり、また、電流の流路、即
ち、導電領域を生成させるのにZnなどの拡散に依存す
るのではなく、空乏化に依るパンチ・スルー、即ち、導
電型の反転を利用しているので、空格子などの点欠陥が
形成されることはなく、従って、深い準位などが生成さ
れて例えば結晶の発光効率を低下させるなどの虞もなく
なり、特性良好な半導体素子を製造するのに充分に寄与
することができる。
同時ドーピングは行なう必要がなくなり、従って、Zn
とSeとが反応してZnSeパーティクルが生成されて
MOVPE装置の反応管を汚して次回以降の結晶成長に
悪影響を及ぼす虞は皆無となり、また、電流の流路、即
ち、導電領域を生成させるのにZnなどの拡散に依存す
るのではなく、空乏化に依るパンチ・スルー、即ち、導
電型の反転を利用しているので、空格子などの点欠陥が
形成されることはなく、従って、深い準位などが生成さ
れて例えば結晶の発光効率を低下させるなどの虞もなく
なり、特性良好な半導体素子を製造するのに充分に寄与
することができる。
【図1】本発明の原理を解説する為の多層半導体層に関
するエネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
するエネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
【図2】本発明に於ける第一実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図3】本発明に於ける第二実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図4】本発明に於ける第三実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図5】本発明に於ける第四実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図6】本発明に於ける第五実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図7】本発明に於ける第六実施例を解説する為の半導
体ウエハを表す要部切断側面図である。
体ウエハを表す要部切断側面図である。
【図8】不純物ドーピングの面方位依存性を説明する為
の線図である。
の線図である。
【図9】不純物ドーピングの面方位依存性を説明する為
の線図である。
の線図である。
【図10】p型不純物及びn型不純物を同時ドーピング
した際の面方位依存性を説明する為の線図である。
した際の面方位依存性を説明する為の線図である。
【図11】ラテラルpn接合形成技術を適用して作成し
た従来の半導体レーザを表す要部切断正面図である。
た従来の半導体レーザを表す要部切断正面図である。
【図12】Znの自動的な拡散を利用して作成した半導
体レーザを表す要部切断正面図である。
体レーザを表す要部切断正面図である。
【符号の説明】 EC 導電帯の底 EV 価電子帯の頂 Eg エネルギ・バンド・ギャップ DL 空乏層領域 (A) pn接合を生成する半導体層のエネルギ・バン
ド・ダイヤグラム (B) pnp接合を生成する半導体層のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (C) npn接合を生成する半導体層のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (D) n型半導体層がp反転した場合のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (E) p型半導体層がn反転した場合のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム 21 n型半導体層 22 p型半導体層 23 p型半導体層 24 n型半導体層 25 p型半導体層 26 n型半導体層 27 p型半導体層 28 n型半導体層 31 n−GaAs基板 31A 溝 32 n型半導体層 33 p型半導体層 34 p型導通領域
ド・ダイヤグラム (B) pnp接合を生成する半導体層のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (C) npn接合を生成する半導体層のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (D) n型半導体層がp反転した場合のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム (E) p型半導体層がn反転した場合のエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラム 21 n型半導体層 22 p型半導体層 23 p型半導体層 24 n型半導体層 25 p型半導体層 26 n型半導体層 27 p型半導体層 28 n型半導体層 31 n−GaAs基板 31A 溝 32 n型半導体層 33 p型半導体層 34 p型導通領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 33/00 H01S 3/094
Claims (7)
- 【請求項1】化合物半導体基板に斜面或いは溝からなる
段差領域を形成することに依って段差形状化合物半導体
基板とする工程と、 次いで、前記段差形状化合物半導体基板上に厚さがtn
であるn型化合物半導体層及び厚さがtp であるp型化
合物半導体層を交互に且つそれ等の厚さtn 及びtp が Wn =(2εs Eg Np /(q(Nn 2 +Nn Np )))1/2 Wp =(2εs Eg Nn /(q(Np 2 +Nn Np )))1/2 W=Wn +Wp W:全空乏層幅 Wn :n型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Wp :p型化合物半導体層に延びる空乏層幅 Nn :n型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Np :p型化合物半導体層のキャリヤ濃度 Eg :エネルギ・バンド・ギャップ q:電子電荷量 εs :比誘電率 なる式で定められるn型化合物半導体層に延びる空乏層
幅Wn 及びp型化合物半導体層に延びる空乏層幅Wp を
用いて tn >2Wn 且つtp <2Wp となるか、或いは、 tp >2Wp 且つtn <2Wn となるよう選択して積層形成する工程とが含まれてなる
ことを特徴とする化合物半導体結晶成長方法。 - 【請求項2】主面の面指数が(100)又はその近傍に
ある化合物半導体基板に(011)方向に延びる(X1
1)A面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領域
を形成して段差形状化合物半導体基板とする工程と、 次いで、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層
成長して(011)方向に延びる前記(X11)A面
(Xは正数)上にp型導通領域を生成させる工程とが含
まれてなることを特徴とする請求項1記載の化合物半導
体結晶成長方法。 - 【請求項3】主面の面指数が(100)又はその近傍に
ある化合物半導体基板に(011)方向に延びる(X1
1)B面(Xは正数)を斜面とする溝からなる段差領域
を形成して段差形状化合物半導体基板とする工程と、 次いで、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層
成長して(011)方向に延びる(X11)B面(Xは
正数)上にn型導通領域を生成させ且つ前記主面上にp
型導通領域を生成させるか或いは前記n型及びp型の各
化合物半導体層が積層されたままとする工程とが含まれ
てなることを特徴とする請求項1記載の化合物半導体結
晶成長方法。 - 【請求項4】主面の面指数が(100)面から(31
1)A方向にオフしたオフ角がy1である化合物半導体
基板に面指数が(100)面から(311)A方向に更
にオフしたオフ角がy2であってy2>y1なる斜面か
らなる段差領域を形成して段差形状化合物半導体基板と
する工程と、 次いで、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層
成長して斜面上にp型導通領域を生成させると共に主面
上にn型導通領域を生成させるか或いは前記n型及びp
型の各化合物半導体層が積層されたままとする工程とが
含まれてなることを特徴とする請求項1記載の化合物半
導体結晶成長方法。 - 【請求項5】主面の面指数が(100)面から(11
1)B方向にオフしたオフ角がy1である化合物半導体
基板に面指数が(100)面から(111)B方向に更
にオフしたオフ角がy2であってy2>y1なる斜面か
らなる段差領域を形成して段差形状化合物半導体基板と
する工程と、 次いで、n型及びp型の各化合物半導体層を交互に積層
成長して斜面上にn型導通領域を生成させると共に主面
上にp型導通領域を生成させるか或いは前記n型及びp
型の各化合物半導体層が積層されたままとする工程とが
含まれてなることを特徴とする請求項1記載の化合物半
導体結晶成長方法。 - 【請求項6】成長させるべき化合物半導体層のソース・
ガスに於ける五族/三族比を大きくするか或いは成長温
度を低くして段差領域に於けるp型化合物半導体層の成
長速度と主面に於けるp型化合物半導体層の成長速度と
の比を大きくすることを特徴とする請求項2或いは請求
項4記載の化合物半導体結晶成長方法。 - 【請求項7】成長させるべき化合物半導体層のソース・
ガスに於ける五族/三族比を大きくするか或いは成長温
度を低くして段差領域に於けるn型化合物半導体層の成
長速度と主面に於けるn型化合物半導体層の成長速度と
の比を大きくすることを特徴とする請求項3或いは請求
項5記載の化合物半導体結晶成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11806593A JP3230021B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 化合物半導体結晶成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11806593A JP3230021B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 化合物半導体結晶成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06333831A JPH06333831A (ja) | 1994-12-02 |
JP3230021B2 true JP3230021B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=14727146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11806593A Expired - Fee Related JP3230021B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 化合物半導体結晶成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230021B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016092175A (ja) * | 2014-11-04 | 2016-05-23 | 三菱電機株式会社 | 半導体光素子 |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP11806593A patent/JP3230021B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06333831A (ja) | 1994-12-02 |
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Legal Events
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