JP3230020B2 - 一成分磁性現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

一成分磁性現像剤及び画像形成方法

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JP3230020B2 JP10598993A JP10598993A JP3230020B2 JP 3230020 B2 JP3230020 B2 JP 3230020B2 JP 10598993 A JP10598993 A JP 10598993A JP 10598993 A JP10598993 A JP 10598993A JP 3230020 B2 JP3230020 B2 JP 3230020B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等に用いられる絶縁性の磁性現像剤及び該現像剤を用
いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像を現像剤で現像を行なって可視像とし、必要に応じ
て紙などの転写材に現像剤像を転写した後、熱・圧力等
により転写材上に現像剤画像を定着して複写物を得るも
のである。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にプリンターやファクシミリ等多数になって
きている。特にプリンターやファクシミリでは、複写装
置部分を小さくする必要がある為、一成分現像剤を用い
た現像装置が使用される事が多い。
【0004】一成分現像方式は二成分方式のようにガラ
スビーズや鉄粉等のキャリア粒子を用いない為、現像装
置自体を小型化・軽量化出来る。
【0005】さらには、二成分現像方式はキャリア中の
トナーの濃度を一定に保つ必要がある為、トナー濃度を
検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よ
って、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像
方式ではこのような装置は必要とならない為、やはり小
さく軽く出来るため好ましい。このような一成分現像方
式に用いられる一成分現像剤は、トナー中に磁性体を比
較的多量に含有されている。
【0006】また、複写機においてはより高速、安定化
の方向が常に望まれている。特に中〜高速機では二成分
現像方式が主流である。これは、このようにある程度大
きな機械であると、現像装置の大きさや重さの問題より
高速での長期間の使用に対する複写画像の安定性が重要
となってくるからである。一般に、二成分現像方式のト
ナーはカーボンブラック等により着色し、他はほとんど
結着樹脂から成り立っている。
【0007】そのため、トナー粒子は軽くまた静電気力
以外にキャリア粒子に付着する力がないので特に高速で
の現像ではトナーの飛散を招き、長期の使用で光学レン
ズや原稿ガラス、搬送部等の汚れを生じ、複写画像の安
定性を損なうことがある。そこでトナー中に磁性体を含
有させ、トナーを重くすると共に、磁性キャリア粒子に
静電気力以外に磁気力でも付着するようにして、トナー
飛散を防止した現像剤も実用化されている。以上のよう
に、磁性体を含有するトナーはますます重要性を増して
いる。
【0008】また、プリンター装置はLED、LBPプ
リンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向
としてより高解像度即ち、従来240、300dpiで
あったものが400、600、800dpiとなって来
ている。従って現像方式もこれにともなってより高精細
が要求されてきている。また、複写機においても高機能
化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつ
ある。この方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法
が主である為、やはり高解像度の方向に進んでおり、こ
こでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が
要求されてきており、特開平1−112253号公報、
特開平2−284158号公報などでは粒径の小さいト
ナーが提案されている。
【0009】加えて最近では環境保護の観点から、従来
から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び
転写プロセスから帯電ローラーを用いた一次帯電、転写
プロセスが主流となりつつある。
【0010】具体的には、帯電部材である導電性ローラ
に電圧を印加して該ローラを被帯電体である感光体に接
触させて感光体表面を所定の電位に帯電させるものであ
る。例えば、特公昭50−13661号公報においては
芯金にナイロン又はポリウレタンゴムからなる誘電体を
被覆したローラを使うことによって、感光体を荷電する
時に低電圧印加を可能にしている。
【0011】また特開昭59−46664号公報におい
ては回転円筒状、無端ベルト状等無端状に走行する正電
荷像保持体を使用し、バイアスを印加した転写装置をこ
れに圧接して、これら両者間に転写材を通過させて静電
荷像保持体側の現像剤像を転写材上に転写するように構
成したものが既に提案されている。
【0012】しかしながら、このようなコロナ放電を用
いない転写方式においては、転写部材が転写時に転写部
材を介して感光体に当接されるため、感光体上に形成さ
れた現像剤像を転写材へ転写する際に現像剤像が圧接さ
れ部分的な転写不良が生じる所謂転写中抜けの問題など
がある。
【0013】これらの問題は、先に述べた高解像・高精
細画像を得るために改善されねばならない問題である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題点
に鑑み、本発明の目的とするところは、 原稿に忠実、信号に忠実、即ち潜像に忠実な高解像
・高精細再現性の磁性現像剤及び画像形成方法を提供す
ること、 コロナ帯電を使用しない複写プロセスにおいても、
転写中抜けの現象が無いか、又はこれらの現象が抑制さ
れる磁性現像剤及び画像形成方法を提供する事、にあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は、導
電性微粒子を含有する樹脂層で被覆された現像剤担持体
を用いる画像形成方法に用いられる一成分磁性現像剤で
あって、該現像剤は、少なくとも結着樹脂と磁性体を含
有し、重量平均粒径が4〜10μmであり、磁性体量が
結着樹脂100重量部に対し5〜60重量部であり、該
現像剤の鉄粉に対する摩擦帯電量の絶対値の値を|Qd
|、該現像剤の該現像剤担持体上における吸引法による
帯電量の絶対値を│Qm│としたとき、 100≧|Qd|≧40μC/g 15≧|Qd|/│Qm│≧2.5 を満足することを特徴とする一成分磁性現像剤によって
達成されることを見いだした。また、導電性微粒子を含
有する樹脂層で被覆された現像剤担持体を用いる画像形
成方法であって、該現像剤担持体に担持される現像剤
が、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有し、重量平均粒
径が4〜10μmであり、磁性体量が結着樹脂100重
量部に対し5〜60重量部である一成分磁性現像剤であ
り、該現像剤の鉄粉に対する摩擦帯電量の絶対値の値を
|Qd|、該現像剤の該現像剤担持体上における吸引法
による帯電量の絶対値を|Qm|としたとき、 100≧|Qd|≧40μC/g 15≧|Qd|/|Qm|≧2.5 を満足することを特徴とする画像形成方法によって達成
される。
【0016】本発明におけるQd、Qmの測定法をそれ
ぞれ以下に示す。測定には図1に示す帯電量測定装置を
用いる。
【0017】23℃,相対湿度60%環境下、キャリア
としてEFV200/300(パウダーテック社製)を
用い、キャリア9.5gに現像剤0.5gを加えた混合
物を50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ
50回手で振盪する。
【0018】次いで、底に500メッシュのスクリーン
3のある金属製の測定容器2に前記混合物1.0〜1.
2gを入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定容器
2全体の重量を秤りW1 (g)とする。次に吸引機1
(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)におい
て、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調節して真空計
5の圧力を250mmAqとする。
【0019】この状態で1分間吸引を行ない、現像剤を
吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)
とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μ
F)とする。また、吸引後の測定機全体の重量を秤りW
2 (g)とする。この現像剤の摩擦帯電量Qd(μC/
g)は下式の如く計算される。
【0020】
【数1】 Qmの測定については、500メッシュスクリーンの替
わりに円筒濾紙を有する測定容器を用い、金属製フタ4
の替わりに現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸
引口を取付け、現像剤担持体表面上の現像剤層を過不足
無く一様に吸引出来るように吸引圧を調整し現像剤を吸
引する。この時吸引された現像剤重量をM(g)とし
て、 Qm=CV/M により計算される。
【0021】本発明に係る磁性現像剤において、重量平
均粒径が4〜10μm(好ましくは4.5〜9μm)、
磁性体量が結着樹脂100重量部に対し5〜60重量部
(好ましくは15〜45重量部)であり、100≧|Q
d|≧40μC/g、15≧|Qd|/|Qm|≧2.
5(好ましくは14≧|Qd|/|Qm|≧3.5)で
ある磁性現像剤及び画像形成方法により高解像・高精細
が達成され、転写中抜けに対して効果を示す理由として
明確となってはいないが、本発明においては、 現像剤担持体上の現像剤粒子の適切な静電的凝集力
と現像剤担持体への適切な磁気拘束力により現像領域空
間において、現像剤粒子が穂の状態からむしろ個々の現
像剤粒子に近い形態となり、現像剤粒子の静電潜像への
忠実な飛翔。 転写部材/磁性現像剤/感光体の3者が存在する転
写部位において転写材〜磁性現像剤〜感光体3者間の静
電的付着力のバランスがうまくとられること。によるも
のと思われる。
【0022】本発明において|Qd|が100μC/g
を超える場合は複写/プリントにおいて画像濃度が低い
傾向にあり、また40μC/g未満、|Qd|/|Qm
|が15を超えるか2.5未満では上記〜の関係が
崩れるため現像率が低下し、さらに転写中抜けが発生し
やすい傾向となった。
【0023】また、本発明の磁性現像剤使用による前述
した効果は、曲率半径が50mm以下の感光体と、曲率
半径20mm以下の現像剤担持体と、曲率半径30mm
以下の転写部材との組み合わせにおいて特に良好に発揮
される。これは、現像領域、転写領域ともに狭くなるこ
とで現像、転写に係わる現像剤物性の影響が大きくなる
ことに起因していると考えられる。
【0024】本発明の現像剤に含有される磁性体量が、
結着樹脂100重量部に対し5重量部未満では搬送性が
不十分で現像剤担持体上の現像剤層にむらが生じ画像む
らとなる。また、60重量部を超えると転写中抜けが生
じやすい。
【0025】また、本発明の現像剤の重量平均粒径が4
μm未満であると現像剤の凝集が著しくなりハンドリン
グに問題が生じる。また、10μmを超えると100μ
m以下のドット潜像または細線の再現が充分でない。
【0026】また、本発明に用いる現像剤担持体の表面
粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜1.5
μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2μm未
満では現像剤担持体上の帯電量Qmが高くなり、15≧
|Qd|/|Qm|≧2.5が満足できなくなり、現像
性が不充分となる。Raが1.5μmを超えると、現像
剤担持体上の現像剤コート層にむらが生じ、画像上で濃
度むらとなる。
【0027】現像剤担持体表面を被覆する樹脂層に含有
される導電性微粒子としては、カーボンブラック、グラ
ファイト、導電性酸化亜鉛等導電性金属酸化物及び金属
複酸化物、などが単独もしくは2つ以上好ましく用いら
れる。また、該導電性微粒子が分散される樹脂として
は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂など公知の樹脂が
用いられる。特に熱硬化性の樹脂が好ましい。
【0028】また本発明の現像剤は、現像剤担持体上の
現像剤を規制する部材が現像剤を介して現像剤担持体に
当接されている部材によって規制されることが、現像剤
を均一帯電させる観点から好ましい。
【0029】次に、本発明の磁性現像剤を構成する結着
樹脂及び磁性体の素材、その他添加物質について説明す
る。
【0030】本発明に使用される結着樹脂の種類として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0031】また、架橋されたスチレン系共重合体も好
ましい結着樹脂である。
【0032】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;
例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチ
レン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えばビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイ
ソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビ
ニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0033】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0034】本発明の現像剤は必要に応じて着色剤を用
いても構わない。着色剤としては、カーボンブラック、
ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリ
ンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイ
ルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジン
イエロー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染
料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等従来公知の染顔料
を単独或いは混合して使用し得る。
【0035】本発明に使用される磁性体としては、磁場
の中に置かれて磁化される物質が用いられ、鉄,コバル
ト,ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネ
タイト、γ−Fe23 ,フェライトなどの合金や化合
物が使用できる。磁性体のσsは1kエルステッド下で
20〜100emu/g、好ましくは30〜90emu
/g、特には50〜90emu/gが好ましい。尚、磁
気力の測定は東英工業社製のVSMを用いた。
【0036】これらの磁性体は、窒素吸着法によるBE
T比表面積が好ましくは1〜20m2 /g、特に2.5
〜12m2 /g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が
好ましい。
【0037】本発明の現像剤には荷電制御剤を現像剤粒
子に配合(内添)、または現像剤粒子と混合(外添)し
て用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像シ
ステムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能である。
【0038】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0039】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0040】正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂
肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモ
ニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸、テ
トラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの
四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホ
ニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリ
フェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ
化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン
酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウ
リン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化
物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイ
ド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズ
オキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチル
スズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキ
シルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;こ
れらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることが
できる。これらの中でもニグロシン系、四級アンモニウ
ム塩、トリフェニルメタン顔料の如き荷電制御剤が特に
好ましく用いられる。
【0041】また、一般式
【0042】
【化1】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合、これらの荷電制御剤は、結着
樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0043】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0044】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1乃至20重
量部(更には0.2乃至10重量部)用いることが好ま
しい。
【0045】また、本発明の現像剤にさらに添加し得る
着色材料としては、従来公知のカーボンブラック,銅フ
タロシアニンなどが使用できる。
【0046】また、本発明の現像剤には、ケイ酸微粉体
を添加して用いることがより好ましく、かかるケイ酸微
粉体は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成
されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される
乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿
式シリカの両方が使用可能であるが表面及びシリカ微粉
体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2 O,
SO3 2- 等の製造残渣のない乾式シリカの方が好まし
い。
【0047】また乾式シリカにおいては、製造工程にお
いて例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属
ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いる事に
よって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得るこ
とも可能でありそれらも包含する。本発明に用いられる
シリカ微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比
表面積が30m2/g以上特に50〜400m2/gの範
囲のものが良好な結果を与え、現像剤100重量部に対
してシリカ微粉末0.01〜8重量部、好ましくは0.
1〜5重量部使用するのが良い。また、本発明に用いら
れるシリカ微分末は、必要に応じ、疎水化、帯電性制御
等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニ
ス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シ
ランカップリング剤、官能基を有するシランカップリン
グ剤、その他有機硅素化合物等の処理剤で、あるいは、
種々の処理剤で併用して処理されていることも可能であ
り好ましい。
【0048】本発明の現像剤は、実質的な悪影響を与え
ない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ス
テアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き
滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、
チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例
えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動
性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボン
ブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性
付与剤、また、逆極性の白色微粒子、及び黒色微粒子を
現像性向上剤として少量用いる事もできる。
【0049】現像剤の重量平均粒径(D4 )は種々の方
法によって測定できるが、本発明においてはコールター
カウンターを用いて行った。
【0050】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びPC−9801パーソナルコンピュータ(NE
C製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて
1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電
解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg(粒子数
として約3万〜約30万個)加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前
記コールターカウンターTA−II型により、アパチャ
ーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基準と
して2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、2〜4
0μmの粒子の体積分布と個数分布を算出し、体積分布
から求めた重量基準の重量平均径(D4 )(各チャンネ
ルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0051】本発明に係る現像剤の製造にあたっては、
熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機に
よって構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級
によって得る方法、あるいは結着樹脂溶液中に材料を分
散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、あるいは
結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化
懸濁液とした後に重合させてトナーを得る重合法トナー
製造法等、それぞれの方法が応用できる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは本発明を何ら限定するものでは無い。尚、
以下の配合における部数は全て重量部である。
【0053】製造例1 スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比8:2、Mw=26万) 磁性酸化鉄 30部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ染料系鉄錯体) 2部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 3部 上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルー
ダーで溶融混練し、混練物を冷却した後ハンマーミルで
粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し得られた
微粉砕物を風力分級して重量平均粒径(D4 )7.0μ
mの負帯電性磁性トナー(1)を得た。
【0054】製造例2 スチレン−2エチルヘキシルアクリレート− 100部 マレイン酸n−ブチルハーフエステル共重合体 (共重合重量比7:2:1、Mw=22万) 磁性酸化鉄 40部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ染料系クロム錯体) 0.5部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 3部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )5.5μmの負帯電性磁性トナー(2)を得た。
【0055】製造例3 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 15部 (BET値5.5m2 /g、σs=88.5emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ染料系鉄錯体) 1部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 6部 カーボンブラック 5部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )7.5μmの負帯電性磁性トナー(3)を得た。
【0056】製造例4 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 50部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 正荷電制御剤(トリフェニルメタンレーキ顔料) 2部 ステアリン酸アルミ化合物 1部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 3部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )8.5μmの正帯電性磁性トナー(4)を得た。
【0057】製造例5 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 60部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 正荷電制御剤(ニグロシン系染料) 1部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 3部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )8.5μmの正帯電性磁性トナー(5)を得た。
【0058】製造例6 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 5部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ系鉄錯体) 0.5部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 4部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )4.8μmの負帯電性磁性トナー(6)を得た。
【0059】製造例7 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 65部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ系鉄錯体) 0.5部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 6部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )7.5μmの負帯電性磁性トナー(7)を得た。
【0060】製造例8 スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合重量比7.5:2.5、Mw=29万) 磁性酸化鉄 65部 (BET値6.5m2 /g、σs=65.6emu/g) 負荷電制御剤(モノアゾ系鉄錯体) 0.5部 低分子量ポリプロピレン(Mw=6000) 6部 上記成分を、製造例1と同様にして重量平均粒径(D
4 )12.0μmの負帯電性磁性トナー(8)を得た。
【0061】(実施例1) 負帯電性磁性トナー(1) 100部 疎水性シリカ微粉体 0.7部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値200m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。また現像剤担持体として下記の構成の層厚約7μ
m、JIS中心線平均粗さ(Ra)0.8μmの樹脂層
を、表面が鏡面である直径16φのアルミニウム円筒上
に形成した現像スリーブを作製した。
【0062】 フェノール樹脂 100部 グラファイト(粒径約7μm) 90部 カーボンブラック 10部 該現像剤を用いて、市販の感光体に当接した帯電部材、
転写部材及び現像剤担持体に当接した現像剤規制部材を
有する画像形成装置(ヒューレットパッカード社製レー
ザージェットIIISi)の現像器の現像スリーブを上
記現像スリーブに交換した画像形成装置にて、23℃6
5%RH環境下画出しを行なった。その結果、図2
(a)に示したような転写中抜けの無い、また画像上に
飛び散りのない良好な画像が得られた。また、80μm
の1ドット潜像の解像も充分であった。この時、|Qd
|=62.5μC/g、|Qd|/|Qm|=3.6で
あった。
【0063】(実施例2) 負帯電性磁性トナー(2) 100部 疎水性シリカ微粉体 1.5部 (ポリジメチルシロキサン処理BET値250m2 /g) 上記混合物をヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を使用し実施例1と同様に画出ししたとこ
ろ、転写中抜け、現像剤飛び散りの無い良好な画像が得
られた。また、80μmの1ドット潜像の解像も充分で
あった。この時、|Qd|=75.5μC/g、|Qd
|/|Qm|=5.1であった。
【0064】(実施例3) 負帯電性磁性トナー(3) 100部 疎水性シリカ微粉体 1.3部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値250m2 /g) 上記混合物をヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を使用し実施例1と同様に画出ししたとこ
ろ、転写中抜け、現像剤飛び散りの無い良好な画像が得
られた。また、80μmの1ドット潜像の解像もドット
周辺に若干の飛び散りが見られたものの充分であった。
この時、|Qd|=92.5μC/g、|Qd|/|Q
m|=9.8であった。
【0065】(実施例4) 正帯電性磁性トナー(4) 100部 疎水性シリカ微粉体 0.7部 (アミノシランカップリング剤処理BET値200m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を用いて、感光体に当接した帯電部材、転
写部材及びトナー担持体に当接したトナー規制部材を有
する画像形成装置(キヤノン社製FC330)にて、2
3℃65%RH環境下画出しを行なった。その結果、わ
ずかな転写中抜けが認められたが実用上問題の無いレベ
ルであった。また画像上に飛び散りのない良好な画像が
得られた。この時、|Qd|=51.5μC/g、|Q
d|/|Qm|=3.7であった。
【0066】(実施例5) 正帯電性磁性トナー(5) 100部 疎水性シリカ微粉体 0.3部 (アミノシランカップリング剤処理BET値200m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を用いて、感光体に当接した帯電部材、転
写部材及びトナー担持体に当接したトナー規制部材を有
する画像形成装置(キヤノン社製FC330)にて、2
3℃65%RH環境下画出しを行なった。その結果、わ
ずかな転写中抜けが認められたが実用上問題の無いレベ
ルであった。この時、|Qd|=47.5μC/g、|
Qd|/|Qm|=2.7であった。
【0067】(実施例6) 負帯電性磁性トナー(6) 100部 疎水性シリカ微粉体 1.3部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値250m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を使用し実施例1と同様に画出ししたとこ
ろ、転写中抜け、現像剤飛び散りの無い良好な画像が得
られた。また、80μmの1ドット潜像の解像も良好で
あった。この時、実施例1〜3と比較してベタ部分にわ
ずかな濃度低下が認められたが実用上十分であった。こ
の時、|Qd|=98.5μC/g、|Qd|/|Qm
|=14.2であった。
【0068】(比較例1) 負帯電性磁性トナー(7) 100部 疎水性シリカ微粉体 0.6部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値200m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を用いて画像形成装置(ヒューレットパッ
カード社製レーザージェットIIISi)にて、23℃
65%RH環境下画出しを行なった。その結果、図2
(b)に示したような転写中抜けが発生した。また80
μmの1ドット潜像の現像において飛び散りが認められ
た。この時、|Qd|=33.5μC/g、|Qd|/
|Qm|=2.4であった。
【0069】(比較例2) 負帯電性磁性トナー(8) 100部 疎水性シリカ微粉体 0.4部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値200m2 /g) 上記混合物を、ヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を用いて実施例1と同様に画出しを行なっ
た。その結果、図2(b)に示したような転写中抜けが
発生した。また80μmの1ドット潜像の現像において
解像せず飛び散りとなって現像されドットとは言えない
状態であった。この時、|Qd|=13.5μC/g、
|Qd|/|Qm|=2.2であった。
【0070】(比較例3) 負帯電性磁性トナー(6) 100部 疎水性シリカ微粉体 2.0部 (ヘキサメチルジシラザン処理BET値200m2 /g) 上記混合物をヘンシェルミキサーで混合し現像剤とし
た。該現像剤を用いて実施例1と同様に画出しを行なっ
た。その結果、画像濃度が低く、また80μmの1ドッ
ト潜像の現像性も不十分なものであった。この時、|Q
d|=103.5μC/g、|Qd|/|Qm|=6.
2であった。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性トナ
ーによれば転写中抜けの無い、また飛び散りの無い高品
質な画像を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの帯電量測定に用いる装置の説明図であ
る。
【図2】転写中抜けの有無の状態を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 嶋村 正良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−273974(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/083

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性微粒子を含有する樹脂層で被覆さ
    れた現像剤担持体を用いる画像形成方法に用いられる一
    成分磁性現像剤であって、 該現像剤は、 少なくとも結着樹脂と磁性体を含有し、
    量平均粒径が4〜10μmであり、磁性体量が結着樹脂
    100重量部に対し5〜60重量部であり、該現 像剤の鉄粉に対する摩擦帯電量の絶対値の値を|Q
    d|、該現像剤の該現像剤担持体上における吸引法によ
    る帯電量の絶対値を│Qm│としたとき、 100≧|Qd|≧40μC/g15≧|Qd|/│Qm│≧2.5 を満足する ことを特徴とする一成分磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 導電性微粒子を含有する樹脂層で被覆さ
    れた現像剤担持体を用いる画像形成方法であって、 該現像剤担持体に担持される現像剤が、少なくとも結着
    樹脂と磁性体を含有し、重量平均粒径が4〜10μmで
    あり、磁性体量が結着樹脂100重量部に対し5〜60
    重量部である一成分磁性現像剤であり、 該現像剤の鉄粉に対する摩擦帯電量の絶対値の値を|Q
    d|、該現像剤の該現像剤担持体上における吸引法によ
    る帯電量の絶対値を|Qm|としたとき、100≧|Qd|≧40μC/g 15≧|Qd|/|Qm|≧2.5 を満足することを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 現像剤担持体上の現像剤を規制する部材
    が、現像剤を介して現像剤担持体に当接されていること
    を特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 転写部材が転写時に転写材を介して感光
    体に当接されていることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の画像形成方法。
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