JP3229882U - 動物用の処置器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】頭部の固定も確実で、かつ十分な処置領域を確保して処置作業を行う際の良好な作業環境を得ることが可能な動物用の処置器具を提供する。【解決手段】処置対象動物の口を開けた状態で保持して、口腔顎顔面領域の処置を行う際に使用する動物用の処置器具1であって、処置対象動物の顎部を載せる載置部20と、載置部20の一方の側に配置され、載置部20に載置された処置対象動物の顎部のうち、上顎及び下顎のうちのいずれか一方の顎係合部に係合させる第一の係合部材18と、この第一の係合部材18を支持する支持部材12、13と、載置部20に隣接して配置され、上顎及び下顎のうちの他方の顎係合部に係合させる第二の係合部材21と、第一の係合部材18及び第二の係合部材21を顎係合部に係合させた状態で離間方向に相対的に移動させる移動手段16、17とを有する。【選択図】図1
Description
本考案は、処置対象の動物(以下、処置対象動物と記載する)の口を開けた状態で保持して、処置対象動物の口腔顎顔面領域における処置を行う際に使用する動物用の処置器具に関する。
処置対象動物の口腔内において実験、診断、治療、検査などの処置を行う際に使用する開口器は古くから知られており(例えば特許文献1参照)、近年においても種々の改良がなされている(例えば特許文献2,3参照)。
特許文献1に記載の家畜開口器は、家畜の口腔内を横断する方向に配置された上下一対の枠桿と、前記上下一対の枠桿を連結する縦方向の左右一対のターンバックルとを有する枠状に形成されている。そして、この枠状の家畜開口器を動物の口腔内に挿入し、上下の枠桿のそれぞれを動物の上下の歯(門歯)の内側に係合させてターンバックルを回すことで、家畜の開口を行うようにしている。
特許文献1に記載の家畜開口器は、家畜の口腔内を横断する方向に配置された上下一対の枠桿と、前記上下一対の枠桿を連結する縦方向の左右一対のターンバックルとを有する枠状に形成されている。そして、この枠状の家畜開口器を動物の口腔内に挿入し、上下の枠桿のそれぞれを動物の上下の歯(門歯)の内側に係合させてターンバックルを回すことで、家畜の開口を行うようにしている。
また、特許文献2に記載の小動物用開口具は、ラットなどの小動物の口腔内を横断する方向に上下一対の金属細線が配置され、上下の金属細線の両端を口腔の外側で折り曲げてそれぞれコの字状の形態とし、コの字状に折り曲げた前記上下の金属細線が連続する基部にヘリカルループなどの弾性部を設けて、上下の金属細線を離間させる方向に弾発している。そして、上下の金属細線のそれぞれを小動物の上下の歯(門歯)の内側に係合させることで、前記弾性部の弾発力により、前記小動物の開口を行うようにしている。
また、特許文献3に記載の動物用開口器は、上下に平行に配置された一対のバー部材と、このバー部材に取り付けられ動物の歯に引っ掛ける紐と、前記一対のバー部材を支持する第一の枠体及び第二の枠体とを有し、中央の調整固定部材で前記第一の枠体と第二の枠体とを交叉させている。そして、前記紐を前記動物の上下の歯に引っ掛けた状態で、前記調整固定部材を軸支点として第一の枠体及び第二の枠体を回動させることで前記バー部材間の間隔を拡げ、動物の開口を行うようにしている。
しかし、特許文献1に記載の家畜開口器は、口腔内に枠状の開口器が挿入されるため、開口器が処置作業者の視界を妨げたり、処置作業を行う際に口腔内で開口器と器具とが干渉して処置作業をしにくくしたりするという問題がある。
また、特許文献2に記載の小動物開口器は、上下の金属細線を口腔外でコの字状に折り曲げて連結しているため、特許文献1の家畜開口器よりも広い視界を確保でき、歯科用ドリル、注射針、メス、ピンセット及びワイヤーなどの各種の処置用具と干渉する機会を減らすことができるものの、未だ上下の金属細線が口腔内を横断しているため、処置作業者の視界を妨げたり、口腔内で前記金属細線が前記処置用具と干渉するという問題は完全には解決することはできない。さらに、金属細線のコの字状に折り曲げた部分が小動物の顔の左右に位置しているため、処置作業者の手と干渉して処置作業をしにくくするという新たな問題が生じる。
また、特許文献2に記載の小動物開口器は、上下の金属細線を口腔外でコの字状に折り曲げて連結しているため、特許文献1の家畜開口器よりも広い視界を確保でき、歯科用ドリル、注射針、メス、ピンセット及びワイヤーなどの各種の処置用具と干渉する機会を減らすことができるものの、未だ上下の金属細線が口腔内を横断しているため、処置作業者の視界を妨げたり、口腔内で前記金属細線が前記処置用具と干渉するという問題は完全には解決することはできない。さらに、金属細線のコの字状に折り曲げた部分が小動物の顔の左右に位置しているため、処置作業者の手と干渉して処置作業をしにくくするという新たな問題が生じる。
特許文献3に記載の動物用開口器では、口腔外に配置された上下のバー部材に連結した紐を動物の歯に引っ掛けて開口を行うようにしているため、口腔内での視界を広く確保することができ、前記処置用具や処置作業者の手と干渉するような部材も口腔内外に存在せず、上記した特許文献1,2の問題を解決することができる。
しかし、上下のバー部材を支持するためにクロス状に連結された第一及び第二の枠体が動物の身体の左右に配置されているため、前記第一の枠体及び前記第二の枠体で囲堯された領域内に動物を挿入しなければならず、また、動物を第一及び第二の枠体の内側に配置した状態で前記第一の枠体又は前記第二の枠体を回動させて開口を行わなければならないことから、動物を開口器にセットしてから開口を行うまでの作業が煩雑で開口作業もしづらいという問題がある。
さらに、上記した特許文献1,2,3に記載の開口器では、処置作業を行う際に動物の頭部が動きやすく、処置作業中に動物の頭部が動いて精密な処置作業を行うことは困難であるという問題及び文献に記載の開口器は、上顎及び下顎のうちのいずれか一方の被処置部位(例えば臼歯部)の処置作業には適しているものの、他方の顎の被処置部位(例えば臼歯部)の処置作業がしづらいという問題がある。
本考案は、これら問題点を解決することのできる動物用の処置器具の提供を目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の考案は、処置対象である動物の口を開けた状態で保持して、口腔顎顔面領域の処置を行う際に使用する動物用の処置器具であって、処置対象動物の顎部を載せる載置部と、前記載置部の一方の側に配置され、前記載置部に載置された処置対象動物の前記顎部のうち、上顎及び下顎のうちのいずれか一方の顎係合部に係合させる第一の係合部材と、この第一の係合部材を支持する支持部材と、前記載置部に隣接して配置され、前記上顎及び下顎のうちの他方の顎係合部に係合させる第二の係合部材と、前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材のそれぞれを前記一方及び他方の顎係合部に係合させた状態で、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を離間する方向に相対的に移動させることで前記処置対象動物の口を所定の開口状態まで開口させる移動手段とを有するように構成されている。
請求項2に記載するように、前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材の少なくとも一方が、前記一方又は他方の前記顎係合部に係合する糸状、紐状又はリング状の部材から形成することができ、これらは請求項3に記載するように、前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材の少なくとも一方は、樹脂又はゴムを含む伸縮性の弾性部材から形成してもよい。
このような上係合部材又は下係合部材を係合させる顎係合部は処置対象動物の種類ごとに予め決定する。例えば請求項4に記載するように、処置対象動物の歯に前記第一及び第二の係合部材を引掛けるようにしてもよいし、特に前記処置対象動物がマウスやラットのような齧歯類の場合には、請求項5に記載するように前記上下の門歯に前記第一及び第二の係合部材を引掛けるようにしてもよい。
このような上係合部材又は下係合部材を係合させる顎係合部は処置対象動物の種類ごとに予め決定する。例えば請求項4に記載するように、処置対象動物の歯に前記第一及び第二の係合部材を引掛けるようにしてもよいし、特に前記処置対象動物がマウスやラットのような齧歯類の場合には、請求項5に記載するように前記上下の門歯に前記第一及び第二の係合部材を引掛けるようにしてもよい。
前記処置対象動物は地上や床面上又は基台上に立たせたまま又は寝かせた状態でその頭部を前記載置部に載せるようにしてもよいが、請求項6に記載するように、前記処置対象動物の身体を載置又は固定するベッドを設けてもよい。
このようなベッドを設けることで、前記処置対象動物の身体をベッド上で固定することができ、身体拘束の必要がある場合や、所定の姿勢を維持させる必要がある場合に有利である。このベッドは、請求項7に記載するように傾斜角度調整可能に設けてもよい。ベッドを水平状態から所定角度傾斜させることで、所定の処置がしやすくなる。
また、請求項8に記載するように、前記載置部はその前後位置を調整可能に設けるとよい。このようにすることで、上下の係合部材の前後位置の位置関係を調整したり、前記処置対象動物の頭部を最適位置で前記載置部に載置したりすることが容易になる。
このようなベッドを設けることで、前記処置対象動物の身体をベッド上で固定することができ、身体拘束の必要がある場合や、所定の姿勢を維持させる必要がある場合に有利である。このベッドは、請求項7に記載するように傾斜角度調整可能に設けてもよい。ベッドを水平状態から所定角度傾斜させることで、所定の処置がしやすくなる。
また、請求項8に記載するように、前記載置部はその前後位置を調整可能に設けるとよい。このようにすることで、上下の係合部材の前後位置の位置関係を調整したり、前記処置対象動物の頭部を最適位置で前記載置部に載置したりすることが容易になる。
また、請求項9に記載するように、前記載置部の少なくとも一部又は前記載置部に隣接して、前記処置対象動物の口腔顎顔面領域での処置を行う処置者の腕又は手を載置するアームレストを設けるとよい。このようなアームレストを設けることで、処置者による処置がしやすくなる。
請求項10に記載するように、前記支持部材が基台に立設された支柱と、この支柱から前記載置部まで延びる高さ位置調整可能なアームと、このアームの先端に高さ位置調整自在に設けられた高さ位置調整手段とを有し、前記第一の係合部材は前記高さ位置調整手段を介して前記アームに取り付けられている構成としてもよい。この場合は、請求項11に記載するように前記支柱が前記基台に対して傾斜角度調整可能に設けてもよい。
請求項10に記載するように、前記支持部材が基台に立設された支柱と、この支柱から前記載置部まで延びる高さ位置調整可能なアームと、このアームの先端に高さ位置調整自在に設けられた高さ位置調整手段とを有し、前記第一の係合部材は前記高さ位置調整手段を介して前記アームに取り付けられている構成としてもよい。この場合は、請求項11に記載するように前記支柱が前記基台に対して傾斜角度調整可能に設けてもよい。
本考案は上記のように構成されているので、前記載置部に処置対象動物の顎部を載せ、前記第一の係合部材を、例えばラット上顎の門歯などの顎係合部に引っ掛けるとともに前記第二の係合部材をラット下顎の門歯などの顎係合部に引っ掛け、前記移動手段によって前記第一の係合部材と前記第二の係合部材とを相対的に移動させるだけで処置対象動物の開口を行うことができ、処置対象動物のセットから開口までの一連の作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
また、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材によって開口を行う構成であるので、例えば前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を糸状や紐状又はリング状の細い部材から形成することで、口腔顎顔面領域に処置作業者の視界を妨げたり、処置用具や処置作業者の手と干渉したりする部材をほぼ無くすことができ、処置作業者の視界を良好に保ち、処置作業を容易にすることができる。
さらに、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を、樹脂やゴムなどの伸縮性の弾性部材から形成することで、前記顎係合部への前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材への係合をよりしやすくすることができる。
また、前記載置部に処置対象動物の顎部を載せた状態で、前記第一の係合部材と前記第二の係合部材とで引っ張って開口を行うので、処置対象動物の頭部をしっかりと固定することができ、精密な処置作業を行うことが容易になる。さらに、
うつ伏せ姿勢と仰向け姿勢との間の姿勢転換も容易で、かつ、姿勢転換の前後で処置対象動物の頭部をしっかりと固定することができる。
また、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材によって開口を行う構成であるので、例えば前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を糸状や紐状又はリング状の細い部材から形成することで、口腔顎顔面領域に処置作業者の視界を妨げたり、処置用具や処置作業者の手と干渉したりする部材をほぼ無くすことができ、処置作業者の視界を良好に保ち、処置作業を容易にすることができる。
さらに、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を、樹脂やゴムなどの伸縮性の弾性部材から形成することで、前記顎係合部への前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材への係合をよりしやすくすることができる。
また、前記載置部に処置対象動物の顎部を載せた状態で、前記第一の係合部材と前記第二の係合部材とで引っ張って開口を行うので、処置対象動物の頭部をしっかりと固定することができ、精密な処置作業を行うことが容易になる。さらに、
うつ伏せ姿勢と仰向け姿勢との間の姿勢転換も容易で、かつ、姿勢転換の前後で処置対象動物の頭部をしっかりと固定することができる。
以下、本考案の動物用の処置器具の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の動物用の処置器具の一実施形態にかかり、その全体構成を説明する斜視図である。なお、下記の説明において「上」又は「下」と記載するときは図1のZ方向の上下を、「前後」と記載するときは同Y方向の前後を、「左右」と記載するときには同X方向の左右を指すものとする。
処置器具1は、テーブルなどの作業台の上に載置又は固定される基台11と、この基体11に立設される支柱12と、この支柱12に高さ位置調整可能に取り付けられ、マウス・ラットなどの処置対象動物を載置するベッド15と、このベッド15の上方に配置され、支柱12から前方に延びるアーム13と、このアーム13の前端に設けられた第一の係合部材としての上引掛けリング18と、アーム13の前端の下方のベッド15上に取り付けられ、処置対象動物の頭部を載置するための載置部20と、この載置部20の前方に載置部20に隣接して配置された第二の係合部材としての下引掛けリング21とを有している。
図1は、本発明の動物用の処置器具の一実施形態にかかり、その全体構成を説明する斜視図である。なお、下記の説明において「上」又は「下」と記載するときは図1のZ方向の上下を、「前後」と記載するときは同Y方向の前後を、「左右」と記載するときには同X方向の左右を指すものとする。
処置器具1は、テーブルなどの作業台の上に載置又は固定される基台11と、この基体11に立設される支柱12と、この支柱12に高さ位置調整可能に取り付けられ、マウス・ラットなどの処置対象動物を載置するベッド15と、このベッド15の上方に配置され、支柱12から前方に延びるアーム13と、このアーム13の前端に設けられた第一の係合部材としての上引掛けリング18と、アーム13の前端の下方のベッド15上に取り付けられ、処置対象動物の頭部を載置するための載置部20と、この載置部20の前方に載置部20に隣接して配置された第二の係合部材としての下引掛けリング21とを有している。
[基台]
基台11は、処置対象動物の体重や処置作業時に作用する負荷などにより容易に撓んだり変形したりしないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。テーブルなどの作業台や床面(地面を含む)の一部を基台11として利用することも可能である。
基台11の形状は図1に示すような矩形状に限らず、設置場所や処置対象動物の種類などに応じて、三角形、多角形、円形、馬蹄形状など他の形状とすることができる。また、基台11には、処置作業の際に流下した処理対象動物の体液、血液、排泄物、処置液又は洗浄液などを受けることができるように、皿状の受けを設けてもよい。
上記したように、テーブルなどの作業台や床面の一部を基台11としてもよいが、この実施形態のように基台11をこれらとは別に形成する場合は、基台11をテーブルなどの作業台や床面の上に載置するようにしてもよいし、前記作業台や床面、構造物の壁面や柱などに、ボルト、アンカー、接着剤、両面テープなどで固定するようにしてもよい。また、基台11に高さ調整や折り畳みが可能な脚を取り付けてもよい。
基台11は、処置対象動物の体重や処置作業時に作用する負荷などにより容易に撓んだり変形したりしないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。テーブルなどの作業台や床面(地面を含む)の一部を基台11として利用することも可能である。
基台11の形状は図1に示すような矩形状に限らず、設置場所や処置対象動物の種類などに応じて、三角形、多角形、円形、馬蹄形状など他の形状とすることができる。また、基台11には、処置作業の際に流下した処理対象動物の体液、血液、排泄物、処置液又は洗浄液などを受けることができるように、皿状の受けを設けてもよい。
上記したように、テーブルなどの作業台や床面の一部を基台11としてもよいが、この実施形態のように基台11をこれらとは別に形成する場合は、基台11をテーブルなどの作業台や床面の上に載置するようにしてもよいし、前記作業台や床面、構造物の壁面や柱などに、ボルト、アンカー、接着剤、両面テープなどで固定するようにしてもよい。また、基台11に高さ調整や折り畳みが可能な脚を取り付けてもよい。
[支柱]
この実施形態において支柱12は、基台11の後端縁中央に立設される。支柱12は基台11と一体に形成されていてもよいし、ボルトやリベット、溶接などで取り付けられていてもよい。
支柱12は、ベッド15に載置または支持させた処置対象動物の体重や、処置作業の際に付加される力によって容易に撓まないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。
また、支柱12の中央には上下にガイド溝12aが形成され、後述するアーム13及びベッド15をこのガイド溝12aに沿って昇降させ、所定の高さ位置で位置決め固定できるようになっている。このように、アーム13とベッド15との間の距離Hは可変であるが、この距離は、処置対象動物の種類や大きさに依存し、前記処置対象動物に対して口腔内の処置を行う際に必要な最小限の開口量(必要最小開口量)より大きくする。
支柱12の高さは、ベッド15に載置または支持される処置対象動物の種類や大きさに応じて適切な高さのものを選択するが、アーム13とベッド15との間の距離Hとして前記した必要最小開口量を十分に確保できる高さとする。例えば処置対象動物がマウス・ラットなどの比較的小型の動物である場合は、支柱12の高さは、30cmから50cm程度を目安とすることができる。
この実施形態において支柱12は、基台11の後端縁中央に立設される。支柱12は基台11と一体に形成されていてもよいし、ボルトやリベット、溶接などで取り付けられていてもよい。
支柱12は、ベッド15に載置または支持させた処置対象動物の体重や、処置作業の際に付加される力によって容易に撓まないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。
また、支柱12の中央には上下にガイド溝12aが形成され、後述するアーム13及びベッド15をこのガイド溝12aに沿って昇降させ、所定の高さ位置で位置決め固定できるようになっている。このように、アーム13とベッド15との間の距離Hは可変であるが、この距離は、処置対象動物の種類や大きさに依存し、前記処置対象動物に対して口腔内の処置を行う際に必要な最小限の開口量(必要最小開口量)より大きくする。
支柱12の高さは、ベッド15に載置または支持される処置対象動物の種類や大きさに応じて適切な高さのものを選択するが、アーム13とベッド15との間の距離Hとして前記した必要最小開口量を十分に確保できる高さとする。例えば処置対象動物がマウス・ラットなどの比較的小型の動物である場合は、支柱12の高さは、30cmから50cm程度を目安とすることができる。
「ベッド」
ベッド15は、基台11と平行になるように支柱12に取り付けられる。ベッド15は、ガイド溝12aを挿通させたボルトやその他の取付部材によって、ガイド溝12aに沿って高さ位置調整可能に支柱12に取り付けられる。
ベッド15は、処置対象動物を載置または支持しやすいような形状とする。図示の例では、ラット・マウスのような小型の処置対象動物を載置しやすいように板状に形成してあるが、犬や猫などの中型の四つ脚動物又は牛・馬・豚のような大型の四つ脚動物を載置又は支持させるためには、図中仮想線で示すような孔15aを四カ所に貫通形成し、この孔15aに処置対象動物の脚を入れて、ベッド15で当該処置対象動物の胴部を支持又は載置するようにしてもよい。
ベッド15は、載置又は支持させた処置対象動物の体重や処置作業の際に付加される力によって容易に撓んだり変形したりしないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。
ベッド15は、基台11と平行になるように支柱12に取り付けられる。ベッド15は、ガイド溝12aを挿通させたボルトやその他の取付部材によって、ガイド溝12aに沿って高さ位置調整可能に支柱12に取り付けられる。
ベッド15は、処置対象動物を載置または支持しやすいような形状とする。図示の例では、ラット・マウスのような小型の処置対象動物を載置しやすいように板状に形成してあるが、犬や猫などの中型の四つ脚動物又は牛・馬・豚のような大型の四つ脚動物を載置又は支持させるためには、図中仮想線で示すような孔15aを四カ所に貫通形成し、この孔15aに処置対象動物の脚を入れて、ベッド15で当該処置対象動物の胴部を支持又は載置するようにしてもよい。
ベッド15は、載置又は支持させた処置対象動物の体重や処置作業の際に付加される力によって容易に撓んだり変形したりしないように、剛性を有する材料や断面形状で形成するのがよく、この条件を満たすのであれば、その材料は金属や樹脂、木材などから選択することができる。
「載置部」
載置部20は、ベッド15上の前方側に配置されていて、ボルト等でベッド15に取り付けられる。載置部20はベッド15上に載置した処置対象動物の顎部を載せるもので、処置対象動物の種類や大きさに合わせてベッド15の表面から処置作業のしやすい高さに設定される。
なお、本発明の開口器1は、処置対象動物を通常姿勢(上顎が上、下顎が下となる姿勢)で開口させることができるものであるが、処置対象動物を仰向けにした状態でも開口させることができる。処置対象動物の身体を仰向けとした場合、載置部20には処置対象動物の頭部が載置されることになるが、この明細書において載置部20に載置される処置対象動物の「顎部」(用語としての「顎部」)は、顎部を含む頭部も含まれる広い概念である。
載置部20は、ベッド15上の前方側に配置されていて、ボルト等でベッド15に取り付けられる。載置部20はベッド15上に載置した処置対象動物の顎部を載せるもので、処置対象動物の種類や大きさに合わせてベッド15の表面から処置作業のしやすい高さに設定される。
なお、本発明の開口器1は、処置対象動物を通常姿勢(上顎が上、下顎が下となる姿勢)で開口させることができるものであるが、処置対象動物を仰向けにした状態でも開口させることができる。処置対象動物の身体を仰向けとした場合、載置部20には処置対象動物の頭部が載置されることになるが、この明細書において載置部20に載置される処置対象動物の「顎部」(用語としての「顎部」)は、顎部を含む頭部も含まれる広い概念である。
載置部20には、処置者が処置対象動物の口腔内や歯の処置を行う際に、処置者の手を載せるアームレスト20aを設けるとよい。アームレスト20aは、処置者が手を置いた状態で処置がしやすい高さ、大きさ、硬さなどに形成するとよい。なお、このようなアームレストは、載置部20のアームレスト20aとは別に、載置部20近傍の適宜の位置に設けてもよい。
載置部20は、ベッド15上で前後方向に移動する移動部材22に取り付けられ、移動部材22はベッド15上に取り付けられたラック23に沿って移動するように構成されている。すなわち、ベッド15上には前後方向に延びるラック23が取り付けられ、移動部材22はこのラック23に沿って移動できるように嵌め付けられている。移動部材22の側面には、図示しないピニオンを備えたハンドル24が回転自在に設けられ、このハンドル24を回すことで、ラック23に噛合した前記ピニオンが回転し、移動部材22とともに載置部20を前後方向に進退移動させる。図示しないボルトなどの規制手段によって、載置部20を所定位置に位置決めして固定できるようにするとよい。
載置部20は、ベッド15上で前後方向に移動する移動部材22に取り付けられ、移動部材22はベッド15上に取り付けられたラック23に沿って移動するように構成されている。すなわち、ベッド15上には前後方向に延びるラック23が取り付けられ、移動部材22はこのラック23に沿って移動できるように嵌め付けられている。移動部材22の側面には、図示しないピニオンを備えたハンドル24が回転自在に設けられ、このハンドル24を回すことで、ラック23に噛合した前記ピニオンが回転し、移動部材22とともに載置部20を前後方向に進退移動させる。図示しないボルトなどの規制手段によって、載置部20を所定位置に位置決めして固定できるようにするとよい。
載置部20近傍の移動部材22には、第二の係合部材である下引掛けリング21が取り付けられている。この実施形態において下引掛けリング21は、柔軟性と伸縮性を有するシリコンなどの樹脂やゴムなどで形成されている。下引掛けリング21の径は、処置対象動物の下顎(仰向けにした場合は上顎)の門歯などの顎係合部に引っ掛けた際に、下引掛けリング21が弾性的に伸びて、その弾性により下顎(又は上顎)が載置部20に押し付けられるようなものを選択する。
[第一の係合部材及び支持部材]
支柱12には、ベッド15の上方でガイド溝12aに沿って昇降可能なスライダ14が取り付けられ、このスライダ14に、ベッド15と平行方向に載置部20の上方まで延びる支持部材としてのアーム13が設けられている。第一の係合部材である上引掛けリング18は、アーム13の前端に配置されている。上引掛けリング18は、アーム13の前端に形成された貫通孔を挿通する取付ボルト16の下端に取り付けられている。取付ボルト16には蝶ナット17が螺合され、この蝶ナット17を回転させることで、取付ボルト16とともに上引掛けリング18がアーム13に対して昇降する。この実施形態において上引掛けリング18は、金属製のリングから形成されている。
支柱12には、ベッド15の上方でガイド溝12aに沿って昇降可能なスライダ14が取り付けられ、このスライダ14に、ベッド15と平行方向に載置部20の上方まで延びる支持部材としてのアーム13が設けられている。第一の係合部材である上引掛けリング18は、アーム13の前端に配置されている。上引掛けリング18は、アーム13の前端に形成された貫通孔を挿通する取付ボルト16の下端に取り付けられている。取付ボルト16には蝶ナット17が螺合され、この蝶ナット17を回転させることで、取付ボルト16とともに上引掛けリング18がアーム13に対して昇降する。この実施形態において上引掛けリング18は、金属製のリングから形成されている。
以上の構成から、上引掛けリング18を処置対象動物の上顎(仰向けの場合は下顎)の門歯などの顎係合部に引っ掛け、蝶ナット17を回転させて上引掛けリング18を上昇させることで、処置対象動物の上顎(又は下顎)が引き上げられる。
アーム13及びスライダ14は、処置対象動物の上顎(又は下顎)を引き上げる際に容易に撓んだり、変形したりしないように、剛性を有する金属などで形成するとよい。また、支持部材を図示するような長尺のアーム13とする場合は、必要に応じて、図1に示すように、アーム13を支える補助アーム13aを設けるとよい。
アーム13及びスライダ14は、処置対象動物の上顎(又は下顎)を引き上げる際に容易に撓んだり、変形したりしないように、剛性を有する金属などで形成するとよい。また、支持部材を図示するような長尺のアーム13とする場合は、必要に応じて、図1に示すように、アーム13を支える補助アーム13aを設けるとよい。
[別の実施形態]
図2及び図3は上記した本発明の開口器の別の実施形態を示す斜視図である。
先の実施形態と同一部材・同一部位には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2の実施形態の処置器具1は、支柱12が基台11に対してX方向の軸を支点として回動可能かつ所定の傾斜角度で位置決め固定可能に取り付けられている。支柱12を基台11に対して回動可能に取り付ける構成は、特に図示はしないが、例えば支柱12にブラケットを設け、支柱12の基部をこのブラケットにX方向の軸で軸支させ、ボルトやナットで位置決め・固定する公知の構成とすることができる。このようにすることで、ベッド15を、図2の中矢印Iで示す前後方向に傾斜させ、処置作業のしやすい所定の傾斜角度で位置決めして固定することが可能になる。
図2及び図3は上記した本発明の開口器の別の実施形態を示す斜視図である。
先の実施形態と同一部材・同一部位には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2の実施形態の処置器具1は、支柱12が基台11に対してX方向の軸を支点として回動可能かつ所定の傾斜角度で位置決め固定可能に取り付けられている。支柱12を基台11に対して回動可能に取り付ける構成は、特に図示はしないが、例えば支柱12にブラケットを設け、支柱12の基部をこのブラケットにX方向の軸で軸支させ、ボルトやナットで位置決め・固定する公知の構成とすることができる。このようにすることで、ベッド15を、図2の中矢印Iで示す前後方向に傾斜させ、処置作業のしやすい所定の傾斜角度で位置決めして固定することが可能になる。
また、図3の実施形態の処置器具1は、ベッド15が支柱12に対してY方向の軸を支点として回動可能かつ所定の傾斜角度で位置決め固定可能に取り付けられている。ベッド15を支柱12に対して回動可能に取り付ける構成は、特に図示はしないが、例えば支柱12にベッド15を取り付けるボルトを、ガイド溝12aを挿通させてベッド15の基部に形成したねじ孔に螺入するようにするとよい。このようにすることで、ベッド15を、図3の中矢印Iで示す左右方向に傾斜させ、処置作業のしやすい所定の傾斜角度で位置決めして固定することが可能になる。
図2又は/及び図3の開口器のように構成することで、処置対象の動物を載置又は支持するベッド15を、前後方向又は/及び左右方向に傾斜させることができ、処置作業をよりしやすくすることができる。
図2又は/及び図3の開口器のように構成することで、処置対象の動物を載置又は支持するベッド15を、前後方向又は/及び左右方向に傾斜させることができ、処置作業をよりしやすくすることができる。
[作用の説明]
次に、図4〜図6を参照しながら上記構成の処置器具1の作用を説明する。
下記の説明では、実験用の小型動物であるラットRを処置対象動物として、その開口を行うものとして説明する。
図4はラットRの口Raを開口させる様子を説明する図、図5は、本発明の処置器具1を用いたラットRの開口の様子を示す写真、図6はラットRを仰向けにした場合における開口の様子を説明する写真である。
初期状態においてアーム13及び上引掛リング18は、ベッド15上のラットRの身体と干渉しない高さ位置に位置している。載置部20は、移動部材22を前後に移動させることによって、上引掛リング18の下方に位置している。
次に、図4〜図6を参照しながら上記構成の処置器具1の作用を説明する。
下記の説明では、実験用の小型動物であるラットRを処置対象動物として、その開口を行うものとして説明する。
図4はラットRの口Raを開口させる様子を説明する図、図5は、本発明の処置器具1を用いたラットRの開口の様子を示す写真、図6はラットRを仰向けにした場合における開口の様子を説明する写真である。
初期状態においてアーム13及び上引掛リング18は、ベッド15上のラットRの身体と干渉しない高さ位置に位置している。載置部20は、移動部材22を前後に移動させることによって、上引掛リング18の下方に位置している。
図4及び図5(a)に示すように、麻酔によって睡眠状態としたラットRを、うつ伏せ姿勢でベッド15の上に載せ、顎部(下顎)を載置部20の上に載せる。処置対象動物がラットRのような齧歯類である場合、上引掛けリング18及び下引掛けリング21を引っ掛けて開口させるのに適した上顎及び下顎の顎係合部は門歯Rbであるから、ラットRの口Raを少し開いて下顎側の門歯Rbに伸縮性を有する下引掛けリング21を引っ掛ける。これにより、下引掛けリング21が伸びてその弾性により下顎が載置部20に押し付けられる。
この状態で、取付ボルト16に螺合された蝶ナット16を緩めて上引掛けリング18を下降させ、ラットRの口Raを少し開いて上顎側の門歯Rbに上引掛けリング18を引っ掛ける。この後、蝶ナット16を締めて上引掛けリング18を上昇させ、ラットRの口Raを開いていく。
処置に必要な開口量になったところで蝶ナット16の回転を停止させて、ラットRの開口状態を維持させる。
この状態で、取付ボルト16に螺合された蝶ナット16を緩めて上引掛けリング18を下降させ、ラットRの口Raを少し開いて上顎側の門歯Rbに上引掛けリング18を引っ掛ける。この後、蝶ナット16を締めて上引掛けリング18を上昇させ、ラットRの口Raを開いていく。
処置に必要な開口量になったところで蝶ナット16の回転を停止させて、ラットRの開口状態を維持させる。
図5(b)に示すように、ラットRを仰向けにしてベッド15に載置する場合は、その頭部を載置部20に載せ、ラットRの口Raを少し開いて上顎側の門歯Rbに伸縮性を有する下引掛けリング21を引っ掛ける。これにより、下引掛けリング21が伸びてその弾性によりラットRの頭部が載置部20に押し付けられる。この状態で、取付ボルト16に螺合された蝶ナット16を緩めて上引掛けリング18を下降させ、ラットRの口Raを少し開いて下顎側の門歯Rbに上引掛けリング18を引っ掛ける。この後、蝶ナット16を締めて上引掛けリング18を上昇させ、ラットRの口Raを開いていく。
このように、本発明の処置器具1はラットRがうつ伏せ状態でも仰向け状態でも簡単にラットRの開口を行うことができる。
このように、本発明の処置器具1はラットRがうつ伏せ状態でも仰向け状態でも簡単にラットRの開口を行うことができる。
本発明の処置器具1によれば、上引掛けリング18及び下引掛けリング21によりラットRの口Raを開口させた後は、口腔周囲の処置作業に必要な領域A(図4参照)に処置作業の邪魔になるような部材が存在せず、処置対象部の目視を妨げることもない。また、アームレスト20aに処置作業者の手を載せることで、処置作業が楽になり、精密な作業もし易くなる。
そのため、図6に示すように、歯科用ドリル、注射針、メス、ピンセット、ワイヤーなどの各種の処置用具Tを用いた処置対象動物(ラットR)の口腔内や歯の処置作業を、十分な処置作業領域と視界を確保しつつ、良好な作業環境の下で効率よく行うことができる。特に、図2及び図3に示す処置器具1のように、ベッド15を前後又は左右に傾けることができるようにすれば、より良好な作業性で効率よく処置作業を行うことができる。
また、特に図示はしないが本発明の処置器具1によれば、口腔内の歯や歯肉に限らず、顎、頬、唇及び鼻腔などを含む口腔顎顔面領域における種々の処置にも適用が可能で、例えば顔面を外側から切開して顎骨を削る処置などにも好適に適用が可能である。
そのため、図6に示すように、歯科用ドリル、注射針、メス、ピンセット、ワイヤーなどの各種の処置用具Tを用いた処置対象動物(ラットR)の口腔内や歯の処置作業を、十分な処置作業領域と視界を確保しつつ、良好な作業環境の下で効率よく行うことができる。特に、図2及び図3に示す処置器具1のように、ベッド15を前後又は左右に傾けることができるようにすれば、より良好な作業性で効率よく処置作業を行うことができる。
また、特に図示はしないが本発明の処置器具1によれば、口腔内の歯や歯肉に限らず、顎、頬、唇及び鼻腔などを含む口腔顎顔面領域における種々の処置にも適用が可能で、例えば顔面を外側から切開して顎骨を削る処置などにも好適に適用が可能である。
本考案の好適な実施形態について説明したが、本考案は上記の実施形態に限られない。
例えば、上記の説明で第二の係合部材である下引掛けリング21は、伸縮性を有するシリコンなどの樹脂やゴムで形成されているとして説明したが、締結長さを調整できるタイラップ(結束バンド)など他のものであってもよい。このようなタイラップは、門歯などの顎係合部にタイラップを係合させて締め付けることで、処置対象動物の頭部を載置部に固定することができる。
また、第一の係合部材である上引掛けリング18は、金属製のリングから形成されているものとして説明したが、下引掛けリング21と同様に、伸縮性を有するシリコンなどの樹脂やゴム、タイラップ等で形成してもよい。さらに、上引掛けリング18を移動させるものとしたが、下引掛けリング21を移動させてもよく、上引掛けリング18及び下引掛けリング21の両方を移動できるように構成してもよい。
また、ベッド15は特に設けなくてもよく、基台11に処置対象動物を載置するようにしてもよい。この場合、基台11はテーブルなどの作業台や床面(地面)を利用してもよい。
またさらに、支柱12やアーム13等の代わりに柱や梁、天井を用いてもよく、例えばアーム13を前記柱に取り付けるようにしてもよいし、上引掛けリング18を梁や天井から吊り下げるようにしてもよい。
例えば、上記の説明で第二の係合部材である下引掛けリング21は、伸縮性を有するシリコンなどの樹脂やゴムで形成されているとして説明したが、締結長さを調整できるタイラップ(結束バンド)など他のものであってもよい。このようなタイラップは、門歯などの顎係合部にタイラップを係合させて締め付けることで、処置対象動物の頭部を載置部に固定することができる。
また、第一の係合部材である上引掛けリング18は、金属製のリングから形成されているものとして説明したが、下引掛けリング21と同様に、伸縮性を有するシリコンなどの樹脂やゴム、タイラップ等で形成してもよい。さらに、上引掛けリング18を移動させるものとしたが、下引掛けリング21を移動させてもよく、上引掛けリング18及び下引掛けリング21の両方を移動できるように構成してもよい。
また、ベッド15は特に設けなくてもよく、基台11に処置対象動物を載置するようにしてもよい。この場合、基台11はテーブルなどの作業台や床面(地面)を利用してもよい。
またさらに、支柱12やアーム13等の代わりに柱や梁、天井を用いてもよく、例えばアーム13を前記柱に取り付けるようにしてもよいし、上引掛けリング18を梁や天井から吊り下げるようにしてもよい。
本考案の動物用の処置器具は、ラット・マウスなどの小動物に限らず、犬、猫、サルなどの中型の動物にも適用が可能である。また、大学その他の研究機関における実験動物に限らず、動物病院での治療や検査の対象となる動物、牧場、農園、動物園など飼育されている牛、馬、豚、羊その他の動物の口腔顎顔面領域における処置にも適用が可能である。
1:処置器具
11:基台
12:支柱
12a:ガイド溝
13:アーム
14:スライダ
15:ベッド
16:取付ボルト
17:蝶ナット
18:上引掛けリング
20:載置部
21:下引掛けリング
22:移動部材
23:ラック
24:ハンドル
H:アームとベッドとの間の距離
R:処置対象動物
Ra:口
Rb:門歯
T:処置用具
11:基台
12:支柱
12a:ガイド溝
13:アーム
14:スライダ
15:ベッド
16:取付ボルト
17:蝶ナット
18:上引掛けリング
20:載置部
21:下引掛けリング
22:移動部材
23:ラック
24:ハンドル
H:アームとベッドとの間の距離
R:処置対象動物
Ra:口
Rb:門歯
T:処置用具
Claims (11)
- 処置対象である動物の口を開けた状態で保持して、口腔顎顔面領域の処置を行う際に使用する動物用の処置器具であって、
処置対象動物の顎部を載せる載置部と、
前記載置部の一方の側に配置され、前記載置部に載置された処置対象動物の前記顎部のうち、上顎及び下顎のうちのいずれか一方の顎係合部に係合させる第一の係合部材と、
この第一の係合部材を支持する支持部材と、
前記載置部に隣接して配置され、前記上顎及び下顎のうちの他方の顎係合部に係合させる第二の係合部材と、
前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材のそれぞれを前記一方及び他方の顎係合部に係合させた状態で、前記第一の係合部材又は前記第二の係合部材を離間する方向に相対的に移動させることで前記処置対象動物の口を所定の開口状態まで開口させる移動手段と、
を有することを特徴とする動物用の処置器具。 - 前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材の少なくとも一方が、前記一方又は他方の前記顎係合部に係合する糸状、紐状又はリング状の部材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物用の処置器具。
- 前記第一の係合部材及び前記第二の係合部材の少なくとも一方が、樹脂又はゴムを含む伸縮性の弾性部材から形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物用の処置器具。
- 前記顎係合部が、前記処置対象動物の歯であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動物用の処置器具。
- 前記処置対象動物が齧歯類である場合に、前記顎係合部が上下の門歯であることを特徴とする請求項4に記載の動物用の処置器具。
- 前記処置対象動物の身体を載置又は固定するベッドを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の動物用の処置器具。
- 前記ベッドが傾斜角度調整可能に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の動物用の処置器具。
- 前記載置部が前後位置調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の動物用の処置器具。
- 前記載置部の少なくとも一部又は前記載置部に隣接して、前記処置対象動物の口腔顎顔面領域での処置を行う処置者の腕又は手を載置するアームレストを設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の動物用の処置器具。
- 前記支持部材が基台に立設された支柱と、この支柱から前記載置部まで延びる高さ位置調整可能なアームと、このアームの先端に高さ位置調整自在に設けられた高さ位置調整手段とを有し、前記第一の係合部材は前記高さ位置調整手段を介して前記アームに取り付けられていること、
を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の動物用の処置器具。 - 前記支柱が前記基台に対して傾斜角度調整可能に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の動物用の処置器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020004334U JP3229882U (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | 動物用の処置器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020004334U JP3229882U (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | 動物用の処置器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3229882U true JP3229882U (ja) | 2020-12-24 |
Family
ID=73835877
Family Applications (1)
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JP2020004334U Active JP3229882U (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | 動物用の処置器具 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3229882U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113101004A (zh) * | 2021-04-22 | 2021-07-13 | 广西医科大学 | 一种大鼠开口器 |
-
2020
- 2020-10-07 JP JP2020004334U patent/JP3229882U/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113101004A (zh) * | 2021-04-22 | 2021-07-13 | 广西医科大学 | 一种大鼠开口器 |
CN113101004B (zh) * | 2021-04-22 | 2022-12-02 | 广西医科大学 | 一种大鼠开口器 |
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