JP3229480B2 - インク噴射装置の駆動電極形成方法 - Google Patents

インク噴射装置の駆動電極形成方法

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JP3229480B2 JP5009494A JP5009494A JP3229480B2 JP 3229480 B2 JP3229480 B2 JP 3229480B2 JP 5009494 A JP5009494 A JP 5009494A JP 5009494 A JP5009494 A JP 5009494A JP 3229480 B2 JP3229480 B2 JP 3229480B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の駆動
電極形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタヘッドに圧電式インクジェット
を利用したものが近年提案されている。これは、圧電ア
クチュエータの寸法変位によってインク室の容積を変化
させることにより、その容積減少時にインク室内のイン
クを噴射し、容積増大時にインク室内にインクを導入す
るようにしたものである。そして、このようなインク室
を多数互いに近接して配設し、所定の位置のインク室か
らインクを噴射させることにより、所望する文字や画像
を形成するのである。
【0003】このようなインク噴射装置としては、例え
ば図18に示すようなものがある。以下、インク噴射装
置41の一部の断面図を示す図18によって具体的に説
明すると、複数の隔壁3を有し、かつ矢印21の方向に
分極処理を施した圧電セラミックス板1とアルミナ等の
セラミックスで形成されたフタ18とを接合すること
で、横方向に互いに間隔を有する多数の平行なインク室
16が形成される。そのインク室16は長方形断面の長
くて狭いものであり、隔壁3はインク室16の全長にわ
たって伸びている。隔壁3の表面の下半分(あるいは上
半分)の領域には、駆動電圧印加用の駆動電極4が形成
されている。インクが導電性材料であるか、あるいは、
信頼性、耐久性を向上させる場合については駆動電極4
の上より保護膜(図示しない)が作製される。
【0004】インク噴射装置41には、図19に示され
ている電気回路が設けられている。この電気回路におい
て、駆動電極4a〜4hがそれぞれ別々にLSIチップ
31に接続され、クロックライン32、データライン3
3、電圧ライン34およびアースライン35もLSIチ
ップ31に接続されている。インク室16a〜16cは
隣合わない第1、第2のグループに分けられており、ク
ロックライン32から供給された連続するクロックパル
スによりLSIチップ31が、この第1、第2グループ
を続けて駆動する。データライン33上に現れる多ビッ
ト・ワード形式のデータのよりLSIチップ31が、各
グループのどのインク室16a〜16cを作動すべきか
を決定し、選ばれたグループのインク室16の駆動電極
4に電圧ライン34の電圧Vを印加する。この選ばれた
インク室16の両隔壁3が圧電効果による変形をする。
このとき作動されていない同一グループのインク室16
の駆動電極4と、他のグループに属する全てのインク室
16の駆動電極4はアースライン35に接続される。
【0005】図19は所定の印字データに従って、イン
ク室16bが選択された場合を示しており、インク室1
6b内の駆動電極4d,4eに電圧ライン34の電圧V
が印加され、他の駆動電極4a,4b,4c,4f,4
g,4hはアースライン35に接続される。すると、隔
壁3b,3cの駆動電極4を形成した部分には分極方向
と直交する駆動電界25、26が各々発生するので圧電
厚みすべり効果の変形により隔壁3b,3cが、くの字
形にインク室16bの外に向かって変形する。このため
インク室16bの容積増加に伴って図示しない前記イン
ク供給部からインクが補充される。また、電圧の印加が
遮断され隔壁3b,3cが元の位置まで戻ると、インク
室16bの容積が減少しインク室16b内のインクが噴
射口(図示しない)を通って噴射される。尚、例えば他
のインク室16cが選択された場合には、隔壁3c,3
dが変形させられてインク室16c内のインクが噴射さ
れる。
【0006】従来、駆動電極4は、例えば特開平2−1
50355号公報に開示されている方法により形成され
ている。この公報に記載された方法によれば、まず強誘
電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラ
ミックス材料にて分極方向に分極処理を施し、ダイヤモ
ンドカッティング円盤の回転またはレーザー等により互
いに平行で等しい幅の複数の溝2(図20)を切ること
によりインク室16を形成するための圧電セラミックス
板1を製造する。次に、隔壁3に駆動電極4を真空蒸着
法により形成する。この時、図20に示すように前記圧
電セラミックス板1を、蒸発源19に対して角度ψだけ
傾斜させることで、隔壁3のシャドー効果より隔壁3に
おける開口部側の必要な領域だけに駆動電極4となる導
電性薄膜を形成し、その後、隔壁3の頭頂部15の導電
性薄膜を除去して、駆動電極4が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報に記載されているような従来のこの種のインク噴
射装置41の隔壁3への駆動電極形成方法においては、
隔壁3が一方向に分極された圧電セラミックスで形成さ
れているので、隔壁3の図1中下半分の領域に駆動電極
4を形成するために隔壁3のシャドー効果を利用した真
空蒸着を行う。そこで、その蒸発源19から蒸発する金
属粒子は、放射状に飛ぶため、蒸発源19と駆動電極4
を形成する隔壁3との距離を大きくとる必要があり、蒸
着金属の直進性を利用して、蒸発源19から蒸発した金
属粒子の一部だけを利用して隔壁3に蒸着するので、駆
動電極4の形成速度が遅く生産効率の非常に悪いという
問題があった。またさらに、大容量の真空系が必要であ
り、設備が高価なものとなり、作製コストが高くなると
いう問題があった。
【0008】本発明の目的は、上述した問題点を解決す
るためになされたものであり、短時間にて容易に、さら
に低コストで形成できる、インク噴射装置の駆動電極形
成方法を提示することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、圧電材料で形成された隔壁に
よって隔てられた複数の溝を有するアクチュエータプレ
ートと、前記アクチュエータプレートの前記溝の開口部
を塞ぐカバー部材と、前記隔壁の一部分に形成され、電
界を発生させるための駆動電極とを有するインク噴射装
置の駆動電極形成方法において、前記アクチュエータプ
レートの前記隔壁の側面全面に、フォトレジスト膜を形
成する第一工程と、前記隔壁の、前記駆動電極を形成す
るための一部分の前記レジスト膜とその他の部分の前記
レジスト膜との一方に選択的に光線を照射する第二工程
と、前記両部分のいずれか一方の前記レジスト膜を残し
て他の前記レジスト膜を除去する第三工程と、その第三
工程で除去されずに前記隔壁に残った前記レジスト膜上
を含む前記隔壁の側面全面に導電性膜を形成する第四工
程と、前記第三工程で除去されずに前記隔壁に残った前
記レジスト膜と共に、そのレジスト膜上の導電性膜を除
去して、前記一部分のみに前記駆動電極を得る第五工程
とからなることを特徴とする。
【0010】請求項2では、前記第二工程の前記光線
は、前記隔壁のシャドー効果によって、所望する部分に
照射されることを特徴とする。
【0011】請求項3では、前記第三工程は、現像によ
り前記レジスト膜が除去されることを特徴とする。
【0012】請求項4では、前記第五工程のレジスト膜
の除去は、溶剤によって行われることを特徴とする。
【0013】請求項5では、圧電材料で形成された隔壁
によって隔てられた複数の溝を有するアクチュエータプ
レートと、前記アクチュエータプレートの前記溝の開口
部を塞ぐカバー部材と、前記隔壁の一部分に形成され、
電界を発生させるための駆動電極とを有するインク噴射
装置の駆動電極形成方法において、前記アクチュエータ
プレートの前記隔壁の側面全面に、導電性膜を形成する
第一工程と、前記導電性膜上にフォトレジスト膜を形成
する第二工程と、前記隔壁の、前記駆動電極を形成する
ための前記一部分の前記レジスト膜とその他の部分の前
記レジスト膜との一方に選択的に光線を照射する第三工
程と、前記両部分のいずれか一方の前記レジスト膜を残
して他の前記レジスト膜を除去する第四工程と、前記第
四工程で除去された前記レジスト膜に対応した位置の
導電性膜を除去する第五工程と、前記第四工程で除去
されなかった前記レジスト膜を除去して、前記一部分の
みに前記駆動電極を得る第六工程とからなることを特徴
とする。
【0014】請求項6では、前記第三工程の前記光線
は、前記隔壁のシャドー効果によって、所望する部分に
照射されることを特徴とする。
【0015】請求項7では、前記第四工程は、現像によ
り前記レジスト膜が除去されることを特徴とする。
【0016】請求項8では、前記第五工程の導電性膜の
除去は、エッチングによって行われることを特徴とす
る。
【0017】請求項9では、前記第六工程のレジスト膜
の除去は、溶剤によって行われることを特徴とする。
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1のインク
噴射装置の駆動電極形成方法では、前記アクチュエータ
プレートの前記隔壁の側面全面に形成されたレジスト膜
の所望の部分に光線が照射される。そして、前記光線が
照射された部分もしくは、前記光線が照射されなかった
部分のレジスト膜が除去され、前記隔壁の側面全面に導
電性膜が形成された後、除去されずに前記隔壁に残った
レジスト膜と共に、そのレジスト膜上の導電性膜が除去
されて、隔壁の一部分のみに前記駆動電極が得られる。
【0018】請求項5のインク噴射装置の駆動電極形成
方法では、アクチュエータプレートの隔壁の側面全面に
形成された導電性膜上にフォトレジスト膜が形成され、
次に、前記レジスト膜の所望の部分に光線が照射され
る。そして、前記光線が照射された部分もしくは、前記
光線が照射されなかった部分のレジスト膜が除去され、
除去された前記レジスト膜に対応した位置の導電性膜が
除去された後、除去されなたかった前記レジスト膜が除
去されて、隔壁の一部分のみに前記駆動電極が得られ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体化した第一実施例を、図
面を参照して詳細に説明する。尚、 上述した従来例と
同一部位、及び均等部位には同一符号をつけて説明す
る。
【0020】図1に示すように、アクチュエータープレ
ートとしての圧電セラミックス板1は、強誘電性を有す
るチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材
料で形成され、矢印21の方向に分極処理を施した厚さ
約1mmの板であり、ダイヤモンドカッティング円盤の
回転またはレーザー等により平行な複数の溝2が形成さ
れている。その溝2は例えば幅90μm、高さ400μ
mの長方形断面で紙面に対して垂直方向に約10mmの
長さで延びている。また、溝2のピッチは所望の印字解
像度、例えば170μmである。次に、図6に示すよう
に後記の方法により隔壁3の上半分の領域にNi等の導
電性薄膜からなる駆動電極4を形成する。そして、必要
に応じて駆動電極4の上から保護膜(図示しない)を作
製した後、圧電セラミックス板1の溝2の開口部側にフ
タ18(図18)が接着されて、横方向に互いに間隔を
有する多数の平行なインク室16(図18)が形成され
る。このように構成されたインク噴射装置は、従来と同
様にLSIチップ31(図19)によって駆動されて各
インク室16からインクが噴射される。
【0021】以下、駆動電極4としてのNi膜を、隔壁
3の開口部から半分の領域にコーティングする例につい
て説明する。
【0022】まず、圧電セラミックス板1の溝2加工側
の面及び溝2の内面に全体に、図2に示すようにフォト
レジスト剤を塗布して、フォトレジスト膜5を形成す
る。(第一工程)。このフォトレジスト剤は、可視光だ
けでなく紫外線やX線等も含めた、ある特定波長の光線
に反応して選択的に硬化させることが可能な物性を持つ
もので、例えば特定波長の光線を照射した後現像すると
現像液に対し不溶となるもの(ネガタイプ)や、特定波
長の光線を照射した後現像すると現像液に溶けて除去さ
れるもの(ポジタイプ)がある。第一実施例の説明にお
いては後者の物性を持つポジフォトレジスト剤を用いて
説明する。このフォトレジスト剤の塗布方法としては、
たとえばスピンコート法等を用い、フォトレジスト膜5
を薄く均一に形成することが望ましい。
【0023】次に、図3に示すように、紫外線光源(図
示せず)から照射される紫外線6を、前記圧電セラミッ
クス板1の隔壁3の長手方向に対して直角であり、且つ
圧電セラミックス板1の溝2加工側の面に対して角度ψ
傾けた方向より、隔壁3の一方の面に照射した後、更に
紫外線光源に対する圧電セラミックス板1の位置を変え
て同様にして紫外線6を隔壁3の他方の面に照射する
(第二工程)。この角度ψについては、例えば隔壁3の
高さの寸法をH、溝2の溝幅の寸法をWとした場合、t
anψ=(2・W)/Hをみたす角度ψをもってすれ
ば、隔壁3の開口部より半分の領域にのみ紫外線6が照
射される。その後に、専用の現像液により現像を行っ
て、紫外線6が照射された部分のフォトレジスト膜5を
現像液に溶解させて除去し、照射されなかった部分を残
す(第三工程)。すなわち図4に示すように隔壁3に
は、隔壁3のシャドー効果より紫外線6が照射されなか
った部分にのみレジスト層7が形成される。
【0024】次に、駆動電極4となる導電性薄膜100
を、例えばNiの無電解メッキ法を用いて約0.5μm
の厚みで図5に示すように圧電セラミックスプレート1
の溝2加工側の面及び溝2の内面の全体に形成する(第
四工程)。Niの無電解メッキ法については周知の技術
なので詳細な説明は省くが、無電解メッキの前に、塩化
パラジウムにより活性化処理を施し、その後、錯化剤、
還元剤を入れた硫酸ニッケル浴中で、カソードに圧電セ
ラミックス板1を取り付け、アノードに白金の電極を取
り付け、カソードとアノードの間に2dA/cmの電
流密度で電流を流すことにより、圧電セラミックスプレ
ート1の溝2加工側の面及び溝2の内面の全体にNi膜
を形成することができる。ただし溝2に対しては、前処
理により触媒を均一に形成し、かつ、メッキ浴の流れを
十分もたせることでNi膜を比較的均一な厚みに形成す
る。次に、アセトン等の有機溶剤によってレジスト層7
及びそのレジスト層7に付着した導電性薄膜100を除
去し、後に隔壁3の頭頂部15の導電性薄膜100を除
去する事によって、図6に示すように隔壁3の開口部側
の必要な領域だけに駆動電極4を形成する(第五工
程)。
【0025】このようにして駆動電極4を形成すれば、
従来の真空蒸着の手法によらずにメッキ処理により駆動
電極4を短時間にて容易に、かつ、低コストに形成する
ことができる。
【0026】また、上述の第一実施例においては、隔壁
3の開口部側の半分の領域に駆動電極4を形成する手法
について述べたが、隔壁3の溝2の底部側の半分の領域
に駆動電極4を形成しても隔壁3の変形は変わらない。
【0027】そこで、次に本発明による第二実施例を図
7〜図11を参照して詳細に説明する。なお、上述した
従来例、及び第一実施例と同一部位、及び均等部位には
同一符号をつけて説明する。
【0028】まず、前記第一実施例と同様の方法によっ
て、図7に示すように圧電セラミックス板1の溝2加工
側の面及び溝2の内面の全体にフォトレジスト剤を塗布
して、フォトレジスト膜5aを形成する(第一工程)。
第二実施例では、フォトレジスト剤としてネガタイプの
フォトレジスト剤を用いる。
【0029】次に、図8に示すように、紫外線光源(図
示せず)から照射される紫外線6を前記圧電セラミック
ス板1の隔壁3に対して角度ψより照射して、隔壁3の
開口部より半分の領域にのみ紫外線6を照射する(第二
工程)。この紫外線6の照射の後に現像処理を行うこと
により、フォトレジスト膜5aはシャドー効果より紫外
線6が照射された領域のみが現像液に対して不溶となっ
てパターンとして残り、紫外線6が照射されなかった領
域のフォトレジスト膜5aが溶けて除去される(第三工
程)。すなわち図9に示されたように紫外線6が照射さ
れた隔壁3の上半分及び頭頂部15にレジスト層7が形
成される。
【0030】次に、第一実施例と同様に導電性薄膜10
0を無電解メッキ法により図10に示すように圧電セラ
ミックスプレート1の溝2加工側の面及び溝2の内面の
全体に形成する(第四工程)。その後、図示しないアセ
トン等の有機溶剤によって隔壁3の側面と頭頂部15の
レジスト層7及びそのレジスト層7に付着した導電性薄
膜100を一緒に除去して、図11に示すように、溝2
の底部から側壁3の中央までの必要な領域だけの駆動電
極4を形成する(第五工程)。
【0031】このようにして駆動電極4を形成すれば、
真空蒸着の手法によらずにメッキ処理により駆動電極4
を短時間にて容易に、かつ、低コストに形成することが
できる。また、本実施例においては、このように駆動電
極4を形成すれば、隔壁3の頭頂部15に導電性材料が
付着することが無く、頭頂部15の導電性薄膜の除去工
程を必要としない。
【0032】続いて第三実施例を図12〜図17を参照
して詳細に説明する。なお、上述した従来例、及び前記
実施例と同一部位、及び均等部位には同一符号をつけて
説明する。前述の第一、第二の実施例では、隔壁3のシ
ャドー効果によって予めレジスト層7を形成し、その後
に導電性薄膜100を形成した上でレジスト層7を除去
するという工程であるが、レジスト層7を除去するため
には導電性薄膜100に亀裂が生じて、溶剤がレジスト
層7に浸透する必要がある。しかし導電性薄膜100が
強固に形成されていると、溶剤がレジスト層7まで浸透
することが困難となり、一部残膜するおそれがある。そ
こで工程順番を変更し、さきに導電性薄膜を形成し、続
いてレジスト膜を形成し、斜め露光、及び現像処理によ
り隔壁上部のみにレジスト層を残し、露出した導電性薄
膜部分をエッチングにより除去し、最後にレジスト層を
除去することで所望する部分にのみ駆動電極を形成する
ことができる。さらに詳細な作製方法を以下に述べる。
【0033】まず圧電セラミックス板1の溝2形成側の
面及び溝2の内面の全体に、図12のように、第一実施
例、第二実施例と同様に無電解メッキ法を用いて駆動電
極4となる導電性薄膜100を形成する(第一工程)。
【0034】続いて、図13に示すように導電性薄膜1
00の表面にレジスト膜5cを形成する。このレジスト
膜5cは例えば電着レジスト(東亜合成社製、ネガタイ
プ)を用いて、電着によりコーティングする(第二工
程)。これは、帯電した電着レジストを用いてメッキと
同じ原理により導電体上に析出させる方法によって形成
されるものである。これにより、形成した導電性薄膜1
00膜上にレジスト膜5cをコンフォーマルに形成でき
る。その後、紫外線光源(図示しない)から、図14に
示すように溝2の上方より特定波長の平行光である紫外
線6を、隔壁3の長手方向に対して直角であり、且つ圧
電セラミックス板1の溝2形成側の面に対して角度ψ傾
けた方向より、隔壁3の一方の面に一定時間照射した後
に、更に紫外線光源に対する圧電セラミックス板1の位
置を変えて、同様にして紫外線6隔壁3の他方の面に同
じ時間照射する(第三工程)。
【0035】次に、専用の現像液により現像すると、紫
外線6が照射された隔壁3の上半分及び頭頂部にレジス
ト膜5cが残り、紫外線6の照射されなかった部分のレ
ジスト膜5cが溶解し除去される。すなわち、図15に
示すように、隔壁3の上半分及び頭頂部15にレジスト
層7が形成される(第四工程)。次に、隔壁3のレジス
ト膜5cが除去された位置には導電性薄膜100が露出
しており、これを塩化第2鉄溶液によりエッチング除去
する(第五工程)。最後にレジスト層7をアセトン等の
有機溶剤により溶解除去する(第六工程)。このように
して、図16に示すように導電性薄膜100が隔壁3の
上半分及び頭頂部15にのみ形成された状態となる。こ
の後、隔壁3の頭頂部15に残っている導電性薄膜10
0をラッピング等で除去することによって、図17に示
すように隔壁3に駆動電極4が形成される。
【0036】以上ネガタイプのレジストを用いた場合に
ついて説明したが、ポジのレジストを用いても同様の工
程を経ることにより、隔壁3の下半分に駆動電極4が形
成することができる。この時は隔壁3の頭頂部15の導
電性薄膜100を除去する工程が省かれる。
【0037】以上説明した工程により、電極Ni膜の形
成が真空プロセスを使うことなく、メッキ及び露光、現
像、エッチング等の廉価な工程のみで形成できる。従っ
て短時間にて容易に、且つ低コストでインク噴射装置が
作製できる。なお、上述の各実施例では駆動電極4とし
てNiを例にしたが、クロム(Cr)、アルミ(A
l)、金(Au)等、それらの積層、その他導電性の膜
ならばなんでもよく、その形成法も電解、無電解のメッ
キどちらでもよい。またレジストもその種類を限定しな
い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1のインク噴射装置の駆動電極形成方法によれば、
前記アクチュエータプレートの前記隔壁の側面全面に形
成されたレジスト膜の所望の部分に光線を照射し、レ
スト膜を選択的に除去して、次に前記隔壁の側面全面に
導電性膜を形成した後、除去されずに前記隔壁に残った
レジスト膜と共に、そのレジスト膜上の導電性膜を除去
することによって、隔壁の一部分のみに前記駆動電極を
形成しているので、従来のような真空系を用いることな
く、短時間にて容易に、低コストで駆動電極を形成する
ことができる。
【0039】請求項5のインク噴射装置の駆動電極形成
方法によれば、アクチュエータプレートの隔壁の側面全
面に形成された導電性膜上にフォトレジスト膜を形成
し、前記レジスト膜の所望の部分に光線を照射し、レ
スト膜を選択的に除去し、次に除去された前記レジスト
膜に対応した位置の導電性膜を除去した後、除去され
った前記レジスト膜を除去することによって、隔壁の
一部分のみに前記駆動電極を形成しているので、従来の
ような真空系を用いることなく、短時間にて容易に、低
コストで駆動電極を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のインク噴射装置の圧電セ
ラミックス板を示す説明図である。
【図2】本発明の第一実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト膜を示す説明図である。
【図3】本発明の第一実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト膜への紫外線照射を示す説明図である。
【図4】本発明の第一実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト層を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施例のインク噴射装置に形成さ
れた導電性薄膜を示す説明図である。
【図6】本発明の第一実施例のインク噴射装置の圧電セ
ラミックスプレートに形成された駆動電極を示す説明図
である。
【図7】本発明の第二実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト膜を示す説明図である。
【図8】本発明の第二実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト膜への紫外線照射を示す説明図である。
【図9】本発明の第二実施例のインク噴射装置に形成さ
れたレジスト層を示す説明図である。
【図10】本発明の第二実施例のインク噴射装置に形成
された導電性薄膜を示す説明図である。
【図11】本発明の第二実施例のインク噴射装置の圧電
セラミックスプレートに形成された駆動電極を示す説明
図である。
【図12】本発明の第三実施例のインク噴射装置に形成
された導電性薄膜を示す説明図である。
【図13】本発明の第三実施例のインク噴射装置に形成
されたレジスト膜を示す説明図である。
【図14】本発明の第三実施例のインク噴射装置に形成
されたレジスト膜への紫外線照射を示す説明図である。
【図15】本発明の第三実施例のインク噴射装置に形成
されたレジスト層を示す説明図である。
【図16】本発明の第三実施例のインク噴射装置におけ
る、レジスト層及び所定の部分の導電性薄膜が除去され
た圧電セラミックスプレートを示す説明図である。
【図17】本発明の第三実施例のインク噴射装置の圧電
セラミックスプレートに形成された駆動電極を示す説明
図である。
【図18】本発明のインク噴射装置を示す断面図であ
る。
【図19】従来例のインク噴射装置の動作の説明図であ
る。
【図20】従来例のインク噴射装置用駆動電極の形成方
法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックス板 2 溝 3 隔壁 4 駆動電極 5 フォトレジスト膜 5a フォトレジスト膜 5c フォトレジスト膜 6 紫外線 7 レジスト層 15 頭頂部 16 インク室 18 フタ 100 導電性薄膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16 B41J 2/175

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料で形成された隔壁によって隔て
    られた複数の溝を有するアクチュエータプレートと、前
    記アクチュエータプレートの前記溝の開口部を塞ぐカバ
    ー部材と、前記隔壁の一部分に形成され、電界を発生さ
    せるための駆動電極とを有するインク噴射装置の駆動電
    極形成方法において、 前記アクチュエータプレートの前記隔壁の側面全面に、
    フォトレジスト膜を形成する第一工程と、前記隔壁の、前記駆動電極を形成するための前記一部分
    の前記レジスト膜とその他の部分の前記レジスト膜との
    一方に選択的に 光線を照射する第二工程と、前記両部分のいずれか一方の前記レジスト膜を残して他
    前記レジスト膜を除去する第三工程と、その第三工程で除去されずに前記隔壁に残った前記レジ
    スト膜上を含む 前記隔壁の側面全面に導電性膜を形成す
    る第四工程と、 前記第三工程で除去されずに前記隔壁に残った前記レジ
    スト膜と共に、そのレジスト膜上の導電性膜を除去し
    て、前記一部分のみに前記駆動電極を得る第五工程とか
    らなることを特徴とするインク噴射装置の駆動電極形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第二工程の前記光線は、前記隔壁の
    シャドー効果によって、所望する部分に照射されること
    を特徴とする請求項1記載のインク噴射装置の駆動電極
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第三工程は、現像により前記レジス
    ト膜が除去されることを特徴とする請求項1記載のイン
    ク噴射装置の駆動電極形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第五工程のレジスト膜の除去は、溶
    剤によって行われることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンク噴射装置の駆動電極形成方法。
  5. 【請求項5】 圧電材料で形成された隔壁によって隔て
    られた複数の溝を有するアクチュエータプレートと、前
    記アクチュエータプレートの前記溝の開口部を塞ぐカバ
    ー部材と、前記隔壁の一部分に形成され、電界を発生さ
    せるための駆動電極とを有するインク噴射装置の駆動電
    極形成方法において、 前記アクチュエータプレートの前記隔壁の側面全面に、
    導電性膜を形成する第一工程と、 前記導電性膜上にフォトレジスト膜を形成する第二工程
    と、前記隔壁の、前記駆動電極を形成するための前記一部分
    の前記レジスト膜とその他の部分の前記レジスト膜との
    一方に選択的に 光線を照射する第三工程と、前記両部分のいずれか一方の前記レジスト膜を残して他
    の前記 レジスト膜を除去する第四工程と、 前記第四工程で除去された前記レジスト膜に対応した位
    置の前記導電性膜を除去する第五工程と、 前記第四工程で除去されなかった前記レジスト膜を除去
    して、前記一部分のみに前記駆動電極を得る第六工程と
    からなることを特徴とするインク噴射装置の駆動電極形
    成方法。
  6. 【請求項6】 前記第三工程の前記光線は、前記隔壁の
    シャドー効果によって、所望する部分に照射されること
    を特徴とする請求項5記載のインク噴射装置の駆動電極
    形成方法。
  7. 【請求項7】 前記第四工程は、現像により前記レジス
    ト膜が除去されることを特徴とする請求項5記載のイン
    ク噴射装置の駆動電極形成方法。
  8. 【請求項8】 前記第五工程の導電性膜の除去は、エッ
    チングによって行われることを特徴とする請求項5記載
    のインク噴射装置の駆動電極形成方法。
  9. 【請求項9】 前記第六工程のレジスト膜の除去は、溶
    剤によって行われることを特徴とする請求項5記載のイ
    ンク噴射装置の駆動電極形成方法。
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