JP3228692U - 引戸用の引手 - Google Patents
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Abstract
【課題】引戸に取り付ける固定ネジが室外側に表出せず、施工性と量産性などに富む引手を提供する。【解決手段】引戸用の引手は、室外側引手本体Hfと室内側引手本体Hrとで構成され、室外側引手本体Hfの埋込み皿10を形作る囲い短辺壁10bの中央部から室内側へ張り出した取付片に、固定ネジ16の挿入孔15を貫通形成する一方、室内側引手本体Hrの埋込み皿10を形作る囲い短辺壁10bの中央部に、取付片の受け入れ凹欠と固定ネジ19の挿入孔18を設ける。室外側引手本体Hfを固定ネジ16によって引戸Dへ取り付けた後、その取付片へ取付片用受け入れ凹欠を差し込み係合して、室内側引手本体Hrにより室外側引手本体Hfの固定ネジ16を被覆状態に保ち、室内側引手本体Hrを固定ネジ19によって引戸Dへ取り付ける。【選択図】図12
Description
本考案は引戸に埋込み使用される引手に関する。
縦に細長い楕円形又は長方形をなす埋込み皿と、その開口周縁部から連続的に張り出す化粧フランジとから成る引手本体の一対を引戸の埋込み口へ、その室内側と室外側とから上記埋込み皿のフラットな底壁同士が言わば背中合わせとなる埋込み状態に各々取り付け固定する引戸用の引手は、周知であると言える。
その一対の引手本体を取り付け固定する手段として、釘や木ネジなどの固定具を使用し、その固定具を上記埋込み皿における向かい合う上下一対の囲い短辺壁へ、その埋込み皿の狭い内部から垂直姿勢に正しく取り付け固定することは困難であって、誤って少しでも傾斜した姿勢に取り付け固定されると、その固定具の頭部が埋込み皿の内壁面から突出したり、その内壁面を不正に変形したりして、ここに掛けた引戸用開閉操作手の指先を負傷するおそれがあるほか、引手の外観を損なう問題もある。
そこで、上記釘や木ネジなどの固定具を使用せずに、一対の引手本体を引戸へ埋設施工する引手が、特許文献1、2に例示されている。
特許文献1、2に記載の引手では、その何れも一対の引手本体における埋込み皿(手掛け凹部)の向かい合う同士を、弾性係止部材(介助板/係合片)によって係止するようになっており、その弾性係止部材が室内側と室外側との何れにも表出しない点で、引手の優れた外観を得られる利点がある反面、未だ次の問題もある。
つまり、特許文献1に記載された引手の構成では、一対の引手本体(1)における手掛け部(3)の左右両側面に介助板(5)(5)を固着し、その介助板(5)(5)の先端位置に形成した係合取付部(7)(7)(8)(8)同士を、雌雄関係での弾力的に嵌合しているに過ぎず、その両引手本体(1)は引戸(a)へ直に固定されていないため、その引戸(a)に対する両引手本体(1)の取付強度と取付状態の安定性に劣り、引戸(a)の開閉を繰り返すうちに、ガタツキを生じることは必至である。
また、上記弾性係止部材としての介助板(5)(5)に、各々複数の凸起(6)(6)や弾発力が発揮される係合取付部(7)(7)(8)(8)を加工しなければならず、その製造上のコスト高となる。
他方、特許文献2に記載された引手の構成でも、一方の引手本体(1)における手掛け凹部(3)の上下両端部付近に係合片(6)(7)を取り付け固定し、他方の引手本体(2)における手掛け凹部(16)の対応位置する上下両端部に係止部(19)(23)を造形して、その係合片(6)(7)と係止部(19)(23)とを弾力的に係止しているにとどまり、その両引手本体(1)(2)はやはり引戸(T)へ直に固定されていない。従って、特許文献1と同じ上記問題がある。
更に、板バネ材から成る係合片(6)(7)の上下一対について、各々弾性変形可能な吸収部(11)(14)や押圧部(12)(15)、爪状の外止部(10)(10)(13)(13)を加工する必要がある一方、上記係止部(19)(23)の上下一対についても傾斜面(21)(25)や受圧部(20)(24)、外止受部(22)(22)(26)(26)を特殊加工しなければならず、その製造上のコストが上記特許文献1よりもますます高価となり、量産性に劣る。
本考案はこのような問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では縦に細長い楕円形又は長方形をなす埋込み皿の開口周縁部から、化粧フランジが連続的に張り出す引手本体の一対を引戸へ、その室内側と室外側とから上記埋込み皿の底壁同士が背中合わせとなる埋込み状態に各々取り付け固定する引戸用の引手において、
室外側引手本体の埋込み皿を形成する上下一対の囲い短辺壁の中央部から、取付片を各々背後の室内側へ連続的に張り出して、
その上下一対の取付片に固定ネジ挿入孔を上記囲い短辺壁の水平面と鋭角に交叉する傾斜姿勢として、室外側への指向状態に各々貫通形成する一方、
室内側引手本体の埋込み皿を形成する上下一対の囲い短辺壁の中央部に、上記室外側引手本体の取付片用受け入れ凹欠を各々対応形成すると共に、
固定ネジ挿入孔をその囲い短辺壁の水平面と上記室外側引手本体の固定ネジ挿入孔よりも大きな鋭角に交叉する傾斜姿勢として、やはり室外側への指向状態に各々貫通形成し、
上記室外側引手本体をその取付片の固定ネジ挿入孔へ背後の室内側から挿入される固定ネジによって、引戸へ取り付け固定した後、その室外側引手本体の取付片へ室内側引手本体の上記取付片用受け入れ凹欠を差し込み係合して、その室内側引手本体により上記室外側引手本体の固定ネジを被覆状態に保ち、
上記室内側引手本体をその固定ネジ挿入孔へ同じく室内側から挿入される固定ネジによって、引戸へ取り付け固定するように構成したことを特徴とする。
請求項2では室外側引手本体の固定ネジ挿入孔がその囲い短辺壁の水平面と交叉する鋭角を、55度に設定する一方、室内側引手本体の固定ネジ挿入孔がその囲い短辺壁の水平面と交叉する鋭角を、74度に設定したことを特徴とする。
また、請求項3では室外側引手本体と室内側引手本体の埋込み皿を各々形成する両囲い短辺壁の内壁面を、その囲い短辺壁の水平面と16度の鋭角に交叉する傾斜面として造形し、
その室内側引手本体の埋込み皿における上記囲い短辺壁の傾斜面に、室内側引手本体の固定ネジ挿入孔を開口させる一方、
室外側引手本体の埋込み皿における上記囲い短辺壁の中央部から張り出す取付片に、その囲い短辺壁の水平面と35度の鋭角に交叉する傾斜面を造形すると共に、
その取付片の傾斜面に室外側引手本体の固定ネジ挿入孔を開口させたことを特徴とする。
更に、請求項4では室外側引手本体の固定ネジ挿入孔と室内側引手本体の固定ネジ挿入孔が、何れも皿孔であり、
その各固定ネジ挿入孔を通じて引戸へねじ込まれる固定ネジは、何れも皿頭を備えた木ネジであることを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、室外側引手本体の固定ネジ挿入孔がその室外側引手本体の埋込み皿を形成する囲い短辺壁から室内側(背後方向)へ張り出す取付片に、その囲い短辺壁の水平面と鋭角に交叉する傾斜姿勢として室外側への指向状態に貫通形成されており、その室内側から固定ネジ挿入孔を通じて引戸へねじ込まれる固定ネジにより、その引戸へ室外側引手本体が取り付け固定されるようになっているため、その固定ネジが室外側引手本体から表出することはなく、引手の優れた外観(意匠性)を確保することができる。
また、上記室外側引手本体を引戸へ固定した後、室内側引手本体の埋込み皿を形成する囲い短辺壁の中央部に、その囲い短辺壁の水平面と上記室外側引手本体の固定ネジ挿入孔よりも大きな鋭角に交叉する傾斜姿勢として室外側への指向状態に貫通形成された室内側引手本体の固定ネジ挿入孔を通じて、室内側から引戸へねじ込まれる固定ネジにより、その引戸へ室内側引手本体が取り付け固定されるようになっており、その室内側引手本体によって上記室外側引手本体の固定ネジが被覆されるため、その固定ネジは室内側引手本体から表出することもない。外界から全然見えないのである。
その場合、室外側引手本体の固定ネジ挿入孔を通じて引戸へねじ込まれる固定ネジの軸線と、室内側引手本体の固定ネジ挿入孔を通じて同じ引戸へねじ込まれる固定ネジの軸線とは、その両者の固定ネジ挿入孔における上記囲い短辺壁の水平面と交叉する鋭角の大きさに大小差があることに基づいて、平行状態にならず、その固定ネジ同士の先端部へ行く程互いに大きく拡開又は遠く離隔する関係状態になるため、木質の引戸に亀裂や割れなどの損傷を生じるおそれがなく、保守・点検時などに増し締めを支障なく行えることとも相俟って、優れた耐用性を得られる。
更に、室外側引手本体の埋込み皿を形成する囲い短辺壁の中央部から、室内側(背後方向)へ連続的に張り出す取付片と、室外側引手本体の埋込み皿を形成する囲い短辺壁の中央部に設けられた取付片用受け入れ凹欠とが、抜き差し自在に差し込み係合されるようになっているため、これに基づく両引手本体の位置決め芯出し作用により、その両引手本体を引戸へ安定良く正確に取り付け固定することができ、優れた施工性も得られる。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、その合理的な設定条件のもとで、上記引手を容易に取り付け施工することができ、引戸に対する取付強度と取付状態の安定性も向上する。
請求項3の構成を採用するならば、室外側引手本体の固定ネジと室内側引手本体の固定ネジとの何れも、その室内側から固定ネジ挿入孔を通じて引戸へ、容易に正しくねじ込み作業することができ、施工性の向上に役立つ。
また、請求項4の構成を採用するならば、室外側引手本体の固定ネジと室内側引手本体の固定ネジとの何れも、その皿頭をこれと対応合致する皿孔から成る固定ネジ挿入孔へ、確実に安定良く埋没させることができ、その突出によって引戸開閉操作手の指先を負傷したり、引手の外観を阻害したりするおそれはない。
以下、図面に基いて本考案の好適な実施形態を詳述する。図1〜5はその実施形態に係る引戸用の引手(H)を構成する一対の引手本体(Hf)(Hr)のうち、その室外側引手本体(Hf)を示しており、図6〜10は室内側引手本体(Hr)を示している。また図11〜13はその両引手本体(Hf)(Hr)を木質の引戸(D)へ取り付け固定した施工状態を示している。
先ず、室外側引手本体(Hf)と室内側引手本体(Hr)との共通する構成について言えば、その両者は何れも縦に細長い楕円形又は長方形(例えば140mm×25mmの大きさ)の埋込み皿(10)と、その開口周縁部から連続的に張り出すフラットな化粧フランジ(11)とを備え、全体として横断面のハット形をなす1ピースのアルミダイカスト製品であり、その埋込み皿(10)が引戸(D)の埋込み口(12)へ埋設された時には、化粧フランジ(11)がその埋込み口(12)の開口周縁部へ被覆状態に係止することになる。
上記埋込み皿(10)は左右一対の囲い長辺壁(10a)と上下一対の囲い短辺壁(10b)並びにフラットな底壁(10c)とから成り、そのうち囲い長辺壁(10a)の外壁面と内壁面は図5、10から明白なように、何れも底壁(10c)とほぼ直角に交叉するフラットな垂直面をなし、その内壁面へ引戸開閉操作手の指先を確実に安定良く掛け止めることができるようになっている。埋込み皿(10)の深さは一例として15mmである。
これに対して、図4、9から明白なように、埋込み皿(10)における囲い短辺壁(10b)の外壁面が実質上フラットな水平面(h−h)をなすに比し、その内壁面はフラットな底壁(10c)と鈍角(α)(図例では104度)に交叉する傾斜面(13)をなしている。その傾斜面(13)は上記水平面(h−h)と鋭角(β)(図例では16度)に交叉している。
次に、室外側引手本体(Hf)と室内側引手本体(Hr)との相違する構成について説明すると、その室外側引手本体(Hf)の上記埋込み皿(10)を形成する両囲い短辺壁(10b)の中央部からは、図2〜5に示すように、上下一対の四角形な取付片(14)が各々室内側に向かって(背後方向へ)連続的に張り出されている。その一対の取付片(14)は上下対称形態になっている。
しかも、その取付片(14)は図4から明白なように上記囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と鋭角(δ)(図例では55度)に交叉する傾斜姿勢として、室外側への指向状態に貫通形成されている。
その固定ネジ挿入孔(15)へ背後の室内側から挿入される固定ネジ(16)を、引戸(D)へねじ込むことによって、その引戸(D)へ室外側引手本体(Hf)を取り付け固定することができるようになっている。
図示実施形態の場合、固定ネジ挿入孔(15)が上記取付片(14)の傾斜面(14a)に開口する皿孔として、これと対応合致する皿頭を備えた固定ネジである木ネジ(16)が、その皿孔を通じて引戸(D)へねじ込まれるようになっているが、これと異なる頭部形態の固定ネジ並びにその挿入孔形態を採用しても良い。
他方、上記室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を形成する両囲い短辺壁(10b)の中央部には、図6〜10から明白なように、上下一対の四角形な取付片用受け入れ凹欠(17)が各々対応形成されており、上記室外側引手本体(Hf)の取付片(14)をその受け入れ凹欠(17)の内部へ受け入れ係合することによって、両引手本体(Hf)(Hr)を自ずとその長手中心線(垂直中心線)上での芯出し状態に位置決めすることができるようになっている。その一対の取付片用受け入れ凹欠(17)も上下対称形態をなしている。
また、同じく室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を形成する両囲い短辺壁(10b)の中央部には、その内壁面の上記傾斜面(13)から固定ネジ挿入孔(18)が図9のように、囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と上記室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)よりも大きな鋭角(θ)(図例では74度)に交叉する傾斜姿勢として、やはり室外側を指向する状態に貫通形成されている。
その固定ネジ挿入孔(18)へ室内側から挿入される固定ネジ(19)を、引戸(D)へねじ込むことによって、その引戸(D)へ室内側引手本体(Hr)を取り付け固定することができるようになっている。
図示の実施形態では、その固定ネジ挿入孔(18)が上記囲い短辺壁(10b)における内壁面の傾斜面(13)に開口する皿孔として、これと対応合致する皿頭を備えた固定ネジである木ネジ(19)が、その皿孔を通じて引戸(D)へねじ込まれるようになっているが、これと異なる頭部形態の固定ネジ並びにその挿入孔形態を採用してもさしつかえない。もっとも、室外側引手本体(Hf)の固定ネジ(16)と室内側引手本体(Hr)の固定ネジ(19)とは互いに同一であることが好ましい。
要するに、室外側引手本体(Hf)の埋込み皿(10)を形成する囲い短辺壁(10b)の中央部から張り出す取付片(14)の傾斜面(14a)から、その囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と鋭角(δ)に交叉する傾斜姿勢として、室外側への指向状態に貫通形成された固定ネジ挿入孔(15)を通じて、木質の引戸(D)へねじ込まれる固定ネジ(16)と、室内側引手本体(Hr)の同じく埋込み皿(10)を形成する囲い短辺壁(10b)の中央部における内壁面の傾斜面(13)から、やはり囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と大きな鋭角(θ)に交叉する傾斜姿勢として、室外側への指向状態に貫通形成された固定ネジ挿入孔(18)に沿って、同じ引戸(D)へねじ込まれる固定ネジ(19)とは、その共通の水平面(h−h)と交叉する鋭角(δ)(θ)の大きさについて、図4、9や図12から明白なように、室外側引手本体(Hf)における固定ネジ(16)のそれが小さく、室内側引手本体(Hr)における固定ネジ(19)のそれが大きく相違変化されており、その両引手本体(Hf)(Hr)における固定ネジ(16)(19)の軸線(F―F)(R−R)同士が先端部へ行く程、互いに大きく拡開又は遠く離隔するようになっているのである。
本考察の図示実施形態に係る引戸用の引手(H)は、上記構成を備えた室外側引手本体(Hf)と室内側引手本体(Hr)との一対から成るため、これらを引戸(D)へ取り付け施工するに当っては、次の順序で行う。
即ち、その木質の引戸(D)に貫通形成された埋込み口(12)へ、先ず室外側引手本体(Hf)を図14のように、その化粧フランジ(11)が埋込み口(12)の開口周縁部に係止するまで差し込み嵌合させ、その埋込み口(10)における上下一対の囲い短辺壁(10b)の中央部から背後の室内側へ張り出している取付片(14)の固定ネジ挿入孔(15)を通じて、その室内側から図外の回動工具により固定ネジ(16)を引戸(D)へねじ込み、その引戸(D)へ室外側引手本体(Hf)を埋込み状態に取り付け固定する。
次いで、室内側引手本体(Hr)を同じく引戸(D)の埋込み口(12)へ図15〜17のように、室内側から上記室外側引手本体(Hf)とその底壁(10c)同士が言わば背中合わせとなるように差し込み嵌合させる。その際には図13や図17から明白なように、室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を形成している両囲い短辺壁(10b)の取付片用受け入れ凹欠(17)を、先に固定されている室外側引手本体(Hf)の上記取付片(14)へ差し込み係合させて、その両引手本体(Hf)(Hr)を長手中心線(垂直中心線)上での芯出し状態に保つ。
このような準備状態では、室外側引手本体(Hf)を引戸(D)へ取り付け固定している固定ネジ(16)が、室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を形成している囲い短辺壁(10b)によって被覆されることになり、その頭部が室内側へ見苦しく露出することはない。
それから、室内側引手本体(Hr)の上記囲い短辺壁(10b)に貫通形成されている固定ネジ挿入孔(18)を通じて、その室内側から図外の回動工具により固定ネジ(19)を引戸(D)へねじ込み、その引戸(D)へ室内側引手本体(Hr)も埋込み状態に取り付け固定する。
このようにして引手(H)を引戸(D)へ取り付け完了した状態では、図12や図17から明白なように、その室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)と室内側引手本体(Hr)の固定ネジ挿入孔(18)とが共通する囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と交叉する鋭角(δ)(θ)の大きさについて、その室外側引手本体(Hf)における固定ネジ挿入孔(15)のそれが小さく、室内側引手本体(Hr)における固定ネジ挿入孔(18)のそれが大きく相違変化されており、その両固定ネジ挿入孔(15)(18)を通じて引戸(D)へねじ込まれる固定ネジ(16)(19)の軸線(F−F)(R−R)同士が、そのネジの先端部へ行く程互いに大きく拡開又は遠く離隔することになるため、その両固定ネジ(16)(19)のねじ込みによって、木質の引戸(D)に亀裂や割れなどの損傷を生じるおそれがなく、その耐用性を向上できるのである。
また、室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)は、その埋込み皿(10)を形成している両囲い短辺壁(10b)の中央部から背後の室内側へ張り出す取付片(14)に貫通形成されており、その固定ネジ挿入孔(15)から引戸(D)へねじ込まれる固定ネジ(16)は、室外側引手本体(Hf)に全然表出せず、その頭部も後付けされる室内側引手本体(Hr)の囲い短辺壁(10b)によって被覆されるため、図18に示す優美な外観を得られることになる。
更に、室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)は上記囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と鋭角(γ)(先に例示した35度)に交叉する上記取付片(14)の傾斜面(14a)に開口していると共に、室内側引手本体(Hr)の固定ネジ挿入孔(18)はその囲い短辺壁(10b)における上記水平面(h−h)と鋭角(β)(先に例示した16度)に交叉する傾斜面(内壁面)(13)に開口しているため、室外側引手本体(Hf)の固定ネジ(16)と室内側引手本体(Hr)の固定ネジ(19)を何れも図12や図17のように、その固定ネジ挿入孔(15)(18)を通じて引戸(D)へ容易にねじ込み作業することができ、施工性も向上する。
その場合、図示実施形態のように上記固定ネジ挿入孔(15)(18)を何れも皿孔として、その皿孔と対応合致する皿頭付きの固定ネジ(木ネジ)(16)(19)を挿入するように設定するならば、その固定ネジ(16)(19)の皿頭が上記皿孔に埋没し、上記取付片(14)の傾斜面(14a)や囲い短辺壁(10b)の内壁面である傾斜面(13)から僅かでも突出することを防止することができる。
尚、上記取り付け施工順序の逆として、先に室内側引手本体(Hr)の固定ネジ(19)を抜き取り、その室内側引手本体(Hr)を引戸(D)から取りはずせば、その後同じ室内側から室外側引手本体(Hf)の固定ネジ(16)を抜き取ることができ、その室外側引手本体(Hf)も引戸(D)から取りはずせるのであり、何れも新品と交換することができることは、言うまでもない。
(10)・・・・埋込み皿
(10a)・・・囲い長辺壁
(10b)・・・囲い短辺壁
(10c)・・・底壁
(11)・・・・化粧フランジ
(12)・・・・埋込み口
(13)・・・・傾斜面(内壁面)
(14)・・・・取付片
(14a)・・・傾斜面
(15)(18)・・・固定ネジ挿入孔
(16)(19)・・・固定ネジ
(17)・・・取付片用受け入れ凹欠
(D)・・・・引戸
(H)・・・・引手
(Hf)・・・室外側引手本体
(Hr)・・・室内側引手本体
(F−F)(R−R)・・・固定ネジの軸線
(h−h)・・・水平面
(α)・・・・鈍角
(β)(γ)(δ)(θ)・・・鋭角
(10a)・・・囲い長辺壁
(10b)・・・囲い短辺壁
(10c)・・・底壁
(11)・・・・化粧フランジ
(12)・・・・埋込み口
(13)・・・・傾斜面(内壁面)
(14)・・・・取付片
(14a)・・・傾斜面
(15)(18)・・・固定ネジ挿入孔
(16)(19)・・・固定ネジ
(17)・・・取付片用受け入れ凹欠
(D)・・・・引戸
(H)・・・・引手
(Hf)・・・室外側引手本体
(Hr)・・・室内側引手本体
(F−F)(R−R)・・・固定ネジの軸線
(h−h)・・・水平面
(α)・・・・鈍角
(β)(γ)(δ)(θ)・・・鋭角
Claims (4)
- 縦に細長い楕円形又は長方形をなす埋込み皿(10)の開口周縁部から、化粧フランジ(11)が連続的に張り出す引手本体(Hf)(Hr)の一対を引戸(D)へ、その室内側と室外側とから上記埋込み皿(10)の底壁(10c)同士が背中合わせとなる埋込み状態に各々取り付け固定する引戸用の引手(H)において、
室外側引手本体(Hf)の埋込み皿(10)を形成する上下一対の囲い短辺壁(10b)の中央部から、取付片(14)を各々背後の室内側へ連続的に張り出して、
その上下一対の取付片(14)に固定ネジ挿入孔(15)を上記囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と鋭角(δ)に交叉する傾斜姿勢として、室外側への指向状態に各々貫通形成する一方、
室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を形成する上下一対の囲い短辺壁(10b)の中央部に、上記室外側引手本体(Hf)の取付片用受け入れ凹欠(17)を各々対応形成すると共に、
固定ネジ挿入孔(18)をその囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と上記室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)よりも大きな鋭角(θ)に交叉する傾斜姿勢として、やはり室外側への指向状態に各々貫通形成し、
上記室外側引手本体(Hf)をその取付片(14)の固定ネジ挿入孔(15)へ背後の室内側から挿入される固定ネジ(16)によって、引戸(D)へ取り付け固定した後、その室外側引手本体(Hf)の取付片(14)へ室内側引手本体(Hr)の上記取付片用受け入れ凹欠(17)を差し込み係合して、その室内側引手本体(Hr)により上記室外側引手本体(Hf)の固定ネジ(16)を被覆状態に保ち、
上記室内側引手本体(Hr)をその固定ネジ挿入孔(18)へ同じく室内側から挿入される固定ネジ(19)によって、引戸(D)へ取り付け固定するように構成したことを特徴とする引戸用の引手。 - 室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)がその囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と交叉する鋭角(δ)を、55度に設定する一方、室内側引手本体(Hr)の固定ネジ挿入孔(18)がその囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と交叉する鋭角(θ)を、74度に設定したことを特徴とする請求項1記載の引戸用の引手。
- 室外側引手本体(Hf)と室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)を各々形成する両囲い短辺壁(10b)の内壁面を、その囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と16度の鋭角(β)に交叉する傾斜面(13)として造形し、
その室内側引手本体(Hr)の埋込み皿(10)における上記囲い短辺壁(10b)の傾斜面(13)に、室内側引手本体(Hr)の固定ネジ挿入孔(18)を開口させる一方、
室外側引手本体(Hf)の埋込み皿(10)における上記囲い短辺壁(10b)の中央部から張り出す取付片(14)に、その囲い短辺壁(10b)の水平面(h−h)と35度の鋭角(γ)に交叉する傾斜面(14a)を造形すると共に、
その取付片(14)の傾斜面(14a)に室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)を開口させたことを特徴とする請求項1又は2記載の引戸用の引手。 - 室外側引手本体(Hf)の固定ネジ挿入孔(15)と室内側引手本体(Hr)の固定ネジ挿入孔(18)が、何れも皿孔であり、
その各固定ネジ挿入孔(15)(18)を通じて引戸(D)へねじ込まれる固定ネジ(16)(19)は、何れも皿頭を備えた木ネジであることを特徴とする請求項1又は2記載の引戸用の引手。
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