JP3228377U - 便受け容器及びこれを備える簡易式トイレセット - Google Patents

便受け容器及びこれを備える簡易式トイレセット Download PDF

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貴人 粟飯原
貴人 粟飯原
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雄生 武田
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Abstract

【課題】安価で提供可能で、院内感染のリスクを低減可能な便受け容器及びこれを備える簡易式トイレセットを提供する。【解決手段】簡易式トイレセット1000は、便受け容器100と簡易式トイレ200を備える。簡易式トイレ200の便器部220に被せるようにセット可能な着脱式の便受け容器100は、上方を開口して窪ませた、便を受ける便受け部10と、便受け部10の開口端の周縁に一体的に形成された平面状の鍔部20とを備える。便受け部10は、可撓性を有する樹脂で成形されている。便受け部10はまた、一方向に延長されて便器部220の内側に収納できる形状に形成されている。鍔部20は、便受け部10の長手方向に沿う両側の第一領域にそれぞれ、取っ手21を形成している。【選択図】図2

Description

本考案は、便受け容器及びこの便受け容器を備える簡易式トイレセットに関する。
病院や在宅医療の分野において、患者がトイレまで立てない場合には、病室に設置して排便等を行うための簡易に設置可能なポータブルトイレが利用されている(例えば特許文献1)。このポータブルトイレは、便受けにフィルムを使用し、電動式でフィルムをフィルム収容部から引き出して設置し、使用後、フィルムをシールして床面のトレイに排出するものである。しかしながら、このようなポータブルトイレは電動式であるため、構造が複雑で価格も高額であるという問題があった。
また、病院等では、着脱式の簡易なトレイを便受けとし、介護者等が簡易トイレから排泄物を処理場まで運んで処理することが行われている。この際、簡易トイレに着脱式のトレイをセットして排便し、排泄物の入った着脱式トレイを簡易トイレから外して、着脱式トレイのみを運ぶことで汚物の移送作業を簡便にしている。このような着脱式トレイには、樹脂製の再利用可能なものと、紙製の使い捨て式のものが使用されている。
ここで樹脂製の着脱式トレイの場合は、排泄物の入った着脱式トレイを、施設内のトイレまで運んで、排泄物を便器に流した後、洗浄して再利用する。しかしながら、洗浄に用いるベッドパンウォッシャー等と呼ばれる洗浄機は一台200万円といった高価なものであり、導入コストが病院側の負担となっていた。また、洗浄水や洗浄後の乾燥の電気代などのランニングコストもかかる。加えて、洗浄後に再利用する着脱式トレイに細菌等が残っていると院内感染のリスクが生じる。これを防ぐためには、洗浄時間や高温の乾燥時間を長くするなどの処理が必要となり、洗浄に要する時間やコストが増大するという問題もあった。さらに、このような洗浄の労務は、多忙な介護者の負担となっていた。
一方、紙製の使い捨て式とした着脱式トレイは、再生紙を用いたパルプモールドなどで構成されている。この着脱式トレイを簡易トイレにセットして排便した後、簡易トイレから外して汚物の入った着脱式トレイを、マセレータなどと呼ばれる専用の粉砕機まで運び、便の入ったまま投入して粉砕することが行われている。この方法であれば、洗浄の必要がなく、再利用による院内感染のリスクを回避できる。
しかしながら、マセレータは一台500万円といったさらに高価なものであり、同じく導入コストが極めて高い。このため、全ての病室からアクセスが良いように、マセレータを複数台購入して設置できるとは限らない。場合によっては、介護者が排泄物の入ったトレイを、マセレータの設置場所まで長い距離を持ち運ぶこととなってしまい、介護者の負担が増す虞がある。
また、紙製の使い捨て式の着脱式トレイのコストもかかる。コスト削減のため、着脱式トレイを一回きりの使用とせず、簡易トイレにセットしたまま、複数回使用することも考えられるが、紙製のため、便の水分などでふやけてしまい、長時間耐久性を維持することができないという問題もあった。
加えて、いずれの場合も着脱式トレイを、病室からトイレやマセレータを設置した場所まで、介護者が運ぶ必要がある。着脱式トレイは上面を開放している容器のため、この移動の間に、廊下などに便から細菌等が飛散して院内感染が生じるリスクがあり、移動距離が長いほどリスクが高くなる。また、移動中に便の臭いが漏れ、また便が視認されるため、廊下を移動中に他の利用者に不快感を与えるという問題もあった。
特開2019−4935号公報
本考案は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、安価で提供可能で、院内感染のリスクを低減可能な便受け容器及びこれを備える簡易式トイレセットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び考案の効果
本考案の第1の側面に係る便受け容器によれば、簡易式トイレの便器部分に被せるようにセット可能な着脱式の便受け容器であって、上方を開口して窪ませた、便を受ける便受け部と、前記便受け部の開口端の周縁に一体的に形成された平面状の鍔部とを備え、前記便受け部は、可撓性を有する樹脂で成形されており、前記便受け部は、一方向に延長されて便器の内側に収納できる形状に形成されており、前記鍔部は、前記便受け部の長手方向に沿う両側の第一領域にそれぞれ、取っ手を形成することができる。上記構成により、便受け容器を簡易式トイレにセットした状態で排便した後、便受け容器の両側に設けた取っ手を作業者が両手でもって、可撓性のある便受け部を長手方向に沿って二つ折りにして開口部分を閉じた状態として廃棄処理のために持ち運ぶことができる。これにより、排泄物からの細菌等の飛散を抑制して、廃棄場所まで運ぶことが可能となり、介護者等が患者等の排泄物から細菌感染してしまうなどのリスクを低減することができる。また、持ち運びの際の細菌等の院内への飛散を妨げ、介護者のみならず第三者への院内感染のリスクも低減することを可能とする。
本考案の第2の側面に係る便受け容器によれば、上記構成に加えて、前記便受け部は、一方向に延長された平面視卵形の外形に形成されおり、前記第一領域は、前記便受け部の平面視卵形の外形の内、幅広側の両側面であり、前記取っ手を、前記第一領域に、長手方向に対して左右対称に形成することができる。上記構成により、幅広の両側面に取っ手を形成することで、排泄物を便受け部に保持した状態で重量のある便受け容器でも、バランス良く取っ手を把持することが可能となる。
本考案の第3の側面に係る便受け容器によれば、上記何れかの構成に加えて、前記取っ手を、前記鍔部に開口された指穴とすることができる。上記構成により、鍔部に指穴を開口するという簡単な加工で、容易に取っ手を形成できる。
本考案の第4の側面に係る便受け容器によれば、上記何れかの構成に加えて、前記便受け部と鍔部とを、樹脂で一体に成形することができる。上記構成により、安価に便受け容器を形成できる利点が得られる。
本考案の第5の側面に係る便受け容器によれば、上記何れかの構成に加えて、前記鍔部は、前記便受け部を設けた面側に突出させた突起部を複数備えることができる。上記構成により、便受け容器を簡易式トイレにセットする際、突起部を利用して安定的に装着できる。
本考案の第6の側面に係る便受け容器によれば、上記何れかの構成に加えて、前記鍔部は、前記便受け部の外形の、長手方向に沿った対称軸と交差する位置に、前記鍔部の平面状から窪ませた溝部を形成することができる。上記構成により、排泄物を保持した便受け容器をトイレまで運んで、排泄物を便器内に投入する際、溝部から小便などの液体を注ぐことでスムーズに排泄物を排出できる。また、便受け容器を簡易式トイレにセットした状態で排便した後、便受け容器を簡易式トイレから外して二つ折りにする際、溝部を折曲げの起点として利用することができ、二つ折りに折り曲げ易くできる利点も得られる。
本考案の第7の側面に係る便受け容器によれば、上記何れかの構成に加えて、前記鍔部は、前記便受け部の長手方向に沿う両側の、前記第一領域とは異なる第二領域にそれぞれ、前記便受け部を設けた面側に突出させた係止片を備えることができる。上記構成において、便受け容器の第二領域における両側部分が、係止片を介して簡易式トイレの便器の周縁近傍で支持されるため、便受け容器が便器の内側にずり落ちる虞を低減することができる。
本考案の第8の側面に係る簡易式トイレセットによれば、上記何れかの構成に加えて、便受け容器と、前記便受け容器をセットする簡易式トイレとを備えることができる。
本考案の実施形態に係る便受け容器を簡易式トイレにセットした状態の簡易式トイレセットを示す斜視図である。 図1の簡易式トイレから便受け容器を外した状態を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態に係る便受け容器の斜視図である。 図3の便受け容器の平面図である。 図3の便受け容器の側面図である。 図3の便受け容器を二つ折りにする工程を示す図である。 図3の便受け容器の正面図である。 図1の状態の便受け容器の部分拡大図である。 変形例に係る便受け容器の平面図である。 図9の便受け容器の側面図である。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本考案の技術思想を具体化するための例示であって、本考案は以下のものに特定されない。また、本明細書は実用新案登録請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本考案を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態]
(簡易式トイレセット1000)
図1及び図2は、本考案の実施形態に係る便受け容器100と、簡易式トイレ200とを備える簡易式トイレセット1000を示す斜視図である。便受け容器100は、簡易式トイレ200の便器部220の開口部分に被せるように、着脱可能にセットするものである。簡易式トイレ200は、概ね中央部分に開口部分を形成している座部210と、座部210の開口部分に被せるように取り付けられる便器部220と、背もたれ230とを備える。また必要に応じて便座を付加してもよい。
このような簡易式トイレ200には、既製品の任意のものを使用できる。例えば、アロン化成社製FX−CP「ちびくまくん」補高スペーサーなしタイプ(商品名)を用いることができる。ただ本考案は、簡易式トイレをこのタイプに限定するものでなく、既存の簡易式トイレに適宜利用できる。また、プラスチック製の簡易式トイレに限定されず、段ボール製の簡易式トイレにも利用し得る。段ボール製の簡易式トイレであれば、組み立て式として非使用時には折り畳んでコンパクトに保管でき、災害用の非常トイレなどにも好適に利用できる。また段ボール製とすることで、リサイクル性にも優れ、さらに価格も安価で、不要になった際は折り畳んで処分できる等の利点がある。このように、簡易式トイレ200には種々のタイプを利用できる。そして、便受け容器100は、セットする簡易式トイレの大きさや形状に応じて、セットし易いように適宜形状を適合させて設計される。
(便受け容器100)
便受け容器100は、図1〜図3に示すように、便を受ける便受け部10と、便受け部10の周囲に設けられている鍔部20とを備える。この便受け部10は、可撓性を有する樹脂で成形している。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどが利用できる。また、鍔部20の両側にそれぞれ、取っ手21を形成している。
この便受け容器100は、図1等に示すように簡易式トイレ200にセットして使用する。例えば、病院の病室や在宅医療等において、ベッドの脇等に簡易式トイレセット1000を備えておき、便受け容器100に排便する。排便後は、簡易式トイレ200から排便済みの便受け容器100を外して、便受け容器100のみを施設内のトイレまで運び、便受け容器に残った排泄物をトイレに流した後、便受け容器100を廃棄する。また、簡易式トイレ200には新たな便受け容器100をセットする。このように便受け容器100を使い捨て式とすることで、清潔な状態で簡易式トイレ200を使用できる。
加えて、この便受け容器100は、従来のように便受け部を開放したまま持ち運ぶように構成することを避け、後述する図6、図7に示すように、可撓性のある便受け部10を二つ折りにして開口部分を閉じた状態で廃棄場所まで運ぶことを可能としたことで、持ち運びの際の細菌等の院内への飛散を妨げ、院内感染のリスクを低減することを図ったものである。
ただ、本実施形態の便受け容器100は、使い捨て式の態様に限定されない。例えば、便受け容器100を洗って再利用することもできる。この際、必要に応じて後述する潤滑剤30を再度塗布することにより、上述の効果と同様、排泄物をスムーズに便受け容器100から排出できる等の効果が得られる。また、便受け容器100を再利用することにより、便受け容器100の購入費用を低減できるという利点も得られる。
(便受け部10)
便受け部10は、図3に示すように、上方を開口して窪ませ、便を受けるためのものである。便受け部10の形状は、一方向に延長されて便器部220の内側に収納できる形状であればよい。本実施形態では、便受け部10は、図4に示すように、平面視で卵形の外形としているが、平面視で概ね矩形状や楕円状等任意の形状とし得る。また、卵形とは、概ね卵のような形状を意味し、一端側が他端側より幅広い形状であれば足りる。
図4の便受け部10は、上面を開放した有底の桶状に形成している。具体的には、底面14と、この底面14の周囲に連なる側面15とで、開口部13を形成している。また便受け部10は、平面視において、卵形の外形の幅広の一端部を第一端部11と、幅狭の他端部を第二端部12としている。また、側面15は、その一部に底面14から後述する溝部25bに向かって傾斜部16を形成している。便受け容器100は、この第一端部11側で排泄物を収容し、収容した排泄物を傾斜部16に沿って移動させ、第二端部12側から溝部25bを介して外部に排出して廃棄するようにしている。
具体的には、便受け容器100を図1のような簡易式トイレ200に取り付けた際、便受け部10の第一端部11側が、背もたれ230側に配置されるように設置する。これにより、患者が簡易式トイレ200の座部210に着座した際、患者の臀部の下側に底面14が位置するようにしている。この状態で患者が排泄行為を行うと、排泄物は底面14に概ね収容される。この底面14の排泄物は、傾斜部16に沿ってスムーズに第二端部12側から外部に排出され、廃棄することができる。
(底面14)
便受け部10は、第一端部11側に底面14を形成し、患者からの排泄物を概ね底面14で受けて、収容するようにしている。この底面14の面積は、図4に示すように、開口部13の面積の概ね40〜60%としている。また、図5に示すように、傾斜部16を底面14から第二端部12側に向かって末広がりに傾斜して設けている。この傾斜部16と、底面14のなす角度θは、側面視で概ね100〜110°としている。さらに、底面14から開口部13までの距離、つまり便受け部10の深さdは概ね13〜15cmとある程度深くしていることが好ましい。このような深さにすることにより、排泄の際の跳ね返りを低減することができる。
(便受け側段差部17)
便受け部10はさらに、傾斜部16の第二端部12側に便受け側段差部17を設けてもよい。便受け側段差部17を設けることにより、図5の破線DLで示すような傾斜面を連続して便受け部10の第二端部12側まで延出したものと比して、第二端部12の下方に、斜線で示すような、ある程度のスペースを形成することができる。この状態で患者、特に男性が簡易式トイレ200の座部210に着座し、用を足そうとする際、第二端部12側にスペースがあまりなく、男性器の先端部分が便受け部10の第二端部12近傍に接触してしまうという虞を低減できる。また、破線DLで示すような傾斜面を設ける場合と比して、第二端部12側の面を図5の矢印で示す程度第一端部11から離間することができる。このため、男性が小便をする際も、第二端部12の面と、男性器の先端部分とをある程度離間することができ、小便の跳ね返りを低減することも可能とする。
この便受け部10は、可撓性を有する樹脂で成形している。樹脂は可撓性を有していれば任意のものでよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が利用できる。また、樹脂の厚さは概ね0.3〜1.0mmが好ましい。樹脂の厚みが大きすぎると折り曲げにくくなり、厚みが薄すぎると排泄物を受け、収容するために必要な強度を確保しにくくなるからである。このような樹脂で便受け部10を成形することにより、便受け部10を長手方向に沿って二つ折りにし、開口部13を閉じた状態として廃棄処理のために持ち運ぶことができる。これにより、排泄物からの細菌等の飛散を抑制して、院内感染のリスクを低減できるという利点が得られる。なお、便受け部10は、例えば樹脂製のシート材を、真空成形や圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形等の既知の成形方法により、所望の形状に成形することができる。
また、図5において薄墨で示すように、便受け部10の内面に潤滑剤30を塗布してもよい。潤滑剤30を塗布することにより、便受け部10に収容された便を便受け部10内で滑らかに移動させ、第二端部12側からスムーズに廃棄することができる。この潤滑剤には既知のものを使用でき、本実施形態では、流動パラフィンを使用している。流動パラフィンは、水に不溶で、化学的に安定した物質であるため潤滑剤として安全に使用でき、環境への影響も少ないからである。また、液体であるため塗布も容易で、その撥水効果により、便等をスムーズに外部へ廃棄することも可能とする。
(鍔部20)
鍔部20は、図4に示すように、便受け部10の開口部13の周縁に一体的に形成された概ね平面状のものである。鍔部20は、便受け部10の第一端部11側を第一領域R1、第二端部12側を第二領域R2としている。ここで、図2に示すように、便受け部10を便器部220の開口部分の内側に配置し、鍔部20で便器部220の開口部分の周縁近傍を覆うことにより、図1に示すように、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットされた状態とできる。鍔部20は、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットできれば任意の形状とし得る。本実施形態では、鍔部20の外形を便器部220の開口部分の内形に概ね沿うような形状としている。
(鍔部側段差部24)
また本実施形態において、図2の便器部220は、開口部分の周縁部221が若干突出するような構成となっている。これに応じて、鍔部20は、この周縁部221に沿うように鍔部側段差部24を形成してもよい。鍔部側段差部24を形成することにより、周縁部221の突起と鍔部側段差部24が係合し、便受け容器100の位置ずれを低減することが可能となる。
この鍔部20は、便受け部10と同じ材料の樹脂で形成されてもよいし、便受け部10と異なる既知の材料で形成されてもよい。本実施形態では、便受け部10と同じ材料の樹脂で形成している。このように鍔部20と、便受け部10とを同じ材料の樹脂で一体に成形することにより、可撓性を有する便受け容器100を安価に作製できる利点が得られる。
(取っ手21)
また、鍔部20は、図4に示すように、第一領域R1に一対の取っ手21、21を形成している。一対の取っ手21、21は、便受け部10の長手方向に沿う両側にそれぞれ、長手方向に対して左右対称に形成されている。一対の取っ手21、21は、便受け容器100を手で持ち運ぶ際に把持するものである。このように、幅広の第一端部11側の両側面に取っ手21をそれぞれ形成することで、排泄物を底面14に保持した状態で重量のある便受け容器100でも、バランス良く取っ手21を把持することが可能となる。
取っ手21は、便受け容器100を手で持ち運ぶことができれば、任意の態様とし得る。本実施形態では、第一領域R1における鍔部20の幅Wをある程度拡張させた拡張部22を形成し、拡張部22に指穴23を開口し、取っ手21としている。このように鍔部20の拡張部22に指穴23を開口するという簡単な加工で、容易に取っ手21を形成できる。
このような構成により、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットした状態で排便等した後、図6に示すように、便受け容器100の両側に設けた取っ手21、21を介護者が両手でもって、可撓性のある便受け容器100を長手方向に沿って二つ折りにできる。これにより、便受け容器100を、開口部13を閉じた状態として廃棄処理のために持ち運ぶことができる。その結果、排泄物からの細菌等の飛散を抑制して、廃棄場所まで運ぶことが可能となり、介護者が患者の排泄物から細菌感染してしまうなどのリスクを低減することができる。また、持ち運びの際の細菌等の院内への飛散を妨げ、介護者のみならず第三者への院内感染のリスクも低減することを可能とする。さらに、簡便な構成で便受け部10を閉塞して排泄物を視認できないようにし、排泄物からの悪臭の拡散を抑制して、廃棄場所まで運ぶことが可能となる。さらにまた、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットする際や取り外す際にも、作業者が取っ手21、21を持って作業し易くできる利点も得られる。
(溝部25a及び25b)
図4の鍔部20はさらに、便受け部10の外形の、長手方向に沿った対称軸AXと交差する位置に、鍔部20の平面状から窪ませた溝部を形成してもよい。溝部は第一端部11側に溝部25aを、第二端部12側に溝部25bを形成してもよいし、第一端部11側及び第二端部12側のいずれか一方のみに形成してもよい。例えば、溝部25bを形成し、側面15の一部において、底面14から溝部25bに向かって傾斜部16を形成することにより、排泄物を保持した便受け容器100を施設内のトイレまで運んで、排泄物を第二端部12側から便器内に投入する際、溝部25bから小便などの液体を注ぐことでスムーズに排泄物を排出できる。
本実施形態では、溝部25a及び溝部25bを形成している。2つの溝部25aと25bを形成することにより、上述のように、溝部25bから液体を排出することを可能としつつ、二つ折りに折り曲げ易くできる利点が得られる。具体的には、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットした状態で排便した後、便受け容器100を簡易式トイレ200から外して二つ折りにする際、溝部25a及び25bを折曲げの起点として利用することができる。
(突起部26)
鍔部20はさらに、便受け部10を設けた面側に突出させた突起部26を複数備えてもよい。この突起部26は、便受け容器100を簡易式トイレ200に、安定的に装着するためのものである。本実施形態の簡易式トイレ200は、図2に示すように、周縁部221の近傍に、周縁部221に概ね沿うように便器側段差部240が形成されている。これにより、凸状の周縁部221と、便器側段差部240との間に嵌合溝250を形成している。そして、便受け容器100を簡易式トイレ200に装着する際、この嵌合溝250に突起部26を挿入すると、図8の部分拡大図に示すように、突起部26と嵌合溝250が嵌合し、便受け容器100を簡易式トイレ200から外れにくくできる。この突起部26は、溝250と嵌合できれば任意の形状でよく、本実施形態では、嵌合溝250より若干大きい楕円柱状としている。
また、突起部26を設ける位置や数は、便受け容器100を簡易式トイレ200に、安定的に装着できれば任意とすることができる。本実施形態では、図4及び図7に示すように、取っ手21の拡張部22のそれぞれに、一対の突起部26、26を形成している。
(係止片27、27)
鍔部20はさらに、便受け部10の長手方向に沿う両側の、第二領域R2にそれぞれ、一対の係止片27、27を備える。係止片27、27は、便受け部10を設けた面側に突出させ、便受け容器10が便器部220の内側にずり落ちる虞を低減するためのものである。
一例として、図8に示すように、便受け容器100を簡易式トイレ200にセットした際、鍔部20の第二領域R2における先端部分の両側が、係止片27、27を介して簡易式トイレ200の嵌合溝250近傍で支持されるようにしている。このように、係止片27、27で鍔部20の一部を支持することにより、便受け容器100が便器部220の内側にずり落ちる虞を低減することができる。ただ、係止片27、27を設ける位置は、第二領域R2の先端部分に限定されない。第二領域R2内の任意の位置に設けてもよいし、第一領域R1に設けてもよい。また、係止片27、27は、鍔部20を支持できれば任意の形状とできる。本実施形態では、図5に示すような鍔部20の外周縁に沿った細長い形状としている。
[変形例]
上述の実施形態においては、図6等に示すように、一対の突起部26、26及び一対の係止片27、27を設けた例を説明した。ただ、突起部や係止片の形成は任意であり、これらを省略してもよい。また突起部や係止片を設ける場合の設ける位置や、個数等は適宜調整できる。例えば、図4等に示す一対の取っ手21、21の拡張部22、22を、第一端部11側の鍔部20の外形に沿ってさらに拡張して連結させた拡張部22Bを設けた変形例に係る便受け容器100Bを、図9に示す。またこの例では、一対の突起部26、26に加えて、さらに一対の第二突起部26B、26Bを、拡張部22Bに設けている。一方で、この鍔部20Bは係止片27を省略している。
一対の第二突起部26B、26Bは、平面視において拡張部22Bの隅部に設けられる。これらの第二突起部26B、26Bを設けることで、図9及び図10に示すように、便受け部10の底面14側を補強することができる。具体的には、患者からの排泄物は、底面14に概ね収容されるため、排泄物を収容した便受け容器100Bは全体として、底面14側が重くなる。その結果、患者が排泄行為を行った後、便受け容器100Bの底面14側が、簡易式トイレ200の内側に沈み易くなる虞がある。そこで第二突起部26B、26Bを、平面視において底面14側に設けることで、この重くなった底面14側部分の変形に抗して、簡易式トイレ200の内側に沈む可能性を低減できる。
また本変形例において、一対の第二突起部26B、26Bの形状は、平面視で鍔部20Bの形状に沿って若干湾曲させた線状としている。さらに、上述のように底面14側の比重が大きくなることから、突起部26、26よりも大きな形状としている。この第二突起部26B、26Bにより、便受け容器100Bが沈み易い底面14側を確実に支持し、便受け容器100Bを簡易式トイレ200に、より安定的に装着することを可能とする。ただ、第二突起部26B、26Bは、底面14側が支持できれば任意の形状でよく、例えば、突起部26、26より小さく形成してもよい。また第二突起部26B、26Bを、四角柱状、楕円柱状、円柱状等に形成してもよい。
本考案の便受け容器及びこれを備える簡易式トイレセットは、簡易式トイレにセットして利用し、感染のリスクを低減しつつ、簡単に排泄物を廃棄するために使用できる。
1000…簡易式トイレセット
100、100B…便受け容器
10…便受け部
11…第一端部
12…第二端部
13…開口部
14…底面
15…側面
16…傾斜部
17…便受け側段差部
20、20B…鍔部
21…取っ手
22、22B…拡張部
23…指穴
24…鍔部側段差部
25a、25b…溝部
26…突起部;26B…第二突起部
27…係止片
30…潤滑剤
200…簡易式トイレ
210…座部
220…便器部
221…周縁部
230…背もたれ
240…便器側段差部
250…嵌合溝
R1…第一領域
R2…第二領域
DL…傾斜面
AX…対称軸
d…便受け部の深さ
W…鍔部の幅
θ…底面と傾斜部のなす角度

Claims (8)

  1. 簡易式トイレの便器部分に被せるようにセット可能な着脱式の便受け容器であって、
    上方を開口して窪ませた、便を受ける便受け部と、
    前記便受け部の開口端の周縁に一体的に形成された平面状の鍔部と、
    を備え、
    前記便受け部は、可撓性を有する樹脂で成形されており、
    前記便受け部は、一方向に延長されて便器の内側に収納できる形状に形成されており、
    前記鍔部は、前記便受け部の長手方向に沿う両側の第一領域にそれぞれ、取っ手を形成してなる便受け容器。
  2. 請求項1に記載の便受け容器であって、
    前記便受け部は、一方向に延長された平面視卵形の外形に形成されおり、
    前記第一領域は、前記便受け部の平面視卵形の外形の内、幅広側の両側面であり、
    前記取っ手が、前記第一領域に、長手方向に対して左右対称に形成されてなる便受け容器。
  3. 請求項1又は2に記載の便受け容器であって、
    前記取っ手が、前記鍔部に開口された指穴である便受け容器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の便受け容器であって、
    前記便受け部と鍔部とが、樹脂で一体に成形されてなる便受け容器。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の便受け容器であって、
    前記鍔部は、前記便受け部を設けた面側に突出させた突起部を複数備えてなる便受け容器。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の便受け容器であって、
    前記鍔部は、前記便受け部の外形の、長手方向に沿った対称軸と交差する位置に、前記鍔部の平面状から窪ませた溝部を形成してなる便受け容器。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の便受け容器であって、
    前記鍔部は、前記便受け部の長手方向に沿う両側の、前記第一領域とは異なる第二領域にそれぞれ、前記便受け部を設けた面側に突出させた係止片を備えてなる便受け容器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の便受け容器と、
    前記便受け容器をセットする簡易式トイレと、
    を備える簡易式トイレセット。
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