JP3228367U - 旗丁番 - Google Patents

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利治 田中
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Abstract

【課題】重量ドアの吊り込み作業において、ドアを一時仮置きし次いで正確に吊り込み連結できる改良された旗丁番を提供する。【解決手段】ドアを開閉する旗丁番10と旗丁番20とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けられる旗丁番10の軸12に比べて、ドアの下方に取り付けられる旗丁番20の軸32を延長し、その軸の先端部33にドア羽根板4の軸管41を載せる係止面を形成し、かつ軸管に入る係止突起を設けた。ドアの下方の旗丁番の軸管41を、係止面に一旦仮置くことでドアの重量から解放し、次に軸管を軸32に正確に嵌合して連結する。【選択図】図1

Description

本考案は、ドアの旗丁番に係り、特に、重量ドアの吊り込みを一人で行うことを可能とするドア仮置き軸を備えた旗丁番に関する。
旗丁番とは、重量のある金属製ドア等の建具用の丁番で、建具と枠を別々に持ち運びすることができ、建具(玄関ドア、住宅用室内ドア)と枠を固定し、開閉に使う金物(抜き差し丁番の一種)で、建具の吊り込み取り付けが可能な丁番を指称する。
旗丁番は、取付け枠側とドア側がそれぞれ上下に分かれたもののうち、羽根板(プレート)の高さが全体の約半分になっていて、羽根板が上下に重なるため、板厚分の隙間を少なく出来る。
玄関ドア等の金属製ドアには標準的に採用され、室内ドアにも多く採用されている。
旗丁番は二か所以上でドアを取り付け開閉するが、ドア側の羽根板とドア枠側の丁番の羽根板を、軸管を軸に差し込み接続させ、 軸のドア側の羽根板が回転し、ドアが開閉する仕組みである。
その軸は回転を円滑にするため、ストレートな丸棒形状となっている。
重量のあるドアの吊り込み作業は、ドア枠に二つあるいは三つ装着した丁番の軸に、ドア体に二つあるいは三つ装着した丁番の軸の軸受けとなる軸管を同時に嵌め合わせることによって装填される。
作業者は、図7のように、重量あるドアを一人又は二人で持ち上げ完全な水平状態で、上端及び中間及び下端の丁番を同時に見ながら、その垂直方向性を維持しながら微細な位置と高さに停止し、丁番の軸に軸の軸受けとなる軸管を二つあるいは三つを同時に、かつ垂直に落とし嵌め込むことを要請される。
特に重量のあるドアの吊り込み作業は、一人では図7の鎖線のように上方と下方の嵌め込みを視認しながら、そして重量ドアを垂直に所定位置で維持しての動作は非常に難しく、通常二人で作業を行わなければはかどらない。
重量のあるドアをドア枠に吊り込み設置するには、作業中、重量のあるドアを持って重量に耐えながら、吊り込み、上下に配置された旗丁番の軸と軸管を、左右にずれないような位置に待機させかつ垂直方向に合致させて、さらに上下に配置された旗丁番の軸と軸管を同時に嵌め込む作業となる。
上下の差し込みを視認しながら合わせるには上下両方を見なければならず、この吊り込み作業は、なかなかできない作業である。
そのため、作業工程を分析し、次の特許文献のような技術が提案されている。
実開昭62−140174号公報「抜き差し蝶番」 特開2019−167804号公報「吊り込み冶具」
本考案は、住宅新築やリフォームにおける、ドアの設置施工において、主にプロ職人向けの工数の軽減と、安全施工及び工期短縮に寄与することを目的とする。
またプロ以外の作業は従来困難であったが、相応の研修を受けることによって、ドアの設置施工の困難性も解消することも目的とする。
具体的な課題としては、特許文献1および特許文献2の実施でもできなかった
工程の段階化が可能な旗丁番の改良である。
特許文献1では、抜き差し旗丁番において、上下両方の丁番を一緒に合わせて同時に差し込むという作業の同時性を解消するために、一方の軸の長さを、他方の軸より長くして、差し込みタイミングをずらせて別々の時点で順次嵌合する構成(別の実施例として雄蝶番側を正規の位置より少し下げて取り付ける構成)が案出されている。
この構成は、上下両方の旗丁番において下方の軸の長さを上方の軸の長さより少し長くした構成としたものである。
この構成では、下方の軸における少し長い部分を、軸管に嵌合したことを確認した後に ついで上方の軸を軸管に嵌合することで、難しい同時の装填作業を解消するものとしている。
このような一方の軸の長さを、他方の軸より長くした構成により、差し込みタイミングをずらせて別々の時点で順次嵌合することは、確かに同時ではないのでその点の作業難度は解消できる。
が、しかしなお片方ごとにタイミングをずらすとしても、重量のあるドアを、持ち上げて、その状態を維持しながら、まず、下方の旗丁番において、長い軸へ軸管を嵌合する作業を正確に行わなければならない。
下方の旗丁番において枠側の長い軸へドア側の軸管を正確に垂直に嵌合し差し込めば、上方でも旗丁番の軸へ軸管が嵌合する。
が、しかしなお、この作業は、ドアを垂直に維持しながら、前後左右の全方向の位置を決めながら連続的に行うことが必要であり、一人でこの作業を行うのは重労働で容易ではない。
このように、吊り込み作業の困難性を解決するために、特許文献2では、垂直方向をガイドし、前後左右の位置を制御ガイドする治具を提案している。治具は、作業の途中で取り外せる。
ただ、その治具があっても、吊り込み作業は、着手から設置完了迄一連に連続的に行うことになる。
新築玄関ドアを取り付ける場合や玄関ドアリフォームの場合には、 所定のドア枠を施工し、次いで玄関ドアを取り付ける。
玄関ドアは、素材とドア高さ ドア幅 ドア厚さを計算式に入力するとその質量(重量)を計算できるが、現場建具ごとに素材や寸法が異なり、高さ2mで重量30kgのドアや、高さはないが重量が20Kg〜70Kg位あることもある。
重量の程度によっては特別な連結具を用いるが、一般に重量のあるドアを、ドア枠に取り付けるには、旗丁番を用いて取り付けられる。
旗丁番は、予め、ドア枠側の上下2個所に旗丁番の枠羽根板を取り付け、ドア側の上下2個所に旗丁番のドア羽根板を取り付けている。
そのドアをドア枠に取り付けるには、作業員が自力でドアを持ち上げて吊り込み、旗丁番を連結固定して設置する。
この施工では、上下一対の旗丁番部材の対応する軸と軸管とをまず近接させ、前後左右の位置を制御決定し、両者の中心を合わせて、垂直方向を合致せしめ、同時に上下にある旗丁番を垂直方向に合致させて、軸管に軸を嵌合し挿入して取り付ける。
比較的軽量な小型のドアの場合においてはともかく、例えば、高さが約2m、重量が約15kgのような重量の大きめのドア場合においては、第一にドア枠で上下前後左右の動きが規制され、上下に対応する軸管と軸との間のクリアランスがほとんどなく、上下一対の軸管と軸との中心を垂直線上に確実に合致せしめることは非常に困難である。
極めて自由度の低い動きしかできないドア枠内において、前後左右、垂直方向、上下の2支点あるいは上中下の3支点を、一気に同時に合致させるのは力が要り手間がかかり、作業能率が悪い。
特許文献1では、軸の長さを異にして嵌め合わせるタイミングを異にして同時嵌合を回避できる。
特許文献2では、位置決めの治具を用いて前後左右の位置を決められる。
但し、治具を作成し、これを利用して、吊り込みを行う場合は、治具が現場に適合しない場合や旗丁番の構造に適合しない場合がある。
又、治具が、現場建具に適合したとしても、重量あるドアの吊り込みは、重量あるドアを両手で支えながら、ドア枠内において、前後左右、垂直方向、上下の2支点あるいは上中下の3支点を視認しながら、連続的な動作で、同時に合致させるという緻密な作業をしなければならない。
上下旗丁番の嵌め合わせを順次にして同時ではないとしても、又、治具で前後左右の位置を決定できるとしても、ドア枠内への運び込みから設置取り付け完了までは、作業者は重量あるドアを手で持ち続け、その持った姿勢のままで、前後左右垂直な全方位に注意し、嵌合すべき所定位置に停止して保持し、ドアを完全に持ち上げ水平状態で、軸2か所以上、その上部の差込口である軸管に合わせて嵌め込む必要があり、軸管を軸に差し込む動作を休みなく連続的に行うのは現実には極めて難しい。
ドアの吊り込み作業を効率化するため、ドアの姿勢をガイドする治具をさらに改良開発することも選択できるが、治具では建具によって仕様が変わり各種ドアへの適合性の問題と取り外しの手間作業の課題が残る。
又、ドアを吊り上げるジャッキや、ドアの姿勢を修正可能なドア載置レールなどを開発することも選択できるが、作業を複雑化させ効率性が保証できない。
ドアの重さは仕様により様々だが、一般的には一人で支えるには重く、軸を軸管に合わせる際に腰や腕に相当な荷重がかかり、重いドアを持った瞬間に重心が変わり、身体的に困難な作業である。
2名以上で作業を行えば困難性は軽減できるが、人件費が嵩む他、人員の手配も必要となる。
重量のあるドアの吊り込みについては、旗丁番の改良や作業工程についての改善が要請されていた。
上記の目的を達成するため、本考案では、別途治具を準備することやドアを吊り上げるジャッキを用いずに、重量のあるドアの吊り込み作業を効率化できる旗丁番の改良を提案するものである。
ここに本考案は、軸管を軸へ嵌合して開閉する旗丁番を二以上配置して開閉作動をするドアの旗丁番において、下方に取り付ける軸の軸長を上方に取り付ける軸の軸長より長くするとともに、下方に取り付ける軸の先端部にドア側に取り付けるドア羽根板の軸管が載る係止面を設けかつそのドア羽根板の軸管の管孔に容易に入る径の係止突起を設けたことを特徴とする旗丁番である。
下方に取り付ける軸の軸長を上方に取り付ける軸の軸長より長くする構成は、旗丁番が二つの時は下方を、旗丁番が三つの時は、軸の長さは短中長の順にして最下位の軸を最長にする。
下方の軸に前記ドア側に取り付けるドア羽根板の軸管が載る係止面を設けかつそのドア羽根板の軸管の管孔に容易に入る径の係止突起を設ける先端部を、別途、基本の軸長の軸の上端面に取り付ける部品として構成したアタッチメントも提案する。
軸の先端部の係止面は、その軸に嵌合するドア羽根板軸管の下端面を係止できる段部となる。
軸の係止突起は、軸径に比して細いので容易にその軸に嵌合するドア羽根板の軸管に入る寸法形状である。
そのため仮置きは容易にでき、仮置き作業は比較的迅速にできる。
本考案は具体的には、ドア枠の上方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの上方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番と、ドア枠の下方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの下方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番の軸に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番の軸が延長した軸長を有し、軸の先端部にドア羽根板の軸管の下端縁を載せる係止面を形成し、さらにドア羽根板の軸管の管孔に挿入できる係止突起を設けたことを特徴とする旗丁番を提案する。
又、上述の対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番の軸に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番の軸が延長した軸長となるように軸にアタッチメントを螺合したものを提案する。
アタッチメントは、軸と同径ないし径小の円盤状の基台の下面にネジを設け、基台の上面に係止面と係止突起とを設け、軸の上端面に設けたネジ穴に螺合して設ける。
本考案は上記のような構成であるので、次のような技術的効果がある。
1.本考案にかかる旗丁番は、重量あるドア(D)をドア枠(F)に運び入れ一気に連続的に取り付ける作業工程ではなく、重量のあるドアを一旦係止面に仮置きして、工程中に動作休止を入れて作業確認でき、その後一方の軸の長さを他方の軸より長くしているため、下方の長いほうが先に嵌合し次に上方が差し込まれ、別々の時点で順次嵌合する調整的作業で最終的組み合わせができる構成であり、吊り込み作業の困難性を解消している。
2.ドアの取り付けの際に、ガイド治具などを用いなくとも、ほぼ正規な位置に近接して係止し、そののちに微細な作業で正規に連結できる。
連結後に治具の取り外しなどの後処理がなく簡便である。
3.上向きの軸の先端部に、上から連結する軸管の下端縁を掛けるだけなので、ガイドとなる係止突起を目指して軸管を被せてゆけば自ずと仮置きができる。
4.係止突起を内嵌して係止面に当接する軸管は、抜たり滑り落ちることはないので安定して重いドアの仮置きができる。
軸の係止突起は、軸管の下端面が前記係止面に安定して当接維持することを補助する。
5.仮置き部分に、ドア羽根板を一旦係止し仮置くことでドアの荷重を支えるので、その間、作業者は動きに余裕ができ、次にそこを視認しながら、その軸を軸管の管孔(差込口)に合わせて落とし込むことができる。
空中で複数の軸に同時に狙いを定める手間と力は必要なく、仮置き部分を台替わりにして差し込めるので、ゆっくり視認でき、差し込み失敗や損傷もない。
6.仮置きできる係止面は、軸の先端を加工することで成型できるので、製造コストの低廉化が可能である。
7.軸の先端部を着脱できるアタッチメントとしたものは、後付けができ、取り外しができるために生じる効果がある。再利用が可能であり、取り外すことで旗丁番のデザインに変化や影響を与えない。
本考案にかかる旗丁番の実施例1を示す斜視図であって一部部品は拡大斜視図としている。ドア枠側の下方に付設する旗丁番部材である軸を上方枠に付設する基本の軸の長さより、先端を長く延伸し、その先端に係止面と係止突起を設けてある旗丁番を示している。 同じく実施例1を示すドア枠側の下方に付設する旗丁番部材である軸の先端を上方に付設する基本の軸と比較して長さの相違を示す斜視図である。 実施例1を用いて、ドアを吊り込み施工するときの、仮置き状態を示す説明図である。ドア側に付設された軸管が旗丁番部材である軸の係止突起をその中空管内に入れてその開口周縁を係止面に掛けて、仮置きしている状態を示している。ドアの重量を軸に入れる前の仮置き状態で軸が支承している。 同じく実施例1を用いて、ドアを吊り込み施工するときの、別な仮置き状態を示す説明図である。ドア側に付設された軸管をその開口周縁を旗丁番部材である軸の係止面に掛けて、仮置きしている状態を示している。ドア側の軸管に係止突起を差し込まない状態での仮置きである。ドアの重量を軸に完全に入れる前の仮置き状態で軸が支承している。 本考案にかかる旗丁番の実施例2を示す軸とアタッチメントの斜視図である。基台の下面にネジを設け基台の上面に係止面と係止突起を設けたアタアッチメントを、既存の軸先端にネジ穴を穿設してねじ込み取り付けることができる構成としたドア枠側の下方に付設する旗丁番部材(軸)を示す分解斜視図である。 本考案にかかる旗丁番の実施例3を示す斜視図である。軸の先端部およびアタチメントの先端部の様々な形状例を示すものである。係止面を1以上設け、係止突起は軸の円周面に続くもの、円周面に続かないものなどを示している。 ドアをドア枠に取り付けるために、重量のあるドアも持ち上げ、上下の旗丁番を、矢印X,Yのように 移動させ、上下両方の旗丁番の位置を視認しながら、吊り上げ嵌め込む作業を示す説明図である。
以下に、本考案を実施するための形態を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に示す本考案に係る旗丁番の実施例1は、次の旗丁番(10)と旗丁番(20)の一対で構成される。
1.ドア枠(F)の上方に取り付けられた枠羽根板(1)の軸管(11)に装填された軸(12)およびドア(D)の上方に取り付けられたドア羽根板(2)の軸管(21)とで構成される旗丁番(10)。
2.ドア枠(F)の下方に取り付けられた枠羽根板(3)の軸管(31)に装填された軸(32)およびドア(D)の下方に取り付けられたドア羽根板(4)の軸管(41)とで構成される旗丁番(20)。
実施例1はこの旗丁番(10)と旗丁番(20)とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番(10)の軸(12)に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番(20)の軸(32)が延長した軸長(C)を有し、軸(32)の先端部(33)にドア羽根板(4)の軸管(41)の下端縁(42)を載せる係止面(36)を形成し、さらにドア羽根板(4)の軸管(41)の管孔(43)に挿入できる係止突起(37)を設けたものである。
旗丁番(10)と旗丁番(20)は、ドア(D)をドア枠(F)から取りはずすことができるように取り付ける場合には、オス側(軸側)をドア枠(F)に、メス側(軸管孔側)をドア(D)にそれぞれオス側(軸側)を上向きで取り付けている。
ドアの上方に取付けらえる旗丁番(10)の軸(12)は、正規の軸長(B)を有するストレートな丸棒であり、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番(20)の軸(32)は正規の軸長(B)を延長した軸長(C)を有するストレートな丸棒(B+C)である。
実施例において延長する軸長(C)は5mmである。
延長する先端部(33)は、旗丁番の種類によるが5mm〜10mm程度である。
その先端部(33)にドア羽根板(4)の軸管(41)の下端縁(42)を係止する平坦な半円形の係止面(36)を形成し、次の段部として係止面(35)を形成し、さらに最上面(34)を形成し、先端部(33)には、ドア羽根板(4)の軸管(41)の管孔(43)に挿入できる係止突起(37)を設けている。
軸(32)の係止面(36)は、ドア羽根板(4)の軸管(41)の下端縁(42)を掛けて、吊り込み作業途中において、ドア(D)を仮置き支持する段部となる。
実施例1の下方の軸(32)の先端部(33)は、高さである軸長(C)が5mmで、一段目の平面視半円状の平坦な係止面(36)を形成し、2mmの半円柱の立ち上がりを設けて二段目の平面視四分円(45度円)の係止面(35)を設けている。
そこから2mmの四分円柱状の立ち上がりを設けて頂面を平坦にした最上面(34)とした係止突起(37)を形成している。
係止面は、軸(32)の先端部(33)に1以上設けられ、一段目の係止面(36)から立ち上がりを設けて二段目の係止面(35)を設けることで、係止突起(37)が細くなり、差し込み易くかつ係止位置選択ができるものとなる。
係止面(36)、(35)は、平坦或いは凹形で、滑らない粗面などにする。
軸(32)は、重量ある大きな玄関ドアの旗丁番では、軸管(31)並びに、軸管(41)の管厚は1,5mm〜2,2mm位で、軸(32)の直径は10mm〜20mm位はあるものが多い。この寸法で、軸(32)の係止面(36)は4mm以上の幅があると十分安全に仮置きできる。
軸(32)の係止面(36)は、ドア羽根板(4)の軸管(41)の下端縁(42)を係止して、吊り込み作業中にドア(D)を仮置きする段部であるが、
下端縁(42)の係止の仕方は、図3のように、ドア(D)側に付設された軸管(41)が旗丁番部材である軸(32)の係止突起(37)をその管孔(43)内に入れてその開口周縁(42)を係止面(36)に掛けて、仮置きする。
ドア(D)の重量を、軸(32)に完全に入れる前の仮置き状態で軸(32)が支承している。
ドア(D)の重量は、垂直に重力方向に荷重されるので、縦長の方向に荷重されても軸(32)の強度は問題がない。
ドア羽根板(4)の軸管(41)の下端縁(42)の係止の仕方は、図4のように、ドア(d)側に付設された軸管(41)をその開口周縁(42)を旗丁番部材である軸(32)の係止面(36)に掛けて、仮置きしている状態を示している。
ドア(D)側の軸管(41)に係止突起(37)を差し込まない状態での仮置きである。
ドア(D)の重量は、軸(32)に入れる前の仮置き状態で、その軸(32)が支承している。
ドア(D)を仮置き後の施工は、上方のドア枠(F)に取り付けられる軸(12)と下方のドア枠(F)に取り付けられる軸(32)とは軸長が異なるので、夫々に対応している軸管(21)(41)とは、嵌合のタイミングがズレてるので、まず下方の軸(32)へ軸管(41)を差し込むことを目指して、仮置きから少し持ち上げ係止突起(37)の円周面に沿わせることで、前後左右及び垂直方向の姿勢が決まり、上方の軸(12)が軸管(21)に嵌合していることを視認して、そのまま落とし込むことで、吊り込み施工が完遂できる。
図5は、旗丁番の軸(321)にアタッチメント(30)で先端部を延伸した実施例2を示す分解斜視図である。
アタッチメント(30)は、軸(321)とほぼ同径ないし径小の円盤状の基台(320)の下面にネジ(38)を設け、基台(320)の上面に係止面(36)と係止突起(37)を設けたもので、軸(321)の上端面に設けたネジ穴(39)に螺合して使用される。
アタッチメント(30)は、既存の軸先端にネジ穴(39)を穿設してねじ込み取り付けることもできる。
実施例2のアタッチメント(30)は、軸長(C)=高さ5mmで、基台(320)は1mm厚で、一段目の平面視半円状の平坦な係止面(36)を形成し、2mmの半円柱の立ち上がりを設けて二段目の平面視四分円の係止面(35)を設けている。
そこから2mmの四分円柱状の立ち上がりを設けて頂面を平坦にした最上面(34)とした係止突起(37)を形成している。
最上面(34)は、軸管(41)の下端縁(42)を置いて係止できないことはないが、安全に載せるには少し面積が小さい。
係止面(36)は、係止突起(37)と組み合わせるのが好ましい。
図中の軸(321)は、既存の軸と同じ軸長(B)である。
既存の軸とは、例えば図1、図2、図3に示す正規の軸長(B)を有する軸(12)である。
アタッチメント(30)を取り付けると、軸長(C)を有する軸(32)と同じに、軸長(B+C)になり、上方の軸(12)より長くなる。
上下の軸の長さが異なるため、吊り込み装填は,下方の軸(321)に嵌合したのちに上方の軸(12)が嵌合するので、同時に装填するという難しさがなくなる。
アタッシメント(30)を螺合した軸(321)は、例えば図1、図2、図3に示す軸(32)と同じ軸長(B+C)である。
アタッチメント(30)を螺合した軸(321)を備えた枠羽根板(3)と、ドア(D)側のドア羽根板(4)が連結すると、旗丁番(20)が開閉自在になり、ドア建具が固定完成する。
この状態で、アタッチメント(30)がドア羽根板(4)の軸管(41)から上部に露出する寸法なる場合がある。
その場合は、アタッチメント(30)をねじって取り外すこともできるし、取り外したネジ穴に閉塞蓋ネジでキャップすることもできる。
アタッチメント(30)は、ドアの施工後に軸(32)の先端部(33)が見えて、デザイン上好もしくないときは、ねじって外すことや、別途装飾用のキャップを被せることなどは適宜採用できる。
さらに、図2に示すように適宜数のブッシュ(13)を、上下の旗丁番(10)(20)に装填することで、連結後の上方のドア羽根板(4)をその分上昇させて、軸(32)の先端部を隠すこともできる。
図6は、本考案にかかる旗丁番の軸先端部に係る実施例3を示す斜視図である。
軸(32)の先端部(33)およびアタッチメント(30)の先端部の様々な形状例を示すものである。
係止面(36)を1以上設け、係止突起(37)は軸(32)の円周面に続くもの、円周面に続かないものなどを示している。
いずれの形状例も、軸(32)の先端部(33)にドア側に取り付けるドア羽根板(4)の軸管(41)が載る係止面を設けかつそのドア羽根板(4)の軸管(41)の管孔(43)に入る径の係止突起(37)を設けている。
係止面(36)が1面の構成では、凹む形状や粗面として滑り外れにくいものになる。
前記実施例1や実施例2の先端部(33)は、2面で二段に形成している。
係止面(36)、係止面(35)と二段に形成したものは、より精緻に係止面(36)を選べるようにするものである。
係止突起(37)は、係止面(36)に載った軸管(41)の下端縁(42)を係止維持できれば、低くてもズレ防止できればよい。
図6の図示例は、あくまで一例で、このほかにも様々な変形例が想定できる。
以上の実施例は、本考案を限定するものではない。
上下の旗丁番において軸の長さが異なり、軸の先端部に仮置きができる構成であれば、寸法、素材、デザインの変更、羽根板の形状の設計変更などは、本考案の想定するところである。
本考案にかかる旗丁番は、住宅のドア、とりわけ重量がある玄関ドアの吊り込み施工に適する旗丁番であるが、各種大型箱体の重い扉などにも利用できる。
更には、吊り込みや抜き取り作業も容易にできるので、取り外しと取り付けが要請されるドア、季節ごとに替えられる扉などにも利用できる。
D ドア
F 枠(ドアのフレーム)
A ドアの旗丁番の軸の垂直方向を示す線
B 上方に取り付ける枠羽根板の旗丁番の基本となる軸の長さ
C 下方に取り付ける枠羽根板の旗丁番の基本となる軸の長さBを延伸した先端部の軸長(高さ)
10 旗丁番(上方に位置する旗丁番)
20 旗丁番(下方に位置する旗丁番)
1 枠羽根板
11 軸管
12 軸
13 ブッシュ
2 ドア羽根板
21 軸管
3 枠羽根板
31 軸管
32 軸
321 軸
33 軸先端部
30 アタッチメント(軸先端部品)
320 基台
34 係止面
35 係止面
36 最上面
37 係止突起
38 ネジ
39 ネジ穴
4 ドア羽根板
41 軸管
42 軸管下端縁
43 軸管の管孔

Claims (5)

  1. 軸管を軸へ嵌合して開閉する旗丁番を二以上配置して開閉作動をするドアの旗丁番において、下方に取り付ける軸の軸長を上方に取り付ける軸の軸長より長くするとともに、下方に取り付ける軸の先端部にドア側に取り付けるドア羽根板の軸管が載る係止面を設けかつそのドア羽根板の軸管の管孔に入る径の係止突起を設けたことを特徴とする旗丁番。
  2. ドア枠の上方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの上方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番と、ドア枠の下方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの下方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番の軸に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番の軸が延長した軸長を有し、下方に取り付ける軸の先端部に前記ドア羽根板の軸管を載せる係止面を設けたことを特徴とする旗丁番。
  3. ドア枠の上方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの上方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番と、ドア枠の下方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの下方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番の軸に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番の軸が延長した軸長を有し、軸の先端部にドア羽根板の軸管の下端縁を載せる係止面を形成し、さらにドア羽根板の軸管の孔に挿入できる係止突起を設けたことを特徴とする旗丁番。
  4. ドア枠の上方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの上方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番と、ドア枠の下方に取り付けられた枠羽根板の軸管に装填された軸およびドアの下方に取り付けられたドア羽根板の軸管とで構成される旗丁番とを備えた対の旗丁番において、ドアの上方に取付けらえる旗丁番の軸に比して、ドアの下方に取り付けらえる旗丁番の軸が延長した軸長となるように軸にアタッチメントを螺合したもので、アタッチメントは、軸と同径の円盤状の基台の下面にネジを設け、基台の上面に係止面と係止突起とを設け、軸の上端面に設けたネジ穴に螺合して設けたことを特徴とする旗丁番。
  5. 前記係止面は、軸の先端部に設けられ、一段目の係止面から立ち上がりを設けて二段目の係止面を設けたものである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の旗丁番。

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