JP3228294U - 肢体固定装置 - Google Patents

Abstract

【課題】従来の石膏に代わる、通気性に優れ、且つ直接患者の身体の上で成形可能な肢体固定装置を提供する。【解決手段】熱可塑性固定板を直接患者の身体の上で成形して、患者の一部を被覆して患者の肢体を固定及び／或いは支持するための肢体固定装置１であって、熱可塑性固定板は、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック２０と、ソフトファブリック１０から構成された積層体であり、コーティング層は、熱可塑性ポリマー、及び熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種またはその組合わせの熱可塑性材料からなり、熱可塑性固定板は、上主面１Ｕと、下主面１Ｌとを有し、熱可塑性固定板は、上主面から下主面へ延伸し、熱可塑性固定板の辺縁を被覆するエッジ被覆部材１５を備える。【選択図】図１

Description

本考案は肢体固定装置であって、特に従来の石膏に代わる通気性に優れ、且つ直接患者の身体の上で成形可能な肢体固定装置に関わる。

肢体固定装置は、患者の固定及び／または支持が必要な部位を被覆することで、患者の肢体を固定及び／または支持し、関節固定、骨折部位の支持装置として、その癒合を助け、損傷した組織を保護し、望まない動作を制限する。さらに、肢体固定装置を使用することで、弱まった筋肉に代わって関節の変形の悪化を防ぎ、傷痕の収縮などを予防する効果を上げることができる。

通常、骨折の固定には、従来は石膏副木を使用するが、通気性がなく、且つ骨折初期の水腫による成形後の患者の不快などにより、既に低温プラスチック素材のプラスチック副木や高温プラスチック素材の矯正具が使用されている。低温プラスチック材のプラスチック副木は直接患者の身体の上を被覆して成形できるが、目下の低温プラスチック素材のプラスチック副木は、十分な強度に達するためには、厚みが厚くなり重たくなるという問題があり、且つ通気性は、プラスチック板上に貫通孔を開けることで達成するため、やはり通気性が不足するという問題がある。通気の貫通孔の密度を増加すると、板材の強度が損なわれる。高温プラスチック材を使用した矯正具は、矯正具師が患者の型を取り、石膏型を製作したのち、高温プラスチック素材を石膏型上に被覆して真空成型するので、矯正具師は石膏金型を修正する作業が必要となり、さらに補助パッド及び包帯などを付加して患者の使用に供している。

従って、従来の石膏、低温プラスチック材のプラスチック副木、もしくは高温プラスチック材の矯正具に代わる新規な通気性に優れ、且つ直接患者の身体の上で成形可能な、患者に快適性を提供できる肢体固定装置が求められている。

上記の考案の背景に鑑み、産業上の需要を満たすため、本考案の目的の一つは、肢体固定装置であって、直接患者の身体の上で成形可能な、患者の固定／支持が必要な部位を被覆し、且つ患者に通気性、快適性、再成形の選択性を提供できる肢体固定装置を提供し、臨床上容易に製作できるというメリットを有する。

上記の目的を達成するため、本考案の一実施態様によれば、熱可塑性固定板を直接患者の身体の上で成形して成る固定装置が、前記患者の一部を被覆して前記患者の肢体を固定及び／或いは支持するための肢体固定装置であって、前記熱可塑性固定板は、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックと、ソフトファブリックから構成された積層体であり、前記コーティング層は、熱可塑性ポリマー及び熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種または２種以上の材料から構成され、前記熱可塑性固定板は、上主面と、下主面とを有し、前記熱可塑性固定板は、前記上主面から前記下主面へ延伸し、前記熱可塑性固定板の辺縁を被覆する少なくとも一つのエッジ被覆部材を備える。

一つの実施例において、前記ソフトファブリックが第２スペーサーファブリックで、前記第２スペーサーファブリックが、２層の表面層と１層のパイル層とを備え、前記第２スペーサーファブリックの厚さが０．５〜２ｍｍの範囲である。

一つの実施例において、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックの厚さが４〜８ｍｍの範囲であり、前記第１スペーサーファブリック（立体構造編物）が２層の表面層と１層のパイル層とを備え、前記第１スペーサーファブリックのパイル層がモノフィラメントヤーンからなり、前記モノフィラメントヤーンの直径が０．１〜０．２５ｍｍの範囲である。モノフィラメントヤーンは例えば、ポリエステル系、ナイロン系単繊維ヤーンである。前記コーティング層を構成する材料が前記第１スペーサーファブリックの表面層の表面及びその繊維の隙間と、パイル層の表面及びその繊維の隙間に存在している。

一つの実施例において、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックが、５５Ｄ以上のショア硬度及び２００ＭＰａ以上の曲げ弾性率を有する。いわゆる曲げ弾性率とは、ＡＳＴＭ Ｄ ７９０に準拠した三点曲げ試験において、スパン／長さ／幅／厚さの割合が約１６／４０／４／１であるテストシートを用いて、速度１５ｍｍ／ｍｉｎ、変形量５％以内で破壊点のないときの得られた値（曲げ弾性率）を指す。

一つの実施例において、前記エッジ被覆部材は、スペーサーファブリック、エラストマーファブリック、綿布、吸湿排汗機能性ファブリック及び竹炭繊維布からなる群から選ばれる１種の材料からなる。

一つの実施例において、前記エッジ被覆部材は両面テープ、或いは熱溶融接着剤による接着、或いは糸縫いの方式で、前記熱可塑性固定板の上主面及び下主面とが結合固定される。

一つの実施例において、前記熱可塑性ポリマーがポリカプロラクトンまたはウレタンであり、前記熱可塑性ポリマーが４０〜７０℃の融点を有し、前記熱可塑性複合材は熱可塑性ポリマーとフィラーからなり、前記フィラーはシリカ、タルクまたはグラファイトである。

一つの実施例において、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックが、熱可塑性ポリマーと、熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種または２種以上からなる材料を使用し、所定量で、前記材料の融点以上の温度の条件で押圧法により前記第１スペーサーファブリックの表面に形成したのち、加熱及び冷却を経た後コーティング層を形成してなる。第１スペーサーファブリックの表面とは、表面層の表面及び／またはその繊維の隙間、パイル層の表面及び／またはその繊維の隙間を含み、それに限定されるものではない。

一つの実施例において、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックが、複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔は前記熱可塑性固定板の上主面及び下主面を貫通して、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックは通気性を有し、且つ前記ソフトファブリックは通気性を有する。

一つの実施例において、前記肢体固定装置を加熱する際、前記肢体固定装置の前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック側の表面と前記肢体固定装置の前記ソフトファブリック側表面の温度差は１０℃以上である。

一つの実施例において、さらに、前記熱可塑性固定板に結合する複数の固定部材を有し、肢体を被覆する前記熱可塑性固定板の二つの開口端を係止する。

一つの実施例において、前記肢体固定装置を腕関節に応用し、前記熱可塑性固定板が、さらに開口を備えて、前記患者の親指を通過させる。

一つの実施例において、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックとソフトファブリックが、熱溶融接着剤層を介して積層され前記熱可塑性固定板となる。

一つの実施例において、前記両面テープが無基材熱溶融両面テープであり、前記熱溶融接着剤の融点は７０℃以上である。

一つの実施例において、前記第１スペーサーファブリックのパイル層がモノフィラメントヤーンから構成され、前記第２スペーサーファブリックのパイル層がモノフィラメントヤーンから構成され、前記第１スペーサーファブリックのモノフィラメントヤーン密度は前記第２スペーサーファブリックのモノフィラメントヤーン密度より大きい。

さらに、一つの実施例において、前記熱可塑性固定板はソフトファブリック、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック及びソフトファブリックを順に積層してなる積層体であってもよい。

本考案によれば、患者の身体の上で成形可能な低温成形、高通気性、快適性の高い肢体固定装置を提供し、素早く骨折部位を固定、支持できる効果があり、従来の石膏、低温熱可塑性板、高温プラスチック材の矯正装具、水硬化型はさみ、固定副木に代わる材料を提供できる。

（ａ）本考案の一実施例である肢体固定装置の略図であり、（ｂ）は（ａ）のＡＡ’線に沿った断面図であり、（ｃ）は（ａ）の上視図である。 （ａ）はコーティング層を有さない第１スペーサーファブリック２０を示す図であり（ｂ）はコーティング層を構成する材料と第１スペーサーファブリックを結合した略図であり、（ｃ）は表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックを示す図である。 本考案によるその他の実施例の肢体固定装置の略図である。 本考案によるその他の実施例の肢体固定装置の断面図である。 本考案によるその他の実施例の肢体固定装置の上視図である。

本考案の上記及びその他技術内容、特徴と効果について、以下で図を参照しながらより好ましい実施例の詳細な説明の中で明確に表す。以下、実施例において記載する方向に関する用語、例えば上・下・左・右・前或いは後ろなどは、付加図の方向の参考に過ぎない。従って、使用される方向的用語は、説明に用いられるのであって本考案を制限するものではない。このほか、「Ａ層（又は部材）をＢ層（又は部材）上に設置する」という用語は、Ａ層を直接Ｂ層表面に接触するように貼り付ける態様に限らず、例えばＡ層とＢ層との間にその他積層を介する場合も該用語の範囲に含まれる。図面において、同じ部材は同じ符号で表している。

本考案の実施態様によれば、熱可塑性固定板を直接患者の身体の上で成形して成る固定装置が、前記患者の一部を被覆して前記患者の肢体を固定及び／或いは支持するための肢体固定装置であって、前記熱可塑性固定板は、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックと、ソフトファブリックから構成された積層体であり、前記コーティング層は、熱可塑性ポリマー、及び熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種または２種以上の材料から構成され、
前記熱可塑性固定板は、上主面と、下主面とを有し、前記熱可塑性固定板は、前記上主面から前記下主面へ延伸し、前記熱可塑性固定板の辺縁を被覆する少なくとも一つのエッジ被覆部材を備える。

以下、図を参照して本考案を詳細に説明する。

図１ａは本考案の実施例である肢体固定装置の平面図である。図１ｂは図１ａのＡＡ’線に沿った断面図である。図１ｃは図１ａの上視図である。図１において、Ｌは肢体固定装置１のより大きな曲げ強度を有する方向を表し、これを長さ方向という。Ｗは肢体固定装置１の主面上の長さ方向と垂直である方向を表し、これを幅方向という。図１ｂは肢体固定装置の片側のＡＡ’線に沿った断面図のみを表し、１５はエッジ被覆部材であり、上主面１Ｕから下主面１Ｌに延伸し、熱可塑性固定板（ソフトファブリック１０及び第１スペーサーファブリック２０を含む）のエッジを被覆する。このうちソフトファブリック１０はスペーサーファブリックであって、表面層（ｓｕｒｆａｃｅ ｌａｙｅｒ）１１、１３及び表面層１１と１３に接続するパイル層（ｐｉｌｅ ｌａｙｅｒ）１２を含む。スペーサーファブリック（３Ｄファブリックということもある）とは、２枚の基布を連結糸でつないだ３層からなる織物・編物である。図１において、肢体固定装置は上主面１Ｕ及び下主面１Ｌに連通する複数の連通孔を有するので、通気性を有する。

図２はコーティング層を有する第１スペーサーファブリックの形成法のフロー図である。図２ａはコーティング層を有さない第１スペーサーファブリック２０ｐを表し、表面層２１ｐ、２３ｐ及びパイル層２２ｐを含む。図２ｂはコーティング層を構成する材料と第１スペーサーファブリックを結合した略図であり、下向きの矢印はスペーサーファブリックが圧縮され、厚さが小さくなる様子を表す。図２ｃは加熱と冷却を経た後、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック２０を得たことを表す。構成コーティング層の材料は表面層２１ｐ、表面層２３ｐの表面とその繊維の隙間及びパイル層２２ｐの表面とその繊維の隙間に存在している。

図１ｂの表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック２０構造を図２ｃに示す。表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック２０は、表面層２１、２３及びパイル層２２を含む。パイル層１２及びパイル層２２ｐはいずれもものフィラメントヤーンから構成される。図１ｂに示すように第１スペーサーファブリック２０ｐ（コーティング層を有さない）のモノフィラメントヤーンの密度はソフトファブリック１０の密度より大きく、ソフトファブリック１０は断熱機能と、使用者に快適性の効果を提供するが、第１スペーサーファブリック２０のパイル層２２ｐは十分な弾性率が必要であり、即ち圧縮抵抗の機能を有する必要があり、これによりコーティング層を構成する材料と第１スペーサーファブリックを結合し、押圧、加熱、冷却の製造フローを経た後に、十分な弾力性を有することで、図２ｃに示す表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック２０となる。

図３は本考案のその他の実施例による、腕間接に応用された肢体固定装置３００の略図である。肢体固定装置３００の熱可塑性固定板３２０は、さらに開口３１０を備え、形状依頼機能を構成することが変わった以外、その他構成は図１に示す肢体固定装置と同じである。図３は簡単な形状を示したものに過ぎず、例えば熱可塑性固定板３２０及び開口３１０の周囲を覆うためのエッジ被覆部材は図３において図示されていない。

図４は本考案によるその他の実施例の肢体固定装置４００の断面図であり、ソフトファブリック４１０、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック４２０及びソフトファブリック４３０を順に積層した積層体である。ソフトファブリック４１０と表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック４２０との間、及び表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック４２０とソフトファブリック４３０との間には、粘着剤、接着剤または熱溶融接着剤を有してもよい。肢体固定装置４００は、さらにエッジ被覆部材を有してもよい。

図５は、本考案によるその他の実施例の肢体固定装置５００の上視図である。肢体固定装置５００は熱可塑性固定板からなり、熱可塑性固定板の表面の形態は図５に示すように、ハニカム状の孔５１０を有する。このうち、５２０は表面にコーティング層を有する表面層を構成する繊維を示し、その周囲を被覆するエッジ被覆部材５３０は、例えばスペーサーファブリック、エラストマーファブリック、綿布、吸湿排汗機能性布または竹炭繊維布などのファブリックからなる。エッジ被覆部材はネット孔を有し、ネット孔のサイズは特に制限されない。エッジ被覆部材の機能は患者を熱可塑性固定板のエッジによる擦傷から保護するためである。さらに、熱可塑性固定板は用途によって各種形状でもよく、通常熱可塑性固定板の主要平面の互いに垂直な２軸、例えば長さ方向と幅方向は異なる曲げ弾性率を有し、必要に応じて裁断して形状を調整する。さらに、肢体固定装置５００のソフトファブリックは、肢体の皮膚を傷つけないように、及び通気性機能を有していれば、スペーサーファブリック、エラストマーファブリック、綿布、吸湿排汗機能性布または竹炭繊維布、ネット布などのファブリックでもよい。

前記ソフトファブリックがスペーサーファブリックであるとき、２層の表面層と１層のパイル層とを備えてもよく、異なる用途に従って、その厚さは０．５〜２ｍｍの範囲にある。前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックは、異なる用途に応じて、その厚さは４〜８ｍｍの範囲にある。前記第１スペーサーファブリックは２層の表面層と１層のパイル層とを備えてもよく、第１スペーサーファブリックのパイル層がモノフィラメントヤーンからなり、前記モノフィラメントヤーンの直径は０．１〜０．２５ｍｍの範囲である。

さらに、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックがコーティング処理の後、５５Ｄ以上のショア硬度及び２００ＭＰａ以上の曲げ弾性率を有する。いわゆる曲げ弾性率とは、ＡＳＴＭ Ｄ ７９０に準拠した三点曲げ試験において、スパン／長さ／幅／厚さの割合が約１６／４０／４／１であるテストシートを用いて、速度１５ｍｍ／ｍｉｎ、変形量５％以内で破壊点のないときの得られた値を（曲げ弾性率）を指す。肢体固定装置の曲げ弾性率は、好ましくは２００〜４００ＭＰａの範囲である。

上記エッジ被覆部材は接着剤、粘着剤、両面テープ、熱溶融接着剤または糸縫いによる方法で前記熱可塑性固定板の上主面と下主面を結合固定する。また、上記両面テープが無基材熱溶融両面テープでもよく、前記熱溶融接着剤の融点は７０℃以上、より好ましくは２００℃以下である。

コーティング層を構成する材料としては、前記熱可塑性ポリマーでもよく、例えばポリカプロラクトンまたはウレタンであり、前記熱可塑性ポリマーは４０〜７０℃の融点を有する。また前記コーティング層を構成する材料は、前記熱可塑性複合材であり、例えば熱可塑性ポリマーとフィラーからなる。前記フィラーはシリカ、タルクまたはグラファイトである。

表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックは、熱可塑性ポリマーと、熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種または２種以上からなる材料であって、所定量を、前記材料の融点以上の温度において押圧法により前記第１スペーサーファブリックの表面に形成したのち、加熱及び冷却を経た後コーティング層を形成してなる。上記の所定量とは、第１スペーサーファブリックの孔を充填する材料の量より小さく、体積換算すると、通常は第１スペーサーファブリックの孔を充填する材料の量の８０％以下、好ましくは１０〜８０％、さらに好ましくは２０〜７０％、最も好ましくは３０〜６０％である。

前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックとソフトファブリックは、熱溶融接着剤層を介して積層され前記熱可塑性固定板となる。

前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックが、複数の貫通孔を有する。いわゆる貫通孔は、前記熱可塑性固定板の上主面及び下主面を貫通して、前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックが通気性を有し、且つ前記ソフトファブリックが通気性を有する。

ソフトファブリックは同時に断熱効果も有する。例えば、前記肢体固定装置を加熱する際、前記肢体固定装置の前記表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック側の表面と前記ソフトファブリック側表面の温度差は１０℃以上である。

本考案の肢体固体装置によれば、さらに前記熱可塑性固定板に結合するための複数の固定部材を有し、肢体を被覆する前記熱可塑性固定板の二つの開口端を係止する。固定部材と熱可塑性固定板の結合方式は、例えば熱溶融接着剤、ボタン、ミシン等である。

肢体固定装置は、患者の肢体を支持するために用いてもよく、関節の固定、骨折部位を支持する装置として、弱まった筋肉の代わりとなり関節変形が悪化するのを防ぎ、傷痕の収縮を予防する効果がある。前記肢体固定装置を腕関節に応用する際は、前記熱可塑性固定板が、さらに開口を備え、前記患者の親指を通過させる。

本考案によれば、患者の身体の上で成形可能な、低温成形、高通気性、快適性を有する肢体固定装置を提供し、骨折部位の速やかな固定、支持の効果を達成し、従来の石膏、帝王熱可塑性板、高温プラスチック材の矯正具、水硬化型はさみ、固定副木の代替材料となる。

以上、本考案の特定の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本考案に含まれる。また、本考案の任意の実施例または実用新案登録請求の範囲は、本考案が開示する全ての目的または特長、特徴を達成する必要はない。このほか、要約部分と標題は特許文献の検索に用いられるために過ぎず、本考案の権利範囲を制限するものではない。

１，３００，４００，５００ 肢体固定装置
１Ｕ 上主面
１Ｌ 下主面
１０，４１０，４３０ ソフトファブリック
１１，１３，２１ｐ，２３ｐ，２１，２３ 表面層
１２，２２ｐ，２２ パイル層
１５ エッジ被覆部材
２０ 表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリック
２０ｐ 表面にコーティング層を有さない第１スペーサーファブリック
３１０ 開口
３２０ 熱可塑性固定板
５１０ 孔
５２０ 表面にコーティング層を有する表面層を構成する繊維
ＡＡ’ 断面線
Ｌ 長さ方向
Ｗ 幅方向

Claims (13)

1. 熱可塑性固定板を直接患者の身体の上で成形して成る固定装置が、前記患者の一部を被覆して前記患者の肢体を固定及び／或いは支持するための肢体固定装置であって、
   前記熱可塑性固定板は、表面にコーティング層を有する第１スペーサーファブリックと、ソフトファブリックから構成された積層体であり、
   前記コーティング層は、熱可塑性ポリマー、及び熱可塑性複合材からなる群から選ばれる１種または２種以上の材料から構成され、
   前記熱可塑性固定板は、上主面と、下主面と、前記上主面から前記下主面へ延伸し、前記熱可塑性固定板の辺縁を被覆する少なくとも一つのエッジ被覆部材とを備える、
   ことを特徴とする肢体固定装置。
2. 前記ソフトファブリックが第２スペーサーファブリックであり、
   前記第２スペーサーファブリックが、２層の表面層と１層のパイル層とを備え、
   前記第２スペーサーファブリックの厚さが０．５〜２ｍｍの範囲である、
   ことを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
3. 前記第１スペーサーファブリックの厚さが４〜８ｍｍの範囲であり、
   前記第１スペーサーファブリックが２層の表面層と１層のパイル層とを備え、
   前記第１スペーサーファブリックの前記パイル層がモノフィラメントヤーンからなり、
   前記モノフィラメントヤーンの直径が０．１〜０．２５ｍｍの範囲である、
   ことを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
4. 前記第１スペーサーファブリックが、５５Ｄ以上のショア硬度及び２００ＭＰａ以上の曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
5. 前記エッジ被覆部材が、スペーサー（３Ｄ）ファブリック、エラストマーファブリック、綿布、吸湿排汗機能性ファブリック及び竹炭繊維布からなる群から選ばれる１種の材料からなることを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
6. 前記コーティング層を構成する材料が、前記第１スペーサーファブリックの表面層の表面及びその繊維の隙間と、パイル層の表面及びその繊維の隙間に存在していることを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
7. 前記熱可塑性ポリマーがポリカプロラクトンまたはウレタンであり、
   前記熱可塑性ポリマーが４０〜７０℃の融点を有し、
   前記熱可塑性複合材は前記熱可塑性ポリマーとフィラーからなり、
   前記フィラーはシリカ、タルクまたはグラファイトである、
   ことを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
8. 前記第１スペーサーファブリックが、複数の貫通孔を有し、
   前記複数の貫通孔は、前記熱可塑性固定板の前記上主面及び前記下主面を貫通して、
   前記第１スペーサーファブリックが通気性を有し、
   且つ前記ソフトファブリックが通気性を有する、
   ことを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
9. 前記肢体を被覆する前記熱可塑性固定板の二つの開口端を係止し、前記熱可塑性固定板に結合する複数の固定部材をさらに有することを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
10. 前記肢体固定装置を腕関節に応用し、前記熱可塑性固定板が、さらに開口を備え、前記患者の親指を通過することを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
11. 前記第１スペーサーファブリックと前記ソフトファブリックが、熱溶融接着剤層を介して積層され、前記熱可塑性固定板となることを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。
12. 前記第１スペーサーファブリックの前記パイル層が前記モノフィラメントヤーンから構成され、
    前記第２スペーサーファブリックの前記パイル層が前記モノフィラメントヤーンから構成され、
    前記第１スペーサーファブリックの前記モノフィラメントヤーンの密度が前記第２スペーサーファブリックの前記モノフィラメントヤーンの密度より大きい、
    ことを特徴とする請求項３に記載の肢体固定装置。
13. 前記熱可塑性固定板が前記ソフトファブリック、前記第１スペーサーファブリック及び前記ソフトファブリックを順に積層してなる積層体であることを特徴とする請求項１に記載の肢体固定装置。