JP3227420U - アーク溶接用キャップ式コンタクトチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接によってコンタクトチップが摩耗した場合には、先端部だけを交換することにより、より安価に設備機器を補修することができるコンタクトチップを提供する。【解決手段】溶接ワイヤ挿通孔wを有するアーク溶接用のコンタクトチップ1において、先端部2と本体部3に二分割し、これらを着脱自在にするとともに、先端部2の材質をセラミックスまたは導電性ガラスとし、本体部3の材質を導電性材料にする。また、導電性材料の材質としては、銅や銅合金などの金属のほか、導電性セラミックスや導電性ガラスなどが適用できる。また、先端部2と本体部3の結合構造はネジ式等が好適である。【選択図】図1
Description
本考案は、MIG溶接やMAG溶接等のアーク溶接用のコンタクトチップに関し、溶接時の損耗等による設備維持管理費用を低減させるための技術に関する。
従来、溶接ワイヤの通し孔を有するアーク溶接用のコンタクトチップに関し、溶接ワイヤに対して接触給電を行っているチップは、給電時にワイヤの接触部分が高温になり、ワイヤの送給によって通し孔の先端が著しく摩耗し、楕円形に変形したりして溶接個所のずれやアーク発生不良等の原因になるのを防止するため、溶接ワイヤと接触する中子部と、残部のチップ本体部の二部分から構成し、チップ本体部を銅または黄銅またはアルミニウム合金から構成するとともに、中子部をチップ本体部より硬質の導電性金属製にするような技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
ところが、上記のような技術を採用しても、溶接によってコンタクトチップが摩耗した場合、コンタクトチップ全体を交換する必要があるため、設備維持管理費用がかかるという問題があった。
そこで本考案は、溶接によってコンタクトチップが摩耗した場合にも、より安価に設備機器を補修することができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため本考案は、溶接ワイヤの通し孔を有するアーク溶接用のコンタクトチップにおいて、先端部と本体部に二分割してこれらを着脱自在にするとともに、前記先端部の材質をセラミックス又は導電性ガラスとし、本体部の材質を導電性材料とした。
このように二分割することにより、特に熱的損傷やスパッタリングによる損耗が激しい先端部の損耗度を抑制することができ、しかも先端部が損耗した場合、先端部だけを交換して本体部は継続して使用できるため機器の維持管理費用が安価である。また、本体部の材質を導電性材料にすることにより、溶接ワイヤに対する安定した給電が可能となり、アークの発生を安定させることができる。なお、導電性材料とは、電気抵抗率の低い金属材料、例えば銅、銅合金、銅鉄、超硬合金、はがね、鉄、モリブデン鋼、トタン、ブリキ板、ステンレス鋼、砲金、ダイヤモンド、鉛、カーボン、グラスファイバー、ナノファイバー、チタン、チタン合金、ベアリング鋼等の電気抵抗率の低い材料のほか、導電性セラミックスや導電性ガラスなどが適用可能である。
なお、先端部の材質にセラミックスが採用される場合、セラミックスとしては、電気的に絶縁性のある電気絶縁性セラミックスでもよく、導電性セラミックスでも良い。そして、電気絶縁性セラミックスの場合、溶接時に発生するスパッタリングの付着等を防止できるが、導電性セラミックスにする場合、機械的強度や耐摩耗性等に優れたジルコニア系、SiC系、SiN4系、Ti系等の焼結材に対して炭化物、窒化物、ホウ素系などの高い導電性を有する元素を添加したものなどが好適である。そして、先端部の材質を電気絶縁性セラミックスにする場合、特に溶接時に発生するスパッタリングの付着を防止できる。
なお、先端部の材質にセラミックスが採用される場合、セラミックスとしては、電気的に絶縁性のある電気絶縁性セラミックスでもよく、導電性セラミックスでも良い。そして、電気絶縁性セラミックスの場合、溶接時に発生するスパッタリングの付着等を防止できるが、導電性セラミックスにする場合、機械的強度や耐摩耗性等に優れたジルコニア系、SiC系、SiN4系、Ti系等の焼結材に対して炭化物、窒化物、ホウ素系などの高い導電性を有する元素を添加したものなどが好適である。そして、先端部の材質を電気絶縁性セラミックスにする場合、特に溶接時に発生するスパッタリングの付着を防止できる。
また、本体部の材質の導電性材料として導電性セラミックスを使用する場合、金属並みの導電性と優れた機械的強度等を併せ持つことが好ましく、例えばジルコニア焼結体に所定量のカーボンを含有させた導電性ジルコニア系セラミックスやSiC焼結体に所定量のカーボンを含有させたSiC系の導電性複合セラミックスなどが好適である。
そして、前記先端部と本体部との結合方式はネジ式結合構造にすれば好ましく、そのうちでも特にテーパネジ構造にすれば、両者の芯だし精度が良好となって、溶接ワイヤの通過に支障がでない。
アーク溶接用のコンタクトチップとして、先端部と本体部の二部品から構成することにより、特に損耗しやすい通し孔の先端部周辺等が損傷した場合、損傷した部位に対応する部品だけを交換すればよいため、設備維持管理費用が安価になる。また、本体部の材質を導電性材料にすることにより、溶接ワイヤに対する安定した給電が可能となり、アークの発生を安定させることができる。
本考案の実施の形態について説明する。
本考案に係るコンタクトチップ1は、溶接によってコンタクトチップが摩耗した場合にも、より安価に設備を補修することができるようにされており、先端部と本体部に二分割し、先端部の材質をセラミックスまたは導電性ガラスにし、本体部の材質を導電性材料にすることを特徴としている。
本考案に係るコンタクトチップ1は、溶接によってコンタクトチップが摩耗した場合にも、より安価に設備を補修することができるようにされており、先端部と本体部に二分割し、先端部の材質をセラミックスまたは導電性ガラスにし、本体部の材質を導電性材料にすることを特徴としている。
すなわち、図1に示すように、本コンタクトチップ1は、長さ方向に対して先端部2と、本体部3に分割されており、本体部3の雄ネジ部3nが先端部2の雌ネジ部2mに螺合自在にされるとともに、先端部2の材質はセラミックス又は導電性ガラスとしている。
そして、このコンタクトチップ1の中心部には長さ方向に対して不図示の溶接ワイヤを通すことのできる通し孔としてのワイヤ挿通孔wが設けられており、このワイヤ挿通孔wの先端側は先端部2の中央を前方に向けて開口しており、基端側は本体部3の後端側の雄ネジ部nの中央を後方に向けてテーパ状に広がって開口している。
前記先端部2は、図2に示すように、本体部3の前方の雄ネジ部3nを螺合せしめることのできる雌ネジ部2mを備えており、この雌ネジ部2mの中央部から前方に向けてワイヤ挿通孔Wが形成されている。
また、この先端部2の材質はセラミックスまたは導電性ガラスであり、セラミックスの場合、電気的に絶縁性のある電気絶縁性セラミックスでもよく、導電性セラミックスでも良い。そして、電気絶縁性セラミックスの場合、溶接時に発生するスパッタリングの付着等を防止できるが、導電性セラミックスにする場合、機械的強度や耐摩耗性等に優れたジルコニア系、SiC系、SiN4系、Ti系等の焼結材に対して炭化物、窒化物、ホウ素系などの高い導電性を有する元素を添加したものなどが好適である。因みに、導電性ジルコニア系セラミックスの場合、もともと金属加工に適用されているワイヤ放電加工が適用可能であるため、成型等が容易である。
前記本体部3は、図3に示すように、その前方側に先端部の雌ネジ2mに螺合するための雄ネジ3nを備えるとともに、後端側に雄ネジ部nを備えており、また、中心部には長さ方向に向けてワイヤ挿通孔wが貫通して形成されている。
また、本実施例では、この本体部3の材質として、ベリリウム銅等の銅合金としているが、この材質は任意である。例えば、電気抵抗率の低い金属材料、例えば銅、銅合金、銅鉄、超硬合金、はがね、鉄、モリブデン鋼、トタン、ブリキ板、ステンレス鋼、砲金、ダイヤモンド、鉛、カーボン、グラスファイバー、ナノファイバー、チタン、チタン合金、ベアリング鋼等の電気抵抗率の低い材料のほか、導電性セラミックスや導電性ガラスなどが適用可能である。
また、本実施例では、この本体部3の材質として、ベリリウム銅等の銅合金としているが、この材質は任意である。例えば、電気抵抗率の低い金属材料、例えば銅、銅合金、銅鉄、超硬合金、はがね、鉄、モリブデン鋼、トタン、ブリキ板、ステンレス鋼、砲金、ダイヤモンド、鉛、カーボン、グラスファイバー、ナノファイバー、チタン、チタン合金、ベアリング鋼等の電気抵抗率の低い材料のほか、導電性セラミックスや導電性ガラスなどが適用可能である。
以上のような先端部2と本体部3を組み合わせたコンタクトチップ1は図1の通りである。
このようなコンタクトチップ1は、特に熱損傷等を受けやすい先端部2の材質がセラミックスまたは導電性ガラスであり、特に、セラミックスの材質を電気絶縁性セラミックスにする場合、スパッタリングの付着を防止できるとともに、先端部2が損耗した場合でも先端部2だけを交換すればよいため、設備維持管理費用が安価である。
このようなコンタクトチップ1は、特に熱損傷等を受けやすい先端部2の材質がセラミックスまたは導電性ガラスであり、特に、セラミックスの材質を電気絶縁性セラミックスにする場合、スパッタリングの付着を防止できるとともに、先端部2が損耗した場合でも先端部2だけを交換すればよいため、設備維持管理費用が安価である。
また、セラミックスの材質を導電性セラミックスにする場合、この部分からも溶接ワイヤに電気が流され、アークの発生を安定させることができる。
ところで、図4の形態は、先端部2と本体部3の雄雌ネジを逆転させ、先端部2に雄ネジ2nを、本体部3に雌ネジ3mを設けた実施例である。この場合でも上記例と同様に、先端部2の材質がセラミックスで本体部3の材質が導電性材料であるため、上記と同じ効果が得られる。
また、以上の実施例では、雄雌ネジをすべてストレート式のネジ構造にした場合で説明したが、これをテーパネジ方式にしてもよい。
この場合、両者に芯だしがより精密になって、溶接ワイヤの通過がスムーズになるという効果が得られる。
この場合、両者に芯だしがより精密になって、溶接ワイヤの通過がスムーズになるという効果が得られる。
なお、本考案は以上のような実施形態に限定されるものではない。本考案の実用新案登録請求の範囲に記載した事項と実質的に同一であり、同一の作用効果を奏するものは本考案の技術的範囲に属する。例えば、実施形態における各部品等の材質は一例である。
アーク溶接分野における今後の広い分野での多いなる普及が期待される。
1…コンタクトチップ、2…先端部、3…本体部、w…ワイヤ挿通孔。
Claims (3)
- 溶接ワイヤの通し孔を有するアーク溶接用のコンタクトチップであって、先端部と本体部に二分割されてこれらが着脱自在にされるとともに、前記先端部の材質をセラミックス又は導電性ガラスにし、本体部の材質を導電性材料にしたことを特徴とするアーク溶接用キャップ式コンタクトチップ。
- 前記先端部と本体部との結合方式はネジ式結合構造であることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用キャップ式コンタクトチップ。
- 前記ネジ式結合はテーパネジであることを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接用キャップ式コンタクトチップ。
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JP2020001934U JP3227420U (ja) | 2020-05-25 | 2020-05-25 | アーク溶接用キャップ式コンタクトチップ |
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CN113500276A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-10-15 | 中车戚墅堰机车车辆工艺研究所有限公司 | 一种焊丝自预热气保焊导电嘴 |
WO2024044292A1 (en) * | 2022-08-26 | 2024-02-29 | Elco Enterprises, Inc. | Multi-piece contact for an end assembly of a welding device |
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