JP3227103U - マスク材料およびそれを用いたマスク - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が簡単なマスク材料およびそれを用いたマスクを提供する。【解決手段】マスク材料50は、表面から最外層51、外層52、中間層53、内層54、最内層55の順番に設けられている5層構造のマスク材料であって、最外層51、外層52、内層54、最内層55が絹織物であり、中間層53が不織布であり、最外層51および外層52によって外側二重織物61を構成しており、内層54および最内層55によって内側二重織物62を構成している。【選択図】図3
Description
本発明は、マスク材料およびそれを用いたマスクに関する。
近年、花粉等の様々なアレルギー症状を抱える患者が増加している。また様々なウイルスによる感染症が毎年のように流行している。そして、このようなアレルギー症状および感染症に対する有効な手段として、マスクの着用が挙げられる。
マスクは、人の顔に装着し、鼻および口を覆うものであり、空気中の微細な浮遊物が体内に取り込まれないようにしたり、口や鼻からの分泌物を周囲にまき散らさないようにする。そのため、花粉等やウイルスを体内に取り込むことを防止し、また、万が一、感染症に罹ったとしても周囲への影響を最小限にとどめることができる。特に、感染症が流行している際、公共の場所において、マスクの着用はエチケットとされつつある。
特許文献1には、吸湿性がよく、肌触りが良好な、放縮処理が施された生糸からなる絹織物を多重に重ね合わせた衛生マスクが開示されている。詳しくは、マスクに対して幅が3倍、長さが4倍の絹織物を準備し、幅方向に3重になるように折り畳んで、さらに長さ方向に4重となるように折り畳むことによって多重生地からなるマスク材料を成形している。つまり、12層構造のマスクが開示されている。
マスクは、人の顔に装着し、鼻および口を覆うものであり、空気中の微細な浮遊物が体内に取り込まれないようにしたり、口や鼻からの分泌物を周囲にまき散らさないようにする。そのため、花粉等やウイルスを体内に取り込むことを防止し、また、万が一、感染症に罹ったとしても周囲への影響を最小限にとどめることができる。特に、感染症が流行している際、公共の場所において、マスクの着用はエチケットとされつつある。
特許文献1には、吸湿性がよく、肌触りが良好な、放縮処理が施された生糸からなる絹織物を多重に重ね合わせた衛生マスクが開示されている。詳しくは、マスクに対して幅が3倍、長さが4倍の絹織物を準備し、幅方向に3重になるように折り畳んで、さらに長さ方向に4重となるように折り畳むことによって多重生地からなるマスク材料を成形している。つまり、12層構造のマスクが開示されている。
しかし、特許文献1の衛生マスクの場合、各層の面同士は独立しているため、洗濯すると面同士の摩擦を避けることはできない。そのため、その摩擦による織布のほつれが生じやすい。また12層に重ねた絹織物からなる衛生マスクに、さらなる加工を施すのは非常に煩雑になる。例えば、上下方向に伸縮するようにプリーツ加工を施すことはできない。
本考案は、製造が簡単で耐久性の高いマスク材料およびそれを用いたマスクを提供することを目的としている。
本考案は、製造が簡単で耐久性の高いマスク材料およびそれを用いたマスクを提供することを目的としている。
本考案のマスク材料は、表面から最外層、外層、中間層、内層、最内層の順番に設けられている5層構造のマスク材料であって、前記最外層、前記外層、前記内層、前記最内層が絹織物であり、前記中間層が不織布であり、前記最外層および前記外層によって外側二重織物を形成しており、前記内層および前記最内層によって内側二重織物を形成していることを特徴としている。
本考案のマスク材料であって、前記外側二重織物と、前記内側二重織物が、1枚の二重織物を折り重ねることによって形成されているものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、前前記絹織物が、ジャガード織機によって織られた紋織物であるものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、全5層を折り曲げてボックスプリーツ加工が施されているものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、前記不織布は高密度不織布であるものが好ましい。その場合、前記高密度不織布が、エンボス加工を施されたものであるのが好ましい。そして、エンボス加工が、不織布の全体に均等に設けられた凹部であるのが好ましい。
本考案のマスク材料であって、少なくとも左右縁および下縁が縫製されて一体化されているものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、前記マスク材料の上部であって、外層と前記内層との間に、ノーズワイヤが設けられているものが好ましい。
本考案のマスクは、本考案のマスク材料と、その両端に設けられた耳掛け部とからなることを特徴としている。
本考案のマスク材料であって、前前記絹織物が、ジャガード織機によって織られた紋織物であるものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、全5層を折り曲げてボックスプリーツ加工が施されているものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、前記不織布は高密度不織布であるものが好ましい。その場合、前記高密度不織布が、エンボス加工を施されたものであるのが好ましい。そして、エンボス加工が、不織布の全体に均等に設けられた凹部であるのが好ましい。
本考案のマスク材料であって、少なくとも左右縁および下縁が縫製されて一体化されているものが好ましい。
本考案のマスク材料であって、前記マスク材料の上部であって、外層と前記内層との間に、ノーズワイヤが設けられているものが好ましい。
本考案のマスクは、本考案のマスク材料と、その両端に設けられた耳掛け部とからなることを特徴としている。
本考案のマスク材料は、表面側の2層によって外側二重織物を形成しており、裏面側の2層によって内側二重織物を形成しているため、洗濯等をしてもほつれにくく、耐久性が高い。また重厚な質感や肌触りにも関わらず、良好な通気性を有している。
図1のマスク1は、5層構造のマスク本体10と、その左右に設けられた耳掛け部11とからなる。表面にボックスプリーツ13が形成されている。
マスク本体10は、図2a、bに示すように、上縁10aに折り目が形成されており、左右縁および下縁が縫製されて一体化されている。なお、符号12a、12b、12cは、それぞれ縫い目を表している。また左右縁の縫い目12a、bによって、耳掛け部11が連結される。縫い目12a、b、cは、5層のすべてを貫通するように設けられている。
マスク本体10の表面(図2a)の中央部には、ボックスプリーツ13(箱ひだ)が形成されている。言い換えれば、マスク本体の裏面(図2b)の中央部の上側に、下方に向かって形成される上側折込部13aが形成されており、マスク本体10の裏面の中央部の下側に、上方に向かって形成される下側折込部13bが形成されている。そして、上側折込部13aと下側折込部13bとは、端部が重ならないように中央に位置している。この箱ひだ13は、5層すべてを折って形成されている。
マスク本体10の上部には、左右方向に沿って、ノーズワイヤ14が埋め込まれている。ノーズワイヤ14は、図3における外側二重織物61と内側二重織物62との間に設けられている。中間層53の表面側にあっても、裏面側にあってもよく、中間層53の上方にあってもよい。そして、マスク本体10の上縁10a(折部)と、それより下方に設けられた左右方向に延びるワイヤ用縫い目14aの間に配置される。
ノーズワイヤ14としては、軟質の金属ワイヤ、あるいは、軟質の合成樹脂などが挙げられる。
マスク本体10の上部には、左右方向に沿って、ノーズワイヤ14が埋め込まれている。ノーズワイヤ14は、図3における外側二重織物61と内側二重織物62との間に設けられている。中間層53の表面側にあっても、裏面側にあってもよく、中間層53の上方にあってもよい。そして、マスク本体10の上縁10a(折部)と、それより下方に設けられた左右方向に延びるワイヤ用縫い目14aの間に配置される。
ノーズワイヤ14としては、軟質の金属ワイヤ、あるいは、軟質の合成樹脂などが挙げられる。
次に、マスク本体を構成する5層構造のマスク材料について、説明する。
マスク材料50は、図3に示すように、表面から最外層51、外層52、中間層53、内層54、最内層55が順番に設けられている5層構造のものである。
最外層51、外層52、内層54、最内層55は、それぞれが絹織物を構成している。つまり、絹糸からなる経糸および緯糸を組み合わせた絹織物となっている。各層の織り方は、特に限定されず、平織、綾織、繻子織、あるいはそれらを組み合わせた紋織物が挙げられる。特に、ジャガード織機によって織られた紋織物であることが好ましい。
マスク材料50の最外層51および外層52によって外側二重織物61を形成しており、マスク材料50の内層54および最内層55によって内側二重織物62を形成している。外側二重織物61は、最外層51の緯糸(あるいは経糸)を部分的に外層52の組織に組み入れることによって、最外層51と外層52とを一体化させたものである。なお、外層52の緯糸(あるいは経糸)を部分的に最外層51の組織に組み入れてもよい。一方、内側二重織物62は、最内層55の緯糸(あるいは経糸)を部分的に内層54の組織に組み入れることによって、最内層55と内層54とを一体化させたものである。なお、内層54の緯糸(あるいは経糸)を部分的に最内層55の組織に組み入れてもよい。このような二重織物は、ジャガード織機によって織ることができる。
マスク材料50は、1枚の二重織物を上下半分に折り重ねることにより、外側二重織物61および内側二重織物62を形成している。そのため、マスク本体10の上縁10aは、2つの二重織物を縫製する縫い目が設けられておらず、その上縁10aが肌と接触して不快を与えることがない。
このように構成されているため、マスク本体10において、外側二重織物61と内側二重織物62とで袋構造が形成される。
マスク材料50は、図3に示すように、表面から最外層51、外層52、中間層53、内層54、最内層55が順番に設けられている5層構造のものである。
最外層51、外層52、内層54、最内層55は、それぞれが絹織物を構成している。つまり、絹糸からなる経糸および緯糸を組み合わせた絹織物となっている。各層の織り方は、特に限定されず、平織、綾織、繻子織、あるいはそれらを組み合わせた紋織物が挙げられる。特に、ジャガード織機によって織られた紋織物であることが好ましい。
マスク材料50の最外層51および外層52によって外側二重織物61を形成しており、マスク材料50の内層54および最内層55によって内側二重織物62を形成している。外側二重織物61は、最外層51の緯糸(あるいは経糸)を部分的に外層52の組織に組み入れることによって、最外層51と外層52とを一体化させたものである。なお、外層52の緯糸(あるいは経糸)を部分的に最外層51の組織に組み入れてもよい。一方、内側二重織物62は、最内層55の緯糸(あるいは経糸)を部分的に内層54の組織に組み入れることによって、最内層55と内層54とを一体化させたものである。なお、内層54の緯糸(あるいは経糸)を部分的に最内層55の組織に組み入れてもよい。このような二重織物は、ジャガード織機によって織ることができる。
マスク材料50は、1枚の二重織物を上下半分に折り重ねることにより、外側二重織物61および内側二重織物62を形成している。そのため、マスク本体10の上縁10aは、2つの二重織物を縫製する縫い目が設けられておらず、その上縁10aが肌と接触して不快を与えることがない。
このように構成されているため、マスク本体10において、外側二重織物61と内側二重織物62とで袋構造が形成される。
中間層53は、不織布からなる。不織布は、用途に応じて適宜変更することができる。しかし、洗濯によって、各繊維のほつれおよび収縮が生じにくい、高密度不織布あるいはエンボス加工が施された不織布を用いるのが好ましい。特に、エンボス加工が施された高密度不織布であるのが好ましい。例えば、図4に示すように、不織布65の全体に均等な凹部65aを設けるのが好ましい。このような高密度不織布、エンボス加工が施された不織布あるいはエンボス加工が施された高密度不織布からなる中間層53を他の層と縫製によって一体化することにより、例えば、左右縁および下縁が縫製されて一体化することにより、洗濯による絹糸の収縮を不織布が防止する。なお、このマスク本体10では、さらに、ワイヤ用縫い目14cによっても不織布と他層とは縫製されている。よって、マスク50の全体の収縮を抑えることができる。
このようなマスク材料50は、絹織物を主構成としているため、通気性が高い。一方、絹糸は吸湿性がよいため、マスク内を所定の湿度範囲内に保つことができる。また表面および裏面である顔等との接触層が絹製であるため、肌触りが良い。さらに、洗濯することにより、絹糸が適度な水分を吸収し、装着したときに一層しなやかな肌触りが得られる。特に、二重織物としているため、単に一層の絹織物より肌触りが柔らかい。その一方、マスク全体に重厚感を与え、装飾性も向上する。
またマスク材料50は、外層と最外層(および内層と最内層)を二重織物としているため、外層と最外層(および内層と最内層)の面同士の動きがなく、洗濯にしてもよってもほつれにくく、耐久性が高い。一方、実質的に3層(2つの二重織物と不織布)として取り扱うことができるため、縫製が容易にでき、後加工も容易にできる。
花粉やウイルス等の微細な浮遊物については、不織布で吸着させることができる。
またマスク材料50は、外層と最外層(および内層と最内層)を二重織物としているため、外層と最外層(および内層と最内層)の面同士の動きがなく、洗濯にしてもよってもほつれにくく、耐久性が高い。一方、実質的に3層(2つの二重織物と不織布)として取り扱うことができるため、縫製が容易にでき、後加工も容易にできる。
花粉やウイルス等の微細な浮遊物については、不織布で吸着させることができる。
マスク1の製造方法の一例を示す。初めに、ジャガード織機等の織機において、絹糸から二重織物を成形する。それを、マスク本体10の2倍の大きさ、詳しくは高さ方向に2倍の大きさに裁断する。裁断した二重織物を上下半分に折り重ねる。折り重ねるのと同時に、あるいは、折り重ねた後、2枚の二重織物の間に不織布を挿入する。そして、マスク本体10の下縁の縫い目12cをいれて不織布を固定し、5層構造とする。なお、裁断縁が露出しないように、下端を織り込んで縫製する。その後、5層全体を折り曲げてプリーツ加工を施す。このとき、最外層51と外層52とが外側二重織物61を構成して一体化されており、内層54と最内層55とが内側二重織物62を構成して一体化されているため、実質的に3枚の布地(二枚の二重絹織物と不織布)を折ってプリーツ加工をすることになり、比較的簡単に加工を行うことができる。その後、左右どちらかの開口からノーズワイヤ14を挿入し、ワイヤ用縫い目14aを入れてノーズワイヤ14を固定する。なお、ノーズワイヤ14は、プリーツ加工を施す前に入れて固定してもよい。最後に、耳掛け部11をマスク材料50の左縁および右縁の所定の位置に配置させ、左縁および右縁を縫製し、マスク1を製造する。なお、この際、繊維が露出した裁断縁が現れないように内側に織り込んで縫製するのが好ましい。
本考案のマスク材料およびマスクは、上記実施形態に限定されるものではない。
図1のマスク1では、マスク材料50を1枚の二重絹織物を折り畳んで成形していたが、2枚の独立した二重絹織物を重ねてマスク材料を構成してもよい。その場合、上下の折り加工の代わりに、上縁を縫い合わせる縫製が必要となる。
図1のマスク1では、中間層53である不織布を他の層と共に縫製し、外側二重織物61と内側二重織物62との間で固定しているが、固定しなくてもよい。しかし、洗濯等によって繰り返し使用することによって、中間層53がずれることがあり、固定するのが好ましい。
図1のマスク1では、マスク材料50を1枚の二重絹織物を折り畳んで成形していたが、2枚の独立した二重絹織物を重ねてマスク材料を構成してもよい。その場合、上下の折り加工の代わりに、上縁を縫い合わせる縫製が必要となる。
図1のマスク1では、中間層53である不織布を他の層と共に縫製し、外側二重織物61と内側二重織物62との間で固定しているが、固定しなくてもよい。しかし、洗濯等によって繰り返し使用することによって、中間層53がずれることがあり、固定するのが好ましい。
1 マスク
10 マスク本体
10a 上縁
11 耳掛け部
12a、12b、12c 縫い目
13a 上側折込部
13b 下側折込部
14 ノーズワイヤ
14a ノーズワイヤ用縫い目
50 マスク材料
51 最外層
52 外層
53 中間層
54 内層
55 最内層
61 外側二重織物
62 内側二重織物
65 不織布
65a 凹部
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Claims (10)
- 表面から最外層、外層、中間層、内層、最内層の順番に設けられている5層構造のマスク材料であって、
前記最外層、前記外層、前記内層、前記最内層が絹織物であり、
前記中間層が不織布であり、
前記最外層および前記外層によって外側二重織物を形成しており、
前記内層および前記最内層によって内側二重織物を形成している、
5層構造のマスク材料。 - 前記外側二重織物と、前記内側二重織物が、1枚の二重織物を折り重ねることによって形成されている、
請求項1記載のマスク材料。 - 前記絹織物が、ジャガード織機によって織られた紋織物である、
請求項1または2記載のマスク材料。 - 全5層を折り曲げてボックスプリーツ加工が施されている、
請求項1から3いずれか記載のマスク材料。 - 前記不織布は、高密度不織布である、
請求項1から4いずれか記載のマスク材料。 - 前記不織布は、エンボス加工が施された高密度不織布である、
請求項5記載のマスク材料。 - 前記エンボス加工が、不織布の全体に均等に設けられた凹部である、
請求項6記載のマスク材料。 - 少なくとも左右縁および下縁が縫製されて一体化されている、
請求項1から7いずれかに記載のマスク材料。 - 前記マスク材料の上部であって、外層と前記内層との間に、ノーズワイヤが設けられている、
請求項1から8いずれか記載のマスク材料。 - 請求項1から9いずれか記載のマスク材料と、その両端に設けられた耳掛け部とからなるマスク。
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JP2020001442U JP3227103U (ja) | 2020-04-21 | 2020-04-21 | マスク材料およびそれを用いたマスク |
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