JP3227002B2 - フッ素樹脂表面の改質法 - Google Patents

フッ素樹脂表面の改質法

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正雄 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フッ素樹脂の表面に
特に高い接着性を付与するためのフッ素樹脂表面の改質
法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は他の樹脂類に比べて、撥水
撥油性、摺動性、防汚性、耐熱性、耐薬品性および電気
的特性等の点において優れているために、多様な用途を
有しているが、その不活性な表面に起因して、接着剤や
塗料等の塗布が困難なだけでなく、他の材料との複合化
が難しいという欠点がある。
【0003】このような欠点を改善する比較的有効な方
策として、フッ素樹脂表面を低温プラズマ処理する方法
が知られている(例えば、特公昭58−21928号公
報、特開平2−127442号公報、および特公平3−
58375号公報等参照]。
【0004】しかしながら、従来から比較的高い接着強
度が得られる方法として知られている金属ナトリウム錯
体法による場合と同等の接着性を低温プラズマ処理法に
よって得るためには、狭い範囲の処理条件下において比
較的長時間の処理をおこなわなければならず、該処理法
は工業的処理技術としては極めて不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な低温プラズマ処理法を改良し、比較的短時間の処理
で、金属ナトリウム錯体法の場合よりも高い接着性を付
与し得るフッ素樹脂の表面改質法を提供するためになさ
れたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、フッ素
樹脂表面を、低温プラズマ処理した後、エキシマレーザ
ー光照射処理に付すことを特徴とするフッ素樹脂表面の
改質法に関する。
【0007】本発明において使用するフッ素樹脂は、含
フッ素ポリマーであって、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフ
ルオロアルコキシエチレンコポリマー(PFA)、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマ
ー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン−ペルフルオロアルコキシエチレンターポリ
マー(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポ
リマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)、トリフルオロクロロエチレン−エチレン
コポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)およびポリフッ化ビニル(PVF)等またはこれら
の任意の混合物が挙げられる。
【0008】本発明によって処理されるフッ素樹脂の具
体的形態は特に限定的ではないが、シート、フィルム、
パイプ、多孔質膜およびその他の任意の形状を有する成
形体等が例示される。
【0009】上記のフッ素樹脂の表面は、まず、ガス雰
囲気下、例えば、ArやHe等の不活性ガス、H2、N2
またはH2/N2混合ガス等の雰囲気下において、低温プ
ラズマ処理に付される。低温プラズマ処理は、スパッタ
エッチング法、プラズマエッチング法およびパレル型プ
ラズマエッチング法のいずれでおこなってもよいが、ス
パッタエッチング法が特に好ましい。雰囲気圧(真空度)
は、スパッタエッチング法の場合には、0.001〜0.
1Torr、好ましくは、0.005〜0.01Torrであ
り、プラズマエッチング法およびパレル型エッチング法
の場合には、0.1〜10Torr、好ましくは0.1〜1
Torrである。高周波周波数は通常、数+KHz〜数+
MHz、好ましくは、13.56MHzである。雰囲気
ガスの注入量は通常、10〜40ミリリットル/分であ
る。
【0010】被処理フッ素樹脂は、スパッタエッチング
法の場合には印加電極側に配置させ、プラズマエッチン
グ法の場合には接地電極側に配置させ、また、パレル型
プラズマエッチング法の場合には、印加電極と接地電極
の中間に配置させる。低温プラズマの処理時間は、通
常、10〜120秒である。
【0011】上述の低温プラズマ処理に付されたフッ素
樹脂の表面は、さらに、エキシマレーザー光照射処理に
付される。エキシマレーザー光としては、波長が400
nm以下、特に193〜305nmの紫外レーザー光が好適
である。特に、高出力が長時間にわたって安定して得ら
れるKrFエキシマレーザー光(波長:248nm)およびA
rFエキシマレーザー光(波長:193nm)等が好ましい。
エキシマレーザー光照射は、通常、室温、大気中でおこ
なうが、酸素雰囲気中でおこなってもよい。また、エキ
シマレーザー光の照射条件は、フッ素樹脂の種類および
所望の表面改質の程度等によって左右されるが、一般的
には、フルエンス約10mJ/cm2/パルス以上およびシ
ョット数約5000以下である。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1および比較例1 図1に示す態様の低温プラズマエッチング処理装置を用
いてPTFE製シート(厚さ:0.2mm)を下記の条件下で
処理した。雰囲気ガスとしては、Heガス、Arガス、ま
たはN2/H2混合ガスを使用した。なお、図1におい
て、(1)は高周波発生電源、(2)はマッチングボック
ス、(3)は印加電極(陰極)、(4)は接地電極(陽極)、
(5)はPTFE製シート、(6)はシート走行装置、(7)
は真空ポンプ、(8)はガスボンベ、(9)は減圧弁、(1
0)は圧力計、(11)は流量計、(12)は真空計を示
す。 印加電極:100mm×300mm(水冷;流水量15リット
ル/分) 接地電極:80mmφ(水冷;流水量10リットル/分) 電極間距離:30mm 高周波発生電源:13.56Mz(2,000V) 印加電力:0.75〜1.5Kw 雰囲気圧(真空度):0.02〜0.1Torr ガス量:10〜40ミリリットル/分 シート速度:0.025〜0.2m/分
【0013】上記の低温プラズマエッチング処理に付さ
れたPTFE製シートの表面に、248nmのKrFエキ
シマレーザー光を照射した。照射条件は以下の通りであ
る: フルエンス:300mJ/cm2/パルス ショット数:2 入射エネルギー:0.6J/cm2
【0014】上述のようにして改質されたPTFE製シ
ート表面における180°剥離強度を次の条件下で測定
した。結果を以下の表1に示す。表1には、比較のため
に、低温プラズマ処理のみに付したPTFE製シートに
関するデータも示す。180°剥離強度の測定条件 接着剤:常温硬化型エポキシ樹脂 (コニシ株式会社製「ボンドEセット」) 相手材:SUS304(0.3mm×25mm×150mm) 硬化条件:常温で20時間加圧(10g/cm2)硬化 テストスピード:100mm/分(オートグラフ)
【0015】
【表1】
【0016】実施例2および比較例2 実施例1と同様にして低温プラズマ処理(雰囲気ガス:
2とN2の容量比1:1の混合ガス、ガス量:20ミリリ
ットル/分、雰囲気圧:0.1Torr、印加電力:1.2K
w、シート速度:0.2m/分)したPTFE製シートを、
以下の表2に示す条件下での248nmKrFエキシマレ
ーザー光照射処理に付して得られたシートの180°剥
離強度を実施例1と同様にして測定し、結果を表2に示
す。なお比較のために、低温プラズマ処理のみに付した
PTFE製シートに関するデータも表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】比較例3 193nmArFまたは248nmKrFエキシマレーザー光
照射処理のみに付したPTFE製シートの180°剥離
強度を実施例1と同様にして測定した。結果とエキシマ
レーザー光照射処理条件を以下の表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、化学的および物理的に
不活性なフッ素樹脂表面の特性、特に接着性を、フッ素
樹脂の特性である優れた耐熱性、耐薬品性および電気的
特性等を損うことなく、効果的に改質することができ
る。従って、本発明によって表面改質されたフッ素樹脂
成形体等は、他の樹脂類や無機材料との複合化等の二次
加工に供することができ、該成形体等の付加価値は飛躍
的に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低温プラズマエッチング処理装置の模式的構
成図である。
【符号の説明】 1 高周波発生電源 2 マッチングボックス 3 印加電極(陰極) 4 接地電極(陽極) 5 PTFE製シートまたはPFA製シート 6 シート走行装置 7 真空ポンプ 8 ガスボンベ 9 減圧弁 10 圧力計 11 流量計 12 真空計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−196834(JP,A) 特開 昭60−226534(JP,A) 特開 昭54−138075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂表面を、低温プラズマ処理し
    た後、エキシマレーザー光照射処理に付すことを特徴と
    するフッ素樹脂表面の改質法。
  2. 【請求項2】 エキシマレーザー光照射処理を、KrF
    エキシマレーザー光またはArFエキシマレーザー光を
    用いておこなう請求項1または2記載の方法。
JP1250793A 1993-01-28 1993-01-28 フッ素樹脂表面の改質法 Expired - Fee Related JP3227002B2 (ja)

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FR2944982B1 (fr) * 2009-04-30 2011-10-14 Commissariat Energie Atomique Procede de preparation d'un substrat metallise,ledit substrat et ses utilisations

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