JP3226942B2 - スロンビンとスロンビン阻害物質とにより形成された複合体に対して向けられたモノクローナル抗体 - Google Patents

スロンビンとスロンビン阻害物質とにより形成された複合体に対して向けられたモノクローナル抗体

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JP3226942B2
JP3226942B2 JP25557891A JP25557891A JP3226942B2 JP 3226942 B2 JP3226942 B2 JP 3226942B2 JP 25557891 A JP25557891 A JP 25557891A JP 25557891 A JP25557891 A JP 25557891A JP 3226942 B2 JP3226942 B2 JP 3226942B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スロンビン/ヒルジン
−複合体に対して向けられたモノクローナル抗体及びそ
の誘導体、それらの製造方法、それらのモノクローナル
抗体を分泌するハイブリドーマセルライン、並びに該ハ
イブリドーマセルラインの製造方法に関する。さらに、
本発明はスロンビン/ヒルジン−複合体の測定のための
モノクローナル抗体及び/又はその誘導体の使用、並び
に該モノクローナル抗体及び/又はその誘導体を含んで
成る試験キットに関する。
【0002】
【従来の技術】効果的に機能する止血系は哺乳類にとっ
て非常に重要である。健康な生物体においては、血管系
の欠陥、例えば血管の損傷は2段階の過程、すなわち栓
球の凝集、及びそれに続く、幾つかの血液凝固因子の関
与のもとでの酵素カスケードでのフィブリン塊の形成に
より修復される。これらの因子のほとんどがセリンプロ
テアーゼでありその一例がフィブリノーゲンからフィブ
リンへの反応を触媒するスロンビンである。
【0003】この凝固系は特にフィブリンを開裂するプ
ロテアーゼであるプラスミンを含む線溶系により対抗さ
れる。凝固系及び線溶系は通常、ダイナミックな平衡の
中にある。しかしながら、生物体の線溶能力が攪乱され
又は不十分な場合、例えば血栓塞栓症又は術後合併症に
罹っている患者においては、フィブリンの更なる形成を
防止するための抗凝固剤及び形成された血栓を溶解する
ための血栓溶解剤の投与により生物体を援助することが
必須である。
【0004】蛭(leech) 〔ヒルド・メディシナリス(Hir
odo medicinalis)中に天然に存在する抗凝固剤であるヒ
ルジンはスロンビンの強力且つ特異的な阻害物質であっ
て、フィブリノーゲンの開裂、及びそれに続くフィブリ
ンクロットの形成を防止する。ヒルジンは非常に迅速に
α−スロンビンと反応して、非常に安定でありそして酵
素的に全体として不活性である非常に堅い非共有結合複
合体(K1 =約1〜0.01P M)を形成する。それぞ
れが65個又は66個のアミノ酸を含む幾つかの密接に
関連するヒルジン変形体(variant)、例えばヒ
ルジン変形体1(HV1)、ヒルジン変形体2(HV
2)、ヒルジン変形体PA(HV3)、及びdes−
(Val)2 −ヒルジンが記載されている。
【0005】これらの変形体は多くのアミノ酸により相
互に異なるが、しかしすべてがN−末端での疎水性アミ
ノ酸の蓄積、C−末端における極性アミノ酸の蓄積、硫
酸モノエステルとして存在するチロシン残基(Tyr6
3)、3個のジスルフィド橋、及び抗凝固活性を共通に
有する。最近、ヒルジン変形体をコードする CDNA及
び合成遺伝子がクローニングされ、そして微生物宿主中
で発現されている。組換えヒルジン変形体はTyr63
における硫酸モノエステル基を欠いており、そしてそれ
故にデスルファトヒルジンと称される。しかしながら、
これらは天然硫酸化ヒルジンの生物学的性質と少なくと
も同等の生物学的性質を示す。
【0006】ヒルジンは、その低い毒性及び免疫学的副
作用の不存在と相まってスロンビンのその選択的阻害の
ために将来の療法的用途についての大きな可能性を有す
る。しかしながら、ヒルジンの好結果の療法的適用はま
た、その活性及び治療の経過をモノターする系を必要と
する。さらに、ヒルジン治療のための実際の必要量を活
定できることが望ましい。これらの問題点の1つの解決
策は少量でもスロンビンの形成を検出するために使用し
得る、スロンビンとヒルジンとによって形成された複合
体に対する抗体を開発することであろう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スロ
ンビン/ヒルジン−複合体に対して向けられたモノクロ
ーナル抗体製造することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的は、適当なキャ
リャーに連結されたヒルジン又はスロンビン/ヒルジン
−複合体を用いて適当な哺乳類を免役し、そして該哺乳
類の抗体分泌細胞と連続セルラインの細胞とを融合せし
め、こうして目的とするモノクローナル抗体を分泌する
ハイブリドーマ細胞を製造することにより達成される。
本発明のモノクローナル抗体は、多くの診断的及び療法
的目的、例えばスロンビン形成及び血栓症の迅速な検出
のために有用である。
【0009】
【具体的な説明】本発明は、スロンビン/ヒルジン−複
合体に対して向けられたモノクローナル抗体、及び由来
する抗体の特異性を維持しているそれらの誘導体に関す
る。この明細書において、「ヒルジン」なる語は特にこ
とわらない限り、(1)すべての天然及び合成ヒルジン
変形体及びヒルジン誘導体、例えばヒルジン断片、並び
に(2)すべての組換ヒルジン(デスルファトヒルジ
ン)変形体及び組換えヒルジン(デスルファトヒルジ
ン)誘導体、例えば文献に記載されているか又は組換え
DNA技法により得られるC−末端短縮型デスルファト
ヒルジン、が含まれる。この様なヒルジンの例として、
【0010】(a) 次の式(I)で表わされるタイプHV
1のヒルジン変形体:
【化1】
【0011】〔式中、(R)はTryのフェノール性ヒ
ドロキシル基(デスルファトヒルジン)又は−O−SO
3 H基であり、そして/又は、Lys27はIleもし
くはGluにより置換えられており、又はLys26は
IleもしくはGluにより置換えられており、又はL
ys47はIleもしくはGluにより置換えられてお
り、又はHis51はLeuもしくはAspにより置換
えられており、又はVal1−Val2はThrにより
置換えられており、又はVal1はLeuにより、そし
てVal2はThrにより置換えられており、又は分子
全体はGln65により、又はLeu64及びGln6
5により短縮されている〕;
【0012】(b) 次の式(II)で表わされるタイプHV
2のヒルジン変形体:
【化2】
【0013】〔式中、(R)はTyrのフェノール性ヒ
ドロキシル基(デスルファトヒルジン)又は−O−SO
3 H基であり、そして/又は、Ile1はValによ
り、そしてThr2はValにより置換えられており、
又はAsn47はLys、ArgもしくはHisにより
置換えられており、又はTry63はGluもしくはA
spにより置換えられている〕;並びに、
【0014】(c) 次の式(III )で表わされるタイプP
A(HV3)のヒルジン変形体:
【化3】
【0015】〔式中、(R)はTyrのフェノール性ヒ
ドロキシル基(デスルファトヒルジン)又は−O−SO
3 H基であり、そして/又は、ポリペプチド鎖はC−末
端において18,10,9,6,4又は2個のアミノ酸
により短縮されており、又はポリペプチド鎖はN−末端
において1又は2個のアミノ酸により短縮されている〕
が挙げられる。
【0016】本発明のモノクローナル抗体は、目的とす
る性質について、好ましくはラジオイムノアッセイ又は
エンザイムイムノアッセイにより試験される。例えば、
エンザイムイムノアッセイを行うに当っては、適当な抗
−α−スロンビンモノクローナル抗体、例えばスロンビ
ンへのヒルジンの結合を妨害しない抗−α−スロンビン
モノクローナル抗体によりミクロタイタープレートのご
とき適当なキャリャーをコートし、そしてスロンビン/
ヒルジン−複合体によりコートする。次に、本発明の酵
素ラベルされたモノクローナル抗体及び基質溶液を加
え、そしてキャリャーに結合した免疫複合体の酵素ラベ
ルを測定することにより本発明のモノクローナル抗体の
結合を検出する。
【0017】ヒルジンがヒルジン変形体1(HV1)で
あるスロンビン/ヒルジン−複合体に対して向けられた
モノクローナル抗体、及びその誘導体が好ましい。同様
に、ヒルジンが組換えヒルジン(rHV)であるスロン
ビン/ヒルジン−複合体に対して向けられたモノクロー
ナル抗体及びその誘導体が好ましい。ヒルジンが組換え
ヒルジン変形体1(rHV1)であるスロンビン/ヒル
ジン−複合体に対して向けられたモノクローナル抗体が
特に好ましい。
【0018】スロンビン/ヒルジン−複合体は2つの成
分、すなわちスロンビン及びヒルジンを含有するから、
該複合体と反応性のモノクローナル抗体は該複合体のヒ
ルジン成分もしくはスロンビン成分又は両成分の部分を
含む1個の決定基を認識することができる。さらに、第
2−スロンビン/ヒルジン−複合体モノクローナル抗体
は、スロンビン/ヒルジン−複合体の形成の間に生ずる
コンホーメーション変化から生ずる複合体に特異的ない
わゆるネオ(neo)−決定基を認識する可能性もあ
る。
【0019】本発明の好ましい態様は、スロンビン/ヒ
ルジン−複合体に対して向けられておりそして該スロン
ビン/ヒルジン−複合体中のヒルジン成分の決定基を認
識するモノクローナル抗体、及びその誘導体に関する。
ヒルジンがヒルジン変形体1(HV1)であるスロンビ
ン/ヒルジン−複合体に対して向けられておりそして該
複合体中のHV1成分の決定基を認識するモノクローナ
ル抗体及びその誘導体が好ましい。ヒルジンが組換えヒ
ルジン(rHV)であるスロンビン/ヒルジン−複合体
に対して向けられておりそして該複合体中のrHV成分
の決定基を認識するモノクローナル抗体、及びその誘導
体も好ましい。
【0020】ヒルジンが組換えヒルジン変形体1(rH
V1)であるスロンビン/ヒルジン−複合体に対して向
けられておりそして該複合体中のrHv1成分を認識す
るモノクローナル抗体、及びその誘導体が特に好まし
い。モノクローナル抗体のこの後者の群において、スロ
ンビン/rHV1−複合体中のrHV1成分のN−末端
コアードメイン内の決定基、好ましくはrHV1成分の
アミノ酸残基1〜43を含んで成る決定基を認識するモ
ノクローナル抗体、及びその誘導体が特に好ましい。特
に好ましいモノクローナル抗体及びその誘導体の例は、
MAb4158−81−7と称されるモノクローナル抗
体及びその誘導体である。
【0021】本発明の他の好ましい具体例は、スロンビ
ン/ヒルジン−複合体に対して向けられておりそして該
スロンビン/ヒルジン−複合体中のスロンビン成分の決
定基を認識するモノクローナル抗体及びその誘導体に関
する。ヒルジンがヒルジン変形体1(HV1)であるス
ロンビン/ヒルジン−複合体に対して向けられておりそ
して該複合体中のスロンビン成分の決定基を認識するモ
ノクローナル抗体及びその誘導体が好ましい。ヒルジン
が組換ヒルジン(rHV)であるスロンビン/ヒルジン
複合体に対して向けられておりそして該複合体中のスロ
ンビン成分の決定基を認識するモノクローナル抗体及び
その誘導体も好ましい。
【0022】ヒルジンが組換えヒルジン変形体1(rH
V1)であるスロンビン/ヒルジン−複合体に対して向
けられておりそして該複合体中のスロンビン成分を認識
するモノクローナル抗体及びその誘導体が特に好まし
い。モノクローナル抗体のこの後者の群において、スロ
ンビンがヒルジンに又は固体表面に結合している時にの
み抗体結合のために露出されるスロンビン成分の決定基
を認識するがしかし溶液中の遊離スロンビンを認識しな
いモノクローナル抗体及びその誘導体が特に好ましい。
特に好ましいモノクローナル抗体及びその誘導体の例は
MAb4107−76−1と称するモノクローナル抗体
及びその誘導体である。
【0023】本発明のモノクローナル抗体の誘導体はそ
れが由来する抗体の特異性を維持しているものであり、
すなわちそれらは親抗体の特徴的結合パターンを維持し
ている。この様な誘導体の例として、酵素、蛍光マーカ
ー、化学発光マーカー、金属キレート、常磁性粒子、ア
ビジン、ビオチン等との結合体、又は放射能ラベルされ
たモノクローナル抗体、又はモノクローナル抗体断片で
ある。本発明の抗体結合体のために使用される酵素は、
例えば、西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキ
シダーゼ、グルコアミラーゼ、カーボニックアンヒドラ
ーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、リン
ゴ酸デヒドロゲナーゼ又はグルコース−6−リン酸デヒ
ドロゲナーゼである。
【0024】本発明の抗体と結合する蛍光マーカーはフ
ルオレッセイン、フルオロクローム、ローダミン等であ
ることができる。化学発光マーカーは化学的構造変化に
際して光を発射する有機分子、例えばルミノール、イソ
ルミノール、ピロガロール、ルシフェリン等である。金
属キレートの例はエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、1,
4,8,11−テトラザテトラデカン、1,4,8,1
1−テトラザテトラデカン−1,4,8,11−五酢
酸、1−オキサ−4,7,12,15−テトラザヘプタ
デカン−4,7,12,15五酢酸である。
【0025】この様な結合体中で抗体は結合パートナー
に直接結合し、又はスペーサーもしくはリンカー基を介
して結合している。本発明の放射能ラベルされた抗体
は、例えば、放射能ヨウ素(123 I,125 I,
131 I)、トリチウム(3 H)、炭素(14C)、硫黄(
35S)、イッテリウム(90Y)、テクネチウム(99m
C ) 、等を含有している。本発明の抗体断片は例えば断
片Fab,Fab′、又はF(ab′)2 である。
【0026】本発明のモノクローナル抗体及びその誘導
体はそれ自体既知の方法により得られ、この場合、目的
とするモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマセ
ルラインの細胞を生体内又は生体外で増加させ、そして
必要であれば得られた抗体を単離し、そして/又はその
誘導体に転換する。
【0027】生体外での増加は通常の標準的培地である
適当な培地、例えばダルベコの改変イーグル培地(Dulb
ecco's Modified Eagle Medium;DEME)、又はRPMI1
640培地であって、場合によっては哺乳類血清、例え
ばウシ胎児血清、又は微量元素及び増殖維持補充剤、例
えばフィーダー細胞、例えば正常マウス腹腔滲出細胞、
脾細胞、骨髄マクロファージ、2−アミノエタノール、
インシュリン、トランスフェリン、低密度リポプロテイ
ン、オレイン等を補給したものの中で行われる。
【0028】生体外生産は比較的純粋な抗体調製物を措
握し、そして目的とする抗体を多量に得るためのスケー
ルアップを許容する。組織培養条件下での哺乳類細胞培
養の技法は当業界においてよく知られており、そして例
えばエアーリフト反応器もしくは連続攪伴反応器中での
均一懸濁培養、又は中空ファイバー中、マクロカプセル
中、アガロースマイクロビーズ上もしくはセラミックカ
ートリッジ上での固定化もしくは捕捉細胞培養が含まれ
る。
【0029】モノクローナル抗体の単離のためには、培
養上清中の免疫グロブリンをまず、例えば、硫酸アンモ
ニウムによる沈澱、ポリエチレングリコール(PEG)
のごとき吸湿性材料に対しての透析、選択膜を通しての
濾過等により濃縮する。必要であれば、そして/又は望
ましければ、濃縮された抗体を通常のクロマトグラフィ
ー法、例えばゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ
ー、DEAE−セルロースもしくはプロテインAでのク
ロマトグラフィー、又はイムノアフィニティークロマト
グラフィーにより精製することができる。
【0030】細胞を生体内増殖させることにより多量の
目的とする抗体を得ることができる。この目的のため、
目的とする抗体を産生するハイブリドーマ細胞を組織適
合性哺乳類に注射して抗体産生腫瘍の増殖を惹起する。
場合によっては、前記の注射の前に、炭化水素、特に鉱
油、例えばプリスタン(テトラメチルペンタデカン)に
よりプライムする。1〜3週間後、それらの哺乳類の体
液から抗体を単離する。例えば、目的とするモノクロー
ナル抗体を生産するBalb/cマウス由来のハイブリ
ドーマ細胞を、場合によってはプリスタンにより前処理
されたBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして1〜
2週間後に該動物から腹水を採取する。
【0031】本発明のモノクローナル抗体の結合体は当
業界において知られている方法により、例えば前記のよ
うにして調製した抗体を、カップリング剤、例えばグル
タルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,N′−o−フェニ
レンジマレイミド、N−(m−マレイミドベンゾイルオ
キシ)−サクシンイミド、N−(3−〔2′−ピリジル
ジチオ〕−プロピオノキシ)−サクシンイミド、N−エ
チル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボ
ジイミド等の存在下で反応せしめることにより製造され
る。ビオチンとの結合体は例えば抗体をビオチンの活性
化エステル、例えばビオチンN−ヒドロキシサクシンイ
ミドエステルと反応せしめることにより製造される。蛍
光マーカー又は化学発光マーカーとの結合体は、カップ
リング剤、例えば上記のものの存在下で、又はイソチオ
シアネート、例えばフルオレッセイン−イソチオシアネ
ートとの反応により製造される。
【0032】ヨウ素(123 I,125 I,131 I)により
放射性ラベルされたモノクローナル抗体は、本発明の抗
体から、それ自体既知のヨウド化法により、例えば放射
性ヨウ化ナトリウムもしくはヨウ化カリウムと化学酸化
剤、例えば亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等、又は
酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダーゼもしくは
グルコースオキシダーゼとグルコース、とを用いるヨウ
素化により得られる。本発明の抗体はイットリウム(90
Y)により、例えばジエチレントリアミン五酢酸(DP
TA)−キレート化を用いてラベルされる。
【0033】テクネチウム99mでラベルされた抗体は
リガンド交換法により、例えば過酸化テクネチウム(T
C 4 - ) を第一錫溶液で還元し、還元されたテクネチ
ウムをセファデックスカラムにキレート化し、そしてこ
のカラムに抗体を適用することにより、又は直接ラベル
化法により、例えば過酸化テクネチウム、Sn Cl2
ごとき還元剤、フタル酸ナトリウムカリウム溶液のごと
き緩衝液、及び抗体をインキュベートすることにより製
造される。
【0034】本発明のモノクローナル抗体の断片、例え
ばFab,Fab′又はF(ab′)2 は、前記のよう
にして製造したモノクローナル抗体からそれ自体既知の
方法により、例えばパパインもしくはペプシンのごとき
酵素による消化、及び/又は化学還元によりジスルフィ
ド結合の開裂により得ることができる。本発明はまた、
本発明のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
セルライン、特に、スロンビン/HV1−複合体又はス
ロンビン/rHV−複合体、好ましくはスロンビン/r
HV1−複合に対して向けられたモノクローナル抗体を
分泌するハイブリドーマセルラインに関する。
【0035】特に、本発明は目的とする抗体を分泌する
ハイブリドーマセルラインに関し、このセルラインは、
適当なキャリャーに連結されたヒルジンにより又はスロ
ンビン/ヒルジン−複合体により免疫された哺乳類のB
リンパ球と骨髄腫細胞とのハイブリドである。好ましい
哺乳類及びキャリャーは後で詳細に記載する。適当なキ
ャリャーに連結された組換ヒルジン変形体1(rHV
1)又はスロンビン/rHV1−複合体により免疫され
たマウスのBリンパ球とマウス骨髄腫細胞とのハイブリ
ドである本発明のハイブリドセルラインが好ましい。
【0036】4158−81−7及び4107−76−
1と命名され、そしてEuropean Collection of Animal
Cell Cultures (ECACC) 、HPLS Certre for Applied Mi
crobiology & Research, Porton Down, Salisbury, Wil
ts, SP4 OJG,英国、にそれぞれ寄託番号9006140
5及び90061404のもとに1990年6月14日
に寄託されたハイブリドーマセルラインが特に好まし
い。本発明のセルラインは一般に安定であり、一定の特
異性を有する本発明のモノクローナル抗体を分泌し、そ
して深冷凍結した培養物中に保存することができそして
解凍及び場合によっては再クローニングにより再活性化
することができる。
【0037】本発明はまた、本発明のモノクローナル抗
体を分泌するバイブリドーマセルラインの製造方法に関
し、この方法においては適当な動物を適当なキャリャー
に連結されたヒルジンにより又はスロンビン/ヒルジン
−複合体により免疫し、該動物の抗体産生細胞を連続セ
ルラインの細胞と融合せしめ、この融合により得られた
ハイブリド細胞をクローニングし、そして目的とするモ
ノクローナル抗体を分泌する細胞クローンを選択する。
【0038】本発明のモノクローナル抗体を誘導するた
めの免疫原は、ヒルジン、特にヒルジン変形体HV1、
組換えヒルジン(rHV)もしくは好ましくは組換ヒル
ジン変形体HV1(rHV1)の免疫原性結合体、又は
スロンビン/ヒルジン−複合体、特にヒルジン/HV1
−複合体、もしくはスロンビン/rHV−複合体、もし
くは好ましくはスロンビン/rHV1−複合体である。
キャリャーにヒルジンを連結することによる免疫原性ヒ
ルジン結合体の形成は、それ自体としては弱い免疫原に
過ぎないヒルジンの免疫原性を増強するために必要であ
る。
【0039】適当なキャリャー分子は例えば、連結のた
めに利用可能な遊離アミノ基を有するリジンに富む蛋白
質、特に高分子量蛋白質、例えばウシ血清アルブミン
(BSA:MW66,200)、バシルズ・ズブチリス
Bacillus subtilis)からのα−アミラーゼ(MW5
8,000)又はキーホールリンペットヘモシアニン
(KLH:MW71,000,000)であって商業的
に多量に入手可能なものである。ブタチログロブリン
(thyroglobulin)、破傷風トキシン、マレラトキシンも
しくはジフテリアトキシンのごときトキシン、ヒト血清
アルブミン(HSA)、β−2マイクログロブリン等に
キャリャーとして使用することができる。
【0040】マウスIgG(H+L)に対する精製され
たラビットIgG分画(Kawamura &Berzofsky, J. Immu
nol. 136, 58, 1986 )もキャリャーとして使用するこ
とができる。他の可能性あるキャリャー分子にはポリサ
ッカライド、天然もしくは合成リポポリサッカライド、
ポリリジンのごとき合成ポリペプチド、活性化された
膜、ラテックス粒子、サルモネラ(Salmonella) のごと
き細菌が含まれる。
【0041】ヒルジン、特にヒルジン変形体HV1がキ
ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に連結され
ている免疫原性ヒルジン結合体が好ましい。組換えヒル
ジン変形体HV1(rHV1)がKLHに連結されてい
る免疫原性ヒルジン結合体が特に好ましい。
【0042】ヒルジン結合体はそれ自体既知の方法によ
り、キャリャーへのヒルジンの吸着により、又は過ヨウ
素酸塩、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、例えば
N,N′−o−フェニレンジマレイミド、N−(m−マ
レイミドベンゾイルオキシ)−サクシンイミド、N−
(3−〔2′−ピリジルジチオ〕−プロピオノキシ)−
サクシンイミド、N−エチル−N′(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−カルボジイミド等を用いる連結により調
製される。カルボキシル基を介してのカップリングが意
図される場合、ヒルジンのアミノ基をまず例えばアセチ
ル基又はtert−ブトキシカルボニル基によるアシル
化により保護することができる。
【0043】免疫感作に使用されるスロンビン/ヒルジ
ン−複合体は、ヒルジンをスロンビンと混合することに
より、特に過剰のヒルジンをスロンビンと混合すること
により調製される。スロンビン/ヒルジン−複合体は、
ゲル濾過高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
り遊離のヒルジンから分離することができる。免疫感作
のため、免疫原性ヒルジン結合体又はスロンビン/ヒル
ジン−複合体はアジュバント、すなわち免疫応答をさら
に強化する薬剤と混合することができる。可能性あるア
ジュバントはフロインド(Freund)の完全アジュ
バント(鉱油、水及びミコバクテリア抽出物の乳剤)、
フロインドの不完全アジュバント(水と油のみの乳
剤)、鉱物質ゲル、例えば水酸化アルミニウムゲル、界
面活性剤、例えばリソレシチン、ポリアミン、ペプチ
ド、BCG(Bacillus Calmette-Guerin) 等である。
【0044】免疫原はそれらを外来分子として認識する
適当な哺乳類、例えばマウス、ラット、ラビット、ロ
バ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタ又はチンパンジー、特に
マウス又はラット、好ましくはマウスを免疫するために
使用される。Balb/cマウスが特に好ましい。
【0045】免疫感作の経路は特に、膚内、膚下、筋肉
内、腹腔内、血管内及び頭蓋内注射が含まれる。高抗体
価が望ましいので、一連の注射が一般に与えられる。免
疫感作に例えば、免疫原性ヒルジン結合体を、場合によ
っては不完全又は完全フロインドアジュバントと混合し
て、3〜8回非経膓的に例えば、膓腔内及び/又は皮下
に、10〜50μgの量でBalb/cマウスに1〜3
週間の間隔で注射し、続いて約50〜500μgを最後
免疫から1〜3ヶ月後に追加免疫注射することにより行
う。
【0046】最終注射の後例えば1〜6日で採取した、
免疫されたマウスからの抗体産生細胞、好ましくは脾臓
リンパ球のごときリンパ球を、連続セルライン、すなわ
ち融合から生ずるハイブリドーマ細胞にその複製能力を
付与する連結複製セルクローン、の細胞と融合せしめ
る。この様なセルラインの例は、それ自体は実際には免
疫グロブリン又はその断片を生産しないがしかし大量の
抗体を生産しそして分泌する能力を有し、そしてハイブ
リド細胞が未融合の親細胞に対して選択され得るように
遺伝マーカーを担持する腫瘍セルライン(骨髄腫)であ
る。幾つかの適当な骨髄腫セルラインが当業界において
知られている。
【0047】酵素ヒポキサンチンガアニンホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ(HGPRT)又は酵素チミジン
キナゼ(TK)を欠いており、そしてそれ故にヒポキサ
ンチン、アミノプテリン及びチミジンを含有する選択培
地(HAT培地)中で生存しない骨髄腫セルラインが好
ましい。HAT培地中で生存せずそして免疫グロブリン
又はその断片を分泌しない骨髄腫細胞及びそれに由来す
るセルライン、特にマウス骨髄腫セルラインSp2/0
−Ag14(Shulmanら、Nature 276, 269, 1978)又はX
63−Ag8.653(Kearneyら、J.Immunol. 123,154
8,1976)(Flowから商業的に入手可能)、あるいは
マウス骨髄腫セルラインPAI(Stockerら、Resarch Di
sclosure No.21713,1982) が特に好ましい。
【0048】融合は融合促進剤、例えば場合によっては
UV−不活性化形のSendaiウイルスもしくは他の
パラミクソウイルス、又は化学融合原、例えばカルシウ
ムイオン、界面活性脂質、例えばリソレシチン、又はポ
リエチレングリコール(PEG)の存在下で、あるいは
電気融合(electrofusion)により行われる。好ましく
は、骨髄腫細胞を、分子量1000〜4000のポリエ
チレングリコール約30〜約60%を含有する溶液中
で、免疫された哺乳類からの3〜20倍過剰量の脾細胞
と融合せしめる。
【0049】融合の後、遺伝的選択マーカーに依存して
選択された選択培地、例えばHAT培地中で再懸濁し、
そして培養する。この培地中でハイブリドーマ細胞のみ
が生存する。なぜならこれらは、親細胞に由来する生体
外で増殖する能力を有し併せて、免疫された哺乳類の抗
体産生脾細胞に由来するHAT培地中で存在するために
必須のHGPRT又はTK遺伝子欠失を有するからであ
る。
【0050】ハイブリドーマ拡大のための適当な培地は
標準的培地、例えばDulbecoo's Modified Eagle Medium
(DMEM),最少必須培地、RPMI1640等であって、
場合によっては哺乳類血清例えば10〜15%のウシ胎
児血清が補充されたものである。好ましくは、フィーダ
ー細胞、例えば正常マウス腹腔滲出細胞、脾細胞、骨髄
マクロファージ等を細胞増殖の開始膜であって融合段階
の直後に添加して、特に細胞密度が低い場合、増殖因子
等を提供することによってハイブリドーマに栄養を与え
そしてその増殖を支持する。培地には、骨髄細胞がハイ
ブリドーマ細胞を圧倒するのを防止するために選択培地
を補給する。
【0051】ハイブリドーマ細胞上清を目的とするモノ
クローナル抗体についてイムノアッセイにより、好まし
くはラジオイムノアッセイ又はエンザイムイムノアッセ
イによりスクリーニングする。例えば、マイクロタイタ
ープレートのごとき適当なキャリャーをスロンビン/ヒ
ルジン−複合体によりコートし、そして試験されるべき
ハイブリドーマ上清と共にインキュベートする。次に、
キャリャー上のスロンビン/ヒルジン−複合体に結合し
た抗体を認識する酵素ラベルされた抗体及び基質溶液を
添加し、そして抗体−スロンビン/ヒルジン−複合体に
結合したラベルされた抗体を、キャリャーに結合した酵
素ラベルを測定することにより検出する。
【0052】陽性ハイブリドーマ細胞を、例えば限界希
釈法により又はソフトアガー中で好ましくは2〜3回ク
ローニングする。場合によっては、腹腔内注射及び腹水
の回収によってハイブリドーマ細胞を動物、例えばマウ
スを通して継代し、これによりハイブリドーマを安定化
しそして増殖特性を改善する。クローン化されたセルラ
インは常法に従って凍結することができる。
【0053】本発明のモノクローナル抗体及びその誘導
体は多くの生体内及び生体外医療目的のために有用であ
り、そのすべてが、スロンビン/ヒルジン−複合体の定
性的及び/又は定性的測定に基いている。特に、本発明
のモノクローナル抗体及びその誘導体は、特に血栓異状
を有する高危険部及び患者において、血栓症の早期診断
のために用いることができる。
【0054】これは、ヒルジンをトレーサーとして注射
し次に形成された複合体を測定することにより自然に生
じた少量のスロンビンを検出し、こうしてヒルジン治療
が必要な時又は予防的ヒルジン療法が当を得ている時を
決定することにより達成される。さらに、本発明のモノ
クローナル抗体及びその誘導体は、ヒルジン活性を測定
することによりヒルジン療法をモニターするため、ヒル
ジンの正しい投与量を確立するため、及び疾患の可能性
ある進行を記録するために有用である。
【0055】スロンビン/ヒルジン−複合体の定量のた
め、本発明のモノクローナル抗体及び/又はその誘導体
を、例えば、スロンビン/ヒルジン−複合体分子の抗原
決定基とモノクローナル抗体のパラトープとの間の結合
相互作用に基く既知のイムノアッセイのいずれかにおい
て使用することができる。この様なアッセイの例として
ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、フ
ルオレッセンスイムノアッセイ、化学発光イムノアッセ
イ、免疫沈澱イムノアッセイ、ラテックス凝集イムノア
ッセイ、ヘマグルチネーションイムノアッセイ、レーザ
ー光攪乱又はエバネッセント(evanescent)光試験が挙
げられる。
【0056】本発明のモノクローナル抗体はラジオイム
ノアッセイ(RIA)においてそのまま、又は放射性ラ
ベルされた誘導体の形で使用することができる。このよ
うなイムノアッセイにはまた、本発明の抗体のエピトー
プを認識しそして結合するそれ自体既知の放射性ラベル
された抗体を用いる試験方法が含まれる。RIAの任意
の既知の変法、例えば溶液相(均一)RIA、固相(不
均一相)RIA、シングルRIA又はダブル(サンドイ
ッチ)RIAであってスロンビン/ヒルジン−複合体の
直接又は間接(競争)測定を行うものを用いることがで
きる。
【0057】サンドイッチRIAが好ましく、この方法
においては、適当なキャリャー、例えばポリスチレン、
ポリプロピレンもしくはポリ塩化ビニルのマイクロタイ
タープレートもしくは試験管、ガラスもしくはプラスチ
ックのビーズ、濾紙、デキストラン等、酢酸セルロース
もしくはニトロセルロースシート、磁性粒子、等の表面
に本発明のモノクローナル抗体、好ましくはMAb41
07−76−1をコートする。
【0058】次に、試験溶液、例えばスロンビン/ヒル
ジン−複合体を含有する患者からの血漿、そして最後に
キャリャーに結合した第一のモノクローナル抗体とは異
る抗原のエピトープを認識しそして例えば 125Iにより
放射性ラベルされた第二のポリクローナル又はモノクロ
ーナル抗体、好ましくは本発明の放射性ラベルされたモ
ノクローナル抗体、例えばMAb4158−81−7を
加える。試験溶液中のスロンビン/ヒルジン−複合体の
量は結合した第二抗体の量に直接比例し、そしてキャリ
ャーに結合した放射能を測定することにより決定され
る。
【0059】本発明のモノクローナル抗体は、エンザイ
ムイムノアッセイにおいてそれ自体として又は酵素結合
誘導体として使用することができる。この様なイムノア
ッセイにはまた、本発明の抗体のエピトープを認識しそ
して結合するそれ自体既知の酵素ラベルされた抗体を用
いる試験方法が含まれる。ラジオイムノアッセイについ
て前記した様に、エンザイムイムノアッセイの任意の既
知の変法を用いることができる。
【0060】試験は、前記のラジオイムノアッセイと同
様にして、放射能ラベルの代りに酵素ラベルを用いて行
われる。試験溶液中に存在するスロンビン/ヒルジン−
複合体の量に対応する形成された免疫複合体の量が、酵
素基質溶液の添加によって決定される。例えば、酵素基
質反応が、肉眼により又は光学測定装置により観察し得
る色の変化をもたらす。
【0061】エンザイム−リンクドイムノソルベントア
ッセイ(ELISA)が好ましく、この方法において
は、RIAについて前記したようなキャリャーを本発明
のモノクローナル抗体、好ましくはMAb4107−7
6−1によりコートし、スロンビン/ヒルジン−複合体
を含有する試験溶液と共に、キャリャーに結合した第一
のモノクローナル抗体とは異る抗原のエピトープを認識
し、そして酵素と結合している第二のポリクローナル又
はモノクローナル抗体、例えば酵素と結合した本発明の
モノクローナル抗体、例えばMAb4158−81−7
と共に、そして基質溶液と共にインキュベートする。
【0062】酵素基質反応が例えば肉眼又は光学測定装
置により観察し得る色の変化をもたらし、試験溶液中の
スロンビン/ヒルジン−錯体の量に比例する結合した酵
素の量を決定することができる。他のエンザイムイムノ
アッセイは上記のものと実質的に同じであるが、キャリ
ャーに結合した本発明の第一のモノクローナル抗体をビ
オチンのごとき小形の化学物質に連結し、そしてラベル
された試薬、例えばアビジン又はストレプトアビジンの
ごときビオチン結合蛋白質により検出する。
【0063】本発明のモノクローナル抗体は化学発光イ
ムノアッセイにおいてそれ自体として又は化学発光マー
カーと結合した誘導体の形で使用することができる。こ
の様なイムノアッセイにはまた、本発明の抗体のエピト
ープを認識し、そして化学発光マーカーと結合したそれ
自体既知の抗体を用いる試験方法が含まれる。ラジオイ
ムノアッセイについて前記したように、化学発光イムノ
アッセイの任意の既知の変法を用いることができる。
【0064】この試験は前記のラジオイムノアッセイと
同様にして、放射能ラベルの代りに化学発光ラベルを用
いて行われる。試験溶液中に存在するスロンビン/ヒル
ジン−複合体に対して向けられた抗体の量に対応する形
成された免疫複合体の量が、発光を開始する化合物例え
ばH2 2 及びNaOHの添加、並びに光学測定装置に
よる発光の測定により決定される。
【0065】モノクローナル抗体及び前記のごときその
誘導体の本発明による使用にはまた、それ自体既知の他
のイムノアッセイ、例えば、抗体又はフルオレッセイン
のごとき蛍光マーカーと結合した抗体誘導体を用いるイ
ムノフルオレッセンスアッセイ、抗体又は抗原によりコ
ートされたラテックス粒子を用いるラテックス凝集、抗
体又は抗原によりコートされた血球を用いる血球凝集、
抗体によりコートされた光ファイバー及び結合現象を電
気又は光シグナルに転換する他の直接作用イムノセンサ
ーを用いるエバレッセント光波測定、等が含まれる。
【0066】前記のアッセイにおける本発明のモノクロ
ーナル抗体及び/又はその誘導体の使用は、1〜200
ng/mlの濃度範囲での緩衝液、尿及び血漿中のスロンビ
ン/ヒルジン−複合体の存在及び/又は濃度の決定を可
能にする。本発明はまた、本発明のモノクローナル抗体
及び/又はその誘導体、並びに場合によっては他のモノ
クローナル又はポリクローナル抗体及び/又は付属品を
含んで成る、スロンビン/ヒルジン−複合体の定性及び
定量測定のための試験キットに関する。
【0067】ラジオイムノアッセイのための本発明の試
験キットは、例えば、本発明のモノクローナル抗体によ
りコートされているか又はコートされていない適当なキ
ャリャー、例えばミクロタイタープレート又はニトロセ
ルロースシート、キャリャーに結合した第一のモノクロ
ーナル抗体とは異るスロンビン/ヒルジン−複合体のエ
ピトープに対して向けられた放射性ラベルされた第二の
抗体及び/又はその放射性ラベルされた誘導体の場合に
よっては、凍結乾燥又は濃縮された溶液、スロンビン/
ヒルジン−複合体の標準溶液、緩衝液、並びに場合によ
っては非特異的吸着及び凝集の形成を防止するためのポ
リペプチド及び洗剤、ピペット、反応容器、検量線、指
示書等を含む。
【0068】エンザイムイムノアッセイのための本発明
の試験キットは、例えば、本発明のモノクローナル抗体
によりコートされているか又はコートされていない適当
なキャリャー、キャリャーに結合した第一のモノクロー
ナル抗体とは異るスロンビン/ヒルジン−複合体のエピ
トープに対して向けられた酵素ラベルされた第二の抗体
及び/又は酵素ラベルされたその誘導体の場合によって
は凍結乾燥又は濃縮された溶液、固体の又は溶解した形
の酵素基質、スロンビン/ヒルジン−複合体の標準溶
液、並びに場合によっては非特異的吸着及び凝集の形成
を防止するためのポリペプチド及び洗剤、ピペット、反
応容器、検量線、指示書等を含む。
【0069】
【実施例】次に、例により本発明を説明するが、これに
より本発明の範囲を限定するものではない。略号 HAT− ヒポキサンチン/アミノプリテン/チミジン HPLC− 高圧液体クロマトグラフィー MAb− モノクローナル抗体 MES− 2−〔N−モルホリノ〕エタン−スルホン酸 PBS− リン酸緩衝液 PEG− ポリエチレングリコール rHV1− 組換ヒルジン変形体HV1 THC− スロンビン/ヒルジン−複合体
【0070】例1スロンビン/ヒルジン−複合体に対
するモノクローナル抗体の調製 1.1 免疫原の調製 免疫原として、(1)組換ヒルジン変形体HV1(rH
V1)とキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)
との結合体、及び(2)スロンビン/ヒルジン−複合体
を使用する。
【0071】rHV1(Plantorgan/Cib
a−Geigy)をKLH(Calbiochem)
と、カルボジイミド法により次の様にして連結する。5
60μlの0.1M MES緩衝液(pH4.75)中2
mgのrHV1を100μlのKLH(10mg/ml)及び
200μlのN−エチル−N′−(3ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド塩酸塩(20mg/ml)と混合
する。22℃にて2時間後、混合物をPBS中で透析す
る。過剰のrHV1をスロンビンとPBS中で混合する
(モル比1.7:1)ことによりスロンビン/rHV1
−複合体を調製する。
【0072】1.2 免疫感作法 2群の5匹ずつのBalb/c雌性マウス(4〜6週
令)に、HLH−結合rHV1(30μg/注射;群
I)又はスロンビン/rHV1−複合体(15μg/注
射;群II)の3連の注射を行う。第1の注射は0.1ml
の完全フロインドアジュバント(Difco)と1:1
で混合されたPBS中対応する免疫原0.1mlから成
り、50μlを腹腔内にそして150μlを皮下に注射
する。
【0073】第2(14日後)及び第3(30日後)の
注射においては、完全フロインドアジュバントの代りに
不完全フロインドアジュバントを使用する。最後の注射
から1週間後、血清を集め、そして例1.3に記載する
ようにしてエンザイム−リンクドイムノソルベントアッ
セイ(ELISA)により抗体力価を決定する。
【0074】1.3 血清抗体価を決定するためのエン
ザイム−リンクドイムノソルベントアッセイ(ELIS
A) 次に記載するようにして、血清中の抗体価をELISA
により決定する。2倍モル過剰のスロンビンをrHV1
と混合する(それぞれ0.2μg及び0.02μg/ウ
エル)。ミクロタイタープレート(Dynatech)
を、コーティング緩衝液(50mM炭酸ナトリウム緩衝
液、pH9.6:477mg NaCO 3 、879mg Na
HCO3 、1.8mlの0.5M NaN3 、300mlの
2Oを添加)中スロンビン/ヒルジン−複合体の溶液
100μl/ウエルによりコートする。
【0075】プレートを湿室中で4℃にて一夜インキュ
ベートし、そしてPBS−Tween0.1%(1ml
Tween−20,Serva,1000ml PBS)
で5回洗浄する。ウエルを乾燥させ、200μl/ウエ
ルのPBS−BSA1%(1g BSA、3mlの0.5
M NaN3 、100mlのPBSを添加)で満たし、室
温にて2時間インキュベートし、そしてPBS−Twe
en0.1%で5回洗浄する。次に、PBS−Twee
n0.1%中に希釈したそれぞれの血清100μlを各
ウエルに添加する。室温にて2時間のインキュベーショ
ンの後、プレートを5回PBS−Tween0.1%に
より洗浄する。
【0076】次の段階において、PBS−Tween
0.1%に1:1500で希釈した、マウスIgGに対
するアフィニティー精製ヤギ抗体−アルカリホスファタ
ーゼ(Kirkegaard & Perry Laboratories) 100μlを
各ウエルに加える。プレートを室温にて1.5時間イン
キュベートし、そしてPBS−Tween0.1%によ
り5回洗浄する。最後に、150μl/ウエルの基質溶
液(1mg p−ニトロフェニルホスフェート〔Sigm
a〕/ml ジエタノールアミン緩衝液pH9.8:97ml
ジエタノールアミン〔Merck〕、6mlの0.5M
NaN3 、100mg MgCl2 ・6H2 O、濃塩酸
にてpH9.8に調整、1000mlのH2 O添加)を加
え、50μlの3M NaOHを添加することにより反
応を停止し、そして暗所、室温にて2時間インキュベー
トした後405mmにて光学濃度を読み取る。
【0077】1.4 融合法 2ヶ月以上の休息期間の後、マウスに300μgのrH
V1−KLH結合体(群I)又は70μgのスロンビン
/rHV1−複合体(群II)のいずれかにより腹腔内に
追加免疫する。3〜4日間の後、マウスを殺し、もとの
Koehler及びMilstein法の変法(Gal
freら、Nature 266, 550, 1977)によりPEG40
00(Merck)を用いて脾細胞をネズミ骨髄腫セル
ラインPAI(Stockerら、Research Disclosur
e No.21713, p155, 1982)と融合させ、そして細胞を、
HAT培地(Boehringer)を収容したミクロ
タイタープレートのウエルに分配する。2〜4週間後、
増殖するハイブリドーマを含むウエルを例1.5のEL
ISAにより特異的モノクローナル抗体について試験す
る。
【0078】1.5 ハイブリドーマのスクリーニング
のためのエンザイム−リンクドイムノソルベントアッセ
イ(ELISA) 増殖するハイブリドーマを例1.3に記載したようにし
て、ELISAにより特異抗体の存在について試験す
る。血清の代りに、PBS−Tween0.1%中に
1:2で希釈したハイブリドーマ細胞上清200μl
を、スロンビン/rHV1−複合体でコートしたミクロ
タイタープレートに加える。
【0079】グループIのマウスを用いて行った3回の
融合(融合効率100%)から、スロンビン/rHV1
−複合体と反応するMAbを分泌する6個のハイブリド
ーマを得る。グループIIのマウスを用いた3回の融合は
4個の前記のごときハイブリドーマ4個をもたらし、そ
の1つはrHV1と交叉反応するMAbを分泌し、他方
残りの3個のハイブリドーマにより分泌されたMAbは
スロンビンと交叉反応する。各グループからの1個ず
つ、計2個のハイブリドーマセルラインを、分泌される
MBのさらなる特徴付けのために選択する。
【0080】両セルラインは1990年6月14日に、
European Collection of Animal Cell Cultures(ECA
CC) に、ハイブリドーマ4158−81−7(グルー
プI)については寄託番号90061405として、そ
してハイブリドーマ4107−76−1(グループII)
については寄託番号90061404として寄託されて
いる。これらのハイブリドーマにより分泌されるモノク
ローナル抗体は前置記号「MAb」と各ハイブリドーマ
の内部番号とにより、例えばMAb4107−76−1
として命名する。
【0081】1.6 ハイブリドーマの貯蔵及び処理 選択されたハイブリドーマ細胞は培養において増殖さ
せ、−80℃にて凍結し、液体窒素中に保存し、そして
再活性化することができる。細胞を限界希釈法(J. W.
Goding, J. Immunol. Methods, 39, 285, 1980)により
クローニングし、そしてプリスタンによりプライムした
Balb/cマウス中に腹水を形成することにより拡大
する(例2.1を参照のこと)。
【0082】例2モノクローナル抗−THC抗体の生
産、単離及び精製 2.1 生体内でのハイブリドーマの拡大及びモノクロ
ーナル抗体の精製 腹水の生産のため、雌性Balb/cマウス(20〜2
5g)(Tierfarm Sisseln、スイス)
を0.3mlのプリスタン油(Aldrich)により腹
腔内前処理する。1〜3週間後、マウスにプリスタンの
第二の注射を行い(0.2ml i.p.)そして同時に
0.2mlのPBS中2×106 個のハイブリドーマ細胞
をi.p.接種する。8〜10日後、生ずる腹水を集
め、800xgにて遠心し、そして−20℃又は−80℃
にて貯蔵する。
【0083】解凍した腹水を30,000xgにて1時間
の遠心により透明にする。脂質を含有する上層を除去し
た後、蛋白質濃度を測定し、そしてPBSにより10〜
12mg/mlに調整する。0℃にて0.9容量の飽和硫酸
アンモニウムを滴加することにより免疫グロブリンG画
分(IgG)を沈澱せしめる。1時間後、IgG画分を
22,000xgにて1時間の遠心分離によりペレット化
する。ペレットを、50mM NaClを含有する20mM
Tris−HCl緩衝液(pH7.9)に溶解し、そし
て同じ緩衝液に対して4℃にて一夜透析する。IgG画
分をさらに、DE52ジエチルアミノエチルセルロース
(Whatman)のカラム上での陰イオン交換クロマ
トグラフィーにより精製する。
【0084】サンプルを20mM Tris−HCl(pH
7.9)中に1:2(v/v)で希釈して最終濃度25
mM NaClとし、そしてゲル1ml当り10mgの蛋白質
を該カラムに適用する。塩化ナトリウム濃度を25mMか
ら200mMに上昇せしめる(直線勾配)ことにより溶出
を行う。一般に、MAbは約80mM NaClにて溶出
する。画分をPBSに対して4℃にて一夜透析し、そし
て−70℃で貯蔵する。SDS−PAGE及び等電点沈
澱により純度を評価する。純度は90%より高い。
【0085】2.2 ハイブリドーマの生体外での拡大 10%ウシ胎児血清(FCS)を含有するRPMI16
40培地(Seromed)中で生理的温度(約37
℃)にてハイブリドーマ細胞を培養して5×10 5 〜1
6 細胞/mlの最終細胞濃度にすることによりセルライ
ンの前培養物を得る。この前培養物全体をBellco
培養器に入れ、そして新鮮なRPMI1640培地/1
0%FCSにより全体積1500mlに調製する。培養物
を約37℃にて5%CO2 のもとで30rpm で2〜3日
間攪拌し、次にRPMI1640/10%FCSにより
全体積3000mlに希釈し、そしてさらに7〜10日間
攪拌する。
【0086】この時間の後95%の細胞が死滅する。培
養液を1000xgにて20分間4℃で遠心分離する。上
清をポアーサイズ0.2μmのフィルターに通して無菌
条件下で濾過する。0℃にて0.9容量の飽和硫酸アン
モニウムを徐々に滴加することにより粗免疫グロブリン
を沈澱せしめる。この沈澱を例2.1に記載したように
して精製する。
【0087】例3モノクローナル抗−THC抗体のク
ラス及びサブクラスの決定 モノクローナル抗体のクラス及びサブクラスをBio−
Radからのエンザイム−リンクドイムノソルベントア
ッセイ(ELISA)により決定する。MAb4158
−81−7及びMAb4107−76−1はクラスIg
Gである。
【0088】例4rHV1類似体の調製 4.1 合成rHV1ペプチドの調製 配列52−65,40−65,29−38、及び1−1
5の合成rHV1ペプチドを当業界において知られてい
る固相法(Rink, Tetrahedron Letter 28, 3787, 1987)
により合成する。配列1−43を有するrHV1ペプチ
ドは Changら、FEBS Letter 260, 209, 1990に記載され
ているようにして合成する。
【0089】4.2 還元的S−カルボキシメチル化 rHV1の還元的S−カルボキシメチル化をHirsの
方法(Methods in Enzymol 11, 199, 1967)に従って行
う。これによりrHV1の三次元構造の完全な破壊が起
こる。
【0090】4.3 V8スタフィロコッカスプロテア
ーゼによるrHV1の消化 2mM EDTAを補充した50mM(NH4 )HCO3
衝液(pH8.0)90μl中に溶解した70μgの天然
rHV1を20μg(20μl中)のスタフィロコッカ
ス・アウレウム(Staphylococcus aureus)V8株プロテ
アーゼ(Sigma)と混合し、そして37℃にて30
分間、2時間又は4時間インキュベートする。5μlの
0.01Mジイソプロピルフルオロホスフェート(Si
gma)の添加により反応を停止させる。消化の程度
を、Schlaeppiら(Eur. J. Biochem. 188, 46
3, 1990)により記載されている逆相HPLCにより、又
はアミノ末端分析(Chang, Analytical Biochem. 170, 5
42, 1988) により、及びSDS−PAGEにより評価す
る。
【0091】4.4 リシルエンドペプチダーゼによる
rHV1の消化 97.5μlの25mM Tris/HCl(pH8.3)
に溶解した70μgのrHV1に、2.5μl中2.5
μgのリシルエンドペプチダーゼ(WakoChemi
cals)を加え、そして37℃にて種々の時間にわた
りインキュベートする。蛋白質分解断片をSchlae
ppiら(loc.cif)により記載されたようにし
てHPLCにより分離し、そして消化の程度を定量的N
−末端分析により決定する。
【0092】例5抗−THCモノクローナル抗体の特
徴付けのために使用される試験法 5.1 rHV1、スロンビン及びモノクローナル抗体
のビオチン化 スロンビン(40μlのPBS中1.1nmol)をビオチ
ン−X−N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(2μ
lのDMSO中4.4nmol)と4℃にて3時間混合す
る。次に、PBSに対する一夜の透析の前に360μl
のPBSを加える。MAbのビオチン化は、Bayer
ら(Methods Enzymol. 62, 308, 1979)により記載され
ているのと実質的に同様にして行う。ビオチン−X−N
−ヒドロキシサクシンイミドエステル(200μlのD
MSO中200μg)を5mlのPBS(pH7.0)中5
mgの精製MAbに加える(モル比13:1)。4℃にて
4時間後、混合物をPBS中で十分に透析する。
【0093】200μlの酢酸緩衝液(20mM,pH6.
0)中0.5mgのrHV1を、40μlのエタノール/
水(1:1v/v)に溶解した100μgのビオチン−
X−N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(Calb
iochem)と混合してビオチン対rHV1のモル比
を2.3:1とし、そしてこの混合物を室温にて20分
間インキュベートする。次に、260μlのPBSを加
え、そして溶液を4℃にてPBSに対して一夜透析す
る。
【0094】5.2 競争ELISA rHV1、例4に記載のrHV1類似体、及び組換ヒル
ジン変形体PV(rHV3;Podtら、Biol. Chem.
Hoppe-Seyler 367, 803, 1983)を用いる競争ELISA
実験によりエピトープマッピングを行う。次の様にして
二段階競争ELISAを行う。
【0095】rHV1(100μlの50mM コーティ
ング緩衝液中0.2μg)をマイクロタイタープレート
上に吸収される。4℃にて一夜のインキュベーションの
後、PBS−Tween0.1%によりプレートを洗浄
し、そして固体支持体上の残留遊離部位をPBS/BS
A(1%w/v)とのインキュベーションによりブロッ
クする。別の試験管中で、50μlの各精製されたMA
b(40〜400ng/ml)を、増加する量のrHV1又
はrHV1類似体を含有する標準溶液650μlと共に
インキュベートする。
【0096】4℃にて一夜のインキュベートの後、20
0μlの抗体−抗原混合物を各ウエルに加え、そしてさ
らに1時間インキュベートする。次にウエルを5回洗浄
し、そして100μl/ウエルのアルカリホスファター
ゼに結合したヤギ抗−マウス抗体(希釈1:1500)
を1.5時間ウエルに加える。洗浄の後、150μl/
ウエルの基質p−ニトロフェニルホスフェート(0.5
mM MgCl2 ・H2Oが補充されたジエタノールアミ
ン緩衝液、pH9.8、中1mg/ml)をウエルに加える。
固相に結合した抗原と反応する抗体の量に比例する色の
変化を405nmにてモニターする。すべてのサンプルを
三連で行う。
【0097】B/B0 ×100(結合%)対存在する阻
害物質の濃度をプロットすることにより典型的な阻害曲
線を得る(B0 は抗体添加されたrHV1の非存在下で
測定された吸光度を示し、そしてBは種々の濃度のrH
V1の存在下で測定された吸収を示す。IC50値は固相
への抗体の結合を50%阻害する抗原の濃度を示す。
【0098】IC50は、4パラメーター理論曲線:U=
(D−C)/1+(Z/A)b)+C(ここで、Uは標
準の量Zについて予想される応答である)に基く曲線適
合プログラムENZFITTER(R. J. Leatherbarro
w, Elsevies) の適合(adaption)を用いて計
算する。4個のパラメーターが曲線の形を記述し、D及
びCは上及び下の漸近線を与え、そしてAは中間漸近線
の量である(Raab,Clin. Chem. 29, 1757, 198
3)。
【0099】5.3 オーバーラップするエピトープを
決定するための遊離ヒルジンについて選択的なMAbを
用いるダブルサンドイッチELISA 遊離ヒルジンについて選択的であるMAbを用いるダブ
ル抗体サンドイッチELISAを次に記載するようにし
て行ってモノクローナル抗体がオーバーラップするエピ
トープを認識するか否かを決定する。
【0100】ミクロタイタープレートを、炭酸ナトリウ
ム緩衝液(50mM,pH9.6)中に調製されたグループ
Iの精製された抗−THC MAb ウエル当り0.5
μgによりコートし、そして4℃にて一夜インキュベー
トする。ブロッキング及び洗浄段階(それぞれ1% B
SA及び0.1% BRS−Tween)の後、PBS
−Tween0.1%中に調製された増加する濃度のr
HV1(0〜100ng/ウエル)を結合したMAbに加
え、そして室温にて1時間インキュベートする。洗浄
後、遊離rHV1について選択的なビオチン化された第
二MAbをプレートに加え(0.5μg/ウエル)そし
て2時間インキュベートする。
【0101】第二モノクローナル抗体として、Schl
aeppiら(上記引用文)により記載されているそれ
ぞれMAb4114−96−1,MAb4120−37
−7及びMAb4049−83−12を用いる。次に、
洗浄後、100μlのアルカリホスファターゼ結合スト
レプトアミジン(1:2500に希釈)を加え、そして
室温にて1.5時間インキュベートする。洗浄後、基質
(例5.2を参照のこと)を加え、そして基質の添加後
15分から始めて種々の時間の後405nmにて吸光度を
測定する。
【0102】5.4 rHV1/スロンビン−複合体を
測定するためのサンドイッチELISA 0.1%のBSAを含有する100μlのPBS−Tw
een0.1%又はPBS−Tween中に1:3で希
釈された100μlのヒト血漿中で15pmolのrHV1
と3pmolのα−スロンビン(3000NIHユニット/
mg:CBR Laboratories)とを混合することによりスロン
ビン/rHV1−複合体を調製する。
【0103】ミクロタイタープレートを抗−スロンビン
MAb EST6(0.2μg/100μl;Bioscot,
Edinburgh, UK)によりコートする。4℃での一夜の
インキュベーション、PBS−BSA(0.1%)によ
るブロッキング、及びPBS−Tweenによる洗浄の
後、前記のようにして調製したスロンビン/rHV1−
複合体の一連の2倍希釈物(1:5モル比)100μl
をウエルに加え、そして室温にて2時間インキュベート
する。
【0104】次に、(1)0.5μg/100μlのビ
オチン化MAb4107−76−1及びMAb1458
−81−7、それぞれ2時間、(2)アルカリホスファ
ターゼ結合ストレプトアビジン(1:1200希釈)
1.5時間、及び(3)基質(例5.2を参照のこと)
を次々に添加する。22℃にてインキュベーションを行
う。各段階の間、プレートをPBS−Tween0.1
%で洗浄する。15〜30分間の後405nmにて吸光度
をモニターする。
【0105】選択されたMAbでコートされたミクロタ
イタープレートを用いて簡単化された測定法を開発す
る。rHV1と結合したビオチン化スロンビン(0.2
μg/ウエル)をウエルに加え、そしてビオチン化され
たスロンビンをアルカリホスファターゼ結合ストレプト
アビジンにより直接検出する。
【0106】5.5 ゲル濾過HPLC ゲル濾過HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)を用
いてスロンビン/rHV1−複合体又は抗原−抗体複合
体を分析する。スロンビン(0.3nmol)及びrHV1
(1.5nmol)を含有するサンプルを15分間インキュ
ベートする。被験抗−THC MAb又は対照 抗−ヒ
ルジンMAb4049−83−12(0.2nmol;Sc
hlaeppiら、前に引用)を加え(合計容量45μ
l)そして室温にてさらに5時間インキュベートする。
サンプルをTSK−G3000SWゲル濾過カラム(L
KB;8×300mm)に注入し、そして0.3ml/分の
流速でPBSにより溶出する。蛋白質の吸光度を280
nmにてモニターする。
【0107】例6モノクローナル抗−THC抗体の特
徴付け 6.1 グループIのモノクローナル抗体 MAb4158−81−7(グループI)についての例
5.2の競争ELISAの結果を下の表1に示す。
【0108】 表 1 競争ELISAによるMAb4158−81−7の特徴付け ─────────────────────────────────── ヒルジン変形体/類似体 IC50 (ng/ml)A ─────────────────────────────────── rHV1 3.5 rHV3B 1000 rHV1 1−43 1.0 HV1ペプチド52−65 >1000 HV1ペプチド40−65 >1000 HV1ペプチド29−38 >1000 HV1ペプチド1−15 >1000 S−CM−rHV1C 200 rHV1+V8プロテアーゼ(2時間)D 0.5 rHV1+リシルエンドペプチダーゼ(1.5時間)E 11.8 ───────────────────────────────────
【0109】A:固相MAbの50%阻害のための阻害
物質濃度 B:rHV1と異るrHV3の残基:Ile 1,Thr 2,
Lys 24,Gln 33,Lys 35,Asp 36,Gln 53,
Pro 58,Asp 62,Ala 63,Asp 65,Glu 66 C:還元されそしてS−カルボキシメチル化されたrH
V1 D:Glu43にて97%の開裂;Glu61にて50
%の開裂 E:Lys47にて100%の開裂;Lys36にて1
00%の開裂
【0110】MAb4158−81−7は溶液中のrH
V1を3.5ng/mlのIC50値をもって結合するが、r
HV1配列のほとんどを含む4種のrHV1ペプチド1
−15,29−38,40−65及び52−65との交
叉反応性を示さない。さらに、還元されそしてS−カル
ボキシメチル化されたrHV1の結合は未修飾のrHV
1に比べて劇的に低下し、コンホーメーション依存的エ
ピトープが示唆される。
【0111】MAb4158−81−7はrHV1のN
−末端コアードメイン及びrHV1コアードメインが無
傷のままであるV8プロテアゼで消化されたrHV1と
完全に交叉反応する。rHV1の1−43及びV8−消
化されたrHV1に対するMAbの親和性は全体rHV
1分子よりも高く、C−末端ドメインの幾らかの立体障
害が存在することが示唆される。確かに、免疫感作のた
めrHV1が主としてC−末端ドメインを介してKHL
に連結され、これはその自然のコンフィグレーションを
変えるのかも知れない。
【0112】例5.3のダブルサンドイッチELISA
において、MAb4158−81−7は、C−末端ドメ
インに結合する任意の抗−ヒルジンMAbに結合し(S
chlaeppiら、前に引用)、オーバラップするエ
ピトープが無いことが示唆される。しかしながら、ドメ
イン41−47内の残基に結合するMAb4049−8
3−12にMAb4158−81−7が結合する場合、
10〜20倍高い濃度のrHV1が必要である。これは
両MAbのエピトープの間の部分的オーバーラップを示
し、このことはV8−プロテアーゼによるrHV1/抗
体−複合体の限定的蛋白質分解によりさらに確認され
る。Glu43とGly44との間の開裂はrHV1へ
のMAb4158−81−7の結合により防止される。
【0113】グループIの残りのMAbはrHV1ペプ
チド1−43と交叉反応し、グループIのMAbがrH
V1のN−末端コアードメインにのみ結合することを示
唆する。これらの結果はまた、スロンビン/rHV1−
複合体の表面に接近可能なrHV1の主要抗原中決定基
がN−末端コアードメインに排他的に位置しこれはスロ
ンビン/ヒルジン−複合体の結晶構造により示唆される
(Gruetter ら、EMBO Journal ,2361,1990)。
【0114】MAb4158−81−7は溶液中のスロ
ンビン/rHV1−複合体には結合しないが、しかしミ
クロタイタープレートのごとき固体表面上に吸着された
又はMAb EST6又はMAb4107−76−1に
より表される複合体に結合する。さらに、MAb415
8−81−7ビオチン化スロンビン/rHV1−複合体
に結合しない(MAb4107−76−1とは対照的で
あり、下記参照のこと)。
【0115】従って、溶液中のスロンビン/rHV1−
複合体のコンホーメーションは固体支持体上のそれと異
ること、及びMAb4158−81−7が結合するrH
V1のコアードメインは後者のコンホーメーションにお
いてのみ露出されることが確認される。その結果、MA
b4158−81−7は一般的にではなく限定された条
件下でのみスロンビン/rHV1−複合体と交叉反応す
る。
【0116】6.2 グループIIのモノクローナル抗体 グループIIの4種のMAbの内、唯1種のMAbがrH
V1と交叉反応するが親和性は非常に低い。例5.2の
競争的ELISAにより示されるように、このモノクロ
ーナル抗体はまたrHV1コアードメイン(残基1−4
3)と反応し、これがグループIのMAbに密接に関連
することが示される。残りMAbの内MAb4107−
76−1は、スロンビン/rHV1−複合体に非常に強
く結合するので、さらに詳細に研究される。これはrH
V1にも溶液中のスロンビンにも結合しない。
【0117】しかしながらこのMAbはミクロタイター
プレート上に吸着したスロンビンに結合する。幾つかの
証拠が示すところによれば、スロンビンが固相に吸着さ
れた時にのみ結合が生じ、それが溶液中にある時には生
じない。まず、例5.6に記載したゲル濾過HPLC実
験において、MAb4107−76−1は複合体には結
合するが、遊離のスロンビンには結合しない。遊離rH
V1のみを認識する抗−rHV1 MAb4049−8
3−12は対照として作用される。第二に、ビオチン化
されたスロンビンを用いて、MAb4107−76−1
は複合体にのみ結合し、しかし遊離ビオチン化スロンビ
ンには結合せず、他方抗−スロンビンMAb EST6
は両者を認識する。最後に、プレートへのスロンビンの
直接吸着を防止するためにMAb EST6を用いるダ
ブルサンドイッチELISAにより、MAb4107−
76−1の結合は複合体とのみ生じ、遊離のスロンビン
とでは生じない。
【0118】rHV1のC−末端ペプチド40−65が
複合体中のrHV1を置換する時、MAb4107−7
6−1の結合が生じず、結合のために全体rHV1分子
が必要であることが示される。しかしながら、変形体r
HV3によるrHV1の置換は複合体へのMAb410
7−76−1の結合を部分的にのみ低下せしめ、MAb
が共通の決定基を認識することが示唆される。小分子量
阻害物質もヘパリンもスロンビンへのMAbの結合を誘
導することができないであろう。これらの結果が示唆す
るところによれば、MAb4107−76−1は、固体
表面へのrHV1又はスロンビンの吸着の後に発現され
るスロンビン上のネオエピトープを認識する。
【0119】クリスタログラフのデーター(Grutt
erら、前記)により確認されるようにスロンビンはr
HV1の結合の後にコンホーメーション変化を受ける
(S. Konnoら、Arch. Biochem. Biophys. 267, 158,198
8)。このコンホーメーション変化がイムノドミナント
(immunodominunt)ネオエピトープを形
成するのかも知れない。固体表面に吸着後の抗原のコン
ホーメーション変化又は部分的変性さえよく記載され、
そして表面吸着したスロンビンへのMAb4107−7
6−1の結合を説明することができよう。グループIIの
モノクローナル抗体MAb4107−76−1の幾つか
の試験結果を表2に示す。
【0120】 表 2 MAbへのスロンビン/rHV1−複合体の結合のELISA測定 ─────────────────────────────────── 吸光度(405nm) 添加した試薬A ────────────────── MAb4107-76-1 MAb EST6 ─────────────────────────────────── ビオチン化スロンビン 0.040 0.719 ビオチン化スロンビン及びrHV1 1.027 1.018 ビオチン化rHV1 0.013 0.020 PBS−Tween 0.009 0.017 ─────────────────────────────────── A:試薬はMAbをコートしたミクロタイタープレート
に加えられ、そしてアルカリホスファターゼ結合ストレ
プトアビジンにより検出される。
【0121】例7血漿中のスロンビン/ヒルジン−複
合体の測定のためのサンドイッチELISA 血漿中のスロンビン/ヒルジン−複合体の特異的測定
を、捕捉抗体としてMAb4107−76−1を用いそ
して第二抗体としてビオチン化MAb4158−81−
7を用いるサンドイッチELISAにより行う。このE
LISAは例5.4に記載したELISAの変法であっ
て、MAb EST6の代りにMAb4107−76−
1を用い、そして次に記載する様にして行う。
【0122】ミクロタイタープレートをMAb4107
−76−1(0.2μg/100μl)によりコートす
る。PBS−BSA1%によるブロッキング及びPBS
−Tween0.1%による洗浄の後、被験血漿200
μlをウエルに加え、そして2時間インキュベートす
る。
【0123】次に、(1)0.5μg/100μlのビ
オチン化MAb4158−81−7を2時間、(2)ア
ルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジン(1:2
500希釈)を1.5時間、及び(3)基質(例5.2
を参照のこと)を次々に加える。インキュベーションは
22℃にて行う。各段階の間にプレートをPBS−Tw
een0.1%により洗浄する。15〜30分間に40
5nmにて吸光度をモニターする。この試験は、1〜20
0ng/mlの濃度範囲でのスロンビン/ヒルジン−複合体
の存在及び/又は濃度を決定する。
【0124】例8スロンビン/ヒルジン−複合体の測
定のためのELISA用試験キット 例7に記載するELISA用試験キットは次のものを含
む。 ・ポリ塩化ビニル ミクロタイタープレート; ・コーティング緩衝液中モノクローナル抗体MAb41
07−76−1(10μg/ml)20ml; ・PBS−Tween0.1%中ビオチン化MAb41
58−81−7(5μg/ml)20ml; ・5μgのrHV1を含有する標準溶液2ml; ・300mlのPBS−Tween0.1%; ・300mlのPBS−BSA0.1%; ・0.5mlのアルカリホスファターゼ結合ストレプトア
ビジン; ・ジエタノールアミン緩衝液(10%,0.5M Mg
Cl2 ,0.02%NaN3 ,HClにてpH8.9に調
整)中p−ニトロフェニルホスフェート(1mg/ml)5
0ml; ・換算曲線; ・色度スケール;及び ・手引き書。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12P 21/08 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 5/00 B

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨーロピアン コレクション オブ ア
    ニマル セル カルチャーズ(ECACC)にアクセス番号9
    0061405として寄託されているハイブリドーマセルライ
    ン4158−81−7により生産され、スロンビン/ヒルジン
    複合体と反応するモノクローナル抗体4158−81−7、又
    はこのモノクローナル抗体の特異性を維持している該モ
    ノクローナル抗体の誘導体。
  2. 【請求項2】 ヨーロピアン コレクション オブ ア
    ニマル セル カルチャーズ(ECACC)にアクセス番号9
    0061404として寄託されているハイブリドーマセルライ
    ン4107−76−1により生産され、スロンビン/ヒルジン
    複合体と反応するモノクローナル抗体4107−76−1、又
    はこのモノクローナル抗体の特異性を維持している該モ
    ノクローナル抗体の誘導体。
  3. 【請求項3】 酵素、蛍光マーカー、化学発光マーカ
    ー、金属キレート、アビジン又はビオチンとの結合体で
    ある、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体の誘
    導体。
  4. 【請求項4】 放射能ラベルされたモノクローナル抗体
    である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体の
    誘導体。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体の断片である、請求
    項1又は2に記載のモノクローナル抗体の誘導体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモ
    ノクローナル抗体又はその誘導体の製造方法において、
    該モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマセルラ
    インの細胞をインビボ又はイビトロで増加せしめ、所望
    により得られたモノクローナル抗体を単離し、そして/
    又はその誘導体に転換する、ことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 ヨーロピアン コレクション オブ ア
    ニマル セル カルチャーズ(ECACC)にアクセス番号9
    0061405として寄託されており、請求項1に記載のモノ
    クローナル抗体を分泌するハイブリドーマセルライン41
    58−81−7。
  8. 【請求項8】 ヨーロピアン コレクション オブ ア
    ニマル セル カルチャーズ(ECACC)にアクセス番号9
    0061404として寄託されており、請求項2に記載のモノ
    クローナル抗体を分泌するハイブリドーマセルライン41
    07−76−1。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載のハイブリドーマ
    セルラインの製造方法において、ヒト以外の動物を、キ
    ャリヤーに結合したヒルジンにより又はスロンビン/ヒ
    ルジン複合体により免疫し、前記動物の抗体産生細胞を
    連続セルラインの細胞と融合せしめ、該融合において得
    られたハイブリド細胞をクローニングし、そして所望の
    モノクローナル抗体を分泌する細胞クローンを選択す
    る、ことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2に記載のモノクローナ
    ル抗体及び/又はその誘導体、並びに所望により他のモ
    ノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体及び/又
    は助剤を含んで成る、スロンビン/ヒルジン複合体の定
    性的又は定量的測定のための試験キット。
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