JP3226571B2 - 二酸化炭素変換用アモルファス合金触媒 - Google Patents

二酸化炭素変換用アモルファス合金触媒

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JP3226571B2
JP3226571B2 JP23305791A JP23305791A JP3226571B2 JP 3226571 B2 JP3226571 B2 JP 3226571B2 JP 23305791 A JP23305791 A JP 23305791A JP 23305791 A JP23305791 A JP 23305791A JP 3226571 B2 JP3226571 B2 JP 3226571B2
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    • C07C2523/70Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group C07C2521/00 of the iron group metals or copper
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    • C07C2523/745Iron

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化炭素を炭素鎖の
長い炭化水素に変換する高活性触媒として作製法がきわ
めて簡単な材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素に水素を添加して炭化水素と
水に変える触媒はかなり広く研究され、アルミナにルテ
ニウムを担持した触媒などが知られている。
【0003】ところで通常、合金は固体状態では結晶化
しているが合金組成を限定して溶融状態から超急冷凝固
させるなど、固体形成の過程で原子配列に長周期的規則
性を形成させない方法を適用すると、結晶構造を持た
ず、液体に類似したアモルファス構造が得られ、このよ
うな合金をアモルファス合金という。アモルファス合金
は、多くは過飽和固溶体の均一な単相合金であって、従
来の実用金属に比べて著しく高い強度を保有し、かつ組
成に応じて異常に高い耐食性をはじめ種々の特性を示
す。
【0004】またアモルファスNi−ZrおよびPd−
Zr合金は一酸化炭素に水素を添加して炭化水素と水に
変える触媒として250〜300℃でも作動し、上記ア
ルミナにルテニウムを担持した触媒より活性が数倍高い
ことが知られている。これに対し二酸化炭素に水素を添
加し炭化水素と水に変えることを原理とする反応に有効
な触媒として決定的なものは得られていない。
【0005】一方本発明者の1人は特願昭60−123
111号によりNi−Ta−白金族金属を必須成分とす
るアモルファス合金電極材料を水溶液電解における酸素
ガス発生用電極材料として出願した。特願昭60−12
3111号は下記のとおりである。
【0006】(1)Taと、Ru、Rh、Pd、Ir、
Ptの第I群の内から選ばれた1種または2種以上の元
素と、残部が実質的にNiとからなり、前記Taが25
〜65原子%、前記第I群から選ばれた元素が0.3〜
45原子%、および前記Niが30原子%以上の組成を
有する非晶質合金をフッ化水素酸水溶液に浸し、電極活
性を向上させたことを特徴とする電解用電極。
【0007】(2)Taと、Ru、Rh、Pd、Ir、
Ptの第I群の内から選ばれた1種または2種以上の元
素と、Ti、Zr、Nbの第II群の内から選ばれた1種
または2種以上の元素と、残部が実質的にNiとからな
り、前記Taが20原子%以上であって、これと前記第
I群から選ばれた元素が0.3〜45原子%、および前
記Niが30原子%以上の組成を有する非晶質合金をフ
ッ化水素酸水溶液に浸し、電極活性を向上させたことを
特徴とする電解用電極。
【0008】また本発明者らの3人は、Ti、Zr、N
bおよびTaのいずれか1種または2種以上とNiおよ
び白金族金属を含む溶液電解の電極用表面活性化アモル
ファス合金およびその活性化処理方法を特願昭60−1
69764号、60−169765号および60−16
9767号として出願し、同様に溶液電解用の電極用表
面活性化過飽和固溶体合金およびその活性化処理方法を
特願昭60−169766号として出願した。
【0009】特願昭60−169764号は下記の5つ
の発明からなる。
【0010】(1)Nbを25〜65原子%とRu、R
h、Pd、IrおよびPtの群から選ばれた1種または
2種以上の元素0.01〜10原子%とを含み、残部は
実質的にNiよりなる表面活性化処理を施した溶液電解
の電解用表面活性化非晶質合金。
【0011】(2)Ti、Zrおよび20原子%未満の
Taとの3種の金属の群から選ばれた1種または2種以
上と10原子%以上のNbとの合計で25〜65原子%
含み、更にRu、Rh、Pd、IrおよびPtの群から
選ばれた1種または2種以上の元素0.01〜10原子
%とを含み、残部は実質的にNiよりなる表面活性化処
理を施した溶液電解の電解用表面活性化非晶質合金。
【0012】(3)Nbを25〜65原子%とRu、R
h、Pd、IrおよびPtの群から選ばれた1種または
2種以上の元素0.01〜10原子%と7原子%以下の
Pを含み、残部は実質的にNiよりなる表面活性化処理
を施した溶液電解の電解用表面活性化非晶質合金。
【0013】(4)Ti、Zrおよび20原子%未満の
Taとの3種の金属の群から選ばれた1種または2種以
上と10原子%以上のNbとの合計で25〜65原子%
含み、更にRu、Rh、Pd、ItおよびPtの群から
選ばれた1種または2種以上の元素0.01〜10原子
%と7原子%以下のPを含み、残部は実質的にNiより
なる表面活性化処理を施した溶液電解の電解用表面活性
化非晶質合金。
【0014】(5)前記電極用非晶質合金を、Ni、N
b、Ta、TiおよびZrを優先的に溶解させる腐食液
に浸漬し。電極活性を担う白金族金属を表面に濃縮させ
ることを特徴とする電極用非晶質合金の活性化処理方
法。
【0015】特願昭60−169765号は下記の3つ
の発明よりなる。
【0016】(1)25〜65原子%のTaを含み、R
u、Rh、Pd、IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01〜10原子%と、7原子
%以下のPを含み実質的残部として20原子%以上のN
iよりなり、合計を100原子%とする表面活性化処理
を施した溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金。
【0017】(2)20原子%以上のTaを含み、T
i、Zr、Nbの群から選ばれた1種または2種以上の
元素とTaとの合計が25〜65原子%であって、R
u、Rh、Pd、IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01〜10原子%と7原子%
以下のPを含み、実質的残部として20原子%以上のN
iからなり、合計を100原子%とする表面活性化処理
を施した溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金。
【0018】(3)前記電極用非晶質合金を、Ni、N
b、Ta、TiおよびZrを優先的に溶解させる腐食液
に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃縮させ
ることを特徴とする電極用非晶質合金の活性化処理方
法。
【0019】特願昭60−169767号は下記の3つ
の発明からなる。
【0020】(1)5原子%以上20原子%未満のTa
を含み、Ti、Zrの何れか1種または2種とTaとの
合計が25〜65原子%であって、Ru、Rh、Pd、
IrおよびPtのいずれか1種または2種以上の元素を
0.01〜10原子%含み、残部は実質的にNiからな
り表面活性化処理を施した溶液電解の電極用表面活性化
非晶質合金。
【0021】(2)5原子%以上20原子%未満のTa
を含み、Ti、Zrの何れか1種または2種とTaの合
計が25〜65原子%であって、Ru、Rh、Pd、I
rおよびPtの何れか1種または2種以上の元素を0.
01〜10原子%と7原子%以下のPを含み、残部は実
質的に20原子%以上のNiからなり、合計を100原
子%とする表面活性化処理を施した溶液電解の電極用表
面活性化非晶質合金。 (3)前記電極用非晶質合金を、Ni、Ta、Tiおよ
びZrを優先的に溶解させる腐食溶液に浸漬し、電極活
性を担う白金族金属を表面に濃縮させることを特徴とす
る電極用非晶質合金の活性化処理方法。
【0022】特願昭60−169766号は下記の5の
発明からなる。
【0023】(1)NbおよびTaの1種または2種2
0原子%以上25原子%未満を含み、Ru、Rh、P
d、IrおよびPtの群から選ばれた1種または2種以
上の元素0.01〜10原子%とを含み、残部は実質的
にNiからなり表面活性化処理を施した溶液電解の電極
用過飽和固溶体合金。
【0024】(2)NbおよびTaの1種または2種2
0原子%以上25原子%未満を含み、Ru、Rh、P
d、ItおよびPtの群から選ばれた1種または2種以
上の元素を0.01〜10原子%と7原子%以下のPを
含み、残部は実質的にNiからなり表面活性化処理を施
した溶液電解の電極用過飽和固溶体合金。
【0025】(3)NbおよびTaの1種または2種5
原子%以上を含み、TiおよびZrの1種または2種
と、NbおよびTaの1種または2種の合計が20原子
%以上25原子%未満であって、Ru、Rh、Pd、I
rおよびPtの群から選ばれた1種または2種以上0.
01〜10原子%含み、残部は実質的にNiからなり表
面活性化処理を施した溶液電解の電極用表面活性化過飽
和固溶体合金。
【0026】(4)NbおよびTaの1種または2種5
原子%以上を含み、TiおよびZrの1種または2種と
NbおよびTaの1種または2種の合計が20原子%以
上25原子%未満であって、Ru、Rh、Pd、Irお
よびPtの群から選ばれた1種または2種以上0.01
〜10原子%と7原子%以下のPを含み、残部は実質的
にNiからなり、表面活性化処理を施した溶液電解の電
極用表面活性化過飽和固溶体合金。
【0027】(5)前記電極用過飽和固溶体合金を、N
i、Nb、Ta、TiおよびZrを優先的に溶解させる
腐食液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃
縮させることを特徴とする電極用過飽和固溶体合金の活
性化処理方法。
【0028】更に、本発明者らはメタノール系燃料電池
用表面活性化アモルファス合金を見いだし、特願昭61
−154570号として出願した。特願昭61−154
570号は以下の通りである。
【0029】(1)Pt0.5〜20原子%、Tiおよ
びZrの1種または2種20〜80原子%、残部実質的
にNiおよびCoの1種または2種10原子%以上から
なることを特徴とするメタノール系燃料電池電極用表面
活性化アモルファス合金。
【0030】(2)Pt0.5〜20原子%、Tiおよ
びZrの1種または2種20〜80原子%、Ru、R
h、Pd、Ir、Tl、Si、Ge、Sn、Pbおよび
Biよりなる群から選ばれる1種または2種以上10原
子%以下(但し、Pt10原子%以下のときは、原子%
でPtと同量以下)、残部実質的にNiおよびCoの1
種または2種10原子%以上からなることを特徴とする
メタノール系燃料電池電極用表面活性化アモルファス合
金。
【0031】(3)Pt0.5〜20原子%、Nbおよ
びTaの1種または2種20〜70原子%、残部実質的
にNiおよびCoの1種または2種からなることを特徴
とするメタノール系燃料電池電極用表面活性化アモルフ
ァス合金。
【0032】(4)Pt0.5〜20原子%、Nbおよ
びTaの1種または2種20〜70原子%、Ru、R
h、Pd、Ir、Ti、Si、Ge、Sn、Pbおよび
Biよりなる群から選ばれる1種または2種以上10原
子%以下(但し、Pt10原子%以下のときは、原子%
でPtと同量以下)、残部実質的にNiおよびCoの1
種または2種10原子%以上からなることを特徴とする
メタノール系燃料電池電極用表面活性化アモルファス合
金。
【0033】(5)Pt0.5〜20原子%、Nbおよ
びTaの1種または2種70原子%以下とTiおよびZ
rの1種または2種との合計量20〜80原子%(上記
NbおよびTaの1種又は2種の量を含む)、残部実質
的にNiおよびCoの1種または2種10原子%以上か
らなることを特徴とするメタノール系燃料電池電極用表
面活性化アモルファス合金。
【0034】(6)Pt0.5〜20原子%、Nbおよ
びTaの1種または2種70原子%以下とTiおよびZ
rの1種または2種との合計量20〜80原子%(上記
NbおよびTaの1種または2種の量を含む)、Ru、
Rh、Pd、Ir、Tl、Si、Ge、Sn、Pbおよ
びBiよりなる群から選ばれる1種または2種以上10
原子%以下(但し、Pt10原子%以下のときは、原子
%でPtと同量以下)、残部実質的にNiおよびCoの
1種または2種10原子%以上からなることを特徴とす
るメタノール系燃料電池電極用表面活性化アモルファス
合金。
【0035】更に本発明者の3人は、各種有機物を燃焼
する装置・機関からの排気ガス浄化用に用いられている
セラミックスに白金族元素を担持した触媒が、作用温度
が高くまた高価な白金族元素を回収して触媒を再生する
ことが容易ではないという欠点があることを解決するた
め、燃焼開始時のような低温の排気ガスでも浄化できる
ような低温でも作動し回収が容易な触媒の研究を行な
い、排気ガス中の一酸化炭素および窒素酸化物を分解無
害化する排気ガス浄化用触媒を見出し特願平1−262
986号として出願した。特願平1−262986号は
次の通りである。 (1)NbおよびTaの1種または2種20〜70原子
%、Ru、Pd、Rh、PtおよびIrの群から選ばれ
る1種以上の元素0.5〜20原子%、残部実質的にN
iおよびCoの1種または2種からなるアモルファス合
金にフッ酸浸漬による活性化処理を施すことを特徴とす
る排気ガス浄化用触媒。
【0036】(2)TiおよびZrの1種または2種2
0〜80原子%、Ru、Pd、Rh、PtおよびIrの
群から選ばれる1種以上の元素0.5〜20原子%、残
部実質的にNiおよびCoの1種または2種10原子%
以上からなるアモルファス合金にフッ酸浸漬による活性
化処理を施すことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 (3)NbおよびTaの1種または2種70原子%以下
とTiおよびZrの1種または2種との合計量20〜8
0原子%(上記NbおよびTaの1種又は2種の量を含
む)、Ru、Pd、Rh、PtおよびIrの群から選ば
れる1種以上の元素0.5〜20原子%、残部実質的に
NiおよびCoの1種または2種10原子%以上からな
るアモルファス合金にフッ酸浸漬による活性化処理を施
すことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
【0037】さらに、本発明者らは前述のアモルファス
合金に関する従来の研究成果を基に、低温で二酸化炭素
を水素と反応させて炭化水素を生成する触媒に関する研
究を行った結果、特願平1−262986号として出願
したアモルファス合金から二酸化炭素の変換のための高
性能触媒が得られることを見いだし、特願平2−456
60号として出願した。特願平2−45660号は以下
の3つの発明からなる。
【0038】(1)NbおよびTaの1種または2種2
0〜70原子%、Ru、Pd、Rh、PtおよびIrの
群から選ばれる1種以上の元素0.5〜20原子%、残
部実質的にNiおよびCoの1種または2種からなるア
モルファス合金にフッ化水素酸浸漬による活性化処理を
施すことを特徴とする二酸化炭素変換用触媒。
【0039】(2)TiおよびZrの1種または2種2
0〜80原子%、Ru、Pd、Rh、PtおよびIrの
群から選ばれる1種以上の元素0.5〜20原子%、残
部実質的にNiおよびCoの1種または2種10原子%
以上からなるアモルファス合金にフッ化水素酸浸漬によ
る活性化処理を施すことを特徴とする二酸化炭素変換用
触媒。
【0040】(3)NbおよびTaの1種または2種7
0原子%以下とTiおよびZrの1種または2種との合
計量20〜80原子%(上記NbおよびTaの1種又は
2種の量を含む)、Ru、Pd、Rh、PtおよびIr
の群から選ばれる1種以上の元素0.5〜20原子%、
残部実質的にNiおよびCoの1種または2種10原子
%以上からなるアモルファス合金にフッ化水素酸浸漬に
よる活性化処理を施すことを特徴とする二酸化炭素変換
用触媒。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】大量に放出される二酸
化炭素による地球の温暖化が社会問題となっている。し
かし、現在の産業活動や市民生活の水準を維持しながら
二酸化炭素の放出量を減らすことは困難である。したが
って、大きなエネルギーを必要とせずに、放出される二
酸化炭素を炭化水素に戻し再利用するための施設を開発
しなければならない。このためには、エネルギー消費が
少ない低温で二酸化炭素を炭化水素に変換する反応を行
うことができる高活性でかつ再生が容易な触媒の出現が
待たれている。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明は、二酸化炭素を
水素と反応させ炭素鎖の長い炭化水素に変換する反応
を、常温に近い温度でも行うことができる高活性な触媒
を提供するものである。本発明者らは前述のアモルファ
ス合金に関する従来の研究成果を基に、低温で二酸化炭
素を水素と反応させて炭化水素を生成する触媒に関する
研究において、C2、C3など炭素鎖の長い炭化水素を生
成する触媒に着目して研究を行った結果、鉄を主体とし
ジルコニウムを含むアモルファス合金に酸化還元処理を
施すことによって高性能触媒が得られることを見いだし
本発明を達成した。
【0043】本発明はFeを主体としアモルファス構造
になるのに必要な少量のZrを含むアモルファス合金に
酸化還元処理を施すことによって得られる高活性な触媒
を提供するものである。
【0044】これらは、6〜12原子%のZrと残部実
質的にFeからなるアモルファス合金である。
【0045】
【作用】特定の化学反応に対する高い選択的触媒活性を
備え、かつ製造・再生が容易な触媒を得るためには、ア
ルミナ、チタニア、シリカなどに白金族元素などを担持
するよりは、有効元素を必要量含む合金を用いる方が便
利である。しかし、通常の方法で作られる結晶質金属の
場合、多種多量の合金元素を添加すると、しばしば、化
学的性質の異なる多相構造となることが多く、所定の特
性を備えることができないだけでなく、また脆いために
触媒として必要な比表面積の大きな材料は得難い。
【0046】これに対し、上記組成の溶融合金を超急冷
することによって得られる本発明のアモルファス合金
は、構成元素が局在することを許さないように迅速に固
相を形成することを作製原理とするため、所定の元素を
均一に固溶したまま強度および靭性などの優れた機械的
性質を有する。これに酸化処理を施すと鉄、ジルコニウ
ムは共に酸化されるが、還元処理を施すと鉄だけが還元
され、あたかも酸化ジルコニウムに微細な鉄を担持した
ような、C2、C3など炭素鎖の長い炭化水素を生成する
高活性触媒が得られる。この場合アモルファス合金が均
一な固溶体であるため、鉄は酸化ジルコニウム上に均一
に分布し、表面積の増大と共に炭素鎖の長い炭化水素を
生成するために有効な微細な鉄からなる高活性触媒が得
られる。
【0047】すなわち、二酸化炭素に水素を作用させて
2、C3など炭素鎖の長い炭化水素を生成するアモルフ
ァス合金触媒として低温でも作用し得る触媒は、上記組
成の合金に酸化還元処理を施した本発明の触媒によって
実現される。
【0048】次に本発明における成分組成を限定する理
由を述べる。
【0049】本発明の目的の触媒作用を担うFeとの合
金の場合、Zrが6〜12原子%のときアモルファス構
造を容易に得ることができる。これに酸化還元処理を施
すと、酸化ジルコニウム上にFeが微細に分散した触媒
が得られる。この範囲よりZrが多すぎると、アモルフ
ァス合金が得られないだけでなく、微細に分散するFe
の量が少なく、高い触媒活性は得られない。また、Zr
が少なすぎると、アモルファス合金が得られないだけで
なく、酸化ジルコニウムが不足し、Feが微細に分散し
なくなるため、高活性は得られない。
【0050】本発明のアモルファス合金の作製には、既
に広く用いられている液体合金を超急冷凝固させてアモ
ルファス合金を形成させる方法が用いられる。
【0051】一例として本発明のアモルファス合金を作
製する装置を図1に示す。点線で囲んだ部分は真空にし
た後、不活性ガスで満たされる。図において2は下方先
端に垂直ノズル3を有する石英管で、この石英管2の上
端に設けられている送入口1より、原料4ならびに原料
の酸化を防止する不活性ガスを送入することができる。
前記試料4を加熱するため石英管2の周囲に加熱炉5を
設置する。ノズル3の垂直下方に高速回転ロール7を置
き、これをモーター6によって回転させる。
【0052】アモルファス合金の作製には、所定の組成
の原料4を石英管2内に入れ、まず、装置を10-5To
rr程度の真空にした後、不活性ガスを満たす。次いで
原料4を加熱炉5によって加熱溶融し、この溶融金属を
モーター6によって1000〜10000r.p.m.
で高速回転しているロール7の外周面上に加圧不活性ガ
スを用いて噴射させる。この方法によって、例えば厚さ
0.1mm、幅10mm、長さ数m程度の長い薄板とし
て、本発明のアモルファス合金を得ることができる。
【0053】
【実施例】
実施例1 Fe−9原子%Zrの組成となるように原料金属を混合
し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。こ
の合金をアルゴン雰囲気中で再溶融し、図1に示した単
ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、厚さ
0.01〜0.05mm、幅1〜3mm、長さ3〜20
mのアモルファス合金薄板を得た。アモルファス構造形
成の確認はX線回折によって行なった。この合金試料を
酸素雰囲気中500℃で3時間酸化した後、水素雰囲気
中300℃で1時間還元して金属状高活性触媒を得た。
こうして得られた触媒0.5gを内径8mmのガラス管
中5cmの長さにつめて反応管とし、電気炉内に設置し
た。反応管に、CO2とH2を分子比で1:4含むガスを
流速15ml/minで流し、反応管出口におけるCO
2、CH4、C24、C26およびC38量をガスクロマ
トグラフで測定した。反応量は以下の通りである。
【0054】 反応温度 アモルファス合金触媒1g当り1hに生成する炭化水素の重量mg CH4242638 200 0.2 − − − 250 4.5 − 0.3 0.1 300 37.7 3.1 5.0 2.7 実施例2 Fe−7原子%Zrの組成となるように原料金属を混合
し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。こ
の合金をアルゴン雰囲気中で再溶融し、図1に示した単
ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、厚さ
0.01〜0.05mm、幅〜3mm、長さ3〜20m
のアモルファス合金薄板を得た。アモルファス構造形成
の確認はX線回折によって行った。この合金試料を酸素
雰囲気中500℃で3時間酸化した後水素雰囲気中30
0℃で1時間還元して金属状高活性触媒を得た。こうし
て得られた触媒0.5gを内径8mmのガラス管中5c
mの長さにつめて反応管とし、電気炉内に設置した。反
応管に、CO2とH2を分子比で1:4含むガスを流速1
5ml/minで流し、反応管出口におけるCO2、C
4、C24、C26およびC38量をガスクロマトグ
ラフで測定した。反応量は以下の通りである。
【0055】 反応温度 アモルファス合金触媒1g当り1hに生成する炭化水素の重量mg CH4242638 200 − − − − 250 2.1 − − − 300 27.6 − 3.7 1.8 実施例3 Fe−11原子%Zrの組成となるように原料金属を混
合し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。
この合金をアルゴン雰囲気中で再溶融し、図1に示した
単ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、厚さ
0.01〜0.05mm、幅1〜3mm、長さ3〜20
mのアモルファス合金薄板を得た。アモルファス構造形
成の確認はX線回折によって行なった。この合金試料を
酸素雰囲気中500℃で3時間酸化した後水素雰囲気中
300℃で1時間還元して金属状高活性触媒を得た。こ
うして得られた触媒0.5gを内径8mmのガラス管中
5cmの長さにつめて反応管とし、電気炉内に設置し
た。反応管に、CO2とH2を分子比で1:4含むガスを
流速15ml/minで流し、反応管出口におけるCO
2、CH4、C24、C26およびC38量をガスクロマ
トグラフで測定した。反応量は以下の通りである。
【0056】 反応温度 アモルファス合金触媒1g当り1hに生成する炭化水素の重量mg CH4242638 200 0.1 − − − 250 3.0 − 0.1 0.1 300 14.3 − 1.3 0.6 このように本発明の二酸化炭素変換用アモルファス合金
触媒は、何れもきわめて低い温度で二酸化炭素を水素と
反応させて炭素鎖の長い炭化水素に変換することがで
き、著しく高い活性を備えていることが明らかとなっ
た。
【0057】
【発明の効果】以上記述したとおり、本発明のアモルフ
ァス合金は、安価な金属からなるにも係わらず、酸化還
元処理を施すことによって、きわめて高い触媒活性を発
揮し、このため二酸化炭素を低い温度で変換して炭素鎖
の長い炭化水素を製造することができる著しく高い触媒
活性を備えている。
【0058】また、本発明の高活性触媒は、アモルファ
ス合金の作製に一般に用いられる単ロール法を始めとす
る液体急冷法で作られたリボン状アモルファス合金に酸
化還元処理を施すことによって得られるため、特殊な装
置を必要としない。
【0059】したがって、本発明の高活性触媒の作製に
は、特に複雑で高価な操作を必要とせず、またこうして
作られる本発明の高活性触媒は優れた触媒活性を備え実
用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合金を製造するための装置の一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 送入口 2 石英管 3 垂直ノズル 4 原料 5 加熱炉 6 モーター 7 高速回転ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川嶋 朝日 宮城県仙台市太白区ひより台37−17 (56)参考文献 特開 昭53−159847(JP,A) 特開 昭63−152332(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 1/12 C07C 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6−12原子%のZrと残部実質的にF
    eからなるアモルファス合金に酸化還元処理を施したこ
    とを特徴とする二酸化炭素変換用触媒。
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