JP3226437B2 - 半導体集積回路用静電気保護素子 - Google Patents

半導体集積回路用静電気保護素子

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JP3226437B2 JP11858395A JP11858395A JP3226437B2 JP 3226437 B2 JP3226437 B2 JP 3226437B2 JP 11858395 A JP11858395 A JP 11858395A JP 11858395 A JP11858395 A JP 11858395A JP 3226437 B2 JP3226437 B2 JP 3226437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路用静電
気保護素子に関し、より詳細には半導体集積回路の破壊
を防止するための半導体集積回路用静電気保護素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、半導体集積回路において、静
電気の印加による破壊を防止する方法として端子と接地
端子または端子と電源端子との間に静電気保護素子を導
入する方法が取られている。この場合、ある一定以上の
電圧が静電気保護素子に加わると静電気保護素子が導通
することを利用して、端子に印加される静電気を静電気
保護素子を通して接地端子や電源端子に逃している。こ
れにより、半導体集積回路の内部に一定以上の電圧サー
ジは加わらないため、半導体集積回路の内部のゲート酸
化膜やPN接合は静電気による破壊から保護される。
【0003】現在、半導体集積回路は年々構造の微細化
が行われている。これに対応して、ゲート酸化膜の絶縁
破壊耐圧やジャンクション・ブレークダウン耐圧も低下
してきている。従って、静電気による半導体集積回路の
破壊を防止するための静電気素子の動作電圧もこれに応
じて低下させる必要がある。従来から提案されている半
導体集積回路用静電気保護素子(特公昭62−6657
号公報)を図面に基づいて説明する。
【0004】図4(a)に示したように、この静電気保
護素子は、一般的なバイポーラ・プロセスの縦型NPN
トランジスタの構造と同じである。つまり、P型半導体
基板30とP型半導体領域31とに囲まれたN型半導体
領域32をコレクタとし、このN型半導体領域32内に
形成された浅いP型半導体領域33をベースとし、さら
にこのP型半導体領域33内に形成されたより浅いN型
半導体領域34をエミッタとする縦型NPNトランジス
タである。このトランジスタにおいては、コレクタが第
1の端子(端子35)に接続され、ベースとエミッタが
第2の端子(端子36)に接続されている。なお、ベー
スの第2の端子(端子36)との接続点とエミッタ直下
のベースの間に寄生抵抗(図4(b)中、R38)が発
生している。
【0005】図4(b)に、上記静電気保護素子の等価
回路図を示す。縦型NPNトランジスタNPN37が、
コレクタを介して端子35に接続され、エミッタ及びベ
ースを介して端子36に接続されている。また、ベース
とエミッタとの間には寄生抵抗R38が形成されてい
る。上記等価回路図において、端子36を基準にして正
の静電サージが端子35に入った場合、次のようなメカ
ニズムでこのサージを端子36に逃す。一定の値より小
さい静電サージが端子35に印加された場合、NPN3
7のコレクタであるN型半導体領域32とベースである
P型半導体領域33のPNジャンクションに逆にバイア
スがかかる。端子35に印加された静電サージが増加す
ると、それに伴って逆バイアスも増加し、この逆バイア
スが一定の値以上になるとアバランシェ・ブレークダウ
ンが生じてベースに電流が流れる。この電流がR38を
通して端子36に流れる。この電流が一定以上になる
と、R38での電圧降下によってNPN37のベース、
エミッタ間が順バイアスになりNPN37がオンになる
ことにより静電サージを端子36に逃す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の半導体集積
回路用静電気保護素子では、PN接合のアバランシェ・
ブレークダウン電圧とトランジスタのベース、エミッタ
間電圧の和で決まる電圧が、静電気保護素子の動作電圧
となる。アバランシェ・ブレークダウン電圧は、PN接
合を形成する2つの半導体領域の不純物濃度により決定
するため、半導体集積回路の製造プロセスが決定すると
静電気保護素子の動作電圧も決まることになる。従っ
て、静電気保護素子の最適な動作電圧を実現しようとす
ると、新たな製造工程を付加して静電気保護素子専用の
拡散によるアバランシェ・ブレークダウン電圧を利用す
るか、デバイス用の拡散の不純物濃度を変える必要があ
る。いずれにしても、製造コストの増加を引き起こし、
デバイスの特性が悪くなったりするという問題がある。
【0007】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
であって、半導体集積回路の製造プロセスが決まった後
においてパターンのレイアウトにより最適な動作電圧を
プログラミングできる半導体集積回路用静電気保護素子
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1導
電型半導体基板内に形成された第2導電型半導体領域
に、2つの第1導電型拡散層をアノード/カソードとし
て有するラテラル型パンチスルー素子と、前記第2導電
型半導体領域をベースとし、該第2導電型半導体領域内
に形成された2つの第1導電型拡散層をエミッタ及びコ
レクタとして有するラテラル型バイポーラトランジスタ
とを具備し、前記エミッタが、ベースと接続されるとと
もに、第1の端子に接続され、前記コレクタが、一方の
アノード/カソードと接続されるとともに、第2の端子
に接続され、さらに、前記他方のアノード/カソード
が、前記エミッタとベースが接続されている点とは異な
る点でベースと接続されている半導体集積回路用静電気
保護素子が提供される。
【0009】本発明は、半導体基板表面に、基板とは異
なる導電型を有する半導体領域を有し、その半導体領域
内にラテラル型パンチスルー素子と、ラテラル型バイポ
ーラトランジスタとを有して構成される半導体集積回路
用静電気保護素子である。半導体基板として、その材料
は特に限定されるものではないが、P型又はN型のシリ
コン基板が好ましい。本発明における静電気保護素子
は、1つの半導体基板に静電気保護素子のみが形成され
ていてもよいし、どの様なタイプの半導体集積回路に並
設されていてもよい。例えば、NMOS、PMOS、C
MOS、バイポーラトランジスタ、BiCMOSのいず
れか1つ又は2以上が同一半導体基板に並設されていて
もよい。
【0010】半導体基板に形成される基板とは異なる導
電型を有する半導体領域とは、半導体基板がP型であれ
ば半導体領域はN型、半導体基板がN型であれば半導体
領域はP型であることを意味する。この半導体領域は、
半導体基板表面全面に1つのみ形成されていてもよい
し、複数の同じ、異なる又両方の導電型を有する半導体
領域の1つとして形成されていてもよい。この際の半導
体基板内の不純物濃度は1×1016〜3×1016cm-3
程度が好ましく、公知の方法、例えば120〜150K
eVの注入エネルギー、5×1012〜9×1012cm-2
のドーズ量でイオン注入することにより形成することが
好ましい。また、ドライブインのためイオン注入を行っ
た後、1100〜1200℃、180〜300分間程
度、N2 雰囲気中で熱処理を行ってもよい。この半導体
領域は、この領域内に形成されるラテラル型バイポーラ
トランジスタのベースとしても機能するものである。
【0011】また、本発明においては、第2導電型半導
体領域内に、ラテラル型パンチスルー素子のアノード/
カソードとして機能する2つの第1導電型拡散層と、ラ
テラル型バイポーラトランジスタのエミッタ及びコレク
タとして機能する2つの第1導電型拡散層とが、つま
り、少なくとも4つの第1導電型拡散層が形成されてい
る。この第1導電型拡散層を形成しようとする領域は、
それぞれロコス酸化膜で規定されていることが好まし
い。この場合には、ロコス酸化膜をマスクとして用いる
ことにより、ロコス酸化膜に対して自己整合的に第1導
電型拡散層を形成することができるからである。また、
この第1導電型拡散層は、例えば、15〜30KeVの
注入エネルギー、1.5×1015〜2.5×1015cm
-2のドーズ量でイオン注入することにより、5×1019
〜1×1020cm-3の不純物濃度で形成されていること
が好ましい。また、この第1導電型拡散層の配置は、特
に限定されるものではないが、ラテラル型パンチスルー
素子のアノード/カソードである2つの第1導電型拡散
層が互いに一定の間隔を維持しながら隣接していること
が好ましく、ラテラル型バイポーラトランジスタのエミ
ッタ及びコレクタである2つの第1導電型拡散層も互い
に一定の間隔を維持しながら隣接していることが好まし
い。特に、アノード−カソード間の距離は、後述するよ
うにパンチスルー電圧を決定する要因の1つとなるた
め、得ようとするパンチスルー電圧に応じて適宜調整す
ることが好ましい。具体的には、アノード−カソード間
の距離は、第2導電型半導体領域、第1導電型拡散層の
不純物濃度等により変化するが、0.8〜1.6μm程
度が好ましい。
【0012】また、本発明の静電気保護素子において
は、ラテラル型バイポーラトランジスタを構成する第1
導電型拡散層であるエミッタが、ベースと接続されると
ともに、第1の端子に接続されている。ベースとの接続
のためには、ベースと同じ導電型を有する高濃度の不純
物拡散層を形成することが好ましい。その場合には、例
えば、ベースと同じ導電型の不純物を50〜100Ke
Vの注入エネルギー、3×1015〜5×1015cm-2
度のドーズ量でイオン注入し、1×1020〜2×1020
cm-3程度の不純物濃度で形成することが好ましい。こ
のような場合には、コンタクト抵抗が低減され、良好な
接続を得ることができる。なお、この際の拡散層を形成
しようとする領域は、それぞれロコス酸化膜で規定され
ていることが好ましい。この場合には、ロコス酸化膜を
マスクとして用いるとともに、先に形成された第1導電
型拡散層又は未だ形成されていないが第1導電型拡散層
を形成しようとする領域をマスクして不純物を注入する
ことによりロコス酸化膜に対して自己整合的に形成する
ことができる。また、ラテラル型バイポーラトランジス
タを構成する第1導電型拡散層であるコレクタは、ラテ
ラル型パンチスルー素子を構成する一方のアノード/カ
ソードと接続されるとともに、第2の端子に接続されて
いる。さらに、他方のアノード/カソードが、エミッタ
とベースが接続されている点とは異なる点で、ラテラル
型バイポーラトランジスタを構成する第1導電型拡散層
であるベースと接続されている。この際の他方のアノー
ド/カソードとベースとの接続のためには、上述と同様
に、ベースと同じ導電型を有する高濃度の不純物拡散層
を上述した位置とは別の領域、例えば、ラテラル型パン
チスルー素子とラテラル型バイポーラトランジスタとの
間に形成することが好ましい。また、この場合の高濃度
不純物拡散層は、ラテラル型バイポーラトランジスタの
コレクタ−エミッタ間に位置するベース領域との距離に
応じて、ベース内に抵抗を形成する。つまり、高濃度不
純物拡散層とベース領域との距離が大きくなれば発生す
る抵抗も大きくなり、この抵抗の大きさは、本発明の静
電気保護素子の動作電圧を決定する要因の1つとなるた
め、得ようとする静電気保護素子の動作電圧に応じて適
宜調整することができる。
【0013】
【作用】本発明の半導体集積回路用静電気保護素子にお
いては、第2導電型半導体領域内に形成された2つの第
1導電型拡散層をアノード/カソードとして有するラテ
ラル型パンチスルー素子と、前記第2導電型半導体領域
をベースとし、該第2導電型半導体領域内に形成された
2つの第1導電型拡散層をエミッタ及びコレクタとして
有するラテラル型バイポーラトランジスタとを具備し、
前記エミッタが、ベースと接続されるとともに、第1の
端子に接続され、前記コレクタが、一方のアノード/カ
ソードと接続されるとともに、第2の端子に接続され、
さらに、前記他方のアノード/カソードが、前記エミッ
タとベースが接続されている点とは異なる点でベースと
接続されているので、静電気保護素子の動作電圧は、
ラテラル型パンチスルー素子のパンチスルー電圧と、
他方のアノード/カソードがベースと接続されている点
とラテラル型バイポーラトランジスタのコレクタ−エミ
ッタ間に位置するベース領域との距離に応じて発生する
抵抗による電圧降下と、ラテラル型バイポーラトラン
ジスタのエミッタ−ベース間電圧との和によって決定さ
れることとなる。
【0014】さらに、ラテラル型パンチスルー素子のパ
ンチスルー電圧は、半導体集積回路の製造プロセスが決
定し、各領域の不純物濃度等が決定した後においても、
アノード−カソード間距離を適宜調整することにより変
化させることができる。つまり、アノード−カソード間
の距離を長くすることによりパンチスルー電圧が高くな
り、アノード−カソード間の距離を短くすることにより
パンチスルー電圧が低くなる。よって、所望のパンチス
ルー電圧が製造プロセスの変更及び追加等することなく
設定できる。
【0015】また、他方のアノード/カソードがベース
に接続されている点をベース領域に対して遠ざけること
により、ベース内に発生する抵抗を比較的小さいものと
することができる。よって、本発明の静電気保護素子の
動作電圧は、実質的に、ラテラル型パンチスルー素子
のパンチスルー電圧と、ラテラル型バイポーラトラン
ジスタのエミッタ−ベース間電圧との和によって決定す
ることができることとなる。
【0016】従って、半導体集積回路の製造プロセスが
決定し、各領域の不純物濃度等が決定した後において
も、アノード、カソード、ベース、エミッタ及びコレク
タ、及びそれらの接続点等のレイアウトを変化させるこ
とにより、製造プロセスを増加又は変更することなく、
最適な動作電圧がプログラミングされることとなる。
【0017】
【実施例】本発明の半導体集積回路用静電気保護素子の
実施例を図面に基づいて説明する。 実施例1 図1(a)に示したように、この静電気保護素子は、ラ
テラル型PNPトランジスタPNP17とラテラル型パ
ンチスルー素子PTD17とが接続されて構成される。
つまり、P型半導体基板10にN型ウェルであるベース
12が形成されており、このN型ウェル中には、ロコス
酸化膜11を用いて自己整合的にP型拡散層が形成さ
れ、それぞれPNP17のエミッタ13a、コレクタ1
3b、PTD17のアノード13c、カソード13dが
構成されている。また、N型ウェル中には、同様にロコ
ス酸化膜11を用いて自己整合的にN型拡散層14a及
び14bがそれぞれ形成されている。
【0018】この静電気保護素子においては、PNP1
7のP型拡散層であるエミッタ13aは、一方のN型拡
散層14aを介してPNP17のベース12に接続され
るとともに、電源に接続された端子15に接続されてい
る。また、PNP17のP型拡散層であるコレクタ13
bと、PTD17のP型拡散層であるカソード13dと
が入力端子に対応する端子16に接続されている。さら
に、PTD17のP型拡散層であるアノード13cは、
他方のN型拡散層14bを介して配線によりPNP17
のベース12に接続されている。
【0019】図1(b)に、上記静電気保護素子の等価
回路図を示す。ベース12と端子15との接続点(N型
拡散層14a)と、PNP17のベース12との間には
抵抗R18が発生し、ベース12上の端子15とは異な
る接続点(T19)と、PNP17のベース12との間
には抵抗R17が発生している。この等価回路において
は、PNP17のベース電圧は、T19と端子15との
間の電圧をR17とR18により分圧された電圧とな
る。
【0020】上記構成においては、端子15を基準にし
て負の静電サージが端子16に入った場合、次のような
メカニズムでこの静電サージを端子15に逃す。端子1
6に印加された負のサージ電圧が一定以上になると、P
TD17のアノード13cとカソード13dとの間の電
圧がパンチスルー電圧を越えることとなり、アノード1
3cからカソード13dにパンチスルー電流が流れる。
このパンチスルー電圧Vpは、ベース12のドナー濃度
をNdとして、PTD17のアノード13c及びカソー
ド13dのアクセプター濃度がドナー濃度Ndよりも十
分高いとき、アノード−カソード間距離をdとすると式
(1)で表される。
【0021】 Vp=(q・Nd・d2 )/(2・ε)−φ …………(1) ここで、q:電子の電荷、ε:半導体の誘電率、φ:ビ
ルトイン電圧である。つまり、上記パンチスルー電流
は、端子15からの電流が、PNP17のベース12で
あるN型ウェルを通って、電気的に接続されているPT
D17のアノード13cへ流れることによって、アノー
ド13cからカソード13dに流れることとなる。この
際、ベース12内の抵抗により電圧降下がおこるため、
PNP17のベース12が端子15に接続されているエ
ミッタ13aに対して電位が低くなる。しかし、パンチ
スルー電流が徐々に大きくなって一定以上の値になる
と、PNP17のベース−エミッタ間が順バイアスとな
り、PNP17がオンすることとなって、端子15から
端子16に電流を流すこととなる。
【0022】なお、上述したように、静電気保護素子の
動作電圧はPTD17のパンチスルー電圧と、抵抗R1
7による電圧降下と、PNP17のエミッタ−ベース間
の電圧との和で決定されるが、PNP17のベース領域
に対して、T19を近づけて配置させ、ベースと端子1
5の接続点を遠ざけて配置させることにより、抵抗R1
7の値が抵抗R18の値に比較して十分小さくすること
ができるので、抵抗R17のよる電圧降下はほとんど無
視できるほど小さくすることができる。よって、静電気
保護素子の動作電圧は、実質的に、PTD17のパンチ
スルー電圧と、PNP17のエミッタ−ベース間の電圧
との和で決定することが可能となる。また、たとえR1
7とR18との抵抗値が等しくなっても、静電保護素子
の動作電圧はPNP17のエミッタ−ベース間の順方向
電圧だけ高くなるのみで大差はない。
【0023】このように、上記実施例の静電気保護素子
では、パンチスルー素子のパンチスルー電圧とPNPト
ランジスタのベース−エミッタ間電圧の和により、動作
電圧が決まることになり、この動作電圧をトリガとし
て、PNPトランジスタに大きな電流を流すことができ
る。一方、端子15を基準にして正の静電サージが端子
16に入った場合には、PNP17が逆方向でダイオー
ドとして動作することとなり静電サージをクランプす
る。この場合のクランプ電圧は、PNP17の逆方向動
作でのベース−エミッタ間順方向電圧と、PNP17の
ベース電流による抵抗R18の電圧降下との和となる。
【0024】上記の静電気保護素子の製造方法を以下に
示す。図2(a)に示したように、P型半導体基板11
に、フォトリソグラフィ及びエッチング工程によって所
望の形状のマスク(図示せず)を形成し、そのマスクを
用いて、例えば、Pイオンを100KeV、7×1012
cm-2程度のドーズ量で注入し、その後、1150℃程
度のN2 雰囲気中、250分間程度熱処理することによ
り、N型ウェル12を形成する。
【0025】次いで、図2(b)に示したように、LO
COS法により所望の領域にロコス酸化膜11を形成す
る。さらに、図2(c)に示したように、フォトリソグ
ラフィ及びエッチング工程によって、N型拡散層を形成
しようとする領域をマスクし、P型拡散層を形成しよう
とする領域のみ開口したレジスト(図示せず)とロコス
酸化膜11とを用いて、例えば、ボロンイオンを20K
eV、2×1015cm-2程度のドーズ量で注入し、ロコ
ス酸化膜11に自己整合的にP型拡散層13a〜13d
を形成する。次いで、フォトリソグラフィ及びエッチン
グ工程によって、P型拡散層13a〜13dをマスク
し、N型拡散層を形成しようとする領域のみ開口したレ
ジスト(図示せず)と、ロコス酸化膜11とを用いて、
例えば、Asイオンを50KeV、4×1015cm-2
度のドーズ量で注入し、ロコス酸化膜11に自己整合的
にN型拡散層14a、14bを形成する。なお、N型拡
散層及びP型拡散層は、いづれを先に形成してもよい。
【0026】続いて、P型拡散層13a〜13d及びN
型拡散層14a、14b上を絶縁膜(図示せず)で被覆
し、この絶縁膜にコンタクトホールを開口し、メタル配
線を施して、図1(a)の静電気保護素子を形成する。 実施例2 図3(a)に示したように、この静電気保護素子は、ラ
テラル型NPNトランジスタNPN27とラテラル型パ
ンチスルー素子PTD27とが接続されて構成される。
つまり、N型半導体基板20にP型ウェルであるベース
22が形成されており、このP型ウェル中には、ロコス
酸化膜21を用いて自己整合的にN型拡散層が形成さ
れ、それぞれNPN27のエミッタ23a、コレクタ2
3b、PTD27のカソード23c、アノード23dが
構成されている。また、P型ウェル中には、同様にロコ
ス酸化膜21を用いて自己整合的にP型拡散層24a及
び24bがそれぞれ形成されている。
【0027】この静電気保護素子においては、NPN2
7のN型拡散層であるエミッタ23aは、一方のP型拡
散層24aを介してNPN27のベース22に接続され
るとともに、接地された端子26に接続されている。ま
た、NPN27のN型拡散層であるコレクタ23bと、
PTD27のN型拡散層であるアノード23dとが入力
端子に対応する端子25に接続されている。さらに、P
TD27のN型拡散層であるカソード23cは、他方の
P型拡散層24bを介して配線によりNPN27のベー
ス22に接続されている。
【0028】図3(b)に、上記静電気保護素子の等価
回路図を示す。ベース22と端子26との接続点(P型
拡散層24a)と、NPN27のベース22との間には
抵抗R28が発生し、ベース22上の端子26とは異な
る接続点(T29)と、NPN27のベース22との間
には抵抗R27が発生している。この等価回路において
は、NPN27のベース電圧は、T29と端子26との
間の電圧をR27とR28により分圧された電圧とな
る。
【0029】上記構成においては、端子26を基準にし
て正の静電サージが端子25に入った場合、次のような
メカニズムでこの静電サージを端子26に逃す。端子2
6に印加された正のサージ電圧が一定以上になると、P
TD27のアノード23dとカソード23cとの間の電
圧がパンチスルー電圧を越えることとなり、アノード2
3dからカソード23cにパンチスルー電流が流れる。
このパンチスルー電圧Vppは、ベース22のアクセプ
タ濃度をNaとして、PTD27のカソード23c及び
アノード23dのドナー濃度がアクセプタ濃度Paより
も十分高いとき、アノード−カソード間距離をdとする
と式(2)で表される。
【0030】 Vpp=(q・Na・d2)/(2・ε)−φ …………(2) ここで、q:電子の電荷、ε:半導体の誘電率、φ:ビ
ルトイン電圧である。上記パンチスルー電流は、さらに
カソード23cから、カソード23cと電気的に接続さ
れているP型拡散層24bを介してNPN27のベース
22であるP型ウェルを通って、端子26へ流れること
となる。この際、ベース22内の抵抗により電圧降下が
おこるため、NPN27のベース22が端子26に接続
されているエミッタ23aに対して電位が高くなる。し
かし、パンチスルー電流が徐々に大きくなって一定以上
の値になると、NPN27のベース−エミッタ間が順バ
イアスとなり、PNP17がオンすることとなって、端
子25から端子26に電流を流すこととなる。
【0031】なお、上述したように、静電気保護素子の
動作電圧はPTD27のパンチスルー電圧と、抵抗R2
7による電圧降下と、NPN27のエミッタ−ベース間
の電圧との和で決定されるが、NPN27のベース領域
に対して、T29を近づけて配置させ、ベースと端子2
5の接続点を遠ざけて配置させることにより、抵抗R2
7の値が抵抗R28の値に比較して十分小さくすること
ができるので、抵抗R27のよる電圧降下はほとんど無
視できるほど小さくすることができる。よって、静電気
保護素子の動作電圧は、実質的に、PTD27のパンチ
スルー電圧と、NPN27のエミッタ−ベース間の電圧
との和で決定することが可能となる。また、たとえR2
7とR28との抵抗値が等しくなっても、静電保護素子
の動作電圧はNPN27のエミッタ−ベース間の順方向
電圧だけ高くなるのみで大差はない。
【0032】一方、端子25を基準にして負の静電サー
ジが端子26に入った場合には、NPN27が逆方向で
ダイオードとして動作することとなり静電サージをクラ
ンプする。この場合のクランプ電圧は、NPN27の逆
方向動作でのベース−エミッタ間順方向電圧と、NPN
27のベース電流による抵抗R28の電圧降下との和と
なる。
【0033】
【発明の効果】本発明の半導体集積回路用静電気保護素
子においては、動作電圧を、ラテラル型パンチスルー
素子のパンチスルー電圧と、他方のアノード/カソー
ドがベースと接続されている点とラテラル型バイポーラ
トランジスタのコレクタ−エミッタ間に位置するベース
領域との距離に応じて発生する抵抗による電圧降下と、
ラテラル型バイポーラトランジスタのエミッタ−ベー
ス間電圧との和によって決定することができる。しか
も、ラテラル型パンチスルー素子のパンチスルー電圧
は、半導体集積回路の製造プロセスが決定し、各領域の
不純物濃度等が決定した後においても、アノード−カソ
ード間距離を適宜調整することにより変化させることが
できる。つまり、アノード−カソード間の距離を長くす
ることによりパンチスルー電圧が高くなり、アノード−
カソード間の距離を短くすることによりパンチスルー電
圧が低くなる。よって、所望のパンチスルー電圧が製造
プロセスの変更及び追加等することなく設定できる。
【0034】また、他方のアノード/カソードがベース
に接続されている点をベース領域に対して遠ざけること
により、ベース内に発生する抵抗を比較的小さいものと
することができる。よって、本発明の静電気保護素子の
動作電圧は、実質的に、ラテラル型パンチスルー素子
のパンチスルー電圧と、ラテラル型バイポーラトラン
ジスタのエミッタ−ベース間電圧との和によって決定す
ることができることとなる。
【0035】従って、半導体集積回路の製造プロセスが
決定し、各領域の不純物濃度等が決定した後において
も、製造プロセスを増加又は変更することなく、個々の
デバイス毎にデバイス(IC,LSI)設計の段階にお
けるアノード、カソード、ベース、エミッタ及びコレク
タ、及びそれらの接続点等のパターンのレイアウトによ
って、最適な動作電圧を設計し、プログラミングするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体集積回路用静電気保護素子の実
施例を示す(a)要部の概略断面図及び(b)等価回路
図である。
【図2】図1の半導体集積回路用静電気保護素子の製造
工程を説明するための概略断面図である。
【図3】本発明の半導体集積回路用静電気保護素子の別
の実施例を示す(a)要部の概略断面図及び(b)等価
回路図である。
【図4】従来の半導体集積回路用静電気保護素子を示す
(a)要部の概略断面図及び(b)等価回路図である。
【符号の説明】
10、20 半導体基板(第1導電型半導体基板) 11、21 ロコス酸化膜 12、22 ベース(第2導電型半導体領域) 13a、23a エミッタ(第1導電型拡散層) 13b、23b コレクタ(第1導電型拡散層) 13c、23d アノード(第1導電型拡散層) 13d、23c カソード(第1導電型拡散層) 14a 拡散層(エミッタ−ベース接続点) 14b 拡散層(T19、T29:アノード/カソード
−ベース接続点) 15、25 第1の端子 16、26 第2の端子 PTD17、27 パンチスルー素子 PNP17、NPN27 バイポーラトランジスタ R17、R18、R27、R28 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/06 H01L 21/331 H01L 21/8222 H01L 21/8249 H01L 29/73

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体基板内に形成された第
    2導電型半導体領域に、2つの第1導電型拡散層をアノ
    ード/カソードとして有するラテラル型パンチスルー素
    子と、 前記第2導電型半導体領域をベースとし、該第2導電型
    半導体領域内に形成された2つの第1導電型拡散層をエ
    ミッタ及びコレクタとして有するラテラル型バイポーラ
    トランジスタとを具備し、 前記エミッタが、ベースと接続されるとともに、第1の
    端子に接続され、 前記コレクタが、一方のアノード/カソードと接続され
    るとともに、第2の端子に接続され、さらに、 前記他方のアノード/カソードが、前記エミッタとベー
    スが接続されている点とは異なる点でベースと接続され
    ていることを特徴とする半導体集積回路用静電気保護素
    子。
  2. 【請求項2】 ラテラル型パンチスルー素子とラテラル
    型バイポーラトランジスタとが、ロコス酸化膜により自
    己整合的に形成された素子である請求項1記載の半導体
    集積回路用静電気保護素子。
  3. 【請求項3】 第2導電型半導体領域が、CMOS又は
    BiCMOSにおけるウェル領域を構成している請求項
    1又は2記載の半導体集積回路用静電気保護素子。
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