JP3226388U - 竹製カトラリー - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄プラスチック問題の一助として天然素材の竹を利用し、しかも、保存剤等を使用せずに極めて安全に使用することが可能な竹製カトラリーを提供する。【解決手段】天然素材の竹で竹製カトラリーを構成する。2mm厚の竹プレートにてカトラリーを形成する。竹プレートは、超音波と紫外線との照射で含水率7%に乾燥されている。ナイフ20、フォーク30、スプーン10は、竹プレートを型抜きして形成する。これらのカトラリーは作用部11、21、31と把持部12、22、32とで構成される。【選択図】図1
Description
本考案は、天然素材の竹を使用した竹製カトラリーに係り、防腐剤などの薬品を一切使用しない竹製カトラリーに関する。
竹箸など、従来の竹製品の製造方法は、カビの発生防止や臭いを抑えたるために、発がん性物質である二酸化硫黄で薫醸し、あるいは亜硫酸ナトリウムに浸すなどといった薬品を使用する製造方法が採用されていた。
そこで、安全性の観点から、このような薬品を使用しない製造方法が特許文献1に記載されている。この製造方法によると、竹を水中に浸漬し、糖質や灰汁を抽出すると共に、竹に産み付けられた昆虫の卵等を不活性化する方法が記載されている。すなわち、薬品を使用する代わりに、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施し、水分含有率10%以上30%以下になるように乾燥させると、防黴効果が得られるというものである。
ところが、特許文献1の製造方法では、天然素材の竹材をそのまま箸に加工したものに比べて防黴性が優れるとしても、竹材の深部まで殺菌することは困難であり、カビの発生を完全に防止することはできなかった。しかも、高温の水蒸気で長時間殺菌するために、24時間以上140時間以下の浸漬時間を要するものであった。
そこで当考案者は、先に、特許文献2に記載の竹箸の製造方法を発明している。この製造方法は、二酸化硫黄や亜硫酸ナトリウム等の薬品を使用せずに竹箸を深部まで殺菌することができ、カビの発生を確実に防止することができる製造方法である。すなわち、超音波及び紫外線を照射して何段階も乾燥させ、最終的に竹箸の含水率を7%まで乾燥させることで、竹箸を深部まで殺菌することができ、カビの発生を確実に防止する製造方法である。
一方、カトラリーの握持部を熱可塑性樹脂にて形成し、この握持部に中空部を形成することで、水に浮くように構成したカトラリーが特許文献3に記載されている。この握持部に使用する熱可塑性樹脂は、医療容器、食品用等の分野に広く使用されるエラストマー樹脂とすることで、安全で製品の軽量化が可能であるというものである。
特許文献2に記載の製造方法により、竹製品の殺菌に薬品を使用せず深部まで殺菌することができ、カビの発生を確実に防止することに成功した。そこで、この製造方法を更に改良することで、プラスチックに代わる天然素材を使用したカトラリーの提供が望まれている。
一方、特許文献3に記載のカトラリーでは、柄部の材質として熱可塑性樹脂が使用されている。ところが、現在では、海洋に流出した廃プラスチックの弊害が深刻になっている。すなわち、廃プラスチックが細分化・拡散したマイクロプラスチックは、食物連鎖に取り込まれて、生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるなど、所謂、廃棄プラスチック問題が懸念されている。そのため、プラスチックに代わる天然素材の使用が求められている。
そこで本考案は、上述の課題を解消すべく案出されたもので、廃棄プラスチック問題の一助として天然素材の竹を利用し、しかも、天然の竹を極めて安全に使用することが可能な竹製カトラリーの提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本考案における第1の手段は、作用部11、21、31と把持部12、22、32とからなるカトラリーにおいて、天然の竹Pを2mm厚の板材に加工し超音波と紫外線との照射で乾燥した竹プレートP1を形成し、該竹プレートP1にてスプーン10、又はナイフ20、又はフォーク30の、作用部11、21、31と、把持部12、22、32とを構成したものである。
第2の手段の前記竹プレートP1は、超音波と紫外線との照射で含水率6〜7%に乾燥されたものである。
第3の手段の前記スプーン10、前記ナイフ20、前記フォーク30は、前記竹プレートP1を型抜きして一体成型されたものである。
本考案の請求項1に記載のごとく、天然の竹Pを2mm厚の板材に加工し超音波と紫外線との照射で乾燥した竹プレートP1を形成し、該竹プレートP1にてスプーン10、又はナイフ20、又はフォーク30の作用部11、21、31と把持部12、22、32とを構成したことで、防カビ剤や防腐剤などの薬品が使用せずに長期保存が可能になり、極めて安全な使用が可能になる。しかも、プラスチックを一切使用しないので、廃棄プラスチック問題を解消する代替製品として有効である。
請求項2のように、竹プレートP1は、超音波と紫外線との照射で含水率6〜7%に乾燥されたものであるから、天然素材の竹Pを使用しても、確実な殺菌効果と防カビ効果が得られるものである。
請求項3のごとく、前記スプーン10、前記ナイフ20、前記フォーク30は、前記竹プレートP1を型抜きして一体成型されたものなので、極めて軽量で、しかも竹本来の弾性を有するしなやかな操作性が得られる。また、水に浮くので清浄も容易になる。
このように本考案によると、廃棄プラスチック問題を解消するカトラリーとして有効で、しかも、極めて安全に使用することが可能になるなどといった当初の目的を達成した。
本考案は、天然素材の竹にて形成されるカトラリーであり、スプーン10、ナイフ20、フォーク30のいずれか又はこれらの組み合わせとして使用する(図1参照)。すなわち、スプーン10は作用部11と把持部12とを備える(同図(a)参照)。ナイフ20は作用部21と把持部22とを備える(同図(b)参照)。フォーク30は作用部31と把持部32とを備えた構成である。
これらの作用部11、21、31や把持部12、22、32は、熱殺菌された天然の竹Pを含水率7%に乾燥した2mm厚の竹プレートP1を使用して形成している(図2〜図4参照)。
この竹プレートP1の製造工程を図5に示す。すなわち、齢3〜4年の孟宗竹を伐採した竹Pを1〜1.5mに裁断する(同図(イ)参照)。次に、この竹Pを更にスプーン10など、各カトラリーの幅で厚さ2mmの棒状に裁断しこの棒を面取り加工して長い竹プレートP1を形成する(同図(ロ)参照)。そして、竹プレートP1を治具Qに固定し型抜きしてスプーン10などを形成する(同図(ハ)参照)。このとき、フォーク30とスプーン10は、熱プレス加工により、曲面を形成する。最後にこの柄部10に磨き加工を施して各カトラリーが完成する(図1参照)。このように、本考案カトラリーは、2mm厚の天然の竹Pによって構成されている。
カトラリーを構成する竹プレートP1の厚みを2mmにしたのは、超音波と紫外線との照射で乾燥するためである。次に、この竹プレートP1の乾燥工程を説明する。この乾燥工程は、第1次乾燥工程と、第2次乾燥工程と、第3次乾燥工程との3工程が行われる。
第1次乾燥工程は、長い棒状の竹プレートP1を窯に入れて熱風乾燥させる工程である。次に第2次乾燥工程は、柄部10の長さに裁断した竹プレートP1を超音波と紫外線とを照射して含水率6〜7%に乾燥させる工程である。最後に、第3次乾燥工程は、磨き加工で完成したカトラリーを、超音波と紫外線とを照射して、再び含水率7%に乾燥させる工程である。すなわち、第2次乾燥工程にて乾燥させた長い棒状の竹プレートP1は、その後、型抜きや研磨加工などを経過する間に、再び含水率が上昇する場合がある。そのため、完成したカトラリーを第3次乾燥工程にて再乾燥させることで、確実な殺菌・防カビ効果が得られるものである。
図6は、竹プレートP1に超音波と紫外線とを照射する殺菌乾燥装置の概略図を示している。すなわち、この殺菌乾燥装置は、竹プレートP1を搬送するコンベアベルト1に沿って、超音波照射室2と、紫外線照射室3とを配置している。
これらの超音波照射室2の超音波照射手段と、紫外線照射室3の超音波照射手段とを制御する制御部4を備えた照射装置5を2個並列に配置している(図6参照)。そして、各超音波照射室2から2回の超音波照射を行うようにしている。この結果、コンベアベルト1で搬送される竹プレートP1は、4回の超音波照射と2回の紫外線照射により、含水率6〜7%に殺菌乾燥されることになる。
殺菌乾燥された竹プレートP1は、冷却室7で冷却された後に、治具Qで型抜きした後、磨き加工を施してナイフ20、フォーク30、スプーン10のカトラリーを完成させる(図1参照)。最後に、この完成したカトラリーを再び殺菌乾燥装置に入れて第3次乾燥工程を行うものである。図中符号6は排気口で、符号8は制御盤を示す。このように、本考案は、殺菌乾燥装置で複数回の殺菌乾燥工程を行うことにより、各カトラリーを深部まで殺菌することができる。
尚、本考案の構成は図示の構成に限定されるものではなく、本考案の要旨を変更しない範囲で自由に設計変更が行える。また、本考案の使用例も限定されるものではない。
P 竹
P1 竹プレート
1 コンベアベルト
2 超音波照射室
3 紫外線照射室
4 制御部
5 照射装置
6 排気口
7 冷却室
8 制御盤
10 スプーン
11 作用部
12 把持部
20 ナイフ
21 作用部
22 把持部
30 フォーク
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P1 竹プレート
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32 把持部
Claims (3)
- 作用部と把持部とからなるカトラリーにおいて、天然の竹を2mm厚の板材に加工し超音波と紫外線との照射で乾燥した竹プレートを形成し、該竹プレートにてスプーン、又はナイフ、又はフォークの、作用部と、把持部とを構成したことを特徴とする竹製カトラリー。
- 前記竹プレートは、超音波と紫外線との照射で含水率6〜7%に乾燥された請求項1記載の竹製カトラリー。
- 前記スプーン、前記ナイフ、前記フォークは、前記竹プレートを型抜きして一体成型された請求項1又は2記載の竹製カトラリー。
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JP2020000862U JP3226388U (ja) | 2020-03-11 | 2020-03-11 | 竹製カトラリー |
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JP2020000862U Active JP3226388U (ja) | 2020-03-11 | 2020-03-11 | 竹製カトラリー |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022166483A (ja) * | 2021-04-21 | 2022-11-02 | やなぎプロダクツ株式会社 | 木製スプーンの製造方法 |
-
2020
- 2020-03-11 JP JP2020000862U patent/JP3226388U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022166483A (ja) * | 2021-04-21 | 2022-11-02 | やなぎプロダクツ株式会社 | 木製スプーンの製造方法 |
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CN115251686B (zh) * | 2022-09-14 | 2024-03-01 | 浙江武义万家隆塑业有限公司 | 一种电热超声波清洗冰激凌勺 |
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