JP3226280U - 溶接サドル継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接作業が容易で作業環境の改善に効果的な溶接サドル継手を提供する。【解決手段】主管1の側部に分岐孔2を形成し、分岐孔に分岐管を連結するための溶接サドル継手10であって、溶接サドル継手は亜鉛メッキ処理してあるとともに分岐孔の周縁部に載置するための略鞍形状のフランジ部12を有し、フランジ部の周囲部と主管の分岐孔の周縁部とを溶接接合して使用する。フランジ部の分岐孔の周縁部に接する下面部及び側面部は亜鉛メッキ処理されていない非メッキ部となっている。【選択図】図1
Description
本発明は、鋼管からなる主管に分岐管を連結するための溶接サドル継手に関する。
例えば、消火設備の分野においては鋼管からなる主管に対して、いろいろな方向に分岐管を設ける必要があることから主管の側部に分岐孔を形成し、この分岐孔にサドル型の継手を溶接し、このサドル型の継手を介して分岐管を連結配管することが行われている。
この場合に特許文献1,2に開示するように、サドル継手のフランジ部と主管に形成した分岐孔の周縁部とを溶接にて接合している。
主管が鋼管である場合に、サドル継手は金属製の鋳造品や鍛造品が採用されているが、防錆を目的に溶融亜鉛メッキ等のメッキ処理が施されている。
しかし、この亜鉛メッキは溶接時の熱により有害なガス状物質となって発生し、作業環境が悪化する問題があった。
このガス状物質は、酸化亜鉛ヒュームが主な成分であり、多量に吸入すると金属熱を引き起こすことがあると言われている。
溶接にはアーク溶接法が用いられているが、アーク溶接法のうちTIG溶接は生産性が高いものの、上記のようなヒュームが発生しやすかった。
そこで従来は、サドル継手の溶接部のメッキ層をサンダーがけにより除去していたが、その作業が大変であり作業環境上も問題であった。
この場合に特許文献1,2に開示するように、サドル継手のフランジ部と主管に形成した分岐孔の周縁部とを溶接にて接合している。
主管が鋼管である場合に、サドル継手は金属製の鋳造品や鍛造品が採用されているが、防錆を目的に溶融亜鉛メッキ等のメッキ処理が施されている。
しかし、この亜鉛メッキは溶接時の熱により有害なガス状物質となって発生し、作業環境が悪化する問題があった。
このガス状物質は、酸化亜鉛ヒュームが主な成分であり、多量に吸入すると金属熱を引き起こすことがあると言われている。
溶接にはアーク溶接法が用いられているが、アーク溶接法のうちTIG溶接は生産性が高いものの、上記のようなヒュームが発生しやすかった。
そこで従来は、サドル継手の溶接部のメッキ層をサンダーがけにより除去していたが、その作業が大変であり作業環境上も問題であった。
本考案は、溶接作業が容易で作業環境の改善に効果的な溶接サドル継手の提供を目的とする。
本考案に係る溶接サドル継手は、主管の側部に分岐孔を形成し、当該分岐孔に分岐管を連結するための溶接サドル継手であって、溶接サドル継手は亜鉛メッキ処理してあるとともに分岐孔の周縁部に載置するための略鞍形状のフランジ部を有し、前記フランジ部の周囲部と前記主管の分岐孔の周縁部とを溶接接合して使用するものであり、前記フランジ部の前記分岐孔の周縁部に接する下面部及び側面部は亜鉛メッキ処理されていない非メッキ部となっていることを特徴とする。
本考案にて溶接サドル継手とは、主管の側部に分岐孔を形成し、この分岐孔の周縁部に合せてフランジ部の下面を載置し、フランジ部の周囲と主管とを溶接することで分岐管を配管接続するための継手をいう。
よって、フランジ部の下面が主管の分岐孔の周縁部の三次元形状に合せた鞍状の三次元形状になっている。
本考案にて溶接サドル継手とは、主管の側部に分岐孔を形成し、この分岐孔の周縁部に合せてフランジ部の下面を載置し、フランジ部の周囲と主管とを溶接することで分岐管を配管接続するための継手をいう。
よって、フランジ部の下面が主管の分岐孔の周縁部の三次元形状に合せた鞍状の三次元形状になっている。
本考案は、亜鉛メッキ処理された溶接サドルの継手のフランジ部の下面部と側面部にメッキ層を有していない点に特徴が有る。
本明細書にては、このメッキ層を有していない部分を非メッキ部と表現した。
その理由は、溶接サドル継手のフランジ部も溶融亜鉛メッキ処理した後でこの非メッキ部となる部分を切削等により除去してもよく、溶融亜鉛メッキする前にこの非メッキ部をマスキングして、メッキが付着しないようにしてもよい趣旨である。
本明細書にては、このメッキ層を有していない部分を非メッキ部と表現した。
その理由は、溶接サドル継手のフランジ部も溶融亜鉛メッキ処理した後でこの非メッキ部となる部分を切削等により除去してもよく、溶融亜鉛メッキする前にこの非メッキ部をマスキングして、メッキが付着しないようにしてもよい趣旨である。
主管側に位置合せ用の印としては、主管に予め印字されているテンシルを用いてもよく、また主管に分岐孔の中心を通る軸方向に沿った罫書き線や周方向に沿った罫書き線を入れるのが容易である。
したがって、溶接サドル継手側のフランジ部に位置決め用の芯出しマークを形成する例としては、主管に形成した印と合せやすいようにフランジ部の両側の頂部に形成するか、フランジ部の頂部と直交する主管の周廻り方向に形成することが例として挙げられる。
また、フランジ部の側面は下側が広がるような傾斜面になっているので、フランジ部の上面のみならず、側面にも位置決め部を形成すると、位置合せが容易になる。
したがって、溶接サドル継手側のフランジ部に位置決め用の芯出しマークを形成する例としては、主管に形成した印と合せやすいようにフランジ部の両側の頂部に形成するか、フランジ部の頂部と直交する主管の周廻り方向に形成することが例として挙げられる。
また、フランジ部の側面は下側が広がるような傾斜面になっているので、フランジ部の上面のみならず、側面にも位置決め部を形成すると、位置合せが容易になる。
本考案に用いられる主管としては、溶接が可能な鋼管である。
例えばJIS G 3452に規定されている配管用炭素鋼鋼管や、JIS G 3454に規定されている圧力配管用炭素鋼鋼管が例として挙げられる。
したがって、溶接サドル継手も主管との溶接品質に優れる鋼製であるのが好ましい。
より具体的には、SS材に分類される普通鋼、例えばSS400相当のものが好ましく、炭素量の分類からすると、S25C〜S45C相当が好ましい。
例えば、上記鋼材を短い円柱状に切断し、この鋼材を所定の温度に予熱し、熱間鍛造を行う。
鍛造工程は一段のみならず、複数の工程に分けてもよい。
その後に、防錆を目的に亜鉛メッキが施される。
鍛造成形及びメッキ処理後は必要に応じて、ねじ部等が切削加工される。
溶接方法としては、各種アーク溶接法を用いることができる。
その中でも電気を用いたアーク溶接であるTIG(Tungsten Inert Gas)溶接の場合に生産性が高いものの、特に亜鉛メッキの影響を受けやすく、本考案が有効である。
TIG溶接は、電極棒にタングステンを用いて溶加材にて溶接する方法である。
例えばJIS G 3452に規定されている配管用炭素鋼鋼管や、JIS G 3454に規定されている圧力配管用炭素鋼鋼管が例として挙げられる。
したがって、溶接サドル継手も主管との溶接品質に優れる鋼製であるのが好ましい。
より具体的には、SS材に分類される普通鋼、例えばSS400相当のものが好ましく、炭素量の分類からすると、S25C〜S45C相当が好ましい。
例えば、上記鋼材を短い円柱状に切断し、この鋼材を所定の温度に予熱し、熱間鍛造を行う。
鍛造工程は一段のみならず、複数の工程に分けてもよい。
その後に、防錆を目的に亜鉛メッキが施される。
鍛造成形及びメッキ処理後は必要に応じて、ねじ部等が切削加工される。
溶接方法としては、各種アーク溶接法を用いることができる。
その中でも電気を用いたアーク溶接であるTIG(Tungsten Inert Gas)溶接の場合に生産性が高いものの、特に亜鉛メッキの影響を受けやすく、本考案が有効である。
TIG溶接は、電極棒にタングステンを用いて溶加材にて溶接する方法である。
本考案は、溶接サドル継手のフランジ部の下面部及び側面部にメッキ層を有していないため、溶接時に酸化亜鉛ヒュームの発生がなく溶接性に優れ、作業環境も改善される。
本考案に係る溶接サドル継手(以下、単に継手と称する)10の構造例を図1〜図3に示す。
パイプ状の継手本体11の下部に略鞍形状からなる鞍型三次元形状のフランジ部12を有し、上部側には図4に示すように分岐管4を連結するための連結孔14を有する。
本実施例は、連結孔14の内側にめねじ部14aを形成した、ねじ込み式タイプを示すが、円筒状の差し込み部を有する差し込み溶接するタイプでもよい。
ねじ部等は、継手本体11及びフランジ部12等を鍛造成形及び溶融亜鉛メッキ後に切削加工する。
フランジ部12のフランジ部下面部12aは、図1(a)に示した主管1の分岐孔2の周縁部2aの三次元形状に合致するように製作されている。
フランジ部下面部12aには、分岐孔2の周縁部内側に挿入されるリング状の凸部15を有し、溶接時に挿入しやすくなっている。
このリング状の凸部15aは、分岐孔2にフランジ部12の下面側を挿入及び位置合せしやすくするのが目的であり、限らずしもリング状である必要がない。
例えば、図5(b)に下面部を示すように分岐孔2の内周縁に合せて配置した複数の突起16a〜16dを設けてもよい。
また、フランジ下面部12aは、メッキ層が切削で除去された非メッキ部となっている。
継手10のフランジ部12の上面には、図1(b),図4(a)に示すように芯出しマークとしてフランジ部12の両側の頂部に位置決め部13a、それとは直交する側部に位置決め部13bを左右一対に有する。
位置決め部13a,13bの形状は、深さ約0.5〜1.5mm,幅約0.5〜1.5mmの直線状の溝条部になっている。
この位置決め部は突条部であってもよい。
位置決め部は、溶接サドル継手と主管との溶接時にフランジ部の裏面の三次元形状を主管の分岐孔の孔形状に合致させるためのものであり、本実施例はフランジ部の両側の頂部とフランジ部の頂部と直交方向の側部に設けた例になっている。
このようにすると、主管の端面からの所定の寸法と円周方向のどの位置に溶接するかを主管の円周部に十字形状に罫書き線をいれ、継手の4つの芯出しマーク(位置決め部)13a,13a,13b,13bを上記罫書き線に合せて位置決めすることができる。
この場合に、頂部の両側の位置決め部13a,13aを主管の軸方向3に合せる。
フランジ部12は、上記に示したようにフランジ下面部12aと、図1に示すように外部側になるフランジ部側面部12bを有し、このフランジ部側面部12bのメッキ層も除去してある。
さらに、フランジ部12の上面の外周側のメッキ層を除去したフランジ部上面非メッキ部12cを有し、この場合にメッキ層を一部に残したフランジ部上面メッキ部12dを有していてもよい。
このようにすると、図1(b),図4(b)に示すように継手10のフランジ部12を分岐孔2に位置決めし、フランジ部12の周縁部をTIG溶接する際に酸化亜鉛ヒュームの発生を抑える。
図1(b),図4に溶接部20を有し、溶接後の状態を示す。
特に本考案においては、フランジ部下面部12aのみならず、フランジ部側面部12bから上面部の外周側(フランジ部上面非メッキ部12c)にかけて、溶融亜鉛メッキ層を有していない非メッキ部となっているので、溶接時の熱でメッキ層からヒュームが発生するのを効果的に抑えることができる。
溶融亜鉛メッキは、一般的なメッキ浴を用いることができるが、カドミウム10ppm未満,鉛50ppm以下のものが好ましい。
パイプ状の継手本体11の下部に略鞍形状からなる鞍型三次元形状のフランジ部12を有し、上部側には図4に示すように分岐管4を連結するための連結孔14を有する。
本実施例は、連結孔14の内側にめねじ部14aを形成した、ねじ込み式タイプを示すが、円筒状の差し込み部を有する差し込み溶接するタイプでもよい。
ねじ部等は、継手本体11及びフランジ部12等を鍛造成形及び溶融亜鉛メッキ後に切削加工する。
フランジ部12のフランジ部下面部12aは、図1(a)に示した主管1の分岐孔2の周縁部2aの三次元形状に合致するように製作されている。
フランジ部下面部12aには、分岐孔2の周縁部内側に挿入されるリング状の凸部15を有し、溶接時に挿入しやすくなっている。
このリング状の凸部15aは、分岐孔2にフランジ部12の下面側を挿入及び位置合せしやすくするのが目的であり、限らずしもリング状である必要がない。
例えば、図5(b)に下面部を示すように分岐孔2の内周縁に合せて配置した複数の突起16a〜16dを設けてもよい。
また、フランジ下面部12aは、メッキ層が切削で除去された非メッキ部となっている。
継手10のフランジ部12の上面には、図1(b),図4(a)に示すように芯出しマークとしてフランジ部12の両側の頂部に位置決め部13a、それとは直交する側部に位置決め部13bを左右一対に有する。
位置決め部13a,13bの形状は、深さ約0.5〜1.5mm,幅約0.5〜1.5mmの直線状の溝条部になっている。
この位置決め部は突条部であってもよい。
位置決め部は、溶接サドル継手と主管との溶接時にフランジ部の裏面の三次元形状を主管の分岐孔の孔形状に合致させるためのものであり、本実施例はフランジ部の両側の頂部とフランジ部の頂部と直交方向の側部に設けた例になっている。
このようにすると、主管の端面からの所定の寸法と円周方向のどの位置に溶接するかを主管の円周部に十字形状に罫書き線をいれ、継手の4つの芯出しマーク(位置決め部)13a,13a,13b,13bを上記罫書き線に合せて位置決めすることができる。
この場合に、頂部の両側の位置決め部13a,13aを主管の軸方向3に合せる。
フランジ部12は、上記に示したようにフランジ下面部12aと、図1に示すように外部側になるフランジ部側面部12bを有し、このフランジ部側面部12bのメッキ層も除去してある。
さらに、フランジ部12の上面の外周側のメッキ層を除去したフランジ部上面非メッキ部12cを有し、この場合にメッキ層を一部に残したフランジ部上面メッキ部12dを有していてもよい。
このようにすると、図1(b),図4(b)に示すように継手10のフランジ部12を分岐孔2に位置決めし、フランジ部12の周縁部をTIG溶接する際に酸化亜鉛ヒュームの発生を抑える。
図1(b),図4に溶接部20を有し、溶接後の状態を示す。
特に本考案においては、フランジ部下面部12aのみならず、フランジ部側面部12bから上面部の外周側(フランジ部上面非メッキ部12c)にかけて、溶融亜鉛メッキ層を有していない非メッキ部となっているので、溶接時の熱でメッキ層からヒュームが発生するのを効果的に抑えることができる。
溶融亜鉛メッキは、一般的なメッキ浴を用いることができるが、カドミウム10ppm未満,鉛50ppm以下のものが好ましい。
1 主管
2 分岐孔
3 軸方向
4 分岐管
10 溶接サドル継手
11 継手本体
12 フランジ部
12a フランジ部下面部
12b フランジ部側面部
12c フランジ部上面非メッキ部
12d フランジ部上面メッキ部
13a,13b 位置決め部(芯出しマーク)
15 凸部
2 分岐孔
3 軸方向
4 分岐管
10 溶接サドル継手
11 継手本体
12 フランジ部
12a フランジ部下面部
12b フランジ部側面部
12c フランジ部上面非メッキ部
12d フランジ部上面メッキ部
13a,13b 位置決め部(芯出しマーク)
15 凸部
Claims (2)
- 主管の側部に分岐孔を形成し、当該分岐孔に分岐管を連結するための溶接サドル継手であって、
溶接サドル継手は亜鉛メッキ処理してあるとともに分岐孔の周縁部に載置するための略鞍形状のフランジ部を有し、
前記フランジ部の周囲部と前記主管の分岐孔の周縁部とを溶接接合して使用するものであり、
前記フランジ部の前記分岐孔の周縁部に接する下面部及び側面部は亜鉛メッキ処理されていない非メッキ部となっていることを特徴とする溶接サドル継手。 - 前記フランジ部は上面又は/及び側面に前記主管と位置合せをするための芯出しマークを有していることを特徴とする請求項1記載の溶接サドル継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000819U JP3226280U (ja) | 2020-03-08 | 2020-03-08 | 溶接サドル継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000819U JP3226280U (ja) | 2020-03-08 | 2020-03-08 | 溶接サドル継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3226280U true JP3226280U (ja) | 2020-05-28 |
Family
ID=70775612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020000819U Active JP3226280U (ja) | 2020-03-08 | 2020-03-08 | 溶接サドル継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3226280U (ja) |
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2020
- 2020-03-08 JP JP2020000819U patent/JP3226280U/ja active Active
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