JP6965071B2 - プラズマキーホール溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板を突合せてプラズマキーホール溶接する方法に関し、特に溶接後の熱ひずみが少なく、突合せギャップが大きい場合でも溶接欠陥が無く、良好なビード形状が得られるなど高能率で高品質な溶接部が得られるプラズマキーホール溶接方法に関する。
近年、自動車・造船・建築などの各分野で構造物の軽量化を目的に鋼板の薄肉化が進んでおり、板厚が3〜9mmの鋼板の突合せ溶接が広く行われている。この鋼板の突合せ溶接には、高能率溶接が可能で高品質な溶接部を得られるガスシールドアーク溶接が広く使用され、例えば特許文献1には、ガスシールドアーク溶接による薄鋼板の突合せ溶接方法が開示されている。
ところで、このガスシールドアーク溶接は、各分野で広く使用されている一方で、比較的薄い鋼板の突合せ溶接の場合には、溶接後の熱ひずみが大きく、溶接後の熱変形量が大きくなるため、構造物の寸法精度が低下するとともに、構造物の寿命が低下するという問題点がある。またガスシールドアーク溶接は、溶接時の熱影響部が広いために溶接部の溶落ちが発生し易いという問題点もある。
これらを解消する方法として、溶接部の溶落ちが少なくすることができ、熱ひずみも少なくすることができる溶接方法としてレーザ溶接やプラズマ溶接等が知られている。
レーザ溶接は、レーザ光を熱源とし、集光したレーザ光を照射して局部的に溶融させることで接合する溶接方法である。レーザ溶接は、エネルギー密度が非常に高い集中熱源を使用しているので、溶接後の熱ひずみが少なく深い溶込みを得られるというメリットがあるが、熱源範囲がガスシールドアーク溶接より非常に狭いので、高い開先精度が必要となり、溶接欠陥が発生し易いという問題点がある。
一方、プラズマ溶接は、プラズマトーチ内にタングステンなどの電極を有し、アルゴンと水素を混合した混合ガスを加熱してプラズマガス状態にした中にプラズマアークを発生させ、そのプラズマアークをノズル先端の穴を通過させることでプラズマアークを狭窄して熱源の集中性を高めた溶接方法である。突合せ溶接にプラズマ溶接を適用する場合には、鋼板にプラズマアークを貫通させながら接合するプラズマキーホール溶接を用いるのが一般的である。プラズマキーホール溶接方法は、ガスシールドアーク溶接に比べて熱源の集中性が高いので溶接後の熱ひずみを少なくすることができるとともに、レーザ溶接より熱源範囲が広いので、熱影響部が広く、開先精度の裕度が広いというメリットがある。またプラズマキーホール溶接方法は、レーザ溶接に比べて装置自体が安価で設備費も低いことから、比較的薄い鋼板の突合せ溶接に適用されることも多い。
このように、溶接後の熱ひずみが少なく溶接時の開先精度の裕度が広いといったメリットを有するプラズマ溶接であるが、耐ギャップ性がガスシールドアーク溶接に比べて劣るという問題がある。近年の自動車・造船・建築などの構造物は複雑な形状をしているため、鋼板を突合せた場合にギャップが生じるものが多く、耐ギャップ性も比較的薄い鋼板の突合せ溶接には重要な要素である。
これを解消する方法として、特許文献2及び特許文献3には、アルミニウム板の突合せ時のギャップが有る状態での突合せ溶接において、ワイヤを2本投入しながらレーザ溶接を行う方法が開示されている。しかし、特許文献2及び特許文献3に記載の技術は、アルミニウム板のレーザ溶接に関するものであり、上述した鋼板の突合せ溶接時における各種課題を満たすものではない。
また、特許文献4には、溶接進行方向と直行する1対のワイヤを熱源と母材の間に投入するプラズマ肉盛溶接方法が開示されている。しかし、特許文献4の開示技術はプラズマ肉盛溶接に関する技術であり、上述したプラズマ溶接による比較的薄い鋼板の突合せ溶接に関する技術ではない。このため、特許文献4に開示されているプラズマ肉盛溶接の技術ではプラズマキーホール溶接での比較的薄い鋼板の突合せ溶接における十分な耐ギャップ性は得られないという問題点があった。
特開2001−321985号公報 再表2010/021094号公報 特開2010−64086号公報 特開2009−241142号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、比較的薄い鋼板を突合せてプラズマキーホール溶接する方法において、溶接後の熱ひずみが少なく、溶接欠陥の無い良好なビード形状が得られ、耐ギャップ性にも優れるプラズマキーホール溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、板厚(TH)が3〜9mmの鋼板を突合せてプラズマキーホール溶接する方法において、先行ワイヤを溶接進行方向前方からプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給し、後行ワイヤを溶接進行方向後方からプラズマアーク後方に供給しながらプラズマキーホール溶接することを特徴とする。
また、前記鋼板の突合せギャップ(GA)が3mm以下であることを特徴とする。
さらに、溶接電流(PA):100〜250A、パイロットガス流量:0.5〜3.0L/min、先行ワイヤ送給量(LQ):2〜12g/min、後行ワイヤ送給量(TQ):2〜19g/min、溶接速度(WS):10〜40cm/minで、下記式で示すXの値が40〜95を満足する溶接条件でプラズマキーホール溶接することも特徴とするプラズマキーホール溶接方法にある。
X=30×(LQ+TQ)/TH−0.1×WS−10×GA−0.01×PA
・・・(式)
但し、LQ:先行ワイヤ送給量(g/min)、TQ:後行ワイヤ送給量(g/min)、WS:溶接速度(cm/min)、TH:板厚(mm)、GA:突合せギャップ(mm)、PA:溶接電流(A)
上述した構成からなる本発明を適用したプラズマキーホール溶接方法によれば、板厚が3〜9mmの鋼板を突合せてプラズマキーホール溶接をする場合に、溶接後の熱ひずみが少なく、突合せギャップが大きい場合においても溶接欠陥の無い良好なビード形状が得られるなど高能率な溶接が可能となり、且つ、高品質な溶接部が得られる。
以下、本発明を適用したプラズマキーホール溶接方法を実施するための形態について詳細に説明をする。
まず、本発明を適用したプラズマキーホール溶接方法におけるガスシールドアーク溶接に対する優位性を検証するため、各溶接方法を実行した後の熱ひずみにおよぼす影響を調査し、比較した。表1に示すJIS G 3106に規定される板厚が6mmのSM490A鋼板を突合せギャップ無しで組んだ試験体(板幅400mm)で、表1に示す溶接条件でガスシールドアーク溶接及びプラズマキーホール溶接を行い、溶接後の熱変形量を調査した。熱変形量の評価方法は、溶接後の試験体を反転させて床面に設置し、床面と溶接部までの高さを測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 0006965071
調査の結果、ガスシールドアーク溶接では熱変形量が10mm以上であるのに対し、プラズマキーホール溶接の熱変形量は0.5mmと非常に少ない結果であることから、プラズマキーホール溶接を用いれば、溶接後の熱ひずみを非常に少なくできることを見出した。
次に、板厚(TH)が3〜9mmの鋼板を付合わせ、各種溶接条件でプラズマキーホール溶接を行った結果、溶接条件の調整のみでは裏及び表ビードともに良好なビード形状は得られないことが判明した。そこで、溶接進行方向前方から溶接ワイヤ(以下、先行ワイヤという。)をプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給するとともに、溶接進行方向後方から溶接ワイヤ(以下、後行ワイヤという。)をプラズマアーク後方に供給しながらプラズマキーホール溶接をすることで、良好な裏及び表ビード形状が得られることを見出した。
また、3mm以下の鋼板の突合せギャップ(GA)を有する場合には、各種溶接条件を種々変化させて調査した結果、溶接電流(PA)、パイロットガス流量、先行ワイヤ送給量(LQ)、後行ワイヤ送給量(TQ)、溶接速度(WS)を規定するとともに、30×(LQ+TQ)/TH−0.1×WS−10×GA−0.01×PAから得られるXの値を規定することにより、溶接欠陥がなく、良好な裏及び表ビード形状が得られることを見出した。
以下、本発明のプラズマキーホール溶接方法の各限定理由について説明する。
[先行ワイヤの供給位置:溶接進行方向前方からプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給]
鋼板の突合せによるプラズマキーホール溶接では、プラズマアークで溶融プールを形成させ、鋼板を貫通させながらプラズマキーホール溶接するが、溶着量確保の観点から、溶接進行方向前方から先行ワイヤを供給する。その際、先行ワイヤをプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給することで、先行ワイヤが十分に溶融され、プラズマアークが鋼板を安定して貫通しながらプラズマキーホール溶接できるので、良好な裏ビード形状を得ることができる。一方、先行ワイヤをプラズマアーク中心部へ供給すると、先行ワイヤがプラズマアークによって溶融プールに到達する前に溶融されるため、溶滴が安定して滴下されなくなり、裏及び表ビード形状が不良となる。したがって、先行ワイヤは溶接進行方向前方からプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給する。
[後行ワイヤの供給位置:溶接進行方向後方からプラズマアーク後方に供給]
後行ワイヤは、表ビードを形成するための十分な溶着量を確保するとともに、表ビード両端を滑らかにして表ビード形状を良好にする効果を有しており、溶接進行方向後方から後行ワイヤをプラズマアーク後方に供給することで、後行ワイヤがプラズマアークによって十分に溶融され、溶融プールが安定するので、良好な表ビード形状が得られる。一方、後行ワイヤをプラズマアーク後方からあまりに離れて供給すると、後行ワイヤが十分に溶融されず、溶融プールが不安定になり、表ビードが凸状になって表ビード形状が不良となる。したがって、後行ワイヤは溶接進行方向後方からプラズマアーク後方に供給する。
[鋼板の突合せギャップ(GA):3mm以下]
鋼板の突合せギャップ(GA)は、良好な裏及び表ビード形状を得るための溶着量を確保するとともに、安定したプラズマキーホール溶接を行う観点から3mm以下とする。突合せギャップ(GA)が3mmを超えると、突合せギャップ(GA)間を溶融プールが支えきれなくなり、プラズマキーホール溶接自体が困難となる。したがって、鋼板の突合せギャップ(GA)は3mm以下とする。
[溶接電流(PA):100〜250A]
溶接電流(PA)は、100〜250Aとする。溶接電流(PA)が100A未満では、プラズマアークが弱くなって鋼板を貫通できなくなり、裏ビード形状が不良となるとともに、溶接欠陥が発生し易くなる。一方、溶接電流(PA)が250Aを超えると、プラズマアークが過剰に強くなって裏ビード形状が悪くなるとともに、溶落ちが発生し易くなる。したがって、プラズマキーホール溶接の溶接電流(PA)は100〜250Aとする。
[パイロットガス流量:0.5〜3.0L/min]
パイロットガス流量は、0.5〜3.0L/minとする。パイロットガス流量が0.5L/min未満では、パイロットガスの吹付けが低下し、鋼板を安定してプラズマアークが貫通できなくなり、裏ビード形状が不良となるとともに、溶接欠陥が発生し易くなる。一方、パイロットガス流量が3.0L/minを超えると、パイロットガスの吹付け力が過剰となり、裏ビード形状が悪くなるとともに、表ビードに凹みが発生して表ビード形状も不良となり、また溶落ちが発生し易くなる。したがって、プラズマキーホール溶接のパイロットガス流量は0.5〜3.0L/minとする。
[先行ワイヤ送給量(LQ):2〜12g/min]
プラズマキーホール溶接の先行ワイヤ送給量(LQ)は、2〜12g/minとする。先行ワイヤ送給量(LQ)が2g/min未満では、必要な溶着量が確保できず、裏ビード形状が悪くなるとともに、表ビードに凹みが発生して表ビード形状も不良となる。一方、先行ワイヤ送給量(LQ)が12g/minを超えると、先行ワイヤが過剰に送給されるので、先行ワイヤがプラズマアークを遮る状態となって鋼板を貫通できなくなり、裏及び表ビード形状が不良となる。したがって、プラズマキーホール溶接の先行ワイヤ送給量(LQ)は2〜12g/minとする。
[後行ワイヤ送給量(TQ):2〜19g/min]
後行ワイヤ送給量(TQ)は、2〜19g/minとする。後行ワイヤ送給量(TQ)が2g/min未満では、表ビードを形成する溶着量が確保できず、表ビードに凹みが発生して表ビード形状が不良となる。一方、後行ワイヤ送給量(TQ)が19g/minを超えると、後行ワイヤが十分に溶融されず、溶融プールが不安定となって表ビード形状が不良となる。したがって、プラズマキーホール溶接の後行ワイヤ送給量(TQ)は2〜19g/minとする。
[溶接速度(WS):10〜40cm/min]
溶接速度(WS)は、10〜40cm/minとする。溶接速度(WS)が10cm/min未満では、溶着量が過多となり、裏ビード形状が悪くなるとともに、表ビードが凸状となって表ビード形状も不良となり、溶落ちが発生し易くなる。一方、溶接速度(WS)が40cm/minを超えると、必要な溶着量が確保できず、裏ビード形状が悪くなるとともに、表ビードに凹みが発生して表ビード形状も不良となる。したがって、プラズマキーホール溶接の溶接速度(WS)は10〜40cm/minとする。
[X=40〜95]
下記式で示す先行ワイヤ送給量(LQ)、後行ワイヤ送給量(TQ)、溶接速度(WS)、板厚(TH)、突合せギャップ(GA)及び溶接電流(PA)から算出されるXの値を40〜95とすることで、突合せギャップ(GA)が大きい場合でも良好な裏及び表ビード形状を得ることができる。Xの値が40未満では、必要な溶着量を確保できず、表ビードに凹みが発生して表ビード形状が不良となる。またXの値が40未満では、プラズマアークが鋼板を安定して貫通することができないので、裏ビード形状も不良になる。一方、Xの値が95を超えると、溶着量が過剰となり、表ビードが凸状となって表ビード形状が不良となる。またXの値が95を超えると、プラズマアークが過剰に強くなり、裏ビード形状も不良となる。したがって、下記式から算出されるXの値は40〜95とする。
X=30×(LQ+TQ)/TH−0.1×WS−10×GA−0.01×PA
・・・(式)
但し、LQ:先行ワイヤ送給量(g/min)、TQ:後行ワイヤ送給量(g/min)、WS:溶接速度(cm/min)、TH:板厚(mm)、GA:突合せギャップ(mm)、PA:溶接電流(A)
なお、溶接ワイヤには、JIS Z3312 YGW12を用い、ワイヤ径は1.0〜1.2mm、プラズマトーチのノズル径は2.5〜3.5mm、シールドガスはArガスを使用、シールドガス流量は10〜20L/min、先行ワイヤと鋼板との角度は20〜40°、後行ワイヤと鋼板との角度は30〜40°とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明の効果をさらに具体的に説明する。
JIS G 3106に規定されるSM490A鋼板を用い、表2に示す各板厚で突合せギャップ有無の試験体を、表2に示す溶接条件で鋼板の突合せのプラズマキーホール溶接を行い、プラズマキーホール溶接時の溶接性、裏及び表ビード形状の良否を目視観察にて調査した。
溶接欠陥の評価については、試験後の試験体をJIS Z 3106に準じてX線透過試験を実施し、溶接欠陥の有無を調査した。これらの調査結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006965071
表2中のNo.1A〜No.6Aは本発明例、No.7A〜No.10Aは比較例である。本発明例であるNo.2A、No.3A、No.5A及びNo.6Aは、先行ワイヤ及び後行ワイヤを使用し、先行ワイヤ及び後行ワイヤのワイヤ供給位置が適正であるので、プラズマアークが鋼板を安定して貫通しながらプラズマキーホール溶接ができ、溶接状態が良好で、溶接欠陥が無く、良好な裏及び表ビード形状が得られ、極めて満足な結果であった。なお、No.1Aは、表ビードがやや凸状であり、裏ビードはやや不良であったが、表及び裏ビード形状は問題無かった。また、No.4Aは突合せギャップがあるので、表ビードにやや凹みが発生したが、表ビード形状は問題無く、良好な結果であった。
比較例中No.7Aは、先行ワイヤのワイヤ供給位置がプラズマアーク前方であったので、裏及び表ビード形状が不良であった。
No.8Aは、後行ワイヤのワイヤ供給位置が溶融プールより後方であったので、表ビードが凸状となって表ビード形状が不良であった。
No.8Aは、後行ワイヤのワイヤ供給位置が溶融プール後方であったので、表ビードが凸状となって表ビード形状が不良であった。
No.10Aは、後行ワイヤが供給されていないので、表ビードに凹みが発生して表ビード形状が不良であった。
なお、溶接後の熱変形量は全ての試験で非常に少なかった。
次いで、プラズマキーホール溶接における耐ギャップ性を調査するため、JIS G 3106に規定されるSM490A鋼板を用い、表3に示す各種突合せギャップ(GA)を有する試験体を、表3に示す溶接条件でプラズマキーホール溶接を行い、プラズマキーホール溶接時の溶接状態、裏及び表ビード形状の良否、溶接欠陥の有無を調査した。これらの試験結果を表3にまとめて示す。
Figure 0006965071
表3中のNo.1B〜No.11Bは本発明例、No.12B〜No.24Bは比較例である。本発明例であるNo.1B〜No.11Bは、先行ワイヤ及び後行ワイヤのワイヤ供給位置が本発明で規定した範囲内で、且つ、プラズマキーホール溶接時の突合せギャップ(GA)、溶接電流(PA)、パイロットガス流量、先行ワイヤ送給量(LQ)、後行ワイヤ送給量(TQ)、溶接速度(WS)、Xの値が適正であるので、プラズマアークが鋼板を安定して貫通しながらプラズマキーホール溶接ができ、溶接状態が良好で、溶接欠陥が無く、良好な裏及び表ビード形状が得られ、極めて満足な結果であった。
比較例中No.12Bは、溶接電流(PA)が低いので、プラズマアークが鋼板を安定して貫通できず、裏ビード形状が不良であった。また、融合不良が発生した。
No.13Bは、溶接電流(PA)が高いので、溶落ちが発生した。
No.14Bは、突合せギャップ(GA)が大きいので、プラズマキーホール溶接自体が不可であった。
No.15Bは、パイロットガス流量が少ないので、吹き付けが弱く、裏ビード形状が不良であった。また、融合不良が発生した。
No.16Bは、パイロットガス流量が多いので、吹き付けが強く、溶落ちが発生した。
No.17Bは、先行ワイヤ送給量(LQ)が少ないので、裏ビード形状が不良で、表ビードに凹みが発生して表ビード形状も不良であった。
No.18Bは、先行ワイヤ送給量(LQ)が多いので、プラズマアークが鋼板を安定して貫通できず、裏及び表ビード形状が不良であった。
No.19Bは、後行ワイヤ送給量(TQ)が少ないので、表ビードに凹みが発生して表ビード形状が不良であった。
No.20Bは、後行ワイヤ送給量(TQ)が多いので、表ビード形状が不良であった。
No.21Bは、溶接速度(WS)が遅いので、溶落ちが発生した。
No.22Bは、溶接速度(WS)が速いので、裏ビード形状が不良で、表ビードに凹みが発生して表ビード形状も不良であった。
No.23Bは、Xの値が小さいので、プラズマアークが鋼板を安定して貫通できず、裏ビード形状が不良で、表ビード形状には凹みが発生して表ビード形状も不良であった。
No.24Bは、Xの値が大きいので、裏ビード形状が不良で、表ビードは凸状となって表ビード形状も不良であった。
なお、溶接後の熱変形量は全ての試験で非常に少なかった。

Claims (2)

  1. 板厚(TH)が3〜9mmの鋼板を突合せてプラズマキーホール溶接する方法において、
    先行ワイヤを溶接進行方向前方からプラズマキーホール溶接の溶融プール前方に供給し、
    後行ワイヤを溶接進行方向後方からプラズマアーク後方に供給しながらプラズマキーホール溶接し、
    溶接電流(PA):100〜250A、
    パイロットガス流量:0.5〜3.0L/min、先行ワイヤ送給量(LQ):2〜12g/min、
    後行ワイヤ送給量(TQ):2〜19g/min、
    溶接速度(WS):10〜40cm/minで、
    下記式で示すXの値が40〜95を満足する溶接条件でプラズマキーホール溶接することを特徴とするプラズマキーホール溶接方法。
    X=30×(LQ+TQ)/TH−0.1×WS−10×GA−0.01×PA・・・(式)
    但し、LQ:先行ワイヤ送給量(g/min)、TQ:後行ワイヤ送給量(g/min)、WS:溶接速度(cm/min)、TH:板厚(mm)、GA:突合せギャップ(mm)、PA:溶接電流(A)
  2. 前記鋼板の突合せギャップ(GA)が3mm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のプラズマキーホール溶接方法。
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