JP3225614B2 - データ圧縮装置 - Google Patents

データ圧縮装置

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JP3225614B2
JP3225614B2 JP21816192A JP21816192A JP3225614B2 JP 3225614 B2 JP3225614 B2 JP 3225614B2 JP 21816192 A JP21816192 A JP 21816192A JP 21816192 A JP21816192 A JP 21816192A JP 3225614 B2 JP3225614 B2 JP 3225614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データの圧縮処理
等に用いられるデータ圧縮装置に係り、詳細には小さな
回路規模でデータ圧縮を行うことが可能なデータ圧縮装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ISDNやCD−ROMを前提とした画
像の高能率符号化技術において、DCT(Discre
te Cosine Transform:離散コサイ
ン変換)が高能率符号化技術の主流になりつつある。こ
のDCTに限らず、高能率符号化して画素当りの平均ビ
ット数を減らすと、画像の品質は落ち、圧縮率を上げる
と、画質の劣化を引き起こす。例えば、現行の標準テレ
ビ信号を1.5Mビット/秒に圧縮した場合に問題とな
るのは、輪郭部分の劣化とDCTで処理するブロック単
位(例えば8×8画素)に発生するブロック歪である。
逆変換して画素を再生するときに、ブロック内のDCT
出力をすべて線形和することになるが、8×8画素から
成るブロックのDCT出力64個のうち、一つでも情報
損失があると、ブロック内全体の再生画素に劣化が生じ
る。
【0003】ところで、上記DCTを有するデータ圧縮
装置に限らず、通常のデータ圧縮装置では、数値列に対
し、データ変換(FET,DCT等)を施し、その後に
量子化を行っている。
【0004】図21は従来のデータ圧縮装置のブロック
図である。図21において、1はデータ記憶装置であ
り、データ記憶装置1に蓄えられているデータ(例え
ば、画像データ)はディジタルフィルタ部2(図22)
により特定の周波数成分が抽出されて量子化部4に出力
される。量子化部3はディジタルフィルタ部2によって
抽出された周波数成分に対して適当な係数を掛ける(す
なわち、逆数を掛けて除算する)ことによって重み付け
を変える量子化を行い、量子化されたデータをデータ記
憶装置4に出力する。データ記憶装置4は量子化された
データを蓄える。上記各部の動作はデータ圧縮装置全体
を制御する制御部5によって制御される。
【0005】図22は上記ディジタルフィルタ部2であ
り、この図においてディジタルフィルタ部2は、データ
入力Dに対して所定の低周波成分出力L及び高周波成分
出力Hを出カするフィルタ11〜17が複数段組み合わ
されて構成されており、最終段のフィルタ14〜17の
出力F0〜F7がディジタルフィルタ部2の周波数成分
抽出出力となる。
【0006】図23は上記フィルタ11〜17の回路構
成図である。この図に示すように、各フィルタ11〜1
7は、各段の入力データに所定のタップ係数l
,l,l,h,h,h,h(l〜l
は低周波数成分側の係数、h〜hは高周波数成分
側の係数)を乗算する乗算器21〜28、各乗算器の出
力を加算する加算器29〜34及び1つ前の入力データ
を出力する遅延用のレジスタ35〜37により構成され
ている。この場合、上記乗算器21〜28で乗算される
係数l〜l,h〜hはROM化されたものが使
用される。
【0007】このように、ディジタルフィルタ11〜1
7は入力データに係数l〜l,h〜hを掛けた
ものの和を求めることによって各周波数成分を出力す
る。例えば、上記タップ係数がl=1/3,l=2
/3,l=1,l=−1/3,h=1/3,h
=−2/3,h=1,h=1/3であるときのディ
ジタルフィルタ11〜17の各周波数特性は“1”とな
る。
【0008】上記ディジタルフィルタ11〜17により
抽出された各周波数成分は量子化部3に入力され、量子
化が行われる。この量子化部3は上記各周波数成分に対
応する複数の量子化装置40(図24)により構成され
る。すなわち、図24に示すように量子化装置40は入
力データに量子化演算用の係数を乗算する乗算器41及
び該乗算器41に供給する量子化係数をテーブルの形で
記憶する量子化テーブルROM42により構成され、量
子化装置40はディジタルフィルタ11〜17からの各
周波数成分を適当な値で割って(実際には、逆数を掛け
ることによって)、量子化を行っている。この量子化に
用いる係数を変えることによって、データの圧縮の度合
を変えることができる。この場合、ディジタルフィルタ
部2におけるデータ変換演算や量子化部3における量子
化時などに、2進法で表しきれない数値(例えば1/
3)は、下の桁を丸めることにより近似して演算を行う
ようにしている。図25は上記量子化テーブルの例であ
り、ディジタルフィルタ部2(あるいは後述する図26
のDCT演算部6)からの出力F〜Fに対して、
2,3,4,5,7,7,7,7で除算(実際には逆数
の乗算)を行うことを示している。なお、上記の例は一
次元の場合であり、画像等の二次元などの場合には上述
した処理を縦、横2度行うことによつて実現する。
【0009】前記図21の従来のデータ圧縮装置におい
て、特定の周波数成分を抽出するディジタルフィルタ部
としてDCT演算を実行するDCT演算部を用いてもよ
い。図26はこのようなデータ圧縮装置のブロック図で
あり、図21と同一構成部分には同一番号を付す。図2
6において、1はデータ記憶装置であり、データ記憶装
置1に蓄えられているデータ(例えば、画像データ)は
DCT演算部6(図27)により特定の周波数成分が抽
出されて、量子化部3に出力される。量子化部3はDC
T演算部6によって抽出された周波数成分に対して適当
な係数を掛ける(すなわち、逆数を掛けて除算する)こ
とによって重み付けを変える量子化を行い、量子化され
たデータを、データ記憶装置4に出力する。データ記憶
装置4は量子化されたデータを蓄える。上記各部の動作
はデータ圧縮装置全体を制御する制御部5によって制御
される。
【0010】図27は上記DCT演算部6の構成図であ
り、この図において、DCT演算部6はデータ入力f
〜fに対して、所定のバタフライ演算が複数段組み合
わされて構成されており、最終段の出力F〜FがD
CT演算部6の周波数成分抽出出力となる。ここで、図
28及び図29はバタフライ演算部を示す図であり、図
28はデータ入力x,yをバタフライ演算により加算u
=x+y、滅算v=x−yする演算を、図29はベクト
ル回転を行う演算をそれぞれ示している。図29におい
て、所定のゲインをN、Mとするバタフライ演算部の出
力u、vは数1、数2で示される。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】図30は図27に示したバタフライ演算部
のうちcos係数がついたものの回路構成図である。こ
の図に示すように、cos係数がついたバタフライ演算
部は、各入力データに所定のcos係数、C,C
乗算する乗算器50〜53、乗算器50と53の出力を
加算する加算器54及び乗算器51の出力より乗算器5
3の出力を減算する減算器55により構成されている。
この場合、上記乗算器50〜53で乗算される係数
,Cは通常ROM化されたものが使用される。ま
たcos係数のついてないバタフライ演算部は、乗算器
部分がなく、加算器及び減算器によって構成される。上
記DCT演算部6により抽出された各周波数成分を量子
化する量子化部3は上記各周波数成分に対応する複数の
量子化装置40(前記図24参照)により構成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のデータ圧縮装置にあっては、上記ディジタル
フィルタ部2は、単に、周波数成分を抽出するためだけ
に用いられていたため、データを圧縮して量子化するに
は量子化部3という独立した装置が必要となり、データ
圧縮装置全体の回路規模が大きくなってしまうという問
題点があった。また、このような従来のデータ圧縮装置
にあっては、データ変換演算や量子化時に何度も丸め近
似をして演算を行う構戒となっていたため、丸め演算の
回数が増加すると、演算精度が著しく劣化することにな
り、これを避けるためには演算ビット幅を多くとらねば
ならず、回路規模が大きくなってしまうと言う欠点があ
った。例えば、図23にあって、出力Lについて考えて
みると、Lは、入力Dと遅延用のレジスタ35、36、
37の出力をそれぞれZ−1、Z−2、Z−3とする
と、数3のように表される。
【0015】
【数3】
【0016】ここで、Lを計算するのに必要な係数、−
1/3、2/3を2進数の小数で表現した場合は、全て
無限小数となる。そのため前記式(1)による演算以前
に係数を表現する時点で既に丸めによる誤差が加わって
精度が劣化している。また、このように精度が劣化して
いる係数によって得られた出力を、次段のフィルタの入
力として、再度同様な演算を行なうため、ディジタルフ
ィルタ部2の最終的な出力データはかなり精度が劣化し
たものとなる。そこで本発明は、小さな回路規模で精度
良くデータの圧縮を行なうことが可能なデータ圧縮装置
を提供することを目的としている。また、本発明は、従
来と同程度の回路規模でありながら高い演算精度を持つ
データ圧縮装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的達成のため、所定のデータを記憶する手段と、
前記記憶データ手段から出力されたデータに対して所定
のタップ係数に基づいて特定周波数成分を抽出するディ
ジタルフィルタ手段と、 量子化演算を実行する量子化手
段と、 前記データ記憶手段、前記ディジタルフィルタ手
段及び前記量子化手段を制御する制御手段とを備えたデ
ータ圧縮装置であって、 前記ディジタルフィルタ手段の
タップ係数同士を整数の比に置き換えるとともに、該整
数の比に置き換えることにより生じたゲインの変化を、
前記量子化手段により調整するようにしている。請求項
2記載の発明は、所定のデータを記憶するデータ記憶手
段と、 前記データ記憶手段から出力されたデータに対し
て所定の係数に基づいてデータ変換演算を実行するデー
タ変換演算手段と、 量子化演算を実行する量子化手段
と、 前記データ記憶手段、前記データ変換演算手段及び
前記量子化手段を制御する制御手段とを備えたデータ圧
縮装置であって、 前記データ変換演算手段の係数を、整
数比に変えるとともに、該整数比に変えることにより生
じたゲインの変化を前記量子化手段により調整するよう
にしている。
【0018】
【作用】本発明の手段の作用は次の通りである。請求項
1記載の発明では、ディジタルフィルタ手段のタップ係
数同士は整数の比に置き換えられ、該整数の比に置き換
えることにより生じたゲインの変化が量子化手段により
調整される。従って、演算精度を高めることができ、画
像等のデータ圧縮に利用することができる。請求項2記
載の発明では、データ変換演算手段の係数が整数比に置
き換えられるとともに、該整数比に置き換えられること
により生じたゲインの変化が量子化手段により調整され
る。 従って、量子化手段を設けて量子化演算を行う必要
がなくなり、回路規模を大幅に小さくすることができ、
演算回数を減少させて、演算精度を向上させることがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。 (第1実施例) 図1及び図2は本発明に係るデータ圧縮装置の第1実施
例を示す図である。原理説明 先ず、本実施例の基本的な考え方を説明する。図21に
示した従来のデータ圧縮装置では、ディジタルフィルタ
部2は周波数成分を抽出するためだけに用いられていた
ため、データ圧縮するためには量子化部3によって量子
化専用の乗算を行う必要があった。具体的には、図24
に示すように量子化演算用の乗算器41によって量子化
係数の乗算を行なっていた。
【0020】ところで、かかる量子化係数の乗算と同様
の乗算はディジタルフィルタ部2内でも積和演算という
形で乗算器21〜28によって入力データに係数1
,h〜hを掛ける乗算として行なわれている。
本発明者はこの点に着目して、ディジタルフィルタ部の
タップ係数を、本来の値から量子化係数分を考慮した値
に変更することによって周波数特性を変化させ、そのこ
とによりディジタルフィルタ部に量子化の機能をもたせ
ようとするものである。これによって量子化部を省略す
ることが可能となり、回路規模を大幅に小さくすること
ができるとともに、乗算回数を減少させて演算精度を向
上させることができる。
【0021】図1及び図2は上記基本原理に基づくデー
タ圧縮装置の第1実施例を示す図である。先ず、構成を
説明する。図1はデータ圧縮装置のブロック図であり、
この図において、データ圧縮装置は処理すべきデータを
記憶するデータ記憶装置52と、データ記憶装置61か
ら読出したデータから特定周波数成分を抽出すると同時
に、量子化を行なうディジタルフィルタ部62と、量子
化されたデータを記憶するデータ記憶装置63と、各部
装置の動作を制御する制御部64とにより構成されてい
る。
【0022】図2はディジタルフィルタ部62を構成す
る1つのフィルタの回路構成図であり、前記図23に対
応するものである。図2において、70はディジタルフ
ィルタ部62を構成するフィルタであり、フィルタ70
は、入力データに対して後述するレジスタ88〜95か
ら出力されたタップ係数l,l,l,l
,h,h,hを乗算する乗算器71〜78
と、乗算器71〜78の出力を加算する加算器79〜8
4と、前回入力されたデータ(1つ前の入力データ)を
出力するデータレジスタ85〜87と、制御部64によ
り供給された係数データを格納しておくとともに、格納
した係数データを乗算のためのタップ係数l〜l
〜hとして乗算器71〜78に出力するタップ係
数レジスタ88〜95とにより構成されている。
【0023】すなわち、本ディジタルフィルタ部62の
フィルタ70は、乗算器71〜78、加算器79〜84
及びデータレジスタ85〜87からなる従来と同様のフ
ィルタ構造部に、新たに制御部64からLOADされた
係数l〜l,h〜hを蓄えるタップ係数レジス
タ88〜95を設け、従来固定データとしてROMから
供給されていた係数に代えて、このタップ係数レジスタ
88〜95に蓄えた係数l〜l,h〜hを使用
するようにしている。これは、フィルタの係数は基本的
に変わらないのに対し、量子化の係数は圧縮の程度によ
って大きく変わることがあるため、タップ係数を固定さ
せずに変更可能にするためである。
【0024】次に、本実施例の動作を説明する。本デー
タ圧縮装置はディジタルフィルタ部62に量子化の機能
を持たせることによって量子化部を不要にするものであ
る。従って、ディジタルフィルタ部62では周波数成分
の抽出と量子化が同時に行われる。以下、この動作につ
いて詳細に説明する。
【0025】図2のフィルタ70において、乗算器71
〜78は入力されたデータに対してタップ係数レジスタ
88〜95から取出したタップ係数(l〜l,h
〜h)を乗算する。従来例では、このタップ係数は固
定されていたが、本実施例ではタップ係数レジスタ88
〜95から入力されるようになっており可変である。こ
こで、従来では前記図23に示したように係数l=h
=1となっていたのでその部分の乗算器23,27と
加算器30,33は不要ではないかとも考えられるが、
前記図23は一例であって実際にはもっとタップ数が多
く、前記図23で示すような数値ではない。この係数レ
ジスタ78〜95へは、制御部64が係数データを書込
む。このような構成におけるフィルタ70の低周波成分
出力L及び高周波成分出力Hは下記の数4で示される。
【0026】
【数4】
【0027】これは、タップ係数の実際の値が異なるだ
けで、従来例(図23)も本実施例も同じである。ここ
で、本実施例では、タップ係数は可変であるから、例え
ば高周波数成分出力h〜hの値を例えばすべて1/
2倍したh’〜h’に変えてみると、その出力H’
はもとの出力Hの1/2の値となる。
【0028】
【数5】
【0029】つまり、タップ係数h〜hに何か値を
掛けてやれば、出力にその値が反映されるのである。低
周波成分の出力Lも同様であるから、タップ係数h
,l〜lを変えることによって出力のゲインを
自由に変えることができるようになる。従って、前記図
22の最終段の4つのフィルタ14〜17を、図2のタ
ップ係数が可変なディジタルフィルタ70に変更してデ
ィジタルフィルタ部62を構成するようにすれば量子化
部をディジタルフィルタ部62に吸収することが可能に
なる。
【0030】このことを更に具体的に説明する。前記図
22の左上のFとFを出力するフィルタ14のタッ
プ係数が以下のような値であったとする。 l=1/6,l=l=1/3, l=1/6 h=−/6,h=1/3,h2=−1/3,h3=
1/6 また、フィルタ14の出力FとFは以下の値で量子
化(除算)を行うものとする。 F→3,F→5 いま、このフィルタ14への入力Dが以下の数値であっ
た場合について従来例との比較のもとに考える。 Z−3=48,Z−2=20,Z−1=36,Z=6
0 <従来の方法>
【0031】
【数6】
【0032】従って、F,Fに対して量子化を行う
と数7のようになる。
【0033】
【数7】
【0034】<本実施例> l〜l及びh〜hを以下のような量子化を含め
た値に変える。
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】上記数9及び数6からわかるように、この
時点で量子化を行ったのと同じ値を得ることができる。
また、この例では、同じ値となることを示すために分数
で示したが、実際には2進数で表すことから、演算誤差
が発生し同一の値とはならない。勿論、この場合も本実
施例では量子化部における乗算が不要となって乗算回数
が減らせるので演算精度は向上する。
【0038】なお、上述の例は一次元の場合であり、画
素等の二次元の場合には、この処理を縦、横2度行うこ
とによって実現するようにする。
【0039】以上説明したように、本実施例のディジタ
ルフィルタ部62のフィルタ70は、乗算器71〜7
8、加算器79〜84及びデータレジスタ85〜87か
らなるフィルタ構造部に、新たに制御部64からLOA
Dされた係数l〜l,h〜hを蓄えるタップ係
数レジスタ88〜95を設け、このタップ係数レジスタ
88〜95に蓄えた係数l〜l,h〜hを変え
るようにしているので、タップ係数を変えることによっ
て周波数特性を変えることができ、その結果、量子化演
算を行なう必要がなくなり、回路規模を大幅に小さくす
ることができ、また、演算回数を減らせることから全体
として演算精度を向上させることができる。また、本実
施例ではディジタルフィルタ部62のフィルタ70内部
にタップ係数レジスタ88〜95を設けているので、制
御部64の回路規模を小さくすることができるという利
点もある。このように高い演算精度を持ちかつ回路規模
の小さなデータ圧縮装置が実現できることから上記ディ
ジタルフィルタのみならずDCTを用いた画像圧縮や音
声圧縮を行うデータ圧縮装置に適用して好適である。
【0040】なお、本実施例では、タップ係数の部分を
レジスタ88〜95としているが、これに限らず、事前
に求めた何種類かの値をROM化しておくようにしても
よい。このようにすれば、逐一レジスタにデータを書き
込む必要がなくなり、またタップ係数を計算して求める
必要がないという利点が生じる。
【0041】また、本実施例では係数を例えば、l
,h〜hとする例を示したが、これには限定さ
れず、データ変換演算で使用されるものであればどのよ
うな値、個数の係数でもよいことは言うまでもない。
【0042】また、入力データに対してデータ変換を行
なうものであれば、データ変換の種類は何でもよく、本
実施例で説明した周波数成分の抽出のほか、例えばFF
T,DCT,LOT(Lapped Orthogon
al Transform:重合直交変換)等の直交デ
ータ変換に適用可能である。また、量子化部の係数をデ
ィジタルフィルタ部で吸収させるようにしているが、係
数を調整できるものであればどのようなディジタルフィ
ルタ部で調整してもよいことは勿論である。
【0043】(第2実施例) 従来のデータ圧縮装置では、入力に対して三角関数を乗
数とする乗算を行っている。しかし、当然に三角関数系
数を2進小数によって表現しなければならないこととな
るが、一般に正確な値を2進小数によって表現すること
はできず、何処かのビットでの丸めを必要とする。この
ように初めから誤差を含んだ係数を用いた演算であるた
め、精度を保つためにはその出力値をできるだけ、丸め
たりしないように保持して次段の演算にわたしてやる必
要があった。そのためにはデータバス幅や演算器の回路
規模が非常に大きくなってしまうという欠点があった。
そこで第2の実施例は、従来と同程度の回路規模であり
ながら、高い演算精度を持つデータ圧縮装置を提供す
る。
【0044】以下、本実施例を図面に基づいて説明す
る。原理説明 先ず、本実施例の基本的な考え方を説明する。本実施例
のデータ圧縮装置は、ディジタルフィルタ部のタップ係
数をまず整数値(あるいは、整数比)に置き換えるとと
もに、該整数値(あるいは整数比)に変えることにより
生じた調整を量子化部で吸収するようにするものであ
る。このようにディジタルフィルタ部の係数が変えら
れ、そのゲインの変化は量子化部により調整されること
になるので、演算の大部分が誤差を含まない整数値によ
って行われることとなり、演算精度が格段に向上する。
【0045】次に、図3〜図5を参照して本実施例に係
るデータ圧縮装置の具体的な構成と動作を説明する。図
3はデータ変換部のフィルタ部の回路構成図であり、前
記図23に対応する図である。図4は量子化テーブルの
例であり、前記図25に対応する。図3は前記図22の
フィルタ11〜17の回路構成図である。図3に示すよ
うに、各フィルタ11〜17は、各段の入力データに所
定のタップ係数l’,l’,l’,l’,
’,h’,h’,h’(l’〜l’は低
周波数成分側の係数、h’〜h’は高周波数成分側
の係数)を乗算器101〜108、各乗算器の出力を加
算する加算器109〜114及び1つ前の入力データを
出力する遅延用レジスタ35〜37により構成されてい
る。図3においてl’,l’,l’,l’,h
’,h’,h’,h’はディジタルフィルタ部
のタップ係数であり、全て所定数倍(本実施例の場合3
倍)されて、整数演算が可能な整数値に変換される。ま
た、整数値として表されたことによって生ずる各出力の
ゲインの変化分は前記図21の量子化部3において吸収
する。すなわち、ディジタルフィルタ部の係数が全て整
数値となるように所定倍数したものを係数とし、これに
よるゲインの変化分は、量子化部3における量子化のた
めの除算(逆数の乗算)演算時に、まとめて一度に行う
ようにする。図4は、その時の量子化テーブルの例であ
る。
【0046】次に、本実施例の動作を説明する。従来例
であれば各フィルタの出力L及びHを計算するのに必要
な係数、−1/3、2/3、−2/3、1/3等を2進
数の小数で表現した場合には係数を表現する時点で丸め
による誤差が加わり精度が劣化し、その精度が劣化した
係数を12度にわたつて演算に使用しているため最終的
な出力データは、かなり精度劣化していたが、本実施例
ではディジタルフィルタ部2の係数を所定倍して、ディ
ジタルフィルタ部2の演算を全て、整数演算可能にして
いる。例えば、Lは従来の演算では前記式(3)で示さ
れていたが、本実施例では各係数を3倍し、整数値とす
ることによって以下の式(10)の形で示される。 L=−Z+2×Z−1+3×Z−2=Z−3 式(10 ) 同様に、Hは以下の(式11)の形で示される。 H=Z−2×Z−1+3×Z−2+Z−3 式(11) 上記式(10)及び式(11)によって求められるL及
びHは従来のものと比べて3倍になっている。ここで、
ディジタルフィルタ部全体としての出力F0〜F7につ
いて考えると3段のフィルタ部を通過した値が出力され
るのでゲインの変化は3=27倍となる。すなわち、
ディジタルフィルタ部2を比較すると従来の演算結果と
比較して、27倍の値が出力される。全体としての出力
の値を従来の出力と同様にするため、量子化部3にこの
ゲインの変化分の27倍を吸収させるようにした量子化
テーブルの例が図4の値である。量子化部3では、ディ
ジタルフィルタ部2の出力F0〜F7に対して、これら
の値で除算を行うので、従来の値をゲインの変化分、す
なわち、27倍してやれば、全体としての出力は従来の
ものと同じゲインとなる。
【0047】上記の例ではフィルタ11〜17のタップ
係数が全て同じであり、また、L及びHのゲインの変化
も同じであったがこれらが、異なっていた場合について
考える。例えば、フィルタのLは3倍、Hは5倍のゲイ
ン変化があったとする。同様にフィルタ12、14のL
は5倍、Hは3倍、フィルタ13、15のLは3倍、フ
ィルタ16、17のLは5倍、Hは7倍の変化があると
する。このときのF0〜Fのゲインの変化は以下のよう
になる。例えば、出力F0はフィルタのL、フィルタ1
2のL、フィルタ14のL出力であるから、そのゲイン
変化は、3×5×5=75倍となる。同様にF1〜F7
のゲインの変化はF1→45、F2→27、F3→2
7,F4→75、F5→105、F6→105、F7→
75倍となる。各出力のゲイン変化分を前記の例と同じ
ように、各出力に対応する量子化テーブルに乗ずること
により新しい量子化テーブルを得ることができる。この
時の量子化テーブルの例が図5である。
【0048】以上説明したように、本実施例ではディジ
タルフィルタ部のタップ係数を整数の比に置き変えると
ともに、そのゲインの変化を量子化部3により吸収させ
るようにしているので、誤差を含んだ係数による演算は
量子化部において一度行われるのみでありそれ以外の演
算は丸め誤差を含まない整数の比によって行なうことが
できる。その結果、量子化の前までの演算におけるデー
タビット幅を従来のものより大幅に小さくすることがで
き、小さなバス幅で高い演算精度を得ることができる。
このように高い演算精度を持ちかつ回路規模の小さなデ
ータ圧縮装置が実現できることからDCTを用いた画像
圧縮や音声圧縮を行うデータ圧縮装置に適用して好適で
ある。
【0049】なお、本実施例では係数を例えば所定の整
数の比とする例を示したが、これには限定されず、整数
の比で表されるものであればどのような整数比でもよく
整数値であってもことは言うまでもない。また、データ
ベクトル(数値例)に対してデータ変換を行なうもので
あれば、データ変換の種類はなんでもよく、例えばFF
T,DCT,LOT等の直交データ変換に適用可能であ
る。また、帯域分割を行なう直交ミラーフィルタ(QM
F:quadrature mirror filte
r)を用いてもよい。また、ディジタルフィルタ部の係
数のゲインを量子化部で吸収させるようにしているが、
かかるゲインが調整できるものであればどのような量子
化部で調整してもよいことは勿論である。
【0050】(第3実施例) 図1及び図2に示すデータ圧縮装置は、データ記憶手段
から出力されたデータに対して所定のタップ係数に基づ
いて特定周波数成分を抽出するディジタルフィルタ部に
量子化の機能を持たせることによって量子化部を不要に
するものであった。しかして、上記の基本的な考え方は
ディジタルフィルタ部と量子化部だけではなくて広くD
CT演算部と量子化部との間でも実現され得るものであ
る。そこで第3の実施例では、DCT演算部を備えたデ
ータ圧縮装置において小さな回路規模で精度良くデータ
の圧縮を行うことが可能なデータ圧縮装置を提供する。
【0051】以下、本実施例を図面に基づいて説明す
る。原理説明 先ず、本実施例の基本的な考え方を説明する。図26に
示した従来のデータ圧縮装置では、DCT演算部6は周
波数成分を抽出するためだけに用いられていたために、
データ圧縮するためには量子化部3によって量子化専用
の乗算を行う必要があった。具体的には、図24に示す
ように量子化演算用乗算器41によって量子化係数の乗
算を行っていた。ところで、かかる量子化係数の乗算と
同様の乗算はDCT演算部6内で積和演算という形で乗
算器50〜53によって入力データに係数C、C
掛ける乗算として行われている。
【0052】本発明者は、この点に着目してcos係数
を、量子化係数分を乗じた係数に変化させることによっ
て周波数特性を変化させ、そのことによりDCT演算部
に量子化の機能をもたせようとするものである。例え
ば、前記図27のDCT演算部6の最終段のベクトル回
転演算部(図29参照)の出力F0、F4に着目する
と、その出Fは数10で示される。
【0053】
【数10】
【0054】式(12)中、1/2は量子化テーブル
(図25)から与えられる係数「2」の逆数であり、破
線で囲んだ括弧内がDCT演算部である。この式(1
2)から明らかなように従来はDCT演算部で積和演算
をした結果に量子化係数を乗算していたが、本発明者は
式(12)の括弧を外すように式(12)を式(13)
に変形することによって乗算と加算を一回で済ますよう
にするものである。
【0055】
【数11】
【0056】これによって量子化部を省略することが可
能となり、回路規模を大幅に小さくすることができると
ともに、乗算回数を減少させて演算精度を向上させるこ
とができる。
【0057】次に、図6〜図9を参照して本実施例に係
るデータ圧縮装置の具体的な構成と動作を説明する。先
ず、構成を説明する。図6はデータ圧縮装置のブロック
図であり、前記図26に対応する。図6において、本デ
ータ圧縮装置は、処理すべきデータを記憶装置1と、デ
ータ記憶装置1から読出したデータから特定周波数成分
を抽出すると同時に量子化を行うDCT演算部10と、
量子化されたデータを記憶するデータ記憶装置4と、各
部装置の動作を制御する制御部5とから構成されてい
る。
【0058】図7は上記DCT演算部10の構成図であ
り、前記図27に対応する。また、図8、図9はそれぞ
れ前記図28、図29に対応する。図7において、DC
T演算部10はデータ入力f0〜f7に対して所定のバ
タフライ演算が複数段組み合わされて構成されており、
最終段の出力F0’〜F7’がDCT演算部10の周波
数成分の抽出及び量子化の出力となる。ここで、DCT
演算部10の最終段のベクトル回転部(図9)の係数は
従来のcos係数に量子化係数分を乗じた係数(△印で
囲んだ数値)に変えられている。従って、図9に示すよ
うに、cos係数に量子化係数が含まれた係数a、b、
c、dとして表される。図10は最終段のバタフライ演
算の係数e〜tを示す図である。
【0059】図11はDCT演算部10を構成するバタ
フライ演算部のうち、係数がついたものの回路構成図で
あり、前記図30に対応するものである。図11におい
て、係数つきバタフライ演算部は、バタフライ演算の係
数a、b、c、dを格納する係数RAM120〜123
と、係数RAM120〜123から出力された係数a、
b、c、dを乗算する乗算器124〜127と、乗算器
124と125の出力を加算する加算器128及び、乗
算器125の出力から乗算器127の出力を減算する減
算器129とにより構成されている。
【0060】すなわち、本DCT演算部10のバタフラ
イ演算部は、乗算器124〜127、加算器128及び
減算器129からなる従来と同様のバタフライ演算部
に、新たにに制御部5からロードされた係数a、b、
c、dを格納する係数RAM120〜123を設け、従
来固定データとしてROMから供給されていた係数に代
えて、この係数RAM120〜123に蓄えた係数a、
b、c、dを使用するようにしている。これは、バタフ
ライ演算の係数は基本的に変わらないのに対し量子化の
係数は圧縮の程度によって大きく変わることがあるため
バタフライ演算の係数を固定させずに変更可能にするた
めである。
【0061】次に、本実施例の動作を説明する。図9の
バタフライ演算部において、乗算器124〜127は入
力されたデータに対して係数RAM120〜123から
取出した係数a、b、c、dを乗算する。従来例では、
この係数は固定されていたが、本実施例では係数RAM
120〜123から入力されるようになっており可変で
ある。このような構成におけるバタフライ演算の出力u
及びvは以下の式(14)、式(15)で表される(図
9参照)。 u=ax+by 式(14) v=cx−dy 式(15)
【0062】これに対し従来のバタフライ演算の出力u
及びvは前記式(1)、式(2)で表されている(図2
9参照)。式(14)及び式(15)と式(1)及び式
(2)を比較すると、a=d=cos(M/16)
π、b=c=cos(M/16)πであったとすると、
従来例と本実施例は全く同じものとなる。ここで、本実
施例では、係数は可変であるから、例えばa=1/2×
cos(N/16)π,b=1/2×cos(M/1
6)π,c=1/3×cos(M/16)π,d=1/
3×cos(N/16)πという値にしてみると出力u
及びvは以下の数12、数13で表される。
【0063】
【数12】
【0064】
【数13】
【0065】ここで、上記式(16)、式(17)にお
いては、uは従来のuの1/2、vは1/3倍された値
となる。つまり、係数a及びcに、図30で示される従
来のC0、C1に何か値を掛けたものをロードすると、
出力uにその値が反映されるのである。vについても同
様であるから、係数a、b、c、dを変えることによっ
て、出力のゲインを自由に変えることできるようにな
る。
【0066】従って、前記図27の最終段の4つのバタ
フライ演算を図10に示す係数が可変なバタフライ演算
に変更してDCT演算部10を構成すれば量子化部をD
CT演算部に吸収することが可能になる。なお、上述の
例は一次元の場合であり画像等の二次元の場合には、こ
の処理を縦横2度行うことによって実現する。
【0067】以上説明したように、本実施例のDCT演
算部10の最終段のバタフライ演算部は、乗算器124
〜127、加算器128及び減算器129からなる演算
部に新たに制御部5からロードされた係数a、b、c、
dを蓄える係数RAM120〜123を設け、この係数
RAM120〜123に蓄えた係数a、b、c、dをc
os係数を量子化係数分を乗じた係数に変えることによ
って周波数特性を変えることができ、その結果量子化演
算を行なう必要がなくなり回路規模を大幅に小さくする
ことができる。また、演算回数を減らすことができるこ
とから全体として演算精度を向上させることができる。
【0068】(第4実施例) 図3〜図5に示すデータ圧縮装置は、前記デジタルフィ
ルタ部のタップ係数同士を整数の比に置き換えるととも
に、該整数の比に置き換えることにより生じたゲインの
変化を、量子化部により調整することによって演算bi
t幅を小さくし、データ圧縮の際の演算精度を向上させ
るものであった。しかして、上記基本的な考え方はディ
ジタルフィルタ部と量子化部だけでなくて広くDCT演
算部と量子化部との間でも実現され得るものである。そ
こで第4の実施例では、DCT演算部を備えたデータ圧
縮装置において、小さな回路規模で精度良くデータの圧
縮を行うことが可能なデータ圧縮装置を提供する。
【0069】以下、本実施例を図面に基づいて説明す
る。本実施例の基本的な考え方は前記第2実施例と同様
であるが、特にDCT演算部の係数を、整数比に変える
ときに、該整数比に変えることにより生じたゲインの変
化を量子化部により調整するようにしたことを特徴とし
ている。このように、DCT演算部の係数が整数比に変
えられ、そのゲインの変化が量子部により調整される。
従って、演算部が誤差を含まない整数の比によって行な
われることとなり従来と同じbit幅を用いた場合には
誤差が小さくなって演算精度が格段に向上し、また、同
程度の精度を確保しようとした場合にはbit幅を大幅
に減少させることができ、回路規模が大幅に小さくな
る。
【0070】次に、図12〜図20を参照して本実施例
に係るデータ圧縮装置の具体的な構成と動作を説明す
る。図12は、データ圧縮装置のデータ変換部(DCT
演算部)を示す構成図であり、前記図27に対応する図
である。また図13、図14は前記図28、図29と同
様のバタフライ演算部を示す図であり、図15は本実施
例のバタフライ演算部の係数を示す図である。図12に
おいて、130〜133はバタフライ演算部であり、従
来例においてはcos係数によるバタフライ演算を行っ
ていたが、本実施例においては各cos係数は図16に
示すような整数の比(図12中△で囲んだ数値参照)に
よって近似される。なお、整数の比は必ずしもこのよう
な比である必要はなく、もっと桁数の多い比を用いて、
より正確な比に置き変えるようにしてもよい。また、整
数比による演算では本来行われるべき演算とはゲインが
異なってしまうので量子化演算によってそのゲイン差を
吸収するようにする。
【0071】図17は、上記ゲイン吸収を行うための量
子化テーブルの例である。従来のDCT演算部の出力F
6に対する量子化テーブルは図25に示すように「7」
であったが、上述した整数比演算によって本実施例のD
CT演算部の出力のF6’は、従来の出力F6と比べて
2/cos(6/16)π倍された値が出力される。す
なわち、ゲインが2/cso(6/16)π倍となるの
で、本実施例における量子化テーブルは、従来のものに
ゲインの逆数を掛けた値の7×cos(6/16)π/
2という量子化テーブルとなる。
【0072】このような量子化テーブルを用いた場合、
一見すると従来のものと比べて量子化演算のbit幅
が、従来のものよりも多く必要であるかのようにも考え
られる、実際には、量子化演算には、逆数の乗算である
ため、7の逆数も、7×2/cos(6/16)πの逆
数も、ともに無限小数となるため、丸め近似を必要と
し、ほぼ同じ程度の誤差を含む。すなわち、従来のco
s係数を2進歩の小数で表現した時点で丸め誤差が乗っ
てしまうので、整数の比に置き変えても誤差を押さえる
ためにbit幅を大きくする必要はない。
【0073】次に、本実施例の動作を説明する。従来例
では例えばF2をcos(1/16)π、cos(6/
16)πを2進法の小数で表現した場合には図16に示
すように無限小数であって演算に多くのbit幅を必要
とするにもかかわらず、丸めによる誤差が加わって精度
が劣化していたが、本実施例では、データ変換部の最終
段のバタフライ演算のcot係数を整数比に置き換える
ことによって、同等の演算精度でbit幅を減少させて
いる。具体的には、前記図27のデータ変換演算部の最
終段のバタフライ演算出力F6と、本実施例の最終段の
バタフライ演算出力F6′とを比較して説明する。
【0074】従来例のバタフライ演算出力F6を求める
には、cos(2/16)πとcos(6/16)πと
いう2つの係数による演算を必要としたが、これらの値
は図16に示すように無限小数によって示される。い
ま、cos(2/16)πとcos(6/16)πの比
をとったとすると、5:2という比によって近似され
る。このようにして、演算係数を整数の比に置き換えた
値によって演算が行われることになる。演算係数同上を
整数の比に置き換えることによって生じたゲインの変化
は第3実施例と同様に量子化部によって吸収する。
【0075】以上説明したように、本実施例では、デー
タ変換演算部の最終段のバタフライ演算の演算係数を整
数の比に置き換えるとともに、そのゲインの変化を量子
化部により吸収しているので、その結果データ変換部の
演算bit幅を大幅に減少させることができる。また、
逆に、従来と同等のbit幅を持つようにした場合、従
来よりも、高い精度で演算を行うことが可能となる。
【0076】なお、上記図には最終段のバタフライ演算
だけを整数比近似していたが、図18に示すように2段
目のバタフライ演算も整数比として近似することができ
る図19はバタフライ演算部の係数を、図20は係数の
整数比近似を示す図である。このように、2段目及び最
終段のバタフライ演算を整数比に置き換えると、さらに
bit幅を減らすことが可能となり回路規模を大幅に縮
小することができる、また、bit幅を同じにした場合
にはさらに演算精度を向上させることができる。図18
の場合の量子化テーブルは図12の時の量子化テーブル
のさらに1/7の値となる。
【0077】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ディジタ
ルフィルタ手段のタップ係数同士を整数の比に置き換え
るとともに、該整数の比に置き換えることにより生じた
ゲインの変化を、前記量子化手段により調整しているの
で、演算精度を高めることができ、画像などのデータ圧
縮に利用することができる。
【0078】請求項2記載の発明によれば、データ変換
演算手段の係数を、整数比に置き換えるとともに、該整
数比に変えることにより生じたゲインの変化を前記量子
化手段により調整しているので、量子化手段を設けて量
子化演算を行う必要がなくなり回路規模を大幅に小さく
することができ、演算回数を減少させて、演算精度を向
上させることができる。
【0079】
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】データ圧縮装置のブロック構成図である。
【図2】データ圧縮装置のディジタルフィルタの回路構
成図である。
【図3】データ圧縮装置のディジタルフィルタの回路構
成図である。
【図4】データ圧縮装置の量子化テーブルの例を示す図
である。
【図5】データ圧縮装置の量子化テーブルの例を示す図
である。
【図6】データ圧縮装置のブロック構成図である。
【図7】データ圧縮装置のDCT演算部の構成図であ
る。
【図8】データ圧縮装置のDCT演算部のバタフライ演
算を示す図である。
【図9】データ圧縮装置のDCT演算部のバタフライ演
算を示す図である。
【図10】データ圧縮装置のバタフライ演算の係数を示
す図である。
【図11】データ圧縮装置のバタフライ演算部の構成図
である。
【図12】データ圧縮装置のデータ変換部の構成図であ
る。
【図13】データ圧縮装置のデータ変換部のバタフライ
演算部を示す図である。
【図14】データ圧縮装置のデータ変換部のバタフライ
演算部を示す図である。
【図15】データ圧縮装置のデータ変換部のバタフライ
演算部を示す図である。
【図16】データ圧縮装置のDCT演算部の係数の変換
例を示す図である。
【図17】データ圧縮装置の量子化テーブルの例を示す
図である。
【図18】データ圧縮装置のデータ変換部の構成図であ
る。
【図19】データ圧縮装置のデータ変換部の係数を示す
図である。
【図20】データ圧縮装置のデータ変換部のバタフライ
演算部を示す図である。
【図21】従来のデータ圧縮装置のブロック構成図であ
る。
【図22】従来のデータ圧縮装置のディジタルフィルタ
の回路構成図である。
【図23】従来のデータ圧縮装置のディジタルフィルタ
の回路構成図である。
【図24】従来のデータ圧縮装置の量子化部の構成図で
ある。
【図25】従来のデータ圧縮装置の量子化テーブルの例
を示す図である。
【図26】従来のデータ圧縮装置のブロック図である。
【図27】従来のデータ圧縮装置のDCT演算部の構成
図である。
【図28】従来のデータ圧縮装置のDCT演算部のバタ
フライ演算部を示す図である。
【図29】従来のデータ圧縮装置のDCT演算部のバタ
フライ演算部を示す図である。
【図30】従来のデータ圧縮装置のバタフライ演算部の
構成図である。
【符号の説明】
10 DCT演算部 61 データ記憶装置 62 ディジタルフィルタ部 63 データ記憶装置 64 制御部 70 ディジタルフィルタ 71〜78 乗算器 79〜84 加算器 85〜87 データレジスタ 88〜95 タップ係数レジスタ 120〜123 係数RAM 124〜127 乗算器 128 加算器 129 減算器 130〜133 バタフライ演算部 l0’〜l3’,h0’〜h3’ タップ係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 H04N 1/41 H04N 7/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のデータを記憶する手段と、 前記記憶データ手段から出力されたデータに対して所定
    のタップ係数に基づいて特定周波数成分を抽出するディ
    ジタルフィルタ手段と、 量子化演算を実行する量子化手段と、 前記データ記憶手段、前記ディジタルフィルタ手段及び
    前記量子化手段を制御する制御手段とを備えたデータ圧
    縮装置であって、 前記ディジタルフィルタ手段のタップ係数同士を整数の
    比に置き換えるとともに、該整数の比に置き換えること
    により生じたゲインの変化を、前記量子化手段により調
    整するようにしたことを特徴とするデータ圧縮装置。
  2. 【請求項2】 所定のデータを記憶するデータ記憶手段
    と、 前記データ記憶手段から出力されたデータに対して所定
    の係数に基づいてデータ変換演算を実行するデータ変換
    演算手段と、 量子化演算を実行する量子化手段と、 前記データ記憶手段、前記データ変換演算手段及び前記
    量子化手段を制御する制御手段とを備えたデータ圧縮装
    置であって、 前記データ変換演算手段の係数を、整数比に変えるとと
    もに、該整数比に変えることにより生じたゲインの変化
    を前記量子化手段により調整するようにしたことを特徴
    とするデータ圧縮装置。
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