JP3225444B2 - 浴槽湯の清浄化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は風呂装置に係り、特に浴
槽内の湯を循環ポンプにより各種清浄化手段の配備され
た循環路内を強制循環させて湯の清浄化処理を行う浴槽
湯の清浄化装置における殺菌手段に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、浴槽内の湯を循環ポンプで強制循
環させ、強制循環路に配備された各種清浄化手段によっ
て処理し、絶えず清浄な湯での入浴を楽しめる清浄化装
置を浴槽に付設することが多くなった。

【０００３】従来の装置では濾過装置でのフイルターに
よる濾過だけが主に行われていたが、特に最近の装置で
は、単に湯中の汚れを濾過により取り除くだけでなく、
活性石タンクでの活性化、殺菌装置による殺菌、保温用
ヒータでの加熱等様々な処理をも加えて、２４時間いつ
でも清浄で適温の湯で快適な入浴を楽しめるようにして
いる。

【０００４】清浄化装置における殺菌法としては、湯の
循環路に湯の流速を速めて負圧として吸気を行うアスピ
レータ式の気液混合器を配備し、この気液混合器に高圧
放電型のオゾナイザーを装着したオゾン化空気供給管を
接続して湯中にオゾン化空気を混入するオゾン殺菌が簡
便な殺菌法として広く利用されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにオゾン化空気を湯中に混入して殺菌を行う場合、吸
気音が発生し、日中はさして気にならないものの夜間静
かな状態では意外にこの音が気になる。

【０００６】湯をオゾン殺菌した場合、湯中に混入され
た過剰のオゾンが浴槽から浴室内に放出され、入浴者に
不快な臭いを嗅がせたり健康への害まで心配させるの
で、このような浴室中への過剰のオゾンの放出を防ぐた
め、オゾンクローズドシステムにより排オゾン対策を採
った装置が開発されているが、このような装置の場合に
は特に吸気音に加えて排気音も出るので音がうるさくな
る。

【０００７】すなわち、オゾン殺菌においてオゾンクロ
ーズドシステムでは、気液混合器で湯中に混合されたオ
ゾンの内の過剰のオゾンは気液混合器の下流に配備され
た気液分離器により回収され、この回収オゾンを再び気
液混合器から湯中に混入して再利用し、回収オゾンが利
用を繰替えされ排気濃度となった段階で排気するシステ
ムであるので、オゾナイザーからのオゾン化空気の吸入
音、回収オゾンの吸入音及び排気音の３つそれぞれ音色
の異なる音が頻繁に発生し、深夜にはこれがうるさく感
じる。

【０００８】本発明は、前記したような従来技術の欠点
を解消し、２４時間殺菌は続けられ、しかも深夜等自分
が希望する時間に限ってははオゾン殺菌に伴う騒音の発
生を押えられるような清浄化装置を提供することを目的
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、浴槽
内の湯を吸湯管から汲み上げて濾過装置で濾過し、ヒー
タで入浴温度に加熱し、オゾンで殺菌するオゾン殺菌手
段と湯を高温の加熱殺菌温度に加熱する高温加熱殺菌手
段とを備え、噴湯管から再び浴槽に噴出させる浴槽湯の
清浄化装置において、深夜等の任意の設定した時間帯に
おいて静音運転を実行させる静音運転設定手段を設け、
該静音運転設定手段によって静音運転が設定された時間
帯においては、オゾン殺菌装置による殺菌を停止し、前
記高温加熱殺菌手段での殺菌に切り換えられて、殺菌が
継続されるようにしたことを特徴とする浴槽湯の清浄化
装置により、課題を解決した。

【００１０】

【発明の作用】本発明は以上のように構成され、利用者
が静音モードを選択した時間に限っては殺菌手段がオゾ
ン殺菌から高温加熱殺菌に変換されるので音の発生がな
く静かである。

【００１１】しかも殺菌効果については、入浴が頻繁に
行われ湯の汚れのひどい平常の運転の際にはオゾンクロ
ーズドシステムを採用して排オゾン対策を十分に採って
の完全なオゾン殺菌が行え、入浴者がいないために湯の
汚れがほとんどない深夜等は多少殺菌力の劣る高温加熱
殺菌でも湯を十分な殺菌状態を保てる。

【００１２】

【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。

【００１３】まず図１の装置配列図及び図２のブロツク
図によりオゾンクローズドシステムを採った殺菌装置を
持つ本発明の清浄化装置の全体的な構成について説明す
る。

【００１４】清浄化装置２は、フイルターの装填された
濾過タンク３、湯を強制循環する循環ポンプ４、湯を入
浴のために適温に加熱したり、殺菌のために高温に加熱
したりするヒータ５、湯中に混入された過剰のオゾンを
湯中から分離する気液分離器としても機能する湯を活性
化するための活性石７を充填した活性石タンク６等の各
種清浄化手段が連結管８，９，１０等で直列に連結して
配備され、吸湯管１２及び排湯管１３を介して浴槽１に
接続している。

【００１５】連結管１０には殺菌のため湯中にオゾン化
された空気を混入するためのアスピレータ式の気液混合
器１１が配備され、この気液混合器５にはエアーポンプ
１５、高圧放電式のオゾナイザー１６、給気弁１７等が
配備されているオゾン供給管１４が接続している。

【００１６】活性石タンク６の上部からは回収オゾン循
環管１８が循環弁１９を介してオゾンン供給管１４に給
気弁１７の下流位置で接続し、回収オゾン循環管１８の
循環弁１９の上流位置からは排気管２０が分岐し排気弁
２１を介して排湯管１２に接続している。

【００１７】また、活性石タンク６の上部にはタンク内
のオゾン化空気の回収量及び排気量を検知するために水
位を検出するための上下のフロートスイツチ２２及び２
３が装着されている。

【００１８】この装置には他に、運転条件を入力するた
めの入力装置２４、入力装置２４から入力に応じて各清
浄化手段を制御する制御装置２５、湯温を適温に保つた
め循環中の湯の温度を検知する湯温センサ２７、入力装
置２４から入力された運転条件等を表示する表示装置２
６等も配備されている。

【００１９】次に図３の制御ブロツク図により入力装置
２４及び制御装置２５の詳細を更に説明する。

【００２０】入力装置２４には、装置の運転、停止をす
るための運転／停止キー２８、入浴温度を設定するため
の湯温設定キー２９、静音運転を選択するための静音運
転キー３０、静音運転を必要とする時間を設定するため
の静音時間設定キー３１等の各種の操作キーが配備され
ている。

【００２１】制御装置２５は、演算処理装置としてのＣ
ＰＵ３３、装置の運転条件に応じた制御プログラムを記
憶したプログラムＲＯＭ３４及び演算処理のために演算
データを一時的に記憶するＲＡＭ３５とで構成されるい
わゆるマイクロコンピユータ３２とこのマイクロコンピ
ユータ３２で演算された制御データに基づいて各種装置
を制御するための運転制御回路３６とから成っている。

【００２２】運転制御回路３６には、殺菌処理のための
制御回路として、通常運転の際にオゾン殺菌するための
オゾン殺菌制御回路３７と、静音運転の際に高温加熱殺
菌するための高温加熱殺菌制御回路３８とが含まれてい
る。

【００２３】次に、以上のように構成される本発明の清
浄化装置の実際の運転動作について説明する。

【００２４】入力装置２４の運転／停止キー２８が押さ
れると、湯温は湯温設定キー２９を介して湯温設定装置
３９に設定された入浴温度となり、殺菌はオゾン殺菌制
御回路３７で制御されるクローズド化されたオゾン殺菌
が行われる通常運転が開始される。

【００２５】循環ポンプ４の作動に伴い吸湯管１２から
吸い上げられた浴槽１内の湯は、濾過タンク３で汚れの
濾過がされた後、ヒータ５で前記したようにして設定さ
れた入浴温度が維持されるよう湯温センサ２７で湯温を
検知しつつ加熱される。

【００２６】ヒータ５での加熱の終わった湯には、エア
ーポンプ１５から送られオゾナイザ１６での高圧放電に
よりオゾン化されオゾン供給管１４から供給されるオゾ
ン化空気が気液混合器１１で混合され、オゾン殺菌が行
われる。

【００２７】この際、制御装置２５のオゾン殺菌制御回
路３７は、エアーポンプ１５とオゾナイザ１６を作動さ
せるとともに、オゾンの流通管路の弁の開閉状態は、給
気弁１７は開き、循環弁１９及び排気弁２１は閉じた状
態となるよう制御している。

【００２８】オゾン殺菌された湯は続いて気液分離タン
クを兼ねる活性石タンク６に入り、湯に混入された未反
応の過剰オゾンの分離と活性石７による活性化処理とが
同時に行われる。

【００２９】すなわち、活性石タンク６では、連結管１
０を経てタンク内に入った湯が活性石７の外周とタンク
との隙間を通って上昇し活性石７上方に一旦溜まり、そ
の後活性石７内を下降して排湯管１３から排出される
が、湯が活性石７中を下降する際に、活性石７との接触
により活性化されるとともに、活性石７は湯流れに対し
て抵抗を与えるので湯中に混入されている過剰のオゾン
が分離される。

【００３０】活性石タンク６内で分離されたオゾンはタ
ンク上方の湯とタンクとの空間部に次第に溜まって行
き、タンク内の湯はオゾンが溜まるにしたがつて下方に
押圧され水位が次第に下がって行く。

【００３１】回収オゾン量が所定量となり水位がＡまで
下がると、下フロートスイツチ２３がこれを検知し、制
御装置２５は、回収オゾンでの殺菌を行うため、エアー
ポンプ１５及びオゾナイザ１６の作動を停止させ、オゾ
ンの流通管路の弁は、循環弁１９を開いて給気弁１７を
閉じ、排気弁２１は閉じたままとするよう制御する。

【００３２】このような制御により、オゾン殺菌は、活
性石タンク６内で気液分離された回収オゾンが回収オゾ
ン供給管１８を経て気液混合器１１に供給され、この回
収オゾンを利用した殺菌となる。

【００３３】回収オゾンで殺菌された湯中の過剰のオゾ
ンは、前記したと同様、活性石タンク６内で気液分離さ
れ再び回収オゾンとなって殺菌に利用され、この循環が
続くにしたがって回収オゾンの濃度は次第に低下して行
き、やがて排気しても無害である程度の濃度となる。

【００３４】このような回収オゾンが排気濃度になった
か否かの判断は、活性石タンク６内にオゾン濃度計を配
備しておいて濃度測定に基づいて行うか、或は、予め実
験によって回収オゾンでの殺菌時間と濃度との関係を求
めておき、時間管理によって行うかする。

【００３５】いずれにしろ、回収オゾンの濃度が排気濃
度になったと判断されると、制御装置２５はオゾン流通
管路の弁を、排気弁２１を開くとともに循環弁１９を閉
じ、勿論給気弁１７は閉じたままの状態とし、排気管２
０を通して排湯管１３中に活性石タンク６内の回収オゾ
ンを排気する。

【００３６】活性石タンク６内の回収オゾンが排気され
ると圧力が低下するのでタンク内の水位が上がって行
き、やがて排気が終わると水位はＢの状態になる。

【００３７】水位がＢまで上昇し回収オゾンの排気が終
わったことを上フロートスイツチ２２が検知すると、、
制御装置２５は、オゾン流通管路の弁を、排気弁２１を
閉じるとともに給気弁１７を開き、循環弁１９は閉じた
ままとし、同時にエアーポンプ１５とオゾナイザ１６が
作動するように制御する。

【００３８】これによりオゾナイザー１６で発生したオ
ゾンを利用しての殺菌が再び開始されるが、以上の説明
から明らかなように、このクローズドシステムでのオゾ
ン殺菌は、有害なオゾンが浴室内に放出される恐れはな
いものの、湯中へのオゾン化空気の混入、排気が絶えず行
われるとともに、エアーポンプの作動も行われ、音の発
生が絶えない。

【００３９】次に入力装置２４で静音運転キー３０が押
されるとともに静音時間設定キー３１で静音時間の設定
が行われた場合の装置の運転状態を図４のフローチヤー
トに基づいて説明する。

【００４０】第１ステツプＳ１で運転キーが押されて第
２ステツプＳ２としてオゾン殺菌が行われていた前記し
たような通常モードの運転の状態から、第３ステツプＳ
３として静音モードの運転状態に切り替わると、まず第
４ステツプＳ４として、エアーポンプ１５及びオゾナイ
ザ１６の作動が停止されることは勿論、給気弁１７及び
循環弁１９が共に閉じられる。

【００４１】続いて第５ステツプＳ５として、排気弁２
１を開き活性石タンク６内のオゾンを含む空気を前記し
たように排湯管１３中に排気する。

【００４２】次に第６ステツプＳ６として、上フロート
スイツチ２２により排気が総て終了したことが検知され
ると、第７ステツプＳ７として、排気弁２１を閉じると
ともに、高温加熱殺菌制御回路３８の制御に基づいて湯
温設定装置３９の設定温度を入浴温度から４２℃以上の
高温加熱殺菌温度に変え、湯温センサ２７で湯温を検知
しつつヒータ５による加熱を開始する。

【００４３】この静音モードの運転状態において、湯中
に混入していた空気が分離したりして気液分離器として
の活性石タンク６内に空気が溜まると湯の水位が下がる
ために湯流れ音が発生するので、第９ステツプＳ９とし
て、タンク内に空気が溜まったか否かを前記したような
水位の変動によって絶えず検知しており、空気が溜まっ
た場合には排気弁２１を開いて排気する。

【００４４】第１０ステツプＳ１０として、入力装置２
４の静音時間設定キー３１で設定された静音モードでの
運転時間が経過したか否かを判断し、設定時間が経過
し、第１１ステツプＳ１１で装置の運転が終了してない
と判断された場合には、湯温を入浴温度に設定し、殺菌
はオゾン殺菌とする通常運転に再び戻る。

【００４５】

【発明の効果】本発明は以上のような構成及び作用のも
のであり、深夜等、音の発生しない静かな運転を行いた
い場合には、入力装置で静音運転を選択すると、設定し
た時間に限っては、殺菌が、音の発生のあるオゾン殺菌
から音が発生しない高温加熱殺菌に切り替わる。

【００４６】また殺菌効果についても、高温加熱殺菌は
オゾン殺菌に比べて多少劣るところがあっても、これが
行われるのは入浴者がなく、湯の汚れが殆どない時間に
限られ、入浴者があって湯の汚れがひどい時間には、ク
ローズドシステムにより排オゾン対策のしっかり採られ
たオゾン殺菌により効果的な殺菌が行われるので、全く
問題はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 装置配列図、

【図２】 装置ブロツク図、

【図３】 制御ブロツク図、

【図４】 フローチヤート。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 清浄化装置 ４ 循環ポンプ ５ ヒータ １１ 気液混合器 １４ オゾン化空気供給管 １６ オゾナイザ ２４ 入力装置 ２５ 制御装置 ２８ 運転／停止キー（通常運転キー） ３０ 静音運転キー ３７ オゾン殺菌制御回路 ３８ 高温加熱殺菌制御回路 ３９ 湯温設定装置

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｃ０２Ｆ 1/50 ５２０ Ｃ０２Ｆ 1/50 ５２０Ｌ ５３１ ５３１Ｒ ５４０ ５４０Ａ ５５０ ５５０Ｌ ５６０ ５６０Ａ ５６０Ｚ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽内の湯を吸湯管から汲み上げて濾過装
   置で濾過し、ヒータで入浴温度に加熱し、オゾンで殺菌
   するオゾン殺菌手段と湯を高温の加熱殺菌温度に加熱す
   る高温加熱殺菌手段とを備え、噴湯管から再び浴槽に噴
   出させる浴槽湯の清浄化装置において、深夜等の任意の
   設定した時間帯において静音運転を実行させる静音運転
   設定手段を設け、該静音運転設定手段によって静音運転
   が設定された時間帯においては、オゾン殺菌装置による
   殺菌を停止し、前記高温加熱殺菌手段での殺菌に切り換
   えられて、殺菌が継続されるようにしたことを特徴とす
   る浴槽湯の清浄化装置。