JP3224689U - 接着剤塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】建築用板材の側面に接着剤を均一に塗布することができると共に、メンテナンス作業や接着剤を加熱する作業が容易である接着剤塗布装置を提供する。【解決手段】建築用板材を保持させるワークホルダ10と、ワークホルダの上方で水平に延びているレール部21Rに沿ってスライダを移動させ、スライダの移動速度を制御する速度制御部を有するスライド装置20と、接着剤が収容されたカートリッジ31、接着剤を吐出させるノズル32、及びノズルからの接着剤の吐出をオン・オフするバルブ装置33を有する接着剤吐出装置30とを具備する接着剤塗布装置1であり、接着剤吐出装置がスライダに固定されている。【選択図】図1
Description
本考案は、建築用板材の側面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置に関するものである。
サイディングボードなど平板状の建築用板材で壁面を被覆する場合、隣接する建築用板材どうしが対面する側面に接着剤を塗布し、接合する。従来、建築用板材の側面に接着剤を塗布する作業は、接着剤が収容されたタンクにホースの一端を接続する一方で、ホースの他端に手持ちのノズル装置を接続し、タンクからノズル装置まで接着剤を圧送すると共に、ノズル装置のノズルを作業者が建築用板材の側面に沿って移動させることにより行っていた。
しかしながら、上記のような従来工法では、タンクからノズルまで延びるホースの内部で接着剤が硬化するため、これを除去するメンテナンス作業の労力負担が大きいという問題があった。また、接着剤を接着に適した温度まで加熱する必要がある場合、タンクのみならず、タンクからノズル装置に至るまでホースを全長にわたり加熱する必要があり、その作業に手間がかかると共に、ホースを全長にわたりムラなく加熱することが難しいという問題があった。
加えて、作業者の腕の移動によって、手持ちのノズル装置を建築用板材の側面に沿って移動させる作業では、接着剤を均一に塗布できないという問題があった。接着剤の塗布が不均一であると、接着剤が不足する箇所では建築用板材どうしの接合が不十分となる一方、接着剤が過剰な部分では接着剤が表面(化粧面)まではみ出し、外観を損なうという問題があった。
更に、サイディングボードなど平板状の建築用板材が建築物のコーナー部で突き合わせられる場合、その部分の建築用板材の側面は、表面及び裏面に対して約45度をなす傾斜面に加工される。このような傾斜面に手持ちのノズル装置で接着剤を塗布する作業は、非常に難しく、接着剤の塗布がより不均一となるという問題があった。
そこで、本考案は、上記の実情を鑑み、建築用板材の側面に接着剤を均一に塗布することができると共に、メンテナンス作業や接着剤を加熱する作業が容易である接着剤塗布装置の提供を課題とする。また、建築用板材の側面が傾斜面である場合でも、接着剤を均一に塗布することができる接着剤塗布装置の提供を、第二の課題とする。
上記課題を解決するため、本考案にかかる接着剤塗布装置は、
「水平な第一方向に延びて平板状の建築用板材を下方から支持する下方支持部、及び、該下方支持部の一対の側辺からそれぞれ同一方向に延出し、その間に建築用板材を保持させる一対の表裏面保持部を有するワークホルダと、
該ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に延びているレール部、該レール部に沿って移動させるスライダ、該スライダの移動を駆動するモータ、及び、該モータの駆動による前記スライダの移動速度を制御する速度制御部を有するスライド装置と、
接着剤が収容されたカートリッジ、該カートリッジから供給された接着剤を吐出させるノズル、及び、該ノズルからの接着剤の吐出をオン・オフするバルブ装置を有する接着剤吐出装置と、を具備し、
前記接着剤吐出装置は、前記スライダに固定されていることにより、前記スライダと一体的に、前記ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に移動する」ものである。
「水平な第一方向に延びて平板状の建築用板材を下方から支持する下方支持部、及び、該下方支持部の一対の側辺からそれぞれ同一方向に延出し、その間に建築用板材を保持させる一対の表裏面保持部を有するワークホルダと、
該ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に延びているレール部、該レール部に沿って移動させるスライダ、該スライダの移動を駆動するモータ、及び、該モータの駆動による前記スライダの移動速度を制御する速度制御部を有するスライド装置と、
接着剤が収容されたカートリッジ、該カートリッジから供給された接着剤を吐出させるノズル、及び、該ノズルからの接着剤の吐出をオン・オフするバルブ装置を有する接着剤吐出装置と、を具備し、
前記接着剤吐出装置は、前記スライダに固定されていることにより、前記スライダと一体的に、前記ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に移動する」ものである。
本構成の接着剤塗布装置は、ワークホルダの上方でスライド装置のスライダが水平に移動するものであり、スライダには接着剤吐出装置が固定されている。そして、スライダの移動方向は、建築用部材を保持するワークホルダの第一方向と平行である。従って、建築用部材の側面が上方を向くようにワークホルダに保持させた状態で、接着剤吐出装置においてノズルからの接着剤の吐出をオンとし、スライダを移動させれば、ワークホルダの上方でスライダと共に移動する接着剤吐出装置から吐出された接着剤を、建築用部材の側面に塗布することができる。スライド装置は、スライダの移動速度を制御する速度制御部を備えているため、スライダの移動速度を一定に保持することが可能であり、接着剤吐出装置から吐出される接着剤を、建築用部材の側面に均一に塗布することができる。接着剤を均一に塗布することができれば、隣接する建築用部材の接着強度が安定する。
加えて、本構成では、接着剤が収容されたカートリッジと、接着剤が吐出されるノズルとを含む接着剤吐出装置の全体が、スライダに固定されており一体的に移動する。つまり、カートリッジとノズルとの距離は、ごく近接している。従って、接着剤が収容されたタンクから手持ちのノズル装置まで長いホースを介して接着剤を圧送していた従来とは異なり、カートリッジとノズルとを接続するホースまたはパイプは、ごく短いもので足りる。従って、接続用のホースまたはパイプを洗浄するなどのメンテナンス作業は、極めて容易である。
また、従来、接着剤を接着に適した温度に加熱する必要がある場合、接着剤を収容したタンクのみならず、これに接続された長いホースの全体を加熱する必要があり、手間がかかると共に十分な加熱ができなかったところ、本構成ではカートリッジとノズルとがごく近接しているため、塗布作業に先立ちカートリッジだけを加熱しておけば足りる。従って、接着剤を加熱する作業が極めて容易である。
本考案にかかる接着剤塗布装置は、上記構成に加え、
「前記ワークホルダを前記第一方向に延びる第一軸周りに回動させるホルダ回動装置を、更に具備する」ものとすることができる。
「前記ワークホルダを前記第一方向に延びる第一軸周りに回動させるホルダ回動装置を、更に具備する」ものとすることができる。
建築物のコーナー部で突き合わされる建築用部材の側面は、表裏面に対して約45度をなす傾斜面に加工されている。本構成では、ワークホルダを回動させることができるため、ワークホルダに保持された建築用部材の傾斜面を水平にすることができる。これにより、側面が傾斜面である建築用部材であっても、側面が表裏面に対して直角な建築用部材と同様に、その側面に接着剤を均一に塗布することができる。
本考案にかかる接着剤塗布装置は、上記構成に加え、
「前記ワークホルダを前記第一方向に直交する第二方向に移動させるホルダ移動装置を、更に具備する」ものとすることができる。
「前記ワークホルダを前記第一方向に直交する第二方向に移動させるホルダ移動装置を、更に具備する」ものとすることができる。
スライド装置のスライダがレール部に沿って一回移動することにより、スライダと共に移動する接着剤吐出装置から吐出された接着剤は、建築用部材の側面上にひと筋の線状に塗布される。本構成では、スライダが移動する第一方向と直交する第二方向に、ワークホルダを移動させることができるため、同じ建築用部材を保持したままワークホルダを第二方向に移動させた状態で、スライダに二回目の移動を行わせれば、スライダと共に移動する接着剤吐出装置からの接着剤の吐出により、二筋目の接着剤をひと筋目と平行な線状に塗布することができる。これにより、建築用部材の側面の面積が大きい(建築用部材の厚さが大きい)場合であっても、不足することなく接着剤を塗布することができる。
本考案にかかる接着剤塗布装置は、上記構成に加え、
「前記制御装置により、前記スライダの一回の移動について、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離における前記スライダの移動速度が、残部の距離における前記スライダの移動速度より小さくなるように制御される」ものとすることができる。
「前記制御装置により、前記スライダの一回の移動について、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離における前記スライダの移動速度が、残部の距離における前記スライダの移動速度より小さくなるように制御される」ものとすることができる。
隣り合う建築用部材を接着剤で接合する際、それぞれの建築用部材において、端部にはそれ以外の中間部より多くの接着剤が塗布されていることが望ましい。これは、建築用部材に反りが生じやすく、端部ほど隣接した建築用部材と離れてしまう傾向があるため、多くの接着剤で強固に接着することが要請されるためである。
これに対し、本構成では、スライダの一回の移動における始点を建築用部材の側面における一方の端部とし、終点を他方の端部とすれば、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離において、スライダの移動速度が小さくなるように制御される。スライダの移動速度が小さければ、その分だけ単位面積当たりの接着剤の塗布量は多くなる。従って、本構成によれば、建築用部材の側面における端部近傍に、それ以外の中間部より多くの接着剤を塗布することができる。つまり、本発明の接着剤塗布装置は、スライダの移動速度を制御する速度制御部を備えているため、上述したように接着剤を均一に(一定量で)塗布することも、本構成のように接着剤の塗布量を部分的に異ならせることも可能である。
以上のように、本考案によれば、建築用板材の側面に接着剤を均一に塗布することができると共に、メンテナンス作業や接着剤を加熱する作業が容易である接着剤塗布装置を、提供することができる。また、建築用板材の側面が傾斜面である場合でも、接着剤を均一に塗布することができる接着剤塗布装置を、提供することができる。
以下、本考案の具体的な実施形態である接着剤塗布装置1について、図面を用いて説明する。接着剤塗布装置1は、ワークホルダ10、スライド装置20、接着剤吐出装置30、ホルダ回動装置40、及び、ホルダ移動装置50を主な構成とする。以下における「前後」は、図2を正面図としたときの正面側を「前」、背面側を「後」としたものである。
ワークホルダ10は、下方支持部11、及び、一対の表裏面保持部12a,12bを備えている。下方支持部11は細長い角柱であり、その中心軸である第一軸P1が延びる方向は水平な第一方向(図示、x方向)である。下方支持部11、及び、一対の表裏面保持部12a,12bは、断面が細長いコ字形を呈するように一体化されており、下方支持部11の両端はそれぞれ、平板状のステージ17から立設された軸受け18によって第一軸P1周りに回転自在に支持されている。つまり、下方支持部11の中心軸である第一軸P1は、下方支持部11の回転軸である。
一対の表裏面保持部12a,12bは、下方支持部11の一対の側辺それぞれから同一方向に延出している。一対の表裏面保持部12a,12bが延出している方向は、下方支持部11が回転していない状態における上方である。本実施形態のワークホルダ10は、それぞれ対をなす表裏面保持部12a,12bを二対備えている。
対をなす表裏面保持部12a,12bの間の距離は、接着剤塗布装置1が処理対象とする建築用板材Wの厚さより、大きく設定されている。一対の表裏面保持部12a,12bのうち、後方の表裏面保持部12bには、シリンダ装置15のシリンダ部15aが固定されており、シリンダ部15aにより駆動されるロッド部15bは、一対の表裏面保持部12a,12bの間の空間において進退する。このような構成により、一対の表裏面保持部12a,12bの間に保持される建築用板材Wの厚さに応じてロッド部15bを進退させれば、ワークホルダ10に保持された建築用板材Wのガタツキを抑制することができる。
スライド装置20は、レール部21Rを備える本体21と、レール部21Rに沿ってスライド自在なスライダ22と、レール部21Rに沿ったスライダ22の移動を駆動するモータ23と、速度制御部(図示を省略)を備えている。スライド装置20は、レール部21Rの延びる方向が第一方向と平行な水平方向となり、且つ、本体21が接着剤塗布装置1の設置面Sより高い位置となるように、一対のスタンド28によって支持されている。速度制御部は、コンピュータやプログラマブルコントローラをハード構成とし、モータ23の駆動によるスライダ22の移動速度を制御する。この制御については後述する。ここで、モータ23は正逆回転するモータ23であり、スライダ22はレール部21Rに沿って往復動する。
接着剤吐出装置30は、カートリッジ31、ノズル32、及び、バルブ装置33を備えている。カートリッジ31は小型で接着剤が収容されており、下部に継手31bが形成されている。ノズル32は下方に向かって縮径した円錐形であり、バルブ装置33の下端に接続されている。バルブ装置33は、カートリッジ31から供給される接着剤を導入するための継手33bを有しており、圧入されるエアの駆動により内部ピストンが作動し、ダイヤフラムシールを押してノズル32と連通したシールヘッド部に隙間を形成することにより、ノズル32からの接着剤の吐出をON状態とする。一方、バルブ装置33に対するエアの圧入を停止すると、スプリングの作用により内部ピストンと共にダイヤフラムシールが引き戻され、シールヘッド部が閉鎖することにより、ノズル32からの接着剤の吐出がOFF状態となる。カートリッジ31の継手31bとバルブ装置33の継手33bとは、ごく短いホースまたはパイプ(図示を省略)によって接続される。
接着剤吐出装置30では、カートリッジ31を囲い込むように保持しているカートリッジ保持部36、及び、バルブ装置33を囲い込むように保持しているバルブ保持部37が、それぞれ吐出装置支持部35に固定されている。そして、吐出装置支持部35は、スライド装置20のスライダ22に、ノズル高調整部60を介して固定されている。ノズル高調整部60は、スライダ22に固定された筒部64、吐出装置支持部35から突出しているロッド支持部62に固定されて上下方向に延びていると共に、筒部64を貫通する孔部に挿入されている案内ロッド63、ロッド支持部62に上下方向に貫設されたネジ溝に挿入されている調整ネジ66を備えている。
このような構成により、調整ネジ66の進退によって、筒部64に対するロッド支持部62の高さを調整することができ、ひいてはスライダ22に対する接着剤吐出装置30の高さを調整することができる。換言すれば、設置面Sからのノズル32の高さ(図示、z方向)を調整することができる。
そして、吐出装置支持部35がノズル高調整部60を介してスライダ22に固定されていることにより、接着剤吐出装置30は、スライダ22と一体的にレール部21Rに沿ってスライドする。
ホルダ回動装置40は、ピニオン41とラック42Rとシリンダ装置45を主な構成とする。ピニオン41は、ワークホルダ10の下方支持部11の一方の端部に、第一軸P1を回転軸として回転自在に設けられている。シリンダ装置45のシリンダ部45aは、ステージ17に一体化されステージ17より高くまで立設されたシリンダ支持部46に固定されている。ロッド部45bはシリンダ部45aのエア駆動により水平方向に進退し、ロッド部45bの先端には、上面にラック42Rが形成されたラック体42が固定されている。そして、ラック42Rがピニオン41と噛み合っている。
このような構成により、ロッド部45bの進退に伴ってピニオン41が回転し、ピニオン41の回転軸である第一軸P1を中心軸とする下方支持部11を介して、ワークホルダ10が第一軸P1周りに回動する。ワークホルダ10の回動角度は、ピニオン41の回転角度、ひいては、ラック体42を移動させるロッド部45bの進退距離L1によって、調整することができる。この距離L1を調整するために本実施形態では、ロッド部45bの先端に設けられた雄ネジ部と、ラック体42に形成された雌ネジ部との螺合長さによって、シリンダ装置45から延び出しているロッド部45bの長さを可変としており、調整後のロッド部45bの長さを、雄ネジ部と螺合するナット49によって固定している。
なお、ステージ17には、ラック体42の下方においてラック体支持部47が固定されている。ラック体支持部47には、回転軸を水平方向としたフリーローラ48が回転自在に埋設されており、フリーローラ48の周面がラック体支持部47の上面より僅かに上方まで露出している。そして、フリーローラ48において露出している部分の周面が、下方からラック体42に当接している。これにより、水平方向に進退するロッド部45bの先端に固定されていることにより、いわばシリンダ装置45に片持ちされているラック体42が、ラック体支持部47によって下方から安定的に支持される。そして、ラック体支持部47との間にフリーローラ48が介在することにより、ロッド部45bの進退に伴うラック体42の移動が、ラック体42を下方から支持するためのラック体支持部47によって妨げられない構成となっている。
ホルダ移動装置50は、一対の支持台51と、一対の案内ロッド53と、ステージ筒部54と、シリンダ装置55と、近接センサ57を主な構成とする。一対の支持台51は、それぞれステージ17の前後で設置面Sから立設されている。一対の支持台51はそれぞれ細長い角柱であり、それぞれの両端付近において、ロッド支持部52が上方に向かって突設されている。そして、一対の支持台51それぞれにおいて同じ側に突設されているロッド支持部52の間には、細長い案内ロッド53が架渡されており、案内ロッド53の両端それぞれがロッド支持部52に固定されている。一対の案内ロッド53は、それぞれの中間部がステージ17の下面に固定されたステージ筒部54に摺動自在に挿通されている。ステージ筒部54の下面は、設置面Sより高い位置にある。このような構成により、ステージ17は、設置面Sより高い位置に保持された状態で、案内ロッド53とステージ筒部54との相対的な摺動に伴い、前後方向に移動する。
シリンダ装置55は、シリンダ部55aのエア駆動によりロッド部55bを進退させるものであり、ロッド部55bの進退方向は、第一方向と直交する第二方向(図示、y方向)である。シリンダ部55aは、一対の支持台51のうち前方の支持台51に固定されており、ロッド部55bの先端はステージ17に固定されている。また、近接センサ57はステージ17の側面に取り付けられており、近接センサ57の検出対象となる検出物体58が、前方の支持台51に、近接センサ57のセンサ部と対面するように設置されている。このような構成により、シリンダ部55aによってロッド部55bが進退させられる距離が、予め定めた距離L2となるように、近接センサ57の検出に基づいて制御され、ステージ17ひいてはワークホルダ10が、距離L2だけ前後方向に移動する。
次に、接着剤塗布装置1を使用して建築用板材Wの側面へ接着剤を塗布する方法を説明する。ここでは、サイディングボードなど平板状の建築用板材Wであって、建築物のコーナー部で突き合わせられるために、一方の側面が表裏面に対して約45度をなす傾斜面に加工されている建築用板材Wの傾斜面に、接着剤を塗布する場合を例示する。
まず、処理対象の建築用板材Wの種類(厚さ、傾斜面の角度)が変更される際、塗布作業に先立って、シリンダ装置15,45,55及びノズル高調整部60の調整を行う。そのために、ワークホルダ10に処理対象の建築用板材Wを保持させる。その際、建築用板材Wの一対の側面のうち、傾斜面ではない方の側面を下方に向け、傾斜面を上方に向けた状態で、一対の表裏面保持部12a,12bの間に建築用板材Wを挿入する(図4の上図を参照)。このとき、下方支持部11と建築用板材Wとの間にスペーサSpを配置することにより、ワークホルダ10に対する建築用板材Wの高さを調整し、傾斜面がワークホルダ10より高い位置で露出する状態とする。また、このとき、シリンダ装置15のロッド部15bの進退により、ロッド部15bの先端が建築用板材Wに押圧することなく当接する状態とし、建築用板材Wにガタツキが生じないように調整する。
更に、ホルダ回動装置40の調整を行う。上記のような構成により、シリンダ部45aの駆動によりロッド部45bが前進すると、ロッド部45bの先端に固定されたラック体42のラック42Rが噛み合っているピニオン41が回転し、ピニオン41と一体的に下方支持部11が回動することにより、ワークホルダ10が回動する(図4の中図を参照)。従って、建築用板材Wの傾斜面が水平とさせるために、シリンダ装置45のロッド部45bを前進させる距離L1を、上記のようにナット49を用いて調整する。
また、建築用板材Wの傾斜面が水平となったときに、ノズル32の先端が傾斜面より僅か上方に位置するように、ノズル高調整部60でノズル32の高さを調整する。
本実施形態では、正面図(図2)における右から左へ接着剤吐出装置30をスライドさせる往路において、建築用板材Wの傾斜面における背面側の側辺に沿って接着剤を塗布し、左から右へ接着剤吐出装置30をスライドさせる復路において、建築用板材Wの傾斜面における正面側の側辺に沿って接着剤を塗布する。そのためには、復路においては、往路のときよりノズル32に対して建築用板材Wを背面側に移動させる必要がある。そこで、建築用板材Wの厚さに応じて、復路の際にホルダ移動装置50がステージ17を背面側に移動させる距離L2を調整する。距離L2の調整は、上記のように、近接センサ57の検知に基づいて、シリンダ装置55のロッド部55bが進退する距離を調整することにより行う(図4の下図を参照)。
上記のような調整が済んだら、建築用板材Wの側面へ接着剤を塗布する作業を開始する。この作業は、次のようなステップにより行われる。
(1)ワークホルダ10に建築用板材W部材を保持させる。
(2)ホルダ回動装置40においてラック体42を距離L1だけ正面側に前進させることにより、ワークホルダ10を回動させ、建築用板材Wの傾斜面を水平とすると共に、ノズル32先端の下方に建築用板材Wの傾斜面における背面側の側辺近くを位置させる。
(3)接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をONにし、スライド装置20によりスライダ22と共に接着剤吐出装置30をスライドさせ(往路)、建築用板材Wの傾斜面の背面側の側辺に沿って接着剤を塗布する。
(4)スライド装置20によるスライダ22の移動を停止し、接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をOFFとする。
(1)ワークホルダ10に建築用板材W部材を保持させる。
(2)ホルダ回動装置40においてラック体42を距離L1だけ正面側に前進させることにより、ワークホルダ10を回動させ、建築用板材Wの傾斜面を水平とすると共に、ノズル32先端の下方に建築用板材Wの傾斜面における背面側の側辺近くを位置させる。
(3)接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をONにし、スライド装置20によりスライダ22と共に接着剤吐出装置30をスライドさせ(往路)、建築用板材Wの傾斜面の背面側の側辺に沿って接着剤を塗布する。
(4)スライド装置20によるスライダ22の移動を停止し、接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をOFFとする。
(5)ホルダ移動装置50によりステージ17と共にワークホルダ10を背面側に距離L2だけ前進させることにより、ノズル32先端の下方に建築用板材Wの傾斜面の正面側の側辺近くを位置させる。
(6)接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をONにし、スライド装置20によりスライダ22と共に接着剤吐出装置30をスライドさせ(復路)、建築用板材Wの傾斜面の正面側の側辺に沿って接着剤を塗布する。
(7)スライド装置20によるスライダ22の移動を停止し、接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をOFFとする。
(8)ワークホルダ10から建築用板材Wを取り出す。
(6)接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をONにし、スライド装置20によりスライダ22と共に接着剤吐出装置30をスライドさせ(復路)、建築用板材Wの傾斜面の正面側の側辺に沿って接着剤を塗布する。
(7)スライド装置20によるスライダ22の移動を停止し、接着剤吐出装置30においてノズル32からの接着剤の吐出をOFFとする。
(8)ワークホルダ10から建築用板材Wを取り出す。
以降は、上記のステップ(1)〜(8)を繰り返すことにより、処理対象の建築用板材Wが多数であっても、傾斜面に接着剤を塗布する作業を、極めて効率的に連続して行うことができる。
上記のように建築用板材Wの側面に接着剤を塗布する際、往路及び復路それぞれにおいて、接着剤の塗布の始点(側面の一方の端部)近くと、接着剤の塗布の終点(側面の他方の端部)近くでは、接着剤が多く塗布されるようにすると望ましい。そこで、スライド装置20の速度制御部により、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離では、スライダ22の移動速度が小さくなるように制御する。また、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離を除く中間部分は、それより大きな速度で、且つ、一定の速度でスライダ22が移動するように制御する。このような、スライダ22の速度とその速度で移動させる距離の制御は、スライダ22の速度とその速度によって移動させる時間によって制御されるものであっても良い。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、建築物のコーナー部で突き合わされる建築用板材Wの傾斜面に、接着剤を塗布するために、ホルダ回動装置40でワークホルダ10を回転させる場合を例示した。建築用板材Wの側面が表裏面に対して直角な面である場合は、ホルダ回動装置40を動作させなくても、ワークホルダ10に保持された建築用板材Wの側面は水平となる。そのため、ホルダ回動装置40を動作させないこと以外は、上記と同様に接着剤塗布装置1を動作させて、建築用板材Wの側面に接着剤を塗布することができる。つまり、接着剤塗布装置1は、側面が傾斜面である建築用板材Wであっても、側面が表裏面に対して直角な建築用板材Wであっても、側面に接着剤を塗布することができる。
また、上記では、スライダ22を移動させる往路と復路の双方で、建築用板材Wの側面に接着剤を塗布する場合を例示したが、もちろん、スライダ22の移動における一方向のみで、建築用板材Wの側面に接着剤を塗布することもできる。
1 接着剤塗布装置
10 ワークホルダ
11 下方支持部
12a,12b 表裏面保持部
20 スライド装置
21R レール部
22 スライダ
23 モータ
30 接着剤吐出装置
31 カートリッジ
32 ノズル
33 バルブ装置
40 ホルダ回動装置
50 ホルダ移動装置
P1 第一軸
W 建築用板材
10 ワークホルダ
11 下方支持部
12a,12b 表裏面保持部
20 スライド装置
21R レール部
22 スライダ
23 モータ
30 接着剤吐出装置
31 カートリッジ
32 ノズル
33 バルブ装置
40 ホルダ回動装置
50 ホルダ移動装置
P1 第一軸
W 建築用板材
本考案にかかる接着剤塗布装置は、上記構成に加え、
「前記速度制御部により、前記スライダの一回の移動について、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離における前記スライダの移動速度が、残部の距離における前記スライダの移動速度より小さくなるように制御される」ものとすることができる。
「前記速度制御部により、前記スライダの一回の移動について、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離における前記スライダの移動速度が、残部の距離における前記スライダの移動速度より小さくなるように制御される」ものとすることができる。
Claims (4)
- 水平な第一方向に延びて平板状の建築用板材を下方から支持する下方支持部、及び、該下方支持部の一対の側辺からそれぞれ同一方向に延出し、その間に建築用板材を保持させる一対の表裏面保持部を有するワークホルダと、
該ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に延びているレール部、該レール部に沿って移動させるスライダ、該スライダの移動を駆動するモータ、及び、該モータの駆動による前記スライダの移動速度を制御する速度制御部を有するスライド装置と、
接着剤が収容されたカートリッジ、該カートリッジから供給された接着剤を吐出させるノズル、及び、該ノズルからの接着剤の吐出をオン・オフするバルブ装置を有する接着剤吐出装置と、を具備し、
前記接着剤吐出装置は、前記スライダに固定されていることにより、前記スライダと一体的に、前記ワークホルダの上方で前記第一方向に平行な方向に移動する
ことを特徴とする接着剤塗布装置。 - 前記ワークホルダを前記第一方向に延びる第一軸周りに回動させるホルダ回動装置を、更に具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の接着剤塗布装置。 - 前記ワークホルダを前記第一方向に直交する第二方向に移動させるホルダ移動装置を、更に具備する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着剤塗布装置。 - 前記制御装置により、前記スライダの一回の移動について、始点からの所定距離、及び、終点までの所定距離における前記スライダの移動速度が、残部の距離における前記スライダの移動速度より小さくなるように制御される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の接着剤塗布装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019003700U JP3224689U (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 接着剤塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019003700U JP3224689U (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 接着剤塗布装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3224689U true JP3224689U (ja) | 2020-01-16 |
Family
ID=69145894
Family Applications (1)
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JP2019003700U Active JP3224689U (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 接着剤塗布装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3224689U (ja) |
-
2019
- 2019-09-30 JP JP2019003700U patent/JP3224689U/ja active Active
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