JP3224061B2 - トラス部材 - Google Patents

トラス部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型建築物等に用いる
トラス部材に関する。
【0002】
【従来の技術】大型建築物等に用いるトラス部材は、殆
どが炭素鋼や低合金鋼あるいはアルミ合金等からなる金
属製である。しかし、軽量化による建築物の大型化や組
立時の作業性向上等の目的で、トラス部材の素材とし
て、繊維強化プラスチック(以下、「FRP」という)
の使用が検討されるようになってきた。
【0003】このようなトラス部材は、筒形やI形のF
RP製の梁材の両端に、継手等の機械要素と連結され、
軸力等を伝達する金属製の連結部材を取り付けた構造に
なっている。このとき、梁材は、軸線に直交する平面で
切断した断面における異方性がなく、軸力等がいずれの
方向にも均等に伝達されるように、円筒形のものが多用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
トラス部材は多岐にわたる条件で使用されるが、作用す
る外力はおおよそ軸力に限定されることが多い。この軸
力に対する強度は、梁材と連結部材の双方に要求される
が、補強繊維の配列や肉厚等を適切に設計すれば容易に
達成することが可能である。従って、問題は、梁材と連
結部材との間で力を伝達する構造にある。
【0005】この部分の構造に関して、一般には、梁材
と連結部材とを接着剤やリベット等で接合する構造が採
用されている。しかし、接着の場合には機械的な接合で
ないことから信頼性が低く、リベットでの接合では継手
効率が30〜40%程度と強度的に低いことが知られて
いる。これに対して、特開昭61−142241号公報
には、FRPからなる筒状の梁材の内側におねじを形成
した金属製の軸受けシャフト(連結部材)を直接ねじ込
み、その摩擦力で梁材に接合する構造が開示されてい
る。
【0006】しかしながら、金属製の軸受けシャフトを
ねじ込む上記構造の場合には、以下のような問題が発生
する。すなわち、トラス部材には引張、圧縮の高い軸力
が繰り返し作用するため、接合部は高い静的強度と耐疲
労強度が要求される。このため、金属製の軸受けシャフ
トをFRP製の梁材にねじ込み、摩擦力を利用して梁材
と連結部材とを接合する方法では、十分な接合強度が得
られない。
【0007】また、梁材をFRP製とすると、内面の樹
脂や補強繊維が損傷し、軸力が繰り返し作用すると、損
傷がさらに拡大する。このため、FRP製の場合、梁材
は、内面の樹脂や強化繊維が細かく剥がれて摩擦力が次
第に低下する。すなわち、金属製のねじをFRP製の梁
材にねじ込み、摩擦力を利用して接合する方法では、十
分な強度が得られず、長期的な耐疲労強度という面から
も信頼性が低い。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、従来のFRP製のトラス部材が有していた上記問題
を解決し、梁材と連結部材との間の軸力の伝達における
強度を向上させ、信頼性に優れたトラス部材を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明のトラス
部材によれば上記目的を達成するため、繊維強化プラス
チックからなる筒形の梁材、前記梁材の両端面に配置さ
れる端板、該端板に取り付けられる連結部材及び前記梁
材内に配置され、軸方向に延びる長孔とこの長孔に係合
する係合体とによって、各端部が前記それぞれの連結部
材の一端と連結される繊維強化プラスチックからなる補
強部材を備えた構成としたものである。
【0010】好ましくは、前記補強部材は、係合スリー
ブを介して各端部が前記それぞれの連結部材の一端と連
結する。また好ましくは、前記補強部材は、前記端板に
螺着される係合スリーブを介して各端部が前記それぞれ
の連結部材の一端と連結する。好ましくは、前記梁材
は、前記繊維強化プラスチックを構成する補強繊維が、
軸方向に対して0°〜±20°の角度に配向された層と、
軸方向に対して±75°〜±90°の角度に配向された
層を含み、かつ、0°〜±20°の角度に配向された層
の厚さが、±75°〜±90°の角度に配向された層の
厚さの2〜5倍とする。
【0011】また好ましくは、前記補強部材は、前記繊
維強化プラスチックを構成する補強繊維の少なくとも7
5%が、軸方向に対して0°〜±5°の角度に配向され
ているように構成する。本発明のトラス部材は、軽量化
の目的から梁材及び帯状部材がFRPで構成されてい
る。
【0012】このトラス部材を構成するFRPは、強度
や剛性が高く、密度が小さい必要があるので、補強繊維
としては炭素繊維を使用することが好ましい。但し、こ
れに限定されるものではないことは言うまでもなく、例
えば、ガラス繊維やアラミド繊維あるいは二種類以上の
補強繊維を複合させたハイブリッド構成等を使用しても
よい。
【0013】また、マトリックス樹脂としては、エポキ
シ樹脂またはフェノール樹脂が好ましい。エポキシ樹脂
は、補強繊維との接着性や成形性に優れ、フェノール樹
脂は燃え難く、燃焼による有毒ガスが発生しにくいこと
から、難燃性が要求される場合に好適な素材である。マ
トリックス樹脂は、上記の樹脂に限定されるものではな
く、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の
熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂であってもよい。
【0014】梁材は、作用する外部応力のうち主として
圧縮力を分担するものであるから、両端面に配置した端
板と接していればよく、端板と接着剤やリベット等によ
って接合しておく必要はない。このとき、作用する圧縮
力は、梁材の端面と端板の接触面との面圧によって梁材
に伝達されるが、FRPの面圧破壊強度は、概して梁材
自体の座屈破壊強度より高く、梁材には開口を設ける必
要もないので、この開口による応力集中の心配もない。
【0015】したがって、圧縮力による静的な破壊や疲
労破壊に対する信頼性は極めて高い。このとき、梁材と
端板とを接着剤やリベット等の接合手段によって接合し
て、引張力の一部を梁材に分担させてもよい。梁材は、
主に圧縮力を分担するものであるから、補強繊維は、軸
方向に対して0°〜±20°の角度に配向された層と、
軸方向に対して±75°〜±90°の角度に配向された
層を複合したハイブリッド構成にすることが好ましい。
【0016】補強繊維が0°〜±20°の角度に配向さ
れた層は、軸方向に作用する応力に対して高い強度並び
に弾性率を発揮する。一方、±75°〜±90°の角度
に配向された層は、梁材の座屈破壊に対して高い抵抗力
を発揮する。また、補強繊維が0°〜±20°の角度に
配向された層は、厚さを±75°〜±90°の角度に配
向された層の厚さの2〜5倍に設定すると、梁材の圧縮
破壊強度と座屈破壊強度とがバランスして好ましい。前
記厚みが5倍を越えると梁材の座屈破壊強度が低下し、
一方、前記厚みが2倍よりも小さくなると梁材の圧縮破
壊強度が低下する。
【0017】上記梁材は、公知の種々の方法によって成
形でき、例えば、フィラメントワインディング法、シー
トワインディング法あるいはプルトルージョン法等が使
用できる。補強部材は、長孔を有する二個の金属製のブ
ッシュを両端に配置するか、平板状のマンドレルにマト
リックス樹脂を含浸させた補強繊維またはプリプレグ等
を巻き付けた後、オーブン等で硬化させて成形したり、
レンジトランスファーモールディング法等によって成形
してもよい。
【0018】補強部材は、主として引張力を分担してト
ラス部材を補強するものであるから、前記金属製のブッ
シュにピンやボルト等を用いて連結部材に連結すると、
高い連結強度が得られる。このとき、補強部材は、連結
部材と直接連結してもよいし、組立の際の作業性向上等
の目的から、係合スリーブ等を介して連結部材と連結し
てもよい。
【0019】ここで、マンドレルにマトリックス樹脂を
含浸させた補強繊維またはプリプレグ等を巻き付けて補
強部材を成形するときは、層間剥離やクラックを防ぐた
め、織物層や補強繊維の交差角度が異なる層を形成して
もよい。但し、補強部材は、長手方向に対して0°〜±
5°の角度に配向された層が全体の75%以下になる
と、長手方向における引張強度や弾性率が低下する。
【0020】また、補強部材は、長さに対する幅が小さ
いため、圧縮力に対してはオイラー座屈を起こし易い。
このため、連結部材との連結には、連結部材から圧縮力
が作用しないように、例えば、長孔とピン等の連結方法
を用いることが好ましい。また、トラス部材の組立に際
し、ねじ等を用いて予め引張力を付与しておいてもよ
い。このようにしてトラス部材を組み立てると、補強部
材と連結部材との間に隙間を生ずることなく連結でき、
使用に際してがたつくことがない。
【0021】本発明のトラス部材は、以上のように構成
されているので、圧縮力が作用したときには、筒形の梁
材がこの圧縮力を主として分担し、高い圧縮強度や座屈
強度を発揮する。一方、本発明のトラス部材に引張力が
作用したときは、補強部材がこの引張力を主として分担
し、高い引張強度を発揮する。また、補強部材は、軸方
向に延びる長孔とこの長孔に係合する係合体とによっ
て、各端部をそれぞれの連結部材の一端と直接あるいは
間接的に連結させると、作用する圧縮応力が緩和され、
座屈を避けることができる。
【0022】係合体としては、例えば、ピン、ボルトあ
るいはリベット等が使用できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に基
づいて詳細に説明する。図1は、本発明のトラス部材の
第一の実施例を示すもので、トラス部材1は、筒形の梁
材2、端板3、連結部材4及び補強部材5を備えてい
る。梁材2は、繊維強化プラスチックからなる筒形の部
材で、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて成形さ
れている。ここで、梁材2は、炭素繊維が軸方向に対し
て0°〜±20°の角度に配向された層と、軸方向に対
して±75°〜±90°の角度に配向された層を含む積
層構造で、0°〜±20°の角度に配向された層の厚さ
が、±75°〜±90°の角度に配向された層の厚さの
4倍に設定されている。
【0024】端板3は、梁材2の両端面に配置されるカ
ップ状の部材で、底壁3aの中央に連結部材4のねじ部
4bを挿通する挿通孔3bが形成されている。連結部材
4は、一端に補強部材5と連結する連結部4aが、他端
に継手等の機械要素と連結されるねじ部4bが設けら
れ、挿通孔3bから突出させたねじ部4bに固定ナット
6を螺着して端板3に取り付けられる。
【0025】補強部材5は、長孔7aを有するブッシュ
7を両端に取り付けたFRPからなる長手状の部材であ
る。補強部材5は、梁材2内に配置され、長孔7aに挿
通したピン8により、各端部が連結部材4の連結部4a
と連結されている。この補強部材5は、構成要素の一つ
である補強繊維の少なくとも75%が、軸方向に対して
0°〜±5°の角度に配向されている。
【0026】また、図2は、本発明のトラス部材の第二
の実施例を示すもので、トラス部材10は、筒形の梁材
11、端板12、連結部材13及び補強部材14を備え
ている。梁材11は、繊維強化プラスチックからなる筒
形の部材で、炭素繊維織物にマトリックス樹脂を含浸さ
せて成形されている。ここで、梁材11は、炭素繊維が
軸方向に対して0°〜±20°の角度に配向された層と、
軸方向に対して±75°〜±90°の角度に配向された
層を含む積層構造で、0°〜±20°の角度に配向され
た層の厚さが、±75°〜±90°の角度に配向された
層の厚さの4倍に設定されている。
【0027】端板12は、梁材11の両端面に配置され
るカップ状の部材で、底壁12aの中央に連結部材13
のネジ部13bを挿通する挿通孔12bが形成されてい
る。連結部材13は、一端に扁平な頭部13aが、他端
に継手等の機械要素と連結されるねじ部13bが設けら
れ、挿通孔12bから突出させピンで係合した六角スリ
ーブ15を介して端板12に取り付けられる。
【0028】補強部材14は、長孔16aを有するブッ
シュ16を両端に取り付けたFRPからなる長手状の部
材である。補強部材14は、梁材11内に配置され、長
孔16aに挿通したピン17により、各端部が係合スリ
ーブ18に連結されている。補強部材14は、構成要素
の一つである補強繊維の少なくとも75%が、軸方向に
対して0°〜±5°の角度に配向されている。
【0029】ここで、係合スリーブ18は、補強部材1
4の各端部を連結部材13に間接的に連結するカップ状
の部材で、底壁18aに形成した挿通孔18bにねじ部
13bを挿通して頭部13aが底壁18aに係止されて
いる。更に、図3は、本発明のトラス部材の第三の実施
例を示すもので、トラス部材20は、筒形の梁材21、
端板22、連結部材23及び補強部材24を備えてい
る。
【0030】梁材21は、繊維強化プラスチックからな
る筒形の部材で、炭素繊維織物にマトリックス樹脂を含
浸させて成形されている。ここで、梁材21は、炭素繊
維が軸方向に対して0°〜±20°の角度に配向された
層と、軸方向に対して±75°〜±90°の角度に配向
された層を含む積層構造で、0°〜±20°の角度に配
向された層の厚さが、±75°〜±90°の角度に配向
された層の厚さの4倍に設定されている。
【0031】端板22は、梁材21の両端面に配置され
るカップ状の部材で、底壁22aの中央に連結部材23
のねじ部23bを挿通する挿通孔22bが形成されてい
る。連結部材23は、一端に扁平な頭部23aが、他端
に継手等の機械要素と連結されるねじ部23bが設けら
れ、挿通孔22bから突出させピンで係合した六角スリ
ーブ25を介して頭部23aを底壁22aに当接させて
端板22に取り付けられる。
【0032】補強部材24は、長孔26aを有するブッ
シュ26を両端に取り付けたFRPからなる長手状の部
材である。補強部材24は、梁材21内に配置され、長
孔26aに挿通したピン27により、各端部が係合スリ
ーブ28に連結されている。補強部材24は、構成要素
の一つである補強繊維の少なくとも75%が、軸方向に
対して0°〜±5°の角度に配向されている。
【0033】ここで、係合スリーブ28は、補強部材2
4の各端部を連結部材23に間接的に連結するカップ状
の部材で、周壁に形成したねじ部28aを端板22の内
側に螺着して端板23に取り付けられている。上記した
本発明のトラス部材1,10,20においては、筒形の
梁材が主として圧縮力を分担し、補強部材が引張力を主
として分担し、梁材及び補強部材は共に繊維強化プラス
チックであるため、梁材と連結部材との間の軸力の伝達
における強度が高く、信頼性に優れたトラス部材であ
る。
【0034】以上のように構成される本発明のトラス部
材1及びFRP製の梁材に連結部材を直接ねじ込んだ従
来のトラス部材をそれぞれ製造し、引張試験を行った。 実施例1 先ず、フィラメントワインディング法により、FRP製
の梁材を成形した。すなわち、東レ株式会社製炭素繊維
“トレカ”T700SC−12Kを6本引き揃え、エポ
キシ樹脂に含浸しながら外径60mm、長さ1500mm、のマ
ンドレルにその軸方向に対して±85°の角度で配向さ
せて3層、±5°の角度で配向させて2層巻き付けた。
【0035】しかる後、マンドレルを回転させながら9
0℃で2時間、135℃で5時間加熱してエポキシ樹脂
を硬化させ、マンドレルを引き抜き、両端部を切断して
長さ300mm、外径64mm、内径60mmのFRP製の梁
材を得た。このとき、±5°の層は、±85°の層の厚
さの4倍であった。一方、厚さ20mm、幅240 mm、長さ
500 mmの平板状のマンドレルに、エポキシ樹脂を含浸さ
せながら上記炭素繊維を1本±88°の角度で6mmの厚
さまで巻き付けた。
【0036】次に、マンドレルを回転させながら90℃
で2時間,135℃で5時間エポキシ樹脂を加熱して硬
化させ、マンドレルを引き抜いた後、幅30mmにスライ
スし、長さ252 mm、幅30mm、厚さ6mm、端部の内半径
20mmのFRP製の補強部材を得た。このとき、補強部
材は、炭素繊維の少なくとも75%が軸方向に対して0
°〜±5°の角度に配向されていた。
【0037】次いで、前記補強部材の両端に15mm×3
0mmの長孔を有するブッシュを取り付け、ピンで連結部
材と連結した。しかる後、端板の挿通孔にねじ部を挿通
し、梁材内に挿入して、端板を梁材にはめ込み、ナット
を締め付けて図1に示すトラス部材を組み立てた。引張
試験を行ったところ、このトラス部材は35 tonの荷重
で破壊した。
【0038】比較例1 実施例1と同様にして同一寸法の梁材を成形し、この梁
材にねじ加工を施した外径60.2mmの金属製の連結部材
をねじ込んでトラス部材とし、実施例1と同様にして引
張試験を行った。その結果、比較例1のトラス部材は1
2 tonの荷重で破壊し、梁材と連結部材との接合部にお
ける引張強度が、実施例1のトラス部材に比べて約1/
3も小さいことが分かった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、繊維強化プラスチックからなる筒形の梁材、前
記梁材の両端面に配置される端板、該端板に取り付けら
れる連結部材及び前記梁材内に配置され、軸方向に延び
る長孔とこの長孔に係合する係合体とによって、各端部
が前記それぞれの連結部材の一端と連結される繊維強化
プラスチックからなる補強部材を備えたので、引張力及
び圧縮力のいずれに対しても高い強度を有し、梁材と連
結部材との間の軸力の伝達における強度が向上し、信頼
性に優れたトラス部材が提供される。
【0040】また、補強部材を、係合スリーブを介して
各端部が連結部材の一端と連結するように構成すると、
トラス部材を組み立てる際の作業性が向上する。更に、
梁材は、前記繊維強化プラスチックを構成する補強繊維
が、軸方向に対して0°〜±20°の角度に配向された層
と、軸方向に対して±75°〜±90°の角度に配向さ
れた層を含み、かつ、0°〜±20°の角度に配向され
た層の厚さを、±75°〜±90°の角度に配向された
層の厚さの2〜5倍にすると、梁材の強度を一層高める
ことができる。
【0041】また、補強部材は、前記繊維強化プラスチ
ックを構成する補強繊維の少なくとも75%が、軸方向
に対して0°〜±5°の角度に配向された構成とする
と、軸方向における強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係るトラス部材を、中
間部分を省略して示した縦断面図である。
【図2】本発明の第二の実施例に係るトラス部材を、中
間部分を省略して示した縦断面図である。
【図3】本発明の第三の実施例に係るトラス部材を、中
間部分を省略して示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 トラス部材 2 梁材 3 端板 4 連結部材 5 補強部材 7 ブッシュ 7a 長孔 8 ピン(係合体) 10 トラス部材 11 梁材 12 端板 13 連結部材 14 補強部材 15 六角スリーブ 16 ブッシュ 16a 長孔 17 ピン(係合体) 18 係合スリーブ 20 トラス部材 21 梁材 22 端板 23 連結部材 24 補強部材 25 六角スリーブ 26 ブッシュ 26a 長孔 27 ピン(係合体) 28 係合スリーブ
フロントページの続き (72)発明者 中辻 照幸 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 杉崎 健一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−12113(JP,A) 特開 昭58−68597(JP,A) 特開 平4−70438(JP,A) 特開 昭63−247026(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 3/00 - 3/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックからなる筒形の梁
    材、前記梁材の両端面に配置される端板、該端板に取り
    付けられる連結部材及び前記梁材内に配置され、軸方向
    に延びる長孔とこの長孔に係合する係合体とによって、
    各端部が前記それぞれの連結部材の一端と連結される繊
    維強化プラスチックからなる補強部材を備えたことを特
    徴とするトラス部材。
  2. 【請求項2】 前記補強部材は、係合スリーブを介して
    各端部が前記それぞれの連結部材の一端と連結されてい
    る、請求項1のトラス部材。
  3. 【請求項3】 前記補強部材は、前記端板に螺着される
    係合スリーブを介して各端部が前記それぞれの連結部材
    の一端と連結されている、請求項1のトラス部材。
  4. 【請求項4】 前記梁材は、前記繊維強化プラスチック
    を構成する補強繊維が、軸方向に対して0°〜±20°の
    角度に配向された層と、軸方向に対して±75°〜±9
    0°の角度に配向された層を含み、かつ、0°〜±20
    °の角度に配向された層の厚さが、±75°〜±90°
    の角度に配向された層の厚さの2〜5倍である、請求項
    1から3いずれかに記載のトラス部材。
  5. 【請求項5】 前記補強部材は、前記繊維強化プラスチ
    ックを構成する補強繊維の少なくとも75%が、軸方向
    に対して0°〜±5°の角度に配向されている、請求項
    1から3いずれかに記載のトラス部材。
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