JP3222449U - 培地 - Google Patents
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Abstract
【課題】播種や定植に係る作業を省力化するとともに、運搬が容易な培地を提供する。【解決手段】培地Aは、下土1と、下土1の上に播種された種子3と、下土1の上に、種子3を覆うように積層された覆土2と、を備えている。培地Aは、下土1と覆土2とが一体的に固形化されている。また、少なくとも下土1の下面の一部と、少なくとも覆土2の上面の一部とを覆うように水溶紙4で包囲されている。【選択図】図1
Description
本考案は、植物体の育苗に用いる培地に関する。
従来、植物体の苗を育てる際には、まず、播種の段階として、培土等を入れたプランター等の栽培容器や苗床に、略等間隔に種を播き、その上を覆土で覆っている。ここで、種子の品種等によって適した覆土の厚みがあるため、留意しなければならない。その後、発芽すると、ビニールポット等に移植して、さらに育苗したり、定植したりしている。
一方、近年、農家等では人手不足や高齢化が進んでおり、農作業を省力化することが求められている。そこで、特許文献1では上述の播種、育苗の作業を簡略化するための栽培ユニットが提案されている。
この栽培ユニットは、容器に床土を入れ、その床土の上に固形化された覆土を被せている。また、床土と覆土との間に種子を入れておくことも開示されている。このような構成により、播種や苗の移動が容易になっている。
上述したように、特許文献1の栽培ユニットでは播種等の省力化を図ることはできる。しかしながら、この栽培ユニットは容器を含んでいるため、一度に運搬できる量が制限され、運搬の手間がかかる。
本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、播種や定植に係る作業を省力化するとともに、運搬が容易な培地を提供することにある。
上記課題を解決するための培地の好適な実施形態の一つでは、下土と、前記下土の上に播種された種子と、前記下土の上に、前記種子を覆うように積層された覆土と、を備え、前記下土と前記覆土とは一体的に固形化されている。
この構成では、一体的に固形化された下土と覆土との間に種子が播種されているため、この培地を苗床に置き、水を与えるだけで育苗を行うことができ、播種や定植の手間を省くことができる。また、下土と覆土とが一体的に固形化されているため、積層等することが可能である。そのため、保管場所の面積を小さくすることができ、また、容易に一度に多くの培地を運搬することができる。さらに、種子は水を与えるまで発芽しないため、長期保存しておくことができる。
本考案に係る培地の好適な実施形態の一つでは、少なくとも下記下土の下面の一部と、少なくとも下記覆土の上面の一部とを覆うように水溶紙で包囲されている。
この構成では、一体的に固形化されている培地がさらに水溶紙で包囲されているため、培地が崩れることを防止でき、取り扱いが容易となる。
本考案に係る培地の好適な実施形態の一つでは、前記下土および前記覆土の少なくとも一方に竹粉が含まれている。
竹粉は土よりも軽量であるため、下土や覆土に含まれる土の一部または全部を竹粉に代えることにより、軽量化を図ることができる。また、竹粉には殺菌効果があることが判明しているため、殺菌のために使用する薬剤を削減することができる。
以下に図面を用いて、本考案に係る培地の実施形態を説明する。本実施形態では、水稲用培地として説明するが、本考案に係る培地は野菜,果物,花卉をはじめとして種子から育苗する様々な植物体に使用することができる。
図1(a)は本実施形態における培地の斜視図である。図に示すように、本実施形態における培地Aは平面視が長方形の板状に固形化されている。本実施形態では、培地Aの平面視の大きさは一般的な水稲用育苗トレーの大きさに適合させ、58cm×28cm程度としている。また、本実施形態では、培地Aの厚みは約3cmとしている。当然ながら、培地Aの平面視形状,大きさおよび厚みは、使用する育苗トレーの大きさや使用する種子等に応じて適宜変更可能である。
図1(b)は本実施形態における培地Aの断面図である。図に示すように、培地Aは下土1と覆土2との2層構造になっている。下土1と覆土2とは同じ材料を含んでいるが、厚みが異なっている。具体的には、下土1の厚みが覆土2の厚みよりも厚くなっており、覆土2の厚みは使用する種子に適したものとなっている。
下土1と覆土2との間には種籾3(本考案における種子の例)が播種されている。換言すると、培地Aは下土1と覆土2との間に種籾3を挟み込んだ構成となっている。
本実施形態における下土1および覆土2は、竹粉,竹炭,ケイ酸カルシウム,ビートモス,鹿沼土,米糠,肥料,バインダ等と適量の水を含む混合物から構成されている。当然ながら、混合物の配合物は使用する種子等に応じて適宜変更することができる。また、竹粉は青竹を長さが3mm程度の繊維状に加工したものを使用している。
図1(b)に示すように、培地Aは水溶紙4で覆われている。本実施形態では、板状の培地Aの全ての面が水溶紙4で覆われている。すなわち、培地Aは水溶紙4で包まれている。水溶紙4は当然ながら水溶性であるため、培地Aを用いて育苗する際の遣水によって溶解する。したがって、培地Aが包まれていたとしても発芽を阻害することはない。そのため、発芽時期までに溶解する水溶紙4を選択することが望ましい。
このように、培地Aは板状に固形化されているため、積層して保管することができ、運搬も容易になる。また、育苗トレーで育苗する際にも、板状の培地Aを育苗トレーに移すだけでよく、従来の粒状培地を用いた場合に比べて、省力化が可能となっている。
また、培地Aに種籾3が播種されているため、従来のように、育苗トレーに培地を作った後に播種したり、発芽後に定植したりする必要がなく、省力化することができる。
さらに、培地Aは水溶紙4で包まれているため、培地Aを保管したり、運搬したりする際に下土1や覆土2が崩れにくくなっている。そのため、培地Aの取り扱いが容易になる。
上述したように、本実施形態では、下土1および覆土2には竹粉が含まれている。竹粉には殺菌効果があることが判明しており、殺菌するための薬剤の使用量を削減することができる。また、竹粉を用いることによって、軽量化を図ることができるため、運搬等を省力化することができる。さらに、このような竹の利用範囲の拡大によって、近年問題となっている放置竹林の解消にも寄与することも期待できる。
次に、図2を用いて培地Aを生産する工程を説明する。まず、型枠Cに下土1の材料となる混合物をほぼ平らになるように投入する(図2(a))。次に、混合物を加圧し、下土1を成型する(図2(b))。下土1が硬すぎると育苗の際に根の生育が阻害されるため、下土1を崩れない程度に固形化する圧力を加えることが望ましい。
次に、固形化された下土1の上に種籾3を播種する(図2(c))。そして、その上に覆土2となる混合物をほぼ平らになるように投入し(図2(d))、上から加圧して(図2(e))板状の培地Aに成型する(図2(f))。
なお、ここでは、播種の間隔や覆土2の厚みは種籾3に適したものとしているが、これらは使用する種子3の種類に応じて適したものとすればよい。
その後、培地Aを型枠Cから取り出し、乾燥させる。乾燥は様々な方法を用いることができ、例えば、天日干しやフリーズドライ等の方法を用いることができる。培地Aは湿った状態では十分に固形化されていないが、この乾燥の過程において培地Aは適度な硬さに固形化される。乾燥が完了すると、培地Aを水溶紙4で包み、培地Aが完成する。
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、培地Aは平面視形状が矩形となるように成型したが、平面視形状が円形等他の形状となるように成型しても構わない。
(1)上述の実施形態では、培地Aは平面視形状が矩形となるように成型したが、平面視形状が円形等他の形状となるように成型しても構わない。
(2)上述の実施形態では、培地Aの全体を水溶紙4で覆ったが、水溶紙4で培地Aを部分的に覆っても構わない。例えば、図3(a)に示す例では、培地Aの6面のうち、下面と上面と対向する2つの側面の4面が水溶紙4で覆われている。この場合には、培地Aの4つの側面のうち、培地Aの平面視における長辺側の側面は水溶紙4で覆い、短辺側の側面が水溶紙4で覆われないようにすることが好ましい。また、図3(b)に示す例では、培地Aは長手方向にバンド状に巻かれた水溶紙4と短手方向にバンド状に巻かれた水溶紙4とで部分的に覆われている。
本考案は、様々な植物体の種子からの育苗に利用することができる。
A:培地
1:下土
2:覆土
3:種籾(種子)
4:水溶紙
1:下土
2:覆土
3:種籾(種子)
4:水溶紙
Claims (2)
- 下土と、
前記下土の上に播種された種子と、
前記下土の上に、前記種子を覆うように積層された覆土と、を備え、
前記下土と前記覆土とは一体的に固形化されている培地。 - 少なくとも下記下土の下面の一部と、少なくとも下記覆土の上面の一部とを覆うように水溶紙で包囲されている請求項1記載の培地。
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