JP3222016U - 曲げ加工管の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工用鋼管の曲げ外周側での冷却不足を防止する曲げ加工管の製造装置を提供する。【解決手段】誘導加熱装置3によって加熱された後に加工用鋼管2を冷却する一次冷却装置15の下流側に二次冷却装置20が配置される。二次冷却装置は加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ内周側の外表面1/4円周領域へ冷却水を噴射する内周側冷却装置21と、曲げ外周側の外表面3/4円周領域へ冷却水を噴射する外周側冷却装置22とを有している。外周側冷却装置からの冷却水噴射量は、内周側冷却装置からの冷却水噴射量の2倍以上である。【選択図】図1
Description
本考案は、曲げ加工管の製造装置に関するものである。
建築資材や機械部品に用いられる構造用鋼材、例えば自動車用鋼材では、鋼材を多様かつ複雑な形状に曲げ加工することが可能な曲げ加工技術が求められている。そのため、最近は鋼材を局所的に加熱した状態で曲げ加工を行い、直後に急速に冷却することにより、鋼材を所定の形状に成形するとともに焼き入れすることで鋼材強度を向上させる曲げ加工技術が用いられている。この曲げ加工技術によれば、鋼材を複雑な形状に曲げ加工することができると共に、鋼材の軽量化および高強度化が可能になっている。
前記した加熱後に急速に冷却するにあたっては、曲げ加工時の冷却不足に起因する焼きむらに注意する必要がある。
この点に関し、従来は、直線状の金属管を長手方向に移動自在に案内する金属管案内手段と、前記金属管案内手段の下流側に配置されて前記金属管を加熱する加熱装置と、前記加熱装置の下流側に配置されて前記金属管を冷却する冷却装置と、前記冷却装置の下流側で前記金属管の把持点を把持して三次元空間内で移動する曲げ装置とを備え、前記曲げ装置は前記金属管の前記把持点を該曲げ装置に対して相対移動不能に把持した状態で、前記金属管を前記金属管案内手段から引き出す引き出し荷重と、前記金属管を前記加熱装置の近傍の加工点で曲げる曲げ荷重とを加えることを特徴とする、熱間三次元曲げ加工装置が提案されている(特許文献1)。
しかしながら前記した特許文献1に記載の技術では、円環状の冷却装置が使用され、加工用鋼管の曲げ外周側と曲げ内周側とを格別考慮することなく均等に冷却しているため、加工用鋼管の曲げ外周側で冷却不足のおそれがある。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、曲げを含む被加熱部を冷却する方式の曲げ加工管の製造において、加工用鋼管の曲げ外周側での冷却不足を防止することを目的としている。
前記問題を解決するために、本考案は、加工用鋼管をその長手方向に送りながら前記加工用鋼管の一部分を加熱装置で加熱しつつ、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させることで、前記加工用鋼管を曲げを含む所定の形状に成形して前記曲げを含む被加熱部を冷却する、曲げ加工管の製造装置であって、前記加熱装置の下流側に一次冷却装置が配置され、前記一次冷却装置の下流側に二次冷却装置が配置され、前記二次冷却装置は、前記加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ内周側の外表面1/4円周領域へ冷却水を噴射する内周側冷却装置と前記加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ外周側の外表面3/4円周領域へ冷却水を噴射する外周側冷却装置と、を有し、さらに前記外周側冷却装置からの冷却水噴射量は、前記内周側冷却装置からの冷却水噴射量の2倍以上であることを特徴としている。
本考案によれば、まず二次冷却装置を、加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ内周側の外表面1/4円周領域へ冷却水を噴射する内周側冷却装置と前記加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ外周側の外表面3/4円周領域へ冷却水を噴射する外周側冷却装置とに分けているので、各領域に対する冷却水の噴射量の制御が容易である。そして外周側冷却装置からの冷却水噴射量は、内周側冷却装置からの冷却水噴射量の2倍以上であるようにしたので、加工用鋼管の曲げ外周側での冷却不足を防止することが可能である。
前記二次冷却装置は、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に用いられる把持装置とは、干渉しない位置に配置されているようにすることがよい。
この点に関し前記した特許文献2に記載の技術では、環状の冷却装置が使用され加工用鋼管の進行方向に設置されているので、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に、用いられる把持装置と環状の冷却装置とが干渉して大きく曲げることが難しくなり、結果的に自在な曲げ形状に加工できないおそれがある。さらに特許文献2に記載の技術では、把持装置を加熱装置近傍まで近接させることができないので、加工用鋼管の非熱処理部が長くなり、加工用鋼管の部材使用効率が悪くなるおそれがある。
これに対し前記したように、前記二次冷却装置を、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に用いられる把持装置とは、干渉しない位置に配置することで、把持装置の自由な移動を確保でき、曲げ形状の選択の幅が広がる。
また、把持装置を加熱装置近傍まで近接させることができるので、加工用鋼管の非熱処理部を短くして、部材の使用効率を高めることができる。
この点に関し前記した特許文献2に記載の技術では、環状の冷却装置が使用され加工用鋼管の進行方向に設置されているので、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に、用いられる把持装置と環状の冷却装置とが干渉して大きく曲げることが難しくなり、結果的に自在な曲げ形状に加工できないおそれがある。さらに特許文献2に記載の技術では、把持装置を加熱装置近傍まで近接させることができないので、加工用鋼管の非熱処理部が長くなり、加工用鋼管の部材使用効率が悪くなるおそれがある。
これに対し前記したように、前記二次冷却装置を、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に用いられる把持装置とは、干渉しない位置に配置することで、把持装置の自由な移動を確保でき、曲げ形状の選択の幅が広がる。
また、把持装置を加熱装置近傍まで近接させることができるので、加工用鋼管の非熱処理部を短くして、部材の使用効率を高めることができる。
前記外周側冷却装置は複数の冷却水噴射装置を有し、各冷却水噴射装置は、前記加工用鋼管の中心に対する角度方向が等間隔の領域に配置されているようにしてもよい。これによって、前記した各領域に同じ流量の冷却水を噴射することが容易であり、冷却の均一性が容易に確保できる。
前記各冷却水噴射装置としては、たとえば噴射ノズルが提案できる。この場合、当該ノズルからの冷却水噴射の際の広がり角度が30度以下であることが好ましい。これによって冷却水の加工用鋼管へ衝突角度を垂直に近づけることができ、効率の良い冷却が実現できる。
前記ノズルは、噴射方向が調整自在であることようにしてもよい。かかる構成を採ることで、ノズルの角度調整が自由に行なえ、たとえば曲げ形状に応じた最適な冷却環境を実現できる。
本考案によれば、加工用鋼管の曲げ外周側での冷却不足を防止することが可能である。
以下、本考案の実施の形態にかかる曲げ加工管の製造装置について説明する。この曲げ加工管の製造装置1は、曲げ加工の対象となる加工用鋼管2を、加熱装置としての誘導加熱装置3側へ送り出す送り出し装置4を有している。送り出し装置4は、加工用鋼管2の端部(送り出し方向上流側端部)側に設けられており、油圧ジャッキ、モータ等で加工用鋼管2を誘導加熱装置3側へと押し出して送り出す機能を有している。
誘導加熱装置3は、その内径が加工対象となる加工用鋼管2の外径よりも大きく、所定の距離だけ離間して通過自在な開口を有している。本実施の形態では、たとえば公知の高周波誘導加熱コイルを採用しており、当該開口内を加工用鋼管2が通過する際に、所定の温度に加熱される。
そして誘導加熱装置3によって所定の温度に加熱された加工用鋼管2は、その一端部(先端部)を把持して、二次元又は三次元方向に移動させる曲げ装置5によって所定の形状に曲げ加工される。より詳述すれば、曲げ装置5は、加工用鋼管2の一端部を把持する把持部材6と、当該把持部材6を移動させる駆動アーム7とを有している。把持部材6の二次元又は三次元方向の移動によって、曲げ加工がなされる。曲げ装置5は、図示の構成に限らず、公知のこの種の装置を用いることができる。
誘導加熱装置3の送り出し装置4側には、円環状の仕切り板11が配置されている。この仕切り板11と加工用鋼管2の外周との間には、空隙が設けられており、この空隙に向けてガス供給装置12のガス噴射ノズル13から不活性ガス、例えばN2ガスが噴射される。これによって、誘導加熱装置3によって加熱された加工用鋼管2の被加熱部位の周囲の空間14に不活性ガスが供給され、後述の一次冷却装置15からの冷却水が、当該被加熱部位に向かうことが阻止される。
一次冷却装置15は加工用鋼管2が挿通可能な円環形状を有し、誘導加熱装置3によって加熱された加工用鋼管2の外周に向けて、図1、図2に示したように、内側全周から冷却媒体、例えば冷却水を噴射して、加熱直後の加工用鋼管2を冷却することが可能である。
一次冷却装置15の下流側、すなわち加工用鋼管2の送り出し方向下流側には、二次冷却装置20が配置されている。この二次冷却装置20は、図1、図2に示したように、曲げ加工の際に加工用鋼管2の内周側に位置する内周側冷却装置21と、外周側に位置する外周側冷却装置22とを有している。
内周側冷却装置21は、冷却水噴射装置としてのノズル21a〜21dを有している。本実施の形態では、各ノズル21a〜21dは、垂直方向に並べられている。また各ノズル21a〜21dは、その噴射方向が自在となるように、各ノズル21a〜21dを個別に支持するノズルブロック23に対して、自在継手(図示せず)を介して設けられている。
外周側冷却装置22は、上下方向に配置された4つの冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27とによって構成されている。各冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27は基本的には同一構成を有しており、例えば最上段に配置される冷却水噴射装置ユニット24について説明すると、この冷却水噴射装置ユニット24は、自在継手(図示せず)を介してノズルを個別に支持する4つのノズルブロック23が、加工用鋼管2の送り出し方向と平行に直線状に並列して配されている。
そして冷却水噴射装置ユニット24には、冷却水噴射装置としてのノズル24a〜24dが設けられている。各ノズル24a〜24dは、その噴射方向が自在である。同様に、他の冷却水噴射装置ユニット25、26、27も、各々対応するノズル25a〜25d、ノズル26a〜26d、ノズル27a〜27dを、噴射方向が自在となるように有している。
また内周側冷却装置21と外周側冷却装置22は、曲げ装置5とは、干渉しない位置に配置されている。具体的に言えば、図2に示したように、内周側冷却装置21と外周側冷却装置22と、加工用鋼管2の表面との間の最も近い距離L1、L2は、各々曲げ装置5における最も外側に出ている部位、つまり本実施の形態では、駆動アーム7と、把持した加工用鋼管2の表面との間の距離M1、M2よりも大きく設定されている。また例えば曲げ装置5における最も外側に出ている部位が、把持部材6の場合には、L1、L2が、例えば把持部材6の外径の、1.5倍程度となるように設定して、内周側冷却装置21と外周側冷却装置22が配置される。
さらにまた内周側冷却装置21と外周側冷却装置22に設けられている各ノズルは、図3に示したように、これらのノズルからの冷却水の加工用鋼管2に対する噴射領域が、加工用鋼管2の曲げ領域を全体をカバーするようにその噴射角度が調整されている。
すなわち、内周側冷却装置21についていえば、上下に配置された4つのノズル21a〜21dからの冷却水の噴射領域が、平面視で加工用鋼管2の曲げ内周領域をカバーするように調整されている。
また外周側冷却装置22についていえば、前記したように、上下方向に配置された4つの冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27を有しているが、例えば2段目に配置されている冷却水噴射装置ユニット25を例にとれば、加工用鋼管2の送り出し方向と平行に直線状に並列して配されている4つのノズル25a〜25dからの冷却水の噴射領域が、平面視で加工用鋼管2の曲げ外周領域をカバーするように調整されている。他の冷却水噴射装置ユニット24、26、27についても同様に平面視で加工用鋼管2の曲げ外周領域をカバーするように調整されている。
一方で内周側冷却装置21及び外周側冷却装置22の各ノズルからの上下方向の噴射領域は、図4に示したように設定されている。すなわち、内周側冷却装置21は、加工用鋼管2の軸方向からみて、内周側冷却装置21からの冷却水は、曲げ内周側の外表面1/4円周の領域Aへ冷却水を噴射するように配置されている。また外周側冷却装置22については、加工用鋼管2の軸方向からみて、曲げ外周側の外表面3/4円周を構成する領域B、C、Dへと冷却水を噴射するように配置されている。
かかる場合、外周側冷却装置22については4つの冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27を有しており、本実施の形態では、曲げ外周側の外表面3/4円周領域の領域B、C、Dのうち、各ユニットが担当する領域が分けられている。すなわち、図4に示したように、最上段に配置されている冷却水噴射装置ユニット24については領域Bを、2段目と3段目に配置されている冷却水噴射装置ユニット25、26は領域Cを、そして最下段に配置されている冷却水噴射装置ユニットについては、領域Dを担当している。
そのため、外周側冷却装置22の4つの冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27は、例えば加工用鋼管2の中心Pに対する角度方向が等間隔の領域に配置されるように、各ユニットの各ノズルからの噴流中心が位置するように配置されている。
かかる場合、図5に示したように、各ノズルの噴流中心が、加工用鋼管2と衝突する際の衝突点における加工用鋼管の接平面に対する角度θが、40度以上となるように各ノズルの噴射方向が設定されている。角度θが40度を下回ると、加工用鋼管2に対して冷却水が噴射されても、加工用鋼管2の表面に対して冷却水が十分供給されず、冷却効率が低下して十分な冷却効果が得られないからである。
また前記した各ノズルは、いわゆるフルコーンタイプのものを用いており、図6に示したように、例えばノズル25aを例にとって説明すると、冷却水噴射の際の広がり角度φは、ノズル25aの噴流中心に対して直角な平面Zに対して、30度以下となるようなものが適している。
そして本実施の形態では、外周側冷却装置22からの冷却水噴射量は、内周側冷却装置21からの冷却水噴射量の2倍以上となるように、噴射量が設定されている。
実施の形態にかかる曲げ加工管の製造装置1は、以上の構成を有しており、二次冷却装置20は、加工用鋼管2の軸方向からみて、曲げ内周側の外表面1/4円周領域の領域Aへ冷却水を噴射する内周側冷却装置21と加工用鋼管2の軸方向からみて、曲げ外周側の外表面3/4円周領域の領域B、C、Dへ冷却水を噴射する外周側冷却装置22とに分けており、しかも外周側冷却装置22からの冷却水噴射量は、内周側冷却装置21からの冷却水噴射量の2倍以上であるようにしたので、加工用鋼管2の曲げ外周側での冷却不足を防止することが可能である。
しかも本実施の形態においては、曲げ装置5と干渉しない位置に内周側冷却装置21と外周側冷却装置22とが配置されているから、曲げ加工に支障をきたさず、また加工用鋼管2の先端部を把持部材6によって直線状に引き出していく際にも、一次冷却装置15に接近して加工用鋼管2を引き出すことができる。
またさらに外周側冷却装置22は、上下方向に配置された4つの冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27によって構成され、これらの各ユニットは加工用鋼管2の送り出し方向と平行に配置されるから、設置場所の自由度が大きい。そして内周側冷却装置21と外周側冷却装置22に用いた冷却水噴射装置としてのノズルは、自在継手を介して噴射方向が自在であるから、各々個別に調整して最適な冷却状態を実現することができる。
なお前記実施の形態では、冷却水噴射装置ユニット24、25、26、27は、ノズルブロック23によって支持するようにしていたが、もちろんこれに限らず直線状の支持部材(例えば棒材等のバー)に、各ノズルを噴射方向が自在となるように取り付けてもよい。すなわちノズルブロック23自体は、本考案にとって必須のものではない。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案はかかる例に限定されない。当業者であれば、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本考案の技術的範囲に属するものと了解される。
以上の実施の形態にかかる冷却効果を確認するための実験を行なった結果を、図7〜図9のグラフに基づいて説明する。対象となる加工用鋼管2は、自動車のシート部品を想定したものであり、これに対して曲げ半径93mmの小曲げR加工を行い、曲げ加工中の鋼管外表面の温度を測定した。また温度測定を行うために、曲げ加工を行う前に熱電対を加工用鋼管2の外表面に溶接した。加工速度、すなわち加工用鋼管2の送り出し速度は、量産加工を想定して、100mm/sとした。なお比較例は、従来タイプの二次冷却装置、すなわち円環状にノズルが配置された二次冷却装置を用いて冷却したものである。温度の測定地点は、曲げ加工部分の中程(曲げ始めと曲げ終わりの中間部分)である。
ノズルからの冷却水の流速、流量は下記の通りである。なお、冷却水温度は15℃である。
[比較例]
一次冷却水:流速7.9m/s(流量は90L/min)
二次冷却水:流速15.1m/s(流量は120L/min)
[実施例]
一次冷却水:流速7.9m/s(流量は90L/min)
二次冷却水:流速15.1m/s以上
内周側冷却装置21の流量:24L/min
外周側冷却装置22の流量:96L/min
[比較例]
一次冷却水:流速7.9m/s(流量は90L/min)
二次冷却水:流速15.1m/s(流量は120L/min)
[実施例]
一次冷却水:流速7.9m/s(流量は90L/min)
二次冷却水:流速15.1m/s以上
内周側冷却装置21の流量:24L/min
外周側冷却装置22の流量:96L/min
比較例による冷却開始からの経過時間と温度との関係を図7に示した。冷却開始温度は、1000℃である。これによれば、曲げ外周部分は、一旦温度が200℃を下回ったが、冷却水の衝突範囲が終わる前、すなわち冷却開始から1秒を経過する前から、再び上昇し、いわゆる復熱という現象が発生した。そして冷却開始から2.5秒にわたって200℃を超えていた。さらに冷却開始から5秒経過しても依然として、50℃程度の温度が認められる。これは、曲げ部外周部において冷却が十分でなかったことを示している。
これに対して、図8に示した実施例の結果によれば、冷却開始から0.5秒後に一旦上昇するものの、直ちに低下に転じ、冷却開始から1秒も経たないうちに200℃を下回り、以後上昇することなかった。また冷却開始から1.5秒後には、30℃程度となって落ち着いた。したがって実施例は、比較例に比して、外周曲げ部分の冷却が好適になされていることが分かる。
一方でそのようにして冷却した実施例の結果、加工用鋼管2における曲げ加工部分の硬度を測定した結果を図9のグラフに示した。これによれば、曲げ加工部分における曲げ外周部分の硬度は、他の部分、すなわち曲げ内周部分、上側、下側とぼぼ同じ値を示していることが確認できた。したがって、実施例によれば、焼きむらがなく、曲げ加工部分を均等に冷却することができる。これらの点から、本考案の有効性が確認できた。
本考案は、加熱した加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させることで、曲げを含む所定の形状に成形する際の、曲げを含む被加熱部を冷却する際に適用できる。
1 曲げ加工管の製造装置
2 加工用鋼管
3 誘導加熱装置
4 送り出し装置
5 曲げ装置
6 把持部材
7 駆動アーム
15 一次冷却装置
20 二次冷却装置
21 内周側冷却装置
22 外周側冷却装置
21a〜21d ノズル
23 ノズルブロック
24、25、26、27 冷却水噴射装置ユニット
24a〜24d ノズル
25a〜25d ノズル
26a〜26d ノズル
27a〜27d ノズル
2 加工用鋼管
3 誘導加熱装置
4 送り出し装置
5 曲げ装置
6 把持部材
7 駆動アーム
15 一次冷却装置
20 二次冷却装置
21 内周側冷却装置
22 外周側冷却装置
21a〜21d ノズル
23 ノズルブロック
24、25、26、27 冷却水噴射装置ユニット
24a〜24d ノズル
25a〜25d ノズル
26a〜26d ノズル
27a〜27d ノズル
Claims (5)
- 加工用鋼管をその長手方向に送りながら前記加工用鋼管の一部分を加熱装置で加熱しつつ、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させることで、前記加工用鋼管を曲げを含む所定の形状に成形して前記曲げを含む被加熱部を冷却する、曲げ加工管の製造装置であって、
前記加熱装置の下流側に一次冷却装置が配置され、
前記一次冷却装置の下流側に二次冷却装置が配置され、
前記二次冷却装置は、
前記加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ内周側の外表面1/4円周領域へ冷却水を噴射する内周側冷却装置と
前記加工用鋼管の軸方向からみて、曲げ外周側の外表面3/4円周領域へ冷却水を噴射する外周側冷却装置と、を有し、
前記外周側冷却装置からの冷却水噴射量は、前記内周側冷却装置からの冷却水噴射量の2倍以上であることを特徴とする、曲げ加工管の製造装置。 - 前記二次冷却装置は、前記加工用鋼管の一端部を把持して前記加工用鋼管を二次元又は三次元方向に移動させる際に用いられる把持装置とは、干渉しない位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の曲げ加工管の製造装置。
- 前記外周側冷却装置は複数の冷却水噴射装置を有し、各冷却水噴射装置は、前記加工用鋼管の中心に対する角度方向が等間隔の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の曲げ加工管の製造装置。
- 前記各冷却水噴射装置はノズルであり、当該ノズルからの冷却水噴射の際の広がり角度は30度以下であることを特徴とする、請求項3に記載の曲げ加工管の製造装置。
- 前記ノズルは、噴射方向が調整自在であることを特徴とする、請求項4に記載の曲げ加工管の製造装置。
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WO2021172242A1 (ja) * | 2020-02-27 | 2021-09-02 | 日本製鉄株式会社 | 冷却装置及び冷却方法 |
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