JP3220959B2 - 二重撚糸方法 - Google Patents

二重撚糸方法

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JP3220959B2 JP25184695A JP25184695A JP3220959B2 JP 3220959 B2 JP3220959 B2 JP 3220959B2 JP 25184695 A JP25184695 A JP 25184695A JP 25184695 A JP25184695 A JP 25184695A JP 3220959 B2 JP3220959 B2 JP 3220959B2
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  • Guides For Winding Or Rewinding, Or Guides For Filamentary Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は二重撚糸方法、特に伸
びの異なる糸の合糸を撚りムラや糸切れの発生を少なく
して二重撚糸できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、二重撚糸機とは、静止盤に給糸パ
ッケージを載置し、該給糸パッケージ中心に立設された
筒体を経て下方に導かれる糸を静止盤の下に配置された
回転ディスクに沿わせ、上方のバルーンガイドへと糸を
導く過程で二回加撚するものである。
【0003】このような二重撚糸機の従来例を図4によ
り説明する。図4において、支持管1がフレーム2に固
定され、該支持管1にベアリング3を介してスピンドル
4が回転自在に支持されている。さらに、スピンドル4
にはワーブ5、糸貯溜盤6、および回転ディスク7が一
体的に固定されている。このワーブ5にベルト16が接
触しており、回転ディスク7などが高速回転する。さら
に、上記スピンドル4にはベアリング8を介して静止盤
9が支持され、該静止盤9に固定したマグネット10と
マグネットケース11に固定したマグネット12の吸引
作用により静止盤9は静止状態を維持する。
【0004】つぎに、静止盤9には給糸カバー13が固
定されており、上記フレーム2には外側バルーン制限筒
14が固定されている。上記静止盤9上には給糸パッケ
ージPが載置され、給糸パッケージPの芯管内で静止盤
9の上にテンション装置15が立設されている。すなわ
ち、静止盤9の中心筒部9aに下部筒体21が嵌入さ
れ、下部筒体21にテンション装置15が挿入されてい
る。
【0005】テンション装置15の上部筒体22にはフ
ライヤー40が遊嵌され、フライヤー40はキャップ2
3の上で解舒される糸に連れ回るように回転自在に支持
されている。このフライヤー40はボス41に針金42
をハの字型に折り曲げて取り付けたものである。図
示されるように、針金42の先端が糸を掛けるスネルワ
イヤ43となっている。なお、スネルワイヤ43は針金
42の両端に設けられており、いずれかのスネルワイヤ
43に糸を通す。
【0006】給糸パッケージPから解舒される糸Yはフ
ライヤー40のスネルワイヤ43を通り、テンション装
置15の上部筒体22に入り、上受材24と下受材26
で挟持されるカプセルテンサ32で所定の張力が付与さ
れ、通路17、折曲17aを経て糸導出孔18に導かれ
る。更に給糸カバー13と外側バルーン制限筒14の間
を通り、上方のバルーンガイド39へと導かれる。その
際、ベルト16の駆動力により糸貯溜盤6即ち回転ディ
スク7が回転し、糸Yが2回加撚される。フライヤー4
0は給糸パッケージPから解舒される糸Yと共に回転
し、解舒角度θをゼロより大きくすることによって、解
舒切れを防止している。
【0007】ところで、できるだけ大きな給糸パッケー
ジPが静止盤9に載置できるように、フライヤー40の
最初の糸ガイド部としてのスネルワイヤー43は給糸パ
ッケージPの端面の上方に位置するようになっている。
すると、フライヤー40に邪魔されることなく、給糸カ
バー13の内径ギリギリまで給糸パッケージPを太らせ
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の二重撚
糸機によって、伸びの異なる糸同志の合糸、例えばフィ
ラメントとスパンの合糸、フィラメントとスパンデック
スとの合糸を二重撚糸した場合、撚りムラや糸切れが多
発するという問題点があった。この原因を追求したとこ
ろ、図5の一点鎖線に示すように給糸パッケージPの側
面の上端から短いルートで定常的に解舒されるはずのも
のが、二点鎖線に示すように給糸パッケージPの端面を
大きく横切るルートになる結果、撚りムラや糸切れが多
発することが判明した。
【0009】本発明は、伸びの異なる糸同志の合糸の二
重撚糸で生じる撚りムラや糸切れの原因を追求するなか
でなされたものであり、伸びの異なる糸同志の合糸を二
重撚糸する場合に、撚りムラや糸切れが生じにくい二重
撚糸方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、静止盤の上に載置され、
びが異なる糸の合糸が巻かれた給糸パッケージから、該
給糸パッケージの回りを連れ回りするフライヤーによっ
て合糸を解舒し、解舒された合糸を給糸パッケージの中
心に立設する筒体へと導き、該給糸パッケージ下方に位
置する回転ディスクに合糸を沿わせ、上方のバルーンガ
イドへと合糸を導く過程で二回加撚する二重撚糸方法で
あって、前記フライヤーによって給糸パッケージの巾内
にある位置に向かって合糸を解舒し、前記フライヤーに
よって張力を付与しながら前記筒体へと導くようにした
ことを特徴とする。伸びが異なる糸の合糸は特に弛みに
起因するパッケージ端面の横切りが発生しやすいため、
給糸パッケージの巾内にある位置に向かって合糸を解舒
してパッケージ端面を横切りにくくしするとともに、前
記フライヤーによって張力を付与しながら前記筒体へと
導くことで弛みにくくする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。図1は二重撚糸機の断面図、図2
はフライヤーを示す図である。なお、図4の従来例と異
なる主な部分は、フライヤーの形状である。その他の部
分は図4と同様であるため、同じ符号を付してその説明
を省略する。
【0012】図1において、給糸カバー13と給糸パッ
ケージPの側面との間に隙間εが設けられ、この隙間ε
の中にフライヤー50が進入している。このフライヤー
50の詳細構造が図2に示される。図2(a)はフライ
ヤー50の正面図、図2(b)はフライヤー50の側面
図、図2(c)はフライヤー50の上面図である。
【0013】図2において、フライヤー50は、ボス5
1と、ボス51に嵌入固定される折り曲げプレート52
と、プレート52に取り付けられた第1糸ガイド部5
3、第2糸ガイド部54及び第3糸ガイド部55と、同
じくプレート52に締結されたカウンターウェイト56
とからなっている。
【0014】プレート52は、第1水平腕57と、第2
水平腕58と、斜め腕59と、垂直腕60とが連続する
ように成形されたものである。第1水平腕57と第2水
平腕58との中間に位置する穴にボス51が嵌入されボ
ルト固定される。垂直腕60の下側に第1糸ガイド部5
3が取り付けられ、垂直腕60の上側に第2糸ガイド部
54が取り付けられ、第2水平腕58の外方端に第3糸
ガイド部55が取り付けられている。また、第1水平腕
57の外方端にカウンターウェイト56がボルトで固定
されている。
【0015】第1糸ガイド部53は給糸パッケージの側
面に対面する孔53aとガイドプレート53bとを有し
ている。孔53aに擦られながら抜き出された糸はガイ
ドプレート53bに沿って上方へと約90°方向を転換
する。第2糸ガイド部54は糸が擦れるプレートで形成
されている。第1糸ガイド部53からの糸が第2糸ガイ
ド部54のプレートで擦られ、第3糸ガイド部55に向
かって垂直から斜めへと方向転換する。第3糸ガイド部
55は孔55aを有しており、糸は孔55aで擦られな
がら図示されない筒体頂上へとやや屈曲して方向転換す
る。
【0016】図1に戻り、給糸パッケージPから上部筒
体22の頂上に至る迄の糸は、上部筒体22の頂上のA
点と、第3糸ガイド部55のB点と、第2糸ガイド部5
4のC点と、第1糸ガイド部53のD点の4点で擦られ
ながら方向転換している。
【0017】このフライヤー50の下面には摩擦部材6
1が張りつけられ、この摩擦部材61の部分が上部筒体
22に嵌入された皿部62の上に乗って回転自在になっ
ている。フライヤー50の回転に要する力の程度はボス
51の上に載せるウェイト63によって調整可能であ
る。また、フライヤー50の重心が丁度ボス51の部分
に位置し、フライヤー50の回転がスムーズになるよう
に、適切な重量のカウンターウェイト56がボルトで固
定されている。図5のような単純形状のフライヤー40
であれば、左右対象形状にしてバランスさせることがで
きる。しかし、図2のような複雑形状のフライヤー50
であると、左右対象形状にすると全体が重くなり、構造
も一層複雑になるため、カウンターウェイト56でバラ
ンスをとっている。
【0018】上述した構造の二重撚糸機において、給糸
パッケージPから解舒される糸は、給糸パッケージPの
側面に対面する第1糸ガイド部53のD点に向かって引
き出される。そのため、糸の性状にかかわらず、解舒さ
れる糸が給糸パッケージPの上側の端面を横切る可能性
がなくなる。
【0019】また、第1ガイド部53のD点で約90°
だけ糸が方向転換するため、糸に張力が付与される。同
じく、第2ガイド部54のC点で糸がプレートに押し当
てられて擦られるため、糸に張力が付与される。同じ
く、第3ガイド部55のB点で糸が孔の周面に押し当て
られて擦られるため、糸に張力が付与される。つぎに、
上部筒体22の頂上のA点において、糸が270°を越
えて方向転換し、上部筒体22に導入される際に、糸に
張力が付与される。なお、糸の解舒とともに、フライヤ
ー50が上部筒体22の回りを連れ回りするが、フライ
ヤー50の回転抵抗はウェイト63で調整可能である。
すなわち、ウェイト63を増やすと、フライヤー50が
回りにくくなり、D点以降で付与される張力が増加す
る。
【0020】このように、給糸パッケージPから解舒さ
れる糸に所定の張力を順次(D点→C点→B点→A点)
付加できる構成にすると、解舒された糸上部筒体22
に至るまでに弛むことがなくなる。特に、異なる素材か
らなる糸を合わせた合糸であって、互いの糸の伸びが異
なる場合、バルーンの影響等で弛み始めると、2本の糸
が分離し、撚りムラの原因にる。しかし、給糸パッケ
ージPから解舒された後、上部筒体22に至る迄に、順
次張力を付与することによって、合糸が分離することが
ない。なお、D点→C点→B点→A点迄で所定の張力を
付与できる場合には、テンション装置15は不要とな
る。そのため、テンション装置15を作動させないため
に、カプセルが抜かれている。
【0021】上述した構成の二重撚糸機を伸びの異なる
合糸が巻かれた給糸パッケージPの二重撚糸方法に適用
すると、その有利な点が明瞭になる。伸びが異なる糸で
あるため、給糸パッケージPから筒体に至るまでのバ
ンによって、合糸を構成する糸が別れ一方の糸に弛み
を生じる場合がある。このような弛みが生じると、給糸
パッケージPの上側の端面を横切り易くなる。しかしな
がら、フライヤー50の第1糸ガイド部53によって、
給糸パッケージPの巾内にある位置(D点)に向かって
合糸を解舒するだけではなく、更にフライヤー50の第
1、第2、第3糸ガイド部53、54、55によって、
順次張力を付与しながら上部筒体22へと導くことで弛
みが生じにくくしている。そのため、伸びの異なる糸の
合糸にかかる二重撚糸であっても、撚りムラや糸切れが
生じにくくなる。
【0022】つぎに、図3により他の実施形態を説明す
る。図1のものと異なる点は、第2糸ガイド部が省略さ
れ、第1糸ガイド部53と第3糸ガイド部55だけにな
っている点である。この場合、第1糸ガイド部53から
第3糸ガイド部55に至る糸は最短距離になろうとする
ため、図示のaの糸道になろうとする。そのため、図2
の垂直腕60と斜め腕59には長孔64が加工してあ
り、この長孔64の空間内を糸が通過する。給糸パッケ
ージPを解舒し始めた時点では巻き径が太いため、bの
糸道のように、第1糸ガイド部53から第3糸ガイド部
55に至る糸が給糸パッケージPの端に当たるが、多少
糸道bが屈曲する程度であるため、支障はない。
【0023】糸が太く、バルーンの影響を受けにくい場
合には、第1糸ガイド部53から上部筒体22に至るま
での糸ガイド部を省略することができる。例えば150
デニール以上になると、図3のものや、更に第3糸ガイ
ド部53を省略したものが使用可能である。しかし、糸
に対する張力付与が不足するため、テンション装置15
のカプセル32を作動させて、糸カプセル32を通過
する際に所定の張力が付与されるようにする。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法は、
止盤の上に載置され、伸びが異なる糸の合糸が巻かれた
給糸パッケージから二重撚糸加工糸を得る場合、給糸パ
ッケージの巾内にある位置に向かって合糸を解舒し、フ
ライヤーによって張力を付与しながら筒体へと導くた
め、合糸の弛みが生じにくく、パッケージ端面を横切る
こともないため、普通の二重撚糸方法で多発する合糸に
おける撚りムラや糸切れを防止することができる。
【0025】
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重撚糸機を示す断面図である。
【図2】フライヤーを示す図である。
【図3】本発明の他の二重撚糸機の断面図である。
【図4】従来の二重撚糸機の断面図である。
【図5】従来のフライヤーの上面図である。
【符号の説明】
7 回転ディスク 9 静止盤 22 上部筒体(筒体) 50 フライヤー 53 第1糸ガイド部(最初の糸ガイド部) 54 第2糸ガイド部 55 第3糸ガイド部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−42029(JP,A) 実開 昭48−102336(JP,U) 特公 昭46−23571(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 7/86

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止盤の上に載置され、伸びが異なる糸
    の合糸が巻かれた給糸パッケージから、該給糸パッケー
    ジの回りを連れ回りするフライヤーによって合糸を解舒
    し、解舒された合糸を給糸パッケージの中心に立設する
    筒体へと導き、該給糸パッケージ下方に位置する回転デ
    ィスクに合糸を沿わせ、上方のバルーンガイドへと合糸
    を導く過程で二回加撚する二重撚糸方法であって、 前記フライヤーによって給糸パッケージの巾内にある位
    置に向かって合糸を解舒し、前記フライヤーによって張
    力を付与しながら前記筒体へと導くようにしたことを特
    徴とする二重撚糸方法。
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