JP3220818B2 - 反射型映写スクリーン - Google Patents

反射型映写スクリーン

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JP3220818B2 JP35005692A JP35005692A JP3220818B2 JP 3220818 B2 JP3220818 B2 JP 3220818B2 JP 35005692 A JP35005692 A JP 35005692A JP 35005692 A JP35005692 A JP 35005692A JP 3220818 B2 JP3220818 B2 JP 3220818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映写スクリーン、特に
映画、投影型テレビジョンなどの動画を映写するための
反射型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】スライドやOHPの投影、または映画や
ビデオを映写するスクリーンは、黒色の裏打ちシートに
白色のポリ塩化ビニルシートを積層したものが一般的で
ある。このようなスクリーンは全方向に均一等方的拡散
性と適切な映写光の反射率をもち、しかもシワがつき難
く、取扱いが容易な反射型映写スクリーンとして、暗色
のプラスチックシートである黒色不透明樹脂層に、ガラ
ス繊維の基布、白色不透明で柔軟な基体シートの受像面
に光輝性顔料または方解石の粉末を含有するインキで印
刷した反射層を有する反射シート、および光輝性顔料ま
たは方解石の微粉末を含有する半透明で柔軟なプラスチ
ック樹脂の光拡散層を設け、表面にエンボス加工を施し
た映写スクリーンや、暗色インキのベタ印刷層である光
吸収層を有する白色不透明で柔軟なプラスチックの基体
シートの非印刷面上に、ガラス繊維の基布、および光輝
性顔料または方解石の微粉末を練り込んだ光拡散層とな
る半透明で柔軟なプラスチックシートの下面に光輝性顔
料または方解石の微粉末を含有するインキ層を有するシ
ートを順に設け、表面にエンボス加工を施した反射型映
写スクリーンが提案されている。(実願平3−2462
号)
【0003】このような反射型映写スクリーン分を使用
したところ、時には迷光による二重画像(半透明光拡散
層より通過する画像以外の光で反射層面で焦点が定まら
ない画像)との作用で白化したり、そのコントラストや
鮮明さが欠けるという問題があった。又、この種のスク
リーンは、積層工程中に於けるガラス繊維の基布、不織
布の織目、地合いムラ等により、映写膜表面のムラとな
り映像の乱れや、画素とこれら凹凸形状の干渉によるモ
アレ等を生じ、安定した光学特性をもつ形状を得難いと
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安定
した適切な光学特性をもち、映写面にモアレや映像の乱
れが発生せず、明所でも常に高コントラストで、鮮明な
画像を確保できる反射型スクリーンを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型映写スク
リーンは、光輝性顔料又は方解石の微粉末を分散させた
樹脂層からなり、その受光面に微小凹凸模様を施した軟
質プラスチック樹脂シートよりなる半透明光拡散層の非
受光面に、開孔径が0.8〜2.0mm、糸径が0.0
3〜0.06mmの撚糸或いは単繊維より形成された3
〜8角形状の黒色ネット、光輝性顔料を分散させた樹脂
層からなる濃密度光拡散反射層、寸法安定性があり可撓
性をもった基材シートをこの順に積層してなることを特
徴とする。
【0006】黒色ネットの形状は画素の大きさ、密度に
よって規定されるもので、次の要件が必要である。即ち
この種の反射型映写スクリーンは最小寸法でも100c
m以上で使用され、投影される画素は通常のテレビジョ
ンの場合、走査線数525本、高品位テレヒジョンの場
合でも1125本であるから、画素の周期及び寸法は、
100cm/525本〜100cm/1125本=19
00μm〜890μmである。又、その大きさは、上記
の画素の寸法からみて画素の大きさに相当する0.8〜
1.8mmである開孔径と、ピッチより1桁程度小さ
く、且つ強度のある0.08mm以下程度の糸径であれ
ば良い。本発明における糸径は映写スクリーンに強度を
与えることを考慮すれば太いほど良いともいえるが、好
ましい数値は0.04〜0.06mmであった。本発明
記載の開孔径とはネット開孔部1辺の最小長さである。
そして、ネットの形状は、その画素の形、光拡散性微小
凹凸模様の形状と機構等によって黒色ネットに要求され
る形状に多少の違いはあるが、ネットを形成できる三角
形以上の多角形、中でも特に6〜8辺を有する正多角形
がよく、亀の甲型の六角形の組合せが好ましい。
【0007】ネットの素材は、本発明の積層シートの加
工条件である100℃以上の耐熱性が必要であり、ポリ
エステル、ポリアミド、レーヨン、アクリル等の合成繊
維の他天然繊維である木綿、麻を素材とすることもでき
る。又、ネットを構成するたて/よこ糸はモノフイラメ
ント/モノフイラメント、モノフイラメント/マルチフ
イラメント、マルチフイラメント/マルチフイラメント
があるがその何れもが使用できる。天然繊維は耐熱性、
積層適性で優れるが、短繊維の糸を撚り合わせられたマ
ルチフイラメントであるため、糸ケバがあり画像を損な
う要因となることもあり、精度を必要とする映写スクリ
ーンには適さない。本発明は糸ケバのない合成繊維であ
るポリアミドのマルチフイラメント/マルチフイラメン
トが後加工適性も良く好ましい材料である。
【0008】寸法安定性がある基材シートは、スクリー
ンの強度、寸法安定性を付与するもので、映写幕が通常
ロール形状で保存される直径が最小30mmの円柱状に
巻取れる可撓性、巻取り/巻出し時の張力である最大2
0Kg/m巾の張力に耐え、最も重要な要素としては、
巻取り/巻出しの繰り返し使用した場合にたるみ、カー
ル、しわ等の変形がなく、この表面に半透明光拡散層等
を通して最表面に織目、地合ムラ等の不要な凹凸が出現
しない程度の平滑性を有し、更に他の材料を積層、印刷
する加工工程の熱、張力に支障のないことが必要であ
る。これらの条件を満たす材料は、弾性限度60Kg/
cm以上、ヤング率2.5×10Kg/cm
上、曲弾性率3.5×10Kg/cm以下、厚さ3
5〜200μm、且つJIS−B−0601の中心線平
均粗さとうねりが共に100μm以下であることが好ま
しい。これらの特性をもつ寸法安定性基材シートは単体
のプラスチックシート、或いは積層によって求められる
が、それらのシートに映写スクリーンの光学的特性であ
る光吸収性、白色性、反射性等を併せもつことが望まし
い。
【0009】これらの要求を満たす寸法安定性基材シー
ト用プラスチックシートには、透明、白色、又は黒色の
延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、延伸ポリアミドであるナイロン6、ナイロン
66(何れも商標)、セルローストリアセテート、ポリ
スチレン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ノリル
(GE社登録商標)、ポリエーテルスルフオン、ポリメ
タクリル酸メチル等をベースとする単体シートや低発泡
のプラスチックシートより製造される合成紙、天然セル
ロースにチタン白を加えた紙に硫酸処理を施した層間剥
離のない乳白パーチメント紙等がある。更に、これらシ
ートは単層で用いても、複数積層して用いても良く、要
は前記の性能を満たせば良い。これらのシートに積層す
る濃密度光拡散反射層、半透明光拡散層、更には必要に
よってはこの裏面に積層する白色、暗色の不透明樹脂層
等はこの寸法安定性基材シートよりも伸び率の大きい軟
質プラスチックシートを貼合して使用する。この場合に
使用できる軟質プラスチックシートは、例えば平均重合
度=1000〜2000、可塑剤がジオクチルフタレー
ト(DOP)換算30〜70重量部加えた軟質ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合物
(EVA)、アイオノマー、エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合物(EEA)、エチレン・アクリル酸共重合物
(EAA)、メチルペンテンポリマー、ポリブテン等の
未延伸シートがある。
【0010】濃密度光拡散反射層は、白色顔料と光輝性
顔料とをプラスチックに混練して、成膜した層を用いる
こともできるが、粗粒の光輝性顔料を多量に、且つ均一
にプラスチック中に分散させることは困難であるし、高
価な光輝性顔料を多量に使用することは得策ではなく、
無機物を多量に含む層は可撓性が低下する。従って、白
色顔料だけを混練して成膜したシート上に光輝性顔料を
含むインキを必要によってはプライマー層を設け、印刷
して形成する方が有利である。
【0011】光輝性顔料の例をあげれば次のとおりであ
る。貝がらの内部や真珠を粉砕したもの、マイカ、マ
イカの平均粒径10〜30μmの鱗片状微粒子に酸化チ
タンまたは酸化鉄を焼き付けて製造するパール顔料。
銅、アミニウム、真ちゅう、青銅、金、銀等1〜120
μmの微粒子である金属粉。上に記載した金属、通常
はアルミニウムを真空蒸着したポリエチレンテレフタレ
ートフイルムの砕片。これらの光輝性顔料の形状は鱗片
状のものが好ましく、鱗片状体の面を基材反射シート面
と平行に配列すると、高輝度に乱反射させることができ
る。材質としては特に酸化チタン被覆雲母からなるパー
ル顔料が好ましい。
【0012】方解石の微粉末は2〜20μmのものが好
ましく、粒度分布は極力狭く製造されものがよく、例え
ば平均粒径5μmの場合、80%以上が3〜7μmの範
囲にあるグレードを選定する。
【0013】半透明光拡散層となるプラスチック層は濃
密度光拡散反射層で一旦拡散反射された光線を透過させ
つつ、更に一部光線を拡散させ、画面の眩しさを低減
し、視野面を適切に広げる作用もする。これに添加する
光輝性顔料または方解石の微粉末の量は0.5〜10重
量%、好ましくは2重量%である。
【0014】又、濃密度光拡散反射層は映写層の殆ど全
部を効率よく反射し、且つ反射光線が適度に拡散する作
用を行う。該層の厚みは数μmですむため印刷又は塗装
で形成するのが好ましく、使用するインキは、通常のバ
インダー樹脂中に光輝性顔料をできるだけ高濃度に分散
したものである。そのベヒクルは、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂等を適当な溶剤に溶解したもので形成される。
インキ組成は上記の顔料が100重量部に対しベヒクル
を5〜100重量部、特に10〜50重量部の範囲が好
ましく、その他界面活性剤等のインキ助剤を加えて構成
される。又、インキバインダーの樹脂組成物は透明光輝
性エンボス層及びネットとの接着が良い材料を選択する
ことが望ましく、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合物や、
ウレタン系化合物がよい。濃密度光拡散反射層とネット
を熱融着する場合はその接着を強固にするため濃密度光
拡散反射層の上に感熱性樹脂の塗布、或いは光輝性顔料
の濃度を1/5〜1/2に下げた低密度光拡散反射イン
キで印刷する。インキ皮膜の厚さは光輝性顔料で被印刷
シートの全面をカバーされることが必要であり、1〜1
0μm、2〜4μmが好ましい。
【0015】光輝性顔料の如き、ベヒクルとの親和性に
欠ける材料で作られるインキは、印刷時にムラを生じや
すいことから、数回の重ね刷りを行う方が、全面をカバ
ーするためのインキ使用量を少なくし、且つ光拡散の効
果をあげることができる。
【0016】方解石微粉末を用いる場合のインキ組成
は、前述の理由によりできるだけ高濃度にするように、
方解石の微粉末100重量部に対しベヒクルが1〜10
0重量部、特に10〜50重量部の範囲が好ましい。
【0017】塗布は、グラビア、シルクスクリーン等の
印刷や、スプレーコート、ロールコート等の既知の技術
で施すことは可能であり、前面を均一にカバーするとと
もにその厚さは固形分で1μm以上あることが必要であ
る。又、この濃密度光拡散反射層はネットを融着し易く
するため、このインキ層の顔料濃度を下げて感熱接着性
を付与することもできる。
【0018】半透明光拡散層の厚さは、濃密度光拡散反
射層を設けない場合には、反射光の減衰量を低減して映
像を明るく保つために行われ、80〜100μmの範囲
が適当である。光拡散反射層を設けた場合は、反射光量
の減衰は少ないから、光拡散層を厚くし、光線を散らし
半値角を広げるという観点から50〜300μmの範囲
が適当である。又、表面が粉塵の付着による汚染を防ぐ
ために、帯電防止剤となる界面活性剤を選択し加えるこ
とが必要である。
【0019】反射型スクリーンの光学的特性をより高め
るために、寸法安定性基材シートの濃密度光拡散反射層
の反対面に白色不透明樹脂層、更に加えて黒色不透明樹
脂層を積層することが好ましい。該白色及び黒色不透明
樹脂層は、前記半透明光拡散層と同等の物性をもつ樹脂
を用い、これに白色の場合は不透明度が90%以上とな
るよう、酸化チタン等の白色顔料を黒色の場合はカーボ
ンブラックの他アルミニウムパウダー等の金属粉をを主
体に他の有色顔料を適宜付加分散させたプラスチックシ
ートを用いる。
【0020】尚、これら白色不透明樹脂層又は黒色不透
明樹脂層の何れかを、寸法安定性基材シートと兼ねさせ
ることもできる。その場合は寸法安定性基材シート中に
白色顔料又は黒色顔料等を分散させて形成し、場合によ
ってはこれらプラスチックシートに低発泡加工等を行っ
た例えば合成紙等を使用する。又、これら白色不透明樹
脂層、黒色不透明樹脂層は予め成膜したシートを貼合せ
て形成してもよく、塗装又は印刷の方法により形成でき
る。映写スクリーンのカールを防止するには寸法安定性
基材シートの両面に同一物性の層が積層されていること
が望ましい。
【0021】本発明の反射型映写スクリーンの構成層中
ネットを挿入するには図9に示すように、ネットを半透
明拡散層と寸法安定性基材シートに塗布された濃密度光
拡散反射層の間に挿入し、上下にヒーターを備えた2枚
の金属製のエンドレスベルトの間に挟んで移動する間に
熱圧融着を行う。ネットの供給はニップロールに入る前
に、上下の移動が可能なダンサーロールで、ネットの歪
み、まがりを是正するための制御を行う。
【0022】本発明の反射型映写スクリーンの一体化積
層する方法は前記熱圧融着法、接着剤を塗布して行うド
ライラミネート法の何れでもよく、表面の凹凸模様は、
半透明光輝性プラスチックシート成膜時のエンボス加
工、或いはエンボス版を使用し熱圧融着時の熱圧により
形成することもできる。
【0023】微小凹凸模様は、在来の反射型スクリーン
に常用されているような波型が90度交叉するパターン
の他、砂目調、梨地調、ヘアライン調、円柱型のレンチ
キュラーレンズ、三角プリズム型レンチキュラーレン
ズ、蝿の目レンズ等任意である。スクリーンの正面だけ
ではなく左右にも観客が並ぶ場合には、水平方向に光を
拡散させる必要があり、このためには、軸が鉛直方向の
半円柱状レンチキュラーレンズ群を形成する微小凹凸模
様が適する。又、液晶表示型テレビジョンを映写する場
合のように、画素が縦・横方向に周期的に配列する場合
は、砂目、梨地のようにランダムで非周期的な凹凸模様
の方がモアレを生じないため好ましい。
【0024】また、本発明の反射型映写スクリーンの表
面に、図8で示すように、暗色のインキで外枠を、シル
クスクリーン印刷など適宜の手段で印刷しておくと、画
像の端のトリミングが適切に行われる上に画面を一層鮮
明にする効果がある。
【0025】
【作用】本発明の映写スクリーンは、寸法安定性基材シ
ートの上に、光輝性インキによる濃密度光拡散反射層、
迷光防止作用をもつ黒色ネット層、微小凹凸模様を形成
した軟質ブラスチックによる半透明光拡散層を順に重ね
て設けたことにより、受光面に迷光による妨害画像の発
生を防止すると同時に適切な拡散性と高い反射率を併せ
実現した。
【0026】
【実施例】次に、本発明における反射型映写スクリーン
の製造方法実施例について図面を参照して説明する。
【0027】(実施例 1) 寸法安定性基材シートとして、白色のポリプロピレン系
の合成紙4a(王子油化:ユポ300μm)の裏面に黒
色のベタ印刷6aを施し、その反対面である表面に下記
組成の光輝性インキを、乾燥時の厚さが3μmになるよ
うグラビア印刷をして濃密度光拡散反射層3/及び光輝
性インキのバインダーと同成分の樹脂を乾燥時の厚さ3
μmである感熱接着剤層3aを設けた。 ・光輝性インキの組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合物 ビニライトレジンVAGH 10.0部 可塑剤 5.0部 安定剤 0.5部 酸化チタンコーテイング雲母顔料 15.5部 酢酸エチル 30.0部 エチルセロソルブ 17.0部 トルエン 37.0部
【0028】合成紙の濃密度光拡散反射層面、糸径0.
06m、開孔径1.2mmのモノフイラメントよりなる
黒色に染色したポリアミド(ナイロン)製の亀甲型ネッ
ト2、下記組成のパール顔料を含む厚さ200μmの半
透明の砂目調の微小凹凸摸様1aをもつ軟質塩化ビニル
シート1の非凹凸模様面とを図9に示すエンドレスプレ
ス型熱ラミネーターで熱接着して反射型映写スクリーン
を得た。 ・パール顔料を含む半透明軟質塩化ビニルシートの組成 塩化ビニル樹脂 (平均重合度=1300) 100.0部 可塑剤 DOP 60.0部 安定剤 エポキシ化大豆油 2.0部 帯電防止剤 1.0部 酸化チタンコーテイング雲母 1.0部 得られた本発明の反射型映写スクリーン図5の半値角を
測定したところ35度であった。半値角とは、スクリー
ン正面の輝度を基準として、水平方向において輝度が半
分になる方向の垂直線に対する傾きである。又、蛍光灯
で照明した室内で映写しても、黒色ネット層無しの物と
比較して迷光による画質のコントラスト低下や白化によ
る劣化も目立たず鮮明な画像が得られた。
【0029】(実施例 2) 寸法安定性基材シートとして白色二軸延伸ポリエステル
フイルム4b100μm(東レ製、不透明度98%)に
酸化チタンコーテイング雲母にかえてカーボンブラック
1%含む実施例1配合の黒色軟質塩化ビニルシート6b
をポリウレタン系接着剤を介して貼合したシートの白色
ポリエステルフイルム面に線状ポリエステル/イソシア
ネート系のプライマー処理後濃密度光拡散反射層3とし
て実施例1の光輝性インキを厚さ3μmになるようグラ
ビアべた印刷の2色刷り後更に、光輝性顔料を1/3に
希釈した実施例1の光輝性インキを厚さ4μmになるよ
う低濃度光拡散反射層3bを印刷し、感熱接着性を付与
した濃密度光拡散反射層を有するシートを得た。この濃
密度光拡散反射層に糸径0.06mm、開孔径1.2m
mのモノフイラメントよりなる黒色に染色したポリエス
テル製亀甲型のネット、厚さ120μmの上記パール顔
料を含む半透明軟質塩化ビニルシート1及び砂目調のエ
ンボス版を順に重ね、熱圧ダブリングにより一体化する
とともに凹凸模様1aを施した。得られた本発明の反射
型映写スクリーン図7の半値角を測定したところ45度
であった。又、蛍光灯で照明した室内で映写しても、黒
色ネット層無しの物と比較して迷光による画質のコント
ラスト低下や白化による劣化も目立たず鮮明な画像が得
られた。
【0030】(実施例 3) 白色不透明樹脂層として白色軟質塩化ビニルシート5a
(200μm、不透明度98%)寸法安定性基材シート
として延伸ナイロンフイルム4c25μm、カーボンブ
ラック1%含む実施例1配合の黒色軟質塩化ビニルシー
ト6bを順にポリウレタン系接着剤7を介して貼合した
シートの延伸ナイロンフイルム面に濃密度光拡散反射層
として実施例1の光輝性インキを厚さ3μmになるよう
グラビアべた印刷を2色刷りして、濃密度光拡散反射層
3を得た。この濃密度光拡散反射層にたて/よこ糸がモ
ノフイラメント/マルチフイラメントの糸径、0.05
mmの開孔径1.2mmの黒色ナイロン糸の正6角形の
亀甲型の黒色ネット2、半透明拡散層として厚さ120
μmの上記パール顔料を含む半透明光拡散軟質塩化ビニ
ルシート1b及び砂目調のエンボス版を順に重ね、熱圧
ダブリングにより一体化するとともに凹凸模様1aを施
した。得られたスクリーン表面に、巾3cmの黒枠を黒
色インキをシルクスクリーン印刷して設け、対角線の長
さが2.5mの正方形状に囲われた本発明の反射型スク
リーン図8を製造した。本発明の反射型映写スクリーン
の半値角を測定したところ45度であった。又、蛍光灯
で照明した室内で映写しても、黒色ネット層無しの物と
比較して迷光による画質のコントラスト低下や白化によ
る劣化も目立たず鮮明な画像が得られた。
【0031】
【発明の効果】寸法の安定したプラスチックシートと黒
色ネットより構成される本発明の反射型映写スクリーン
は、迷光による妨害画像等の発生もなく、ネットの開孔
部より画素が忠実に映写幕の表面に表れ、映像の乱れ
や、コントラストの低下、白化、モアレ縞等の発生が起
きない。又、挿入固定されたネットはスクリーンの寸法
安定性に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本断面図である。
【図2】請求項2の断面を示す図である
【図3】請求項3の断面を示す図である。
【図4】実施例の亀甲型のネットである。
【図5】実施例1による反射型映写スクリーンの断面図
である。
【図6】実施例2による反射型映写スクリーンの断面図
である。
【図7】実施例3による反射型映写スクリーンの断面図
である。
【図8】実施例3による反射型映写スクリーンの平面図
である。
【図9】エンドレスベルトによる3層ラミネーターの走
行図である。
【符号の説明】
1 半透明光拡散層 1a 半透明光拡散層の微小凹凸模様 1b 半透明光拡散塩化ビニルシート 2 黒色ネット層 3 濃密度光拡散反射層 3a 感熱接着剤層 3b 低濃度光拡散反射層 4 寸法安定性基材シート 4a 合成紙 4b 白色ポリエステルフイルム 4c 延伸ナイロンフイルム 5 白色不透明樹脂層 5a 白色軟質塩化ビニルシート 6 黒色不透明樹脂層 6a 黒色印刷 6b 黒色軟質塩化ビニルシート 7 接着剤層 8 外枠暗色印刷部 9 ダンサーロール部 10 ニップロール部 11 エンドレスベルト 12 ヒーター 13 巻き上げ部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−338937(JP,A) 特開 平4−156440(JP,A) 特開 平2−72340(JP,A) 特開 昭47−45625(JP,A) 特開 平4−303830(JP,A) 実開 平6−36049(JP,U) 特表 平6−506063(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝性顔料又は、方解石の微粉末を分散
    させた樹脂層からなり受光面に微小凹凸模様(1a)を
    施した軟質プラスチック樹脂シートよりなる半透明光拡
    散層(1)の非受光面に、開孔径が0.8mm〜2.0
    mm、糸径が0.03〜0.06mmの撚糸或いは単繊
    維より形成された3〜8角形状の黒色ネット層(2)、
    光輝性顔料を分散させた樹脂層からなる濃密度光拡散反
    射層(3)、可撓性をもった寸法安定性基材シート
    (4)をこの順に積層し総厚みが0.5mm〜1.5m
    mであることを特徴とする反射型映写スクリーン。
  2. 【請求項2】 寸法安定性基材シート(4)の濃密度光
    拡散反射層(3)の反対面に白色不透明樹脂層(5)を
    積層してなる請求項請求項1記載の反射型映写スクリー
    ン。
  3. 【請求項3】 白色不透明樹脂層(5)の濃密度光拡散
    反射層(3)の反対面に、更に黒色の不透明樹脂層
    (6)を積層してなる請求項2記載の反射型映写スクリ
    ーン。
  4. 【請求項4】 可撓性をもった寸法安定性基材シート
    (4)が、白色顔料を分散させた不透明度90%以上の
    シートからなる請求項1又は3記載の反射型映写スクリ
    ーン。
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