JP3220005B2 - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JP3220005B2
JP3220005B2 JP10953896A JP10953896A JP3220005B2 JP 3220005 B2 JP3220005 B2 JP 3220005B2 JP 10953896 A JP10953896 A JP 10953896A JP 10953896 A JP10953896 A JP 10953896A JP 3220005 B2 JP3220005 B2 JP 3220005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
電子制御装置内のデータを読出して故障診断を行う故障
診断装置に関し、詳しくは電子制御装置における読出し
専用メモリの異常を診断する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車等の車両の制御系は複雑に
電子制御化されており、故障診断に際しては、車両に搭
載された電子制御装置からデータを簡単に読出すことの
できる故障診断装置が必要不可欠となっている。
【0003】この種の故障診断装置としては、例えば、
本出願人による特公平7−76737号公報に開示され
ている汎用性を重視した携帯型の故障診断装置があり、
故障診断装置を車両搭載の電子制御装置に接続し、故障
診断装置のキーボードからの簡単なキー操作によって診
断項目を指定し、双方向通信により該診断項目に対応す
るデータを車両搭載の電子制御装置から読出して故障診
断装置のディスプレイに表示することができ、このデー
タを確認することで作業者が車両の制御系を簡単にチェ
ックすることができるようになっている。
【0004】すなわち、センサ類、スイッチ類からの検
出信号としての電子制御装置における入力データ、イン
ジェクタ等のアクチュエータ類に対する制御量に対応す
る出力データ、或いは、電子制御装置における自己診断
データを読出してディスプレイに表示されるこれらデー
タ値を、作業者は正常値と比較しながら不具合箇所、或
いは故障原因を探究し、必要な修理、または調整を行
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の故障診
断においては、電子制御装置を構成するマイクロコンピ
ュータの読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている
プログラムデータ、演算の際に参照する各種固定データ
等の不法な書換え、車両メーカからの車両出荷時に対応
する正規のプログラムデータ、各種固定データ以外のデ
ータが記憶されている不法なROMの交換、或いはRO
Mに記憶されているデータの破壊等のROMの異常によ
り不具合を生じた場合、これを検証するには、煩雑な作
業を必要としていた。
【0006】すなわち、センサ類、スイッチ類からの検
出信号としての電子制御装置における入力データに基づ
きセンサ類、スイッチ類の正常を確認した上で、所定の
運転状態の下でインジェクタ等のアクチュエータ類に対
する制御量に対応する出力データ値を正常値と比較し、
正常値となるとき、電子制御装置のROMを正規のプロ
グラムデータ、各種固定データが記憶されているROM
に交換し、再び所定の運転状態下で車両を運転し、出力
データ値が正常値に一致するとき、電子制御装置に装着
されていたROMは異常であったと結論付けることがで
きる。或いはROMライター(ROMへのデータ書き込
み、ROMからデータを読出す専用機器)によってRO
Mに記憶されているプログラムデータ、各種固定データ
を読出してこれらデータをプリントアウトし、正規のプ
ログラムデータ、正規の各種固定データと比較すること
で、ROMの異常を判断していた。
【0007】このように、ROMの異常を検証するに
は、電子制御装置におけるセンサ類、スイッチ類からの
入力データ、及び各種アクチュエータ類に対する出力デ
ータを逐一計測し、その結果から原因を推定し、その推
定を検証するという煩雑な手順が必要であり、診断作業
に時間がかかるばかりでなく、診断作業に経験と熟練が
要求される。また、上記ROMライターは、特殊機器で
あり、車両メーカに備えるもので、ディーラ等のサービ
ス工場に備えるものではなく、更に、ROMライターに
よりROMからデータを読出した後、このデータが正常
なものであるかを検証する必要がある。
【0008】本発明は上記事項に鑑み、車両に搭載され
た電子制御装置の読出し専用メモリ(ROM)に記憶さ
れているデータの不法な書換え、正規のデータ以外のデ
ータが記憶されている不法なROMの交換、ROMに記
憶されているデータの破壊等のROMの異常を、簡単且
つ確実に診断することができて診断作業の迅速化を図る
ことが可能な故障診断装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、車両に搭載された電子制御装置
に接続し、この電子制御装置内のデータを読出して該電
子制御装置を含む車両の制御系の故障診断を行う故障診
断装置において、図1(a)の基本構成図に示すよう
に、上記電子制御装置の読出し専用メモリに記憶されて
いるデータを順次読出すデータ読出手段と、車両出荷時
に上記読出し専用メモリに記憶されている正規の各デー
タにそれぞれ対応するチェック用データを記憶するチェ
ック用データ記憶手段と、上記読出し専用メモリから読
出したデータと上記チェック用データとを比較し、両デ
ータが不一致のとき、上記読出し専用メモリの異常と判
別する異常判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、車両に搭載された
電子制御装置に接続し、この電子制御装置内のデータを
読出して該電子制御装置を含む車両の制御系の故障診断
を行う故障診断装置において、図1(b)の基本構成図
に示すように、上記電子制御装置の読出し専用メモリに
記憶されているデータを順次読出すデータ読出手段と、
読出した上記データのデータ値を順次加算する加算手段
と、車両出荷時に上記読出し専用メモリに記憶されてい
る各データ値を加算した加算値に対応するチェック用デ
ータ加算値を記憶するチェック用データ加算値記憶手段
と、上記読出し専用メモリから読出した全データ値の加
算値と上記チェック用データ加算値とを比較し、両加算
値が不一致のとき、上記読出し専用メモリの異常と判別
する異常判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】すなわち、請求項1記載の故障診断装置
は、車両に搭載された電子制御装置の読出し専用メモリ
に記憶されているデータを順次読出し、車両出荷時に上
記読出し専用メモリに記憶されている正規の各データに
それぞれ対応するチェック用データと比較し、両データ
が不一致のとき、上記読出し専用メモリの異常と診断す
る。
【0012】請求項2記載の故障診断装置は、車両に搭
載された電子制御装置の読出し専用メモリに記憶されて
いるデータを順次読出してデータ値を順次加算し、全デ
ータ値の加算値を、車両出荷時に上記読出し専用メモリ
に記憶されている各データ値を加算した加算値に対応す
るチェック用データ加算値と比較し、両加算値が不一致
のとき、上記読出し専用メモリの異常と診断する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図2〜図15に実施の第1形態を
示す。
【0014】図14において、符号Aは、自動車等の車
両Bに搭載され各種車両制御システムを司る各電子制御
装置C〜Fに接続し、これら複数の電子制御装置C〜F
のうち、双方向通信により対象とする電子制御装置を指
定し、指定した電子制御装置における入出力データを含
む各種データを読出して当該電子制御装置及び対応する
車両の制御系に対する故障診断を行う携帯型の故障診断
装置(以下「セレクトモニタ」)である。このセレクト
モニタAは、車種、完成車メーカを問わず、様々な車載
電子制御装置に対して接続可能な汎用インタフェースを
有するとともに、故障診断のベース機能に加え、電圧、
抵抗、パルス信号等を計測するための計測機能、有線通
信、無線通信、光通信等による対コンピュータ通信機
能、データメモリの増設機能等の豊富な拡張機能を有し
ており、基本的に、階層構造のメニュー方式によって各
種の処理を選択するようになっている。
【0015】このため、上記セレクトモニタAには、前
面に、バックライト付き液晶ディスプレイ等からなるデ
ィスプレイ30、複数のLED等からなるインジケータ
部31、上下左右の対角線上に配列された“S”(シフ
ト),“C”(選択),“Y”(イエス),“N”(ノ
ー)の各キー、左右上下方向へのカーソル移動のための
“←”,“→”,“↑”,“↓”の各方向キー、及び、
下段のF1〜F4のファンクションキーを基本として用
途に応じてキーの機能を変更可能なキーボード32が配
設され、側部に後述する着脱自在なメモリカセット50
が装着される。
【0016】一方、車両Bには、エンジンの燃料噴射
量、点火時期等を制御するエンジン制御用電子制御装置
C、自動変速機等のパワートレイン等を制御する変速機
制御用電子制御装置D、オートエアコンのエアコンプレ
ッサ等を制御するエアコン制御用電子制御装置E、車両
の走行速度を一定に保持するクルーズ制御用電子制御装
置F等が搭載されており、各電子制御装置(ECU)が
外部接続用コネクタ2aに接続されている。
【0017】上記セレクトモニタAを用いて車両Bに搭
載された各電子制御装置C〜F内のデータを読出して故
障診断を行う場合、図示するように、セレクトモニタA
に設けたダイアグコネクタ33をダイアグケーブル34
を介して上記外部接続用コネクタ2aに接続し、セレク
トモニタAの側部の電源スイッチ(図示せず)をONし
て上記ディスプレイ30に表示されるメニューの中から
所望の項目を上記キーボード32の操作により選択する
ことで、容易に各車両制御システムの故障診断を行うこ
とができる。
【0018】上記各電子制御装置C〜Fの内部構成は、
ほぼ同一であり、その代表としてエンジン制御用電子制
御装置Cにつき説明する。
【0019】図15に示すように、エンジン制御用電子
制御装置Cは、主演算装置であるCPU3、エンジン制
御プログラムや各種固定データが記憶されている読出し
専用メモリ(以下「ROM」)4、各種センサ・スイッ
チ類の出力信号を処理した後のデータや演算処理したデ
ータが格納されるRAM5、各種センサ・スイッチ類か
らの信号を入力する入力インタフェース6、各種アクチ
ュエータ類に対する制御信号等を出力する出力インタフ
ェース7がバスラインを介して互いに接続されるマイク
ロコンピュータを中心に構成されており、各部に定電圧
を供給する定電圧回路8、上記出力インタフェース7か
らの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路9
等の周辺回路が内蔵されている。尚、上記RAM5の一
部は、システムの電源がOFFされた後も、バッテリV
B から上記定電圧回路8を介して電源が供給され、デー
タを保持するバックアップRAMとなっており、学習制
御による学習値や、自己診断機能によって検知された故
障部位に対応するトラブルコード等が格納される。
【0020】また、各電子制御装置C〜Fの入力インタ
フェース6には、エンジンの冷却水温を検出する冷却水
温センサ、排気ガスの酸素濃度から空燃比のリーン/リ
ッチを検出するO2 センサ、エンジンの吸入空気量を検
出する吸入空気量センサ、所定クランク角毎に信号を出
力するクランク角センサ、車両の走行速度を検出する車
速センサ、スロットル弁開度を検出するスロットル開度
センサ、スロットル弁全閉でON動作するアイドルスイ
ッチ、エアコンスイッチ、空調温度を設定する設定温度
スイッチ、クルーズ制御を設定する定速走行設定スイッ
チ等のセンサ・スイッチ類10が必要に応じて接続さ
れ、このセンサ・スイッチ類10からの各出力信号が、
入力インタフェース6を介して入力データとして取込ま
れ、これらの各入力データは、上記CPU3によって処
理されてRAM5に一時格納され、制御量等の演算に使
用される。すなわち、エンジン制御用電子制御装置Cで
は、CPU3で、上記RAM5に格納されている各デー
タに基づき、燃料噴射パルス幅、点火時期等、種々の制
御量演算を行い、この制御量に対応する制御信号を出力
インタフェース7から駆動回路9へ所定タイミングで出
力する。上記駆動回路9には、キャニスタパージ量を制
御するキャニスタ制御装置19、EGR量を制御するE
GRアクチュエータ20、アイドル回転数を制御するア
イドル制御アクチュエータ21、点火プラグに高電圧を
印加するイグニッションコイル22、燃料を噴射するイ
ンジェクタ23等が接続されており、上記出力インタフ
ェース7からの制御信号によって駆動され、各運転領域
毎にエンジンが最適な状態に制御される。
【0021】また、変速機制御用電子制御装置Dでは、
内蔵するCPUでRAMに格納されている各種データに
基づき、自動変速機のA/Tアクチュエータ等に対して
制御信号を出力し、車両の運転状態に応じた変速段等を
設定する。更に、エアコン制御用電子制御装置Eでは、
エアコンスイッチのON/OFF、及び設定温度スイッ
チにより設定した室内温度等に基づきエアコンコンプレ
ッサの作動制御、及びブロアの回転数制御等を行う。同
様に、クルーズ制御用電子制御装置Fでは、定速走行設
定スイッチ、及び車速センサからの出力信号に基づきス
ロットルアクチュエータを駆動して定速走行制御を行
う。尚、車両Bに搭載される電子制御装置としては、上
記各電子制御装置C〜F以外に、アンチロックブレーキ
システム(ABS)や、トラクションコントロールシス
テム(TCS)等の駆動系制御に係わるもの、4輪操舵
システム等の操舵系制御に係わるもの等がある。
【0022】次に、上記セレクトモニタAの拡張機能を
除く基本構成について説明する。このセレクトモニタA
は、ディーラのサービス工場等に配備され、内部に、マ
イクロコンピュータからなるメイン制御部35、前記電
源スイッチを含み各部に定電圧を供給する電源回路36
等が設けられている。また、上記メイン制御部35に
は、カセットコネクタ37を介して、外部から交換可能
なよう着脱自在なメモリカセット50が接続される。
【0023】尚、上記電源回路36は、上記車両Bのバ
ッテリVB からシガーライタケーブルを介して、或い
は、一般交流電源からAC/DCアダプタを介して、ま
たは、電池を内蔵することにより電源を供給することの
できる、いわゆる3電源対応となっている。
【0024】上記メイン制御部35は、主演算装置であ
るCPU40に、システムブートプログラムやディスプ
レイ30に表示するメニュー及び各種メッセージのデー
タ等を記憶したROM41、ワークデータを格納するワ
ークRAMやビデオRAM等からなるRAM42、車両
Bに搭載された各電子制御装置C〜Fとの接続インタフ
ェースであるダイアグインタフェース43、インジケー
タ部31のLEDの点灯(或いは点滅)、上記キーボー
ド32からのキーボード操作信号、及び、上記ディスプ
レイ30への表示信号を処理する入力・表示インタフェ
ース44、上記メモリカセット50に設けられたROM
51がバスラインを介して接続される構成となってい
る。
【0025】上記ダイアグインタフェース43は、設計
情報を与えることにより論理機能をオンボードで再プロ
グラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate
Array )を中心として構成され、このFPGAにより、
車種、完成車メーカを問わず、様々な車載電子制御装置
に接続可能なI/Oインタフェース、及び、様々な車載
電子制御装置の通信プロトコルに適合したシリアル通信
インタフェースのハードウエアを実現することができ
る。
【0026】尚、上記FPGAを中心とするダイアグイ
ンタフェースについては、本出願人による特願平6−2
75349号に詳述されている。
【0027】また、上記メモリカセット50は、車両の
車種毎の電子制御装置の相違、各種通信プロトコルの相
違に対し、上記セレクトモニタAを汎用的に使用できる
ようにするためのものであり、車両の車種毎等に応じて
準備され、内蔵するROM51には、その車種に搭載さ
れている各電子制御装置に対応した診断処理用プログラ
ム、及びその各電子制御装置の通信プロトコルに適合す
るよう上記FPGAを再プログラミングするための論理
情報等からなる設計データが格納されており、更に、車
両のメーカ出荷時にその車種に対応して各電子制御装置
のROM4に記憶されている正規のプログラムデータ、
正規の固定データ等の各データにそれぞれ対応するチェ
ック用データが格納されている。
【0028】そして、故障診断に際しては、その車種に
より特定される各電子制御装置に対応した診断処理用プ
ログラム、ダイアグインタフェース43のFPGAを再
プログラミングするための設計データ、及び、各電子制
御装置のROMに記憶されているべき正規のデータ等を
格納したメモリカセット50を装着し、セレクトモニタ
Aのイニシャライズと共に、上記ROM51に格納され
ているFPGAの設計データを上記ダイアグインタフェ
ース43に転送し、FPGAを再プログラミングして車
載の各電子制御装置とのI/O接続及びシリアル通信が
可能な状態とする。
【0029】前述したように、上記セレクトモニタAに
よる故障診断は、基本的に階層構造のメニュー方式とな
っており、メニュー選択によって高度な知識と経験を要
することなく容易に故障診断を行うことが可能であり、
車載の各電子制御装置におけるROMに記憶されている
データが正規なデータか否かを判断して各電子制御装置
のROMの異常を診断可能としている。
【0030】このため、上記セレクトモニタAは、本発
明に係わるデータ読出手段、チェック用データ記憶手
段、異常判別手段の各機能を備え、車載の該当電子制御
装置のROMに記憶されているデータを順次読出して、
車両出荷時に該当電子制御装置のROMに記憶されてい
る正規の各データにそれぞれ対応するチェック用データ
と比較し、両データが不一致のとき、該当電子制御装置
のROMの異常と診断する。
【0031】以下、セレクトモニタAにおける車載の各
電子制御装置C〜FのROMに対する診断に係る処理に
ついて、図2及び図3のフローチャートに従って説明す
ると共に、車両Bに搭載された各電子制御装置C〜Fに
おけるROMに記憶されているデータの送信処理を図4
に従って説明する。
【0032】先ず、診断対象とする車両Bに適合したメ
モリカセット50をセレクトモニタ本体に装着し、セレ
クトモニタAを、ダイアグケーブル34を介して各電子
制御装置C〜Fが接続される車両の外部接続用コネクタ
2aに接続し、電源スイッチをONすると、セレクトモ
ニタAを制御するCPU40がリセットされ、セレクト
モニタAにおいて図2〜図3に示す処理がスタートす
る。
【0033】この処理では、先ず、ステップS1で、フ
ラグ類のクリア、キーボード32の各キーに対する機能
モード設定等のシステムイニシャライズを行う。尚、こ
こで、車両Bに対する故障診断開始状態を表す車両故障
診断開始フラグflag1、及び、セレクトモニタAに
より各電子制御装置C〜Fのうち何れかの電子制御装置
が選択されたことを表す車両システム選択終了フラグf
lag2が共に初期状態にクリアされる。
【0034】そして、ステップS2で、メニュー画面デ
ータのメモリテーブルから初期メニュー画面であるセレ
クトモニタメニューの画面データをビデオRAMに転送
し、図5に示すように、ディスプレイ30にセレクトモ
ニタメニューを表示する。
【0035】上記セレクトモニタメニューは、図5にお
いては拡張機能を含む7項目のメニューからなる最上位
階層のメニューであり、画面下部に、F1〜F4のファ
ンクションキーへの登録内容が表示される。
【0036】尚、F1〜F4のファンクションキーへ
は、それぞれ初期設定で、例えば、初期画面へ戻るコマ
ンド、1つ上位の階層のメニューへ戻るコマンド、再設
定のコマンド、終了のコマンドが割り付けられており、
どの階層のメニュー画面あるいは処理中の画面であって
も、キーボード32における該当するファンクションキ
ーを押すことにより、希望する状態の画面に容易に移行
することができる。
【0037】そして、作業者は、このメニュー画面を見
ながらキーボード32の方向キー(“↑”,“↓”キ
ー)を使ってカーソルを上下させ、目的のメニュー項目
にカーソルを一致させて反転表示させたところでイエス
キー(“Y”キー)を押すと、選択が確定して次の階層
のメニューが表示される。
【0038】すなわち、上記ステップS2でセレクトモ
ニタメニューを表示した後、ステップS3へ進んでキー
入力待ちとなり、キー入力が有ると、キーコードテーブ
ルを参照してキー入力をコードに変換し、キー入力内容
を解釈するキー入力処理を行い、ステップS4で、セレ
クトモニタメニューの表示中か否かを判断する。ここで
はセレクトモニタメニューの表示中であるため、ステッ
プS5へ進み、上記ステップS3でのキー入力処理結果
に基づきセレクトモニタメニュー(図5参照)の項目の
うち、「2.車両の故障診断」が選択されたかを判断す
る。
【0039】図5に示すように、セレクトモニタメニュ
ー画面においてキーボード32における方向キー
(“↑”,“↓”キー)の操作によりカーソルが2番目
の「2.車両の故障診断」に合わせられ、イエスキー
(“Y”キー)が押されたとき、「2.車両の故障診
断」の選択と判断し、ステップS6で、車両故障診断を
行うに際し、何れの車両システムを選択するかを指定す
る車両システム選択メニューの表示データをメモリテー
ブルから選択してビデオRAMに転送し、ディスプレイ
30に出力する処理を行う。すると、図6に示すよう
に、ディスプレイ30にセレクトモニタメニューの次の
階層の車両システム選択メニューが表示される。すなわ
ち、この車両システム選択メニュー画面においてキーボ
ード32によるキー操作により上記各電子制御装置C〜
Fのうち、何れの電子制御装置に対する診断を行うかを
選択するのである。
【0040】そして、ステップS7で、車両の故障診断
の開始を示す上記車両故障診断開始フラグflag1を
セットし、(flag1←1)、上記ステップS3へ戻
り、キー入力待ちとなる。
【0041】尚、上記ステップS5において、「2.車
両の故障診断」以外の項目が選択されたときには、ステ
ップS8へ進み、上記各フラグflag1,flag2
を共にクリアして、続くステップS9で、キー操作入力
に応じ現在選択されている項目に対応する処理を行い、
ステップS3へ戻る。
【0042】車両システム選択メニューの表示中におい
て、項目選択のためのキー操作入力があると、上記ステ
ップS3においてキー入力処理を行い、現在、車両シス
テム選択メニューの表示中のため、ステップS4からス
テップS10へ進み、車両故障診断開始フラグflag
1の値を参照する。
【0043】ここでは、車両システム選択メニューの表
示に伴い上記車両故障診断開始フラグflag1がセッ
トされているため(ステップS7参照)、flag1=
1によりステップS10からステップS11へ進み、各
電子制御装置C〜Fのうち何れかの電子制御装置が選択
されたことを示す車両システム選択終了フラグflag
2の値を参照する。そして、車両システム選択の未終了
によりflag2=0のため、ステップS12へ進み、
車両システム選択メニューの表示中か否かを判断する。
ここでは車両システム選択メニューの表示中のため、ス
テップS13へ進み、上記ステップS3でのキー入力処
理結果に基づき車両システム選択メニュー(図6参照)
の項目のうち、何れの項目が選択されたかを判断する。
【0044】図6の車両システム選択メニュー画面にお
いて方向キー(“↑”,“↓”キー)の操作によりカー
ソルが、例えば、1番目の「1.EGI・EMPi」に
合わせられ、イエスキー(“Y”キー)が押されたと
き、「エンジン制御システム」に対する故障診断が選択
されたと判断し、ステップS14で、車両システム選択
の終了により上記車両システム選択終了フラグflag
2をセットし(flag2←1)、続くステップS15
で、車両システム、すなわち、該当する電子制御装置に
対応した通信プログラム及び故障診断プログラムをセッ
トする。上述のように「1.EGI・EMPi」にカー
ソルが合わせられイエスキーが押され、「エンジン制御
システム」に対する故障診断が選択されたときは、エン
ジン制御用電子制御装置Cに対応する通信プログラム及
び故障診断プログラムがセットされる。
【0045】そして、ステップS16で、車両故障診断
メニューの表示データをメモリテーブルからビデオRA
Mに転送してディスプレイ30に出力し、図7に示すよ
うに、ディスプレイ30に車両故障診断メニューを表示
して、ステップS3へ戻り、再びキー入力待ちとなる。
【0046】一方、上記ステップS10でflag1=
0のときは、前記ステップS8を介してステップS9へ
進み、キー操作入力に応じ車両故障診断以外の現在選択
されている項目に対応する処理を行い、また、上記ステ
ップS12において車両システム選択メニューの表示中
でないとき、或いは上記ステップS13で、車両システ
ム選択メニュー表示中において車両システム選択のため
のキー以外のキー入力等により車両システムが選択され
ないときは、該当ステップからステップS3へ戻る。
【0047】車両システムの選択終了による車両故障診
断メニューの表示中に、車両故障診断メニューにおける
項目指定のために再びキー操作入力が行われると、ステ
ップS3から上記ステップS4,S10を介してステッ
プS11へ進み、車両システム選択終了により車両シス
テム選択終了フラグflag2がセットされていること
から(flag2=1)、ステップS17へ進み、車両
故障診断メニューの表示中か否かを判断する。ここでは
車両故障診断メニューの表示中のため、ステップS18
へ進み、上記ステップS3でのキー入力処理結果に基づ
き車両故障診断メニュー(図7参照)の項目のうち、
「7.ECUのチェック」が選択されたかを判断する。
この「ECUのチェック」は、車両システムの選択によ
り該当する電子制御装置のROMに記憶されている各デ
ータが、メーカからの車両出荷時においてROMに格納
されている正規のデータと一致するかにより、ROMに
記憶されているデータの不法な書換え、正規のデータ以
外のデータが記憶されている不法なROMの交換、RO
Mに記憶されているデータの破壊等のROMの異常を判
断するためのものである。
【0048】図7の車両故障診断メニュー画面において
方向キー(“↑”,“↓”キー)の操作によりカーソル
が、7番目の「7.ECUのチェック」に合わせられ、
イエスキー(“Y”キー)が押されたとき、「ECUチ
ェック」すなわち、選択された車両システムに対応する
該当電子制御装置のROMに対する診断が選択されたと
判断し、ステップS19へ進み、ECUメモリ診断中の
表示データをメモリテーブルからビデオRAMに転送し
てディスプレイ30に出力し、車載電子制御装置のRO
Mに対する診断を実行中であることを示すため、図8に
示すように、ディスプレイ30に、「ECUのメモリ診
断中しばらくお待ちください」の表示を行う。
【0049】そして、ステップS20で、該当電子制御
装置に対応するROMの異常診断プログラムの選択、該
当電子制御装置に対応する通信システムの選択(該当す
る電子制御装置に対応した通信プロトコル)等、診断に
際しての初期設定を行い、ステップS21で、選択した
車両システムに対応する該当電子制御装置のROMに記
憶されているデータの送信を要求するIDコードを各電
子制御装置C〜Fに対し送信する。
【0050】詳しくは後述するが、各電子制御装置C〜
Fは、IDコードを受信すると、そのIDコードにより
自己が指定されているのかを判断し、該当電子制御装置
のみがROMに記憶されているデータを順次読出して送
信する。従って、セレクトモニタAに対して、該セレク
トモニタAにより選択した車両システムに対応する該当
電子制御装置のROMに記憶されているデータ(以下
「ROMデータ」と云う)が、該当電子制御装置から送
信される。
【0051】そして、ステップS22へ進み、該当電子
制御装置から送信されたROMデータを1データ受信し
たかを判断し、1データ受信していないときにはステッ
プS22で受信待ちとなり、1データを受信したときに
はステップS23で、受信したROMデータと該当する
チェック用データとを比較する。
【0052】上記チェック用データは、診断対象車種に
対応しメーカからの車両出荷時に上記各電子制御装置C
〜FのROMに格納される正規の各データにそれぞれ対
応するものであり、上記メモリカセット50のROM5
1に格納されており、上記ステップS20の電子制御装
置診断の初期設定において該当電子制御装置に対応する
チェック用データが選択される。
【0053】そして、受信したROMデータと該当チェ
ック用データが一致すると、ステップS24で、該当電
子制御装置における全てのROMデータに対する診断が
終了したかを判断し、全てのROMデータに対する診断
が全て終了していないときには、上記ステップS22へ
戻り、該当電子制御装置から順次送信されるROMデー
タを1データづつ対応するチェック用データと比較す
る。
【0054】そして、上記ステップS24で該当電子制
御装置における全てのROMデータに対して各チェック
用データが一致し、全てのROMデータの診断が終了し
たとき、ステップS25へ進み、ROM異常なしの表示
データをメモリテーブルからビデオRAMに転送してデ
ィスプレイ30に出力し、図9に示すように、ディスプ
レイ30に、「ECUのメモリ異常なし」の表示を行
い、作業者に該当電子制御装置のROMが正常であるこ
とを報知し、前記ステップS3へ戻る。
【0055】すなわち、セレクトモニタAからIDコー
ドが各電子制御装置C〜Fに送信されると、該当する電
子制御装置のみが応答し、図11に示すように、該当電
子制御装置のROMにおけるアドレス$1000〜に記
憶されてるデータ(ROMデータ)DATA0〜が上位
アドレスから1データづつ読出され、該電子制御装置か
らセレクトモニタAにROMデータが1データづつ送信
される。そして、メーカからの出荷時に該当電子制御装
置のROMに記憶されている正規データに対応するチェ
ック用データが、図12に示すように、セレクトモニタ
Aに装着されたメモリカセット50のROM51におけ
るアドレス$3000〜にDATAa〜として格納され
ており、上記ステップS20における初期設定によりチ
ェック用データのアドレス$3000〜が選択され、ス
テップS22,S23によりセレクトモニタAにおい
て、図13に示すように、順次送信されてきたROMデ
ータDATA0〜を、1データづつ上位アドレスから、
チェック用データDATAa〜と比較し、全てが一致し
たとき、該当電子制御装置におけるROMが正常である
と判断するのである。
【0056】一方、順次ROMデータと該ROMデータ
に対応するチェック用データとを比較し、上記ステップ
S23においてROMデータとチェック用データとが一
致しないときには、ステップS26へ進み、ROM異常
の表示データをメモリテーブルからビデオRAMに転送
してディスプレイ30に出力し、図10に示すように、
ディスプレイ30に、「ECUのメモリ異常 ECUを
確認してください」の表示を行い、作業者に該当電子制
御装置のROMが異常であり該当電子制御装置のROM
を確認する必要があることを報知し、ステップS27
で、各電子制御装置に対し通信終了要求のIDコードを
送信して、電子制御装置との通信及び該当電子制御装置
のROMに対する診断を終了し、前記ステップS3へ戻
る。
【0057】そして、通信終了要求のIDコードがセレ
クトモニタAから車両搭載の各電子制御装置C〜Fに送
信されると、現在ROMデータを送信中の該当電子制御
装置においてROMデータの読出し及びセレクトモニタ
AへのROMデータの送信が終了される。
【0058】すなわち、上位アドレスのROMデータか
ら1データづつ対応するチェック用データと比較し、R
OMデータとチェック用データとが1つでも一致しない
ときには、ROMに記憶されているデータの不法な書換
え、正規のデータ以外のデータが記憶されている不法な
ROMの交換、ROMに記憶されているデータの破壊
等、該当電子制御装置のROMの異常と判断し、ディス
プレイ30に該当電子制御装置のROMの異常を表示し
て、その時点で該当電子制御装置のROMに対する診断
を終了するのである。
【0059】従って、ROMに記憶されているデータの
不法な書換え、正規のデータ以外のデータが記憶されて
いる不法なROMの交換、ROMに記憶されているデー
タの破壊等、車両Bに搭載された各電子制御装置C〜F
におけるROMの異常を、セレクトモニタAによって簡
単且つ確実に診断することができ、診断作業の迅速化を
図ることが可能となる。尚、上記ステップS17におい
て車両故障診断メニューを表示中でないとき、或いは上
記ステップS18で車両故障診断メニュー項目において
「7.ECUのチェック」以外の項目が選択されている
ときには、ステップS28へ進み、車両故障診断が終了
しているか否かを判断し、終了しているときにはステッ
プS29で上記車両故障診断開始フラグflag1、及
び車両システム選択終了フラグflag2を共にクリア
し、前記ステップS2へ戻り、車両故障診断が終了して
いないときには、ステップS30へ進み、現在選択され
ている「ECUのチェック」以外の項目に対する故障診
断を実行し、前記ステップS3へ戻る。
【0060】一方、車両Bに搭載されている各電子制御
装置C〜FにおけるROMに記憶されているデータの送
信処理について説明すると、セレクトモニタAから各電
子制御装置C〜Fに対し、IDコードが送信されると各
電子制御装置C〜FにおいてIDコードが受信され図4
に示すROMデータ送信処理ルーチンが実行され、先
ず、ステップS51で、そのIDコードにより自己が指
定されているのかを判断し、該当電子制御装置のみがス
テップS52以降の処理で、ROMに記憶されているデ
ータを順次読出してセレクトモニタAに送信し、該当電
子制御装置以外の電子制御装置においてはステップS5
1からルーチンを抜けてそのまま処理を終了する。
【0061】そして、該当電子制御装置のみがステップ
S52以降の処理を実行し、ステップS52で、該当電
子制御装置におけるROMに記憶されているデータ(R
OMデータ)を上位アドレスから1データづつ読出し、
続くステップS53で該ROMデータをセレクトモニタ
Aに送信し、ステップS54で、全てのROMデータの
送信が完了したかを判断し、全てのROMデータの送信
が終了したとき、ルーチンを抜けて処理を終了する。
【0062】また、全てのROMデータの送信が未完了
時には、ステップS55へ進み、セレクトモニタAから
の通信終了要求のIDコードを受信したかを判断し、通
信終了要求IDコードを受信していないときは、上記ス
テップS52へ戻り、次のアドレスに記憶されているR
OMデータの読出し及び送信を行い、上位アドレスから
順に1データづつROMデータの読出し及びセレクトモ
ニタAへの送信が行われる。
【0063】そして、セレクトモニタAからの通信終了
要求のIDコードが受信されると、残りデータが有って
も、その時点でROMデータの読出し及びセレクトモニ
タAへのROMデータの送信が中止され、ステップS5
5からルーチンを抜けて処理を終了する。
【0064】次に実施の第2形態を説明する。
【0065】本形態においては、該当電子制御装置のR
OMに記憶されている各種数値データの全てのデータ値
を加算し、この加算値が、車両出荷時に上記ROMに記
憶されている各データ値を加算した加算値に対応するチ
ェック用データ加算値と一致するかを判断し、不一致の
とき、該当電子制御装置のROMの異常と判断するもの
であり、実施の第1形態に対し、上記セレクトモニタA
は、読出したデータのデータ値を順次加算する加算手
段、チェック用データ加算値記憶手段の各機能を備え
る。
【0066】以下、図16のフローチャートに従って、
セレクトモニタAにおける車載の各電子制御装置C〜F
のROMに対する診断に係る処理について説明する。
【0067】図16のフローチャートは、実施の第1形
態における図3に示すステップS21〜S27の処理を
変更したもので、ステップS21で、選択した車両シス
テムに対応する該当電子制御装置のROMに記憶されて
いるデータの送信を要求するIDコードを各電子制御装
置C〜Fに対し送信する。
【0068】ここで、各電子制御装置C〜Fは、IDコ
ードを受信すると、そのIDコードにより自己が指定さ
れているのかを判断し、該当電子制御装置のみがROM
に記憶されている各種数値データを上位アドレスから順
に順次読出してセレクトモニタAに送信し、全ての数値
データの送信が終了すると終了コードをセレクトモニタ
Aに送信してデータ送信処理を終了する。
【0069】そして、ステップS22で、該当電子制御
装置から送信されたROMデータ(数値データ)を1デ
ータ受信したかを判断し、1データ受信していないとき
にはステップS22で受信待ちとなり、1データを受信
したときにはステップS41へ進み、受信した数値デー
タのデータ値Dを求め、続くステップS42で、逐次上
記数値データのデータ値Dを加算して加算値SUMを算
出する(SUM←SUM+D)。
【0070】そして、ステップS43で、該当電子制御
装置から送信される終了コードにより全ての数値のデー
タの受信が終了したかを判断し、全ての数値データの受
信が終了していないときには、ステップS22へ戻り、
該当電子制御装置から送信される数値データのデータ値
を順次加算する処理を繰り返し、全ての数値データの受
信が終了したとき、ステップS44へ進み、該当電子制
御装置のROMに記憶されている各種数値データの全て
のデータ値を加算した加算値SUMと、チェック用デー
タ加算値SUM0とを比較する。
【0071】上記チェック用データ加算値SUM0は、
診断対象車種に対応しメーカからの車両出荷時に上記各
電子制御装置C〜FのROMに格納される正規の各種数
値データのデータ値を、各電子制御装置のROM毎に、
全て加算した値に対応するものであり、上記メモリカセ
ット50のROM51に格納されており、前記ステップ
S20(図3参照)の電子制御装置診断の初期設定にお
いて該当電子制御装置に対応するチェック用データ加算
値SUM0が選択される。
【0072】そして、該当電子制御装置における全ての
データ値を加算した加算値SUMに対して上記チェック
用データ加算値SUM0が一致したとき、ステップS4
5へ進み、ROM異常なしの表示データをメモリテーブ
ルからビデオRAMに転送してディスプレイ30に出力
し、前記実施の第1形態と同様、図9に示すように、デ
ィスプレイ30に、「ECUのメモリ異常なし」の表示
を行い、作業者に該当電子制御装置のROMが正常であ
ることを報知し、ステップS46で、上記加算値SUM
をクリアした後、前記図2のステップS3へ戻る。
【0073】すなわち、セレクトモニタAからIDコー
ドが各電子制御装置C〜Fに送信されると、該当する電
子制御装置のみが応答し、該当電子制御装置のROMに
記憶されている各種数値データが上位アドレスから1デ
ータづつ読出され、該電子制御装置からセレクトモニタ
Aに数値データが1データづつ送信される。そして、セ
レクトモニタAにおいて受信した数値データのデータ値
を順次加算し、全てのデータ値を加算した加算値SUM
と、メーカからの出荷時に該当電子制御装置のROMに
記憶されている正規の数値データを全て加算した加算値
に対応するチェック用データ加算値SUM0とを比較
し、上記加算値SUMがチェック用データ加算値SUM
0に一致したとき、該当電子制御装置におけるROMが
正常であると判断する。
【0074】一方、上記ステップS44において加算値
SUMとチェック用データ加算値SUM0とが一致しな
いときには、ステップS47へ進み、ROM異常の表示
データをメモリテーブルからビデオRAMに転送してデ
ィスプレイ30に出力し、前記実施の第1形態と同様、
図10に示すように、ディスプレイ30に、「ECUの
メモリ異常 ECUを確認してください」の表示を行
い、作業者に該当電子制御装置のROMが異常であり該
当電子制御装置のROMを確認する必要があることを報
知し、上記ステップS46で、加算値SUMをクリアし
た後、前記ステップS3へ戻る。
【0075】すなわち、該当電子制御装置のROMに記
憶されている数値データのデータ値を順次加算し、全て
のデータ値を加算した加算値SUMと、メーカからの車
両出荷時に該当電子制御装置のROMに記憶されている
正規の数値データを全て加算した加算値に対応するチェ
ック用データ加算値SUM0とが一致しないときは、R
OMに記憶されているデータの不法な書換え、正規のデ
ータ以外のデータが記憶されている不法なROMの交
換、ROMに記憶されているデータ破壊等、該当電子制
御装置のROMの異常と判断し、ディスプレイ30に該
当電子制御装置のROMの異常を表示して、作業者に報
知し、該当電子制御装置のROMの確認を促すのであ
る。
【0076】従って、本実施の形態においても前記実施
の第1形態と同様に、ROMに記憶されているデータの
不法な書換え、正規のデータ以外のデータが記憶されて
いる不法なROMの交換、ROMに記憶されているデー
タの破壊等、車両Bに搭載された各電子制御装置C〜F
におけるROMの異常を、セレクトモニタAによって簡
単且つ確実に診断することができ、診断作業の迅速化を
図ることが可能となる。
【0077】尚、上記実施の各形態においては、車両に
搭載された複数の電子制御装置に車両診断装置(セレク
トモニタ)を接続し、セレクトモニタによって該当電子
制御装置を選択し、該当電子制御装置におけるROMの
異常を診断するようにしているが、これに限定されず、
車両に搭載された1つの電子制御装置に車両診断装置を
接続し、単一の電子制御装置のROMに対して故障診断
を行うようにしても良いことは勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、車両に搭載された電子制御装置の読出し専用
メモリに記憶されているデータを順次読出し、車両出荷
時に上記読出し専用メモリに記憶されている正規の各デ
ータにそれぞれ対応するチェック用データと比較し、両
データが不一致のとき、上記読出し専用メモリの異常と
診断するので、診断作業に経験と熟練が要求されること
なく、車両に搭載された電子制御装置の読出し専用メモ
リに記憶されているデータの不法な書換え、正規のデー
タ以外のデータが記憶されている不法な読出し専用メモ
リの交換、読出し専用メモリに記憶されているデータの
破壊等、車両搭載の電子制御装置の読出し専用メモリの
異常を、簡単且つ確実に診断することができ、診断作業
の迅速化を図ることができる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、車両に搭載
された電子制御装置の読出し専用メモリに記憶されてい
るデータを順次読出してデータ値を順次加算し、全デー
タ値の加算値を、車両出荷時に上記読出し専用メモリに
記憶されている各データ値を加算した加算値に対応する
チェック用データ加算値と比較し、両加算値が不一致の
とき、上記読出し専用メモリの異常と診断するので、請
求項1記載の発明の効果と同様、車両搭載の電子制御装
置の読出し専用メモリに記憶されているデータの不法な
書換え、正規のデータ以外のデータが記憶されている不
法な読出し専用メモリの交換、読出し専用メモリに記憶
されているデータの破壊等、車両搭載の電子制御装置の
読出し専用メモリの異常を、故障診断装置によって簡単
且つ確実に診断することができ、診断作業の迅速化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図。
【図2】実施の第1形態に係わり、故障診断装置におけ
る故障診断処理ルーチンを示すフローチャート。
【図3】同上、故障診断装置における故障診断処理ルー
チンを示すフローチャート(続き)。
【図4】同上、車両搭載の各電子制御装置におけるデー
タの送信処理ルーチンを示すフローチャート。
【図5】同上、セレクトモニタメニュー画面の説明図。
【図6】同上、車両システム選択メニュー画面の説明
図。
【図7】同上、車両故障診断メニュー画面の説明図。
【図8】同上、電子制御装置のROMに対する診断中の
画面の説明図。
【図9】同上、ROM異常なしのときの画面の説明図。
【図10】同上、ROM異常時の画面の説明図。
【図11】同上、車両搭載の電子制御装置のROMの各
アドレスに記憶されているデータの説明図。
【図12】同上、故障診断装置に装着されるメモリカセ
ットのROMにおける各アドレスに格納されているチェ
ック用データの説明図。
【図13】同上、電子制御装置から読出した各データと
チェック用データとの比較によるROMに対する診断の
説明図。
【図14】同上、車両搭載の各電子制御装置に接続する
故障診断装置の外観図。
【図15】同上、車両搭載の各電子制御装置と故障診断
装置の回路ブロック図。
【図16】実施の第2形態に係わり、故障診断装置にお
ける故障診断処理ルーチンの要部を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
A…故障診断装置 B…車両 C〜F…電子制御装置 4…ROM(読出し専用メモリ)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−112711(JP,A) 特開 昭57−171064(JP,A) 特開 平7−49293(JP,A) 特開 平3−185330(JP,A) 特開 平3−31041(JP,A) 特開 平1−3537(JP,A) 特開 平8−136410(JP,A) 特開 平6−238056(JP,A) 特開 昭63−247898(JP,A) 特開 平7−31737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/007 A63F 7/02 G07F 7/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された電子制御装置に接続
    し、この電子制御装置内のデータを読出して該電子制御
    装置を含む車両の制御系の故障診断を行う故障診断装置
    において、 上記電子制御装置の読出し専用メモリに記憶されている
    データを順次読出すデータ読出手段と、 車両出荷時に上記読出し専用メモリに記憶されている正
    規の各データにそれぞれ対応するチェック用データを記
    憶するチェック用データ記憶手段と、 上記読出し専用メモリから読出したデータと上記チェッ
    ク用データとを比較し、両データが不一致のとき、上記
    読出し専用メモリの異常と判別する異常判別手段とを備
    えたことを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 車両に搭載された電子制御装置に接続
    し、この電子制御装置内のデータを読出して該電子制御
    装置を含む車両の制御系の故障診断を行う故障診断装置
    において、 上記電子制御装置の読出し専用メモリに記憶されている
    データを順次読出すデータ読出手段と、 読出した上記データのデータ値を順次加算する加算手段
    と、 車両出荷時に上記読出し専用メモリに記憶されている各
    データ値を加算した加算値に対応するチェック用データ
    加算値を記憶するチェック用データ加算値記憶手段と、 上記読出し専用メモリから読出した全データ値の加算値
    と上記チェック用データ加算値とを比較し、両加算値が
    不一致のとき、上記読出し専用メモリの異常と判別する
    異常判別手段とを備えたことを特徴とする故障診断装
    置。
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