JP3219408U - 杖の把手用カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の杖の把手に簡単かつ確実に装着することができ、使用者が把手を握った際のグリップ力を高めると共に、使用者の手の痛みを緩和することができ、杖を壁等に立て掛けたり、テーブル等に引っ掛けたりしても、安定した姿勢を保って杖の転倒を防止することができる汎用性、実用性、及び機能性に優れた杖の把手用カバーを提供する。【解決手段】杖の把手に着脱可能に装着される把手用カバー10であって、一端側に内部断面より広い開口部13を有すると共に途中に括れ部13aを有して袋状となって、内表面は内側滑り止めシート14で形成され、外表面は外側滑り止めシート15で形成されて、全体としてクッション性を有する。【選択図】図1
Description
本考案は、杖の把手(柄)に着脱可能に装着される杖の把手用カバー(以下、単に把手用カバーともいう)に関する。
従来、歩行補助のために、杖が用いられているが、使用者が手で握る把手(柄)の部分は、硬質製の金属、木、又は合成樹脂で作られている。このため、長時間、連続して使用した場合や、体重を支えようとして手に力が加わった場合には、手が痛くなるという問題がある。また、把手の形状については、手で握り易い形状に工夫されているものもあるが、基本的に硬質製の素材であるため、手が滑り易いという問題もある。さらに、外出先等において、杖を使用しない時に、把手の側面(上端部)が壁や柱等の表面(垂直面)に当たるように杖を立て掛けたり、把手の下面部がテーブル等の上面(水平面)に当たるように杖を引っ掛けたりしても、接触面積が狭く、滑り易いため、姿勢を維持し難く、少しの振動等でバランスを崩して転倒してしまうという問題がある。例えば、特許文献1には、杖の柄の握り部(把手)の下面を平面にし、その平面に滑りづらい素材を装着して摩擦力を上げた杖が開示されている。また、特許文献2には、カバー本体が、伸縮性生地からなり、縫製により略筒状に形成されており、カバー本体表面の少なくとも両横部には、滑り止め性を有する合成樹脂からなる滑り止め生地が縫製により付設されており、カバー本体裏面の少なくとも一部には、摩擦層が形成された杖用グリップカバーが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、杖の柄の握り部(把手)の下面に滑りづらい素材を装着しただけなので、把手の下面がテーブル等の上面に当たるように杖を引っ掛けた場合の杖の転倒は防止できても、把手の側面が壁や柱等の表面に当たるように杖を立て掛けた場合の杖の転倒は防止できず、汎用性及び実用性に欠けるという問題がある。また、把手を握った時の手の痛さや滑り易さは、把手の材質や形状に依存し、使い心地を改善することができないという問題もある。特許文献2では、杖のグリップ(把手)を覆う略筒状のカバー本体の両横部に滑り止め生地が付設されているが、杖を壁等に立て掛ける場合、杖は斜めになり、把手の側面上端部のみが壁等の表面に接触するので、両横部の滑り止め生地の一部しか有効に作用せず、十分な滑り止め効果を得られないという問題がある。また、滑り止め生地がカバー本体の両横部に付設されているだけなので、把手(カバー本体)の下面がテーブル等の上面に当たるように杖を引っ掛けた場合の杖の転倒は防止することができず、しかも、使用対象がT字形状の杖の把手に限定されているため、汎用性及び実用性に欠けるという問題がある。さらに、カバー本体は伸縮性生地で形成されているが、水着に用いられるような生地であり、厚さやクッション性(弾力性)については考慮されておらず、連続して使用した場合や力を込めて把手を握った場合の使用者の手の痛みを十分に改善することができないという問題もある。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、既存の杖の把手に簡単かつ確実に装着することができ、使用者が把手を握った際のグリップ力を高めると共に、使用者の手の痛みを緩和することができ、杖を壁等に立て掛けたり、テーブル等に引っ掛けたりしても、安定した姿勢を保って杖の転倒を防止することができる汎用性、実用性、及び機能性に優れた杖の把手用カバーを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係る杖の把手用カバーは、杖の把手に着脱可能に装着される杖の把手用カバーであって、
一端側に内部断面より広い開口部を有すると共に途中に括れ部を有して袋状となって、内表面は内側滑り止めシートで形成され、外表面は外側滑り止めシートで形成されて、全体としてクッション性を有する。
一端側に内部断面より広い開口部を有すると共に途中に括れ部を有して袋状となって、内表面は内側滑り止めシートで形成され、外表面は外側滑り止めシートで形成されて、全体としてクッション性を有する。
本考案に係る杖の把手用カバーにおいて、前記内側滑り止めシート及び前記外側滑り止めシートはそれぞれ独立気泡のゴムシートからなり、前記外側滑り止めシートの表面には、微小凹凸による滑り止めが形成されていることが好ましい。
本考案に係る杖の把手用カバーにおいて、前記開口部を部分的に閉じて、前記把手が該開口部から抜けるのを防止する部分閉塞手段を備えていることが好ましい。
本考案に係る杖の把手用カバーにおいて、前記内側滑り止めシート及び前記外側滑り止めシートは、合成繊維からなるジャージ生地の表裏にそれぞれ接合されていることが好ましい。
本考案に係る杖の把手用カバーにおいて、前記開口部の周縁には帯布が被せられ、該帯布は前記開口部の端部に縫合されていることが好ましい。
本考案に係る杖の把手用カバーは、開口部から把手を挿抜するだけで簡単に着脱することができ、内表面の内側滑り止めシートを把手の外周面に密着させて、回転や抜けを効果的に防止し、クッション性(弾力性)により、使用者の手の痛みを緩和することができる。また、杖を使用しない時には、把手を覆う把手用カバーの外表面全体を形成する外側滑り止めシートを壁やテーブル等の表面に広範囲で接触させて、杖を安定的に支持し、杖の転倒を確実に防止することができる。
内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートがそれぞれ独立気泡のゴムシートからなり、外側滑り止めシートの表面に、微小凹凸による滑り止めが形成されている場合、内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートの摩擦力が大きく、内側滑り止めシートにより、把手用カバーの回転防止や抜け防止の効果を高めることができると共に、外側滑り止めシートにより、杖の転倒防止効果を高めることができる。また、把手用カバー全体としてクッション性が高く、グリップ力が大きくなり、使用者の手に馴染み易く、使い心地を改善することができる。
開口部を部分的に閉じて、把手が開口部から抜けるのを防止する部分閉塞手段を備えている場合、把手用カバーを把手に確実に固定することができる。
内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートが、合成繊維からなるジャージ生地の表裏にそれぞれ接合されている場合、ジャージ生地により強度アップを図り、内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートの伸びを規制して、耐久性及び形状安定化を向上させ、把手用カバーと把手を確実に密着させて、装着安定性を高めることができる。
開口部の周縁に帯布が被せられ、帯布が開口部の端部に縫合されている場合、開口部の周縁を帯布で保護して、内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートの剥離を防止することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
本考案の一実施の形態に係る把手用カバー10は、図2に示すように、杖11の把手12に着脱可能に装着(外挿)されるものである。
図1(A)、(B)、図2に示すように、把手用カバー10は、一端側に開口部13を有する袋状に形成(縫合)されている。このとき、開口部13が内部断面より広いことにより、把手12を開口部13から容易に挿通することができる。また、袋状の把手用カバー10の途中に括れ部13aを有していることにより、把手12の外表面に把手用カバー10の内周面を密着させ易くなる。そして、図1(B)に示すように、把手用カバー10の内表面及び外表面は、それぞれ独立気泡(図示せず)のゴムシートからなる内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15で形成されて、全体としてクッション性を有している。このとき、内側滑り止めシート(ゴムシート)14は、使用者が手で把手用カバー10の上から把手12を握った時に、摩擦力により、把手12の外周面に密着して、把手用カバー10の回転や抜けを防止できるものであればよい。また、外側滑り止めシート(ゴムシート)15は、杖11を使用しない時に、摩擦力により、壁やテーブル等の表面に接触(密着)して、杖11の転倒を防止できるものであればよい。特に、把手用カバー10の外表面全体が外側滑り止めシート15で形成されているので、壁等の垂直面に対して、杖11を斜めに立て掛けた場合に、外側滑り止めシート15の一部を確実に接触させることができ、転倒防止の効果が高い。
本考案の一実施の形態に係る把手用カバー10は、図2に示すように、杖11の把手12に着脱可能に装着(外挿)されるものである。
図1(A)、(B)、図2に示すように、把手用カバー10は、一端側に開口部13を有する袋状に形成(縫合)されている。このとき、開口部13が内部断面より広いことにより、把手12を開口部13から容易に挿通することができる。また、袋状の把手用カバー10の途中に括れ部13aを有していることにより、把手12の外表面に把手用カバー10の内周面を密着させ易くなる。そして、図1(B)に示すように、把手用カバー10の内表面及び外表面は、それぞれ独立気泡(図示せず)のゴムシートからなる内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15で形成されて、全体としてクッション性を有している。このとき、内側滑り止めシート(ゴムシート)14は、使用者が手で把手用カバー10の上から把手12を握った時に、摩擦力により、把手12の外周面に密着して、把手用カバー10の回転や抜けを防止できるものであればよい。また、外側滑り止めシート(ゴムシート)15は、杖11を使用しない時に、摩擦力により、壁やテーブル等の表面に接触(密着)して、杖11の転倒を防止できるものであればよい。特に、把手用カバー10の外表面全体が外側滑り止めシート15で形成されているので、壁等の垂直面に対して、杖11を斜めに立て掛けた場合に、外側滑り止めシート15の一部を確実に接触させることができ、転倒防止の効果が高い。
ゴムシートとしては、特に、クロロプレンゴムが好適に用いられるが、スチレンブタジエンゴム(SBR)又はニトリルゴム(NBR)等のその他のゴムを用いて内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートを形成してもよい。また、ゴムシートの代わりに、これらと同等の滑り止め効果を有する素材(表面に粘着性又は微接着性を有するもの)からなるシート(生地)を用いて、内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートを形成してもよい(素材自体が滑り止め効果を有するもの以外に、素材の表面に加工を施して滑り止め効果を付与したものも含む)。なお、内側滑り止めシート14と外側滑り止めシート15は、同じ素材でもよいし、異なる素材でもよい。
また、外側滑り止めシート15の表面全体に、微小凹凸による滑り止め(図示せず)を形成し、杖11の転倒防止効果を高めている。微小凹凸による滑り止めとしては、例えば、シャークスキン加工により多数の滑り止め突起を形成するものが好適に用いられるが、これに限定されるものではない。なお、内側滑り止めシートにも同様に滑り止めを形成してもよいし、外側滑り止めシートの滑り止めを省略することもできる。
また、外側滑り止めシート15の表面全体に、微小凹凸による滑り止め(図示せず)を形成し、杖11の転倒防止効果を高めている。微小凹凸による滑り止めとしては、例えば、シャークスキン加工により多数の滑り止め突起を形成するものが好適に用いられるが、これに限定されるものではない。なお、内側滑り止めシートにも同様に滑り止めを形成してもよいし、外側滑り止めシートの滑り止めを省略することもできる。
内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15を構成するゴムシートの独立気泡の直径は、例えば、0.05〜1mmで、独立気泡の気泡率は、例えば、60〜95%(体積%)であるものが好適に用いられる。独立気泡の直径が0.05mm未満又は気泡率が60%未満の場合、ゴムシートが押圧されても変形し難く(柔軟性が過小になって)、ゴムシートからの反発力が過大となる(衝撃吸収性とクッション性が過小になる)ため好ましくない。一方、独立気泡の直径が1mm超又は気泡率が95%超の場合、ゴムシートが押圧されると容易に変形して(柔軟性が過剰になって)、ゴムシートから反発力が得られない(衝撃吸収性とクッション性が過小になる)ため好ましくない。従って、本実施の形態では、内側滑り止めシート(ゴムシート)14及び外側滑り止めシート(ゴムシート)15が有する独立気泡の直径を0.05〜1mm(好ましくは、下限を0.1mm、上限を0.8mm)とし、独立気泡の気泡率を60〜95%(好ましくは、下限を70%、上限を90%)とした。
内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15は、図1(B)に示すように、合成繊維からなるジャージ生地16の表裏にそれぞれ接合されている。接合には、ゴム系(例えば、クロロプレンゴム系)の接着剤が好適に用いられる。ジャージ生地16は、内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15の変形に合わせて伸び縮みしつつ、所定量以上の伸びを規制することができる。そして、中間層にジャージ生地16を有する三層構造とすることにより強度アップが図られ、ジャージ生地16から内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15が分離(剥離)し難く、把手用カバー10の耐久性及び形状安定化を向上させることができる。また、その結果、把手用カバー10と把手12を確実に密着させて、装着安定性を高めることができる。ジャージ生地16を形成している合成繊維としては、例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン中空糸繊維、及び、ポリエチレン繊維のいずれか1を使用できる。把手用カバー10の総厚(内側滑り止めシート14とジャージ生地16と外側滑り止めシート15を合わせた厚み)は、例えば3〜6mm程度で、ジャージ生地16の厚みは、例えば0.3〜2mm程度であることが好ましい。これにより、把手用カバー10全体として適度なクッション性(弾力性)を得ることができ、グリップ力を高め、使用者の手の痛みを緩和して使い心地を改善することができる。なお、内側滑り止めシート14及び外側滑り止めシート15の厚みは同一でも異なっていてもよい。また、接合に加え、或いは接合に代えて縫合によって、内側滑り止めシート及び外側滑り止めシートとジャージ生地を一体化してもよい。
次に、把手用カバー10は、図1(A)、(B)、図2に示すように、開口部13を部分的に閉じる部分閉塞手段17を備えている。この部分閉塞手段17としては、図1(B)に示すように、一対の面ファスナ18、19が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、線ファスナ(ジッパー)、ボタン、ホック(スナップボタン)等を用いてもよい。開口部13から把手12を挿通した後、部分閉塞手段17で開口部13を部分的に閉じることにより、使用中に把手12から把手用カバー10が抜け落ちることを効果的に防止できる。
なお、開口部13の周縁には帯布20が被せられ、帯布20は開口部13の端部に縫合されている。これにより、積層された内側滑り止めシート14、外側滑り止めシート15、及びジャージ生地16の端部を一体化し、剥離を防止することができる。
なお、開口部13の周縁には帯布20が被せられ、帯布20は開口部13の端部に縫合されている。これにより、積層された内側滑り止めシート14、外側滑り止めシート15、及びジャージ生地16の端部を一体化し、剥離を防止することができる。
以上、本考案の実施の形態を説明したが、本考案は、上記した形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本考案の適用範囲である。
上記実施の形態では、把手用カバーを逆L字状の杖の把手に装着した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、把手用カバーの形状(括れ部の形状、位置、大きさ等)、開口部の形状、及び部分閉塞手段の配置等を適宜、選択することにより、T字状又は逆J字状等に形成された杖の把手に装着することができる。なお、逆J字状等に形成された杖の把手に装着する場合は、部分閉塞手段を省略できる。
上記実施の形態では、把手用カバーを逆L字状の杖の把手に装着した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、把手用カバーの形状(括れ部の形状、位置、大きさ等)、開口部の形状、及び部分閉塞手段の配置等を適宜、選択することにより、T字状又は逆J字状等に形成された杖の把手に装着することができる。なお、逆J字状等に形成された杖の把手に装着する場合は、部分閉塞手段を省略できる。
10:杖の把手用カバー、11:杖、12:把手、13:開口部、13a:括れ部、14:内側滑り止めシート(ゴムシート)、15:外側滑り止めシート(ゴムシート)、16:ジャージ生地、17:部分閉塞手段、18:面ファスナ、19:面ファスナ、20:帯布
Claims (5)
- 杖の把手に着脱可能に装着される杖の把手用カバーであって、
一端側に内部断面より広い開口部を有すると共に途中に括れ部を有して袋状となって、内表面は内側滑り止めシートで形成され、外表面は外側滑り止めシートで形成されて、全体としてクッション性を有することを特徴とする杖の把手用カバー。 - 請求項1記載の杖の把手用カバーにおいて、前記内側滑り止めシート及び前記外側滑り止めシートはそれぞれ独立気泡のゴムシートからなり、前記外側滑り止めシートの表面には、微小凹凸による滑り止めが形成されていることを特徴とする杖の把手用カバー。
- 請求項1又は2記載の杖の把手用カバーにおいて、前記開口部を部分的に閉じて、前記把手が該開口部から抜けるのを防止する部分閉塞手段を備えていることを特徴とする杖の把手用カバー。
- 請求項1〜3のいずれか1記載の杖の把手用カバーにおいて、前記内側滑り止めシート及び前記外側滑り止めシートは、合成繊維からなるジャージ生地の表裏にそれぞれ接合されていることを特徴とする杖の把手用カバー。
- 請求項1〜4のいずれか1記載の杖の把手用カバーにおいて、前記開口部の周縁には帯布が被せられ、該帯布は前記開口部の端部に縫合されていることを特徴とする杖の把手用カバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018003925U JP3219408U (ja) | 2018-10-11 | 2018-10-11 | 杖の把手用カバー |
Applications Claiming Priority (1)
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