JP3219246B2 - 暗証システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、入力された暗証情
報にもとづいて操作者の正当性を判定する暗証システム
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の暗証システムは、入力されたパス
ワードが、あらかじめ登録されているパスワードに一致
するか否かにより、操作者の正当性を判定する構成とな
っている。パスワードとしては、数字や文字を一定の順
序で組み合わせたものが用いられ、操作者はこのパスワ
ードをキーボードやタッチパネルを操作して入力する。
また、暗証システムによっては、表示装置の画面に表示
された画像上の特定箇所を、タッチパネルなどの操作で
ポインティングしたり、あるいは特定箇所の座標を入力
することで、操作者の正当性を判定するものも存在す
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の暗証システムには次のような問題点がある。
第１の問題点は、パスワードを入力する際に、操作者は
文字や数字を入力するためにかならずキーボードやタッ
チパネルを見て文字や数字の配置位置を確認する必要が
あり、小さい文字が見難い人や、視覚障害者にとっては
このような作業は困難であるということである。また、
上述した画像上の特定箇所を指定する方式の場合にも同
様の問題がある。第２の問題点は、キーボードやタッチ
パネルにはかならず複数の文字や数字のキー、あるいは
操作箇所が配列されるので、いずれの場合にもスペース
を占有し、したがって暗証システム入力部の設置にはあ
る程度広い場所を確保しなければならないということで
ある。また、上述した画像上の特定箇所を指定する方式
の場合にも、画像の表示装置などが必要なため、同様の
問題がある。

【０００４】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、その目的は、操作箇所を見ることなく
操作を行って必要な情報を入力できる暗証システムを提
供することにある。また、本発明の他の目的は、入力部
の設置に場所をとらない暗証システムを提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、入力された暗証情報にもとづいて操作者の
正当性を判定する暗証システムであって、決められた順
序の複数の音から成るガイド音を発生するガイド音発生
手段と、操作が行われるごとに前記操作が行われたこと
を表す信号を生成する入力部と、前記ガイド音を成す複
数の構成音の組み合わせを記憶している記憶部と、前記
入力部が前記信号を生成するごとに前記信号が生成され
たタイミングに時間的にもっとも近い前記ガイド音の構
成音を識別し、識別した複数の前記構成音の組み合わせ
が、前記記憶部に記憶されている前記構成音の組み合わ
せに一致するか否かを判定する判定部とを備えたことを
特徴とする。

【０００６】操作者は、ガイド音発生手段が発生するガ
イド音を聴取しながら、そのリズムに合わせて入力部に
対して操作を行い、入力部は、操作が行われるごとに操
作が行われたことを表す信号を生成する。そして、リズ
ム判定部は、生成された前記信号のタイミングに時間的
にもっとも近いガイド音の構成音を識別し、識別した複
数の構成音の組み合わせが、記憶部に記憶されている構
成音の組み合わせに一致するか否かを判定する。この判
定結果が正の場合、上記操作者の正当性が確認されたこ
とになる。したがって、本発明の暗証システムでは、操
作者は上記入力部を構成する例えば押しボタンスイッチ
をオン・オフ操作するのみでよく、操作箇所を見なくて
も容易に操作を行える。そのため、小さい文字が見難い
人や、視覚障害者であっても、操作になんら困難を伴わ
ない。また、操作対象は上述のように例えば押しボタン
スイッチ１つで済むため、場所をとらず、入力部の設置
に広いスペースを確保する必要がない。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図１は本発明による暗証シ
ステムの一実施の形態例を示すブロック図、図２は同実
施の形態例の外観を示す外観図である。図１に示したよ
うに、本実施の形態例の暗証システム２は、出力部４、
入力部６、データ部８、データ処理部１０、ならびにパ
スワード保管部１２を含んで構成されている。データ部
８（本発明に係わるガイド音記憶部）は決められた順序
の複数の音から成るガイド音のデータを保持し、本実施
の形態例ではなんらかの楽曲を表すデータを保持してい
る。ガイド音としては、器楽曲、歌を伴う器楽曲、歌の
みの曲、メトロノームオンのようにメロディがなくリズ
ムのみのものなど様々な形態のものを用いることができ
る。出力部４は、不図示のアンプや、図２に示したたス
ピーカ１４を含み、データ部８から上記楽曲のデータを
読み出して楽曲データが表す楽曲を発生する。これらデ
ータ部８および出力部４が本発明に係わるガイド音発生
手段を構成している。

【０００８】一方、入力部６は、図２に示したように、
本体１６の上面に配設されたオン・オフスイッチである
押しボタンスイッチ１８を含んで構成され、押しボタン
スイッチ１８が指で押されるごとに操作が行われたこと
を表す信号を生成する。パスワード保管部１２（本発明
に係わる記憶部）は、楽曲を成す複数の構成音の組み合
わせを記憶している。パスワード保管部１２は、このよ
うな構成音の種々の組み合わせを、正当な操作者として
登録されている操作者の数だけ保持している。

【０００９】この構成音の組み合わせとは、例えば、上
記楽曲の第２小節の１番目の音、第４小節の５番目の
音、第５小節の２番目の音、ならびに第７小節の３番目
の音から成る音の組み合わせである。楽曲のどの音を組
み合わせるかは登録されている操作者によって異なって
いる。そして、パスワード保管部１２は、例えば各構成
音を上述のように楽譜上の特定の音として識別し、それ
らの音の楽譜上の位置を表す情報を保持することで上記
構成音の組み合わせを記憶することができる。

【００１０】データ処理部１０（本発明に係わる判定
部）は、入力部１６が生成した信号のタイミングに時間
的にもっとも近いガイド音の構成音を識別し、識別した
複数の構成音の組み合わせが、パスワード保管部１２に
記憶されている構成音の組み合わせに一致するか否かを
判定する。

【００１１】次に、このように構成された暗証システム
２の動作について説明する。まず、出力部４は、データ
部８から上記楽曲のデータを読み出して楽曲データが表
す楽曲を、スピーカ１４を通じて流す。操作者はこの楽
曲を聞きながら、そのリズムに合わせて、特定の音のタ
イミングでのみ入力部６の押しボタンスイッチ１８を押
下する。具体的には、操作者は例えば、上記楽曲の第２
小節の１番目の音、第４小節の５番目の音、第５小節の
２番目の音、ならびに第７小節の３番目の音のタイミン
グに合わせて押しボタンスイッチ１８を押下する。この
操作は楽曲に合わせて行うため、きわめて容易に行え
る。また、押しボタンスイッチ１８を押下するタイミン
グは、各操作者があらかじめ任意に設定すればよく、ま
た設定したタイミングは、例えば楽曲中の特定の音で覚
えたり、あるいは曲に歌詞がある場合は言葉で覚えるこ
とができる。

【００１２】押しボタンスイッチ１８が操作者により押
下されるごとに入力部６はそのことを表す信号を生成
し、データ処理部１０は、入力部１６が上記信号を生成
するごとに、生成された信号のタイミングに時間的にも
っとも近い楽曲の構成音を識別し、識別した複数の構成
音の組み合わせが、パスワード保管部１２に記憶されて
いる構成音の組み合わせに一致するか否かを判定する。
そして、パスワード保管部１２が保持している複数の組
み合わせの中に、一致するものがあり、データ処理部１
０の判定結果が正となった場合は、操作者は正当な操作
者と判定されることになる。なお、データ処理部１０
は、例えば、出力部４がデータ部８から楽曲データのど
の箇所を読み出しているかにもとづいて、入力部６が生
成した信号にタイミング的にもっとも近い構成音を識別
することができる。

【００１３】このように、本実施の形態例の暗証システ
ム２では、操作者は１つの押しボタンスイッチ１８を押
下するのみであるから、操作箇所を見なくても容易に操
作を行える。そのため、小さい文字が見難い人や、視覚
障害者であっても、操作になんら困難を伴わない。ま
た、操作対象は押しボタンスイッチ１つであるから、入
力部６の設置に場所をとらない。なお、本実施の形態例
では、入力部６は押しボタンスイッチ１８を用いて構成
するとしたが、それ以外にも例えば小型のタッチパネル
を用い、タッチパネルに操作者の指が触れたとき前記信
号を生成する構成とすることも可能である。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、入力され
た暗証情報にもとづいて操作者の正当性を判定する暗証
システムであって、決められた順序の複数の音から成る
ガイド音を発生するガイド音発生手段と、操作が行われ
るごとに前記操作が行われたことを表す信号を生成する
入力部と、前記ガイド音を成す複数の構成音の組み合わ
せを記憶している記憶部と、前記入力部が前記信号を生
成するごとに前記信号が生成されたタイミングに時間的
にもっとも近い前記ガイド音の構成音を識別し、識別し
た複数の前記構成音の組み合わせが、前記記憶部に記憶
されている前記構成音の組み合わせに一致するか否かを
判定する判定部とを備えたことを特徴とする。

【００１５】操作者は、ガイド音発生手段が発生するガ
イド音を聴取しながら、そのリズムに合わせて入力部に
対して操作を行い、入力部は、操作が行われるごとに操
作が行われたことを表す信号を生成する。そして、リズ
ム判定部は、生成された前記信号のタイミングに時間的
にもっとも近いガイド音の構成音を識別し、識別した複
数の構成音の組み合わせが、記憶部に記憶されている構
成音の組み合わせに一致するか否かを判定する。この判
定結果が正の場合、上記操作者の正当性が確認されたこ
とになる。したがって、本発明の暗証システムでは、操
作者は上記入力部を構成する例えば押しボタンスイッチ
をオン・オフ操作するのみでよく、操作箇所を見なくて
も容易に操作を行える。そのため、小さい文字が見難い
人や、視覚障害者であっても、操作になんら困難を伴わ
ない。また、操作対象は上述のように例えば押しボタン
スイッチ１つで済むため、場所をとらず、入力部の設置
に広いスペースを確保する必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による暗証システムの一実施の形態例を
示すブロック図である。

【図２】本発明による暗証システムの一実施の形態例の
外観を示す外観図である。

【符号の説明】 ２……暗証システム、４……出力部、６……入力部、８
……データ部、１０……データ処理部、１２……パスワ
ード保管部、１４……スピーカ、１６……本体、１８…
…押しボタンスイッチ。

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力された暗証情報にもとづいて操作者
   の正当性を判定する暗証システムであって、 決められた順序の複数の音から成るガイド音を発生する
   ガイド音発生手段と、 操作が行われるごとに前記操作が行われたことを表す信
   号を生成する入力部と、 前記ガイド音を成す複数の構成音の組み合わせを記憶し
   ている記憶部と、 前記入力部が前記信号を生成するごとに前記信号が生成
   されたタイミングに時間的にもっとも近い前記ガイド音
   の構成音を識別し、識別した複数の前記構成音の組み合
   わせが、前記記憶部に記憶されている前記構成音の組み
   合わせに一致するか否かを判定する判定部と、 を備えたことを特徴とする暗証システム。
2. 【請求項２】 前記ガイド音発生手段は、前記ガイド音
   のデータを保持したガイド音記憶部と、前記ガイド音記
   憶部から前記ガイド音データを読み出して前記ガイド音
   データが表すガイド音を発生する出力部とを含んで構成
   されていることを特徴とする請求項１記載の暗証システ
   ム。
3. 【請求項３】 前記判定部は、前記ガイド音記憶部が記
   憶しているガイド音データにもとづいて、前記入力部が
   生成した前記信号のタイミングに時間的にもっとも近い
   前記ガイド音の構成音を識別することを特徴とする請求
   項２記載の暗証システム。
4. 【請求項４】 前記ガイド音はメロディを伴うことを特
   徴とする請求項１記載の暗証システム。
5. 【請求項５】 前記ガイド音は歌詞を伴う楽曲であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の暗証システム。
6. 【請求項６】 前記入力部は操作によりオン・オフする
   スイッチにより構成されていることを特徴とする請求項
   １記載の暗証システム。
7. 【請求項７】 前記スイッチは押しボタンスイッチであ
   り、前記入力部は前記押しボタンスイッチが押されたと
   き前記信号を出力することを特徴とする請求項６記載の
   暗証システム。
8. 【請求項８】 前記入力部はタッチパネルにより構成さ
   れ、タッチパネルに指が触れたとき前記信号を生成する
   ことを特徴とする請求項１記載の暗証システム。
9. 【請求項９】 前記記憶部が記憶している構成音の組み
   合わせは複数であることを特徴とする請求項１記載の暗
   証システム。