JP3219119U - ケーブル支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合いや、ブラケットの凹部の軸方向に対するケーブル支持装置の傾斜を軽減するケーブル支持装置を提供する。【解決手段】ケーブル支持装置は、ケーブルが挿入される、第1の方向に延びている貫通孔が形成された管状部を含む本体であって、管状部の外周面に雄ねじが形成されている、本体と、管状部に形成された雄ねじに螺合する雌ねじ140が内周面に形成された環状のナット部材104と、管状部に形成された雄ねじに対して第1の方向の一方側に配置され、第1の方向においてナット部材104と対向するストッパと、ナット部材104に対してストッパに接近する方向の回転力を付与する付勢部材と、を備え、ナット部材104におけるストッパとの対向面のうち、ナット部材104の周方向の一部分には、第1の方向視で、周方向に延びている円弧状の外周面を有する係り部148が形成されている。【選択図】図6
Description
本明細書に開示される技術は、ケーブルを支持するケーブル支持装置に関する。
従来、例えば車両用コントロールケーブルなどのケーブルを支持するケーブル支持装置が知られている(特許文献1参照)。このケーブル支持装置は、本体と、環状のナット部材と、ストッパと、コイルスプリングと、を備える。本体には、ケーブルが挿入される貫通孔が形成されており、本体の外周面には、雄ねじが形成されている。ナット部材は、本体に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが内周面に形成されている。ストッパは、本体に形成された雄ねじに対して上記貫通孔の軸方向の一方側に配置され、該軸方向においてナット部材と対向する。コイルスプリングは、コイルスプリングの内周側に本体を収容するように配置され、ナット部材に対してストッパに接近する方向の回転力を付与する。このような構成により、本体におけるナット部材とストッパとの間の部分が、ブラケットに形成された凹部に挿入され、コイルスプリングによって付与される回転力によってブラケットがナット部材とストッパとの間に挟み込まれる。これにより、ケーブルを支持したケーブル支持装置をブラケットに装着することができる。
上述した従来のケーブル支持装置では、ナット部材は、ブラケットにおける凹部の周囲部分に接触しているだけである。このため、貫通孔の軸方向に垂直な面方向において、ブラケットに対するナット部材の位置ずれが生じやすく、その結果、ブラケットに対するケーブル支持装置の傾きやガタツキが生じやすい、といった問題がある。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるケーブル支持装置は、ケーブルを支持するケーブル支持装置であって、前記ケーブルが挿入される、第1の方向に延びている貫通孔が形成された管状部を含む本体であって、前記管状部の外周面に雄ねじが形成されている、本体と、前記管状部に形成された前記雄ねじに螺合する雌ねじが内周面に形成された環状のナット部材と、前記管状部に形成された前記雄ねじに対して前記第1の方向の一方側に配置され、前記第1の方向において前記ナット部材と対向するストッパと、前記ナット部材に対して前記ストッパに接近する方向の回転力を付与する付勢部材と、を備え、前記ナット部材における前記ストッパとの対向面のうち、前記ナット部材の周方向の一部分には、前記第1の方向視で、前記周方向に延びている円弧状の外周面を有する係り部が形成されている。
本ケーブル支持装置では、ナット部材におけるストッパとの対向面のうち、ナット部材の周方向の一部分に、係り部が形成されている。係り部は、第1の方向視で、管状部の中心軸を中心とする円弧状の外周面を有する。本ケーブル支持装置を、ブラケットに形成された凹部へ挿入する際、係り部が、ブラケットにおける凹部の内壁面に係るように配置することが可能である。これにより、本ケーブル支持装置によれば、ナット部材に係り部が形成されていない構成に比べて、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合いや、ブラケットの凹部の軸方向に対するケーブル支持装置の傾斜を軽減することができる。
(2)上記ケーブル支持装置において、前記係り部における前記外周面の前記周方向の長さは、前記ケーブル支持装置が挿入されるブラケットの凹部における前記周方向の開口幅より長い構成としてもよい。
本ケーブル支持装置では、係り部の周方向の長さは、ケーブル支持装置が挿入されるブラケットの凹部における周方向の開口幅より長い。このため、係り部が、ブラケットのうち、凹部を構成する一対の対向部(突出部分)の両方に係るように、ケーブル支持装置を、ブラケットの凹部に挿入させることができる。これにより、本ケーブル支持装置によれば、係り部の長さが、ブラケットの凹部の開口幅以下である構成に比べて、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。
(3)上記ケーブル支持装置において、前記ナット部材の前記一部分は、前記雌ねじの一部を兼ねており、前記ナット部材における前記対向面のうち、前記ナット部材の周方向の前記一部分とは異なる他の部分には、前記雌ねじのうち、前記ナット部材の前記一部分に連なる部分が露出している構成としてもよい。
本ケーブル支持装置では、係り部が形成されたナット部材の一部分は、雌ねじの一部を兼ねている。また、ナット部材におけるストッパとの対向面のうち、ナット部材の周方向の上記一部分とは異なる他の部分には、雌ねじのうち、ナット部材の一部分に連なる部分が露出している。これにより、本ケーブル支持装置によれば、ナット部材のストッパと対向する側が雌ねじを兼ねない構成に比べて、ナット部材の第1の方向の小型化を図りつつ、係り部を用いることによって、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合いを軽減することができる。
(4)上記ケーブル支持装置において、前記ストッパにおける前記ナット部材と対向する対向面には、前記第1の方向視で、前記周方向に延びている円弧状の外周面を有するストッパ側係り部が形成されており、前記ストッパ側係り部の前記外周面の前記周方向の長さは、前記ナット部材に形成された前記係り部の前記外周面の前記周方向の長さより長い構成としてもよい。
本ケーブル支持装置では、ストッパにおけるナット部材と対向する対向面には、ストッパ側係り部が形成されている。ストッパ側係り部は、第1の方向視で、管状部の中心軸を中心とする円弧状の外周面を有する。また、ストッパ側係り部の周方向の長さが、ナット部材に形成された係り部の周方向の長さより長い。これにより、本ケーブル支持装置によれば、例えば、ストッパ側係り部の周方向の長さが、ナット部材に形成された係り部の周方向の長さ以下である構成に比べて、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。
(5)上記ケーブル支持装置において、前記ストッパ側係り部には、前記周方向において分断された分断部分が形成されており、前記第1の方向視で、前記ナット部材に形成された前記係り部の少なくとも一部は、前記ストッパ側係り部の前記分断部分に位置している構成としてもよい。
本ケーブル支持装置では、第1の方向視で、ナット部材に形成された係り部の少なくとも一部は、ストッパ側係り部の分断部分(切り欠き部分)に位置している。このため、ストッパ側係り部の分断部分に起因して生じる、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合い等が、ナット部材に形成された係り部によって抑制される。これにより、本ケーブル支持装置によれば、ナット部材に形成された係り部が、ストッパ側係り部の分断部分に位置していない構成に比べて、ブラケットに対するケーブル支持装置のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。
本明細書によって開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ケーブル支持装置や、ケーブル支持方法等の形態で実現することが可能である。
A.実施形態:
A−1.ケーブル支持装置100の構成:
図1は、本実施形態におけるケーブル支持装置100の外観構成を示す斜視図であり、図1には、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着される前の状態が示されている。図2は、図1におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図であり、図3は、図1におけるケーブル支持装置100のYZ平面構成を示す説明図であり、図3には、後述のコイルスプリング106等の一部分が仮想線で示されている。図4は、ケーブル支持装置100を分解した状態を示す斜視図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、ケーブル支持装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図5以降についても同様である。
A−1.ケーブル支持装置100の構成:
図1は、本実施形態におけるケーブル支持装置100の外観構成を示す斜視図であり、図1には、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着される前の状態が示されている。図2は、図1におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図であり、図3は、図1におけるケーブル支持装置100のYZ平面構成を示す説明図であり、図3には、後述のコイルスプリング106等の一部分が仮想線で示されている。図4は、ケーブル支持装置100を分解した状態を示す斜視図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、ケーブル支持装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図5以降についても同様である。
ケーブル支持装置100は、ケーブル1を支持しつつ、ブラケット600に装着される装置である。具体的には、ケーブル1は、例えば、車両用のトランスミッションケーブルである。ブラケット600は、シフトレバーを備えるシフトレバー装置(図示しない)に設けられている。ブラケット600の上端には、ケーブル支持装置100が装着される略U字状の凹部610が開口形成されている。凹部610は、所定の方向(X軸方向 以下、「ケーブル挿入方向」ともいう)視で略円形状の装着凹部612と、ブラケット600の上端から装着凹部612まで上下方向(Z軸方向)に延びているガイド凹部614と、を含んでいる。凹部610のうち、互いに対向し、ガイド凹部614を構成する一対の対向部620同士の幅(凹部610のY軸方向の開口幅)は、装着凹部612の直径より小さい。ケーブル1の一方の端末側は、トランスミッション(図示しない)に接続されており、ケーブル1の他方の端末側は、ブラケット600に装着されたケーブル支持装置100に支持されつつ、シフトレバーに接続される。このような構成により、トランスミッションとシフトレバーとがケーブル1によって連動可能に連結されている。
図1から図4に示すように、ケーブル支持装置100は、カバー部102と、ナット部材104と、コイルスプリング106と、ロック部材108と、スリーブ109と、を備えている。
(カバー部102の構成)
カバー部102は、管状部110とストッパ120とハブ130とを含んでいる。図4に示すように、管状部110は、ケーブル挿入方向(X軸方向)に直線状に延びる貫通孔112が形成された管状の部分である。管状部110の外周面には、雄ねじ114が形成されている。ストッパ120は、環状の部分であり、管状部110に形成された雄ねじ114に対してケーブル挿入方向の一方側(X軸負方向側 以下、「後方側」という)に配置されている。ストッパ120の外径は、管状部110の外径より大きく、ケーブル挿入方向視で、ストッパ120の外形線が、全周にわたって、管状部110の外形線の外側に位置している。換言すれば、ケーブル挿入方向視で、ストッパ120は、全周にわたって、管状部110の外側に張り出している。また、ストッパ120における貫通孔112の中心軸に垂直な一の方向(Y軸方向)の両側には、上下方向(Z軸方向)に延びている一対のロックガイド溝122が形成されている。なお、各ロックガイド溝122内には、突起(図示しない)が形成されている。
カバー部102は、管状部110とストッパ120とハブ130とを含んでいる。図4に示すように、管状部110は、ケーブル挿入方向(X軸方向)に直線状に延びる貫通孔112が形成された管状の部分である。管状部110の外周面には、雄ねじ114が形成されている。ストッパ120は、環状の部分であり、管状部110に形成された雄ねじ114に対してケーブル挿入方向の一方側(X軸負方向側 以下、「後方側」という)に配置されている。ストッパ120の外径は、管状部110の外径より大きく、ケーブル挿入方向視で、ストッパ120の外形線が、全周にわたって、管状部110の外形線の外側に位置している。換言すれば、ケーブル挿入方向視で、ストッパ120は、全周にわたって、管状部110の外側に張り出している。また、ストッパ120における貫通孔112の中心軸に垂直な一の方向(Y軸方向)の両側には、上下方向(Z軸方向)に延びている一対のロックガイド溝122が形成されている。なお、各ロックガイド溝122内には、突起(図示しない)が形成されている。
(ハブ130の構成)
ハブ130は、筒状であり、管状部110に形成された雄ねじ114に対してケーブル挿入方向の他方側(X軸正方向側 以下、「前方側」という)に配置されている。ハブ130と管状部110とは、ハブ130の中心軸と、管状部110の貫通孔112の中心軸とが、略同一の仮想直線L(図4参照)上に位置するように配置されている。また、ハブ130の外径は、管状部110の外径より小さい。ハブ130における後方側の端部が、管状部110の貫通孔112に一体成型されている。なお、管状部110とストッパ120とは、例えば樹脂(例えばガラスを含む樹脂)により形成されており、ハブ130は、例えば金属により形成されている。
ハブ130は、筒状であり、管状部110に形成された雄ねじ114に対してケーブル挿入方向の他方側(X軸正方向側 以下、「前方側」という)に配置されている。ハブ130と管状部110とは、ハブ130の中心軸と、管状部110の貫通孔112の中心軸とが、略同一の仮想直線L(図4参照)上に位置するように配置されている。また、ハブ130の外径は、管状部110の外径より小さい。ハブ130における後方側の端部が、管状部110の貫通孔112に一体成型されている。なお、管状部110とストッパ120とは、例えば樹脂(例えばガラスを含む樹脂)により形成されており、ハブ130は、例えば金属により形成されている。
(ナット部材104の構成)
ナット部材104は、環状の部材であり、ナット部材104の内周面に雌ねじ140が形成されている(図4参照)。ナット部材104の雌ねじ140に、カバー部102の管状部110に形成された雄ねじ114が螺合されている。また、図2に示すように、ナット部材104における後方側の端面(以下、「ナット側対向面146」という)は、ケーブル挿入方向において、ストッパ120における前方側の端面(以下、「ストッパ側対向面124」という)と対向している。これにより、ナット部材104が回転すると、ナット側対向面146とストッパ側対向面124との間の距離が変化する。なお、ナット部材104の外周面には、ローレット144が形成されている。ナット部材104は、例えば樹脂(例えばガラスを含む樹脂)により形成されている。
ナット部材104は、環状の部材であり、ナット部材104の内周面に雌ねじ140が形成されている(図4参照)。ナット部材104の雌ねじ140に、カバー部102の管状部110に形成された雄ねじ114が螺合されている。また、図2に示すように、ナット部材104における後方側の端面(以下、「ナット側対向面146」という)は、ケーブル挿入方向において、ストッパ120における前方側の端面(以下、「ストッパ側対向面124」という)と対向している。これにより、ナット部材104が回転すると、ナット側対向面146とストッパ側対向面124との間の距離が変化する。なお、ナット部材104の外周面には、ローレット144が形成されている。ナット部材104は、例えば樹脂(例えばガラスを含む樹脂)により形成されている。
(コイルスプリング106の構成)
図1、図3および図4に示すように、コイルスプリング106は、該コイルスプリング106の内周側にカバー部102における管状部110を収容するように配置されている。具体的には、コイルスプリング106は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110とナット部材104との間に介在するように配置されている。コイルスプリング106により、ナット部材104に対してストッパ120に接近する方向(X軸負方向)の回転力が付与されている。
図1、図3および図4に示すように、コイルスプリング106は、該コイルスプリング106の内周側にカバー部102における管状部110を収容するように配置されている。具体的には、コイルスプリング106は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110とナット部材104との間に介在するように配置されている。コイルスプリング106により、ナット部材104に対してストッパ120に接近する方向(X軸負方向)の回転力が付与されている。
具体的には、図3および図4に示すように、コイルスプリング106における第1の端部160は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、コイルスプリング106の外周側に突出するように折り曲げられている。一方、ナット部材104における前方側(ストッパ120とは反対側)の端部には、切り欠き142が形成されている。コイルスプリング106における第1の端部160は、このナット部材104に形成された切り欠き142に係止されている。コイルスプリング106における第2の端部162は、ケーブル挿入方向視で、コイルスプリング106の内周側に突出するように折り曲げられている。一方、カバー部102の管状部110の外周面には、挿入溝116が形成されている。挿入溝116は、コイルスプリング106における第2の端部162を係止する。なお、管状部110の外周面には、さらに、ガイド溝118が形成されており、ガイド溝118は、コイルスプリング106における第2の端部162を挿入溝116に導く。
(ロック部材108の構成)
図4に示すように、ロック部材108は、上下方向(Z軸方向)に延びる一対のアーム部180と、一対のアーム部180の上端部同士を連結する連結部182と、を含んでいる。ロック部材108は、例えば樹脂により形成されており、弾性変形可能である。一対のアーム部180は、それぞれ、ストッパ120に形成された一対のロックガイド溝122に上下方向に沿って挿入可能とされている。これにより、ロック部材108は、連結部182の下面がストッパ120に接触するロック位置(図1および図2参照)と、連結部182の下面がストッパ120から上方に離間するロック解除位置(後述の図10および図11参照)との間で移動可能とされている。
図4に示すように、ロック部材108は、上下方向(Z軸方向)に延びる一対のアーム部180と、一対のアーム部180の上端部同士を連結する連結部182と、を含んでいる。ロック部材108は、例えば樹脂により形成されており、弾性変形可能である。一対のアーム部180は、それぞれ、ストッパ120に形成された一対のロックガイド溝122に上下方向に沿って挿入可能とされている。これにより、ロック部材108は、連結部182の下面がストッパ120に接触するロック位置(図1および図2参照)と、連結部182の下面がストッパ120から上方に離間するロック解除位置(後述の図10および図11参照)との間で移動可能とされている。
図4に示すように、ロック部材108の各アーム部180のうち、他方のアーム部180と対向する面には、係合凹部184が形成されている。ロック部材108がロック解除位置にあるときに、各アーム部180に形成された係合凹部184が、ロックガイド溝122に形成された上述の突起に係合し、これにより、ロック部材108は、ロック解除位置に仮保持される。連結部182は、アーム部180からナット部材104側(前方側)に突出するように形成されている。また、連結部182には、カバー部102の周方向の両側のそれぞれに突出する一対の突出部186が形成されている。
(スリーブ109の構成)
スリーブ109は、筒状の部材であり、例えば樹脂により形成されている。スリーブ109は、カバー部102の貫通孔112の後方側(ハブ130とは反対側)に配置されている。図4に示すように、スリーブ109の一端には、球状部109Aが形成されており、この球状部109Aがカバー部102の貫通孔112に挿入されている。これにより、スリーブ109は、球状部109Aを中心として傾動可能にカバー部102に支持されている。
スリーブ109は、筒状の部材であり、例えば樹脂により形成されている。スリーブ109は、カバー部102の貫通孔112の後方側(ハブ130とは反対側)に配置されている。図4に示すように、スリーブ109の一端には、球状部109Aが形成されており、この球状部109Aがカバー部102の貫通孔112に挿入されている。これにより、スリーブ109は、球状部109Aを中心として傾動可能にカバー部102に支持されている。
A−2.ナット部材104をブラケット600に係止するための構成:
図5は、ナット部材104の後方側の構成を示す斜視図であり、図6は、ブラケット600に対するナット部材104の係止状態を示す説明図である。図6には、ケーブル支持装置100のうち、ナット部材104のみ図示されており、また、ブラケット600が仮想線で示されている。
図5は、ナット部材104の後方側の構成を示す斜視図であり、図6は、ブラケット600に対するナット部材104の係止状態を示す説明図である。図6には、ケーブル支持装置100のうち、ナット部材104のみ図示されており、また、ブラケット600が仮想線で示されている。
図5および図6に示すように、ナット部材104のナット側対向面146には、ナット側係り部148が形成されている。ナット側係り部148は、ナット側対向面146のうち、ナット部材104の周方向(貫通孔112の軸を中心とする周方向、「ケーブル周方向」ともいう)における一部分に形成されている。換言すれば、ナット側対向面146には、ケーブル周方向において、ナット側係り部148が形成された係止部分と、ナット側係り部148が形成されていない非係止部分とが存在する。ナット側係り部148は、ナット側対向面146から後方側に突出するように形成されており、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、ケーブル周方向に延びている円弧状の外周面149を有する。ナット側係り部148の外周面149の曲率は、ブラケット600の装着凹部612の曲率と略同一である。このため、ナット側係り部148は、装着凹部612内に挿入され、かつ、外周面149が装着凹部612の内周面に係止可能である(図6参照)。
図6に示すように、ナット側係り部148の外周面149のケーブル周方向の長さW1は、ケーブル支持装置100が挿入されるブラケット600における一対の対向部620のケーブル周方向の離間距離W2(ブラケット600の凹部610におけるケーブル周方向の開口幅)より長い。これにより、ナット側係り部148の外周面149は、ブラケット600における一対の対向部620に跨がるように配置され、かつ、一対の対向部620の両方に係止することが可能である。本実施形態では、外周面149が一対の対向部620に跨がる位置になるように、ナット部材104の回転位置が調整されている。なお、ナット側係り部148の外周面149の長さW1は、該外周面149を円弧とする円の全周長の1/4以上であることが好ましく、また、同円の全周長の1/2以下であることが好ましい。
図5および図6に示すように、ナット部材104のナット側対向面146のうち、ナット側係り部148が形成された上記係止部分は、雌ねじ140の一部を兼ねている。すなわち、係止部分は、雌ねじ140における不完全な山を構成している。また、ナット部材104のナット側対向面146のうち、ナット部材104のケーブル周方向においてナット側係り部148が形成されていない非係止部分には、雌ねじ140のうち、ナット部材104の係止部分に連なる部分(完全な山)が露出している。換言すれば、雌ねじ140は、ナット部材104の内周面のうち、ナット部材104のナット側対向面146まで形成されている。これにより、ナット部材104において、ナット側対向面146と雌ねじ140との間に無駄な部分が存在しないため、ケーブル挿入方向(X軸方向)におけるナット部材104の小型化を図ることができる。
A−3.ストッパ120をブラケット600に係止するための構成:
図7は、ブラケット600に対するストッパ120の係止状態を示す説明図である。図7には、ロック部材108が省略されており、また、ブラケット600が仮想線で示されている。図2、図4および図7に示すように、ストッパ120のストッパ側対向面124には、ストッパ側係り部128が形成されている。ストッパ側係り部128は、ストッパ側対向面124から前方側に突出するように形成されており、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、ケーブル周方向に延びている円弧状の外周面129を有する。ストッパ側係り部128の外周面129と、ナット側係り部148の外周面149とは、ケーブル挿入方向視で、互いに同一の円上に位置するように配置されている。ストッパ側係り部128の外周面129のケーブル周方向の長さW3は、ナット部材104に形成されたナット側係り部148の外周面149のケーブル周方向の長さW1より長い。
図7は、ブラケット600に対するストッパ120の係止状態を示す説明図である。図7には、ロック部材108が省略されており、また、ブラケット600が仮想線で示されている。図2、図4および図7に示すように、ストッパ120のストッパ側対向面124には、ストッパ側係り部128が形成されている。ストッパ側係り部128は、ストッパ側対向面124から前方側に突出するように形成されており、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、ケーブル周方向に延びている円弧状の外周面129を有する。ストッパ側係り部128の外周面129と、ナット側係り部148の外周面149とは、ケーブル挿入方向視で、互いに同一の円上に位置するように配置されている。ストッパ側係り部128の外周面129のケーブル周方向の長さW3は、ナット部材104に形成されたナット側係り部148の外周面149のケーブル周方向の長さW1より長い。
また、ストッパ側係り部128は、ケーブル周方向において分断された分断部分128Aが形成されている。本実施形態では、分断部分128Aには、ロック部材108が配置される配置台125が形成されている(図4および図7参照)。本実施形態では、ストッパ側係り部128の外周面129の長さW3は、ブラケット600における装着凹部612の内周面のケーブル周方向の長さと略同一であり、分断部分128Aのケーブル周方向の長さは、ブラケット600における一対の対向部620の離間距離W2と略同一である。ストッパ側係り部128の外周面129の曲率は、ブラケット600の装着凹部612の曲率と略同一である。このため、ストッパ側係り部128は、装着凹部612内に挿入され、かつ、外周面129が装着凹部612の内周面に係止可能である(図7参照)。
ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、ナット部材104に形成されたナット側係り部148の少なくとも一部は、ストッパ120に形成されたストッパ側係り部128の分断部分128Aに位置している。具体的には、図6に示すように、ナット側係り部148は、ケーブル周方向視で、分断部分128Aを含み、かつ、ストッパ側係り部128における分断された両端部分を含む位置に形成されている(図6および図7参照)。
A−4.ナット部材104とストッパ120との間にブラケット600をガイドするための構成:
図8は、図2におけるX1部分(ナット部材104とストッパ120との対向部分)を拡大して示す説明図である。図7に示すように、ストッパ120には、一対のガイド部127が形成されている。一対のガイド部127は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110に対して、該ケーブル挿入方向に垂直な水平方向(Y軸方向)の両側の位置であって、かつ、ナット部材104(ナット側対向面146)と対向する位置に形成されている。すなわち、ガイド部127は、ケーブル挿入方向視で、ストッパ側対向面124のうち、ケーブル支持装置100をブラケット600の凹部610に挿入する過程で各対向部620が通過する位置に形成されている。図7および図8に示すように、ガイド部127は、第1の傾斜部分127Aを含んでいる。第1の傾斜部分127Aは、上下方向(Z軸方向)の一方側(図8では下側 ブラケット600への挿入方向側)に向かうに連れて、ナット部材104から遠ざかるように傾斜している。なお、第1の傾斜部分127Aは、傾斜平面でもよいし、傾斜曲面でもよい。
図8は、図2におけるX1部分(ナット部材104とストッパ120との対向部分)を拡大して示す説明図である。図7に示すように、ストッパ120には、一対のガイド部127が形成されている。一対のガイド部127は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110に対して、該ケーブル挿入方向に垂直な水平方向(Y軸方向)の両側の位置であって、かつ、ナット部材104(ナット側対向面146)と対向する位置に形成されている。すなわち、ガイド部127は、ケーブル挿入方向視で、ストッパ側対向面124のうち、ケーブル支持装置100をブラケット600の凹部610に挿入する過程で各対向部620が通過する位置に形成されている。図7および図8に示すように、ガイド部127は、第1の傾斜部分127Aを含んでいる。第1の傾斜部分127Aは、上下方向(Z軸方向)の一方側(図8では下側 ブラケット600への挿入方向側)に向かうに連れて、ナット部材104から遠ざかるように傾斜している。なお、第1の傾斜部分127Aは、傾斜平面でもよいし、傾斜曲面でもよい。
また、ガイド部127は、第2の傾斜部分127Bを含んでいる。第2の傾斜部分127Bは、第1の傾斜部分127Aの上側の端から上下方向(Z軸方向)の他方側(図8では上側 ブラケット600からの離脱方向側)に向かうに連れて、ナット部材104から遠ざかるように傾斜している。なお、第2の傾斜部分127Bは、傾斜平面でもよいし、傾斜曲面でもよい。
また、第2の傾斜部分127Bの、ナット部材104(ナット側対向面146)に対する第2の傾斜角度θ2は、第1の傾斜部分127Aの、ナット部材104に対する第1の傾斜角度θ1より小さい。なお、第1の傾斜角度θ1および第2の傾斜角度θ2は、いずれも鋭角である。これにより、第1の傾斜角度θ1が相対的に急勾配になるため、ナット部材104とストッパ120との間の広がり幅E1を相対的に広く確保できる。また、第2の傾斜部分127Bにおける係り代E2が相対的に広いため、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着された後、ブラケット600の凹部610からケーブル支持装置100が抜けることを抑制することができる。
また、第1の傾斜部分127Aの上側の端の位置は、上下方向(Z軸方向)において、管状部110(貫通孔112)の中心軸Zと略同じ位置である。具体的には、図8に示すように、第1の傾斜部分127Aにおける上側の端と第2の傾斜部分127Bにおける下側の端とが連続してつながっており、第1の傾斜部分127Aと第2の傾斜部分127Bとの境界が仮想直線L上に位置している。
なお、ケーブル挿入方向(X軸方向)は、実用新案登録請求の範囲における第1の方向に相当し、管状部110とハブ130との組み合わせの構成は、実用新案登録請求の範囲における本体に相当する。コイルスプリング106は、実用新案登録請求の範囲における付勢部材に相当する。ナット側対向面146は、実用新案登録請求の範囲におけるナット部材における対向面に相当し、ストッパ側対向面124は、実用新案登録請求の範囲におけるストッパにおける対向面に相当する。凹部610は、実用新案登録請求の範囲におけるブラケットの開口部に相当する。ナット側係り部148は、実用新案登録請求の範囲における係り部に相当する。
A−5.ケーブル支持装置100の組み付け工程および装着工程:
図9は、本実施形態におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図である。図9には、ブラケット600の対向部620の先端が、ケーブル支持装置100におけるナット部材104とストッパ120との間に挿入された状態が示されている。また、図10は、本実施形態におけるケーブル支持装置100の外観構成を示す斜視図であり、図10には、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着された状態が示されている。図11は、図10におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図である。
図9は、本実施形態におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図である。図9には、ブラケット600の対向部620の先端が、ケーブル支持装置100におけるナット部材104とストッパ120との間に挿入された状態が示されている。また、図10は、本実施形態におけるケーブル支持装置100の外観構成を示す斜視図であり、図10には、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着された状態が示されている。図11は、図10におけるケーブル支持装置100のXZ平面構成を示す説明図である。
ケーブル支持装置100において、カバー部102に、ナット部材104とコイルスプリング106とロック部材108とを組み付ける工程は、次の通りである。例えば、ナット部材104を、カバー部102における管状部110に螺合させる。また、ロック部材108を、カバー部102におけるストッパ120において、ロック解除位置に位置するように配置する。
次に、コイルスプリング106を、そのナット部材104と管状部110との間に配置する。具体的には、コイルスプリング106の第1の端部160を、ナット部材104の切り欠き142に係止させずに、コイルスプリング106の第2の端部162を、管状部110に形成されたガイド溝118から挿入する。コイルスプリング106の第2の端部162は、ガイド溝118に沿って挿入溝116にガイドされ係止される。次に、コイルスプリング106の第1の端部160を、ナット部材104の切り欠き142に係止させる。これにより、コイルスプリング106により、ナット部材104に対してストッパ120に接近する方向(X軸負方向)の回転力が付与されている。ナット部材104を回転力に抗してストッパ120から離間する方向に移動させ、ロック部材108を下方向(Z軸負方向)に下げて、連結部182をナット側対向面146とストッパ120の間に介在させる。以上により、ケーブル支持装置100の組み付け工程は完了する。
ケーブル1を支持するケーブル支持装置100を、ブラケット600に装着するための作業工程は、次の通りである。まず、ケーブル支持装置100に備えられたカバー部102の貫通孔112に、ケーブル1を挿入する。次に、ナット部材104を、コイルスプリング106の付勢力に抗して、ストッパ120から離間する方向に回転させて、ナット部材104のナット側対向面146とストッパ120のストッパ側対向面124との間の離間距離を、ロック部材108の連結部182の前後方向(X軸方向)の幅寸法より長くする。ナット側対向面146とストッパ側対向面124との離間距離が連結部182の幅寸法より長い状態で、ロック部材108をロック解除位置からロック位置に移動させる。次に、ナット部材104から手を離すことにより、ナット部材104が、コイルスプリング106の付勢力によって、ストッパ120に接近する方向に回転する。その結果、図1および図2に示すように、ロック部材108の連結部182が、ナット部材104のナット側対向面146とストッパ120のストッパ側対向面124との間に挟み込まれる。このとき、ナット側対向面146とストッパ側対向面124との離間距離は、ブラケット600の厚さ寸法より長い。ただし、ガイド部127とナット部材104のナット側対向面146との間の距離は、ブラケット600の厚さ寸法より広い。
次に、ケーブル支持装置100におけるナット側対向面146とストッパ側対向面124との間の部分を、ブラケット600の凹部610内に挿入する。この過程で、図9に示すように、ブラケット600の各対向部620が、ストッパ120に形成されたガイド部127とナット部材104との間に進入していく。ここで、上述したように、ガイド部127とナット側対向面146との間の距離は、ブラケット600の厚さ寸法より広く設定されている。また、ガイド部127の頂点(第1の傾斜部分127Aと第2の傾斜部分127Bとの境界)から下側(ブラケット600側)に向かうに連れて、ガイド部127とナット側対向面146との間の距離は、第1の傾斜部分127Aの傾斜に応じて広くなっている。このため、各対向部620は、第1の傾斜部分127Aにガイドされることによって、ガイド部127とナット側対向面146との間に円滑に挿入される。
次に、ロック部材108の突出部186の下面が、ブラケット600における一対の対向部620のそれぞれの上面に当接して押し上げられることによって、ロック部材108がロック位置からロック解除位置に移動する。これにより、ナット側対向面146とストッパ側対向面124との間にロック部材108が介在しなくなる。その結果、ナット部材104が、コイルスプリング106の付勢力によって、ストッパ120に接近する方向に回転し、ナット側対向面146とストッパ側対向面124との間にブラケット600が挟み込まれる(図10参照)。このとき、ナット部材104におけるナット側係り部148の外周面149が装着凹部612の内周面に係止される。また、ストッパ120におけるストッパ側係り部128の外周面129が装着凹部612の内周面に係止される(図6、図7および図11参照)。以上により、ケーブル支持装置100がブラケット600に装着される。
A−6.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態に係るケーブル支持装置100では、ナット部材104におけるナット側対向面146のうち、ケーブル周方向の一部分に、ナット側係り部148が形成されている。ナット側係り部148は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110の中心軸を中心とする円弧状の外周面149を有する。本ケーブル支持装置100を、ブラケット600に形成された凹部610へ挿入する際、ナット側係り部148が、ブラケット600における凹部610の内壁面に係るように配置することが可能である(図6参照)。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ナット部材104に係り部が形成されていない構成に比べて、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合いや、ブラケット600の凹部610の軸方向に対するケーブル支持装置100の傾斜を軽減することができる。また、本ケーブル支持装置100によれば、ナット側係り部148がナット部材104の全周にわたって形成されている構成に比べて、ナット側係り部148とブラケット600の凹部610との寸法誤差に起因してナット側係り部148がブラケット600の凹部610に挿入できなくなることを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るケーブル支持装置100では、ナット部材104におけるナット側対向面146のうち、ケーブル周方向の一部分に、ナット側係り部148が形成されている。ナット側係り部148は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、管状部110の中心軸を中心とする円弧状の外周面149を有する。本ケーブル支持装置100を、ブラケット600に形成された凹部610へ挿入する際、ナット側係り部148が、ブラケット600における凹部610の内壁面に係るように配置することが可能である(図6参照)。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ナット部材104に係り部が形成されていない構成に比べて、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合いや、ブラケット600の凹部610の軸方向に対するケーブル支持装置100の傾斜を軽減することができる。また、本ケーブル支持装置100によれば、ナット側係り部148がナット部材104の全周にわたって形成されている構成に比べて、ナット側係り部148とブラケット600の凹部610との寸法誤差に起因してナット側係り部148がブラケット600の凹部610に挿入できなくなることを抑制することができる。
本ケーブル支持装置100では、ナット側係り部148のケーブル周方向の長さW1は、ケーブル支持装置100が挿入されるブラケット600の凹部610におけるケーブル周方向の離間距離W2より長い(図6参照)。このため、ナット側係り部148が、ブラケット600のうち、凹部610を構成する一対の対向部620の両方に係るように、ケーブル支持装置100を、ブラケット600の凹部610に挿入させることができる。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ナット側係り部148の長さW1が、ブラケット600の凹部610の離間距離W2以下である構成に比べて、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。また、ブラケット600における凹部610の開口側は、ケーブル支持装置100と接触しないため、ケーブル支持装置100のがたつきの要因になり易いため、一対の対向部620の両方にナット側係り部148が係ることが特に有効である。
本ケーブル支持装置100では、ナット側係り部148が形成されたナット部材104の一部分(係止部分)は、雌ねじ140の一部を兼ねている。また、ナット部材104におけるナット側対向面146のうち、ナット部材104のケーブル周方向の上記一部分とは異なる他の部分(非係止部分)には、雌ねじ140のうち、ナット部材104の一部分に連なる部分が露出している(図5および図6参照)。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ナット部材104のストッパ120と対向する側が雌ねじ140を兼ねない構成に比べて、ナット部材104のケーブル挿入方向の小型化を図りつつ、ナット側係り部148を用いることによって、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合いを軽減することができる。
本ケーブル支持装置100では、ストッパ120におけるストッパ側対向面124には、ストッパ側係り部128が形成されている。ストッパ側係り部128は、ケーブル挿入方向視で、管状部110の中心軸を中心とする円弧状の外周面129を有する(図7参照)。また、ストッパ側係り部128のケーブル周方向の長さW3が、ナット部材104に形成されたナット側係り部148のケーブル周方向の長さW1より長い。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、例えば、ストッパ側係り部128の長さW3が、ナット側係り部148の長さW1以下である構成に比べて、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。
本ケーブル支持装置100では、ケーブル挿入方向視で、ナット部材104に形成されたナット側係り部148の少なくとも一部は、ストッパ側係り部128の分断部分128Aに位置している(図6参照)。このため、ストッパ側係り部128の分断部分128Aに起因して生じる、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合い等が、ナット部材104に形成されたナット側係り部148によって抑制される。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ナット側係り部148が、ストッパ側係り部128の分断部分128Aに位置していない構成に比べて、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合い等を、より効果的に軽減することができる。
本ケーブル支持装置100では、ストッパ120に、ケーブル挿入方向視で、管状部110に対して水平方向の少なくとも一方側の位置であって、かつ、ナット部材104と対向する位置に配置されたガイド部127が形成されている(図8参照)。ガイド部127は、第1の傾斜部分127Aを含む。第1の傾斜部分127Aは、上下方向の一方側(下側)に向かうに連れて、ナット部材104から遠ざかるように傾斜している。このため、本ケーブル支持装置100を、ブラケット600に形成された凹部610へ挿入する際、凹部610を構成する先端部分(対向部620)が、ガイド部127の第1の傾斜部分127Aにガイドされることによって、ブラケット600の先端部分が、ナット部材104とストッパ120との間のさらに奥側に円滑に挿入される。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、ガイド部127とナット側対向面146との間の距離が、一律、ガイド部127の頂点とナット側対向面146との距離と同じである構成に比べて、ブラケット600の凹部610へのケーブル支持装置100の挿入性(挿入のしやすさ)を向上させることができる。
本ケーブル支持装置100では、ガイド部127は、さらに、第2の傾斜部分127Bを含む。第2の傾斜部分127Bは、第1の傾斜部分127Aにおける上方側の端から、上側に向かうに連れて、ナット部材104から遠ざかるように傾斜している(図8参照)。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、例えば、ガイド部127が、第1の傾斜部分127Aの端からナット部材104に平行な方向に延びる平坦部を含む構成に比べて、ナット部材104とストッパ120との間に介在するブラケット600とガイド部127との接触抵抗が小さいため、ブラケット600の凹部610に対するケーブル支持装置100の挿入と抜き取りとを円滑に行うことができる。また、本ケーブル支持装置100によれば、ガイド部127が、第2の傾斜部分127Bも平坦部分も備えず、第1の傾斜部分が鋭角である構成に比べて、第1の傾斜部分127Aが補強され、ブラケット600の凹部610へのケーブル支持装置100の挿入性を向上させることができる。
本ケーブル支持装置100では、第2の傾斜部分127Bのナット部材104に対する第2の傾斜角度θ2は、第1の傾斜部分127Aのナット部材104に対する第1の傾斜角度θ1より小さい。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、例えば、第2の傾斜角度θ2が、第1の傾斜角度θ1と同等以上である構成に比べて、ナット部材104と第2の傾斜部分127Bとの間の隙間が狭くなる。その結果、ケーブル支持装置100がブラケット600から抜けようとする力に対する抵抗力を向上させることができ、また、ブラケット600に対するケーブル支持装置100のがたつき度合いを軽減することができる。
本ケーブル支持装置100では、第1の傾斜部分127Aの上端の位置(すなわち、第1の傾斜部分127Aと第2の傾斜部分127Bとの隣接位置)は、上下方向において、管状部110の中心軸と同じ位置である。これにより、本ケーブル支持装置100によれば、例えば、第1の傾斜部分127Aの上端の位置が上下方向において管状部110の中心軸とは異なる位置である構成に比べて、アンダーカット部分が無いため、本体を型抜きにより容易に作製することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態におけるケーブル支持装置100の構成は、あくまで例示であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、カバー部102は、ハブ130を備えない構成であってもよい。
上記実施形態において、ナット部材104の係止部として、切り欠き142を例示したが、これに限らず、例えば係止用凸部など、他の係止手段によってコイルスプリング106の第1の端部160を係止する構成であってもよい。また、ナット部材104とストッパ120とは、互いの少なくとも一部が前後方向(X軸方向)において対向すればよい。
上記実施形態において、付勢部材として、コイルスプリング106を例示したが、付勢部材は、コイルスプリング106以外の他の付勢部材(例えば、他の形状のスプリングやゴム材)であってもよい。
上記実施形態において、ナット部材104は、複数のナット側係り部148が、ケーブル周方向に並ぶようにナット側対向面146に形成されている構成であってもよい。また、上記実施形態において、ナット側係り部148の外周面149の長さW1は、ブラケット600における一対の対向部620の離間距離W2以下であってもよい。
上記実施形態において、ナット部材104は、ナット側対向面146のうち、ナット側係り部148が形成された係止部分が、雌ねじ140を兼ねない構成であってもよい。また、ストッパ側係り部128の外周面129の長さW3は、ナット部材104に形成されたナット側係り部148の外周面149の長さW1以下であってもよい。ストッパ側係り部128は、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、分断部分128Aを有しない、環状であってもよい。
上記実施形態において、ケーブル挿入方向(X軸方向)視で、ナット部材104に形成されたナット側係り部148は、ストッパ120に形成されたストッパ側係り部128の分断部分128Aに位置しなくてもよい。
上記実施形態において、ストッパ120に、ガイド部127が形成されていなくてもよい。また、上記実施形態において、ストッパ120に、ガイド部127が1つ、または3つ以上形成されていてもよい。また、ガイド部127は、第2の傾斜部分127Bを含まない構成であってもよい。また、第2の傾斜部分127Bの第2の傾斜角度θ2は、第1の傾斜部分127Aの第1の傾斜角度θ1以上であってもよい。また、第1の傾斜部分127Aの上側の端の位置は、上下方向(Z軸方向)において、管状部110(貫通孔112)の中心軸Zより下側でもよいし、上側でもよい。
また、上記実施形態におけるケーブル支持装置100を構成する各部材の形成材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
上記実施形態では、ケーブル支持装置100が支持するケーブルとして、車両用のトランスミッションケーブル(ケーブル1)を例示したが、これに限らず、ケーブルは、例えば、その他の遠隔操作用のケーブル(パーキングブレーキケーブル、フードケーブル、フューエルリッドケーブル、ラゲージケーブルなど)でもよい。また、上記実施形態では、ケーブル支持装置100が装着されるブラケット600の凹部610の形状は、装着凹部612とガイド凹部614とを含む形状であったが、これに限らず、他の形状でもよく、例えば、ガイド凹部614を構成する一対の対向部620同士の幅(凹部610のY軸方向の開口幅)が装着凹部612の直径と略同一である形状であってもよい。
また、本明細書において、「垂直」には、厳密な意味での垂直(90度)であることだけではなく、90度に対して±5度程度の誤差を有することも含まれる。また、「対向」には、他の部材を介さずに直接に互いに向き合うことだけでなく、他の部材を介して、互いに向き合うことも含まれる。
1:ケーブル 100:ケーブル支持装置 102:カバー部 104:ナット部材 106:コイルスプリング 108:ロック部材 109:スリーブ 109A:球状部 110:管状部 112:貫通孔 114:雄ねじ 116:挿入溝 118:ガイド溝 120:ストッパ 122:ロックガイド溝 124:ストッパ側対向面 125:配置台 127:ガイド部 127A:第1の傾斜部分 127B:第2の傾斜部分 128:ストッパ側係り部 128A:分断部分 129:外周面 130:ハブ 140:雌ねじ 142:切り欠き 144:ローレット 146:ナット側対向面 148:ナット側係り部 149:外周面 160:第1の端部 162:第2の端部 180:アーム部 182:連結部 184:係合凹部 186:突出部 600:ブラケット 610:凹部 612:装着凹部 614:ガイド凹部 620:対向部 E1:広がり幅 E2:係り代 L:仮想直線 W1,W3:長さ W2:離間距離 Z:中心軸 θ1:第1の傾斜角度 θ2:第2の傾斜角度
Claims (5)
- ケーブルを支持するケーブル支持装置であって、
前記ケーブルが挿入される、第1の方向に延びている貫通孔が形成された管状部を含む本体であって、前記管状部の外周面に雄ねじが形成されている、本体と、
前記管状部に形成された前記雄ねじに螺合する雌ねじが内周面に形成された環状のナット部材と、
前記管状部に形成された前記雄ねじに対して前記第1の方向の一方側に配置され、前記第1の方向において前記ナット部材と対向するストッパと、
前記ナット部材に対して前記ストッパに接近する方向の回転力を付与する付勢部材と、
を備え、
前記ナット部材における前記ストッパとの対向面のうち、前記ナット部材の周方向の一部分には、前記第1の方向視で、前記周方向に延びている円弧状の外周面を有する係り部が形成されている、
ケーブル支持装置。 - 請求項1に記載のケーブル支持装置であって、
前記係り部における前記外周面の前記周方向の長さは、前記ケーブル支持装置が挿入されるブラケットの凹部における前記周方向の開口幅より長い、
ケーブル支持装置。 - 請求項1または請求項2に記載のケーブル支持装置であって、
前記ナット部材の前記一部分は、前記雌ねじの一部を兼ねており、
前記ナット部材における前記対向面のうち、前記ナット部材の周方向の前記一部分とは異なる他の部分には、前記雌ねじのうち、前記ナット部材の前記一部分に連なる部分が露出している、
ケーブル支持装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のケーブル支持装置であって、
前記ストッパにおける前記ナット部材と対向する対向面には、前記第1の方向視で、前記周方向に延びている円弧状の外周面を有するストッパ側係り部が形成されており、
前記ストッパ側係り部の前記外周面の前記周方向の長さは、前記ナット部材に形成された前記係り部の前記外周面の前記周方向の長さより長い、
ケーブル支持装置。 - 請求項4に記載のケーブル支持装置であって、
前記ストッパ側係り部には、前記周方向において分断された分断部分が形成されており、
前記第1の方向視で、前記ナット部材に形成された前記係り部の少なくとも一部は、前記ストッパ側係り部の前記分断部分に位置している、
ケーブル支持装置。
Priority Applications (1)
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JP2018003634U JP3219119U (ja) | 2018-09-19 | 2018-09-19 | ケーブル支持装置 |
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JP2018003634U JP3219119U (ja) | 2018-09-19 | 2018-09-19 | ケーブル支持装置 |
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Family Applications (1)
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