JP3219055U - 介護用車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】移乗の安全性を確保しつつ、装置が大がかりとなることなく比較的コンパクトに構成でき、車いす自体を移動させることなく、倒した背もたれシートの伸長方向の先と異なる位置へも移乗先を調整できる介護用車椅子を提供する。【解決手段】座面ユニット3が第二位置にスライド移動したときに、嵌め板の上面の着座部が、嵌め板ないし後倒した背もたれ12の上面と平行な面内で回転する回転座面からなり、かつ、嵌め板の後辺又は側辺に立設した回倒板(第二背もたれ又はサイドパネル)は、内面が、開き状態の後倒した背もたれ12の上面と略平行になるまで外方へ回倒可能に取り付けられる。台板11上に着座していた着座者が、座面ユニット3のスライド移動と共に後方へ移動し、回倒した回倒板の内面上で回転して向きを変え、さらに、回倒した回倒板の内面上からその回倒先の方向へ移動し得る。【選択図】図18

Description

本考案は、被介護者を使用者とする介護用車椅子であって、特に、自力で歩行することが困難な要介護者を、ベッドから車椅子に移動させる、或いは、車椅子からベッドに移動させる際の補助機能を有するものに関する。
従来の介護用車椅子であって、着座者を椅子上と自動車シートやベッド上との相互間で移動させる移乗機能を有するものとして、例えば以下のものが開示される。
特許文献1には、移乗機能として、座面シートと背凭れ面シートとが蝶番を介して連結され、座面シートは座面シートの下方に配設したリフト手段により上下方向に昇降でき、背凭れフレームを傾動動作させる傾動手段により背凭れフレームを略垂直姿勢から略水平姿勢までの任意の姿勢をさせるものが開示される(特許文献1参照)。この文献記載の介護用車椅子は、背凭れ面シートと背凭れフレームとの左右方向の位置ずれ規制及び上下方向の位置関係調整を可能とし、背凭れフレームは上端側を伸長方向でスライドさせることで背凭れフレームの上下方向の長さを調整可能とし、座面シート及び背凭れ面シートの表皮が摩擦抵抗の少ない滑りやすい材質からなる介護用車椅子により課題解決できた、とされる。
また、特許文献2には、要介護者をベッドから移乗する手段として、ベッドの前後にベッドからの身体落下防止用枠を設け、その枠の中に人体吊下げ用ロープの長さを自由に調整出来るロープコントロール機構を8カ所に挿入した上で、セルフロック機能を有するウオーム減速機を介して上下位置決めを行なうと共に、ベッド手前に置かれた移乗機器をベッド内部に出し入れする仰向き傾斜機能付前後スライド機構と同期してベッドを待避させる為のベッド後方への折りたたみ待避機構を設けた移乗装置が開示される(特許文献2参照)。
特開2016−158864号公報 特開2011−194198号公報
しかしながら、前者の介護用車椅子は背もたれ面シートに沿って座面シートを滑らせて移動するため、背もたれシートの方向すなわち一方向にしか着座者を移動させることしかできず、車いす自体を移送先位置と隣接する位置まで移動させる必要があった。また、着座者を座布団状の座面シートごと滑らせて移動させるため、移動の際に着座者が座布団から落下するおそれがあり、移乗の安全性に問題を有していた。特に、倒した背もたれシートの伸長方向の先と同じ方向へしか移乗させることができず、椅子の背もたれの向きによって移乗方向が制限されるという課題があった。
また、後者の移乗装置は要介護者を一旦吊り下げ状態にして上昇、スライド移動ないし下降動作をする必要があるため、装置が大がかりとなると共に移乗先の位置の微調整が装置の配置場所に制限されるという問題を有していた。
そこで本考案は、移乗の安全性を確保しつつ、装置が大がかりとなることなく比較的コンパクトに構成できると共に、車いす自体を移送先位置と隣接する位置まで移動させることなく、倒した背もたれシートの伸長方向の先と異なる任意の方向へ移乗先を調整できる介護用車椅子を提供することを課題とする。
上記の課題を解決すべく、本願は以下の手段を講じている。なお以下の各記載において、名称の後に続けて記載する数字列又は数字とアルファベットとの組合せは、実施例の構成を参照して示すために便宜的につけられた符号であるが、これら符号をもって構成の内容や形状を限定する趣旨ではない。
〔1〕本発明の介護用車椅子は、
略水平に位相回転可能に支持された台板11と、台板11の後辺に後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を支持する走行可能な走行支持体40を有する移動式の椅子台ユニット1と、
台板11の板面上部に嵌め込まれると共に、台板11及び後倒させた背もたれ12の前後方向にスライド移動可能な嵌め板21と、
嵌め板21の後辺に後倒可能に設けられた第二背もたれ27/32とを具備した座面ユニット3と、を具備した介護用椅子であって、
椅子台ユニット1の背もたれ12が、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態(S2)となったときに、
座面ユニット3が、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)と、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)との間を、前後方向へスライド移動可能であり、
また、
座面ユニット3が第二位置(P2)にスライド移動したときに、
嵌め板21の上面の着座部が、嵌め板21ないし後倒した背もたれ12の上面と平行な面内で回転可能であり、かつ、
嵌め板21の後辺又は側辺に立設した回倒板(第二背もたれ又はサイドパネル)の内面が、開き状態の後倒した背もたれ12の上面と略平行になるまで外方へ回倒可能であり、
台板11上に着座していた着座者が、座面ユニット3のスライド移動と共に後方へ移動し、回倒した回倒板の内面上で回転して向きを変え、さらに、回倒した回倒板の内面上からその回倒先の方向へ移動し得ることを特徴とする。
このようなものであれば、座面ユニット3の第二背もたれを、椅子台ユニット1の台板11上から平面視後方へずれた位置に移動させ、その後、嵌め板21を水平面内で所定の回転角度だけ回転させ、当該回転させた平面方向で第二背もたれ32を後倒させることで、着座者を椅子から第二背もたれの後倒方向であるベッド等の移送先の所定位置まで容易に移送することができる。(例えば後述の図5〜図10、図15〜図20)。あるいは、座面ユニット3の第二背もたれ32を、椅子台ユニット1の台板11上から平面視後方へずれた位置に移動させ、その後、嵌め板21を水平面内で所定の回転角度だけ回転させると共にサイドパネル22を外側方へ倒すことで、着座者を所定の角度だけ平面回転させた状態で、椅子からサイドパネル22の側倒方向であるベッド等の移送先の所定位置まで容易に移送することができる。(例えば後述の図27〜図32)。
また、開き状態にしたサイドパネル22及び背もたれ12をベッドの上に配置して、横臥した着座者(被介護者)の下部に差し込み、座面ユニット3を、サイドパネル22の上から平面視略L字方向に椅子台ユニット1の台板11上まで移動させることで、横臥者をベッドから本発明の介護用車椅子の着座位置まで容易に移送することができる。
〔2〕前記介護用車椅子において、走行支持体40は、台板11の略中央位置を昇降可能に且つ位相回転可能に支持してなり、
また、椅子台ユニット1は、台板11が所定の昇降高さとなったときに台板11の位相回転を所定の方向(正方向)で止めるように作動する回転止め構造51,52と、
走行支持体40の走行を止めるように作動する走行ブレーキ15と、をさらに有してなり、
前記背もたれ12は、前記回転止め構造(51,52)、走行ブレーキ15の少なくともいずれかが作動した状態でのみ開き状態(S2)となることが好ましい。
このようなものであれば、台板11が所定の昇降高さで位相回転を止められた状態、或いは走行を止められて所定高さの静止状態となったときのみ、座面ユニット3の移動が可能となる。不安定な台板11の回転可能状態又は走行可能状態での座面ユニット3の移動を制限することで、重心を安定させ転倒のおそれが少ない状態での、安全な移送を確保するものとなる。
具体的には、例えば、互いに嵌合する凸部嵌合体51及び凹部嵌合体52からなる回転止め構造を、台板11の下部に設ける構造が挙げられる。凸部嵌合体51及び凹部嵌合体52一方及び他方を、台板11、及び、走行支持体40の周部を囲って固定された支持フレーム4Fの上部、のそれぞれに設けることで、回転止め構造が、台板11の昇降高さに連動して作動する。すなわち、昇降高さが所定の高さ以下になると、凸部嵌合体51及び凹部嵌合体52が、走行支持体40の正面の位置で互いに嵌合するよう、台板11の回転位相が自動的に所定の方向(正方向)を向くように誘導される。そして、台板11が所定の正面位相を向いて嵌合することで、回転止め構造の回転止め機能が作動する。
この回転止め構造を作動させる所定の昇降高さは、移送先のベッドの高さに合わせるよう、嵌合体の上下の取り付け位置調節によって変更可能であることが好ましい。
〔3〕前記介護用車椅子において、略水平に位相回転可能に支持された台板11と、台板11の後辺に後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を支持する走行可能な走行支持体40を有する移動式の椅子台ユニット1と、
台板11の板面上部に嵌め込まれると共に台板11及び後倒させた背もたれ12の前後方向にスライド移動可能な嵌め板21と、嵌め板21の側辺に立設して外側方へ回倒可能なサイドパネル22とを具備した座面ユニット3と、
背もたれ12の両側部それぞれから前方へ伸長し、前記立設したサイドパネル22に係止すると共に上方へ跳ね上げ可能に設けられた肘置き22Tと、
を具備した介護用椅子であって、
肘置き22Tがサイドパネルとの係止を解除されて上方へ跳ね上げられることで、椅子台ユニット1の背もたれ12が、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態(S2)に偏移可能であり、
椅子台ユニット1の背もたれ12が、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態(S2)となったときに、
座面ユニット3が、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)と、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)との間を、前後方向へスライド移動可能であり、
また、
座面ユニット3が第二位置(P2)にスライド移動したときに、
嵌め板21が、開き状態の背もたれ12上で嵌め込まれたまま水平面内で回転可能であると共に、
座面ユニット3の第二背もたれが、前記回転した嵌め板21の後辺から後倒可能であることが好ましい。
このようなものであれば、開き状態(S2)において外突出部(22S/22T)(12T)が脚部となって、移送先のベッド上に接地することで、開き角度を保って開き状態を安定させることができる。
特に後述の実施例において、サイドパネル22の立設状態の上端面には、側部がサイドパネル22よりも外方へ突出すると共に肘置き用の板面を有した外突出部(22T)が設けられる。この外突出部(22T)は、立設状態(S1)の側板の上端にて着座者の肘置き板を有しており、この肘置き板(22T)が外突出部を兼ねてなる。サイドパネル22が開き状態(S2)となったとき、肘置き板の外突出先部が接地する。
〔4〕前記いずれかに記載の介護用車椅子においては、嵌め板21はその下部の中央部に柱状の首部を有した第一嵌合凸片が突設形成され、
椅子台ユニット1の台板11及び背もたれには、前記第一嵌合凸片の首部が嵌合すると共に首部をスライド移動可能とする嵌合溝が前後方向へ伸長して形成され、
背もたれが後倒した状態で、前記台板11及び背もたれの嵌合溝は直線状に連なり、
当該嵌合溝内を第一嵌合凸片が嵌合したまま前後方向へ移動可能であると共に、
後倒した背もたれの嵌合溝の後端付近で第一嵌合凸片が係止してそれ以上の後方移動が規制され、この規制された位置で嵌合凸片の首部が嵌合溝内で軸回転可能であり、この軸回転に伴って嵌め板21が平面回転することが好ましい。
〔5〕前記いずれかに記載の介護用車椅子において、嵌め板21はその下部に、前記第一嵌合凸片の首部よりも細い柱状の首部を有した第二嵌合凸片が突設形成され、
椅子台ユニット1の台板11及び背もたれには、前記第一嵌合凸片及び第二嵌合凸片の各首部が嵌合すると共に各首部をスライド移動可能とする嵌合溝が前後方向へ伸長して形成され、
背もたれが後倒した状態で、前記台板11及び背もたれの嵌合溝は直線状に連なると共に、背もたれには、当該直線状の嵌合溝と交差した円弧状の第二嵌合溝が形成されてなり、
第二嵌合凸片は、当該直線状の嵌合溝内を嵌合したまま直線状の嵌合溝の後端まで移動可能であると共に、第二嵌合溝内に沿って円弧方向へ移動可能であり、
第一嵌合凸片が背もたれの直線状の嵌合溝内で軸回転すると共に、第二嵌合凸片が後倒した背もたれの第二嵌合溝内を移動することで、嵌合凸片の首部が回転可能であり、
この第一嵌合凸片の軸回転と第二嵌合凸片の第二嵌合溝内の移動に伴って嵌め板21が平面回転することが好ましい。
このようなものであれば、座面の回転移動がスムーズなものとなる。
〔6〕 前記いずれかに記載の介護用車椅子において、嵌め板21はその下部に、自由転動可能な転動体が、嵌合凸片よりも低い高さで突出して、第一嵌合凸片を中心とした放射状の複数個所に配設され、
嵌め板21が後倒した背もたれの方向へ前後移動し或いは移動先で回転する際に、前記各転動体のうち複数個が、椅子台ユニット1又は後倒した背もたれの上面で転動することが好ましい。
〔7〕 前記いずれかに記載の介護用車椅子において、第二背もたれには両側部に枠部が形成されると共に、枠部内に、後倒した第二背もたれの後倒方向へ転動可能な転動凸体、又は、前記後倒方向へスライド移動可能なスライドシートが収容されることが好ましい。
〔8〕 前記いずれかに記載の介護用車椅子において、
嵌め板21はその前辺に延長板37が回動可能に延長形成されると共に、嵌め板21又は延長板37の裏面又は側面に水平保持構造が形成され、
延長板37が嵌め板21の上面に沿う水平位置まで水平回動した状態で、水平保持構造を延長板37と嵌め板21とを跨ぐ位置まで移動させることで、前記水平回動した状態を保持することが好ましい。
上記の他、前記いずれかに記載の介護用車椅子において、サイドパネル又は背もたれの外面に、模様片または画像片を収容し得る収容ポケットを備えることが好ましい。
また、前記いずれかに記載の介護用車椅子において、肘置きユニット2及び背板の側部が、2色以上に色分けされていることが好ましい。
以上説明したように、本考案によれば、回転体の構造が比較的簡易であり、車いす自体を移送先位置と隣接する位置まで移動させることなく、倒した背もたれシートの伸長方向の先と異なる任意の方向へ移乗先を調整できる介護用車椅子を提供することができる。
本考案の実施例1に係る介護用車椅子の構成を示す分解正面図。 実施例1の介護用車椅子の構成を示す分解側面図。 実施例1の介護用車椅子の正面図。 図3のA−A部の部分断面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第一状態を示す平面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第二状態を示す平面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第三状態を示す平面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第四状態を示す平面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第五状態を示す平面図。 実施例1の介護用車椅子の使用時の第六状態を示す平面図。 本考案の実施例2に係る介護用車椅子の正面分解図。 実施例2の介護用車椅子の正面図。 実施例2の介護用車椅子の側面分解図。 実施例2の介護用車椅子の側面図。 実施例2の護用車椅子の使用時の第一状態を示す平面図。 実施例2の介護用車椅子の使用時の第二状態を示す平面図。 実施例2の介護用車椅子の使用時の第三状態を示す平面図。 実施例2の介護用車椅子の使用時の第四状態を示す平面図。 実施例2の介護用車椅子の使用時の第五状態を示す平面図。 実施例2の介護用車椅子の使用時の第六状態を示す平面図。 本考案の実施例3に係る介護用車椅子の側面視中央断面分解図。 実施例3の介護用車椅子の側面図。 本考案の実施例4に係る介護用車椅子の構成を示す正面分解図。 実施例4の介護用車椅子の構成を示す側面分解図。 実施例4の介護用車椅子の正面図。 実施例4の座面ユニットの下部構造を示す図25のA−A断面部品図。 実施例4の介護用車椅子の使用時の第一状態を示す平面図。 実施例4の介護用車椅子の使用時の第二状態を示す平面図。 実施例4の介護用車椅子の使用時の第三状態を示す平面図。 実施例4の介護用車椅子の使用時の第四状態を示す平面図。 実施例4の介護用車椅子の第五状態を示す平面図。 実施例4の介護用車椅子の第六状態を示す平面図。
以下、実施例に係る介護用車椅子について実施例として示す各図と共に説明する。なお各用語に続けて記載する数字又はアルファベット列は、実施例の構成を参照して理解するために付した符号であり、これによって構成の意義や形状を限定する趣旨ではない。
(実施例1)
図1〜10は、本考案の実施例1に係る介護用車椅子の構成及び使用時の第一〜第六状態を示す図である。
本発明の実施例1の介護用車椅子は、図1〜図4に示すように、後倒可能な背もたれ12を有した移動式の椅子台ユニット1と、後倒可能な第二背もたれ27を有した座面ユニット3と、からなる2つのユニットからなる。
このうち椅子台ユニット1は、略水平に位相回転可能に支持された台板11と、台板11の後辺に後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を支持する走行可能な走行支持体40を具備している。
また座面ユニット3は、台板11の板面上部に嵌め込まれると共に、台板11及び後倒させた背もたれ12の前後方向にスライド移動可能な嵌め板21と、嵌め板21の下面中央に突出形成された嵌合凸片36と、嵌め板21の下面であって嵌合凸片36の平面視周囲に放射状に配置された複数のボールキャスターからなる転動体34と、嵌め板21の後辺にヒンジ接続によって後倒可能に設けられた第二背もたれ27と、第二背もたれ27の内面部分に上下転回可能に嵌め込まれたベルト状のスライドシート28とを具備している。
この実施例の介護用車椅子は、椅子台ユニット1の背もたれ12が、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態(S2)へと移行可能であり(図7)、
背もたれ12が開き状態(S2)となった状態(図7)において、座面ユニット3が、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)から、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)へ向かって後方へスライド移動可能となっている(図8)。さらに、座面ユニット3が第二位置(P2)にスライド移動したときの嵌め板21の上面の着座部が、後倒した背もたれ12の上面と嵌合したまま、背もたれ12の上面と平行な面内で90度又は90度以上の回転角度だけ水平回転可能となっている(図9)。
また、嵌め板21の上面の着座部が水平回転した状態で、嵌め板21の後辺に立設した回倒板たる第二背もたれ27の内面が、開き状態の背もたれ12の上面と略平行な水平面となるまで外方へ回倒(後倒)可能となっている(図10)。そして、第二背もたれ27の内面にはベルト状のスライドシート28が収容され、このスライドシート28のシート面が第二背もたれ27の頂部方向へずれるようにベルト転回することで、スライドシート上の着座者を後倒方向へ移設可能となっている(図10)。
実施例1の介護用車椅子を図7〜図10に示す状態へと順に状態遷移させることで、台板11上に着座していた着座者は、座面ユニット3のスライド移動と共に後方の第二位置へ移動し(図8)、水平回転した嵌め板21と共に90度またはそれ以上の回転角度だけ向きを変え(図9)、さらに、回倒板たる第二背もたれ27の後倒と共に仰向けの状態となり、そして、第二背もたれ27の枠内に収容されたベルト状のスライドシート28のベルト回転によって、第二背もたれ27の後倒方向へスライド移設されることで、その先のベッドBの上に移設される(図10)。
(椅子台ユニット1)
椅子台ユニット1は、矩形板からなると共に板中央を支点として水平に支持されて支点まわりに位相回転可能な台板11と、台板11の後辺にヒンジ接続されることで後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を下部から支持する走行可能な走行支持体40を有する(図1〜図4)。
走行支持体40は、台板の略中央位置を昇降可能に且つ位相回転可能に支持してなると共に、走行支持体を走行不能とするように作動する走行ブレーキ15を有する。走行支持体は具体的には、鉛直方向に配置されて台板11の略中央位置を支えるシリンダ41と、シリンダ41をガス圧で突出入させることで台板11の昇降高さを調節するジャッキと、固定部周りに往復角度変移させることでシリンダ41を所定量ずつ突出させる昇降レバー42と、ジャッキの周部を囲って固定された支持フレーム4Fと、支持フレーム4Fの前部左右に転動可能に支持された比較的小型の前方車輪14Fと,支持フレーム4Fの後部左右に転動可能に支持された比較的大型の後方車輪14Rと、支持フレーム4Fの後部の左右それぞれに回動可能に軸支される走行ブレーキ15と、を具備する。このうち走行ブレーキ15は、ブレーキレバー15Lの操作によって回動して後方車輪14Rに先端が当接することで、走行支持体40を走行不能とするように作動する(図1、図3)。
また、椅子台ユニット1は、台板11が所定の昇降高さ以下となったときに台板11の位相回転を正面方向で止めるように作動する回転止め構造を具備する。この回転止め構造は具体的には、上下に離間配置されると共に、近接することで互いに嵌合する凸部嵌合体51及び凹部嵌合体52からなる(図1〜図3)。凸部嵌合体51は走行支持体40の周部を囲って固定された支持フレーム4Fの前方上部に固定された、中央部が上方へ山型に折れ曲がってなる屈曲パイプからなる。凹部嵌合体52は台板11の前方寄りの下部に下方突出するように固定された、下面中央部に円形状の窪みを有する板体からなり、下面中央部の窪みに沿って緩衝係止用の多数の小突起を有するゴム製の緩衝材52Gが貼り付けられる。この回転止め構造は、台板11の昇降高さが所定以下になることで昇降高さの調節機構と連動して作動する。すなわち、昇降高さが所定の高さ以下になると、凸部嵌合体51及び凹部嵌合体52が、走行支持体40の正面の位置で互いに嵌合するよう、台板11の回転位相が自動的に所定の方向(正方向)を向くように誘導される。そして、台板11が所定の正面位相を向いて嵌合することで、回転止め構造の回転止め機能が作動する。
椅子台ユニット1の台板11の上面の幅方向中央部、及び、背もたれ12の内面の幅方向中央部には、座面ユニット3の嵌合凸片36が嵌入する嵌合穴250が形成される。台板11の嵌合穴250は台板1の板面の中央付近からから後辺中央にかけて直線状に形成され、背もたれ12の嵌合穴250は板面の中央付近から下辺中央にかけて直線状に形成される。背もたれ12が後倒した開き状態(図7に示す第三状態)では、台板11及び背もたれ12の嵌合穴250が前後方向に直線状に連なる。図4、図7、図9に示すように、いずれの嵌合穴250とも、穴深さの中央付近の両側部に、穴幅を狭めるように張り出し板250Pが中空状に固定される。これにより、穴底部に、嵌合凸片36の下端の拡径板を嵌合収容するための収容間が形成される。
台板11の上面の幅方向左右側部寄りの位置、及び、背もたれ12の内面の幅方向左右側部寄りの位置には、座面ユニット3の転動体34の頂部が部分嵌入する嵌入溝254が左右二本ずつ、合計4本形成される。台板11の嵌入溝254は台板1の板面の中央付近からから後辺中央にかけて直線状に形成され(図9、図10)、背もたれ12の嵌入溝254は板面の下辺から上辺付近にかけて直線状に形成される。背もたれ12が後倒した開き状態(図7に示す第三状態)では、台板11及び背もたれ12の嵌入溝254は各本が前後方向に直線状に連なる。背もたれ12の内面の上辺付近には、4本の嵌入溝254の溝端に連なって、円弧状の嵌入溝255が形成される。
座面ユニット3の嵌め板21の下面であって嵌合凸片36の平面視周囲には、8個の自由転動可能なボールキャスターからなる転動体34が、直線状の嵌入溝254及び円弧状の嵌入溝255の両方と対応する位置に設けられている。座面ユニット3の嵌合凸片36と椅子台ユニット1の嵌合穴250とが嵌合した状態で、直線状の嵌入溝254には、ボールキャスターからなる転動体34の頂部が2個ずつ嵌入して、嵌め板21のスライド移動(図7から図8の状態への状態遷移)を補助する。そして、嵌め板21が後倒した背もたれ12上にスライド移動したとき、円弧状の嵌入溝255には、ボールキャスターからなる転動体34の頂部が当該円弧内に1個ずつ嵌入して、嵌め板21の回転(図8から図9の状態への状態遷移)を補助する。
背もたれ12の両側部には、ロックレバー12Lが回動可能に設けられる(図2、図4)。このロックレバー12Lは、座面ユニット3に設けられたフック22Fに係止可能であり、背もたれ12が立設状態にあるときの椅子台ユニット1上に座面ユニット3を固定するために使用される。座面ユニット3の左右のサイドパネル22の後端には、ロックレバー12Lに対応するフック22Fがそれぞれ設けられており、左右のロックレバー12Lが左右のフック22Fにそれぞれ係止することで、背もたれ12と第二背もたれ32が重ねられた状態でロックされると共に、背もたれ12のヒンジ連結部が回動しないように立設状態のままロックされる。
背もたれ12の上部の左右端には、操作レバー121L又は132L付きのハンドル13がそれぞれ突出して固定される。台板11と背もたれ12とは、背もたれ12の下端のヒンジ1Hによって背もたれの角度が略90度から略180度までの範囲の開き角度で可変する。また、片側の操作レバー121Lの操作によって任意の開き角度を維持する。背もたれ12と台板11は具体的には、凹形状部及び凸形状部からなる凹凸組合せ構造をヒンジ連結部として有しており、ヒンジ連結部によって互いに連結される(図8)。背もたれ12の開き状態(S2)において、背もたれ12の背もたれ面と、台板11の板面とが、前記凹凸組合せ構造にて連結された一平面を形成する(図7、図8)。凹凸組合せ構造の凹形状部及び凸形状部の組合せ境界線は、台板11の端から、台板11全幅の20〜25%の範囲内の位置に設定される。
台板11の前端辺には、台板よりも板厚さの厚い前板11が固定されており、前板11の後端面には緩衝材11Gが固着される(図2)。この緩衝剤11Gは、背もたれ12が立設状態(S1)となった状態での肘置きユニット2の位置をそれ以上前方へ脱落しないように規制すると共に、座面ユニット3の位置をそれ以上前方へ脱落しないように規制する。
(座面ユニット3)
座面ユニット3は、台板11の板面上部に嵌め込まれると共に、台板11及び後倒させた背もたれ12の前後方向にスライド移動可能な嵌め板21と、嵌め板21の左右各側辺に立設固定されたサイドパネル22と、嵌め板21の下面中央に突出形成された嵌合凸片36と、嵌め板21の下面であって嵌合凸片36の平面視周囲に放射状に配置された複数のボールキャスターからなる転動体34と、嵌め板21の後辺にヒンジ接続によって後倒可能に設けられた第二背もたれ27と、第二背もたれ27の内面部分に上下転回可能に嵌め込まれたベルト状のスライドシート28とを具備している。
(サイドパネル22)
左右のサイドパネル22は、嵌め板21の両側部にそれぞれ立設固定される。各サイドパネル22は、着座者の膝先の外部を覆う横方向板部と、着座者の腰ないし胸の外部を覆う縦方向板部とが一体的に連なった、略”L”字形状の板体からなる(図2)。横方向板22の上面には肘置き板22Tが水平固定され、肘置き板22Tの前部には上開口した小物収容穴が設けられる(図2、図3)。左右のサイドパネル22の縦方向板部の上端部には内側にわずかに膨らんだクッション部22Cが一体的に設けられる(図2、図3)。このクッション部22は着座者の頭部を側方へ充てるための、側部枕の役割を果たすこともできる。各サイドパネル22の横方向板部の前方付近の内面には、小物収容ポケット22Pが突出形成される(図3、図4)。
サイドパネル22の天面及び中央部外面には、外方へ突出固定される細板状の側面外突出部22S,22Tが固着される。立設状態のサイドパネル22の天面に固定される側面外突出部(天板)22Tは、肘置き板としての役割を果たす。
座面ユニット3は、嵌め板21の後端辺から立設した第二背もたれ32を備える。第二背もたれ27は背もたれ12の内面に重ねられて背もたれ12と共に二重の背もたれ部を構成する(図3、図4)。また第二背もたれ27は略矩形の枠部を有すると共に、この略矩形の枠部の枠内部分に、水平のベルト回転軸によって転回するベルト状のスライドシート28が嵌め込まれる。枠部の枠内部分にはそれぞれ自由回転可能にベルトローラーが嵌め込まれており、スライドシート28は、その上下端部がベルトローラーに巻き付けられ、枠内全体に張設した状態で収容される。後倒させた第二背もたれ27の内面のスライドシート28を、第二背もたれ27の上辺側へずらすことで、スライドシートが第二背もたれ32の上辺側へ転回可能にベルト転回する。
また、第二背もたれ27の立設状態を保持する立設のロック機構を有する。具体的には、左右のサイドパネル22の横方向板部の上端であって前後方向略中央位置に、先部が湾曲した立設フック27Lが、支持軸を中心として回動可能に支持されると共に、第二背もたれ27の側部に、立設フック27Lの先部の湾曲形状部分を係止し得る水平のフック軸27Fが設けられる。第二背もたれ27の立設角度は、この立設フック27Lとフック軸27Fからなる立設のロック機構によって固定される。
座板31の内部には、前方へ引き出し可能な引き出し板37が収容される。引き出し板37の前端を手掛かりとして前方へ引き出すことができる。使用時には、例えば、座面ユニット3を台板11上の第一位置(P1)から背もたれ12上の第二位置(P2)へ移動させた第四状態(図8)において、座板31の前方から引き出し板37を引き出す。これにより、着座者の腰から上肢までを座板31、回転座面33、及び引き出し板37上に配置させたまま、安定して座面ユニット3を移動させることができる。
座面ユニット3は座板11の下部に、座板11の幅方向に沿って伸びる、断面倒立T字状の嵌合凸片36を備える。この嵌合凸片36は、下方へ突出固定された短円柱状の首部の先に円形板が固着されてなる(図1〜図4)。円形板は嵌合穴250内の突出板250Dの下部の空間に収容される(図4)。この嵌合凸片36及び嵌合穴250は、第三状態(図7)から第四状態(図8)へ移る際の前後移動をガイドする。また、嵌合凸片36は嵌合穴250の後端にて、第四状態(図8)から第五状態(図9)へ移る際の回転移動をガイドする。
また、座板11の下部であって嵌合凸片36の前後方向各々に、座面ユニット3を前後方向乃至回転方向に移動させる転がり構造として、2行ずつ4列並んで構成された、全8個のボールキャスターからなる転動体34を備える。この転動体34の配置は、椅子台の台板11と背もたれ12のヒンジ連結部分である凹凸組み合わせ構造の凹形状部と凸形状部それぞれの上部を走行できる位置に設定されており、また、台板11と背もたれ12の内面に形成された嵌入溝254,255に対応する位置に設定されている。
(介護用車いす上の第一状態からベッドB上の第六状態とする使用方法)
(使用時における第一〜第六状態)
被介護者を着座状態からベッドB上へ移送する際は、背もたれ12が立設しており、かつ嵌め板21の座面上に被介護者が着座した状態のまま、第一状態として図5に示すように、ベッドBの側部近傍に肘置き板22Tが並行に位置するように介護用車椅子を移動させたのち、第二状態として図6に示すように、台板11及びこれと一体回転する背もたれ12を水平に略90度位相回転することで、着座した被介護者(図示せず)をベッドBのヘリまで背を向けて近づけた状態とする。
続けて背もたれ12のロックレバー12Lとサイドパネル22後端のフック22Fとの係止を解除してから、第三状態として図7に示すように、背もたれ12を、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒させた開き状態(S2)とする。このとき、台板11と背もたれ12は一平面を構成し、凹凸組合せ構造を構成する台板11の凸形状部と凹形状部、ないし背もたれ12の凸形状部がヒンジ連結部に平面状に露出する。
背もたれ12を第三状態の開き状態(S2)としたのち、第四状態として図8に示すように、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)にある座面ユニット3を、嵌合穴250に沿って後方へスライド移動させて、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)に移設する。このとき、座面ユニット3の前部に収容された引き出し板37を引き出して、着座者の膝を伸ばした状態とすることが好ましい。
また、この後方へのスライド移動の際、座面ユニット3の下面にて4列に設けられたボールキャスターからなる転動体34が直線状の嵌入溝254内を転動して進むところ、各列のボールキャスター34は、凹凸組合せ構造を構成する台板11の凸形状部と凹形状部、ないし背もたれ12の凸形状部それぞれの上を、2列ずつ順に転がって進むことで、4列全てが台板11と背もたれ12の境界の段差部に同時に嵌り落ちることがない。これにより、座面ユニット3は第一位置(P1)から第二位置(P2)へスムーズに移動させることができる。また第四状態として図8に示すように、座面ユニット3が第二位置(P2)に移動した状態では、図示しない前後のロック機構によって、肘置きユニット2の前後方向の位置をロックすることが好ましい。
続けて第五状態として図9に示すように、前記前後のロック機構を解除すると共に、背もたれ12上の第二位置(P2)にある座面ユニット3を、嵌合凸片36を中心として水平面内で略90度回転させ、座面ユニット3上の着座者の背中がベッドBの枕と対面する方向に方向転換させる。
また、続けて第六状態として図10に示すように、立設状態(S1)における立設フック27Lとフック軸27Fとからなる立設のロック機構(立設フック)を解除して、第二背もたれ27をヒンジ回転によって後倒させた、第二開き状態(S3)とする。座面ユニット3上の着座者はこの第二背もたれ27の後倒と共にその上体が後方へ倒され、ベッドB上に仰向けに寝た状態となる。さらにこの第六状態において、後倒した第二背もたれ27の枠内のベルト状のスライドシート28をベルト転回させると共に、仰向けに寝た状態の着座者の体を、第二背もたれ37の上辺側へずらす様に押し運ぶ。これにより、第二背もたれ27上に仰向けに寝た状態の着座者の体を、第二背もたれ37の上辺の先のベッドBの枕側へ移設することができる。
また、第五状態(図9)から第六状態(図10)へ移行する際、すなわち、座面ユニット3が、椅子台ユニット1の開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)と、開き状態(S2)のサイドパネル22との間を、左右外方向へスライド移動する際においては、前記ボールキャスターたる転動体34が、凹凸組合せ構造の凹形状部及び凸形状部の組合せ境界線2UBを跨ぐ複数の幅方向位置で、開き状態(S2)の背もたれ12及びサイドパネル22の上を転動して前記凹凸組み合わせ構造の部分を亘る。
なお座面ユニット3の第二背もたれ32の両端には、締結器をそれぞれ先に備えた図示しない左右のベルトが取り付けられる。ベルト35は着座者の着座位置の保持のため、第一状態(図5)から第六状態(図10)に至るまで締結器同士が締結されており、第二背もたれの後倒と共に着座者がそのままベッドB上に背を倒した横臥状態となったのち、ベルトの締結器35A,35Bの締結を解除し、第二背もたれ27の上辺側すなわちベッドBの枕の方向へ移設させることが好ましい。
(ベッドB上の第六状態から介護用車いす上の第一状態とする使用方法)
被介護者をベッドB上の横臥状態から介護用車いす上へ移送して着座状態とする際は、図10に示す第六状態から順に、第五状態(図9),第四状態(図8)、第三状態(図7)、第二状態(図6)を経て第一状態(図5)へと順に移行させる。
(実施例2)
図11〜20は、本考案の実施例2に係る介護用車椅子の構成及び使用時の第二〜第六状態を示す図である。以下図11〜図20を参照して、実施例2に係る介護用車椅子の構成について説明するが、実施例1の構成と同一の構成には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この実施例2に係る介護用車椅子は、図11〜図14に示すように、後倒可能な背もたれ12を有した移動式の椅子台ユニット1と、後倒可能な第二背もたれ27を有した座面ユニット3と、からなる2つのユニットからなる。但し図11、図13に示すように、座面ユニット3の第二背もたれ32の両側部のガイド枠322G内に、差し込み式のスライドシート281が差し込み収容される。
このうち椅子台ユニット1は、実施例1と同様、略水平に位相回転可能に支持された台板11と、台板11の後辺に後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を支持する走行可能な走行支持体40を具備している。
椅子台ユニット1の台板11の上面の幅方向中央部、及び、背もたれ12の内面の幅方向中央部には、座面ユニット3の嵌合凸片36が嵌入する嵌合穴150,250,251が形成される(図13、図17)。台板11の嵌合穴150は台板1の板面の中央付近からから後辺中央にかけて直線状に形成され、背もたれ12の嵌合穴250は板面の下辺中央から面中央部にかけて直線状に形成され、背もたれ12の上部の嵌合穴251は板面の面中央部から上辺近傍にかけて直線状に形成される。
背もたれ12が後倒した開き状態(図16に示す第三状態)では、台板11の嵌合穴150及び背もたれ12の嵌合穴250,251が前後方向に一直線状に連なる。そして背もたれ12の上辺付近にはさらに、嵌合穴251の上辺付近の端部から連なって、半円弧状の嵌合穴252が形成される。また、背もたれ12の中央部までの嵌合穴250と、中央部よりも上辺寄りに向かう嵌合穴251との境界には、嵌合穴の穴側縁から突出するように、左右一対のコマ状の回転柱253が背もたれ12の内部に収容される(図11、図16)。本実施例では、嵌合穴150、ないし嵌合穴250、251、252のいずれも、台板11ないし背もたれ12の厚さ方向すべてを等間隔に切断する開口穴となっている。そして背もたれ12の中央付近であって厚さ方向のうち半分程度の範囲に、厚さ方向を自由回転軸とするコマ状のベアリングからなる回転柱253が、開口穴の両側部から部分的に張出して収容される。
この左右一対の回転柱253は、その外周の一部分が、嵌合穴251の両脇からそれぞれ部分突出することで、嵌合穴の穴幅を狭めてなる。これにより、座面ユニット3の中央の嵌合凸片36の首部361の、それ以上の後方移動を規制する。つまり、嵌め板21の後部寄りに突出形成された第一嵌合凸片361の首部は、嵌め板21の中央部の嵌合穴250の後端に内装された左右一対の回転柱253によって、それよりも後方の嵌合穴251内へ移動することができない。一方、嵌め板21の後部寄りに突出形成された第二嵌合凸片362は、棒状の長さ方向の一部に切欠き部362Dが形成されており、この切欠き部362Dが左右一対の回転柱253の位置に対応してなる。つまり、第二嵌合凸片362は回転柱253の部分を通過してそれよりも先側の嵌合穴251及び半円弧状の嵌合穴252にまで移動可能となっている(図16,図17)。
これにより、後倒した背もたれ12上の座面ユニット3は、後方へスライド移動した第四状態(図17)となったとき、嵌め板31中央の第一嵌合凸片361だけが一対の回転柱253に規制されて回転可能に支持される一方、嵌め板31後方の第二嵌合片362が先側の嵌合穴251の後端まで移動する。そして、後方へスライド移動した第四状態(図17)から座面ユニット3だけ回転する第五状態(図18、図19)となるとき、後倒した背もたれ12上で第一嵌合凸片361を中心として、第二嵌合突片362が半円弧状の嵌合穴252内を円弧移動することで、座面ユニット3の嵌め板31が水平に100度以下の位相角度の範囲で回転する。
背もたれ12の両側部には実施例1と同様のロックレバー18Lが回動可能に設けられる。このロックレバー18Lは、座面ユニット3に設けられたフック38Fに係止可能であり、背もたれ12が立設状態にあるときの椅子台ユニット1上に座面ユニット3を固定するために使用される。座面ユニット3の左右のサイドパネル38の後端には、ロックレバー18Lに対応するフック38Fがそれぞれ設けられており、左右のロックレバー18Lが左右のフック38Fにそれぞれ係止することで、背もたれ12と第二背もたれ32が重ねられた状態でロックされると共に、背もたれ12のヒンジ連結部が回動しないように立設状態のままロックされる。
背もたれ12の背面、及びサイドパネル38の外面には、各面と平行な覆い面を有する薄型の透明ポケット12P,38Pが形成される。この透明ポット12P,38Pの内部にイラストや写真を収容することができる。
本実施例の座面ユニット3は、台板11の板面上部に嵌め込まれると共に、台板11及び後倒させた背もたれ12の前後方向にスライド移動可能な嵌め板31と、嵌め板31の下面中央に突出形成された第一嵌合凸片361と、嵌め板21の下面であって嵌合凸片36の後方に突出形成された第二嵌合突片362と、第一嵌合凸片361を中心とした嵌め板31の平面視周囲に放射状に配置された奇数個のボールキャスターからなる転動体34と、嵌め板21の後辺にヒンジ接続によって後倒可能に設けられた第二背もたれ32と、第二背もたれ32の両側部に設けられたガイド側板322と、左右のガイド側板322の間を亘って第二背もたれ32の面内に並べて設けられた水平軸のローラーからなる転動体28Rと、第二背もたれ32の内面上にて上下方向へスライド可能に差し込まれるスライドシート281とを具備している。
この実施例2に係る介護用車椅子は、肘置きユニット2の下部に形成された前後方向の転がり構造と、着座ユニット3の座板31の下部に形成された左右方向の転がり構造とからなる、前後方向及び左右方向の各転がり構造を別々に有する。
着座ユニット3の嵌め板31の下部には、平面視中央位置の第一嵌合凸片361と、幅方向中央かつ後方寄りの第二嵌合凸片362とが突出形成される。このうち第一嵌合凸片361は、嵌め板31の中央下部から突出する短柱からなる首部と、首部の先に固着された略円形の薄型の止め板361Pとから構成される。第一嵌合凸片361の首部は、台板11の嵌合穴150の上下の穴を貫通し、第一嵌合凸片361の首部の先の止め板361Pは台板11の裏面側に接する。また第二嵌合凸片362は、前記首部と同径の第二首部と、その下端に首部よりも大きい径の円形の薄型の止め板が固着される。また、第一嵌合凸片361の平面視中心周りに複数個のボールキャスターからなる転動体34が、同一円形状に等間隔に配置される。
第二背もたれ32は薄型の板厚さの板体からなると共に、その両側部には、第二背もたれ32の外側部ないし前部を囲う側板322が、第二背もたれ32の前方及び後方へ突出した厚さで形成され、第二背もたれ32の前方にて内側へ屈曲したガイド板322Gが延設される(図10〜図13)。この側板322は、第二背もたれ32の後部へ背もたれ12が重ねて設置されたときに、背もたれ12の側部全体を囲うことのできる前後方向の長さからなる(図13、図14)。側板322の上部よりの後辺には、ハンドル13を収容するための収容溝322Dが切欠き形成される。そして第二背もたれ32の内面には、左右のガイド板322Gによって、両側部に、スライドシート281を収容するための収容空間が形成される。
スライドシート281は上辺付近に持ち手用孔281Hが形成され、この上辺が後方へ湾曲して第二背もたれ32の上辺に沿う。第二背もたれ32の内面には、ローラー型の多数本の転動体28Rが内面側へ部分突出して並列形成され、スライドシート281は各転動体28Rの突出部分に接して、転動体28Rの転動と共に第二背もたれ32の上辺側へスライド移動可能に収容される。また、持ち手用孔281H第二背もたれの上端中央部には係止突起32Tが設けられ、この係止突起32Tが持ち手孔281H内に係止する。図19に示すように、第五状態にて後倒させた第二背もたれ32の上面にあるスライドシート281の持ち手孔281Hを引き出すことで、スライドシート281が転動体28Rに支えられたままスライド移動し、仰向けに倒れた着座者を第二背もたれ32の上辺側へ移設させることができる。
背もたれ12の両側部には、背もたれ12の前方にて第二背もたれ32の両側部を支えるサイドバー12Sが固定される。台板11の前部には、ヒンジ37Hにて回動可能に固定された突出板37が設けられる。この突出板37は台板11側に収容した棒状の角度固定具373と突出板37の下部に突出させることで、台板11と平行な水平状態を維持することができる。着座ユニット3を後方へスライド移設する際に、この突出板37を水平にして角度固定具373をその保持枠部372側へスライド移動させることで、着座者の膝を伸ばした状態とすることができる。
背もたれ12の両側部の高さ方向略中央位置には夫々、立設したサイドパネル22を立設状態に保持する係止レバー18Lが設けられる。また、サイドパネル22の後部には、立設状態(S1)の背もたれ12の係止レバー18Lの設置位置に対応して、係止レバー18Lと係止可能な係止フック38Fが設けられる。背もたれ12及びサイドパネル22が立設した第一ないし第二状態では、係止レバー18Lと係止フック28Fとが係止して、肘置きユニット2が第一位置(P1)にあるときに立設したサイドパネル22が不要に前後方向へ移動しないようにする、前後のロック機構として機能する。
また、サイドパネル387の下部の外側面には、後倒した開き状態(S2)の係止レバー18Lの設置位置に対応して、背もたれ12の係止レバー18Lと係止可能な、図示しない係止フックが設けられる。背もたれ12が後倒しかつサイドパネル22が立設したまま第二位置に移動した第四状態(図18)では、開き状態(S2)の背もたれ12の係止レバー18Lと、立設状態のサイドパネル22の図示しない係止フックとが係止して、サイドパネル22が前後方向へ不要に移動しないように止める、前後のロック機構として機能する。
上記のように2ユニットの構成における上部の着座ユニット3が前後方向へ移動し、後方の第二位置において第一係止凸片361を中心として椅子台ユニット1上に係止したまま回転可能とすることで、簡易な構造でありながら着座者の後方移動及び平面回転による方向転換が簡易な手順により可能となっている。また平面回転は円弧状の嵌合穴252内の、第二嵌合凸片362の変位の位相に応じて、0度から左右50度ずつまでの角度の範囲で可能となっており、90又はその前後の角度に限られない。これにより、図15〜図19に示すように、ベッドBとベッドB´の間隔が小さい時や、ベッドBの近くに壁Wなどの障害物があって、椅子の設置スペースが取れない場合でも、ベッドBの設置方向から見て平面視斜め方向近傍に介護用車椅子をセットしてこの斜め位置からベッドBに向かって背もたれ12を倒すことで、ベッドB上への着座者の移設が可能となる(図15〜図20)。その他の主な構成ないし効果は、実施例1に係る介護用車椅子と同じである。
(実施例3)
図21〜22は、本考案の実施例3に係る介護用車椅子の構成及び使用時の第五〜第六状態を示す図である。以下図21〜図22を参照して、実施例3に係る介護用車椅子の構成について説明するが、実施例2の構成と同一の構成には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この実施例3に係る介護用車椅子は、台板11を有する椅子台ユニット1と、椅子台ユニット1の台板11の両側部それぞれに嵌め込まれる嵌め板31及びその両側部に立設したサイドパネル22を有する座面ユニット3と、座面ユニット3の内側に仮固着可能なクッションC28を具備する。サイドパネル38は横長扁平の円弧板部を有し、内側前方寄りに手掛かりとなる斜め方向の亘り板38Bが固定される。またサイドパネルの内面中央には、小物入れ用口383Hが設けられ、この小物入れ用口383Hに対応してサイドパネルの外面中央に、小物入れ収容スペースを有する半球状の収容体383が設けられる。サイドパネル38の後部上方にはサイドクッション382Cがサイドパネル38の上端から上下伸縮可能に設けられる。第二背もたれ32の内部には多数の転動体28Rが離間収容され、この転動体28Rの前面側に接してスライドシート281が上下スライド移動可能に収容される。スライドシート281Hは中央付近の両側部に、着座者を固定するための互いに締結可能な締結ベルト35が設けられる。また、スライドシート281のシート面中央には、クッションC28の背もたれ部の裏面に形成された仮係着面に係着し得る面係着部281Aが形成され、シート面にクッションC28を仮係着できるようにしている。
その他の主な構成ないし効果は、実施例2に係る介護用車椅子と同じである。
(実施例4)
図23〜32は、本考案の実施例4に係る介護用車椅子の構成及び使用時の第一〜第六状態を示す図である。実施例1の構成と同一の構成には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本発明の実施例4の介護用椅子は、台板11の両側部に嵌め込まれてそれぞれ立設された左右一対のサイドパネル22(肘置き板)と、各サイドパネル22の立設上面に固定された肘置き用の天板22Tとを有し、各片側のサイドパネル22(肘置き板)を側倒可能に支持すると共に、当該側倒可能とされたサイドパネル22(肘置き板)を台板11ないし後倒した背もたれ12の間で前後スライド移動可能とする左右一対のスライド機構の側枠23を備えた肘置きユニット2と、
下部に自在転動式のローラー34を複数個備えて台板11上部に配置される座板31と、座板31を、台板11ないし後倒した背もたれ12の間で前後スライド移動可能とすると共に、後倒した背もたれ12ないし側倒したサイドパネル22の間で左右スライド移動可能とするスライド機構と、座板31の上面中央に嵌め込まれた円盤状の回転座面33とを備えた座面ユニット3と、
からなる3つのユニットを具備した介護用車椅子となっている。肘置きユニット2は予め椅子台ユニット1の左右に嵌め込まれており、座面ユニット3は下部のローラー34が接地するように台板11上に載置される。
この実施例は、肘置きユニット2が左右に分かれてそれぞれ椅子台ユニット1の台板11の側部にスライド移動可能に取り付けられた実施例であり、椅子台ユニット1の台板11の上面に、多数のボール状の自在転動式のローラー34を備えた座面ユニット3が載置して取り付けられる。
また、左右のサイドパネル22は、嵌め板21の板面に対して所定の開き角度まで外側方へ開いた開き状態(S2)となるものであり、前記いずれかのサイドパネル22がこの開き状態(S2)となったときに、
座面ユニット3が、前記第二位置(P2)と、開き状態(S2)のサイドパネル22上の第三位置(P3)との間を、側方へスライド移動可能となっている。
上記の構成とすることで、取付け構造がより簡易となると共に耐久性に優れたものとなる。また同一構造のまま容易に小型化できる介護用車椅子を提供することができる。
(椅子台ユニット1)
椅子台ユニット1は、矩形板からなると共に板中央を支点として水平に支持されて支点まわりに位相回転可能な台板11と、台板11の後辺に後倒可能に設けられた背もたれ12と、台板11を支持する走行可能な走行支持体40を有する。
背もたれ12は上端辺に沿って、背もたれ12の板厚よりも厚い外突出部12Tからなる天板が固定されており、外突出部12T(天板)の後端部が背もたれ12よりも後方へ突出する。背もたれ12が後倒した開き状態(S2)ではこの外突出部12T(天板)の後端部が背もたれ12よりも先にベッドB等の上に接地する。但し、前記背もたれは、前記回転止め構造、走行ブレーキの両方が作動した状態でのみ開き状態となるよう、回転止め構造の解放状態、及びブレーキの解放状態において、ヒンジ連結部が回動しないように立設状態のままロックされている。
天板12の左右それぞれの上部から操作レバー121L,132L付きのハンドル13が突出して固定される。台板11と背もたれ12とは、背もたれ12の下端のヒンジ1Hによって背もたれの角度が略90度から略180度までの範囲の開き角度で可変する。また、片側の操作レバー121Lの操作によって任意の開き角度を維持する。背もたれ12と台板11は具体的には、凹形状部11U及び凸形状部12Uからなる凹凸組合せ構造1Uをヒンジ連結部として連結される(図7)。背もたれ12の開き状態(S2)において、背もたれ12の背もたれ面と、台板11の板面とが、前記凹凸組合せ構造1Uにて連結された一平面を形成する(図7)。凹凸組合せ構造の凹形状部及び凸形状部の組合せ境界線1UBは、台板11の端から、台板11全幅の20〜25%の範囲内の位置に設定される。
台板11の前端辺には、台板よりも板厚さの厚い前板11が固定されており、前板11の後端面には緩衝材11Gが固着される(図2)。この緩衝剤11Gは、背もたれ12が立設状態(S1)となった状態での肘置きユニット2の位置をそれ以上前方へ脱落しないように規制すると共に、座面ユニット3の位置をそれ以上前方へ脱落しないように規制する。
(肘置きユニット2)
肘置きユニット2は、背もたれ12の両側部にヒンジ回動可能に固定された、跳ね上げ可能な左右一対の肘置き板22Tと、肘置きユニットの左右のサイドパネル22とで分離構成される。また肘置きユニットの嵌め板21は、各片側のサイドパネル22(肘置き板)をヒンジ23Hによって外方へ側倒可能に支持する前後スライド機構を備えた、枠付きの左右それぞれの肘置き構造からなる。ヒンジ23Hはサイドパネル22(肘置き板)を外方側部へ側倒可能とする機構であり、前後スライド機構は、ヒンジ23Hの内側であって台板11の側部の凹部穴に沿ってはめ込まれた、先拡がり形状の凸部を先端に有する嵌め込み式のスライド構造からなる(図3)。なお、背もたれ12の側部にも台板11の側部と同様の凹部穴が形成されている。これにより、背もたれ12が後方へ倒れて開き状態(S2)となったとき、スライド機構は台板11の側部に沿って前後スライド移動可能となっていると共に、台板11の後端よりも先側後方に伸長する、後倒した背もたれ12の側部に沿って前後スライド移動可能となっている(図8)。
肘置きユニット2のサイドパネル22の内面には、一対の嵌合凹片26(図4においては25と表示)が対向するように固定される。対向する一対の嵌合凹片26によってサイドパネル22の内面の前後方向中央位置には凹部空間が形成される(図4、図9、図10)。
サイドパネル22の天面及び中央部外面には、外方へ突出固定される細板状の側面外突出部22S,22Tが固着される。立設状態のサイドパネル22の天面部に係止固定される側面外突出板22Tは、22Tの下面の突出片221によってサイドパネルの外面に接して組み合わされ、前方のレバー22Lがサイドパネル22の前部に形成されたフック22Fに係止することで固定され、肘置き板としての役割を果たす。
左右のサイドパネル22は、後部辺に沿って内側へ張出形成された棒状の後部張出板27が固定されるとともに、この後部張出板27の内側への突出前面には、座面ユニット3の突出ピン32Pの取り付け位置に対応したピン孔27Dが形成される(図1、図2)。かかるピン孔27Dは突出ピン32Pと共に、サイドパネル22の立設状態を保持する立設のロック機構を構成する。
(座面ユニット3)
座面ユニット3は、下部に自在転動式のローラー34を複数個備えて台板11上部に配置される座板31と、座板31を、台板11ないし後倒した背もたれ12の間で前後スライド移動可能とすると共に、後倒した背もたれ12ないし側倒したサイドパネル22の間で左右スライド移動可能とするスライド機構と、座板31の上面中央に回転自在に嵌め込まれた円盤状の回転座面33とを備える。
また座面ユニット3は、座板11の後端編の左右から立設した短柱の上端同士を左右に亘る第二背もたれ32を備える。この第二背もたれ32の両端後部それぞれには、サイドパネル22の後部のピン穴に固定される突出ピン32Pが突出形成される(図1、図2)。突出ピン32Pをピン孔27Dに突入固定することで、立設状態(S1)の肘置きユニット2と座面ユニット3とを相互に位置固定することができる。この突出ピン32Pとピン孔27Dとによって、サイドパネル22を立設状態でロックする立設のロック機構を構成する。
座板31の内部には、前方へ引き出し可能な引き出し板37が収容される。引き出し板37の前端は上部へ折曲したカギ片が形成されており、このカギ片を手掛かりとして引き出し板37を前方へ引き出すことができる(図2)。使用時には、例えば、座面ユニット3を台板11上の第一位置(P1)から背もたれ12上の第二位置(P2)へ移動させた第四状態(図8)において、座板31の前方から引き出し板37を引き出す。また、座面ユニット3を背もたれ12上の第二位置(P2)から側倒したサイドパネル22上に移動させた第六状態(図10)においても、座板31の前方から引き出し板37を引き出した状態を維持する。これにより、着座者の腰から上肢までを座板31、回転座面33、及び引き出し板37上に配置させたまま、安定して座面ユニット3を移動させることができる。
座面ユニット3は座板11の下部に、座板11の幅方向に沿って伸びる、断面倒立T字状の嵌合凸片36を備える。この嵌合凸片36は、下方へ突出固定された短円柱状の首部の先に矩形板が固着されてなる。矩形板は周囲片部が先へ向かって薄くなるように形成されており、肘置きユニット2のサイドパネル22の内面に対向形成された、一対の平型レール25の凹部空間に対応した形状になっている。この嵌合凸片36によって、第五状態(図31)から第六状態(図32)へ移行する際、サイドパネル22の内面に形成された断面L字状の一対の平型レール25の間に嵌合したまま、側方へ安定してスライド移動可能となっている。
また、座板11の下部であって嵌合凸片36の前後方向各々に、座面ユニット3を前後方向に移動させる転がり構造として、4行ずつ4列並んで構成された、全16個のボールキャスター34を備える。このボールキャスター34の配置は、椅子台の台板11と背もたれ12のヒンジ連結部分である凹凸組み合わせ構造1Uの凹形状部と凸形状部それぞれの上部を走行できる位置に設定されており、また、嵌め板21とサイドパネル22のヒンジ連結部分である凹凸組み合わせ構造2Uの凹形状部と凸形状部それぞれの上部を走行できる位置に設定されている。
第三状態(図29)から第四状態(図30)へ移行する際、すなわち、座面ユニット3が、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)と、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)との間を、前後方向へスライド移動する際においては、前記転がり構造(34,24)が、凹凸組合せ構造の凹形状部及び凸形状部の組合せ境界線1UBを跨ぐ複数の幅方向位置で、台板11及び開き状態(S2)の背もたれ12の上を転動して前記凹凸組み合わせ構造1Uの部分を亘る。具体的には、座面ユニット3の座板31が、台板11と背もたれ12とからなる一平面上を、転がり構造である下部のボールキャスター34の転動によって走行する。一方、ボールキャスター34は座板31の幅方向の両端近傍の2列および中央寄りの近接2列それぞれの合計4列の位置に転動可能に固定される。これらのボールキャスター34の列の位置は、凹凸組合せ構造1Uの部分を転動する際、凹凸組合せ構造1Uの組合せ境界線1UB(凹形状部の凹状側部と凸形状部の凸状側部との境界線を言う。)を跨いで、凹形状部11U及び凸形状部12Uの両方の上部を必ず同時に転動するものとなっている。
また、第五状態(図31)から第六状態(図32)へ移行する際、すなわち、座面ユニット3が、椅子台ユニット1の開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)と、開き状態(S2)のサイドパネル22との間を、左右外方向へスライド移動する際においては、前記ボールキャスターたる転動体34が、凹凸組合せ構造の凹形状部及び凸形状部の組合せ境界線2UBを跨ぐ複数の幅方向位置で、開き状態(S2)の背もたれ12及びサイドパネル22の上を転動して前記凹凸組み合わせ構造2Uの部分を亘る。具体的には、座面ユニット3の座板31が、背もたれ12とサイドパネル22とからなる一平面上を、転がり構造である下部のボールキャスター34の転動によって走行する。一方、ボールキャスター34は座板31の幅方向の両端近傍の2列および中央寄りの近接2列それぞれの合計4列の位置に転動可能に固定される。これらのボールキャスター34の列の位置又はローラーベアリング24の幅方向の範囲は、凹凸組合せ構造2Uの部分を転動する際、凹凸組合せ構造2Uの組合せ境界線2UB(凹形状部の凹状側部と凸形状部の凸状側部との境界線を言う。)を跨いで、凹形状部21U及び凸形状部22Uの両方の上部を必ず同時に転動するものとなっている。
座面ユニット3の第二背もたれ32の両端の各短柱の内側には、締結器35A,35Bをそれぞれ先に備えた左右のベルト35が取り付けられる。ベルト35は着座者の着座位置の保持のため、第一状態(図27)から第六状態(図32)に至るまで締結器35A,35B同士が締結されることが好ましい。
座面ユニット3をサイドパネル22上まで移動させた第六状態(図32)においてベルトの締結器35A,35Bの締結を解除した後は、着座者を乗せたままの回転座面33を、座面中心の回転軸33A周りに略90度回転させて、着座者の体の向きを背もたれ12側へ転回する。転回した着座者がそのまま背を倒すことでベッドB上に横臥した姿勢となる。
(使用時における第一〜第六状態)
(介護用車いす上の第一状態からベッドB上の第六状態とする場合の使用方法)
被介護者を着座状態からベッドB上へ移送する際は、背もたれ12が後倒せず立設し、かつ座板31の回転座面33上に被介護者が着座した状態のまま、第一状態として図27に示すように、ベッドBの側部近傍に肘置き天板22Tが並行に位置するように介護用車椅子を移動させたのち、第二状態として図28に示すように、台板11及びこれと一体回転する背もたれ12を水平に略90度位相回転することで、着座した被介護者(図示せず)をベッドBのヘリまで背を向けて近づいた状態とする。
続けて第三状態として図29に示すように、背もたれ12が、台板11の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態(S2)とする。このとき、台板11と背もたれ12は一平面を構成し、凹凸組合せ構造1Uを構成する台板11の凸形状部と凹形状部、ないし背もたれ12の凸形状部がヒンジ連結部に平面状に露出する。
背もたれ12を第三状態の開き状態(S2)としたのち、第四状態として図30に示すように、肘置きユニット2及び座面ユニット3を、椅子台ユニット1の台板11上の第一位置(P1)と、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)との間を、後方へスライド移動させる。このとき、座面ユニット3の下面にて4列に設けられたボールキャスター34が転動するところ、各列のボールキャスター34は、凹凸組合せ構造1Uを構成する台板11の凸形状部と凹形状部、ないし背もたれ12の凸形状部それぞれの上を、2列ずつ順に転がって進むことで、4列全てが台板11と背もたれ12の境界の段差部に同時に嵌り落ちることがない。これにより、座面ユニット3は第一位置(P1)から第二位置(P2)へスムーズに移動させることができる。また第四状態として図30に示すように、肘置きユニット2及び座面ユニット3が第二位置(P2)に移動した状態では、図示しない前後のロック機構によって、肘置きユニット2の前後方向の位置をロックすることが好ましい。
続けて第五状態として図31に示すように、前記前後のロック機構を解除すると共に、立設状態(S1)における突出ピン32Pとピン孔27Dとからなる立設のロック機構ロック機構(立設フック)を解除して、背もたれ12上の第二位置(P2)にある肘置きユニット2のうち少なくとも左右いずれかのサイドパネル22を、嵌め板21の板面に対して略180度の所定の開き角度まで外側方へ開いた開き状態(S2)とする。サイドパネル22は側面外突出部22S(中央板)及び22T(天板)が外面に突出固定されてなるところ、開き状態(S2)とすることで、側面外突出部が移送先のベッドB上に接地する。
サイドパネル22が、背もたれ12の板面に対して所定の開き角度まで側倒した開き状態(S2)となったとき、背もたれ12とサイドパネル22は一平面を構成し、凹凸組合せ構造2Uを構成するサイドパネル22の凸形状部と凹形状部、ないし背もたれ側部に嵌合した肘置きユニットの前後スライド機構の前後位置2箇所から側方へ突出した凸形状部が、ヒンジ23Hの連結部に平面状に露出する。
サイドパネル22を第五状態の開き状態(S2)としたのち、第六状態として図32に示すように、座面ユニット3のみを、開き状態(S2)の背もたれ12上の第二位置(P2)から、開き状態(S2)のサイドパネル22上の第三位置(P3)へ、側方スライド移動させる。このとき、嵌合凸片36の首部の先に固着された矩形板が、サイドパネル22の内面に形成された断面L字状の一対の平型レール25の間の凹部空間内に嵌合したまま、側方へスライド移動する(図4)。またこのとき、座面ユニット3の下面にて4列に設けられたボールキャスター34が転動するところ、各列のボールキャスター34は、凹凸組合せ構造2Uを構成するサイドパネル22の凸形状部と凹形状部、ないし前後スライド機構ないしヒンジ23Hの前後2箇所の凸形状部それぞれの上を、2列ずつ順に転がって進むことで、4列全てが背もたれ12側部の前後スライド機構とサイドパネル22の境界の段差部に同時に嵌り落ちることがない。これにより、座面ユニット3は第一位置(P1)から第二位置(P2)へスムーズに移動させることができる。また第六状態として図32に示すように、座面ユニット3が第三位置(P3)に移動した状態では、図示しない左右のロック機構によって、座面ユニット3の左右方向の位置をロックすることが好ましい。第六状態(図32)では、着座者の腰部に締結していたベルト35の締結器35A,35Bの締結を解除して、回転座面35を回転軸35A周りに回転させることで、着座者をベッドの長手方向を向くように転回させ、着座状態から横臥状態へ移行させる。その後、椅子台ユニット1のブレーキを解除して、サイドパネル22及び背もたれ12を開き状態(S2)としたまま、介護用車いすを移動させてベッドBから離間させ、横臥状態の着座者の腰の下からサイドパネル22及び背もたれ12を抜き出す。
上記第一状態から第六状態へ順に移行するに伴い、座面ユニット3を後方へスライド移動させた後に一側方へスライド移動させ、さらに着座者の体の向きを転回させることで、椅子上に着座していた着座者(被介護者)をベッドB上の任意の位置へ容易に移動させ、任意の向きに横臥させることができる。
(その他の実施例)
本考案のいくつかの実施例を説明したが、各実施例に示した構成、各種条件に限定されることはなく、これらの実施例は、例として提示したものであり、考案の範囲を限定することは意図していない。例として、肘置きのはねあげ、オレンジと青の色の切り替えを施してもよい。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、考案の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は、考案の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された考案とその均等の範囲に含まれる。
1 椅子台ユニット
11 台板
11F 前板
12 背もたれ
12L レバー
12T 背面外突出部
13 ハンドル
131L ブレーキレバー
132L 背もたれ回動レバー
14F,14R 走行車輪
15 ロックブレーキ
15L ブレーキレバー
15K ブレーキシュー
37 突出板
1H ヒンジ
1J シリンダー
2 肘置きユニット
21 嵌め板
22 側板
22S 側面外突出部(中央板)
22T 側面外突出部(天板)
22L 立設フック
23 側枠
23L 囲いピン
24、34 ベアリングローラー
25 平型レール
250 嵌合穴
26 L型レール
27 第二背もたれ
28、28I スライドシート
3 座面ユニット
31座板
32 第二背もたれ
33 回転座面
33A ピン軸
34 ベアリングローラー/ボールキャスター
35 ベルト
35A,35B 締結器
36嵌合凸片
37引き出し板
40 走行支持体
41 昇降シリンダ
42 昇降レバー
4F 支持フレーム
4P 支持プレート
51 凸部嵌合体(回転止め構造)
52 凹部嵌合体(回転止め構造)
52G 嵌合シュー
B ベッド(移乗先体)
(S1)立設状態
(S2)開き状態
第一位置(P1)
第二位置(P2)
第三位置(P3)

Claims (8)

  1. 略水平に位相回転可能に支持された台板と、台板の後辺に立設しかつ後倒可能に設けられた背もたれと、台板を支持する走行可能な走行支持体を有する移動式の椅子台ユニットと、
    台板の板面上部に嵌め込まれると共に、台板及び後倒させた背もたれの前後方向にスライド移動可能な嵌め板と、嵌め板の後辺又は側辺に立設しかつ外方へ回倒可能に設けられた回倒板とを具備した座面ユニットと、を具備してなる介護用椅子であって、
    椅子台ユニットの後倒した背もたれの上面が、台板の板面と略水平になるまで後倒した開き状態となったときに、
    座面ユニットが、椅子台ユニットの台板上の第一位置と、開き状態の背もたれ上の第二位置との間を、前後方向へスライド移動可能であり、
    また、座面ユニットが第二位置にスライド移動したときに、
    嵌め板の上面の着座部が、嵌め板ないし後倒した背もたれの上面と平行な面内で回転可能であり、かつ、
    嵌め板の後辺又は側辺に立設した回倒板の内面が、開き状態の後倒した背もたれの上面と略平行になるまで外方へ回倒可能であり、
    台板上に着座していた着座者が、座面ユニットのスライド移動と共に後方へ移動し、回倒した回倒板の内面上で回転して向きを変え、さらに、回倒した回倒板の内面上からその回倒先の方向へ移動し得ることを特徴とする、介護用椅子。
  2. 略水平に位相回転可能に支持された台板と、台板の後辺に後倒可能に設けられた背もたれと、台板を支持する走行可能な走行支持体を有する移動式の椅子台ユニットと、
    台板の板面上部に嵌め込まれると共に、台板及び後倒させた背もたれの前後方向にスライド移動可能な嵌め板と、嵌め板の後辺に後倒可能に設けられた第二背もたれとを具備した座面ユニットと、を具備した介護用椅子であって、
    椅子台ユニットの背もたれが、台板の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態となったときに、
    座面ユニットが、椅子台ユニットの台板上の第一位置と、開き状態の背もたれ上の第二位置との間を、前後方向へスライド移動可能であり、
    また、
    座面ユニットが第二位置にスライド移動したときに、
    嵌め板が、開き状態の背もたれ上で嵌め込まれたまま水平面内で回転可能であると共に、
    座面ユニットの第二背もたれが、前記回転した嵌め板の後辺から後倒可能であることを特徴とする、介護用椅子。
  3. 略水平に位相回転可能に支持された台板と、台板の後辺に後倒可能に設けられた背もたれと、台板を支持する走行可能な走行支持体を有する移動式の椅子台ユニットと、
    台板の板面上部に嵌め込まれると共に台板及び後倒させた背もたれの前後方向にスライド移動可能な嵌め板と、嵌め板の側辺に立設して外側方へ回倒可能なサイドパネルとを具備した座面ユニットと、
    背もたれの両側部それぞれから前方へ伸長し、前記立設したサイドパネルに係止すると共に上方へ跳ね上げ可能に設けられた左右一対の肘置きと、
    を具備した介護用椅子であって、
    肘置きがサイドパネルとの係止を解除されて上方へ跳ね上げられることで、椅子台ユニットの背もたれが、台板の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態に偏移可能であり、
    椅子台ユニットの背もたれが、台板の板面に対して所定の開き角度まで後倒した開き状態となったときに、
    座面ユニットが、椅子台ユニットの台板上の第一位置と、開き状態の背もたれ上の第二位置との間を、前後方向へスライド移動可能であり、
    また、
    座面ユニットが第二位置にスライド移動したときに、
    嵌め板が、開き状態の背もたれ上で嵌め込まれたまま水平面内で回転可能であると共に、
    座面ユニットの第二背もたれが、前記回転した嵌め板の後辺から後倒可能である、請求項1又は2に記載の介護用椅子。
  4. 嵌め板はその下部の中央部に柱状の首部を有した第一嵌合凸片が突設形成され、
    椅子台ユニットの台板及び背もたれには、前記第一嵌合凸片の首部が嵌合すると共に首部をスライド移動可能とする嵌合溝が前後方向へ伸長して形成され、
    背もたれが後倒した状態で、前記台板及び背もたれの嵌合溝は直線状に連なり、
    当該嵌合溝内を第一嵌合凸片が嵌合したまま前後方向へ移動可能であると共に、
    後倒した背もたれの嵌合溝の後端付近で第一嵌合凸片が係止してそれ以上の後方移動が規制され、この規制された位置で嵌合凸片の首部が嵌合溝内で軸回転可能であり、この軸回転に伴って嵌め板が平面回転する、請求項1記載の介護用椅子。
  5. 嵌め板はその下部に、前記第一嵌合凸片の首部よりも細い柱状の首部を有した第二嵌合凸片が突設形成され、
    椅子台ユニットの台板及び背もたれには、前記第一嵌合凸片及び第二嵌合凸片の各首部が嵌合すると共に各首部をスライド移動可能とする嵌合溝が前後方向へ伸長して形成され、
    背もたれが後倒した状態で、前記台板及び背もたれの嵌合溝は直線状に連なると共に、背もたれには、当該直線状の嵌合溝と交差した円弧状の第二嵌合溝が形成されてなり、
    第二嵌合凸片は、当該直線状の嵌合溝内を嵌合したまま直線状の嵌合溝の後端まで移動可能であると共に、第二嵌合溝内に沿って円弧方向へ移動可能であり、
    第一嵌合凸片が背もたれの直線状の嵌合溝内で軸回転すると共に、第二嵌合凸片が後倒した背もたれの第二嵌合溝内を移動することで、嵌合凸片の首部が回転可能であり、
    この第一嵌合凸片の軸回転と第二嵌合凸片の第二嵌合溝内の移動に伴って嵌め板が平面回転する、請求項4記載の介護用椅子。
  6. 嵌め板はその下部に、自由転動可能な転動体34が、嵌合凸片よりも低い高さで突出して、第一嵌合凸片を中心とした放射状の複数個所に配設され、
    嵌め板が後倒した背もたれの方向へ前後移動し或いは移動先で回転する際に、前記各転動体のうち複数個が、椅子台ユニット又は後倒した背もたれの上面で転動する、請求項1、2、3のいずれかに記載の介護用椅子。
  7. 第二背もたれには両側部に枠部が形成されると共に、枠部内に、後倒した第二背もたれの後倒方向へ転動可能な転動凸体、又は、前記後倒方向へスライド移動可能なスライドシートが収容される、請求項1〜6のいずれかに記載の介護用椅子。
  8. 嵌め板はその前辺に延長板が回動可能に延長形成されると共に、嵌め板又は延長板の裏面又は側面に水平保持構造が形成され、
    延長板が嵌め板の上面に沿う水平位置まで水平回動した状態で、水平保持構造を延長板と嵌め板とを跨ぐ位置まで移動させることで、前記水平回動した状態を保持する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の介護用椅子。
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