JP3218986B2 - デジタルカメラ - Google Patents

デジタルカメラ

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JP3218986B2
JP3218986B2 JP23349196A JP23349196A JP3218986B2 JP 3218986 B2 JP3218986 B2 JP 3218986B2 JP 23349196 A JP23349196 A JP 23349196A JP 23349196 A JP23349196 A JP 23349196A JP 3218986 B2 JP3218986 B2 JP 3218986B2
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俊幸 田中
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体光像を画像
信号に光電変換して取り込み、この画像信号に所定の画
像処理を施した後、表示手段にモニタ表示するととも
に、記録媒体に記録するデジタルカメラに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ本体の背面に、記録画像の
再生表示を行なうとともに、電子ビューファインダーと
しての機能を行なうLCD(Liquid Crystal Display)
からなる表示部が設けられたデジタルカメラが知られて
いる。このデジタルカメラでは、レリーズ待機状態でL
CD表示部が電子ビューファインダーとして機能し、所
定の周期で取り込まれた画像がγ補正等の所定の画像処
理を経た後、LCD表示部にモニタ表示(動画表示)さ
れ、レリーズに際し、被写体を視認することができるよ
うになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、NTSC方
式の規格では、テレビ放送受信用の表示装置(以下、テ
レビモニタという。)のγ係数が2.2と定められてい
るので、テレビモニタに再生することを目的としたビデ
オカメラ等の撮像装置でのγ補正におけるγ係数は0.
45(=1/2.2)と規定されている。
【0004】一方、パーソナルコンピュータに使用され
る表示装置(以下、パソコンモニタという。)のγ係数
は、一般に、1.8に設定されているので、パソコンモ
ニタに再生することを目的とした画像は、通常、0.5
5(=1/1.8)のγ係数でγ補正が行なわれてい
る。
【0005】上記のようにテレビモニタのγ係数とパソ
コンモニタのγ係数とが異なるので、テレビモニタ用の
画像をパソコンモニタに再生すると、再生画像の画質が
軟調となり、彩度が十分に表現されず、逆にパソコンモ
ニタ用の画像をテレビモニタに再生すると、再生画像の
画質が堅調となり、微細部分の再現が不十分となる。
【0006】デジタルカメラに設けられるLCD表示部
はテレビモニタと同等のγ係数を有しているので、撮影
画像のLCD表示部での視認を考慮して撮像画像をγ=
2.2でγ補正するようにすると、記録媒体に記録され
た画像は、通常、パーソナルコンピュータを介してパソ
コンモニタに再生されることが多いので、記録画像のパ
ソコンモニタへの再生画像の画質が不自然となる。逆に
記録画像の再生画質を考慮して撮像画像をγ=1.8で
γ補正するようにすると、被写体のLCD表示部へのモ
ニタ表示の画質が不自然となり、LCD表示部の電子ヒ
ューファインダ機能が損なわれることになる。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、撮像画像の目的に応じてγ補正の特性を変更
し、撮像画像を好適な画質で再生することのできるデジ
タルカメラを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被写体光像を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段
と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を第1のγ
性で補正する第1のγ補正手段と、上記撮像手段で取り
込まれた画像信号を第2のγ特性で補正する第2のγ補
正手段と、画像を表示する表示手段と、上記第1のγ補
正手段で補正された画像信号に基づいて撮影画像を上記
表示手段にモニタ表示するモニタ手段と、上記第2のγ
補正手段で補正された画像信号を記録する記録手段と、
上記記録手段に記録された画像信号を読み出し、その画
像信号を、上記第1のγ特性で補正されたγ特性となる
ように、第3のγ特性で補正する第3のγ補正手段と、
上記第3のγ補正手段で補正された画像信号に基づいて
記録画像を上記表示手段に再生表示する再生手段とを備
えたものである。
【0009】上記構成によれば、撮像手段で取り込まれ
た画像信号のうち、第1のγ補正手段で第1のγ特性
用いて補正されたものは、表示手段にモニタ表示され、
第2のγ補正手段で第2のγ特性を用いて補正されたも
のは、記録手段に記録される。例えばγ=0.45の特
性で補正された撮像画像は、表示手段にモニタ表示さ
れ、γ=0.55の特性で補正された撮像画像は、記録
手段に記録される
【0010】録手段に記録された撮像画像を表示手段
に再生表示する場合は、記録手段から読み出された画像
号が、第3のγ補正手段で第1のγ特性を用いて補正
されたγ特性となるように、第3のγ特性で補正されて
表示手段にモニタ表示される。例えば記録手段から読み
出された画像信号は、γ=0.82(=0.45/0.
55)のγ特性で補正されてγ=0.55のγ特性から
γ=0.45のγ特性に補正された後、表示手段にモニ
タ表示される。
【0011】請求項2記載の発明は、被写体光像を画像
信号に光電変換して取り込む撮像手段と、撮影シーンを
判定するシーン判定手段と、上記撮像手段で取り込まれ
た画像信号を表示用のγ特性で補正する第1のγ補正手
段と、上記表示用のγ特性と 異なる複数の記録用のγ特
性を有し、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を上記
シーン判定手段で判定された撮影シーンに対応する記録
用のγ特性で補正する第2のγ補正手段と、上記第1の
γ補正手段で補正された画像信号に基づいて撮影画像を
モニタ表示する表示手段と、上記第2のγ補正手段で補
正された画像信号を記録する記録手段とを備えたもので
ある。
【0012】上記構成によれば、撮像手段で撮像された
画像を表示手段に表示させるときは、撮像手段で取り込
まれた画像信号が第1のγ補正手段で表示用のγ特性を
用いて補正され、その補正後の画像信号に基づいて撮影
画像が表示手段にモニタ表示される。また、撮像手段で
撮像された画像を記録手段に記録させるときは、撮像手
段で取り込まれた画像信号が第2のγ補正手段で複数の
記録用のγ特性のうち、シーン判定手段で判定された撮
影シーンに対応する記録用のγ特性を用いて補正され、
その補正後の画像信号が記録手段に記録される。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載のデ
ジタルカメラにおいて、上記シーン判定手段は、上記撮
像手段で画像信号を取り込み、その画像信号に基づいて
撮影シーンを判定するものである。
【0014】上記構成によれば、撮影シーンは、表示画
像若しくは記録画像を撮影する前に撮像手段で被写体を
撮像し、その撮像画像の画像信号に基づいて判定され
る。例えば撮像画像の全体的な明るさに基づいて撮影シ
ーンが低輝度、中輝度及び高輝度のいずれであるかが判
定される。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2記載のデ
ジタルカメラにおいて、マクロ撮影可能な撮影レンズ
と、上記撮影レンズがマクロ撮影位置に設定されている
か否かを検出する検出手段とを更に備え、上記第2のγ
補正手段は、上記検出手段の検出結果に基づいて記録用
のγ特性を選択するものである。
【0016】上記構成によれば、被写体の撮影時に撮影
レンズがマクロ撮影位置に設定され ているか否かが検出
され、その検出結果に基づいて複数の記録用のγ特性の
中から撮影画像をγ補正する際の記録用のγ特性が選択
される。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項2記
載のデジタルカメラにおいて、フラッシュ発光手段と、
撮影時に上記フラッシュ発光手段が発光されるか否かを
判別する判別手段とを更に備え、上記第2のγ補正手段
は、上記判別結果に基づいて記録用のγ特性を選択する
ものである。
【0018】上記構成によれば、被写体の撮影時にその
撮影がフラッシュを発光したフラッシュ撮影であるか否
かが判別され、その判別結果に基づいて複数の記録用の
γ特性の中から撮影画像をγ補正する際の記録用のγ特
性が選択される。
【0019】また、請求項6記載の発明は、被写体光像
を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段と、上記撮
像手段で取り込まれた画像信号をデジタルの画像信号に
変換するA/D変換手段と、上記A/D変換手段で変換
されたデジタルの画像信号を表示用のγ特性で補正する
第1のγ補正手段と、上記A/D変換手段で変換された
デジタルの画像信号を上記表示用のγ特性と異なる記録
用のγ特性で補正する第2のγ補正手段と、上記第1の
γ補正手段で補正された画像信号に基づいて撮像画像を
モニタ表示する表示手段と、上記第2のγ補正手段で補
正された画像信号を記録する記録手段とを備えたデジタ
ルカメラであって、上記第1,第2のγ補正手段は、γ
補正後の上記デジタルの画像信号をγ補正前よりも少な
いビット数で出力するものである。
【0020】上記構成によれば、撮像手段で撮像された
画像を表示手段に表示させるときは、撮像手段で取り込
まれた画像信号はA/D変換手段でデジタルの画像信号
に変換された後、第1のγ補正手段で表示用のγ特性を
用いて補正され、その補正後の画像信号に基づいて撮影
画像が表示手段にモニタ表示される。また、撮像手段で
撮像された画像を記録手段に記録させるときは、撮像手
段で取り込まれた画像信号が第2のγ補正手段で記録用
のγ特性を用いて補正され、その補正後の画像 信号が記
録手段に記録される。
【0021】デジタルの画像信号のγ補正では併せて画
像信号のビット数の低減も行なわれ、第1,第2のγ補
正手段からはγ補正後の画像信号がγ補正前よりも少な
いビット数で出力される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係るデジタルカメラにつ
いて、図を用いて説明する。
【0023】図1は、本発明に係るデジタルカメラの正
面図、図2は、同デジタルカメラの背面図である。ま
た、図3〜図5は、それぞれ同デジタルカメラの上面
図、右側面図、底面図である。
【0024】デジタルカメラ1は、箱型のカメラ本体部
2と直方体状の撮像部3とから構成されている。撮像部
3は、正面から見てカメラ本体部2の右側面に着脱可
能、かつ、この右側面と平行な面内に回動可能に装着さ
れている。また、撮像部3は、後述するように、専用の
接続ケーブルを介してカメラ本体部2に接続することが
できるようになっている。
【0025】撮像部3は、レンズ窓が設けられた端面
(図1で上側の端面)を前端とすると、図4の仮想線で
示すように、前端がカメラ本体部2の上面と平行となる
位置(撮像方向が図4のA方向となる位置。以下、この
位置を回転基準位置という。)を基準として略±(90
+α)°の範囲で回動することができるようになってい
る。撮像部3がカメラ本体部2に直接、接続された状態
では、撮像部3の回転動作によりデジタルカメラ1のメ
イン電源のON/OFFが行なわれ、撮像部3が回転基
準位置にセットされると(図1〜図5の状態)、メイン
電源がOFFになるようになっている。これは、デジタ
ルカメラ1が最もコンパクトになる構成で、通常、この
状態でデジタルカメラ1の保管が行なわれるから、自動
的にメイン電源をOFFにすることによりメイン電源の
スイッチ操作の容易化を図るようにしたものである。
【0026】撮像部3は、マクロズームからなる撮影レ
ンズ及びCCD(Charge Coupled Device)等の光電変
換素子からなる撮像装置を有し、被写体の光学像を電気
信号からなる画像(CCDの各画素で光電変換された電
荷信号により構成される画像)に変換して取り込むもの
である。一方、カメラ本体部2は、LCD(Liquid Cry
stal Display)からなる表示部10、ICカード18の
装着部17(図8参照)及びパーソナルコンピュータが
外部接続される接続端子13を有し、主として上記撮像
部3で取り込まれた画像信号に所定の信号処理を施した
後、LCD表示部10への表示、ICカード18への記
録、パーソナルコンピュータへの転送等の処理を行なう
ものである。
【0027】撮像部3は、カメラ本体部2の高さ方向の
長さ寸法と略同一の長さ寸法を有し、かつ、カメラ本体
部2の幅寸法と略同一の寸法を有する縦長直方体状の撮
像部本体3Aを備え、この撮像部本体3Aの一方側面に
は撮像部3をカメラ本体部2に装着するための装着部3
Bが突設されている。撮像部3は、撮像部本体3Aを一
方向に長い直方体状とし、保管時にはカメラ本体部2の
側面に沿わせてセットできるようにしているので、デジ
タルカメラ1の幅寸法を大きくすることなく光軸方向に
長いズームレンズの採用が可能になっている。なお、装
着部3Bによる撮像部3のカメラ本体部2への装着機構
については後述する。
【0028】撮像部本体3Aの内部には、図6に示すよ
うに、マクロズームレンズ301が配設され、このマク
ロズームレンズ301の後方位置の適所にCCDカラー
エリアセンサ303を備えた撮像回路302が設けられ
ている。また、撮像部3内の適所にフラッシュ光の被写
体からの反射光を受光する調光センサ305を備えた調
光回路304が設けられている。調光センサ305は、
装着部3Bの前端面の適所に配置されている。
【0029】一方、撮像部本体3Aの外部には、図2に
示すように、カメラ本体部2の背面と平行な側面(撮像
部3を回転基準位置から+90°回転させたとき、上側
となる側面)に上記マクロズームレンズ301のズーム
比の変更及びズームとマクロとの切換を行なうためのズ
ームレバー306が設けられ、このズームレバー306
より右斜め前方位置に、撮像部3のカメラ本体部2から
の離脱を可能にするロック解除レバー307が設けられ
ている。
【0030】ズームレバー306は、横方向(撮像部3
の光軸に対して垂直方向)にスライド可能なレバーで、
このズームレバー306をズーム位置PZで横方向に左
右にスライドさせてマクロズームレンズ301のズーム
比が変更される。また、ズームレバー306を上記ズー
ム位置PZを越えて右方向にスライドさせ、マクロ位置
PMに設定すると、マクロズームレンズ301がマクロ
レンズに切り換えられる。マクロ位置PMでは、被写体
におよそ50cmまで近接して撮影することができる。
【0031】カメラ本体部2の前面には、図1に示すよ
うに、左端部の適所にグリップ部4が設けられ、右端部
の上部適所に内蔵フラッシュ5が設けられている。ま
た、カメラ本体部2の上面には、図3に示すように、略
中央に記録画像を再生する際のコマ送り用のスイッチ
6,7が設けられている。スイッチ6は、記録画像をコ
マ番号が増大する方向(撮影順の方向)にコマ送りする
ためのスイッチ(以下、UPスイッチという。)であ
り、スイッチ7は、記録画像をコマ番号が減少する方向
にコマ送りするためのスイッチ(以下、DOWNスイッ
チという。)である。また、背面側からみてDOWNス
イッチ7の左側にICカード18に記録された画像を消
去するための消去スイッチ8が設けられ、UPスイッチ
6の右上にシャッタボタン9が設けられている。
【0032】カメラ本体部2の背面には、図2に示すよ
うに、左端部の略中央に撮影画像のモニタ表示(ビュー
ファインダーに相当)及び記録画像の再生表示等を行な
うためのLCD表示部10が設けられている。また、L
CD表示部10の上方位置にフラッシュ発光に関するF
Lモード設定スイッチ11が設けられ、LCD表示部1
0の下方位置に、ICカード18に記録される画像デー
タの圧縮率Kを切換設定するための圧縮率設定スイッチ
12とパーソナルコンピュータが外部接続される接続端
子13とが設けられている。FLモード設定スイッチ1
1は、プッシュスイッチからなり、圧縮率設定スイッチ
12は、2接点のスライドスイッチからなる。
【0033】デジタルカメラ1には、フラッシュ発光に
関するモードとして被写体輝度に応じて自動的に内蔵フ
ラッシュ5を発光させる「自動発光モード」、被写体輝
度に関係なく内蔵フラッシュ5を強制的に発光させる
「強制発光モード」及び内蔵フラッシュ5の発光を禁止
する「発光禁止モード」が設けられ、上記FLモード設
定スイッチ11を押す毎に「自動発光」、「強制発光」
及び「発光禁止」の各モードがサイクリックに切り換わ
り、いずれかのモードが選択設定されるようになってい
る。また、デジタルカメラ1は、1/8と1/20の2
種類の圧縮率Kが選択設定可能になされ、例えば圧縮率
設定スイッチ12を右にスライドすると、圧縮率K=1
/8が設定され、左にスライドすると、圧縮率K=1/
20が設定される。なお、本実施の形態では、2種類の
圧縮率Kが選択設定できるようにしているが、3種類以
上の圧縮率Kを選択設定できるようにしてもよい。
【0034】更に、カメラ本体部2の背面の右端上部に
は、「撮影モード」と「再生モード」とを切換設定する
撮影/再生モード設定スイッチ14が設けられている。
撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モ
ードは、ICカード18に記録された撮影画像をLCD
表示部10に再生表示するモードである。撮影/再生モ
ード設定スイッチ14も2接点のスライドスイッチから
なり、例えば右にスライドすると、再生モードが設定さ
れ、左にスライドすると、撮影モードが設定される。
【0035】カメラ本体部2の底面には、図8に示すよ
うに、電源電池Eの電池装填室16とICカード18の
カード装填室17とが設けられ、両装填室16,17の
装填口は、図7に示すように、クラムシェルタイプの蓋
15により閉塞されるようになっている。本実施の形態
におけるデジタルカメラ1は、4本の単三形乾電池E1
〜E4を直列接続してなる電源電池Eを駆動源としてお
り、カメラ本体部2の下部には、各電池E1〜E4が装
填される4個の円筒状の装填室を一列に配列してなる電
池装填室16が下面中央よりやや右側にずれた位置に横
方向に配設されている。また、電池装填室16より前面
側に電池装填室16と平行に帯状の装填口を有するカー
ド装填室17が配設されている。
【0036】蓋15の裏面(装填室16,17を臨む
面)の上記電池装填室16に対向する位置には、電池E
1,E2を接続する導電性の接続片15aと電池E3,
E4を接続する導電性の接続片15bとが設けられ、蓋
15を閉塞すると、接続片15a,15bと電池E1〜
E4とが接触して電源電池Eが構成されるようになって
いる。
【0037】本実施の形態に係るデジタルカメラ1で
は、上記のように、電池装填室16の蓋とカード装填室
17の蓋とを共通化しているので、両装填室の配置がコ
ンパクトになるとともに、装着脱時のICカード18の
保護が確実に行なえるようになっている。すなわち、I
Cカード18の装着時においては、ICカード装着後に
蓋15を閉塞することにより電源電池Eが内部回路に接
続され、ICカード18の脱着時においては、ICカー
ド脱着前に蓋15を開放することにより電源電池Eの内
部回路との接続が解除されるので、確実に、電源OFF
の状態でICカード18の装着脱を行なうことができ
る。
【0038】次に、撮像部3のカメラ本体部2への装着
機構について説明する。
【0039】正面から見てカメラ本体部2の右側面に
は、図9に示すように、撮像部3が着脱可能に装着され
る接続板23が、右側面と平行な平面内に回動自在に設
けられている。この接続板23の回動によりカメラ本体
部2に取り付けられた撮像部3が回転基準位置を基準と
して略±(90+α)°の範囲で回動する。
【0040】装着部3Bの装着面308には、図10に
示すように、周縁適所に4個の係合爪310a〜310
dが突設された長方形状の孔309が設けられ、この孔
309に上記接続板23を嵌入して撮像部3がカメラ本
体部2に装着されるようになっている。
【0041】また、図11に示すように、ロック解除レ
バー307の裏面には装着面308に装着された接続板
23をロックするキー部材311が突設されている。ロ
ック解除レバー307は、キー部材311を装着部3B
の側壁を貫通し、孔309側に臨ましめて装着部3Bに
取り付けられている。また、ロック解除レバー307
は、キー部材311が孔309の開口面に接離する方向
に移動可能に取り付けられている。ロック解除レバー3
07を操作することにより、キー部材311は、孔30
9の開口面側に設けられたロック位置と開口面より奥側
に設けられたロック解除位置とに移動可能になってい
る。ロック解除レバー307は、スプリング312によ
りロック位置に付勢されており、このスプリング312
の付勢力に抗してロック解除位置に移動させると、接続
板23を介してカメラ本体部2に装着された撮像部3を
離脱することができるようになっている。
【0042】上記接続板23の装着面には複数の接続端
子234が設けられる一方、上記装着部3Bの孔309
内に上記接続板23の装着面の接続端子234に対向し
て複数の接続端子(図略)が設けられており、接続板2
3を介して撮像部3をカメラ本体部2に取り付けると、
撮像部3とカメラ本体部2とが上記接続端子234を介
して電気的に接続されるようになっている。
【0043】接続板23には、両長辺の適所に長方形状
の凹部231a,231bが穿設され、接続端子234
が設けられていない面(以下、この面を裏面という。)
の一方の両隅部と上記凹部231a,231bに連続す
る位置に、それぞれ溝を形成して装着部3Bの係合爪3
10a〜310dがそれぞれ係合する係合部232a,
232b,232c,232dが設けられている。ま
た、接続端子234が設けられた面(以下、この面を表
面という。)には、凹部231aが穿設された長辺の適
所に溝を形成して装着部3Bのキー部材311が嵌入係
合される係合部233が設けられている。
【0044】撮像部3の装着部3Bは、以下の手順でカ
メラ本体部2の接続板23に取り付けられる。すなわ
ち、まず、孔309の係合爪310c,310dがそれ
ぞれ接続板23の凹部231a,231bに対向するよ
うに、装着部3Bの装着面308を接続板23と平行に
配置した後、装着部3Bを接続板23に押し当てる。こ
のとき、係合爪310c,310dがそれぞれ接続板2
3の凹部231a,231bに嵌入する一方、キー部材
311が接続板23の表面に押されてスプリング312
の付勢力に抗してロック解除位置に移動し、装着部3B
は、接続板23の裏面が装着部3Bの装着面308と同
一になるまで押し当てられる。この後、装着部3Bを後
端側(図10のB方向)に移動させると、装着部3Bの
係合爪310a〜310dがそれぞれ接続板23の係合
部232a〜232dに係合して装着部3Bが接続板2
3に離脱不能に装着されるとともに、キー部材311が
スプリング312の付勢力によりロック位置に移動して
係合部233に嵌入し、接続板23への撮像部3の取付
状態がロックされる。
【0045】なお、撮像部3の接続板23からの取外し
は、ロック解除レバー307を装着面308から離れる
方向(図11のC方向)に操作してキー部材311をロ
ック解除位置に移動させ、キー部材311と係合部23
3との係合を解除し、この状態で装着部3Bを接続板2
3に対してB方向と逆方向に相対移動させた後、装着部
3Bを接続板23から離隔する方向に移動させることに
より行なわれる。
【0046】次に、接続板23のカメラ本体部2への取
付構造を説明する。
【0047】図12は、接続板ユニットの構造を示す分
解斜視図である。接続板ユニットは、接続板23、基板
24、補強板25、摺動リング26、回転支持部材27
及びクリック部材28から構成されている。
【0048】接続板23の裏面には凹部235が設けら
れ、この凹部235内に接続端子234及びこの接続端
子234に接続される信号線路が形成された基板24が
収納されている。また、接続板23の裏面には、長手方
向の中心軸上の下方向に偏心した位置に、一部側面がカ
ットされ、中心軸上に雌ネジ(図略)が形成された柱状
の雌ネジ部236が突設されている。
【0049】雌ネジ部236の側面カット部分は、上記
信号線路をカメラ本体部2内に導くスペースを設けるた
めのものである。また、接続板23における雌ネジ部2
36の位置を中心より下方向に偏心させているのは、撮
像部3を回転基準位置から回転させた状態でデジタルカ
メラ1を机等に載置した場合にもカメラ姿勢の安定性を
確保するためである。
【0050】すなわち、図16において、撮像部3が回
転基準位置にあるとき、撮像部3及びカメラ本体の重心
位置がほぼカメラ本体部の縦方向の中心ラインM上にあ
るとすると、例えば撮像部3を回転基準位置から+90
°回転した位置(以下、この位置を正面撮像位置とい
う。)に回転すると、撮像部3の重心位置Gはカメラの
幅方向において中心ラインMよりカメラの前方に移動
し、これによりカメラ本体部2に対してカメラ本体部2
の底面を支点として前方に回転させるモーメントが作用
するようになる。
【0051】接続板23の雌ネジ部236は、カメラ本
体部2に接続された撮像部3の回転軸となるものであ
り、図17に示すように、この回転軸の位置N′を上記
モーメントの支点となるカメラ本体部2の底面に近づけ
るほど、モーメントは小さくなり、安定性が高くなるか
ら、本実施の形態では、接続板23の雌ネジ部236を
できるだけカメラ本体部2の右側面の長手方向の中心位
置Nより下方向にずらせるようにしている。
【0052】本実施の形態では、撮像部3を縦方向の直
方体状とし、光軸方向に長い撮像光学系を採用している
ので、光軸方向に短い撮像光学系を採用したものよりも
上記モーメントが大きくなる。従って、上記構成によ
り、撮像部3を正面撮像位置に設定した状態でデジタル
カメラ1を机等に載置して撮像する場合にもカメラ姿勢
を安定に保持することができるようにしている。
【0053】図12に戻り、補強板25は、基板24が
収納された接続板23の凹部235を封止するととも
に、接続板23を補強するものである。補強板25の適
所には接続板23の雌ネジ部236が貫通する貫通孔2
51が穿設され、この貫通孔251の下方位置の適所
に、摺動リング26の鍔部262に突設された係合突起
264が係合する係合孔252が穿設されている。
【0054】摺動リング26は、接続板23の回転動作
における回転角度を規制するものである。摺動リング2
6は、側面の一方端に段差を有する鍔部262が形成さ
れた円板状のリング部材からなる。摺動リング26の段
差のある側を表面とすると、摺動リング26の中央のリ
ング部261の表面側の適所には、図13に示すよう
に、切欠261Aが形成され、この切欠261Aを基準
として±(90+α)の角度に亘り、リング部261の
側面に沿って鍔部262にC字状の溝263が穿設され
ている。上記切欠261Aは、後述するクリック部材2
8に設けられた係合突起が係合されるものである。ま
た、上記溝263は、後述する回転支持部材27に設け
られたガイドピン275が遊嵌される案内溝である。
【0055】また、鍔部262の周縁部の表面には、上
記切欠261Aと同一方向に切欠262Aが形成される
とともに、+90°の方向に切欠262Aより中心O側
に位置をずらせて切欠262Bが形成されている。切欠
262Aは、接続板23に装着された撮像部3が回転基
準位置にセットされたことを検出してメイン電源をオフ
にするためのものであり、切欠262Bは、接続板23
に装着された撮像部3が正面撮像位置にセットされ、そ
の撮像(光軸)方向が内蔵フラッシュ5の発光(光軸)
方向と平行になっていることを検出するためのものであ
る。また、鍔部262の裏面の上記切欠261Aと反対
方向の適所に補強板25の係合孔252に係合する係合
突起264が突設されている。
【0056】回転支持部材27は、接続板23の回転を
支持するとともに、接続板ユニットをカメラ本体部2の
右側面に取り付けるための部材である。回転支持部材2
7は、円板状の支持部271の上下に矩形板状の取付部
272,272′を形成してなるもので、取付部27
2,272′の四隅をネジ止めして接続板ユニットがカ
メラ本体部2の右側面に取り付けられるようになってい
る。支持部271の中心を通る回転支持部材27の長手
方向の中心軸の上方向(図12のD方向)を基準方向と
すると、回転支持部材27は、基準方向をカメラ本体部
2に対する撮像部3の回転基準の方向(図4のA方向)
に一致させてカメラ本体部2に取り付けられる。
【0057】回転支持部材27の支持部271には摺動
リング26のリング部261が貫通する孔273が穿設
されている。支持部271のカメラ本体部2の内側に臨
む面(図12において左側の面。以下、内側面とい
う。)には、孔273の周りに環状の縁部274が突設
され、支持部271の外側に臨む面(以下、外側面とい
う。)には、摺動リング26の鍔部262が嵌合される
凹部(図12では見えていない)が形成されている。
【0058】上記縁部274の外周面の基準方向に対し
て±90°方向及び180°方向の位置にU字形の小溝
274a〜274cが形成されている。この小溝274
a〜274cは、接続板23に装着された撮像部3の回
転動作を回転基準位置と回転基準位置に対して±90°
回転した位置とに一時停止させるためのものである。
【0059】支持部271の内側面の基準方向の適所
に、接続板23が回転支持部材27と同一方向(接続板
23の長手方向の中心軸方向(図12のE方向)が回転
支持部材27のD方向と一致する方向)となる位置でメ
イン電源をオフにするスイッチ29と、接続板23が回
転支持部材27に対して+90°回転した位置にあるこ
とを検出するスイッチ30とが設けられている。接続板
23が回転支持部材27と同一方向となる位置は、接続
板23に装着された撮像部3が回転基準位置にセットさ
れる位置であり、接続板23が回転支持部材27に対し
て+90°回転した位置は、接続板23に装着された撮
像部3が正面撮像位置にセットされる位置である。
【0060】従って、スイッチ29は、撮像部3が回転
基準位置にセットされると、メイン電源をオフにし、撮
像部3が回転基準位置以外にセットされると、メイン電
源をオンにする。また、スイッチ30は、撮像部3が正
面撮像位置にセットされたことを検出するスイッチとな
っている。
【0061】また、支持部271の外側面に形成された
凹部の基準方向の適所に、摺動リング26の溝263に
遊嵌するガイドピン275が突設されている。
【0062】ここで、スイッチ29,30の位置検出動
作について簡単に説明する。
【0063】図14は、スイッチ29の位置検出状態を
示す要部断面図であり、図15は、スイッチ30の位置
検出状態を示す要部断面図である。
【0064】スイッチ29,30はモメンタリープッシ
ュスイッチからなる。回転支持部材27の凹部に摺動リ
ング26が嵌合された状態においては、スイッチ29の
レバー29Aは摺動リング26の鍔部262の切欠26
2Aを通るトラック(図13のTR1参照)上に位置
し、スイッチ30のレバー30Aは摺動リング26の鍔
部262の切欠262Bを通るトラック(図13のTR
2参照)上に位置している。
【0065】スイッチ29は、接続板23が回転基準位
置以外にあるときは、鍔部262によりレバー29Aが
スイッチ本体29B内に没入され、オン状態となってい
るが(図15参照)、接続板23が回転基準位置に移動
すると、レバー29Aが切欠262Aに嵌入してスイッ
チ本体29Bから突出するので、オフ状態となる(図1
4参照)。スイッチ29は、メイン電源(電源電池E)
の供給線路上に設けられており、オン状態で給電線路を
開成して電源を供給し、オフ状態で給電線路を閉成して
給電を遮断する。
【0066】同様に、スイッチ30は、接続板23が正
面撮像位置以外にあるときは、鍔部262によりレバー
30Aがスイッチ本体30B内に没入され、オン状態と
なっているが(図14参照)、接続板23が正面撮像位
置に移動すると、レバー30Aが切欠262Bに嵌入し
てスイッチ本体30Bから突出するので、オフ状態とな
り(図15参照)、このオフ信号により接続板23が正
面撮像位置にあることが検出される。
【0067】なお、本実施の形態では、接続板23の正
面撮像位置の検出素子としてメカニカルスイッチを用い
ているが、光センサや磁気センサを用いて接続板23の
回転位置を検出するようにしてもよい。また、エンコー
ダにより接続板22の任意の回転位置を検出するように
してもよい。
【0068】図12に戻り、クリック部材28は、接続
板23及び摺動リング26を回転支持部材27の支持部
271に回転可能に支持するものである。クリック部材
28は筒状の部材からなり、一方端の周縁に摺動リング
26の切欠261Aに係合する係合突片281が設けら
れるとともに、この係合突片281の反対位置に、接続
板23が回転基準位置と正面撮像位置とに設定されたと
き、回転支持部材27の支持部271に設けられた小溝
274a〜274cに没入してクリック感を与える突部
282が設けられている。また、筒状体の上記突部28
2が設けられた側面に、断面コ字型の配線保持部283
が形成されている。この配線保持部283は、カメラ本
体部2から回転支持部材27の孔273、摺動リング2
6のリング部261及び補強板25の貫通孔251を通
して接続板23に配線される信号線路の案内と保持とを
行なうものである。
【0069】クリック部材28の貫通孔284には一方
端の近傍位置に段差284aが設けられ、貫通孔284
に嵌入されたネジ31を接続板23の雌ネジ部236に
螺合してクリック部材28と接続板23とが固着される
ようになっている。
【0070】上記構成において、凹部235に基板24
が配設され、補強板25が取り付けられた接続板23
は、リング部261に雌ネジ部236を貫通させ、か
つ、係合突起264を係合孔252に係合させて摺動リ
ング26が取り付けられ、更に、この状態で支持部27
1のガイドピン275が溝263を貫通するように摺動
リング26のリング部261を孔273に嵌入して、回
転支持部材27の外側面に取り付けられる。
【0071】そして、回転支持部材27の内側面に、係
合突片281を孔273を通して摺動リング26の切欠
261Aに係合するとともに、突部282を支持部27
1の縁部274の外周面に当接させ、この状態で、貫通
孔284にネジ31を挿入し、このネジ31を接続板2
3の雌ネジ部236に螺合してクリック部28と接続板
23とが回転支持部材27に対して一体回転可能に固着
され、これにより接続板ユニットが完成する。そして、
この接続板ユニットは、正面から見てカメラ本体部2の
右側面に、回転支持部材27の取付部272,272′
の両隅部をネジ止めして取り付けられる。
【0072】接続板ユニットをカメラ本体部2の右側面
に取り付けた状態で、接続板23が回転基準位置にある
ときは、上記のようにスイッチ29がオフ状態となるの
で、撮像部3を回転基準位置に設定することによりメイ
ン電源が自動的にオフになり、撮像部3を回転基準位置
以外に設定することによりメイン電源が自動的にオンに
なる。
【0073】撮像部3を回転基準位置から回転させる
と、接続板23、摺動リング26及びクリック部材28
が一体回転し、回転基準位置から±90°回転した位置
に至ると、クリック部材28の突部282が回転支持部
材27の小溝274a又は小溝274bに没入して撮像
部3がその位置に保持される。
【0074】このように、回転基準位置及び±90°回
転した位置では撮像部3の自由な回転を停止させ、その
停止状態を保持させるようにしているので、保管時や正
面撮像位置でのセルフタイマ撮影でデジタルカメラ1の
姿勢を安定に保つことができる。
【0075】また、撮像部3が正面撮像位置に回転した
ときは、上記のようにスイッチ30からオフ信号が出力
されるので、このオフ信号により撮像部3の撮像方向が
内蔵フラッシュ5の発光方向に一致していることが検出
される。スイッチ30からの出力信号は、後述するよう
に、デジタルカメラ1の内蔵フラッシュ5の発光制御に
使用され、スイッチ30からオフ信号が出力されると
(すなわち、撮像部3の撮像方向が内蔵フラッシュ5の
発光方向にセットされると)、内蔵フラッシュ5の発光
が許可され、オン信号が出力されると(すなわち、撮像
部3の撮像方向が内蔵フラッシュ5の発光方向と異なる
方向にセットされると)、内蔵フラッシュ5の発光が禁
止される。
【0076】撮像部3が正面撮像位置に設定されていな
いとき、内蔵フラッシュ5の発光を強制的に禁止するの
は、本実施の形態ではカメラ本体部2に内蔵フラッシュ
5がを設けられているので、撮像方向とフラッシュの発
光方向とが一致していないときは、撮像される範囲とフ
ラッシュが照射される範囲とがずれてしまうので、撮影
範囲内の被写体をむらなくフラッシュ光で照射すること
ができず、好適なフラッシュ撮影を行なうことができな
くなるからである。
【0077】撮像部3が回転基準位置から±90°を越
えて所定の角度α°回転されると、回転支持部材27の
ガイドピン275が摺動リング26の溝263の両端に
当接して接続板23の回転動作が規制され、これにより
撮像部3は回転基準位置±(90+α)°の範囲で回転
可能となる。
【0078】なお、本実施の形態では、撮像部3をカメ
ラ本体部2の右側面に取り付けているが、カメラ本体部
2の左側面に取り付けるようにしてもよい。
【0079】ところで、上述の説明は、撮像部3が直
接、カメラ本体部2に装着される場合の構成であった
が、撮像部3は、専用の接続ケーブルを介してカメラ本
体部2に接続することができる。
【0080】図18は、接続部3をカメラ本体部2に接
続するための接続ケーブルの外観図である。
【0081】接続ケーブル32は、1m乃至数mのケー
ブル長を有するケーブル321の一方端に接続板23と
同一の接続構造を有する接続部322が設けられ、他方
端に撮像部3の装着部3Bと同一の接続構造を有する接
続部323を設けられたものである。装着部3の装着部
3Bに接続される接続部322と接続板23に接続され
る接続部323の内部には、図19に示すように、撮像
信号の線路上に、それぞれバッファアンプ33と、例え
ばゲイン6dBの増幅回路34とが設けられている。バ
ッファアンプ33と増幅回路34とは、カメラ本体部2
から撮像部3に電源を供給するための電源ラインにより
駆動電源が供給されるようになっている。なお、抵抗R
1,R2は、インピーダンスマッチング用の抵抗であ
る。
【0082】バッファアンプ33は、撮像部3の出力の
インピーダンス変換を行なってケーブル321を伝送す
る間の撮像信号の波形歪みを低減するものであり、増幅
回路34は、インピーダンス整合による撮像信号の減衰
を補償するものである。すなわち、バッファアンプ33
を設けなかった場合、図20(a)(c)に示すよう
に、ケーブル321の出力端における撮像信号SG2は、
ケーブル321の入力端における撮像信号SG1に比して
著しく波形が歪み、減衰したものとなるが、バッファア
ンプ33及び増幅回路34を設けることにより、上記波
形歪みが低減されるとともに、レベル低下が補償される
ので、ケーブル321の出力端における撮像信号を、同
図(b)のSG2′のように改善することができる。これ
によりカメラ本体部2内における撮像信号のA/D変換
その他の信号処理を容易かつ正確にし、撮像画像の画質
低下を防止するようにしている。
【0083】なお、バッファアンプ33及び増幅回路3
4のいずれか一方若しくは両方をそれぞれ撮像部3とカ
メラ本体部2の内部に設けるようにしてもよいが、この
場合は、撮像部3及びカメラ本体部2内の回路構成が増
大するとともに、接続ケーブルの有無に関係なくバッフ
ァアンプ33及び増幅回路34に電源が供給され、不必
要に電力が消費されるので、好ましくは、本実施の形態
のように、接続ケーブル内に設けるほうがよい。
【0084】図21は、デジタルカメラ1のブロック図
である。
【0085】同図は、カメラ本体部2と撮像部3とを接
続ケーブル32により接続した場合のブロック図であ
る。同図において、図1〜図9に示した部材と同一部材
には同一の番号を付している。
【0086】撮像部3内のマクロズームレンズ301に
は開口量が固定された絞り部材(固定絞り)が設けられ
ている。また、信号処理回路313及びタイミングジェ
ネレータ(T・G)314は、上記撮像回路34の構成
要素である。CCDエリアセンサ303(以下、CCD
303と略称する。)は、CCDカラーエリアセンサか
らなる撮像素子で、マクロズームレンズ301により結
像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B
(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信
号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タ
イミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を
制御するための各種のタイミングパルスを生成するもの
である。
【0087】撮像部3における露出制御は、絞りが固定
絞りとなっているので、CCD303の露光量、すなわ
ち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄
積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に
適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD
303から出力される画像信号のレベル調整を行なうこ
とにより露光不足による不適正露出が補正される。すな
わち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを
組み合わせて露出制御が行なわれる。画像信号のレベル
調整は、後述する信号処理回路313内のAGC回路の
ゲイン調整において行なわれる。
【0088】タイミングジェネレータ314は、カメラ
本体部2から接続ケーブル32若しくは接続板23を介
して送信される基準クロックCLK0に基づきCCD3
03の駆動制御信号を生成するものである。タイミング
ジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開
始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出
制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)
等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0089】信号処理回路313は、CCD303から
出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ
信号処理を施すものである。信号処理回路313は、C
DS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲ
インコントロール)回路とを有し、CDS回路により画
像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路のゲインを
調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。な
お、AGC回路のゲインは、制御部211により接続ケ
ーブル32若しくは接続板23を介して自動設定され
る。
【0090】調光回路304は、フラッシュ撮影におけ
る内蔵フラッシュ5の発光量を制御部211により接続
ケーブル32若しくは接続板23を介して設定された所
定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影にお
いては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の
反射光が調光センサ305により受光され、この受光量
が所定の発光量に達すると、調光回路304から接続ケ
ーブル32若しくは接続板23を介してカメラ本体部2
内に設けられたFL制御回路214に発光停止信号ST
Pが出力される。FL制御回路214は、この発光停止
信号STPに応答して内蔵フラッシュ5の発光を強制的
に停止し、これにより内蔵フラッシュ5の発光量が所定
の発光量に制御される。
【0091】スイッチSMACROは、マクロズームレンズ
301がマクロレンズに切り換えられたことを検出する
スイッチである。スイッチSMACROは、ズームレバー3
06がマクロ位置PMに設定されると、オンになる。
【0092】スイッチSMAINは、デジタルカメラ1の電
源スイッチで、上記スイッチ29に相当するものであ
る。スイッチSMAINは、撮像部3が回転基準位置に設定
されているとき、オフになり、撮像部3が回転基準位置
以外の位置に設定されているとき、オンになる。
【0093】また、スイッチSCPOSは、撮像部3が正面
撮像位置に設定されていることを検出するスイッチで、
上記スイッチ30に相当するものである。スイッチS
CPOSは、撮像部3が正面撮像位置に設定されると、オン
になる。スイッチSMAIN,SMACRO,SCPOSの検出信号
は接続ケーブル32若しくは接続板23を介して制御部
211に入力される。
【0094】接続ケーブル32には、接地された接続端
子f1が設けられている。この接続端子f1は、制御部
211に接続ケーブル32の接続信号を入力するための
ものである。すなわち、制御部211の接続端子f1が
接続される端子dは、制御部211に電源が供給される
と、ハイレベルに設定されるようになされ、カメラ本体
部2に接続ケーブル32が接続されると、ローレベルの
接続信号が入力される。制御部211は端子dのローレ
ベル状態により接続ケーブル32の接続を識別する。
【0095】カメラ本体部2内において、A/D変換器
205は、撮像部3から接続ケーブル32を介して入力
された画像信号の各画素信号を10ビットのデジタル信
号に変換するものである。A/D変換器205は、A/
Dクロック発生回路203から入力されるA/D変換用
のクロックCLK2に基づいて各画素信号(アナログ信
号)を10ビットのデジタル信号に変換する。
【0096】カメラ本体部2内には、基準クロックCL
K0を発生する基準クロック発生回路201、タイミン
グジェネレータ314に対するクロックCLK1を生成
するT・Gクロック発生回路202及びA/D変換器2
05に対するクロックCLK2を生成するA/Dクロッ
ク発生回路203が設けられている。更に、A/Dクロ
ック発生回路203は内部に遅延回路204を備えてい
る。
【0097】基準クロック発生回路201、T・Gクロ
ック発生回路202及びA/Dクロック発生回路203
の駆動は、制御部211により制御される。T・Gクロ
ック発生回路202は、基準クロックCLK0に基づき
クロックCLK1を生成し、このクックCLK1を接続
板23若しくは接続ケーブル32を介して撮像部3内の
タイミングジェネレータ314に出力する。
【0098】また、A/Dクロック発生回路203は、
撮像部3が接続板23を介してカメラ本体部2に接続さ
れているときは、基準クロックCLK0に基づきA/D
変換用のクロックCLK2を生成し、このクロックCL
K2をA/D変換器205に出力し、撮像部3が接続ケ
ーブル32を介してカメラ本体部2に接続されていると
きは、A/Dクロック発生回路203により基準クロッ
クCLK0に基づきクロックCLK2より所定時間Δt
だけ遅延したクロックCLK2′を生成し、このクロッ
クCLK2′をA/D変換器205に出力する。接続ケ
ーブル32の有無の情報は、制御部211からA/Dク
ロック発生回路203に入力され、A/Dクロック発生
回路203は、この情報に基づきクロックCLK2又は
CLK2′のいずれかを生成する。
【0099】上記遅延時間Δtは、接続ケーブル32が
ない場合のA/D変換器205に入力される画像信号S
G2(撮像部3から出力される画像信号SG1と略同一の信
号)と接続ケーブル32がある場合のA/D変換器20
5に入力される画像信号SG2′と位相差に相当する時間
である。この遅延時間Δtは、接続ケーブル32の長さ
が一定であれば、一定であるので、遅延回路204に予
め設定されている。
【0100】従って、撮像部3が接続ケーブル32を介
してカメラ本体部2に接続されているとき、図22に示
すように、接続ケーブル32がない場合のA/D変換器
205に入力される画像信号SG2と接続ケーブル32が
ある場合のA/D変換器205に入力される画像信号S
G2′との間には位相差θが生じるが、クロックCLK
2′をクロックCLK2よりθだけ遅延させて画像信号
G2′の各画素信号に同期させるようにしているので、
画像信号SG2のA/D変換を正確かつ確実に行なうこと
ができるようなっている。
【0101】なお、図22において、g(i)(i=1,
2,…)は、画像信号を構成する各画像信号を示してい
る。また、A/D変換はクロックCLK2,CLK2′
の立上りタイミングで行なわれ、クロックCLK2,C
LK2′は、立上りタイミングが各画素信号g(i)の略
中央となるようにA/D変換器205に入力される。
【0102】本実施の形態は、ケーブル長が1種類の場
合のものであるが、長さの異なる複数の接続ケーブル3
2が用意されている場合は、各接続ケーブル32毎に位
相差θが異なるので、各接続ケーブル32に対応する複
数の遅延時間Δtを遅延回路204に記憶しておき、接
続された接続ケーブル32に応じて遅延回路204の遅
延時間Δtを選択的に設定するようにするとよい。この
場合、各接続ケーブル32に一部若しくは全てが接地さ
れた2個以上の接続端子f1,f2,…を設け、接続端
子f1,f2,…の接地情報から接続された接続ケーブ
ル32の種類を識別し、遅延回路204の遅延時間Δt
を接続された接続ケーブル32に対応する所定の時間に
自動設定するようにするとよい。例えば2個の接続端子
f1,f2を設けた場合、接続端子(f1,f2)の接
地側を「1」,開放側を「0」で表すと、(f1,f
2)=(1,0)、(0,1)、(1,1)の3種類の
組み合わせが考えられるから、接続端子(f1,f2)
の接地情報から長さの異なる3種類の接続ケーブル32
を識別し、接続端子(f1,f2)の接地情報に基づき
使用された接続ケーブル32に対応する遅延時間Δtを
自動設定することができる。
【0103】また、本実施の形態では、クロックCLK
2を遅延してクロックCLK2′を生成するようにして
いたが、クロックCLK2の位相をシフトしてクロック
CLK2′を生成するようにしてもよく、基準クロック
CLK0の分周タイミングを制御してクロックCLK
2′を直接、生成するようにしてもよい。
【0104】黒レベル補正回路206は、A/D変換さ
れた画素信号(以下、画素データという。)の黒レベル
を基準の黒レベルに補正するものである。また、WB回
路207は、γ補正後にホワイトバランスも合わせて調
整されるように、R,G,Bの各色成分の画素データの
レベル変換を行なうものである。WB回路207は、制
御部211から入力される、例えば図23に示す特性を
有するレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成
分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換
テーブルの各色成分の変換係数(特性の傾き)は制御部
211により撮影画像毎に設定される。
【0105】γ補正回路208は、画素データのγ特性
を補正するものである。γ補正回路208は、図24に
示すように、γ特性の異なる6種類のγ補正テーブルを
有し、後述する撮影シーンや撮影条件に応じて所定のγ
補正テーブルにより画素データのγ補正を行なう。な
お、このγ補正処理において、10ビットの画素データ
は、8ビット(256階調)の画素データに変換され
る。γ補正処理前の画像データを10ビットデータとし
ているのは、非線形性の強いγ特性でγ補正を行なった
場合の画質劣化を防止するためである。
【0106】また、R,G,Bの各色成分の画像データ
はWB回路207で所定のレベル変換が行なわれてお
り、これらの画像データをそれぞれ上記γ補正テーブル
でγ補正することによりγ補正とWB調整とが同時に行
なわれる。
【0107】図24において、特性は、γ=0.45
のγ特性であり、撮像画像をLCD表示部10(γ=
2.2のγ特性を有する)に表示する際の画像処理に適
用されるものである。LCD表示部10は、ビューフィ
ンダーとしての機能を有し、デジタルカメラ1がレリー
ズの待機状態にあるときは、ビデオカメラと同様にCC
D303により1/30(秒)毎に被写体が撮像され、
この撮像画像が順次、LCD表示部10にモニタ表示さ
れるようになっている。かかるモニタ表示における撮像
画像の画像処理においては、特性によりγ補正を行
い、モニタ画像の画質が好適となるようにしている。
【0108】特性は、γ=0.55のγ特性であり、
主として中輝度、順光の標準的な撮影シーンの撮影画像
をICカード18に記録する際の画像処理に適用される
ものである。本デジタルカメラ1は、パーソナルコンピ
ュータ19が外部接続可能になされ、ICカード18に
記録された撮像画像は、通常、パーソナルコンピュータ
19を介してモニタテレビ(γ=1.8のγ特性を有す
る)に再生表示されると考えられるから、レリーズによ
りICカード18への記録が指示された撮像画像につい
ては、特性によりγ補正を行い、モニタテレビに再生
された画像の画質が好適となるようにしている。
【0109】特性〜も撮像画像をICカード18に
記録する際の画像処理に適用されるものであるが、撮影
シーンや撮影条件に応じて撮像画像の画質をより好適に
するために用意されているものである。
【0110】特性は、特性よりもγ値を小さくした
ものであり、特性は、特性の暗黒部におけるγの傾
斜を大きくしたものである。また、特性は、γ特性の
入力レベルを「高(明)」「中」,「低(暗)」の3つ
の領域に分けた場合、特性の「低」レベル領域におけ
るγの傾斜を大きくしたものであり、特性は、「中」
レベル領域から「高」レベル領域を特性よりも圧縮し
て「低」レベル領域におけるγの傾斜を特性より大き
くしたものである。
【0111】特性でγ補正が行なわれた撮像画像をモ
ニタテレビに再生した場合の画質を基準に特性〜で
γ補正が行なわれた撮像画像をモニタテレビに再生した
場合の画質を比較すると、撮像画像を特性でγ補正し
た場合は、撮像画像を特性でγ補正した場合よりも再
生画像の画質は軟調となり、コントラストの弱いソフト
な画像となるが、ハイライト部分の描写性が高い画像と
なる。
【0112】また、撮像画像を特性でγ補正した場合
は、撮影画像の暗黒部分が圧縮されるので、特性でγ
補正した場合に比してコントラストはあまり変わらない
が、暗黒部の引き締まった画像が得られる。低輝度シー
ンにおいて、ゲインコントロールにより露出制御が行な
われた場合は、全体的に暗いザラついた画像となり、見
辛くなるので、特性により暗黒部を引き締めることに
よりかかる画質の劣化を抑制することができる。
【0113】撮像画像を特性でγ補正した場合は、撮
像画像を特性でγ補正した場合よりもコントラストは
弱くなるが、「中」レベル及び「低(暗)」レベル領域
における変換レベルのレンジが広くなるので、撮像画像
のハイライト部の階調再現が良好になる。
【0114】撮像画像を特性でγ補正した場合は、撮
像画像を特性でγ補正した場合よりもコントラストが
強く、しかも暗部の引き締まった画像が得られる。
【0115】図21に戻り、画像メモリ209は、γ補
正回路208から出力される画素データを記憶するメモ
リである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容
量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CC
D303がn行m列の画素を有している場合、n×m画
素分の画素データの記憶容量を有し、図25に示すよう
に、各画素データG(i,j)(i=1,2…n、1,
2,…m)が対応する画素位置(i,j)に記憶される
ようになっている。
【0116】画像メモリ210は、LCD表示部10に
再生表示される画像データのバッファメモリである。画
像メモリ210は、LCD表示部10の画素数に対応し
た画像データの記憶容量を有している。
【0117】撮影待機状態においては、撮像部3により
1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素データがA
/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号
処理を施された後、画像メモリ209に記憶されるとと
もに、制御部211を介して画像メモリ210に転送さ
れ、LCD表示部10に表示される。これにより撮影者
はLCD表示部10に表示された画像により被写体像を
視認することができる。また、再生モードにおいては、
ICカード18から読み出された画像が制御部211で
所定の信号処理が施された後、画像メモリ210に転送
され、LCD表示部10に再生表示される。
【0118】カードI/F212は、ICカード18へ
の画像データの書込み及び画像データの読出しを行なう
ためのインターフィースである。また、通信用I/F2
13は、パーソナルコンピュータ19を通信可能に外部
接続するための、例えばRS−232C規格に準拠した
インターフェースである。
【0119】FL制御回路214は、内蔵フラッシュ5
の発光を制御する回路である。FL制御回路214は、
制御部211の制御信号に基づき内蔵フラッシュ5の発
光の有無、発光量及び発光タイミング等を制御し、調光
回路304から接続ケーブル32若しくは接続板23を
介して入力される発光停止信号STPに基づき内蔵フラ
ッシュ5の発光量を制御する。
【0120】スイッチSUP、スイッチSDOWN及びスイッ
チSDELは、それぞれUPスイッチ6、DOWNスイッ
チ7、消去スイッチ8に相当するスイッチである。ま
た、スイッチSRELは、シャッタボタン9のレリーズ操
作を検出するスイッチであり、スイッチSFL、スイッチ
COMP及びスイッチSP/Rは、それぞれFLモード設定
スイッチ11、圧縮率設定スイッチ12、撮影/再生モ
ード設定スイッチ14に相当するスイッチである。
【0121】制御部211は、マイクロコンピュータか
らなり、上述した撮像部3内及びカメラ本体部2内の各
部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の撮影
動作を統括制御するものである。
【0122】また、制御部211は、露出制御値(シャ
ッタスピード(SS))を設定するための輝度判定部2
11aとシャッタスピード設定部211bとを備えてい
る。
【0123】輝度判定部211aは、撮影待機状態にお
いて、CCD303により1/30(秒)毎に取り込ま
れる画像を利用して被写体の明るさを判定するものであ
る。すなわち、輝度判定部211aは、画像メモリ20
9に更新的に記憶される画像データを用いて被写体の明
るさを判定するものである。
【0124】輝度判定部211aは、図25に示すよう
に、画像メモリ209の記憶エリアを9個のブロックB
(1),B(2),…B(9)に分割し、各ブロックB(i)(i=
1,2,…9)に含まれるG(緑)の色成分の画素デー
タGG(k,h)を用いて各ブロックB(i)(i=1,
2,…9)を代表する輝度データBV(i)を算出する。
【0125】具体的には、G(緑)の色成分の画素デー
タGG(k,h)の平均値を算出することにより各ブロ
ックB(i)の輝度データBV(i)が算出される。例
えばブロックB(1)の場合、下記(1)式で輝度デー
タBV(1)が算出される。
【0126】
【数1】
【0127】そして、9個の輝度データBV(i)を用い
て被写体の明るさを判定する。なお、輝度データBV
(i)に基づく被写体の明るさ判定の詳細は、後述する。
【0128】なお、R,G,Bの各色成分の画素データ
R(k,h),GG(k,h),GB(k,h)を用い
て各ブロックB(i)(i=1,2,…9)を代表する輝
度データBV(i)を算出するようにしてもよい。すなわ
ち、各画素位置(k,h)のR,G,Bの各色成分の画
素データGR,GG,GBを所定の比率(例えばGR
G:GB=4:5:1)で加算してその画素位置(k,
h)の輝度データBV(k,h)(=0.4GR+0.
5GG+0.1GB)を算出し、これらの輝度データBV
(k,h)の平均値を算出することにより各ブロックB
(i)の輝度データBV(i)を算出するようにしてもよい。
【0129】シャッタスピード設定部211bは、輝度
判定部211aによる被写体の明るさの判定結果に基づ
いてシャッタスピード(CCD303の積分時間)を設
定するものである。シャッタスピード設定部211b
は、下記表1に示すシャッタスピードSSのテーブルを
有している。
【0130】
【表1】
【0131】シャッタスピードSSは、カメラ起動時に
1/128(秒)に初期設定され、撮影待機状態におい
て、シャッタスピード設定部211bは、輝度判定部2
11aによる被写体の明るさの判定結果に応じて初期値
から高速側若しくは低速側に1段ずつ変更設定する。
【0132】この結果、最初、1/128(秒)のシャ
ッタスピードで撮像された画像に基づき判定された被写
体の明るさが、例えば明かる過ぎるときは、シャッタス
ピードSSを1段分高速にして(すなわち、1/144
(秒)に設定して)次の画像が撮像され、再度、この画
像に基づき被写体の明るさが判定される。そして、この
判定結果が、例えば未だ明かる過ぎるときは、シャッタ
スピードSSを更に1段分高速にして(すなわち、1/
161(秒)に設定して)次の画像が撮像され、以下、
被写体の明るさ判定とシャッタスピードSSの再設定と
が交互に繰り返されてある時間経過後には適切なシャッ
タスピードSSが設定される。
【0133】また、制御部211は、撮影シーンに応じ
て適切なシャッタスピードSSの設定、γ補正、フィル
タリング補正(後述)を行なうために、「低輝度シー
ン」、「中輝度通常シーン」、「中輝度逆光シーン」及
び「高輝度シーン」の4種類の撮影シーンを判定するシ
ーン判定部211cを備えている。「低輝度シーン」
は、室内撮影や夜間撮影のように、通常、フラッシュに
よる補助光を必要とするシーンであり、「中輝度通常シ
ーン」は、主被写体に対する照明光(自然光、人工光を
含む)が順光で、かつ、その明るさが適当であるため補
助光無しで撮影可能なシーンである。また、「中輝度逆
光シーン」は、全体的な明るさは適当であるが、主被写
体に対する照明光が逆光のため、フラッシュ発光が好ま
しいシーンであり、「高輝度シーン」は、例えば晴天の
海やスキー場での撮影のように全体的に非常に明かるい
シーンである。
【0134】低輝度、中輝度及び高輝度の輝度判定は、
レリーズ直前に設定されているシャッタスピードSSに
基づいて行なわれる。また、逆光判定は、撮影画面中央
のブロックB(5)の輝度データBV(5)とその周辺のブロ
ックB(1)〜B(4),B(6)〜B(9)の輝度データBV(1)
〜BV(4),BV(6)〜BV(9)とを比較して行なわれ
る。具体的には、ブロックB(5)の輝度データBV(5)を
撮影画面中央の輝度データBV1とし、周辺ブックB
(1)〜B(4),B(6)〜B(9)の濃度データBV(1)〜BV
(4),BV(6)〜BV(9)の平均値を撮影画面周辺の輝度
データBV2(={BV(1)+…BV(4)+BV(6)+…
BV(9)}/8)とし、両輝度データの輝度差ΔBV
(=BV2−BV1)が所定の閾値レベル(たとえば2
56階調の場合、レベル差50)より大きいとき、逆光
と判定される。判定された撮影シーンの情報は、例えば
フラグ形式でメモリ211dに記憶される。
【0135】更に、制御部211は、撮像画像が風景や
人物等の通常の写真撮影の画像(以下、この種の撮影画
像を自然画という。)であるか、ボードに描かれた文
字、図表等の画像(以下、この種の2値画像に類似した
画像を文字画という。)であるかを判定する画像判定部
211eを備えている。
【0136】画像判定部211eは、画像メモリ209
に記憶された撮像画像を構成する画素データに基づき各
画素位置の輝度データBV(i,j)のヒストグラムを
作成し、このヒストグラムに基づき撮像画像の内容を判
定する。一般に、撮像画像の輝度データBV(i,j)
(i=1,2,…n、j=1,2,…m)のヒストグラ
ムは、自然画の場合は、輝度分布の偏りが少なく、図2
6の点線で示す1つのピーク値を有する、いわゆる1山
分布となるが、例えばホワイトボードに描かれた文字
のような文字画の場合は、白地部分と黒の文字部分とに
それぞれ輝度分布の偏りが見られ、図26の実線で示す
2山分布となる。従って、画像判定部211eは、撮
像画像の輝度データBV(i,j)のヒストグラムが1
山分布であるか、2山分布であるかを判別することによ
り撮像画像が自然画であるか、文字画であるかを判別す
る。そして、この判定結果もメモリ211dに記憶され
る。なお、画像判定の詳細は、後述する。
【0137】制御部211は、撮影モードにおいて、シ
ャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後
に画像メモリ209に取り込まれた画像のサムネイル画
像と圧縮率設定スイッチ12で設定された圧縮率Kによ
りJPEG(Joint Photographic Coding Experts Grou
p)方式により圧縮された圧縮画像とを生成し、撮影画
像に関するインデックス情報(コマ番号、露出値、シャ
ッタスピード、圧縮率K等の情報)とともに両画像をI
Cカード18に記憶する。
【0138】ICカード18の記憶領域は、図27に示
すように、主にTAGエリアAR1、サムネイル画像エ
リアAR2及び本画像エリアAR3の3つの領域に分割
されている。TAGエリアAR1、サムネイル画像エリ
アAR2及び本画像エリアAR3には、それぞれ各コマ
の撮影画像に関するインデックス情報とサムネイル画像
と圧縮画像とが記録される。
【0139】なお、サムネイル画像は、撮影画像の画素
データを間引いて分解能を粗くした小画像である。例え
ば撮影画像を構成する画素データの総数を480×64
0個とすると、サムネイル画像は、縦横両方に画素数を
1/8に削減して生成される。従って、サムネイル画像
を構成する画素数は、元の撮影画像の1/64となる。
なお、実際にICカード18に記録されるデータ数で
は、元の撮影画像が圧縮されるので、サムネイル画像の
データ数は、圧縮画像の1/64とはならない。例えば
圧縮率K=1/8の場合、サムネイル画像のデータ数
は、圧縮画像の1/8(=8/64)となり、圧縮率K
=1/20の場合、サムネイル画像のデータ数は、圧縮
画像の1/3.2(=20/64)となる。
【0140】制御部211は、上記撮影画像の記録処理
を行なうために、フィルタリング処理を行なうフィルタ
部211fとサムネイル画像及び圧縮画像を生成する記
録画像生成部211gとを備え、ICカード18に記録
された画像をLCD表示部10に再生するために、再生
画像を生成する再生画像生成部211hを備えている。
【0141】フィルタ部211fは、デジタルフィルタ
により記録すべき画像の高周波成分を補正して輪郭に関
する画質の補正を行なうものである。フィルタ部211
fは、圧縮率K=1/8,1/20のそれぞれについ
て、標準的な輪郭補正を行うデジタルフィルタと、この
標準的な輪郭補正に対して、輪郭を強める2種類のデジ
タルフィルタと輪郭を弱める2種類のデジタルフィルタ
の合計5種類のデジタルフィルタを備えている。
【0142】なお、圧縮率K=1/8,1/20のそれ
ぞれについて上記5種類のデジタルフィルタを用意して
いるのは、JPEG方式は非可逆変換のため、圧縮率k
=1/20の再生画像は圧縮率K=1/8の再生画像に
比して高周波成分が少なくなり、若干、ピンボケ状態の
画像となるので、同一のフィルタ係数を有するデジタル
フィルタでフィルタリングを行った場合、圧縮率k=1
/20の再生画像に縞模様が出るおそれがあるので、か
かる弊害を防止するためである。
【0143】圧縮率K=1/8の場合の各画素データG
(i,j)のフィルタリング処理は、下記(2)式によ
り行われ、圧縮率K=1/20の場合の各画素データG
(i,j)のフィルタリング処理は、下記(3)式によ
り行われる。なお、下記(2)式,(3)式において、
A11〜A21はフィルタ係数である。
【0144】
【数2】
【0145】図28に、撮像部3が接続板23を介して
カメラ本体部2に接続されている場合の圧縮率K=1/
8における具体的なフィルタ演算式の一例を示し、図2
9に、同条件の場合の圧縮率K=1/20における具体
的なフィルタ演算式の一例を示す。
【0146】両図において、5×5のマトリックスは、
図30に示すように、画素位置(i,j)を中心とした
周辺24個の画素位置を表すとともに、各マトリックス
内に各画素データに対するA1〜A21の係数を表し、
上記(2)式及び(3)式における{}内の加算演算を
行うことを示している。また、()内の分数の分母は上
記(2)式及び(3)式における数値Bに対応してい
る。
【0147】また、両図において、(a)は標準的な輪
郭強調補正の場合、(b)は(a)に対して輪郭強調を
1段階弱める場合、(c)は(a)に対して輪郭強調を
2段階弱める場合、(d)は(a)に対して輪郭強調を
1段階強める場合、(e)は(a)に対して輪郭強調を
2段階強める場合、のフィルタ演算式である。
【0148】なお、撮像部3が接続ケーブル32を介し
てカメラ本体部2に接続されている場合は、接続ケーブ
ル32を伝送する間の画素データの劣化を考慮して、図
28及び図29において、係数A4,A8をこの係数A
4,A8から「1」をひいた係数A4′(=A4−
1),A8′(=A8−1)に修正するとともに、除数
Bをこの除数Bから「2」を引いた除数B′(=B−
2)に修正した演算式が適用される。従って、撮像部3
が接続ケーブル32を介してカメラ本体部2に接続され
ている場合、例えば圧縮率k=1/8における標準的な
フィルタリング処理は、図31(a)に示すフィルタ演
算式により行なわれ、圧縮率k=1/20における標準
的なフィルタリング処理は、図31(b)に示すフィル
タ演算式により行なわれる。
【0149】記録画像生成部211gは、画像メモリ2
09から画素データを読み出してICカード18に記録
すべきサムネイル画像と圧縮画像とを生成する。記録画
像生成部211gは、画像メモリ209からラスタ走査
方向に走査しつつ、横方向と縦方向の両方向でそれぞれ
8画素毎に画素データを読み出し、順次、ICカード1
8のサムネイル画像エリアAR2に転送することで、サ
ムネイル画像を生成しつつICカード18に記録する。
【0150】また、記録画像生成部211gは、画像メ
モリ209から全画素データを読み出し、これらの画素
データに2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPE
G方式による所定の圧縮処理を施して圧縮画像の画像デ
ータを生成し、この圧縮画像データをICカード18の
本画像エリアAR3に記録する。なお、インデックス情
報は、図略のインデックス情報生成部により生成され、
サムネイル画像及び本画像の記録処理の前又は後にTA
GエリアAR1に記録される。
【0151】再生画像生成部211hは、ICカード1
8から画像データを読み出してLCD表示部10に再生
表示すべきサムネイル画像と本画像とを生成する。IC
カード18に記録された画像はモニタテレビ用のγ係数
(=0.55)でγ補正されているので、この記録画像
をそのままLCD表示部10に再生すると、上記γ係数
とLCD表示用のγ係数(=0.45)との不整合によ
りコントラストの強い堅調の画質となるため、再生画像
生成部211hは、サムネイル画像及び本画像の再生画
像を生成する際、再生画像のγ特性を再補正する。
【0152】すなわち、再生画像生成部211hは、I
Cカード18のサムネイル画像エリアAR2からラスタ
走査方向に走査しつつ読み出された画像データにγ=
0.82(=0.45/0.55)のγ特性でγ補正を
施した後、この画像データに基づいて横ライン単位で表
示用の画素データ(不足する画素データを補間した画素
データ)を生成し、順次、画像メモリ210に転送して
サムネイル画像のLCD表示部10への再生表示を行な
う。
【0153】また、再生画像生成部211hは、ICカ
ード18の本画像エリアAR3から読み出された圧縮画
像の画素データを横ライン単位で伸長して表示用の画素
データを生成し、この画素データにγ=0.82のγ特
性でγ補正を施した後、順次、画像メモリ210に転送
して本画像のLCD表示部10への再生表示を行なう。
【0154】ここで、撮影シーン及びフラッシュの発光
モードに応じた露出制御(シャッタスピード制御)、フ
ラッシュの調光制御、γ補正及びフィルタリング等の画
像補正制御について、下記表2及び表3を用いて説明す
る。
【0155】本実施の形態では、上述したように、撮影
シーンを「低輝度モード」、「中輝度通常シーン」、
「中輝度逆光シーン」及び「高輝度シーン」の4種類の
シーンに分類し、フラッシュの発光モードとして「自動
発光モード」、「発光禁止モード」及び「強制発光モー
ド」の3種類のモードを設けているので、撮影シーンと
フラッシュの発光モードとを組み合わせて想定し得る1
2種類の撮影条件に応じてシャッタスピード、フラッシ
ュの調光量、γ特性及びフィルタ特性等を設定するよう
にしている。
【0156】表2は、マクロ撮影でない通常の撮影にお
けるシャツスピード等の設定値を示し、表3は、マクロ
撮影(接写撮影)におけるシャツスピード等の設定値を
示している。なお、マクロ撮影においては、通常、主被
写体が逆光になることはほとんどないので、「中輝度逆
光シーン」は考慮していない。
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】表2,表3において、「Sスピード」の欄
はシャッタスピードSSの設定値を示している。1/3
0、1/512等は、表1に示すシャッタスピードSS
の値を示し、「適正値」は、LCD表示部10における
ファインダー表示において、レリーズ直接前に設定され
ているシャッタスピードを示している。また、(適正値
−ε(Ev))の表示は、適正値のシャッタスピードで
露光される露光量よりε(Ev)だけ露光量を小さくす
るように「適正値」のシャッタスピードを補正すること
を示している。この適正値に対する補正は、フィルムへ
の撮影における補正と同様の考え方で行なうものであ
る。
【0160】通常撮影の場合、低輝度シーンは被写体が
暗いので、フラッシュの発光の有無に関わらず、最長の
シャッタスピード(1/30(秒))が設定される。一
方、マクロ撮影の場合、フラッシュを発光しないとき
は、最長のシャッタスピード(1/30(秒))が設定
されるが、フラッシュを発光するときは、内蔵フラッシ
ュ5の発光量との関係で1/512(秒)のシャッタス
ピードSSが設定される。なお、通常撮影、マクロ撮影
のいずれにおいてもフラッシュを発光しない場合、シャ
ッタスピードだけでは露光不足となるときは、AGC回
路のゲインを調整して露光制御が行なわれる。
【0161】「FL調光」の欄は、内蔵フラッシュ5を
発光した際の調光量を示している。「適正値」は、被写
体輝度から算出される好適な調光量を示し、(適正値−
εEv)の表示は、その適正値よりε(Ev)だけ調光
量を小さくするように適正値を補正することを示してい
る。また、×印は、内蔵フラッシュ5の発光を行なわな
いことを示している。
【0162】「γ特性」の欄は、γ補正回路208にお
いて選択される図24のγ特性を示している。また、
「フィルタ」の欄は、フィルタ部211fにおいて選択
される図28及び図29に示すデジタルフィルタの特性
を示している。
【0163】表2における「γ特性」及び「フィルタ」
の欄の「X1/X2」の表示は、X1がフラッシュの調
光に成功した場合の特性を示し、X2がフラッシュの調
光に失敗した場合のγ特性を示している。「調光成功」
とは、CCD303の積分時間(すなわち、シャッタス
ピード)SS内に調光回路304から発光停止信号ST
Pが出力された場合のことであり、「調光失敗」とは、
上記積分時間SS内に調光回路304から発光停止信号
STPが出力されなかった場合のことである。
【0164】調光制御は、フラッシュの発光中にその発
光量が所定の光量に達したとき、発光を強制的に停止し
てフラッシュの光量を調整するものであるから、正常に
調光が行なわれる場合はCCD303の積分動作中に必
ず調光回路304から発光停止信号STPが出力され
る。従って、発光停止信号STPの出力タイミングによ
り調光制御の成功/失敗を判別するようにしている。
【0165】また、調光制御の成功又は失敗によりγ特
性及びフィルタ特性を変更しているのは、調光制御が失
敗した場合は、撮像画像が光量不足の画像(全体的に暗
い画像)となっているので、γ補正及びフィルタリング
処理によりフラッシュの光量不足に基づく画質劣化を補
正するためである。
【0166】例えば低輝度シーンで自動発光モード若し
くは強制発光モードにより内蔵フラッシュ5を発光した
場合、調光を失敗したときは、光量不足により全体的に
暗い輪郭の不明瞭な画像となるので、調光が成功したと
きよりもコントラストが強く、暗部を引き締めるような
γ特性を選択する一方、調光が成功したときよりも輪郭
強調を弱めるフィルタ特性を選択して、全体的に見やす
い画質にするようにしている。
【0167】また、中輝度逆光シーンで自動発光モード
若しくは強制発光モードにより内蔵フラッシュ5を発光
した場合、調光を失敗したときは、光量不足により主被
写体が黒っぽくなるとともに、背景に対する濃度バラン
スのアンバランスが強くなるので、背景のハイライト部
の再現性を保持しつつ背景と主被写体とのコントラスト
を弱めるように、γ特性とフィルタ特性とを変更して上
記画質の劣化を低減するようにしている。
【0168】中輝度通常シーンでは、標準的な撮影条件
となるので、標準的なγ特性が選択され、高輝度シー
ンでは、全体に明るい画像となるので、ハイライト部の
再現性を良好にするように、γ値の小さい特性により
γ補正が行なわれる。
【0169】一方、表3における「γ特性」の欄の「X
1/X2」の表示は、X1が自然画の被写体を撮影した
場合の特性を示し、X2が文字画の被写体を撮影をした
場合のγ特性を示している。文字画の場合は、文字や図
表の輪郭を強調して見易くするため、自然画よりもコン
トラストを強めるγ補正を行なうようにしたものであ
る。従って、マクロ撮影において、撮影画像が文字画の
場合は、図24の特性によりγ補正することによりコ
ントラストを強調するにようにしている。なお、マクロ
モードにおいて文字画と自然画とを識別するようにして
いるのは、文字画の被写体は、通常、近接して撮影され
ることが多いからである。
【0170】自然画の場合は、通常撮影の場合とほぼ同
様にγ特性が選択されるが、中輝度通常シーンの自動発
光モード及び発光禁止モードにおいては特性によりγ
補正される。マクロ撮影では、主被写体が大きく撮影さ
れ、通常撮影の場合に比して主被写体を構成する画素デ
ータの密度が高いので、暗黒部を引き締めて画像の鮮明
化を図るものである。また、低輝度シーンの発光禁止モ
ードにおいても特性によりγ補正される。この場合も
通常撮影の場合と同様に特性によりγ補正すると、コ
ントラストが強くなり過ぎ、却って画質が不自然となる
ので、特性により標準的なコントラストが得られるよ
うにしている。
【0171】フィルタ特性は、通常撮影では、低輝度シ
ーンを除いて標準的な特性が選択される。低輝度シーン
のフラッシュ撮影で、輪郭強調を弱めるようにしている
のは、γ補正でコントラストを強調するようにしている
ので、過度に堅調の画質とならないように、γ補正との
バランスを考慮したものである。また、マクロ撮影で
は、輪郭を強調するような特性が選択される。上記のよ
うにマクロ撮影画像は、通常撮影画像に比して主被写体
の解像度が高くなるので、輪郭強調を図って鮮明度の高
い画質が得られるようにするためである。
【0172】上記のように、本実施の形態では、撮影シ
ーン、フラッシュ発光の有無、フラッシュ発光量の適否
等の種々の条件、より具体的には被写体の照明を行なう
光線の状態に応じてγ補正、フィルタリング処理等の撮
像画像の画像処理の特性を極め細かく設定するようにし
ているので、好適な静止画の撮像画像を得ることができ
る。
【0173】次に、デジタルカメラ1の撮影モードにお
ける撮影制御について、図32〜図34に示すフローチ
ャートに従って説明する。
【0174】撮影制御は、主としてビューファインダ処
理(図32、#2〜#38)、撮影シーン判定処理(図
33、#40〜#54)、マクロ撮影における画像判定
処理(図33、#56〜#66)、露出制御(図34、
#68〜#88)及び画像処理(図34、#90〜#1
00)から構成されている。
【0175】ビューファインダ処理は、LCD表示部1
0に被写体像を表示して撮影内容を視認できるようにす
る処理である。ビューファインダ処理においては、好適
なシャッタスピードの調整も行なわれる。
【0176】撮影モードにおいては、まず、シャッタス
ピードSSが1/128(秒)に設定され(#2)、γ=
0.45のγ特性(図24の特性)が設定された後
(#4)、CCD303による露光が開始される(#
6)。そして、所定の露光時間(SS=1/128
(秒))が経過すると(#8でYES)、CCD303
で撮像された画像信号が読み出され(#10)、信号処
理回路313、A/D変換器205、WB回路D5及び
γ補正回路208により所定の画像処理が行なわれた後
(#12)、画像メモリ209に記憶される(#1
4)。画像メモリ209に記憶された画像データは、直
ちに、画像メモリ210に読み出され、LCD表示部1
0にモニタ表示される(#16)。
【0177】続いて、図25に示すように、撮像画像を
9個のブロックB(1)〜B(9)に分割し、各ブロックB
(i)(i=1,2,…9)毎にそのブロックを代表する
輝度データBV(i)が算出される。輝度データBV(i)
は、画像メモリ209からブロックB(i)に含まれるG
(緑)の色成分の画素データGG(k,h)を読み出
し、それらの画素データGG(k,h)の平均値を演算
することにより算出される。
【0178】続いて、各輝度データBV(i)を所定のハ
イレベルの閾値BVH(例えば、256階調で200)
と比較して閾値BVH以上の輝度データBV(i)を有する
ブロック数nHが算出される(#20)。また、各輝度
データBV(i)を所定のローレベルの閾値BVL(例え
ば、256階調で50)と比較して閾値BVL以下の輝
度データBV(i)を有するブロック数nLが算出される
(#22)。
【0179】続いて、ブロック数nH,nLがそれぞれ所
定のブロック数nR(例えば6個)以上であるか否かが
判別され(#24,#28)、nH≧nRであれば(#2
4でYES)、撮像画像が全体的に明るすぎる(露光オ
ーバーである)ので、シャッタスピードSSが1段小さ
い値に変更され(#26)、nL≧nRであれば(#28
でYES)、撮像画像が全体的に暗すぎる(露光アンダ
ーである)ので、シャッタスピードSSが1段大きい値
に変更される(#30)。例えば、最初のコマの撮像時
は、シャッタスピードSSが1/128(秒)に設定さ
れているので、nH≧nRであれば、シャッタスピードS
Sは1/144(秒)に変更され、nL≧nRであれば、
シャッタスピードSSは1/114(秒)に変更される
(表1参照)。
【0180】続いて、フラグFRELが「0」にリセッ
トされた後(#32)、#36に移行し、フラグFRE
Lのセット状態が判別される。
【0181】一方、nH<nR及びnL<nRであれば(#
24,#28でNO)、シャッタスピードSSは適正で
あるので、フラグFRELが「1」にセットされた後
(#34)、#36に移行し、フラグFRELのセット
状態が判別される。
【0182】そして、フラグFRELが「0」にリセッ
トされていれば(#36でNO)、シャッタスピードS
Sを適正値に設定すべく、#6に戻り、フラグFREL
が「1」にセットされていれば(#36でYES)、シ
ャッタスピードSSは適正値に設定されているので、更
に、シャッタボタン9が押され、レリーズスイッチS
RELがオンになっているか否かが判別され(#38)、
レリーズスイッチSRELがオフ状態であれば(#38で
NO)、#2に戻り、レリーズ待機状態となる(#2〜
#28,#34〜#38のループ)。
【0183】上記フラグFRELはレリーズの可否を示
すフラグで、「1」にセットされると、「レリーズ可」
を示し、「0」にリセットされると、「レリーズ不可」
を示す。シャッタスピードSSの変更処理を行なう場合
は、シャッタスピードが適正でない(すなわち、露出制
御値が不適切である)ので、レリーズを禁止するため、
フラグFELは「0」にリセットされる。
【0184】CCD303では、1/30(秒)毎にフ
レーム画像が取り込まれるので、各フレーム画像毎に上
記#2〜#38の処理を行ない、シャッタスピードSS
を初期値から1段ずつ増大若しくは減少してビューファ
インダ処理と同時にシャッタスピードSSの調整を行な
うようにしている。なお、#2〜#38のループ処理に
よりシャッタスピードSSが更新的に大きい値に変更さ
れ、1/30(秒)を越えるときは、シャッタスピード
SSは1/30(秒)に固定し、信号処理回路313内
のAGC回路のゲインを調整して露出制御値を調整する
ようにしている(#30)。
【0185】レリーズ待機状態において、シャッタボタ
ン9が押され、レリーズスイッチSRELがオンになると
(#38でYES)、露光に先立ち、まず、撮影シーン
判定処理が行なわれる(#40〜#54)。撮影シーン
判定処理は、撮影シーンが「低輝度」、「中輝度通
常」、「中輝度逆光」及び「高輝度」のいずれのシーン
であるかを判定するものである。
【0186】低輝度、中輝度及び高輝度のシーン判定
は、シャッタスピードSSの設定値により行なわれる。
すなわち、シャッタスピードSSが、SS<1/1000
(秒)、1/1000(秒)≦SS<1/30(秒)及びSS=1
/30(秒)のいずれの範囲に設定されているかが判別
され(#40,#42)、SS<1/1000(秒)であれば
(#40でYES)、「高輝度シーン」と判別され(#
44)、SS=1/30(秒)であれば、(#40でNO,
#42でYES)、「低輝度シーン」と判別され(#4
6)、それぞれその判定結果がメモリ211dに記憶さ
れる。
【0187】また、1/1000(秒)≦SS<1/30(秒)で
あれば(#40,#42でNO)、中輝度シーンと判定
され、更に、通常の順光シーンであるか、逆光シーンで
あるかの判定が行なわれる(#48〜#54)。すなわ
ち、周辺のブロックB(1)〜B(4),B(6)〜BV(9)の輝
度データBV(1)〜BV(4),BV(6)〜BV(9)の平均値
を演算することにより周辺部の輝度データBV2が算出
され(#48)、この輝度データBV1と中央部の輝度
データBV1として設定したブロックB(5)の輝度デー
タBV(5)との輝度差ΔBV(=BV2−BV1))が所
定の閾値BV0(例えば、256階調において階調差5
0)を越えているか否かが判別される(#50)。
【0188】そして、輝度差ΔBV>BV0であれば
(#50でYES)、周辺部が中央部より明るいので、
「中輝度逆光シーン」と判定され、輝度差ΔBV≦BV
0であれは(#508でNO)、中央部が周辺部より明
るいか若しくは両者の輝度差が少ないので、「中輝度通
常シーン」と判定され、これらの判定結果がメモリ21
1dに記憶される(#52,#54)。
【0189】撮影シーン判定処理が終了すると、スイッ
チSMACROがオン状態になっているか否かによりズーム
レバー304がマクロ位置PMに設定されているか否か
が判別され(#56)、マクロ位置PMに設定されてい
なければ(#56でNO)、#66に移行し、マクロ位
置に設定されていれば(#56でYES)、マクロ撮影
における画像判定処理が行なわれた後(#58〜#6
4)、#66に移行する。
【0190】画像判定処理は、被写体が自然画と文字画
のいずれであるかを判別する処理である。画像判定処理
では、図35に示す「ヒストグラム解析」のサブルーチ
ンにより、画像メモリ209に記憶されている撮影画像
の輝度分布が解析される。すなわち、画像メモリ209
からG(緑)の色成分の全画素データGG(i,j)
(i=1,2,…n、j=1,2,…m)が読み出さ
れ、これらの画素データGG(i,j)のヒストグラム
が作成される(#102)。ヒストグラムは、例えば画
素データGGの階級を1≦GG≦99、100≦GG≦1
49及び150≦GG≦255の3種類に分類し、各階
給の度数を算出することにより作成される。
【0191】続いて、1≦GG≦99、100≦GG≦1
49及び150≦GG≦255の各階級をそれぞれ「レ
ベルA」、「レベルB」、「レベルC」とすると、レベ
ルBの画素数nBの全画素数nTに対する割合PB(=100
・nB/nT)(%)が算出される(#104)。更に、
レベルA及びレベルCの画素データについてそれぞれ尤
度EA,ECが算出される(#106,#108)。な
お、尤度EAは、レベルAに属する画素データをGG(r)
(r=1,2,…N)、GG(r)の平均値をGGAVEとする
と、下記数(4)式で算出される。また、尤度ECも尤
度EAと同様の演算方法で算出される。
【0192】
【数3】
【0193】続いて、レベルBの画素データの割合PB
が50%以下であるか否かが判別され(#110)、P
B>50%であれば(#110でNO)、撮像画像の輝
度分布のピークは略中央部に位置し、分布の形状は図2
6のに示す「1山分布」と推定されるので、フラグF
BNPを「0」にリセットして(#118)、リターン
する。なお、フラグFBNPは輝度分布の形状を示すフ
ラグで、輝度分布の形状が上記「1山分布」の場合は
「0」にリセットされ、図26のに示す「2山分布」
の場合は「1」にセットされる。
【0194】PB≦50%であれば(#110でYE
S)、更に、尤度EA,ECがそれぞれ所定の評価値E
1,E2以下であるか否かが判別され(#112,#1
14)、EA≦E1、かつ、EC≦E2であれば(#11
2及び#114でYES)、輝度分布の低輝度側と高輝
度側とにそれぞれ山の形を有し、分布の形状は「2山分
布」と推定されるので、フラグFBNPを「1」にセッ
トして(#116)、リターンする。
【0195】一方、尤度EA,ECのいずれかがEA>E
1又はEC>E2であれば(#112でNO又は#11
4でNO)、輝度分布に山の形は存在し得るが、その山
は低輝度側若しくは高輝度側のいずれかに偏っており、
分布の形状は「2山分布」ではないと推定されるので、
フラグFBNPを「0」にリセットして(#118)、
リターンする。
【0196】続いて、輝度分布の解析が終了すると、図
33に戻り、フラグFBNPのセット内容から被写体の
輝度分布が「2山分布」であるか否かが判別され(#6
0)、輝度分布が「2山分布」であれば(#60でYE
S)、被写体は文字画と判別され(#62)、輝度分布
が「1山分布」であれば(#60でNO)、被写体は自
然画と判別され(#64)、これらの判別結果はメモリ
211dに記憶される。
【0197】続いて、判別された撮影シーンと設定され
ているフラッシュ発光モードとに基づき表1及び表2に
示す所定のシャッタスピードSSが設定された後(#6
6)、露出制御が行なわれる(#68〜#90)。この
露出制御においては、フラッシュ発光時には調光制御が
行なわれ、この調光結果に応じてγ特性が設定される。
【0198】露光が開始されると(#68)、内蔵フラ
ッシュ5の発光が行なわれるか否かが判別される(#7
0)。この判別は、FLモード設定スイッチ11による
フラッシュ発光モードの設定状態、自動発光モードにお
いては、被写体輝度に基づくフラッシュ発光の判定(説
明省略)の結果に基づいて行なわれる。
【0199】内蔵フラッシュ5を発光する場合は(#7
0でYES)、更に、マクロ撮影における低輝度シーン
の自動発光モードによるものであるか否かの判別が行な
われ(#72)、マクロ撮影における低輝度シーンの自
動発光モードによるものでなければ(#72でNO)、
表1及び表2に示すように、撮影シーン及びフラッシュ
発光モードに応じた所定の調光量が設定されて内蔵フラ
ッシュ5の発光及び調光制御が行なわれ(#74,#7
6)、マクロ撮影における低輝度シーンの自動発光モー
ドによるものであれば(#72でYES)、例えばガイ
ドナンバーGNo.=2の固定の発光量で内蔵フラッシ
ュ5が発光される(#78)。マクロ撮影における低輝
度シーンの自動発光モードによる内蔵フラッシュ5の発
光で、発光量を固定にしているのは、被写体距離が短
く、かつ、低輝度であるため、固定の発光量で被写体を
適切に照明することができるからである。
【0200】一方、内蔵フラッシュ5を発光しない場合
は(#70でNO)、上記#72〜#78の処理を行な
うことなく、露光が継続される。
【0201】そして、所定のシャッタスピードSSが経
過し、露光が終了すると(#80でYES)、調光制御
が行なわれたか否かが判別され(#82)、調光制御が
行なわれた場合は(#82でYES)、更に、露光中に
調光回路304から発光停止信号STPが出力されたか
否かにより調光制御が成功したか否かの判別が行なわれ
(#84)、その判別結果が記憶される(#86,#8
8)。この判別結果の記憶は、例えばフラグにより行な
われ、調光制御が成功したときは、フラグが「1」にセ
ットされ、調光制御が失敗したときは、フラグが「0」
にりセットされる。
【0202】露出制御が終了すると、続いて、撮像画像
の処理が行なわれる。すなわち、撮影シーン、フラッシ
ュ発光モード、調光制御の成功/失敗及び自然画/文字
画の判別結果に基づき、表1及び表2に示す所定のγ特
性及びフィルタ特性が設定される(#90)。続いて、
CCD303で撮像された画像のデータが読み出され
(#92)、信号処理回路313、A/D変換器20
5、WB回路D5及びγ補正回路208により所定の画
像処理が行なわれた後(#94)、画像メモリ209に
記憶される(#96)。
【0203】画像メモリ209に記憶された画像データ
は、直ちに、画像メモリ210に転送され、LCD表示
部10にモニタ表示される(#98)。また、画像メモ
リ209に記憶された画像データから記録用の所定の画
像データが生成され、この画像データをICカード18
に転送して撮像画像の記録が行なわれる(#100)。
すなわち、画像メモリ209に記憶された画像データか
らサムネイル画像の画像データ(画素データ数を1/6
4に間引いた画像データ)が生成され、この画像データ
がICカード18に記録される。また、画像メモリ20
9に記憶された全画像データに対して所定のデジタルフ
ィルタによりフィルタリング処理を施した後、設定され
た圧縮率KでJPEG方式により圧縮して記録用の本画
像の画像データが生成され、この画像データがICカー
ド18に記録される。
【0204】そして、画像データのICカード18への
記録により撮影動作が終了し、次の撮影を行なうべく、
#2に戻る。
【0205】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
撮影画像のモニタ表示が可能なデジタルカメラにおい
て、第1のγ特性で補正した撮像画像は表示手段にモニ
タ表示し、第2のγ特性で補正した撮像画像は記録手段
に記録するようにし、記録手段に記録された画像を表示
手段に表示するときは、記録手段から読み出した画像信
号を第3のγ特性で補正して第1のγ特性で補正され
性となるようにしたので、表示手段への表示用の撮像
画像と異なる特性でγ補正された記録画像を好適な画質
で表示手段に再生表示することができる。
【0206】また、記録用のγ特性を複数個の設けると
ともに、撮影シーンを判定するよう にし、撮影画像を記
録手段に記録するときは、撮像手段で取り込まれた画像
信号を撮影シーンに対応する記録用のγ特性で補正する
ようにしたので、撮影シーンに応じて撮影画像の画質を
好適に補正することができる。
【0207】また、マクロ撮影が可能な場合やフラッシ
ュ撮影が可能な場合は、マクロ撮影であるか否かあるい
はフラッシュ撮影であるか否かに応じて記録用のγ特性
を選択するようにしたので、撮影条件に応じて撮影画像
の画質を好適に補正することができる。
【0208】また、撮像手段で取り込まれた画像信号を
A/D変換した後、γ補正する際、このγ補正処理で併
せてデジタルの画像信号のビット数を低減するようにし
たので、画像信号をA/D変換するときにデジタル画像
信号のビット数を記録時のビット数よりも多くしておく
ことにより非線形性の強いγ特性でγ補正が行なわれた
場合にも記録画像の画質劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】本発明に係るデジタルカメラの背面図である。
【図3】本発明に係るデジタルカメラの上面図である。
【図4】本発明に係るデジタルカメラの右側面図であ
る。
【図5】本発明に係るデジタルカメラの底面図である。
【図6】撮像部の内部光像を示す図である。
【図7】電源電池及びICカードの蓋を開放した状態を
示す図である。
【図8】電源電池及びICカードの各装填室の配置の第
1の例を示す図である。
【図9】カメラ本体の斜視図である。
【図10】撮像部と接続板との接続機構を説明するため
の斜視図である。
【図11】ロック解除レバーの構造を示す要部断面図で
ある。
【図12】接続板ユニットの構造を示す分解斜視図であ
る。
【図13】摺動リングの平面図である。
【図14】接続板が回転基準位置にあることを検出して
メイン電源をオフにするスイッチの検出状態を示す要部
断面図である。
【図15】接続板が正面撮像位置にあることを検出する
スイッチの検出状態を示す要部断面図である。
【図16】カメラ本体に対する撮像部の回転軸の位置を
示す右側面図である。
【図17】カメラ本体に対する撮像部の回転軸の位置を
示す正面図である。
【図18】撮像部とカメラ本体とを接続する接続ケーブ
ルの外観図である。
【図19】接続ケーブルの撮像部内の回路構成を示す図
である。
【図20】画像信号の波形を示す図で、(a)は接続ケ
ーブルの入力端の画像信号の波形図、(b)はバッファ
回路を有する接続ケーブルの出力端の画像信号の波形
図、(c)はバッファ回路を有しない接続ケーブルの出
力端の画像信号の波形図である。
【図21】本発明に係るデジタルカメラのブロック図で
ある。
【図22】ケーブル接続時とケーブル非接続時における
A/D変換器に入力される画像信号とA/D変換用クロ
ックの波形図である。
【図23】レベル変換テーブルの特性を示す図である。
【図24】γ補正テーブルのγ特性を示す図である。
【図25】画像メモリの各画素データの記憶位置を示す
図である。
【図26】輝度データのヒストグムにおける文字画と自
然画との相違を示す図である。
【図27】ICカードの記憶領域の構成を示す図であ
る。
【図28】圧縮率K=1/8におけるフィルタリング処
理のフィルタ演算式の一例を示す図で、(a)は標準的
な輪郭強調補正の場合、(b)は標準に対して輪郭強調
を1段階弱めるの場合、(c)は標準に対して輪郭強調
を2段階弱めるの場合、(d)は標準に対して輪郭強調
を1段階強める場合、(e)は標準に対して輪郭強調を
2段階強める場合、のフィルタ演算式の図である。
【図29】圧縮率K=1/20におけるフィルタリング
処理のフィルタ演算式の一例を示す図で、(a)は標準
的な輪郭強調補正の場合、(b)は標準に対して輪郭強
調を1段階弱めるの場合、(c)は標準に対して輪郭強
調を2段階弱めるの場合、(d)は標準に対して輪郭強
調を1段階強める場合、(e)は標準に対して輪郭強調
を2段階強める場合、のフィルタ演算式の図である。
【図30】フィルタリング処理の演算方法を表す図であ
る。
【図31】撮像部が接続ケーブルを介してカメラ本体部
に接続されている場合のフィルタ演算式の一例を示す図
で、(a)は圧縮率=1/8の場合の図、(b)は圧縮
率=1/20の場合の図である。
【図32】撮影モードにおける撮影制御のフローチャー
トである。
【図33】撮影モードにおける撮影制御のフローチャー
トである。
【図34】撮影モードにおける撮影制御のフローチャー
トである。
【図35】ヒストグラム解析のサブルーチンのフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ 2 カメラ本体部 201 基準クロック発生回路 202 T・Gクロック発生回路 203 A/Dクロック発生回路 204 遅延回路 205 A/D変換器(A/D変換手段) 206 黒レベル補正回路 207 WB回路 208 γ補正回路(第1,第2のγ補正手段) 209,210 画像メモリ 211 制御部(モニタ手段,再生手段)211a 輝度判定部 211b SS設定部 211c シーン判定部(シーン判定手段) 211f フィルタ部 211g 記録画像生成部 211h 再生画像生成部(第3のγ補正手段) 3 撮像部 301 マクロズームレンズ(撮影レンズ) 302 撮像回路 303 CCDエリアセンサ(撮像手段) 313 信号処理回路 314 タイミングジェネレータ 4 グリップ部 5 内蔵フラッシュ(フラッシュ発光手段) 6 UPスイッチ 7 DOWNスイッチ 8 消去スイッチ 9 シャッタボタン 10 LCD表示部(表示手段) 11 FLモード設定スイッチ(判別手段) 12 圧縮率設定スイッチ 13 接続端子 14 撮影/再生モード設定スイッチ 15 蓋 16 電池装填室 17 カード装填室 18 ICカード(記録手段) 23 接続板 29,30 スイッチ 32 接続ケーブル 321 ケーブル 322 接続部 323 接続部 33 バッファアンプ 34 増幅回路 SMACRO スイッチ(検出手段) SMAIN,SCPOS,SREL,SP/R スイッチ SUP,SDOWN,SFL,SDEL,SCOMP スイッチ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体光像を画像信号に光電変換して取
    り込む撮像手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信
    号を第1のγ特性で補正する第1のγ補正手段と、上記
    撮像手段で取り込まれた画像信号を第2のγ特性で補正
    する第2のγ補正手段と、画像を表示する表示手段と、
    上記第1のγ補正手段で補正された画像信号に基づいて
    撮影画像を上記表示手段にモニタ表示するモニタ手段
    と、上記第2のγ補正手段で補正された画像信号を記録
    する記録手段と、上記記録手段に記録された画像信号を
    読み出し、その画像信号を、上記第1のγ特性で補正さ
    れたγ特性となるように、第3のγ特性で補正する第3
    のγ補正手段と、上記第3のγ補正手段で補正された画
    像信号に基づいて記録画像を上記表示手段に再生表示す
    る再生手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメ
    ラ。
  2. 【請求項2】 被写体光像を画像信号に光電変換して取
    り込む撮像手段と、撮影シーンを判定するシーン判定手
    段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を表示用の
    γ特性で補正する第1のγ補正手段と、上記表示用のγ
    特性と異なる複数の記録用のγ特性を有し、上記撮像手
    段で取り込まれた画像信号を上記シーン判定手段で判定
    された撮影シーンに対応する記録用のγ特性で補正する
    第2のγ補正手段と、上記第1のγ補正手段で補正され
    た画像信号に基づいて撮影画像をモニタ表示する表示手
    段と、上記第2のγ補正手段で補正された画像信号を記
    録する記録手段とを備えたことを特徴とするデジタルカ
    メラ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のデジタルカメラにおい
    て、上記シーン判定手段は、上記撮像手段で画像信号を
    取り込み、その画像信号に基づいて撮影シーンを判定す
    るものであることを特徴とするデジタルカメラ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のデジタルカメラにおい
    て、マクロ撮影可能な撮影レンズと、上記撮影レンズが
    マクロ撮影位置に設定されているか否かを検出する検出
    手段とを更に備え、上記第2のγ補正手段は、上記検出
    手段の検出結果に基づいて記録用のγ特性を選択するも
    のであることを特徴とするデジタルカメラ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のデジタルカメラにおい
    て、フラッシュ発光手段と、撮影時に上記フラッシュ発
    光手段が発光されるか否かを判別する判別手段とを更に
    備え、上記第2のγ補正手段は、上記判別結果に基づい
    て記録用のγ特性を選択するものであることを特徴とす
    るデジタルカメラ。
  6. 【請求項6】 被写体光像を画像信号に光電変換して取
    り込む撮像手段と、 上記撮像手段で取り込まれた画像信
    号をデジタルの画像信号に変換するA/D変換手段と、
    上記A/D変換手段で変換されたデジタルの画像信号を
    表示用のγ特性で補正する第1のγ補正手段と、上記A
    /D変換手段で変換されたデジタルの画像信号を上記表
    示用のγ特性と異なる記録用のγ特性で補正する第2の
    γ補正手段と、上記第1のγ補正手段で補正された画像
    信号に基づいて撮像画像をモニタ表示する表示手段と、
    上記第2のγ補正手段で補正された画像信号を記録する
    記録手段とを備えたデジタルカメラであって、上記第
    1,第2のγ補正手段は、γ補正後の上記デジタルの画
    像信号をγ補正前よりも少ないビット数で出力すること
    を特徴とするデジタルカメラ。
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