JP3218783B2 - 芳香族ポリチアゾール薄膜の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリチアゾール薄膜の製造方法

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JP3218783B2 JP07630793A JP7630793A JP3218783B2 JP 3218783 B2 JP3218783 B2 JP 3218783B2 JP 07630793 A JP07630793 A JP 07630793A JP 7630793 A JP7630793 A JP 7630793A JP 3218783 B2 JP3218783 B2 JP 3218783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリチアゾール
のラングミュア−ブロジェット薄膜(Langmuir-Blodget
t Film、以下LB薄膜と呼ぶ)製造する方法に関し、特
に電子部品や、光コンピューターの材料として使用する
のに適する芳香族ポリチアゾール薄膜の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】LB薄膜
は両親媒性化合物を水面上に単分子膜として展開し、一
定の表面圧の下で基板上に移し取られる累積薄膜であ
る。高度の秩序構造を有する上に、分子次元の配列制御
によって、特異的な光、磁気、電気的特性を持たせるこ
できるため、分子エレクトロニクス素子等の多方面
の応用が期待されている。
【0003】従来、LB薄膜は低分子の脂肪酸や、ポリペ
プチド、ポリアルコール等のポリマーについて検討され
ているが、耐熱性、機械的強度的には実用的なものとは
言えない。そこで、耐熱性のあるポリイミドの前駆物質
であるポリアミック酸単位に疎水性を付与するための置
換基を導入して、電気絶縁性にすぐれた耐熱性ポリイミ
ド薄膜が提案された(特公平4-46631号)。
【0004】しかしながら、ポリイミドの機械的強度、
特に剛直性が十分とはいえない。そこで、剛直ポリマー
と言われる芳香族高分子、例えば、チアゾール環、イミ
ダゾール環、オキサゾール環、オキサジノン環等の複素
環を繰り返し単位内に有するものを利用することが考え
られる。中でもチアゾール環を有する芳香族ポリチアゾ
ールは優れた機械的強度有し、有望である。しかし、
これまで芳香族ポリチアゾールを用いたLB薄膜の例はな
い。
【0005】したがって、本発明の目的は、耐熱性、剛
直性に優れる芳香族ポリチアゾール薄膜の製造方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、芳香族ポリチアゾール前駆物質に
疎水基を付与すれば、LB法により芳香族ポリチアゾール
薄膜を生成することができることを発見し、本発明を完
成した。
【0007】すなわち、芳香族ポリチアゾールからなる
ラングミュア−ブロジェット薄膜の製造方法は、 (a) 下記式
【化2】 (ただし、Ar1及びAr2 は芳香族残基であり、Rは無置換
又は置換のアルキレン基であり、n=4〜1000であ
る。)で表されるポリマーの構造単位中の二つのカルボ
キシル基に、炭素数1〜30の脂肪族基又は環状脂肪族基
を有するアミン化合物イオン結合している芳香族ポリ
チアゾール前駆物質をラングミュア−ブロジェット法に
より基板上に累積し、 (b) 加熱することにより前記前駆物質のチアゾール閉環
反応を起こすことを特徴とする。
【0008】本発明を以下詳細に説明する。本発明に用
いる芳香族ポリチアゾール前駆物質は、下記式
【化3】 (ただし、Ar1及びAr2 は芳香族残基であり、Rは無置換
又は置換のアルキレン基であり、nは4〜1000であ
る。)で表されるポリマーの構造単位中の二つのカルボ
キシル基に、炭素数1〜30の脂肪族基又は環状脂肪族基
を有するアミン化合物イオン結合している。
【0009】芳香族ポリチアゾール前駆物質中の芳香族
残基Ar1 として、ベンゼン環、2つ以上のベンゼン環が
縮合した芳香族環、ビフェニル等のように2つ以上のベ
ンゼン環が結合したものなどが挙げられる。このような
芳香族残基Ar1の好ましい例としては、
【化4】 等が挙げられる。
【0010】芳香族ポリチアゾール前駆物質中の芳香族
残基Ar2 として、ベンゼン環、2つ以上のベンゼン環が
結合したもの、エーテル基を有する複数のベンゼン環な
どがよい。このような芳香族残基Ar2の例としては、
【化5】 等が挙げられる。なおこの中でも芳香族残基Ar2として
は、特に
【化6】 などが好ましい。なお芳香族残基Ar2は、一種類に限ら
ず二種以上を併用してもよい。
【0011】芳香族ポリチアゾール前駆物質中のアルキ
レン基Rは、置換又は無置換のアルキレン基であり、無
置換のアルキレン基としては、トリメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,1-ジメチル
エチレン基、1,2-ジメチルエチレン基等が挙げられる。
アルキレン基としては2級及び3級のアルキル基から誘
導されるアルキレン基であるのが特に好ましい。また置
換アルキレン基としては、エステル基、シアノ基、ベン
ジル基、ハロゲン基又はニトロ基等により置換されたア
ルキレン基が好適である。
【0012】芳香族ポリチアゾール前駆物質中のアミン
化合物中の疎水基は炭素数1〜30の脂肪族基又は環状脂
肪族基である。また、アミン化合物は芳香族ポリチアゾ
ール前駆物質の構造単位中の二つのカルボキシル基にそ
れぞれイオン結合している。この疎水基を有するアミン
化合物の存在により、水面上における芳香族ポリチアゾ
ール前駆物質の単分子膜形成が可能になった。なお、そ
れぞれの二つのアミン化合物は同じものであってもよい
し、異なるものであってもよい。アミン化合物の好まし
い例として、枝分かれしていないアルキルアミンで、ア
ルキル鎖の長さが16〜30のものが挙げられる。例えば、
下記式
【化7】 で表される第三アミンや、下記式
【化8】 で表される第三アミン、さらに下記式
【化9】 で表されるアルキルピロリジンなどが特に好ましい。
【0013】芳香族ポリチアゾール前駆物質の重合度n
は4〜1000であるのが好ましい。重合度が4〜1000の範
囲を外れると、LB薄膜を作成したときの強度が低すぎた
り、粘度が高すぎてLB薄膜の作成がうまく行かないなど
の傾向が生じる。
【0014】以下、本発明の芳香族ポリチアゾール薄膜
の製造方法について説明する。
【0015】本発明では、芳香族ポリチアゾール前駆物
質を用いたLB薄膜の製造方法としては、前駆物質を水面
上に展開し、一定の表面圧で圧縮して、単分子膜を形成
し、その膜を基板にうつしとる方法であるLB法のほかに
も、水面付着法、回転円筒法等の方法が挙げられ、通常
行われている方法であれば特に限定されることなく使用
できる。
【0016】まず、芳香族ポリチアゾール前駆物質を、
有機溶媒に溶解し、水面上で単分子膜を形成するための
展開液を調製する。このような溶媒としては、ベンゼ
ン、クロロホルム、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチル
スルフォキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエ
チルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ
エチルホルムアミド、N,N-ジメチルメトキシアミド、ピ
リジン、ジメチルスルフォン、ヘキサメチルホスホルア
ミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレ
ンスルホンなどが挙げられる。溶媒は単一でもよいが、
上記化合物から選ばれた2種類以上の混合溶媒のほうが
好ましい。この中でも、ベンゼン、N-メチル-2-ピロリ
ドン、N,N-ジメチルアセトアミドからなる混合溶媒が特
に好ましい。なお、これらの溶媒は公知の方法で脱水処
理を行ったものを用いるのが好ましい。また、ポリマー
の溶解性を高めるために、最大10%までのLiCl、CaCl2
等の塩化物を添加してもよい。
【0017】芳香族ポリチアゾール前駆物質の展開溶液
の濃度は、前駆物質の繰り返し単位を1分子として仮定
すると、0.01〜100mMとするのが好ましい。溶解時の温
度は0〜50℃程度がよい。
【0018】なお、上述した芳香族ポリチアゾール前駆
物質は公知の方法により合成するが、芳香族ポリチアゾ
ール前駆物質を構成するアミン化合物と残部のポリマー
はそれぞれ有機溶媒に溶解させ、水面上で展開する直前
に、両者を混合して用いるのが好ましい。原料の溶解
は、均一溶液となる限りいかなる方法で行っても良い。
【0019】本発明の前駆物質を用いてLB薄膜を形成す
る基板には、特に限定はなく、形成されたLB薄膜の用途
に応じて選択すればよいが、LB薄膜を加熱してポリチア
ゾールにするため、耐熱性が良好であることが必要であ
る。このような基板の具体例として、ガラス、アルミ
ナ、石英のほか、プラスチック基板、金属基板あるいは
金属メッキした基板、Si、GaAs、ZnSのような半導体
や、PbTiO3 、BaTiO3 のような強誘電体製の基板あるい
は磁性基板等が挙げられる。また、これらの基板は通常
行われるような表面処理を施して用いてもよいことはも
ちろんである。
【0020】上記基板を用いて得られる芳香族ポリチア
ゾール前駆物質のLB薄膜の乾燥は、公知の方法により行
うことができる。
【0021】次に、上記で得られた芳香族ポリチアゾー
ル前駆物質のLB薄膜を加熱し、前駆物質中でチアゾール
閉環反応を起こし、芳香族ポリチアゾール薄膜を得る。
この加熱において、前駆物質のアルキル基(R)が脱離す
るとともに、その部位でチアゾール環が形成され、芳香
族ポリチアゾールが形成される。例えば、芳香族ポリチ
アゾール前駆物質より、下記構造式のポリ-p-フェニレ
ンベンゾビスチアゾールが形成される。
【化10】
【0022】上記前駆物質LB薄膜の加熱温度は、種類
によって異なるが、一般には 250〜400℃とする。250
℃未満の加熱であればチアゾール環の形成が見られな
い。また 450℃を超える加熱とするとポリチアゾールが
熱分解を開始するので好ましくなく、450 ℃を上限とす
るのが望ましい。加熱は一定の加熱温度によるものだけ
ではなく、段階的に温度を変える加熱プログラムによる
ものでも良い。たとえば、120 ℃で30分の加熱ののち、
30分で350 ℃まで温度を上げ、350 ℃で30分保持するよ
うな加熱プログラムとしても良い。
【0023】加熱時間はLB薄膜の積層数によって異なる
が、1〜20時間とするのが好ましい。又加熱処理は減圧
雰囲気で行うのがよい。好ましい圧力が1〜20mmHgであ
る。
【0024】上述した方法によれば、耐熱性、剛直性に
優れた芳香族ポリチアゾール薄膜が得られる。
【0025】
【作用】本発明の製造方法により得られる芳香族ポリチ
アゾール薄膜は、電気的、光学的に特異な特性を有し、
耐熱性、剛直性に優れている。
【0026】また、本発明の製造方法によれば、芳香族
ポリチアゾール前駆物質を有機溶媒に溶解した溶液を
面上に展開することにより、ラングミュア−ブロジェッ
ト法により薄膜を形成でき、これを加熱することによっ
て芳香族ポリチアゾール薄膜を製造することができる。
【0027】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により詳細に説
明する。ただし、以下の実施例で使用する試薬は次に示
すように脱水処理を行っているものを用いた: (1) ジメチルアセトアミド(以下DMACと呼ぶ)とN-メチ
ル-2-ピロリドン(以下NMPと呼ぶ)は、塩化カルシウム
で脱水したあと、蒸留した。 (2) ベンゼンは硫酸で洗浄し、さらに水で洗浄したあ
と、炭酸カリウム水溶液で中和して、塩化カルシウムと
ナトリウムで脱水して、蒸留した。 (3) 塩化リチウムは、和光純薬株式会社の無水塩化リチ
ウムを用いた。また、芳香族ポリチアゾール前駆物質は
特開平4-114062号に開示した方法にしたがって作成し
た。
【0028】実施例1 下記式
【化11】 で示すポリベンゾチアゾール前駆物質(以下PBT-ODCと
呼ぶ)0.269gを室温にてDMAC:ベンゼン=1:1の混合
溶媒に溶解させて、1mMのPBT-ODC溶液を作成した。た
だし、ここで用いる高分子のモル濃度とは、繰り返し単
位(unit)を1分子として仮定したときの値である。同
様に、下記式
【化12】 で示すアミン化合物(以下NR3と呼ぶ)をDMAC、ベンゼ
ン混合溶媒(DMAC: ベンゼン=1:1)に溶解させ、濃
度1mMの溶液を作成した。PBT-ODC溶液とNR3 溶液を
1:2の割合で混合し、LB膜用展開液を調製した。この
展開液を水面上で展開して、20℃で表面圧πと繰り返し
単位(unit)当たりの面積との関係を測定して、図1に
示す。
【0029】次に、水面上20℃で、膜表面圧を30mN/mに
保ち、累積速度10mm/minでLB法でガラス基板に25層累積
させた。この膜をFT-IR(日本電子株式会社、JIR-MIXRO
6000)で分析し、結果を図2(a)に示す。さらに、この
累積膜を280℃、5mmHgの状態で熱処理6時間行い、チ
アゾール閉環反応を起こした。生成したポリベンゾチア
ゾール膜についてFT-IRで分析を行い、結果を図2(b)に
示す。
【0030】上記と同じ方法で、NR3の代わりに、下記
【化13】 で示すアミン化合物(以下NR2-CH3 と呼ぶ)及び下記式
【化14】 で示すアミン化合物(以下C20N5Mと呼ぶ)を用いて、そ
れぞれLB膜用展開液を調製した。この二種類の展開液を
水面上で展開して、20℃で表面圧πと繰り返し単位(un
it)当たりの面積との関係を測定し、図1に合わせて示
す。
【0031】図1で示すように、NR3を用いた場合、繰
り返し単位の面積が約1.3nm2/unitの時に表面圧の急激
な立ち上がりがみられた。立ち上がり時の表面圧は約30
mN/mである。また、図2より明らかなように、得られた
芳香族ポリチアゾール前駆物質のLB薄膜を熱処理したあ
と、波数2800〜3000cm-1にあるアルキル基とカルボキシ
ル基の吸収が消え、チアゾール閉環反応が起ったことを
表している。
【0032】実施例2 実施例1と同様な方法と材料を用いて、LB膜用展開液を
調整した。この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を30mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB法
でガラス基板に15層累積させた。この累積したLB膜を吸
光光度計(大塚電子株式会社、MCPD-1000)で分析し
結果を図3に示す。さらに、この累積膜について280
℃、5mmHgの環境で熱処理6時間行い、チアゾール閉環
反応を起こした。生成したポリベンゾチアゾール膜を吸
光光度計で分析を行い、結果を図3に示す。
【0033】図3より明らかなように、得られた芳香族
ポリチアゾール前駆物質のLB薄膜を熱処理したあと、薄
膜の紫外域における吸収パターンが変化しチアゾール閉
環反応が起ったことを裏付けている。
【0034】実施例3 実施例1と同様な方法と材料を用いて、LB膜用展開液を
調整した。この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を22.5mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB
法でガラス基板にそれぞれ5、15、25、35層累積させ
た。これらのLB膜の波長280nmにおける吸光度を吸光光
度計で分析し結果を図4に示す。さらに、これらの累
積膜について280℃、5mmHgの環境で熱処理2〜8時間
それぞれ行い、チアゾール閉環反応を起こした。生成し
たポリベンゾチアゾール膜を吸光光度計で分析を行い、
波長370nmにおける吸光度を図4に示す。
【0035】図4から明らかなように、芳香族ポリチア
ゾール前駆物質のLB薄膜と、熱処理したあとの芳香族ポ
リチアゾール薄膜の両方共に、紫外域の吸光度が積層数
に比例し、均一な積層が形成されていることを示してい
る。
【0036】実施例4 実施例1と同様な方法と材料を用いて、LB膜用展開液を
調整した。この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を22.5mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB
法でSi基板にそれぞれ50、75、90、110層累積させた。
これらのLB膜の膜厚をエリプソメトリー法(日本赤外線
工業株式会社、EL-101)で分析し結果を図5に示す。
さらに、これらの累積膜について280℃、5mmHgの環境
で熱処理8時間行い、チアゾール閉環反応を起こした。
生成したポリベンゾチアゾール膜の膜厚について同様に
分析を行い、結果を図5に示す。
【0037】図5で示すように、芳香族ポリチアゾール
前駆物質のLB薄膜と、熱処理したあとの芳香族ポリチア
ゾール薄膜の両方共に、膜の厚さが積層数に比例し、熱
処理前の1層の厚さは23.18オングストロームで、熱処
理後では、3.53オングストロームであった。
【0038】実施例5 下記式
【化15】 で示すポリベンゾチアゾール前駆物質(以下PBT-MPDCと
呼ぶ)0.223gを室温にてDMAC:ベンゼン=1:1の混合
溶媒に溶解させて、1mMのPBT-MPDC溶液を作成した。ま
た、1mMのNR3のDMAC、ベンゼン溶液(DMAC:ベンゼン
=1:1)を作成し。PBT-MPDC溶液:NR3:ベンゼ
ン:DMAC=1:2:6:6の割合で混合し、1/15mMのL
B膜用展開液を調整した。この展開液を水面上で展開し
て、20℃で表面圧πと繰り返し単位(unit)当たりの面
積との関係を測定した結果を図6に示す。
【0039】この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を30mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB法
でガラス基板に15層累積させた。この累積したLB膜を吸
光光度計(大塚電子株式会社、MCPD-1000)で分析し、
結果を図7に示す。さらに、この累積膜について280
℃、5mmHgの環境で熱処理6時間行い、チアゾール閉環
反応を起こした。生成したポリベンゾチアゾール膜を吸
光光度計で分析を行った結果を図7に示す。
【0040】図6で示すように、繰り返し単位の面積が
約1.3nm2/unitの時に表面圧の急激な立ち上がりがみら
れた。立ち上がり時の表面圧は約30mN/mである。また、
図7より明らかなように、得られた芳香族ポリチアゾー
ル前駆物質のLB薄膜を熱処理したあと、薄膜の紫外域に
おける吸収パターンが変化し、チアゾール閉環反応が
ったことを裏付けている。
【0041】実施例6 下記式
【化16】 で示すポリベンゾチアゾール前駆物質(以下PBT-PPDCと
呼ぶ)0.223gと塩化リチウムを室温にてNMP溶媒に溶解
させて、1mMのPBT-PPDC溶液(塩化リチウム含有量:9.
7×10-2重量%)を作成した。また、1mMのNR3のDMAC、
ベンゼン溶液(DMAC:ベンゼン=1:1)を作成し
PBT-PPDC溶液:NR3:NMP:ベンゼン=1:2:17:18の
割合で混合し、1/38mMのLB膜用展開液(DMAC:NMP:ベ
ンゼン=1:18:19)を調整した。この展開液を水面上
で展開して、20℃で表面圧πと繰り返し単位(unit)当
たりの面積との関係を測定した結果を図8に示す。
【0042】この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を30mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB法
でガラス基板に15層累積させた。この累積したLB膜を吸
光光度計(大塚電子株式会社、MCPD-1000)で分析し、
結果を図9に示す。さらに、この累積膜について280
℃、5mmHgの環境で熱処理6時間行い、チアゾール閉環
反応を起こさせた。生成したポリベンゾチアゾール膜を
吸光光度計で分析を行い、結果を図9に示す。
【0043】図8で示すように、繰り返し単位の面積が
約1.3nm2/unitの時に表面圧の急激な立ち上がりがみら
れた。立ち上がり時の表面圧は約30mN/mである。また、
図9より明らかなように、得られた芳香族ポリチアゾー
ル前駆物質のLB薄膜を熱処理したあと、薄膜の紫外域に
おける吸収パターンが変化しチアゾール閉環反応が起っ
ことを裏付けている。
【0044】実施例7 下記式
【化17】 で示すポリベンゾチアゾール前駆物質(以下PBT-BPDCと
呼ぶ)0.261gと塩化リチウムを室温にてNMP溶媒に溶解
させて、1mMのPBT-BPDC溶液(塩化リチウム含有量:0.
194重量%)を作成した。また、1mMのNR3のDMAC、ベン
ゼン溶液(DMAC:ベンゼン=1:1)を作成し。PBT-
BPDC溶液:NR3:NMP:ベンゼン=1:2:17:18の割合
で混合し、1/38mMのLB膜用展開液(DMAC:NMP:ベンゼ
ン=1:18:19)を調整した。この展開液を水面上で展
開して、20℃で表面圧πと繰り返し単位(unit)当たり
の面積との関係を測定した結果を図10に示す。
【0045】この展開液を水面上で展開して、温度を20
℃、膜表面圧を30mN/mに保ち、累積速度10mm/minでLB法
でガラス基板に15層累積させた。この累積したLB膜を吸
光光度計(大塚電子株式会社、MCPD-1000)で分析し
結果を図11に示す。さらに、この累積膜について280
℃、5mmHgの環境で熱処理6時間行い、チアゾール閉環
反応を起こした。生成したポリベンゾチアゾール膜を吸
光光度計で分析を行い、結果を図11に示す。
【0046】図10で示すように、繰り返し単位の面積が
約1.3nm2/unitの時に表面圧の急激な立ち上がりがみら
れた。立ち上がり時の表面圧は約30mN/mである。また、
図11より明らかなように、得られた芳香族ポリチアゾー
ル前駆物質のLB薄膜を熱処理したあと、薄膜の紫外域に
おける吸収パターンが変化しチアゾール閉環反応が行っ
たことを裏付けている。
【0047】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明では、芳香
族ポリチアゾール前駆物質を有機溶媒に溶解した溶液を
用い、ラングミュア−ブロジェット法により薄膜を形成
し、加熱することによって、電気的、光学的に特異な特
性を有し、耐熱性、剛直性に優れ芳香族ポリチアゾー
ル薄膜を製造することができる。
【0048】本発明の芳香族ポリチアゾール薄膜は、非
線型光学材料、耐熱性絶縁膜又は耐熱性導電膜等の分子
エレクトロニクス素子として、幅広く利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた水面上単分子膜の表面圧と
繰り返し単位の面積の関係を示すグラフである。
【図2】実施例1で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜と、芳香族ポリチアゾール薄膜のFT−I
Rの測定結果を示すグラフである。
【図3】実施例2で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜と加熱処理後生成される芳香族ポリチアゾ
ール薄膜の吸光光度計吸光度を示すグラフである。
【図4】実施例3で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜の吸光度(280nm)、芳香族ポリチア
ゾール薄膜の吸光度(370nm)と積層数の関係を示
すグラフである。
【図5】実施例5で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜、芳香族ポリチアゾール薄膜の膜厚と積層
数の関係を示すグラフである。
【図6】実施例5で得られた水面上単分子膜の表面圧と
繰り返し単位の面積の関係を示すグラフである。
【図7】実施例5で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜と加熱処理後生成される芳香族ポリチアゾ
ール薄膜の吸光度を示すグラフである。
【図8】実施例6で得られた水面上単分子膜の表面圧と
繰り返し単位の面積の関係を示すグラフである。
【図9】実施例6で得られた芳香族ポリチアゾール前駆
物質LB薄膜と加熱処理後生成される芳香族ポリチアゾ
ール薄膜の吸光度を示すグラフである。
【図10】実施例7で得られた水面上単分子膜の表面圧
と繰り返し単位の面積の関係を示すグラフである。
【図11】実施例7で得られた芳香族ポリチアゾール前
駆物質LB薄膜と加熱処理後生成される芳香族ポリチア
ゾール薄膜の吸光度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿本 雅明 神奈川県横浜市中区池袋61−9−3− 504 (72)発明者 弓場 智之 東京都大田区東雪谷2−23−7 (56)参考文献 特開 平4−97138(JP,A) 特開 平3−91724(JP,A) 特開 平3−154036(JP,A) 特開 平4−304435(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/32 C08J 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリチアゾールからなるラングミ
    ュア−ブロジェット薄膜の製造方法において、 (a)下記式 【化1】 (ただし、Ar1及びAr2 は芳香族残基であり、Rは無置換
    又は置換のアルキレン基であり、n=4〜1000であ
    る。)で表されるポリマーの構造単位中の二つのカルボ
    キシル基に、炭素数1〜30の脂肪族基又は環状脂肪族基
    を有するアミン化合物イオン結合している芳香族ポリ
    チアゾール前駆物質をラングミュア−ブロジェット法に
    より基板上に累積し、 (b) 加熱することにより前記前駆物質のチアゾール閉環
    反応を起こすことを特徴とする芳香族ポリチアゾール薄
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の芳香族ポリチアゾール
    薄膜の製造方法において、前記置換アルキレン基が、エ
    ステル基、シアノ基、ベンジル基、ハロゲン基、及びニ
    トロ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の置換基
    を有することを特徴とする芳香族ポリチアゾール薄膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の芳香族ポリチア
    ゾール薄膜の製造方法において、前記芳香族残基Ar1
    ベンゼン環であることを特徴とする芳香族ポリチアゾー
    ル薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の芳香
    族ポリチアゾール薄膜の製造方法において、前記芳香族
    残基Ar2 がフェニル基、ビフェニル基、又はオキシジフ
    ェニル基であることを特徴とする芳香族ポリチアゾール
    薄膜の製造方法。
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JP4257293B2 (ja) * 2002-08-08 2009-04-22 本田技研工業株式会社 自己組織性を有する両親媒性化合物をテンプレートとした分子配向性ポリマーゲル及び分子配向性ポリマーキャストフィルム、並びにそれらの製造方法

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