JP3217764U - ナット脱落防止用クリップ装着工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の向上を図れるナット脱落防止用クリップ装着工具を提供する。【解決手段】ナット脱落防止用クリップ装着工具10は、挿入穴11Lと通路11Eとグリップ11Aとが設けられた本体11と、複数のナット脱落防止用クリップ1を積層状態で収容する収容部15と、本体11によって支持されたトリガー12と、スライダ13とを含む。挿入穴11Lには、ナットが組み付けられたねじ軸の先端部が挿入される。通路11Eは、挿入穴11Lにつながっている。収容部15に収容されたナット脱落防止用クリップ1は、通路11Eに1つずつ装填される。スライダ13は、トリガー12の引き操作に応じて通路11Eに沿って挿入穴11L側へスライドし、通路11E内のナット脱落防止用クリップ1を挿入穴11Lへ送る。【選択図】図4
Description
本考案は、ナット脱落防止用クリップをねじ軸に装着するための装着工具に関する。
特許文献1には、ナットがねじ込まれているボルトの露出部に取り付けられるナット脱落防止用クリップが提案されている。ナット脱落防止用クリップに設けられたストッパー部がボルトのねじ山に食い込むので、ナット脱落防止用クリップに隣接するナットがナット脱落防止用クリップを伴って回転することが規制される。これにより、ナットが緩んでボルトから脱落することが防止される。このナット脱落防止用クリップは、工具を使用しなくてもボルトの露出部に容易に取り付けることができる。
特許文献1に記載のナット脱落防止用クリップを複数準備してボルトに順番に取り付ける作業が想定される。この場合、複数のナット脱落防止用クリップが持ち運び中等において絡み合ってしまう不具合が生じ得る。また、ナット脱落防止用クリップの取り付けが容易であっても、複数のナット脱落防止用クリップを手作業でボルトに取り付ける場合には、ある程度の負担を作業者に強いる。
そこで、本考案の一実施形態は、複数のナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の向上を図れるナット脱落防止用クリップ装着工具を提供する。
本考案の一実施形態は、ナットが組み付けられたねじ軸の先端部が挿入される挿入穴と、前記挿入穴につながってナット脱落防止用クリップが1つずつ装填される通路と、把持されるグリップとが設けられた本体と、前記通路から上側へ延び、複数のナット脱落防止用クリップを積層状態で収容する収容部と、前記グリップを把持する手の指先が届く位置に配置され、前記本体によって支持されたトリガーと、前記トリガーの引き操作に応じて前記通路に沿って前記挿入穴側へスライドし、前記通路内のナット脱落防止用クリップを前記挿入穴へ送るスライダと、を含む、ナット脱落防止用クリップ装着工具を提供する。
この構成によれば、ナット脱落防止用クリップ装着工具では、収容部において複数のナット脱落防止用クリップが積層状態で収容されるので、これらのナット脱落防止用クリップが持ち運び中等において絡み合うことを防止できる。作業者は、グリップを把持することによってナット脱落防止用クリップ装着工具を構える。そして、作業者は、ナットが組み付けられたねじ軸の先端部を本体の挿入穴に挿入して、トリガーを引く。すると、ナット脱落防止用クリップ装着工具では、スライダが、収容部から本体の通路に装填されたナット脱落防止用クリップを挿入穴へ送るので、このナット脱落防止用クリップが、挿入穴内におけるねじ軸の先端部に取り付けられる。そのため、作業者は、ねじ軸の先端部を挿入穴に挿入してトリガーを引くという動作を繰り返すことによって、複数のナット脱落防止用クリップをねじ軸に次々と取り付けることができる。以上により、複数のナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記挿入穴が、ナットが組み付けられたねじ軸の先端部が上側から挿入される縦穴であり、前記通路が、前記挿入穴から横へ延びていてもよい。
この構成によれば、作業者は、ねじ軸の先端部を挿入穴に上側から挿入してトリガーを引くという動作を繰り返すことによって、複数のナット脱落防止用クリップをねじ軸に次々と取り付けることができる。
本考案の一実施形態において、前記本体には、その上面を切り欠いて前記挿入穴につながったガイド溝が形成されていてもよい。
この構成によれば、ねじ軸の先端部がガイド溝によって挿入穴へ導かれるので、作業者は、ねじ軸の先端部を挿入穴に容易に挿入することができる。これにより、ナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の一層の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記ガイド溝は、前記本体を貫通していてもよい。
この構成によれば、ねじ軸の先端部がガイド溝の両端のどちらからでも挿入穴へ導かれるので、作業者は、ねじ軸の先端部を挿入穴に容易に挿入することができる。これにより、ナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の一層の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記ナット脱落防止用クリップ装着工具が、前記本体に設けられた位置決め部をさらに含んでいてもよい。前記位置決め部は、前記挿入穴に挿入されるねじ軸の先端部においてナットに隣接する部分が前記通路と同じ高さ位置に配置されるように、当該ナットの端面に下側から接触する。
この構成によれば、ねじ軸に組み付けられたナットの端面に位置決め部が接触した状態で作業者がトリガーを引くと、ねじ軸の先端部においてナットに隣接する部分にナット脱落防止用クリップが取り付けられる。これにより、ナット脱落防止用クリップとナットとの間の遊びを最小限にすることができるので、ナットが当初の組み付け位置からナット脱落防止用クリップ側へ緩むことを防止できる。このようにねじ軸においてナットのすぐ近くの適正位置にナット脱落防止用クリップを取り付けることができるので、ナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の一層の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記収容部には、前記収容部に収容される各ナット脱落防止用クリップの一部を前記収容部の外に露出させる露出溝が形成されていてもよい。
この構成によれば、収容部においてナット脱落防止用クリップが詰まった場合には、作業者は、ナット脱落防止用クリップにおいて露出溝から露出された部分にアクセスすることによって、ナット脱落防止用クリップの詰まりを解消できる。これにより、ナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の一層の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記収容部が、前記本体に対して着脱可能であってもよい。
この構成によれば、収容部においてナット脱落防止用クリップが詰まった場合には、作業者は、収容部を本体から取り出して、ナット脱落防止用クリップの詰まりを解消できる。また、収容部を複数用意しておけば、作業者は、収容部を交換することによって、より多くのナット脱落防止用クリップをねじ軸に次々と取り付けることができる。以上により、複数のナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の向上を図れる。
本考案の一実施形態において、前記ナット脱落防止用クリップ装着工具が、前記スライダを前記挿入穴から退避するように付勢する付勢部材をさらに含んでもよい。
この構成によれば、作業者がトリガーを引く力を弱めると、スライダが付勢部材の付勢力によって自動的に退避するので、作業者がスライダを退避させなくても済む。これにより、ナット脱落防止用クリップの取り付けに関する作業性の一層の向上を図れる。
以下では、本考案の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、ナット脱落防止用クリップ1(以下では単に「クリップ1」と省略していう)の一例を示す斜視図である。クリップ1は、略平行に延びる一対の腕部1Aと、これらの腕部1Aの基端の間に架設された連結部1Bとを一体的に有し、針金等によって形成されている。
一対の腕部1Aのうち、一方の腕部1Aの先端には、他方の腕部1A側へ折り曲げられてから連結部1B側へ向かうようにUターンしたカール部1Cが形成されている。他方の腕部1Aの先端には、一方の腕部1A側へ湾曲した爪部1Dが形成されている。なお、図1におけるクリップ1の姿勢を基準として、爪部1Dは、その先端に向かうにつれて次第に下降している。連結部1Bは、一方の腕部1Aの基端から他方の腕部1Aへ向けて延び、途中で例えば円を描くように旋回してから他方の腕部1Aの基端につながっている。連結部1Bの途中において旋回した途中部1Eは、爪部1Dとは反対側(図1では上側)へ延びている。このようなクリップ1は、一対の腕部1Aの両方が見える位置から見ると略U字状であり、一対の腕部1Aが重なって見える位置から見ると略L字状である。
図2は、クリップ1が取り付けられたナット付ボルトの側面図である。ボルト2のねじ軸3にナット4が組み付けられたナット付ボルトでは、ねじ軸3においてボルト2の頭部5から最も離れた先端部3Aは、ナット4からはみ出ている。作業者は、クリップ1を掴んで先端部3Aに手作業で取り付けることができる。取付後のクリップ1は、ナット4に隣接している。クリップ1では、一対の腕部1Aが先端部3Aを挟んでいて、連結部1Bの途中部1Eが、ナット4において先端部3A側の端面4Aから立ち上がるように配置されている。一対の腕部1Aでは、一方の腕部1Aのカール部1Cが先端部3Aにおけるねじ溝に嵌っていて、他方の腕部1Aの爪部1Dが先端部3Aにおいて端面4Aに最も近いねじ溝に嵌っている。爪部1Dは、先端部3Aにおけるねじ山に噛み込んでいる。これにより、クリップ1は、先端部3Aに対して相対移動不能である。そのため、振動等によってナット4が緩もうとしても、クリップ1が邪魔になってナット4が先端部3A側へ回転できないので、ナット4の緩み止めやねじ軸3からの脱落防止を図ることができる。
図3は、クリップ1が取り付けられたナット付ボルトをねじ軸3の軸方向から見た平面図である。取付後のクリップ1は、ナット4の輪郭の内側に配置されている。そのため、この状態でボックスレンチ(図示せず)をナット4にかぶせてナット4を増し締めすることができる。
図4は、本考案の一実施形態に係るナット脱落防止用クリップ装着工具10(以下では単に「装着工具10」と省略していう)の模式的な側面図である。図4における装着工具10の姿勢は、通常使用時における通常姿勢であるが、装着工具10は、通常姿勢から多少傾いた姿勢で使用されてもよい。図4の左側が装着工具10の前側であり、図4の右側が装着工具10の後側である。図4の紙面に直交する方向が、装着工具10の左右方向である。図4は、装着工具10の左側面図である。装着工具10は、例えばピストル形状を有する中空の本体11と、本体11によって支持されたトリガー12と、本体11内に配置されたスライダ13と、スライダ13を付勢する付勢部材14と、本体11から上側へ延びる収容部15とを含む。なお、装着工具10におけるコーナー部分は、必要に応じて面取り等によって丸められてもよい。
本体11には、上下に延びるグリップ11Aと、グリップ11Aの上端から前側へ延びる延設部11Bと、延設部11Bの後部から下側へ突出した下突出部11Cと、延設部11Bの後端から後側へ突出した後突出部11Dとが設けられている。これらは、一体形成されてもよいし、別々の部品として存在して後から組み合わされてもよい。
延設部11Bは、前後に長手の四角柱状であって、本体11の上端部を構成している。図4のA−A矢視断面図である図5も参照して、延設部11Bの上面における前側領域には、前後方向に沿って直線状に延びる長溝状の通路11Eと、通路11Eを挟んで帯状に延びる左右一対のガイドレール11Fと、通路11Eの前端を横切るように延設部11Bの上面を切り欠いたガイド溝11Gとが設けられている。延設部11Bには、通路11Eを下側から区画するガイド面11Hと、前後方向に延びてガイド面11Hを左右に分断する中央穴11Jと、中央穴11Jから下側へ広がる内部空間とが設けられている。装着工具10が通常姿勢にあるとき、ガイド面11Hは、水平または略水平である。
装着工具10が通常姿勢にあるとき、一対のガイドレール11Fの互いの上面は、水平または略水平であって、同じ高さ位置にある。一対のガイドレール11Fの上面の前端部間には、左右に延びる板状の蓋部材16が架設されている。延設部11Bには、蓋部材16に後側から隣接するストッパ17が取り付けられている。ストッパ17は、延設部11Bの左面に沿って縦に延びてから折れ曲がって右側へ延びるL字状に形成されている。ストッパ17の横部分17Aの右端部は、僅かに通路11E内に突出している。一対のガイドレール11Fにおいて蓋部材16よりも前側にはみ出した前端と、延設部11Bの前端部においてガイド溝11Gよりも前側に位置する部分とは、位置決め部11Kをそれぞれ構成している。装着工具10が通常姿勢にあるとき、これらの位置決め部11Kの上面は、水平または略水平であって、同じ高さ位置にある。
ガイド溝11Gは、本体11の上端部を左右方向に沿って貫通している。ガイド溝11Gの溝底は、左右に長手の長方形状であり、ガイド面11Hの前端に連続してガイド面11Hと面一になっている。ガイド溝11Gの溝底において左右方向における中央には、挿入穴11Lが形成されている。挿入穴11Lは、延設部11Bの前端部を上下に貫通した円形状の縦穴であり、通路11Eの前端につながっている。通路11Eは、挿入穴11Lの上端から横(ここでは後側)へ延びている。ガイド溝11Gは、左右方向における両側から挿入穴11Lにつながっている。
図4を参照して、下突出部11Cは、側面視において下側へ向けて細くなった略三角形状の中空体であって、その内部空間は、延設部11Bの内部空間に下側からつながっている。下突出部11Cの下端部には、下突出部11Cの内部空間を左右に横切った支持軸18が設けられている。後突出部11Dは、前後方向に延びる筒状に形成されていて、その内部空間は、延設部11Bの内部空間に後側からつながっている。
トリガー12は、上下に細長いレバーである。トリガー12では、略上半分が下突出部11Cおよび延設部11Bの内部空間に配置され、略下半分が下突出部11Cから下側へはみ出している。トリガー12の略上半分は、側面視において略下半分に対して傾斜していてもよい。トリガー12の中央部は、支持軸18に連結されている。これにより、トリガー12は、支持軸18を介して本体11によって支持されていて、支持軸18まわりに前後に回動可能である。
スライダ13は、例えば前後に延びるブロック状に形成されている。スライダ13は、延設部11Bの内部空間に配置されていて、延設部11Bによって支持されている。スライダ13の少なくとも一部は、前述した中央穴11J(図5参照)と左右方向において同じ位置にある。スライダ13の上面は、前述した通路11Eのガイド面11Hよりも僅かに低い位置にある。スライダ13は、通路11Eに沿って前後方向にスライド可能である。図4におけるスライダ13は、最も後側の退避位置にある。スライダ13には、下側へ突出した突出部13Aが設けられている。トリガー12の上端は、突出部13Aに後側から接触している。スライダ13が退避位置にあるとき、トリガー12の略下半分は、前下側へ延びている。
付勢部材14は、前後に伸縮可能であり、例えばコイルばねによって構成されている。付勢部材14は、延設部11Bおよび後突出部11Dの内部空間に跨って配置されている。付勢部材14の前端は、スライダ13の後端に連結され、付勢部材14の後端は、後突出部11Dの後端に連結されている。付勢部材14は、収縮しようとすることによって、スライダ13を挿入穴11Lから後側へ退避するように退避位置へ向けて付勢している。
収容部15は、上下に長手の管状であって、本体11の通路11Eにおいて蓋部材16よりも後側の部分から上側へ直線状に延びている。装着工具10が通常姿勢にあるとき、収容部15は、後上側へ傾斜している。図5を参照して、収容部15の内部空間である収容空間15Aは、L字状の平断面を有する。収容空間15Aは、通路11Eに上側からつながっている。収容部15は、収容空間15Aを区画する前区画部15B、右区画部15Cおよび後区画部15Dを有する。これらの区画部は、収容部15の外壁として上下に延びるレール状に形成されている。前区画部15Bは、後側から前側へ向けてJ字をなす平断面を有している。右区画部15Cは、前区画部15Bの前側右端部から後側へ延びている。後区画部15Dは、右区画部15Cの後端から左側へ延びている。後区画部15Dは、収容空間15Aを隔てて前区画部15Bに後側から対向している。後区画部15Dの前面において上下方向における全域には、上下に延びる受入溝15Eが形成されている。収容部15における前区画部15Bの後側左端部と後区画部15Dの左端部との間には、上下に延びるスリット状の露出溝15Fが形成されている。
図4を参照して、クリップ1は、収容部15の収容空間15Aの上端において開放された収容口15Gから収容空間15Aに投入される。収容部15は、複数(最大で例えば数10個)のクリップ1を積層状態で収容する。装着工具10が通常姿勢にあるときのクリップ1の積層方向は、後上側へ傾斜している。このように収容部15において複数のクリップ1が積層状態で収容されるので、これらのクリップ1が持ち運び中等において絡み合うことを防止できる。収容された各クリップ1は、図1とは上下が逆になった姿勢にあり、連結部1Bの途中部1Eが下側へ突出している。収容された各クリップ1では、爪部1Dが設けられた腕部1Aと連結部1Bとが収容空間15A内に配置され、途中部1Eが後区画部15Dの受入溝15Eに収容されている(図5参照)。しかし、各クリップ1においてカール部1Cが設けられた腕部1Aは、露出溝15Fから収容部15の外に露出されて前区画部15Bの左面に沿っている(図5参照)。そのため、収容部15においてクリップ1が詰まった場合には、作業者は、クリップ1において露出溝15Fから露出された腕部1Aにアクセスしてクリップ1を並べ直すことによって、クリップ1の詰まりを解消できる。
収容部15内のクリップ1は、自重によって下降することによって、最下位のクリップ1から順に、本体11の通路11Eに1つずつ装填される。収容部15から通路11Eに装填されたクリップ1では、カール部1Cが設けられた腕部1Aが、ガイド面11Hの左領域に載り、爪部1Dが設けられた腕部1Aが、ガイド面11Hの右領域に載り、連結部1Bの途中部1Eが、ガイド面11Hの中央穴11Jに嵌って、ガイド面11Hよりも下側に配置されている(図5も参照)。ちなみに、図5に図示されたクリップ1は、通路11Eに装填されたクリップ1の1つ上に位置するクリップ1である。また、前述したストッパ17の横部分17Aの右端部は、通路11Eに装填されたクリップ1のカール部1Cに前側から僅かに接触しているので、このクリップ1が勝手に前側へ動くことが防止される。図4において退避位置にあるスライダ13は、通路11Eに装填されたクリップ1よりも挿入穴11Lから後側へ離れていて、このクリップ1の途中部1Eに後側から対向している。
装着工具10を用いてナット付ボルトにクリップ1を取り付ける場合、作業者は、装着工具10の本体11のグリップ11Aを把持することによって装着工具10を構える。トリガー12は、グリップ11Aを把持する手の指先が届く位置にある。作業者は、例えば装着工具10をナット付ボルトに近付ける。このときのナット付ボルトは、図2とは上下の向きが逆であって、ねじ軸3の先端部3Aが下側を向いている。作業者は装着工具10を動かすことによって、ねじ軸3の先端部3Aを本体11のガイド溝11Gに通して挿入穴11Lに上側から挿入する。
このようにねじ軸3の先端部3Aがガイド溝11Gによって挿入穴11Lへ導かれるので、作業者は、ねじ軸3の先端部3Aを挿入穴11Lに容易に挿入することができる。特にガイド溝11Gが本体11を左右に貫通しているので、先端部3Aは、ガイド溝11Gにおける左右の両端のどちらからでも挿入穴11Lへ導かれる。よって、作業者は、ねじ軸3の先端部3Aを挿入穴11Lに一層容易に挿入することができる。
ねじ軸3に組み付けられたナット4は、挿入穴11Lの周囲における複数の位置決め部11Kのそれぞれと平面視において部分的に重なる(図5参照)。そのため、先端部3Aを挿入穴11Lに目一杯挿入すると、各位置決め部11Kの上面が、ナット4における先端部3A側の端面4Aに下側から接触する(図6参照)。これにより、先端部3Aにおいて端面4Aに隣接する部分が、本体11においてクリップ1が装填された通路11Eの前端と同じ高さ位置に配置される(図6参照)。
このようにねじ軸3の先端部3Aが挿入穴11Lに挿入されてナット付ボルトの全体が位置決め部11Kによって位置決めされた状態において、作業者は、グリップ11Aを把持する手でトリガー12を引く。作業者によるトリガー12の引き操作に応じて、スライダ13がスライドし、退避位置から挿入穴11L側へ進出する。その際、スライダ13は、通路11Eに装填されたクリップ1(図4において破線で示したクリップ1)の途中部1Eを前側へ押すので、このクリップ1は、ストッパ17の横部分17A(図5参照)を乗り越えて、通路11E内において挿入穴11Lへ向けて前進する。通路11Eが蓋部材16によって上側から覆われているので、前進中のクリップ1が通路11Eから上側へはみ出すことが防止される。図6に示すように作業者がトリガー12を引ききると、スライダ13が、挿入穴11Lの手前まで進出し、通路11E内のクリップ1を挿入穴11Lに送り込む。これにより、このクリップ1は、手作業の場合と同様に、挿入穴11Lに挿入されたねじ軸3の先端部3Aにおいてナット4の端面4Aに隣接する部分に取り付けられる。この場合には、クリップ1とナット4との間の遊びを最小限にすることができるので、ナット4が当初の組み付け位置からクリップ1側へ緩むことを防止できる。つまり、ねじ軸3においてナット4のすぐ近くの適正位置にクリップ1を取り付けることができる。
次に、作業者がトリガー12を引く力を緩めると、スライダ13は、付勢部材14の付勢力によって自動的に退避位置まで戻り、収容部15内における最下位のクリップ1が自重によって本体11の通路11Eに装填される(図4参照)。この場合、作業者は、進出したスライダ13を退避させる手間をかけずに済む。作業者が、先ほどクリップ1が取り付けられたナット付ボルトを挿入穴11Lから外すと、このナット付ボルトへのクリップ1の取り付けに関する一連の作業が終了する。そして、作業者は、別のナット付ボルトの先端部3Aを挿入穴11Lに挿入してトリガー12を引くという動作を繰り返すことによって、複数のクリップ1をねじ軸3に次々と取り付けることができる。以上により、複数のクリップ1の取り付けに関する作業性の向上を図れる。
本考案の実施形態の説明は以上であるが、本考案は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、本考案の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、クリップ1を収容する収容部15が本体11に固定されているが、収容部15は、本体11に対して着脱可能であってもよい。この構成によれば、収容部15においてクリップ1が詰まった場合には、作業者は、収容部15を本体11から取り出して、クリップ1の詰まりを解消できる。また、収容部15を複数用意しておけば、作業者は、収容部15を交換することによって、より多くのクリップ1をねじ軸3に次々と取り付けることができる。以上により、複数のクリップ1の取り付けに関する作業性の向上を図れる。
また、クリップ1を通す通路11Eの幅を決める左右のガイドレール11Fの間隔W(図5参照)は、クリップ1の最大サイズに合わせて設定されてもよい。または、少なくともどちらかのガイドレール11Fが位置調整できることによって、クリップ1のサイズに応じて間隔Wが調整可能であってもよい。
クリップ1が取り付けられるボルト2は、頭部5を有さなくてもよい。
トリガー12とスライダ13とは、直接連結されなくてもよく、公知のリンク機構を介して連結されてもよい。また、トリガー12は、回動するのでなく、前後にスライド可能であってもよい。また。スライダ13は、作業者がトリガー12を引く力によってスライドするが、例えば、本体11にモータ等を取り付けて、その駆動力によってスライダ13をスライドさせてもよい。その場合のトリガー12は、スイッチとして機能する。
収容部15に収容されたクリップ1は、自重によって本体11の通路11Eに装填されるが、例えば収容部15にばね等の付勢部材を設けて、その付勢力によってクリップ1を通路11Eに装填してもよい。これにより、クリップ1の装填不良を抑制できる。
クリップ1の形状および構造は、図1で示したものに限らない。クリップ1は、C字状またはU字状の形状を有していればよく、装着工具10は、当該形状を有する様々な種類のクリップ1をねじ軸3に取り付けるために使用できる。
その他、実用新案登録請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :ナット脱落防止用クリップ
3 :ねじ軸
3A :先端部
4 :ナット
4A :端面
10 :ナット脱落防止用クリップ装着工具
11 :本体
11A :グリップ
11E :通路
11G :ガイド溝
11K :位置決め部
11L :挿入穴
12 :トリガー
13 :スライダ
14 :付勢部材
15 :収容部
15F :露出溝
3 :ねじ軸
3A :先端部
4 :ナット
4A :端面
10 :ナット脱落防止用クリップ装着工具
11 :本体
11A :グリップ
11E :通路
11G :ガイド溝
11K :位置決め部
11L :挿入穴
12 :トリガー
13 :スライダ
14 :付勢部材
15 :収容部
15F :露出溝
Claims (8)
- ナットが組み付けられたねじ軸の先端部が挿入される挿入穴と、前記挿入穴につながってナット脱落防止用クリップが1つずつ装填される通路と、把持されるグリップとが設けられた本体と、
前記通路から上側へ延び、複数のナット脱落防止用クリップを積層状態で収容する収容部と、
前記グリップを把持する手の指先が届く位置に配置され、前記本体によって支持されたトリガーと、
前記トリガーの引き操作に応じて前記通路に沿って前記挿入穴側へスライドし、前記通路内のナット脱落防止用クリップを前記挿入穴へ送るスライダと、
を含む、ナット脱落防止用クリップ装着工具。 - 前記挿入穴は、ナットが組み付けられたねじ軸の先端部が上側から挿入される縦穴であり、
前記通路は、前記挿入穴から横へ延びている、請求項1に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。 - 前記本体には、その上面を切り欠いて前記挿入穴につながったガイド溝が形成されている、請求項2に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
- 前記ガイド溝は、前記本体を貫通している、請求項3に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
- 前記本体に設けられた位置決め部であって、前記挿入穴に挿入されるねじ軸の先端部においてナットに隣接する部分が前記通路と同じ高さ位置に配置されるように当該ナットの端面に下側から接触する位置決め部をさらに含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
- 前記収容部には、前記収容部に収容される各ナット脱落防止用クリップの一部を前記収容部の外に露出させる露出溝が形成されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
- 前記収容部は、前記本体に対して着脱可能である、請求項2〜6のいずれか一項に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
- 前記スライダを前記挿入穴から退避するように付勢する付勢部材をさらに含む、請求項2〜7のいずれか一項に記載のナット脱落防止用クリップ装着工具。
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