JP3217259U - スマートデバイス用レンズユニット及び透過型複式顕微鏡装置 - Google Patents

スマートデバイス用レンズユニット及び透過型複式顕微鏡装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カメラ機能を有するスマートデバイスを用いて容易に高分解能透過型顕微鏡像を取得できるレンズユニット及び透過型複式顕微鏡装置を提供する。【解決手段】レンズ1と、透明又は半透明材料からなりレンズ1を光軸に垂直な方向から保持する板状の保持部材3と、保持部材3の一方の面に設けられレンズユニット13をスマートデバイスに固定するための第1の滑り止め材5と、保持部材3の他方の面に設けられ試料プレパラートを固定するための第2の滑り止め材6とを備えるレンズユニット13を、スマートデバイスの上にレンズ1がカメラ(レンズ)の光軸上に位置するように載置して透過型複式顕微鏡とし、試料台を兼ねるレンズユニット13上に試料プレパラートを載置して顕微鏡観察を行う。【選択図】図5

Description

本考案は、カメラ機能を有するスマートデバイスを用いて顕微鏡観察を行うためのレンズユニット及びこのレンズユニットを用いた透過型複式顕微鏡装置に関する。
350年以上前にオランダのレーウェンフック(Leeuwenhoek)により発明されたレーウェンフック顕微鏡は、世界最初の顕微鏡であり、ボールレンズ1個の単純な構造ではあるが、高性能かつ高倍率(100〜300倍)であるため、長い間人々を魅了し続けてきた。また、本願出願人は、このレーウェンフック顕微鏡の仕組みを単純化し、操作性を向上させると共に、高性能ボールレンズの使用により性能も向上させた単式顕微鏡を提案している(特許文献1参照)。
一方、レーウェンフック顕微鏡は、観察者の眼の水晶体レンズと一体となり、レンズ式の複式顕微鏡を構成しているとも言える。そして、近年、観察者の眼の水晶体レンズを、スマートフォンやタブレット端末などのカメラ機能を有するスマートデバイスの撮影用レンズに置き換えた複式顕微鏡が提案されている(非特許文献1,2参照)。
これらの新しいタイプの複式顕微鏡は、スマートデバイスがカメラ機能として備える自動焦点や自動露出を有効利用し、市販の高級顕微鏡並の性能が得られると報告されている。このような理由から、スマートデバイスを用いたレーウェンフック型単式顕微鏡は、教育、医療、健康産業、化粧品産業、食品産業、農林水産業及びエンターテイメントなどの幅広い分野において、普及が期待されている。
特開2004−233930号公報
David N. Breslauer 他4名、"Mobile Phone Based Clinical Microscopy for Global Health Applications"、PLoS ONE 4(7): e6320、2009年7月22日発行 Z.J. Smith 他9名、"Cell-Phone-Based Platform for Biomedical Device Development and Education Applications"、PLoS ONE 6(3): e17150、2011年3月2日発行
前述したスマートデバイスを用いたレーウェンフック型単式顕微鏡は、スマートデバイスの高機能性が付加され、急速に普及するかに見えたが、以下に示す問題点を有することから、現在、期待するほどに普及していない。
(1)手で持つことを前提としているため、撮影された画像に手ぶれが生じやすい。これは、スマートデバイスの携帯性が、悪い方に作用したものと考えられる。
(2)カメラと同様に、観察対象物を表面の反射光により観察する反射型顕微鏡であり、レーウェンフック顕微鏡本来の透過型ではない。
(3)レーウェンフック顕微鏡を、スマートデバイスに固定する機構が必要であり、機構が煩雑となる。
(4)観察対象物が手に取れる試料の場合、固定用試料台が必要となり、機構が煩雑となる。
(5)観察対象物が固定された試料の場合、顕微鏡本体を近接させると、顕微鏡本体により照明光が遮られるため、別途照明装置を用意する必要があり、機構が煩雑となる。
そこで、本考案は、カメラ機能を有するスマートデバイスを用いて容易に高分解能透過型顕微鏡像を取得できるレンズユニット及び透過型複式顕微鏡装置を提供することを目的とする。
本考案に係るレンズユニットは、カメラ機能を有するスマートデバイスを用いて顕微鏡観察を行うためのレンズユニットであり、レンズと、透明又は半透明材料からなり、前記レンズを光軸に垂直な方向から保持する板状の保持部材と、前記保持部材の一方の面に設けられ、前記スマートデバイスに固定するための第1の滑り止め材と、前記保持部材の他方の面に設けられ、試料プレパラートを固定するための第2の滑り止め材とを備える。
本考案のレンズユニットは、前記レンズの一部が前記保持部材から突出しており、前記第1及び第2の滑り止め材が前記レンズを囲むように設けられていてもよい。
また、本考案のレンズユニットでは、前記レンズと前記保持部材とが一体で形成されていてもよい。
本考案に係る透過型複式顕微鏡装置は、前述したレンズユニットと、カメラ機能を有するスマートデバイスとを有し、前記レンズユニットは前記スマートデバイスの上に、前記レンズが前記カメラの光軸上に位置するように載置されており、試料台を兼ねる前記レンズユニット上に試料プレパラートが載置されるものである。
この顕微鏡装置では、例えば前記レンズユニットのレンズは、その光軸が前記カメラに搭載されたレンズの光軸と一致するように配置され、前記試料の透過像は、前記レンズユニットのレンズ及び前記カメラのレンズにより拡大された後、前記カメラに搭載された撮像素子により取得される。
本考案によれば、レンズユニットのレンズとスマートデバイスのカメラの光学系とで複式顕微鏡を構成しているため、従来の単式顕微鏡に比べて、簡便な操作で、高分解能の透過型顕微鏡像を取得することができる。
A〜Cは本考案の第1の実施形態に係るレンズユニットの構成を示す模式図であり、Aは斜視図、Bは平面図、Cは側面図である。 Aは図1に示すレンズユニット10を使用した透過型複式顕微鏡の構成を模式的に示す斜視図であり、Bはその側面図である。 Aは本考案の第1の実施形態の第1変形例に係るレンズユニットの構成を模式的に示す斜視図であり、Bはその側面図である。 本考案の第1の実施形態の第2変形例に係るレンズユニットの構成を模式的に示す側面図である。 本考案の第1の実施形態の第3変形例に係るレンズユニットの構成を模式的に示す側面図である。 Aは本考案の第2の実施形態に係る試料観察キットの構成を模式的に示す斜視図であり、Bはその一部断面側面図である。 Aは本考案の第3の実施形態に係る試料観察キットの構成を模式的に示す斜視図であり、Bはその使用形態を示す一部断面側面図である。 Aは本考案の第4の実施形態に係る透過型複式顕微鏡の構成を模式的に示す斜視図であり、Bはその側面図である。 本考案の第5の実施形態に係る試料観察キットの構成例を示す模式図である。 本考案の第5の実施形態に係る試料観察キットの他の構成例を示す模式図である。 本考案の第5の実施形態に係る試料観察キットの他の構成例を示す模式図である。 Aは本考案の第6の実施形態に係るレンズユニットの構成を模式的に示す側面図であり、Bはそのレンズ付近の拡大図である。 A及びBは本考案の第6の実施形態の変形例に係るレンズユニットのレンズ付近の拡大図である。 Aは従来の光学顕微鏡で撮影したミドリムシの顕微鏡写真であり、Bはその拡大図である。 Aは本考案の透過型複式顕微鏡で撮影したミドリムシの顕微鏡写真であり、Bはその拡大図である。
以下、本考案を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本考案は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本考案の第1の実施形態に係るレンズユニットについて説明する。図1A〜Cは本実施形態のレンズユニットの構成を示す模式図であり、図1Aは斜視図、図1Bは平面図、図1Cは側面図である。図1A〜Cに示すように、本実施形態のレンズユニット10は、レンズ1と、それを保持する保持部材3とを少なくとも備えており、これにより単式顕微鏡が構成されている。
[レンズ1]
レンズ1には、ガラス又はプラスチックにより形成されたボールレンズやグリンレンズを使用することができる。レンズ1の大きさは、例えば1〜5mmであるが、小さいレンズほど焦点距離が小さく、スマートデバイスと一体で構成される複式顕微鏡の倍率が大きくなるので、必要倍率に応じて選択される。
[保持部材3]
保持部材3には、例えば透明平板又は半透明平板を用いることができ、レンズ1を収容可能な大きさの貫通孔2が形成されている。保持部材3は、スマートデバイスのカメラ光軸とレンズユニットのレンズ1との位置合わせを容易にする観点から、透明材料を用いることが好ましい。ただし、その場合、レンズ1に迷光が入ることを防止するため、貫通孔2の内壁に黒色塗料や黒色シートで被覆するなどの不透明化処理を施すことが望ましい。
また、保持部材3は、レンズ1を貫通孔2に収容した際に、レンズ1が保持部材3から突出しない厚さであればよい。更に、貫通孔2の周囲を着色することもできる。
[透明樹脂シート4]
本実施形態のレンズユニット10は、保持部材3の貫通孔2の開口部分がそれぞれ透明樹脂シート4で覆われていることが好ましい。透明樹脂シート4は、少なくとも貫通孔2の開口部分に貼付されていればよいが、図1に示すように保持部材3の表面及び裏面(試料側面及びスマートデバイス側面)の全体を覆うように設けられていてもよい。透明樹脂シート4の厚さは、レンズの作動距離(レンズ面と焦点との間の距離)より充分小さいことが好ましい。
透明樹脂シート4を設ける場合、レンズ1の焦点位置が、透明樹脂シート4の外面になるようにレンズ1の位置を調整することが望ましい。ここで、図1Cでは、レンズ1が透明樹脂シート4に接触しているが、レンズ1と透明樹脂シート4とは接触していなくてもよい。レンズ1の位置は、その焦点位置の調整に応じて適宜設定することができる。
[使用方法]
次に、本実施形態のレンズユニット10を用いて、顕微鏡観察を行う方法について説明する。本実施形態のレンズユニット10は、レンズ1がスマートデバイスに設けられたカメラの光軸上に位置するように配置される。例えば、保持部材3が透明平板で形成されている場合は、保持部材3を通して見えるスマートデバイスのカメラの窓とレンズ1が重なるように配置する。これにより、レンズユニット10のレンズ1と、スマートデバイスのカメラのレンズとで透過型複式顕微鏡が構成される。
図2Aは図1に示すレンズユニット10を使用した透過型複式顕微鏡の構成を模式的に示す斜視図であり、図2Bはその側面図である。図2Aに示すように、本実施形態のレンズユニット10は、スマートデバイス20の画像表示面21側に設けられたフロントカメラ22上に配置される。図1A及びBに示すレンズユニット10は、上下対称の構成になっているため、表面及び裏面のどちらの面をスマートデバイス20側に配置してもよい。
また、図2Bに示すように、レンズユニット10は、レンズ1の光軸と、スマートデバイス20のカメラ22(レンズ22a)の光軸とが、一致するように配置することが望ましい。これにより、レンズユニット10のレンズ1と、スマートデバイス20のレンズ22aにより、透過型複式顕微鏡が構成される。
この透過型複式顕微鏡により、試料を観察する場合は、観察対象の試料を、レンズユニット10の透明樹脂シート4に載置するか、又は、薄い透明シート(所謂試料プレパラート)に載置し、その透明シートをレンズユニット10上に載置する。その際、試料がレンズ1の上方に位置するようにする。そして、カメラ22の撮像素子22bにより試料2の顕微鏡観察画像を、例えばスマートデバイス20のカメラが備える自動焦点や自動露出を利用して取得する。
本実施形態のレンズユニットは、スマートデバイスのフロントカメラ上に配置されるため、顕微鏡観察する際は、スマートデバイスを机上に静置でき、画像に手ぶれが発生しない。また、本実施形態のレンズユニットは、略平板状であるため、安定性に優れ、スマートデバイスへの機械的固定機構が不要となる。本実施形態のレンズユニットとスマートデバイスとを組み合わせた複式顕微鏡は、レーウェンフック顕微鏡本来の透過型顕微鏡となっている。そして、この透過型複式顕微鏡は、試料をレンズユニット上に載置するため、試料台も不要となる。加えて、本実施形態のレンズユニットは、簡素な構造であるため、掃除が容易で、水洗いも可能である。
(第1の実施形態の第1変形例)
次に、本考案の第1の実施形態の第1変形例に係るレンズユニットについて説明する。図3Aは本変形例のレンズユニットの構成を模式的に示す斜視図であり、図3Bはその側面図である。なお、図3A及びBにおいては、図1A及びBに示すレンズユニット10の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
透明樹脂シート4は、表面が平坦で摩擦が小さいため、レンズユニット10をスマートデバイス20に、安定して固定することが難しいことがある。そこで、図3A及びBに示すように、本変形例のレンズユニット11では、スマートデバイス20側の面に、樹脂又はゴム製の滑り止め材5が設けられている。この滑り止め材5の厚さは、スマートデバイスケースの筐体の凹凸(表示面と筐体の段差など)を考慮し、例えば0.5〜3mmとすることができる。この滑り止め材5には、スマートデバイスの表示面を形成する樹脂材料に対して吸着性が高いシリコンゴムが好適である。
このように滑り止め材5を設けることにより、レンズユニット11を固定する際の安定性が向上する。そして、本変形例のレンズユニット11は、スマートデバイス20のフロントカメラ22の窓と、レンズ1の位置合わせをした後、スマートデバイス20に押し付けるだけで簡単に固定することが可能である。
(第1の実施形態の第2変形例)
次に、本考案の第1の実施形態の第2変形例に係るレンズユニットについて説明する。図4は本変形例のレンズユニットの構成を模式的に示す側面図である。なお、図4においては、図3A及びBに示すレンズユニット11の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本変形例のレンズユニット12では、試料側の面に設けられた樹脂シート4に、樹脂又はゴム製の滑り止め材6が埋め込まれている。滑り止め材6の厚さは、例えば0.5mmとすることができる。また、滑り止め材6には、試料プレパラートを形成するガラス材や樹脂材料への吸着性が高いシリコンゴムが好適である。このように、試料側の面に滑り止め材6を設けることにより、試料プレパラートをレンズユニット12の表面に押し付けるだけで固定することができるため、試料保持の安定性が向上する。
(第1の実施形態の第3変形例)
次に、本考案の第1の実施形態の第3変形例に係るレンズユニットについて説明する。図5は本変形例のレンズユニットの構成を模式的に示す側面図である。なお、図5においては、図3A及びBに示すレンズユニット11の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本変形例のレンズユニット13では、デバイス側の面に滑り止め材5が設けられると共に、試料側の面に設けられた樹脂シート4に滑り止め材6が埋め込まれている。これにより、前述した第1変形例及び第2変形例の両方の効果が得られるため、図5に示すレンズユニット13は最も操作性に優れている。
(第2の実施形態)
次に、本考案の第2の実施形態に係る試料観察キットについて説明する。図6Aは本実施形態の試料観察キットの構成を模式的に示す斜視図であり、図6Bはその一部断面側面図である。なお、図6A及びBにおいては、図1A及びBに示すレンズユニット10の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
透過型顕微鏡の場合、照明法が顕微鏡性能に影響する。試料に対する照明法には、光源像を試料面上に作るクリティカル照明と光源の大きさや形に無関係のケーラー照明があるが、本実施形態の試料観察キットでは、ケーラー照明を採用している。具体的には、図6A及びBに示すように、本実施形態の試料観察キットは、前述した第1の実施形態のレンズユニット10と、照明用キャップ部材30とを備えており、照明用キャップ部材30がケーラー照明として機能する。
[照明用キャップ部材30]
照明用キャップ部材30は、不透明材料からなるキャップ部31と、キャップ部31上面に嵌め込まれた採光用レンズ32とで構成されている。採光用レンズ32としては、例えばボールレンズを使用することができる。この照明用キャップ部材30は、図4A及びBに示すように、レンズユニット10のレンズ1とその上に配置された試料9を覆うように、レンズユニット10上に配置される。従って、観察用試料9は、レンズユニット10と採光用レンズ32との間に位置することとなる。
このように、照明用キャップ部材30を、試料9上に設置すると、採光用レンズ32の作用で、光源位置に関わらず、試料9はケーラー照明される。また、照明用キャップ部材30は、レンズユニット10と別部材となっており、任意の位置に設置が可能であるため、例えば斜め方向の光源像に対しても照明用キャップ部材30を移動させることにより、最適照明位置を探索することができる。
照明用キャップ部材30は、設置後に容易に移動しないように、底面(レンズユニット10と接触する面)に、ゴム製の滑り止め材33が設けられていることが好ましい。この滑り止め材33には、保持部材3や透明樹脂シート4などを形成する樹脂材料への吸着性が高いシリコンゴムが好適である。
また、照明用キャップ部材30の高さは、採光用レンズ32の下端(試料側端部)と、試料との距離が、3〜10mmになるように調整されていることが好ましい。なお、採光用レンズ32の代わりに、キャップ部31上面に中空ピンホールを設けた場合でも、照明効果が得られるが、その場合、光源と試料の位置関係により照明用キャップ部材30の位置調整が必要になる。このため、本実施形態の試料観察キットの照明用キャップ部材30では、採光用レンズ32を用いる構成を採用している。
なお、図6A及びBには、第1の実施形態のレンズユニット10を用いた例を示しているが、本考案はこれに限定されるものではなく、第1の実施形態の第1〜第3変形例のレンズユニット11〜13を用いてもよく、その場合も前述した効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、本考案の第3の実施形態に係る試料観察キットについて説明する。図7Aは本考案の第3の実施形態に係る試料観察キットの構成を模式的に示す斜視図であり、図7Bはその使用形態を示す一部断面側面図である。なお、図7A及びBにおいては、図2A及びBに示すレンズユニット11の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7A及びBに示すように、本実施形態の試料観察キットは、レンズユニット11と、照明用キャップ部材30と、カバーシート40とを備えている。レンズユニット11のレンズ1は小さく、焦点距離及び作動距離が極めて小さいため、例えば試料がレンズユニット11に密接していないなど、試料の配置状態によりピントが合わせにくくなる。
そこで、本実施形態の試料観察キットでは、試料を覆う透明カバーシート40を備えている。このカバーシート40は、いわゆる試料カバーグラスと同様の作用を有する。カバーシート40の厚さは、レンズユニット11の仕様(レンズ1の焦点距離や透明樹脂シート4の厚さなど)に応じて適宜設定することができるが、例えば0.2mm程度である。
図7Aに示すように、カバーシート40は、試料9に被された後、照明用キャップ部材30で押さえ付けることにより固定される。その形状は、特に限定されるものではないが、例えば中央部40aを照明用キャップ部材30の内側に収まる大きさとし、その左右に矩形状の取っ手部分40bが伸びた形状とすることができる。図7Bに示すように、このカバーシート40の場合、中央部分40aを試料9にのせ、照明用キャップ部材30の溝に取っ手部分40bを収め上から押さえつけて固定する。
また、照明用キャップ部材30の側面下部の対向する2カ所に、カバーシート40の取っ手部40bの幅に相当する切り欠きを形成し、この切り欠きによりカバーシート40の取っ手部40bを固定する構成にしてもよい。その場合、切り欠きの深さは、照明用キャップ部材30の滑り止め材33との和が、カバーシート40の厚さと同等又はそれ以上となるようにすることが好ましい。
なお、図7A及びBには、第1の実施形態の第1変形例のレンズユニット11を用いた例を示しているが、本考案はこれに限定されるものではなく、第1の実施形態のレンズユニット10及びその第2,3変形例のレンズユニット12,13を用いてもよく、その場合も前述した効果が得られる。
(第4実施形態)
次に、本考案の第4の実施形態に係る透過型複式顕微鏡について説明する。図8Aは本実施形態の透過型複式顕微鏡の構成を模式的に示す斜視図であり、図8Bはその側面図である。前述した第1の実施形態では、スマートデバイス20の表示面21側にあるフロントカメラ22上に、レンズユニット10を配置する場合を例に説明したが、本考案のレンズユニットは、表示面21と反対側(背面側)にあるリアカメラ上に配置して使用することもできる。
そこで、本実施形態の透過型複式顕微鏡では、図8A及びBに示すように、上面及び側面開口部51,52が設けられ、内部に平面鏡(反射板)53が設置された反射箱50を用いる。反射箱50は、例えば透明のアクリル樹脂により形成することができる。これにより、レンズユニット10を、スマートデバイス20のリアカメラ上に配置した場合でも、反射箱50内の平面鏡53により、表示面に表示された画像を観察することができる。また、側面に設けられた開口部52により、表示面をタッチして操作することもできる。
なお、図8A及びBには、第1の実施形態のレンズユニット10を用いた例を示しているが、本考案はこれに限定されるものではなく、第1の実施形態の第1〜第3変形例のレンズユニット11〜13を用いてもよく、その場合も前述した効果が得られる。
(第5実施形態)
次に、本考案の第5の実施形態に係る試料観察キットの構成例について説明する。図9〜11は本実施形態の試料観察キットの具体的構成例である。本実施形態の試料観察キットは、例えば図9〜11に示すように、レンズユニット10と照明用キャップ部材30に貫通孔を設け、各貫通孔に1本の紐体60を挿通し、これらを繋いだ構成とすることができる。
そして、例えば、図9に示すように、レンズユニット10のレンズ1及び照明用キャップ部材30の採光用レンズ32にボールレンズを使用した構成としてもよい。
また、図10に示すように、レンズユニット10のレンズ1にグリンレンズを使用し、照明用キャップ部材30に点光源用微小拡散板35及び平行光化用フレネルレンズ34を用いた構成としてもよい。更に、図11に示すように、レンズユニット10のレンズ1にフレネルレンズを使用し、照明用キャップ部材30の上面を広域拡散板36で形成することもできる。これらの構成においても、スマートデバイスに取り付けることで容易に顕微鏡観察画像を取得することが可能である。
(第6実施形態)
次に、本考案の第6の実施形態に係るレンズユニットについて説明する。前述した第1の実施形態及びその変形例のレンズユニットでは、レンズ1が保持部材3内に収容され、必要に応じて透明樹脂シート4により封止された構成となっているが、本考案はこれに限定されるものではなく、レンズ1が保持部材3から露出していてもよい。図12Aは本実施形態のレンズユニットの構成を模式的に示す側面図であり、図12Bはそのレンズ付近の拡大図である。
本考案のレンズユニットを、スマートデバイスと組み合わせて使用する場合、レンズユニットのレンズ1とスマートデバイスのレンズとの距離が短いほど、得られる画像の視野が広くなり、多少ではあるが観察倍率も向上する。一方、図5に示す本考案の第1の実施形態の第3変形例のレンズユニットのように、レンズ1とスマートデバイスとの間に滑り止め材を配置すると、その厚さ分だけ各レンズ間の距離が長くなってしまう。
そこで、図12A及び図12Bに示すように、本実施形態のレンズユニット14では、レンズ1の一部が保持部材3から突出しており、滑り止め材15,16の中央部に設けられた平面視で円形状の孔内に突き出た構成となっている。なお、このレンズユニット14では、透明樹脂シートは用いていない。
これにより、本実施形態のレンズユニット14は、図5に示すレンズユニット13と比べて、各レンズ間の距離を短くすることができる。また、本実施形態のレンズユニット14は、レンズ1が露出しているため、容易に水洗いすることができる。また、レンズ1は、透明樹脂シートよりも疵が付きにくいため、疵に起因するノイズの発生も低減することができる。
(第6実施形態の変形例)
次に、本考案の第6の実施形態の変形例に係るレンズユニットについて説明する。図13A及び図13Bは本変形例のレンズユニットのレンズ付近の拡大図である。図12Bに示すレンズユニット14は、レンズ1と保持部材3とが別体で構成されていたが、本考案はこれに限定されるものではなく、図13Aに示すレンズ一体型部材17のように、レンズ部17aと保持部17bとを一体で形成することもできる。
このようなレンズ一体型部材は、例えば光学レンズ用樹脂を用いて一体成型することにより形成することができる。この方法では、例えば収差補正付き非球面レンズなどの種々の形状のレンズ一体型部材を形成することが可能である。具体的には、図13Bに示すようなレンズ部が球面レンズ部18aと非球面レンズ部18bとで構成されており、これと保持部18cとが一体で形成されたレンズ一体型部材18を作製することも可能である。そして、これらのレンズ一体型部材を用いることにより、顕微鏡としての性能を向上する
ことができる。
高性能レンズを作製するには成型後の材質の一様性が重要であるが、本考案において用いているレンズは微小であるため、他の顕微鏡装置で用いられるような大きなレンズに比べて一様性を確保することが容易である。このため、特別に高品質の光学用樹脂を必要とせず、高精度成型のみが要求される。このような成型技術は、既に確立されているため、本考案において用いるレンズは低コストで製造することが可能である。
以下、本考案の実施例及び比較例を挙げて、本考案の効果について具体的に説明する。本実施例においては、本考案のレンズユニットとスマートデバイスを用いた透過型複式顕微鏡と、従来の高級光学顕微鏡(ニコン社製 ME600)を用いて、ミドリムシの撮影を行った。図14Aは従来の光学顕微鏡で撮影したミドリムシの顕微鏡写真(200倍透過モード)であり、図14Bはその一部を拡大した図である。図15Aは直径3mmのボールレンズを用いた本考案のレンズユニットと市販のスマートフォンで構成された透過型複式顕微鏡で撮影したミドリムシの顕微鏡写真であり、図15Bはその一部を拡大した図である。
図14A及び図15Aに示すように、本考案のレンズユニットとスマートデバイスを用いた透過型複式顕微鏡は、従来の高級光学顕微鏡に対して、遜色ない分解能を示した。なお、図14B及び図15Bに示すミドリムシの拡大図では、従来の高級光学顕微鏡で撮像した写真の方が鮮明であったが、これは撮像素子の性能によるものであり、顕微鏡性能的には大きな違いがないと思われる。
1 レンズ
2 貫通孔
3 保持部材
4 透明樹脂シート
5、6、15、16、33 滑り止め材
9 試料
10〜14 レンズユニット
17、18 レンズ一体型部材
17a レンズ部
17b、18c 保持部
18a 球面レンズ部
18b 非球面レンズ部
20 スマートデバイス
21 表示面
22 フロントカメラ
22a レンズ
22b 撮像素子
30 照明用キャップ部材
31 キャップ部
32 採光用レンズ
34 フレネルレンズ
35、36 拡散板
40 カバーシート
40a 中央部
40b 取っ手部
50 反射箱
51、52 開口部
53 平面鏡
60 紐体

Claims (5)

  1. カメラ機能を有するスマートデバイスを用いて顕微鏡観察を行うためのレンズユニットであって、
    レンズと、
    透明又は半透明材料からなり、前記レンズを光軸に垂直な方向から保持する板状の保持部材と、
    前記保持部材の一方の面に設けられ、前記スマートデバイスに固定するための第1の滑り止め材と、
    前記保持部材の他方の面に設けられ、試料プレパラートを固定するための第2の滑り止め材と
    を備えるレンズユニット。
  2. 前記レンズの一部が前記保持部材から突出しており、前記第1及び第2の滑り止め材は前記レンズを囲むように設けられている請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記レンズと前記保持部材とが一体で形成されている請求項1又は2に記載のレンズユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズユニットと、
    カメラ機能を有するスマートデバイスと、
    を有し、
    前記レンズユニットは、前記スマートデバイスの上に、前記レンズが前記カメラの光軸上に位置するように載置されており、
    試料台を兼ねる前記レンズユニット上に試料プレパラートが載置される透過型複式顕微鏡装置。
  5. 前記レンズユニットは、前記レンズの光軸が前記カメラに搭載されたレンズの光軸と一致するように配置されており、
    試料の透過像が、前記レンズユニットのレンズ及び前記カメラのレンズにより拡大された後、前記カメラに搭載された撮像素子により取得される構成となっている請求項4に記載の透過型複式顕微鏡装置。
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