JP3216658U - スリッパ - Google Patents

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曉男 礒野
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Abstract

【課題】個人差に対応して履けて、嵩張らずに常備品として保管することができるスリッパを提供する。【解決手段】スリッパは、鋼板を内蔵し、足形で平板形状の本体1と、本体を足の指の付け根付近に保持する前保持部2と、本体を足の甲側の足首付近に保持する中央保持部3とからなる。前保持部は、2本の帯紐2a、2bと、これら帯紐を接続する面ファスナー6とからなり、中央保持部は、2本の帯紐3a、3bと、これら帯紐を接続する面ファスナーとからなる。足を上方から保持する前保持部及び中央保持部が嵩張らず、保管スペースをコンパクトに抑えることができる。さらに、前保持部及び中央保持部の帯の長さを変更・調整することで、個人差に合わせて履くことができて、常備するサイズの種類を少なく抑えることができる。【選択図】図1

Description

本考案は、スリッパに関し、とりわけ災害などに備える常備品に好適なスリッパである。
屋内施設等の靴を使用しない場合に災害時に使用することができる防災用のスリッパは従来から提案されている。特許文献1には、履物本体と甲被部とを備える震災用のスリッパにおいて、履物本体は、弾性材からなる底板部材と、該底板部材の上面に敷設される紙製の補強板部材と、該補強板部材の上面に敷設され且つ鉄製、ステンレス製、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の保護板部材と、該保護板部材の上面を覆う表被部材と、を有する構造が開示されている。
実用新案登録第3110664号公報
特許文献1に記載のスリッパは、甲被部により形状に定まっているため、広い保管スペースが必要であった。また、個人で常備する分にはサイズを合わせて購入すればよいが、避難所などの不特定多数の者に提供する場所では個人差に合うように複数のサイズを常備する必要があった。
そこで、個人差に対応して履けて、嵩張らずに常備品として保管することができるスリッパが望まれていた。
本考案のスリッパは、上記課題に鑑み、鋼板を内蔵し、足形で平板形状の本体と、使用者の足指の付け根付近で前記本体を保持する前保持部と、前記足の甲側の足首付近で前記本体を保持する中央保持部とからなり、前記前保持部及び前記中央保持部は帯形状部材からなることを特徴とする。
また、前保持部及び中央保持部はそれぞれ、2本の帯紐と、これら帯紐を接続する面ファスナーとからなるものであって、前記中央保持部は、前記前保持部よりも長手方向の伸縮性がある素材を用いたことが好ましい。
また、本体は、同形状で同厚の発泡樹脂からなる上下2枚の外装板と、これら外装板の上下の間に接着して配置される鋼板と、これら外装板の外周を覆う縁部材とからなることが好ましい。
また、鋼板の周囲に上下の外装板を当接する糸回避部を有し、縁部材は前記糸回避部に縫着したことが好ましい。
また、縁部材に蛍光性を有する素材を用いたことが好ましい。
請求項1記載の考案は、足を上方から保持する前保持部及び中央保持部が嵩張らず、保管スペースをコンパクトに抑えることができる。さらに、前保持部及び中央保持部の長さを調整して足を保持することができて、個人差(足のサイズ)に合わせることができ、常備するサイズの種類を少なくすることができる。
請求項2記載の考案は、鋼板により本体が硬質になるため、足裏を本体に密着したままでは歩き難くなるところ、中央保持部の伸縮性により足裏を本体から離接可能にして、歩き易くすることができる。
請求項3記載の考案は、縁部材により鋼板の露出を防止して外装板及び鋼板を強固に固定することができる。
請求項4記載の考案は、糸回避部により本体を容易に縫着することができる。
請求項5記載の考案は、縁部材により暗闇などでのスリッパの視認性(発見率)を向上することができる。
本考案の実施形態に係るスリッパの斜視図である。 図1のスリッパの展開平面図である。 図2のスリッパを履いた状態の説明図である。 図2のスリッパの拡大A−A線断面図である。
本考案の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。本実施例に関し、図2の上下、左右を本実施形態の前後、左右として説明する。なお、スリッパは左右対称のものであり、右足用を例示して説明し、左足用は左右の読み替えにより理解できることから、重複する説明は省略する。
本実施形態のスリッパ(右足用)は、図1、2に示すように、本体1と、本体1を足30(図3に示す)に保持する前保持部2及び中央保持部3とからなり、図4に示すように、本体1に鋼板4を内蔵している。スリッパは鋼板4により釘のような突起物などを踏みつけたときの踏み抜き(突起物の貫通)を防止している。前保持部2及び中央保持部3は左右に長尺な帯形状部材からなり、この帯の長さを調整して、個人差に合わせることができて、常備するサイズなどの種類を少なく抑えることができる。
本体1は、図2、3に示すように、右足を模した足形の板形状として、板面に足30を載せて使用する。本体1は、左右幅が広くて足先を載置する前部1aと、幅が狭くて踵を載置する後部1bと、前部1aと後部1bとを繋ぎ、土踏まず(足の甲)周辺を載置する中央部1cとからなる。
前保持部2は、本体1の前部1aに設けられて、図3に示すように、足先側を本体1に保持する。具体的には、前保持部2は親指の付け根よりも後方の位置から小指の付け根に亘る足30の部位を上方から本体1に押し付けて保持する。
前保持部2は、図2に示すように、左右方向に長尺の2本の帯紐2a、2bと、これら帯紐2a、2bを脱着自在に接続する面ファスナー6とからなる。帯紐2a、2bは柔軟性を有し、長手寸法が前部1aの前保持部2下方の左右幅と同じ若しくは長く形成している。帯紐2a、2bは、例えば長手寸法約95mm(外観露出分)、厚さ寸法約1.5mm、幅寸法約25mmの織紐からなり、織紐は合成樹脂からなる。
帯紐2a、2bはその柔軟性により屈曲変形するが、伸縮性が低く長手方向に伸び難い。前保持部2は2本の帯紐2a、2bに分割するとともに、帯紐2a、2bの柔軟性などにより本体1に巻き付けたり扁平にするなどで変形することで、嵩を減らすことができて、保管スペースをコンパクトに抑えることができる。
帯紐2a、2bは基端部を前部1aの縁部に固定している。そして、帯紐2a、2bは長手方向のもう一端(自由端)側の部位の帯面に面ファスナー6を有している。この帯紐2a、2bの固定は、後述する縁部材5の縫着において、帯紐2a、2bの一端を縁部材5と上側の外装板7との間に入れ、縫着することにより行う。これにより、縫着線の内側から帯紐2a、2bが外方に突出する状態となる。
面ファスナー6は左右に長尺とし、長手寸法が帯紐2a、2bの3分の2程度としている。面ファスナー6は帯紐2a、2bとその幅寸法長を同じとしている。面ファスナー6により前保持部2の長手寸法(長さ)を容易に変更・調節して、個人差(着用者の親指の付け根から小指の付け根までの幅や高さ)に合わせることができる。
中央保持部3は、本体1の中央部1cに設けられ、図3に示すように、足30の甲側の足首付近の部位を上方から本体1に押し付けて保持する。中央保持部3は、図2に示すように、2本の帯紐3a、3bと、これら帯紐3a、3bを脱着自在に接続する面ファスナー6とからなる。
帯紐3a、3bは前保持部2の帯紐2a、2bよりも柔軟性があり、帯紐2a、2bよりも長手方向に伸縮性があるものとしている。帯紐3a、3bは、例えば長手寸法約125mm(外観露出分)、厚さ寸法約1.5mm、幅寸法約25mmのゴムバンドからなる。帯紐3a、3bは、長手寸法が中央部1cの中央保持部3下方の左右幅の2倍と同じ若しくは長く、帯紐2a、2bの長手寸法の1.3倍と同じ若しくは長いとしている。
中央保持部3は、2本の帯紐3a、3bに分割するとともに変形して、嵩を減らすことができる。さらに、鋼板4により本体1が硬質になるため、足裏を本体1に密着したままでは歩き難くなるところ、中央保持部3の伸縮性により足30の踵側を本体1から離接可能にして、歩き易くすることができる。
帯紐3a、3bは基端部を中央部1cの縁部に固定しているがこの固定態様は帯紐2a、2bと同じとしている。そして、帯紐3a、3bは長手方向のもう一端(自由端)側の部位の帯面に面ファスナー6を有している。面ファスナー6は前保持部2の面ファスナー6と同じ寸法で同じ形状としている。面ファスナー6により中央保持部3の左右の長さを容易に変更・調節して、個人差(着用者の足30の甲高さや左右幅)に合わせることができる。
本体1は、図4に示すように、踏み抜きを防止する鋼板4と、この鋼板4の板面を覆う2枚の外装板7、8と、これら外装板7、8及び鋼板4の外周を覆う縁部材5とからなる。縁部材5及び外装板7、8により鋼板4の露出を防止している。さらに、縁部材5により外装板7、8及び鋼板4を補強して1枚の板形状に固定することができる。
鋼板4は足形の板状とし、板面のサイズを本体1の足載せ領域のサイズとしている。鋼板4は、例えば上下の厚さ約0.5mmのステンレス板からなる。外装板7、8は足形の板状とし、板面が鋼板4(足載せ領域)よりも一回り大きい。外装板7、8は発泡樹脂からなり、クッション性を有している。外装板7、8は、例えば、上下の厚さ約5mmのポリエチレン系のスポンジ板からなる。
上下2枚の外装板7、8は、ほぼ同じ形状とするとともに、上下の厚さをほぼ同じ寸法としている。2枚の外装板7、8は対向する板面に各々接着層(図示しない)を有し、接着層は例えば接着シートからなる。この接着層により2枚の外装板7、8は鋼板4を接着・挟持するとともに、鋼板4よりも外周に位置する部位(縁部7a、8a)を互いに接着して、鋼板4の周面を覆っている。この縁部7a、8aの部分が糸回避部4aとなる。
縁部材5は、長尺な帯状部材からなり、例えば厚さ約0.5mmの布地からなる。縁部材5は周端部5cを重ねたループ形状として、両外装板7、8の周面全体を覆う。この重なる周端部5cは中央保持部3よりも本体1の外方に位置している。これにより着用者が特段に足30のサイズが大きくて一部が縁部材5側にはみ出しても、中央保持部3により縁部材5の周端部5cが足30に接触せず、履き心地を確保することができる。
縁部材5は2枚の外装板7、8の縁部7a、8aを上下から挟持して、本体1を補強している。すなわち、縁部材5は上端部5aを折り返して上側の外装板7の縁部7aの上面全周を覆い固定するとともに、下端部5bを折り返して下側の外装板8の縁部8aの下面全周を覆い固定している。本体1は縁部材5よりも内方を足載せ領域としている。さらに、縁部材5に蛍光性のある素材を用いることにより、暗闇などでのスリッパの視認性(発見率)を向上することができる。
また、縁部材5の上端部5aは前保持部2及び中央保持部3の基端部を覆い縁部7aに固定している。すなわち、前保持部2及び中央保持部3は縁部材5により本体1に固定され、縁部材5よりも左右内側に突出している。
縁部材5は上端部5a及び下端部5bを縫着により固定している。鋼板4はその縁部に糸回避部4aを有し、縫着する糸9やこの糸9を通す針が鋼板4に接触することを防止している。本例の鋼板4は糸回避部4aにより外装板7、8よりも一回り小さい形状とし、縁部材5の上端部5a及び下端部5bは鋼板4よりも外方に位置している。なお、鋼板4の側方に貫通孔や切欠きなどを糸回避部4aとして設けてもよい。
1…本体、2…前保持部、2a、2b…帯紐、3…中央保持部、3a、3b…帯紐、4…鋼板、5…縁部材、5c…周端部、6…面ファスナー、7、8…外装板、7a、8a…縁部、9…糸、4a…糸回避部。

Claims (5)

  1. 鋼板を内蔵し、足形で平板形状の本体と、
    使用者の足指の付け根付近で前記本体を保持する前保持部と、
    前記足の甲側の足首付近で前記本体を保持する中央保持部とからなり、
    前記前保持部及び前記中央保持部は帯形状部材からなることを特徴とするスリッパ。
  2. 前保持部及び中央保持部はそれぞれ、2本の帯紐と、これら帯紐を接続する面ファスナーとからなるものであって、
    前記中央保持部は、前記前保持部よりも長手方向の伸縮性がある素材を用いたことを特徴とする請求項1に記載のスリッパ。
  3. 本体は、同形状で同厚の発泡樹脂からなる上下2枚の外装板と、これら外装板の上下の間に接着して配置される鋼板と、これら外装板の外周を覆う縁部材とからなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のスリッパ。
  4. 鋼板の周囲に上下の外装板を当接する糸回避部を有し、縁部材は前記糸回避部に縫着したことを特徴とする請求項3に記載のスリッパ。
  5. 縁部材に蛍光性を有する素材を用いたことを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のスリッパ。
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