JP3216389U - ストーマ袋用カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】ストーマ袋を体に装着した状態において、ストーマ袋のねじれを防止可能なストーマ袋用カバーを提供する。【解決手段】ストーマ袋用カバー7の下部14が、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性が低く構成されている。また、ストーマ袋用カバー下部の内面に、ストーマ袋1を挟んで前面12と後面8を接着する接着部材が設けられている。袋2自体が体の動き等で変形することで生じる袋のねじれのほか、排尿用の管5が回転してしまうことで生じる袋のねじれのいずれにも対応可能となる。【選択図】図5
Description
本考案は、ストーマ袋用カバーに関する。特に、ストーマ袋を体に装着した後でも、ストーマ袋が容易にねじれることがないストーマ袋用カバーに関する。
ストーマは、消化管や尿路の疾患などにより腹部に便や尿を排泄するために増設された排泄口のことであり、排泄物は樹脂素材等で構成されるストーマ袋に溜められる。このストーマ袋は、柔軟性のある袋と面板から構成されている。袋の入口側の孔部が面板の一方の面に固定され、この面板には接着性のある皮膚保護剤が塗布され、ストーマ周囲に接着することで、ストーマ袋が腹部に固定保持される。このような袋及び面板とからなるストーマ袋には、袋と面板とが一体的に固着されたワンピース型と、袋が面板に対し着脱交換可能なツーピース型の2種類が存在している。
そして、ストーマ袋のうち、面板と逆側の面、言い換えれば装着した時に他人から見える側の面(この面をストーマ袋の前面とする。)は、透明又は半透明となっている。ストーマ袋はストーマにしっかりと装着されなければならないが、体に取り付ける際に前面側からストーマ及びストーマ袋のストーマ装着部をよく見えるようにしておく必要があるからである。
このように、ストーマ袋の前面は透明又は半透明であるが、その結果、排泄物が溜まった状態では外観を悪化させ、使用者の精神安定上好ましくない。またストーマ袋の付け心地についても向上の余地がある。そこで、ストーマ袋に装着されるカバーが使用される場合がある(例えば特許文献1参照)。これらカバーは、外観を保持しつつ、柔軟で肌への接着感を快適に維持する役目を備えている。
そして、ストーマ袋には消化器系用と尿路用のものが存在する。消化器系用のストーマ袋の下部には開口部が備わっており、溜まった排泄物を排出又は開口部からガスを抜くことができるものと、開口部を備えず使い捨てできるものがある。尿路用のものは排尿を溜めるものであるが、便よりも排出体積が大きくなるため、尿路用のストーマ袋のみでは足りず、蓄尿袋と連結して使用されることが多い。そのため、尿路用のストーマ袋には、下端に排泄用の管と開閉弁が設けられており、蓄尿袋の管と接続して使用され、袋に逆流防止弁が設けられているものが一般的である。
しかしながら、ストーマ袋は柔軟性が高いため、体を動かすことで、使用中にねじれが生じる場合がある。袋にこのようなねじれが存在すると、製造時に想定した十分な量の排泄物を蓄えることができない場合がある。さらには、破れや逆流の原因ともなりうる。特に、排尿用のストーマ袋に関しては、排出体積が大きくなるため不都合が大きい。さらに、この「ねじれ」には、袋自体が使用者の体の動き等で変形することで生じる袋のねじれのほか、上記した下端の管が回転してしまうことで生じる袋のねじれも存在する。これは、蓄尿袋の管と連結されることで、管長が長くなり、蓄尿袋が動くことにより管の回転を生じさせることによるものである。当該ねじれは、袋の下端部のねじれを生じさせるため、管への尿の排出をより困難にする。
そこで、本考案の目的は、ストーマ袋のねじれを防止可能なストーマ袋用カバーを提供することを目的とする。
当該目的を達成するため、本考案のストーマ袋用カバーは、ストーマ袋用カバーの下部が、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性が低く構成されていることからなる。
また、ストーマ袋用カバーの下部は、上部の生地層に追加して、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性の低い生地層を内面に設けることで構成されていることが好適である。
また、ストーマ袋用カバーの下部は、上部の生地層に追加して、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性の低い生地層を内面に設けることで構成されていることが好適である。
さらに、本考案は、ストーマ袋用カバーであって、 ストーマ袋用カバー下部の内面に、ストーマ袋の下端を挟んで前面と後面を接着する接着部材が設けられていることからなる。
また、接着部材は、帯状に設けられていることが好適である。
また、接着部材が面ファスナーからなることが好適である。
また、接着部材は、帯状に設けられていることが好適である。
また、接着部材が面ファスナーからなることが好適である。
本考案においては、ストーマ袋用カバーの下部が、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性が低く構成されている。通常の公知のストーマ袋素材で構成され、面板をカバーする上部に対して、下部は柔軟性が低く(堅く)構成される。この構成により、面板付近は高い柔軟性を有し、装脱着は容易なままにし、体への快適さを失わずに維持することが出来る。その一方、下部は上部より堅く構成されるため、体を動かしても「ねじれ」が容易に生じることを防止することが出来る。本願において「下部」は、面板を外側へ開放するための上部開口よりも下部に位置し、ストーマ袋の袋部分に相応していれば足りる。好ましくはストーマ袋を装脱着するための下部開閉部に相当する。柔軟性(堅さ)の程度は、上部と明確に相違があり、容易なねじれを防止することが出来る程度であれば、特に限定はされない。具体的構成としては、上部と下部を別の生地で作成する態様がある。好ましくは、上部の生地層に追加して、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性の低い生地層(芯地層)を設ける態様を採用することが出来る。この構成であれば、2つの生地層からなるので、製造や柔軟性の調整が容易である。また、内面に生地を設ければ、体に接するカバー外面は同一生地となり、快適さを維持できるため好適である。生地層は、布系だけでなく樹脂系素材等も使用することができ、柔軟性が異なれば良い。
さらに、本考案は、ストーマ袋用カバー下部の内面に、ストーマ袋の下端を挟んで前面と後面を接着する接着部材を設けて構成される。特に尿路用のストーマ袋など、下端に管又はその他の機器が設けられているものは、管や機器が回転することにより、袋にねじれが生じやすい。したがって、カバーの前面と後面を接着する接着部材を設け、この下端部を周囲を含め固定することで、ねじれが生じることを直接的に防止するものである。ただし、当該構成は、下端に管又は機器がなくても採用が可能である。また、当該構成は単独でも高い効果を生じるが、上述の柔軟性に関する構成と組み合わせることで、様々な要因から生じる「ねじれ」をより効果的かつ総合的に防止することが可能になる。なお、本願においては便宜上、面板を露出させる側を「後面」として装着時に体側(内側)となる面として表現し、装着時に外側から見える面を「前面」と表現する。
接着部材は好ましくは一定の幅をもって帯状に設けられる。帯の形状は、直線的であれば製造が容易であるが、波状や曲線状など、直線的な構成には限定されず、カバー下端まで設けられていても良い。当該構成は、固定力をより強固にする一方、装着時に使用者によって下端位置が変化することに対応できる。さらに、ストーマ袋の種類によって下端位置が変化することにも対応可能であるため、汎用性が高い。接着部材は、再接着可能なテープ部材なども採用可能であるが、取り扱いや繰り返し使用の容易さから、面ファスナーが好適である。
本考案の以上の構成により、ストーマ袋の使用者は、体を動かしたり、装脱着時に袋がねじれて不都合が生じることを防止することができる。また、袋自体のねじれと、下端の管や機器が回転等することによる袋ねじれのいずれにも対応することが可能である。
本考案の実施の形態の一例を図面にしたがって説明する。ただし、下記は一例であって、本考案においてカバー形状、開口形状、ストーマ袋の保持構成などは特に限定されるものではない。ストーマ袋についても、下記の例は一例にすぎない。
図1は、ストーマ袋1を示す図である。ストーマ袋1は、排尿用のストーマ袋であり、尿を入れるための袋2と、面板3から構成されている。袋の下端4には、管5が設けられ、キャップ6を外して蓄尿袋(図示せず)の管と連結して使用する。蓄尿袋が使用されるのは、排便に比べて排出量が多く、特に就寝時になどは袋2だけでは足りないことがあるためである。袋2内部には、逆流防止弁(図示せず)が設けられている。面板3は、袋2と一体となっているワンピース型と、袋2に対し着脱可能なツーピース型の2種類が市販されている。本考案のストーマ袋用カバー7は、いずれの型についても使用可能である。
図2は、ストーマ袋用カバー7を示す図であり、図3はストーマ袋用カバー7の内面を示す図である。また、図4はストーマ袋を装着した状態を示す図であり、図5はストーマ袋を装着した状態のカバー内面を示す図である。ストーマ袋用カバー7の後面8の上部に設けられた開口9は、ストーマ袋1における袋2と面板3を挟んで面板3を外側へ露出させる。後面8の上端の一対のフラップ10,10’は、内面に面ファスナー11を有しており、前面12の内面の面ファスナー13と対応している(図3参照)。
ストーマ袋用カバー7は、カバーの下部14が袋2を包むように構成されており、後面8と前面12の周囲は固着されておらず開くことが可能である。下部14の内面には、後面8と前面12のほぼ全内面に、布系又は樹脂系等の表面層15に追加して、表面層15よりも柔軟性の低い生地16が設けられている。生地16が設けられることにより、下部14の柔軟性が低くなり(堅めとなり)、装着時における袋2のねじれを防止することが出来る。
さらに、下部14の内面には、帯状に一定の幅をもって一対の面ファスナー17、17’が設けられている。面ファスナー17、17’は、ストーマ袋1の下端4に相応する位置に設けられている。そして、ストーマ袋1を入れて、面ファスナー17、17’を接着させると、下端4及び管5を包むように接着する。このため、しっかりと下端4が固着され、蓄尿袋の動き等により管5が回転してしまっても、袋3はストーマ袋用カバー7内でほぼ固定され、袋2のねじれを防止することが出来る。
以上の構成は、上述した2種類のねじれのいずれをも防止しつつも、カバーとしての快適さ(体への接着感や必要な柔軟性)を損なうことがない。また。面ファスナー17、17’は相応の幅を有しているために、様々なストーマ袋に対応が可能である。さらに、尿路用のストーマ袋だけでなく消化器系のストーマ袋への適用も可能であり、カバー形状も限定されないため、汎用性にも優れている。
1 ストーマ袋
2 袋
3 面板
4 下端
5 管
6 キャップ
7 ストーマ袋用カバー
8 後面
9 開口
10、10’ フラップ
11 面ファスナー
12 前面
13 面ファスナー
14 下部
15 表面層
16 生地
17、17’ 面ファスナー
2 袋
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17、17’ 面ファスナー
Claims (11)
- ストーマ袋用カバーであって、
ストーマ袋用カバーの下部が、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性が低く構成されていることを特徴とするストーマ袋用カバー。 - ストーマ袋用カバーの下部は、上部の生地層に追加して、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性の低い生地層を設けることで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のストーマ袋用カバー。
- ストーマ袋用カバー下部の内面に、
ストーマ袋の下端を挟んで前面と後面を接着する接着部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のストーマ袋用カバー。 - 接着部材は、帯状に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のストーマ袋用カバー。
- 接着部材が面ファスナーからなることを特徴とする請求項3又は4に記載のストーマ袋用カバー。
- ストーマ袋用カバーであって、
ストーマ袋用カバー下部の内面に、
ストーマ袋の下端を挟んで前面と後面を接着する接着部材が設けられていることを特徴とするストーマ袋用カバー。 - 接着部材は、ストーマ袋の袋と管の連結部を挟む位置に帯状に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のストーマ袋用カバー。
- 接着部材が面ファスナーからなることを特徴とする請求項6又は7に記載のストーマ袋用カバー。
- ストーマ袋用カバーの下部が、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性が低く構成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項にストーマ袋用カバー。
- ストーマ袋用カバーの下部は、上部の生地層に追加して、ストーマ袋用カバーの上部よりも柔軟性の低い生地層を内面に設けることで構成されていることを特徴とする請求項9に記載のストーマ袋用カバー。
- ストーマ袋が尿路用のストーマ袋であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のストーマ袋用カバー。
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2018
- 2018-03-12 JP JP2018000890U patent/JP3216389U/ja active Active
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