JP3216060U - ダクト用の締付バンド - Google Patents
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Abstract
【課題】接続部位からの締付バンドの抜けを防止するとともに、ビスを簡単に打ち込める締付バンドを提供する。【解決手段】締付バンド1は、空調室に配置するダクトと継手とを接続した円筒状の接続部位に巻き付けて、ダクトと継手とを固定するものである。締付バンド1の締付部分は、金属製で帯状の本体2からなる。本体2は、その幅方向中央に所定間隔をもってビス挿通導入部3を複数備える。締付バンド1はビス挿通導入部3を介することで接続部位にビスを所定間隔で簡単に打ち込み、接続部位に固定することができ、このビスにより本体2の接続部位からの抜けを防止することができる。【選択図】図1
Description
この考案は、空調用のダクトと継手とを接続した接続部位に締め付けて固定する締付バンドに関する。
締付バンドは、特許文献1などに示すように、流体の流れるダクトと継手などを接続した接続部位を外周より締め付けて、ダクトと継手を接続した状態を確実に保持するものである。
特許文献1には、パイプに挿入したホースのホース連結部を周囲より締め付ける弾性リング部材を有する締付固定具が開示されている。この締付固定具は、弾性リング部材の両側に爪部を設け、締め付けた状態で爪部をホースに噛み付かせる(食い込ませる)ことで、パイプとホースの連結を強固にしている。
また、従来一般的に使用される締付バンドは、継手にダクトを装着した状態で、締付バンドを巻き付けたうえで、締め付け、その状態で締付バンドからダクトを貫通させるようにビスを打ち込んで、ダクトの抜けを防止していた。
従来、一般的に使用される締付バンドでは、作業者がビスを正確に打ち込むことが難しかった。これは、締付バンドは金属製で製造されたもので、そもそも空調用ダクトが配置される空調室は狭く、正確な作業をし難いところであり、一般的な幅狭の金属製バンドをビスで打ち抜くときに作業者がバランスを崩して、締付バンドの中央ではなく、端をビスで打ち抜いてしまうことがあった。また、アルミと鉄の違い等、金属製バンドの素材よりも強度の低い素材のビスしか施工者が施工時に所持していなければ、そもそもネジを挿入させることもできなかった。
また、特許文献1の爪部を用いると、締め付け作業の途中から爪部が噛み付くことにより、ホースの外周面に爪部よりもホースの円周方向に長い噛み付き痕が形成される。弾性リング部材はこの噛み付き痕により、ダクトの使用による振動からホースの円周方向に動いて、抜けや緩みを生じることがあった。
そこで、これら課題に鑑み、本考案は、接続部位からの締付バンドの抜けを防止するとともに、ビスを簡単に打ち込めることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、ダクトと継手とを接続した円筒状の接続部位に巻き付ける締付バンドであって、前記締付バンドの締付部分は、金属製で帯状の本体からなり、前記本体は、その幅方向中央に所定間隔をもってビス挿通導入部を備えることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の考案は、ビス挿通導入部は、複数の円形の貫通孔であることが好ましい。
また、請求項3記載の考案は、本体の一端を固定したハウジングと、当該ハウジングに回転自在で設けられ、本体の他端側を巻き取る締付用の巻取軸と、を備えることが好ましい。
また、請求項4記載の考案は、ビス挿通導入部は、径の異なる複数の貫通孔からなり、これら貫通孔が所定の並びを繰り返して本体の長手方向に一定間隔に設けられていることが好ましい。
請求項1記載の考案によれば、ビス挿通導入部によりビスを簡単に本体に挿通して接続部位に打ち込むことができ、締め付けた本体をビスにより接続部位に固定して、接続部位からの抜けや緩みを防止することができる。
請求項2記載の考案は、ビス挿通導入部の具体的な構成に関するものである。この考案によれば、簡単にビスを本体に貫通させることができる。
請求項3記載の考案によれば、巻取軸により本体を巻き取る締付構造としたことで、本体に締付用の歯列部を設けずにすみ、本体全長に亘りビス挿通導入部を設けても締付構造にビス挿通導入部が干渉せず、簡素な構造にすることができる。
請求項4記載の考案は、多様な接続部位に対応してビスを打ち込むことができる。
以下、本考案に係る締付バンドの実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
本実施形態の締付バンド1は、図5に示すように、構造物の天井裏等に配置される空調室に配置される空調用のダクト21とチャンバーや送風機器の吹出し口、継手とを接続した円筒状の接続部位23に好適に用いられる。具体的には、空調チャンバー20やその他の空調機器の継手22にフレキシブルダクトを取り付けるために用いる。
空調チャンバー20の継手22は、一般的にダクト径と略同径の円形突出部材であり、この継手22にダクト21の先端絞り部分である接続部位23を被せる。この状態で、接続部位23と継手22との接続状態を保持するために締付バンド1を用いる。
第1の実施形態の締付バンド1は、図1及び2に示すように、金属製で長尺な帯状(長方形状)の本体2と、本体2の長手方向の一端(固定端)を固定したハウジング4と、ハウジング4に回転自在で取り付けられ本体2の残る一端(自由端)側を巻き取る巻取軸5とからなる。
本体2は、鋼板、例えば亜鉛メッキ冷延鋼板(SGCC)からなるものが好ましいが、他の金属板材で形成してもよい。本体2は、複数のビス挿通導入部3、3を備える。ビス挿通導入部3、3は本体2の幅方向(図1の左右方向)の中央に位置し、本体2の長手方向に亘り一定間隔(等間隔)で並ぶ。ビス挿通導入部3、3は、例えば本体2の厚さ方向に貫通する円形の貫通孔である。これら貫通孔は同じ開口径であり、ビス8の挿通用である。
締付バンド1は、ビス挿通導入部3、3を設けたことで、ビス挿通導入部3、3を介して接続部位23にビス8を容易に螺入して本体2を接続部位23に固定することができ、接続部位23からの本体2の抜けや緩みを防止することができる。ビス挿通導入部3、3が本体2の長手方向に一定間隔で並ぶことで、ビス8を接続部位23の円周方向に一定間隔で螺入することができ、ダクト21の振動などによりビス8にかかる負荷を均等に分散することができる。ビス挿通導入部3、3を円形の貫通孔とすることで、簡単にビス8を本体2に貫通させることができる。なお、ビス挿通導入部3、3は少なくとも接続部位23に面接触する部位(締付部)に設けてあればよい。
ハウジング4は鉄板、例えば亜鉛メッキ鉄板(SPG)からなるものが好ましいが、他の金属板材で形成してもよい。ハウジング4は、本体2の一方端(固定端)をリベット9により固定した板状の底部と、底部の幅方向の端部それぞれから厚さ方向(締付バンド1を締め付けた状態の外周方向)に突出する板状の壁部10、10とからなり、外周方向に開口するように形成される。これら壁部10、10は互いに同径でかつ幅方向に並ぶ軸支持孔を有し、これら軸支持孔は巻取軸5を回転自在で支持している。
巻取軸5は、軸方向を本体2の幅方向と平行にして、ハウジング4の両壁部10、10に跨って配置される。巻取軸5は、本体2の自由端を挟むスリット6と、工具などにより軸周りに回転させるための頭部7とを有する割ピン形状である。巻取軸5は自由端をスリット6に挟んだ状態で回転することで、巻取軸5の外周に本体2を巻き取り、本体2のループを狭めるものである。巻取軸5は緩み止め(図示しない)を有しており、本体2を巻き取った状態に維持することができる。
締付バンド1は、巻取軸5により本体2を巻き取る締付構造としたことで、本体2に締付用の歯列部を設けずにすみ、本体2全長に亘りビス挿通導入部3、3を設けても締付構造にビス挿通導入部3が干渉せず、簡素な構造にすることができる。なお、ビス挿通導入部3は、ビス8の挿通を導入・補助するものであれば、円形の凹所や切込み、厚みを減じた薄板部などであってもよい。
また、第2の実施形態の締付バンド1は、図3に示すように、ビス挿通導入部12、13、14が径の異なる複数の貫通孔からなる。これら貫通孔は所定の並びを繰り返して本体2の長手方向に一定の間隔で設けられている。この場合には、接続部位23のサイズに対応してビス8のサイズや種類を選択的に変更することができ、多様な径の接続部位23に締付バンド1を良好に固定することができる。なお、ビス挿通導入部12、13、14は、楕円や多角形状であってもよく、ビス8のサイズに応じて開口形状を異ならせてもよい。
また、第3の実施形態の締付バンド1は、図4に示すように、本体2の締付部に一定間隔で並ぶビス挿通導入部3、3を有し、締付部よりも自由端側に一定間隔で並ぶ矩形の孔15a、15aからなる締付用の歯列部15を有する。さらに、孔15aに螺合し回転により本体2を緩締する螺子歯車16を備え、螺子歯車16は基端部16aがハウジング4に保持されている。螺子歯車16を所定方向に回転させることで、本体2を半径方向に絞りダクト21を締め付け、逆方向に回転させることで、ダクト21を緩める構造としている。この場合には、巻き取る締付構造と異なり本体2の自由端側が変形せず、かつビス挿通導入部3によりビス8が本体2を傷つけず、締付バンド1を繰り返し使用することができる。なお、歯列部15は孔に限らず凹凸などであってもよい。
締付バンド1は、図5に示すように、本体2を接続部位23の外周に面接触させてループ状に巻き付け、巻取軸5により本体2の自由端側を巻き取ることで、本体2を半径方向に絞り接続部位23を締め付けて、接続した状態に接続部位23を固定する。そして、締め付け固定した状態で締付バンド1は、本体2のビス挿通導入部3を通して接続部位23にビス8を螺入することで、締付バンド1を接続部位23に固定する。ビス8は、図6に示すように、接続部位23を貫通して、先端部が継手22の内側空間に突出する。
なお、本実施形態ではビス(タッピングネジ)を螺入する場合を記載したが、ビス以外の釘やリベットなどでの固定を除外するものではない。
1…締付バンド、2…本体、3、12、13、14…ビス挿通導入部、4…ハウジング、5…巻取軸、6…スリット、7…頭部、8…ビス、10…壁部、20…空調チャンバー、21…ダクト、22…継手、23…接続部位。
Claims (4)
- ダクトと継手とを接続した円筒状の接続部位に巻き付ける締付バンドであって、
前記締付バンドの締付部分は、金属製で帯状の本体からなり、
前記本体は、その幅方向中央に所定間隔をもってビス挿通導入部を備えることを特徴とする締付バンド。 - ビス挿通導入部は、複数の円形の貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の締付バンド。
- 本体の一端を固定したハウジングと、当該ハウジングに回転自在で設けられ、本体の他端側を巻き取る締付用の巻取軸と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の締付バンド。
- ビス挿通導入部は、径の異なる複数の貫通孔からなり、これら貫通孔が所定の並びを繰り返して本体の長手方向に一定間隔に設けられていることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の締付バンド。
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