JP3215809U - 管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入により2つの管を締結する管接合において、2つの管の相対的角度を容易に位置決めし、組み付け時に管が抜けにくい管接合構造を提供する。【解決手段】管端部からのストレート部に隣接してバルジ部3が形成された第1の管1が、管端部にバルジ部に対応する形状の折返し部4が全周に形成された第2の管2に内挿され、バルジ部が折返し部に当接され、バルジ部及び折返し部の外周を覆うように締結部材20により両部位が締め付けられ、第1の管と第2の管が密着固定される管接合構造において、第1の管に端部から管軸方向に向けて溝部11を形成し、第2の管に溝部に勘合可能な突起部13を形成し、また溝部中間部に所定の形状の抜け抑止形状を形成した。抜け抑止形状は、溝幅が突起部幅より小さめの狭隘部を設定し、狭隘部への溝幅の変化を、管挿入方向には緩やかに、管抜け方向には急激になるよう設定した。【選択図】図2
Description
本考案は管接続部の構造に関するもので、一方の管を他方の管に挿入する部分の周り止めおよび抜け防止構造の工夫に関する。
自動車の排気管など、2つの管を接続する部分においては2つの管の端部にフランジを接合してボルト・ナットで接合する方法や、2つの管の端部を互いに挿入し両配管に形成したバルジ状の部分をバンドで締結する方法などが実施されている。
近年では低燃費化目的の車両の軽量化や作業性の改善などの要求から、管の端部を互いに挿入し接合する、少ない部品で2つの管を接合する図6に示すような方法が提案されている。
この方法では接合部分において第1の管と第2の管を互いに挿入させることにより機械的な接合させるが、予め第1の管の端部から所定の位置にバルジ加工を施し、第2の管の端部にカール加工を施す。第1の管を第2の管に内挿し、当該バルジ加工部を当該カール加工部に当接させた後、両加工部が互いに密着するような力を発生させるような形状の締結部材により両加工部を締結させることにより2つの管を接合する。
2つの管の端部にフランジを接合し、両フランジを2点以上のボルト締結などで接合する方法に比べ部品点数が少なく締結箇所も少なくてすむためコストダウン、作業工数の低減が図れるとされる。また特許文献1には第1の管のバルジ加工部裾部と第2の管のカール加工先端部が密着することにより、パッキンなどを用いることなく優れたシール性が発揮されるとの効果が記されている。(段落0014)
しかしこの方法では2つの管の相対的な回転方向を位置決めする手段が無いため、正確な組みつけが難しい。また組み付けの際挿入部分が抜けやすく、作業者は締結部材で締め付ける間2つの管が互いに抜けないよう保持しておく必要があるため作業効率が悪い、といった問題があった。
本考案はこのような問題点を解決するためになされたものであり、一方の管を他方の管に挿入して締結部材を用いて互いに締結させる管接合において、2つの管の回転方向の位置を拘束する手段と、締結部材を締め付ける際に2つの管が抜けないよう抜け防止手段を設け、作業効率を向上させることを課題とする。
本考案では以下の手段により前記課題を解決した。
まず請求項1に係る考案は、管端部から所定のストレート部に隣接して全周に渡るバルジ部が形成された第1の管が、管端部に前記バルジ部に対応する形状の折返し部が全周に形成された第2の管に内挿され、前記バルジ部が前記折返し部に直接又はシール材を介して当接され、当該バルジ部及び当該折返し部の外周を覆うように構成された締結部材により両部位が締め付けられ、前記第1の管と前記第2の管の前記当接部が密着固定されるよう構成された管接合構造であって、前記第1の管に端部から管軸方向に向けて溝部が形成され、前記第2の管に当該溝部に勘合可能な突起部が管内部方向に向けて形成されていること、を特徴とする。
まず請求項1に係る考案は、管端部から所定のストレート部に隣接して全周に渡るバルジ部が形成された第1の管が、管端部に前記バルジ部に対応する形状の折返し部が全周に形成された第2の管に内挿され、前記バルジ部が前記折返し部に直接又はシール材を介して当接され、当該バルジ部及び当該折返し部の外周を覆うように構成された締結部材により両部位が締め付けられ、前記第1の管と前記第2の管の前記当接部が密着固定されるよう構成された管接合構造であって、前記第1の管に端部から管軸方向に向けて溝部が形成され、前記第2の管に当該溝部に勘合可能な突起部が管内部方向に向けて形成されていること、を特徴とする。
第1の管の端部に形成した溝部に、第2の管の端部に形成した突起部を挿入しながら第1の管を第2の管に内挿するため、互いの回転方向が拘束され簡単かつ確実に相互の回転方向の位置決めが出来る。
次に請求項2に係る考案は請求項1に係る考案の構成に加え、前記溝部の中間部分には更に当該突起部の抜け抑止形状が形成されたこと、を特徴とする。
本考案では前記溝部の中間部分に突起部の抜け抑止形状を設けたので作業者が締結部材の締め付け作業を行う間、2つの管が抜けないよう把持する必要がなく作業性が向上する。
次に請求項3に係る考案は、前記突起部の抜け抑止形状として、前記溝部中間部において溝幅を前記突起部幅と同一又は小さめの幅へ狭めた狭隘部を設定するとともに、当該狭隘部への溝幅の変化を、管挿入方向においては緩やかに、かつ管抜け方向においては急激になるよう設定したこと、を特徴とする。
第1の管の端部の溝部に図3に示すように中間部分に狭隘部を設定し、溝部内縁形状を端部挿入方向においては溝内方向に凸に、管抜け方向においては溝外方向に凸に形成した。加えて狭隘部幅は突起部幅と同一又は小さめの幅に設定したので、この部位が2つのパイプの抜け抑止形状として作用する。よって新たな部品を設けることなく溝部形状を所定の形状にすることのみで、2つの管の抜けを防止し作業性を大幅に向上することが出来る。
本考案により、一方の管を他方の管に挿入して締結部材を用いて互いに締結させる管接合において、2つの管の回転方向の位置を拘束する手段を加えることができ、作業効率を大幅に向上させることが出来る。
以下、本考案の実施例について図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態の説明は、本質的な例示に過ぎず、本考案、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(管接合構造)
本考案にかかる実施例1の管接合構造は、図1、2に示すように第1の管1の外径が第2の管2の内径にほぼ等しくなるようにして互いに所定の長さで挿入させ、更に締結部材20で互いの端部を拘束することにより接合する。この際端部に拘束力を発生させかつシール効果を発生させるため、内挿される第1の管の端部から所定の部位にバルジ加工によるバルジ部3を全周に施工し、外挿される第2の管の端部に折り曲げ加工、この実施例ではカール加工を施工する。本願では管の一部を加工により膨出させ全周に突起を形成した部分をバルジ部と呼ぶことにする。互いに対応する形状に加工された前記バルジ部3と前記カール加工部4を密着するように締結部材20で締め付けることで2つの管の締結を行う。締結はねじ部21を所定のトルクで締め付けることにより行う。本実施例では締結部9が完全な機密性が要求されない低圧部に設けられることから、締結部分にガスケットなどのシール材は使用していない。
本考案にかかる実施例1の管接合構造は、図1、2に示すように第1の管1の外径が第2の管2の内径にほぼ等しくなるようにして互いに所定の長さで挿入させ、更に締結部材20で互いの端部を拘束することにより接合する。この際端部に拘束力を発生させかつシール効果を発生させるため、内挿される第1の管の端部から所定の部位にバルジ加工によるバルジ部3を全周に施工し、外挿される第2の管の端部に折り曲げ加工、この実施例ではカール加工を施工する。本願では管の一部を加工により膨出させ全周に突起を形成した部分をバルジ部と呼ぶことにする。互いに対応する形状に加工された前記バルジ部3と前記カール加工部4を密着するように締結部材20で締め付けることで2つの管の締結を行う。締結はねじ部21を所定のトルクで締め付けることにより行う。本実施例では締結部9が完全な機密性が要求されない低圧部に設けられることから、締結部分にガスケットなどのシール材は使用していない。
(溝部構造)
接合部9には図2に示すように、第1の管1の端部から所定の長さにわたって溝部11が設けられている。また溝部11入り口部には面取り部12が設けられている。一方第2の管2には管端の折り曲げ部、この場合はカール加工部4から所定の距離をおいて突起部13が形成されている。溝部11の幅と突起部13の前記溝幅に対応する方向の幅は、溝幅の方が若干大きめに設定されている。
第1の管1の溝部11、面取り部12の形状は一般的なピアス加工、また第2の管2の突起部13は一般的なプレス加工により成型することが可能である。
接合部9には図2に示すように、第1の管1の端部から所定の長さにわたって溝部11が設けられている。また溝部11入り口部には面取り部12が設けられている。一方第2の管2には管端の折り曲げ部、この場合はカール加工部4から所定の距離をおいて突起部13が形成されている。溝部11の幅と突起部13の前記溝幅に対応する方向の幅は、溝幅の方が若干大きめに設定されている。
第1の管1の溝部11、面取り部12の形状は一般的なピアス加工、また第2の管2の突起部13は一般的なプレス加工により成型することが可能である。
(組み付け)
作業者による組み付け時には、作業者は第1の管1の溝部11と第2の管2の突起部13(外周側からは凹部として確認できる)を確認しながら突起部13が溝部11に入るように2つの管の相対的角度を調整しながら管の挿入作業を行う。この際面取り部12の効果により、2つの管に相対的角度に多少のずれがあっても円滑に挿入作業が行われる。
作業者による組み付け時には、作業者は第1の管1の溝部11と第2の管2の突起部13(外周側からは凹部として確認できる)を確認しながら突起部13が溝部11に入るように2つの管の相対的角度を調整しながら管の挿入作業を行う。この際面取り部12の効果により、2つの管に相対的角度に多少のずれがあっても円滑に挿入作業が行われる。
一旦挿突起部13が溝部11に入ると溝に沿って突起部13が移動し、所定の相対的な角度を保ちながら、バルジ部3とカール加工部4を密着するまで作業者は挿入作業を行う。この状態では突起部13は溝部の先端部に密着した状態ではなく、先端部には多少の余裕が残されている。
次に作業者は第1の管1と第2の管2が互いに抜けないように双方に手を添えながら、締結部材20を、突起部3とカール加工部4両方をカバーするように装着し、締結部材20のねじ部21の締め付けを電動ドライバーなどで行う。この作業は片手で2つの管が抜けないよう保持しながらもう一方の手で締結部材20のセット及びねじ部21の締め付けを行わねばならずやや困難な作業である。
これにより所定の締め付け力がねじ部21に加えられると、締結部材20が傘状に形成されている効果により前記締め付け力が傘部から突起部3とカール加工部4に伝達されて、両者を当接する方向に力が作用して所定の力で管同士の締結が行われる。前記のように溝先端部14に余裕があるので突起部13が更に溝部先端部方向に移動し、バルジ部3とカール加工部4の完全な密着が行われる。
(実施例2)
次に本考案にかかる実施例2について、図3、図4を基に説明する。
実施例2の構成は実施例1の構成と比較して、第2の管2の端部がカール加工ではなく折り曲げ加工がされている点、第1の管のバルジ部3との間にガスケット15か配置される点、溝部に抜け抑止形状が形成された点が異なり、他の部分は共通しているので、以下異なる点について詳しく説明する。
次に本考案にかかる実施例2について、図3、図4を基に説明する。
実施例2の構成は実施例1の構成と比較して、第2の管2の端部がカール加工ではなく折り曲げ加工がされている点、第1の管のバルジ部3との間にガスケット15か配置される点、溝部に抜け抑止形状が形成された点が異なり、他の部分は共通しているので、以下異なる点について詳しく説明する。
実施例2の構成は高圧のガスが流れる部分に使われるので、図3に示すように第2の管2の端部が全周に渡って第1の管のバルジ部3と対応する形状に折り曲げ加工が施され、バルジ部3と折り曲げ加工部16との間にガスケット15か配置される。締結部材20をセットしてねじ部21を締め付けると、ガスケットが圧縮され折り曲げ加工オーバーハング部がバルジ部3に当接してねじ部21が所定のトルクを発生すると締め付け作業を完了する。
実施例2の溝部11の基本構成は実施例1と同様だが、図4に示すように溝導入部24と溝先端部14の中間部分に狭隘部18が設定され、この部分が突起部3の抜け方向への通過を阻害し、2つの管の抜けが防止される。
具体的には図4のB寸法に対し突起部13の根元部分の同方向の寸法は同一又は少し大きめに製作されており突起部の通過に際して狭隘部18の微小な弾性変形が必要となるよう設定されている。そのため2つの管が抜けようとする際はこの変形力が抵抗力となって抜けが阻害される。また図4に示すように狭隘部18をはさんで、導入部24側は溝中心方向に向かって凸形状に溝外延が形成されており、突起部3の通過が容易になるように構成されている。逆に狭隘部18をはさんで、抜け防止部19側は溝中心方向に向かって凹形状に溝外延が形成されており、突起部3の通過の際抵抗となるよう構成されている。これらにより抜け抑止機能が発揮される。
本実施例2ではA=9mm,B=6mm、C=10mmを採用した。また突起部3の断面形状は図5に示すように第2の管2から球面状に管内方向に所定の高さを突起させ、管表面とを所定のRでつないだ形状としている。
抜け抑止機能の確認のため、狭隘部18の溝幅を変えながら十分な抜け抑止力が発生するか実験により確認した。表1に実験により得られた溝幅(mm)と荷重(N)の関係を示す。溝幅は2ヶ所の測定値の平均値で示している。また荷重は第1の管1と第2の管を互いに挿入セット後、軸方向の荷重をかけ突起部13が狭隘部18を通過したときの荷重で示している。本実施例2での突起部13根元の径は約9mmだが実際には第1の管1と第2の管のクリアランスなどを考慮すると狭隘部18と接触する部分での突起部13の径は溝幅に近い値になっていると考えられる。
また図7は表1をグラフにしたものだが、排気系の重量を考慮すると組み付け時に第1の管1と第2の管の抜けを抑止するためには約44.1Nの抵抗荷重が必要と考えられる。グラフから溝幅6.61mm以下であればこの要件を満たすことが確認できた。
溝部に抜け抑止形状が形成された効果により、作業者は2つの管が抜けないよう手で保持する必要がないので、締結部材20のセットと、ねじ部21の締め付けに専念でき作業性が大幅に向上することが出来る。
1 第1の管
2 第2の管
4 カール加工部
9 締結部
11 溝部
12 面取り部
13 突起部
14 溝先端部
15 ガスケット
16 折り曲げ加工部
17 折り曲げ加工オーバーハング部
18 狭隘部
19 抜け防止部
20 締結部材
21 ねじ部
24 導入部
2 第2の管
4 カール加工部
9 締結部
11 溝部
12 面取り部
13 突起部
14 溝先端部
15 ガスケット
16 折り曲げ加工部
17 折り曲げ加工オーバーハング部
18 狭隘部
19 抜け防止部
20 締結部材
21 ねじ部
24 導入部
Claims (3)
- 管端部から所定のストレート部に隣接して全周に渡るバルジ部が形成された第1の管が、管端部に前記バルジ部に対応する形状の折返し部が全周に形成された第2の管に内挿され、前記バルジ部が前記折返し部に直接又はシール材を介して当接され、当該バルジ部及び当該折返し部の外周を覆うように構成された締結部材により両部位が締め付けられ、前記第1の管と前記第2の管の前記当接部が密着固定されるよう構成された管接合構造であって、
前記第1の管に端部から管軸方向に向けて溝部が形成され、前記第2の管に当該溝部に勘合可能な突起部が管内部方向に向けて形成されていること、
を特徴とする管接合構造。 - 前記溝部の中間部分には、更に当該突起部の抜け抑止形状が形成されたこと、
を特徴とする請求項1に記載の管接合構造。 - 前記突起部の抜け抑止形状は、前記溝部中間部において溝幅を前記突起部幅と同一又は小さめの幅へ狭めた狭隘部を設定するとともに、当該狭隘部への溝幅の変化を、管挿入方向においては緩やかに、かつ管抜け方向においては急激になるよう設定したこと、
を特徴とする請求項2に記載の管接合構造。
Priority Applications (2)
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JP2018000373U JP3215809U (ja) | 2018-02-02 | 2018-02-02 | 管接続構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018000373U JP3215809U (ja) | 2018-02-02 | 2018-02-02 | 管接続構造 |
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