JP3214655B2 - ハイブリッドロケット - Google Patents
ハイブリッドロケットInfo
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Description
を備え、液体酸化剤と固体燃料の分解ガスとの混合燃焼
により生じた燃焼ガスによって推進力を得るハイブリッ
ドロケットに関するものである。
ットとしては、例えば図5に示すものがある。図示のハ
イブリッドロケット101は、機体102の中間部に設
けたタンク104に液体酸化剤103が充填してあると
共に、機体102の尾部に設けた燃焼室106に内面燃
焼型の固体燃料105が装填してある。タンク104と
燃焼室106とは制御弁107および噴射器108など
を介して連結してあり、タンク104の前部には高圧ガ
スのボンベや制御弁などで構成される加圧器109が設
けてあると共に、燃焼室106の後端にはノズル110
が設けてある。
ンク104内において加圧器109で圧力を高めた液体
酸化剤103を制御弁107および噴射器108により
燃焼室106内に噴射し、この液体酸化剤103と固体
燃料105の内面で分解・蒸発した燃料成分とを混合し
て燃焼させ、これにより生じた高温・高圧ガスをノズル
110から噴出させて推進力を得る。
ば、昭和58年4月25日に丸善が発行した「航空宇宙
工学便覧・増補版」の第655頁に記載されている。
来のハイブリッドロケット101にあっては、加圧した
液体酸化剤103を固体燃料105の内面に沿って流
し、機軸方向に境界層を形成しつつ固体燃料105から
分解・蒸発した燃料成分を拡散燃焼させて高温・高圧ガ
スを発生させるようにしていることから、液体酸化剤1
03の流れの変化による分布状況の違いによって固体燃
料105の燃焼状態を安定させることが難しく、燃焼効
率が低いものとなって充分な性能を得がたいという問題
点があると共に、液体酸化剤103の加圧源として重量
物である加圧器109を用いていたため、システム重量
が増大して推進性能の低下をまねくという問題点があ
り、これらの問題点を解決することが課題であった。
て成されたもので、燃焼効率を向上させることが可能で
あると共に、システム重量の軽減を実現することができ
るハイブリッドロケットを提供することを目的としてい
る。
ッドロケットは、請求項1として、液体酸化剤の酸化剤
収容室と、固体燃料の燃料収容室と、液体酸化剤と固体
燃料の分解ガスとを混合燃焼させる主燃焼室を備え、酸
化剤収容室の燃料収容室側の隔壁部分を機軸方向に摺動
自在なピストンで形成すると共に、燃料収容室をピスト
ン側に開放し、酸化剤収容室から主燃焼室に至る酸化剤
噴射器と、燃料収容室から主燃焼室に至る燃料噴射器を
ロケット内部に備えた構成とし、請求項2として、頭部
側に酸化剤収容室を備えると共に、酸化剤収容室の尾部
側隔壁部分をピストンで形成し、その尾部側に筒状の燃
料収容室を備えると共に、燃料収容室の内側に主燃焼室
を備え、酸化剤噴射器が棒状を成し、酸化剤噴射器に対
してピストンを摺動自在に設けた構成とし、請求項3と
して、酸化剤噴射器を複数備えた構成とし、請求項4と
して、頭部側から、燃料収容室、ピストン、酸化剤収容
室および主燃焼室を備え、ピストンに、酸化剤収容室を
貫通して主燃焼室に至る燃料噴射器を設けた構成とし、
請求項5として、燃料噴射器が、機軸方向に収縮自在で
あると共に、酸化剤収容室の尾部側隔壁に先端部分を貫
通状態にして固定してある構成とし、請求項6として、
頭部側から、燃料収容室、隔壁体、加圧室、ピストン、
酸化剤収容室および主燃焼室を備え、隔壁体に、燃料収
容室と加圧室とを連通させる燃料流路と、燃料流路にお
ける流量を調整する制御弁と、ピストンおよび酸化剤収
容室を貫通して主燃焼室に至る燃料噴射器を設けた構成
としており、上記構成を課題を解決するための手段とし
ている。
物質として、酸化剤に依存しないで燃焼できるグリシジ
ルアジ化ポリマ(GAP:Glycidyl Azid
ePolymer)を用いることが可能である。
ロケットでは、固体燃料が拡散燃焼するのではなく自己
燃焼し、その固体燃料の分解ガスと液体酸化剤とを主燃
焼室で混合燃焼させるので、液体酸化剤の流れの変化に
よる分布状況の違いによって固体燃料の燃焼速度が左右
されるようなことがなくなり、固体燃料の燃焼状態が安
定して燃焼効率が向上すると共に、固体燃料から発生し
た分解ガスの圧力によりピストンを押圧し、これにより
液体酸化剤を加圧するので、他の加圧源を用いることな
く液体酸化剤を主燃焼室に加圧供給することとなる。ま
た、ロケット内部に、酸化剤収容室から主燃焼室に至る
酸化剤噴射器および燃料収容室から主燃焼室に至る燃料
噴射器を備えているので、例えばロケット外部に配管類
を設ける場合に比べて構造が簡単で且つ軽量になる。
ケットでは、固体燃料の分解ガスの温度を下げることな
くピストンを有効に加圧し得ると共に、酸化剤噴射器に
よりピストンが案内されることとなり、構造がより簡略
化され且つ軽量化される。また、請求項3に係わるハイ
ブリッドロケットでは、複数の酸化剤噴射器を採用した
ことにより、液体酸化剤の供給量を増大させることが可
能となって短時間燃焼に対応し得る。
ケットでは、燃料噴射器を酸化剤収容室に貫通状態とし
たことにより、固体燃料の分解ガスの熱により液体酸化
剤が活性化され、燃焼効率が高められる。また、請求項
5に係わるハイブリッドロケットでは、ピストンの移動
とともに燃料噴射器が収縮し、主燃焼室における燃焼噴
射位置を一定に保つこととなる。
ケットでは、燃料噴射器によりピストンが案内されると
共に、固体燃料の分解ガスの熱により液体酸化剤が活性
化されて燃焼効率が高められ、さらに、制御弁により燃
焼ガスの流量を変化させるのに伴ってピストンの加圧力
を変化させ、これにより主燃焼室に対する液体酸化剤の
供給量を変化させることで推力制御を行う。
ブリッドロケットの一実施例を説明する図である。
1は、頭部側に液体酸化剤1を充填した酸化剤収容室2
を備えると共に、酸化剤収容室2の尾部側の隔壁部分が
機軸方向に摺動自在なピストン3で形成してある。ま
た、ピストン3よりも尾部側には隔壁部4を備え、さら
にその尾部側に、自己燃焼性を有する端面燃焼型の固体
燃料5を装填した筒状の燃料収容室6を備えると共に、
燃料収容室6の内側に、液体酸化剤と固体燃料の分解ガ
スとを混合燃焼させる主燃焼室7を備え、主燃焼室7の
尾部に推進用のノズル8を備えている。
の端部から主燃焼室7に至る酸化剤噴射器9が設けてあ
る。酸化剤噴射器9は、棒状を成すと共に、ロケット尾
部寄りの端部を隔壁部4に貫通させた状態にして固定し
てあり、さらに、ピストン3を貫通して同ピストン3を
摺動自在に保持し、ロケット頭部側の端部に液体酸化剤
の流入部9aを有すると共に、ロケット尾部側の端部に
液体酸化剤の噴射部9bを有している。また、この実施
例では、図1(b)に示すように、2本の酸化剤噴射器
9,9を備えている。
いて、隔壁部4に形成した環状の供給路10によりピス
トン3側に開放されており、さらに、燃料収容室6と主
燃焼室7とを仕切る円筒状隔壁11に、燃料収容室6か
ら主燃焼室7に至る孔状の複数の燃料噴射器12が設け
てある。
R1は、図示しないイグナイタで固体燃料5のロケット
頭部側の端部に点火すると、固体燃料5の燃焼により分
解ガス(燃料成分過剰ガス)が発生し、分解ガスを燃料
噴射器12から主燃焼室7内に噴射する一方で同分解ガ
スを供給路10に流し、その圧力でピストン3をロケッ
ト頭部方向に押圧する。これにより、液体酸化剤1が加
圧され、加圧された液体酸化剤1は酸化剤噴射器9の流
入部9aから同噴射器内に入り、噴射部9bから主燃焼
室7内に噴射される。
1は、固体燃料5の分解ガスと液体酸化剤1とを主燃焼
室7内に噴射し、主燃焼室7で双方を混合燃焼させるこ
とにより発生した高温・高圧の燃焼ガスをノズル8から
噴出させることで推進力を得る。
は、固体燃料5が自己燃焼し、その固体燃料5の分解ガ
スと液体酸化剤1とを主燃焼室7で混合燃焼させるの
で、液体酸化剤1の流れの変化による分布状況の違いに
よって固体燃料5の燃焼速度が左右されるようなことが
なくなり、固体燃料5の燃焼状態が安定して燃焼効率が
向上する。
圧力によりピストン7を押圧し、これにより液体酸化剤
1を加圧供給するので、従来使用していた重量物である
加圧器(図5参照)が不要となり、しかも、ロケット内
部に、酸化剤収容室2から主燃焼室7に至る酸化剤噴射
器9、および燃料収容室6から主燃焼室7に至る燃料噴
射器12を備えているので、例えばロケット外部に配管
類を設ける場合に比べて構造が簡単で且つ軽量になり、
なお且つ空力的に有利である。
は、燃料収容室6が隔壁部4の供給路10により直接的
にピストン3側に開放されているので、固体燃料5の分
解ガスの温度を下げることなくピストン3を有効に加圧
し得ると共に、酸化剤噴射器9がピストン3の案内およ
び保持の機構を兼用しているので、その分構造が簡単で
且つ軽量であり、しかも、複数(2本)の酸化剤噴射器
9を採用したことにより、液体酸化剤1の供給量を増大
させることができ、短時間燃焼にも容易に対応し得る。
リッドロケットの一実施例を説明する図である。
側から、自己燃焼性を有する端面燃焼型の固体燃料25
を装填した燃料収容室26と、ピストン23と、液体酸
化剤21を充填した酸化剤収容室22と、主燃焼室27
およびノズル28を備えている。酸化剤収容室22は、
その頭部側が機軸方向に摺動自在なピストン23により
形成され、尾部側は固定の隔壁部24により形成されて
いる。なお、この実施例では、ピストン23が燃料収容
室26の尾部側の隔壁部分を兼用している。
隔壁部24には、酸化剤収容室22から主燃焼室27に
至る酸化剤噴射器29が設けてある。この酸化剤噴射器
29は、隔壁部24において、その円周方向の複数箇所
に設けられ、各々の箇所において、主燃焼室27内の1
点に向けて傾斜した複数の流路29aにより構成してあ
る。
6から主燃焼室27に至る燃料噴射器32が設けてあ
る。燃料噴射器32は、棒状を成すとともに酸化剤収容
室22を貫通し、且つ隔壁部24を摺動自在に貫通して
おり、ロケット頭部側の端部に分解ガスの流入部32a
を有すると共に、ロケット尾部側の端部に分解ガスの噴
射部32bを有している。この燃料噴射器32には、例
えば、銅製の管状部材の表面にポリ四フッ化エチレン
(商品名;テフロン)をコーティングしたものが用いら
れる。
R2は、図示しないイグナイタで固体燃料25に点火す
ると、これにより発生した分解ガスが燃料噴射器32を
通して主燃焼室27に噴射される一方で、分解ガスの圧
力でピストン23をロケット尾部方向に押圧し、液体酸
化剤21を加圧して同液体酸化剤21を酸化剤噴射器2
9から主燃焼室27内に噴射する。
2は、主燃焼室27内で固体燃料25の分解ガスと液体
酸化剤21とを混合燃焼させ、これにより発生した燃焼
ガスをノズル28から噴出させることにより推進力を得
る。
は、先の実施例と同様の作用効果が得られるうえに、燃
料噴射器32を酸化剤収容室22に貫通状態としたこと
により、固体燃料25の分解ガスの熱によって液体酸化
剤21が加熱され、これにより液体酸化剤が活性化され
ることとなって燃焼効率が高められる。なお、上記実施
例のハイブリッドロケットR2では、燃料噴射器32を
複数設けることも当然可能である。
リッドロケットの一実施例を説明する図である。
3は、先の実施例と同様に、液体酸化剤41を充填した
酸化剤収容室42と、ピストン43と、隔壁部44と、
固体燃料45を装填した燃料収容室46と、主燃焼室4
7と、ノズル48と、複数の流路49aにより構成され
る酸化剤噴射器49を備えている。
図3(b)にも示すように、ロケット頭部側の一方の管
状部材52Aと、ロケット尾部側の他方の管状部材52
Bとから成り、ピストン43に固定した一方の管状部材
52Aの内側に、他方の管状部材52Bを機密性をもた
せた状態で摺動自在に嵌入し、且つ他方の管状部材52
Bを隔壁部44に貫通させて固定した構成になってい
る。そして、燃料噴射器52は、ロケット頭部側の端部
に分解ガスの流入部52aを有し、ロケット尾部側の端
部に分解ガスの噴射部52bを有している。また、ピス
トン43を燃料噴射器52に対して固定するストッパー
53を有している。
例と同様に、例えば、銅製の管状部材52A,52Bの
表面にポリ四フッ化エチレン(商品名;テフロン)をコ
ーティングしたものが用いられる。
R3は、図示しないイグナイタで固体燃料45に点火す
ると、これにより発生した分解ガスが燃料噴射器52を
通して主燃焼室47に噴射される一方で、分解ガスの圧
力でピストン43をロケット尾部方向に押圧し、液体酸
化剤41を加圧して同液体酸化剤41を酸化剤噴射器4
9から主燃焼室47内に噴射する。
3は、主燃焼室47内で固体燃料45の分解ガスと液体
酸化剤41とを混合燃焼させ、これにより発生した燃焼
ガスをノズル48から噴出させることにより推進力を得
る。
は、先の実施例と同様の作用効果が得られるうえに、ピ
ストン43の移動とともに一方の管状部材52Aが他方
の管状部材52Bに対して摺動し、図3(c)に示す如
く燃料噴射器52全体が収縮する状態となり、これによ
り主燃焼室47内における噴射部52bの位置を一定に
保ち、分解ガスと液体酸化剤41との混合をより一層安
定した状態で行うこととなる。なお、燃焼噴射器52が
完全に収縮すると、ストッパー53の解除によりピスト
ン43が一方の管状部材52Aに添って摺動し、液体酸
化剤41を最後まで噴射し得る。
リッドロケットの一実施例を説明する図である。
4は、頭部側から、自己燃焼性を有する内面燃焼型の固
体燃料65を装填した燃料収容室66と、隔壁体74
と、加圧室70と、機軸方向に摺動自在なピストン63
と、液体酸化剤61を充填した酸化剤収容室62と、主
燃焼室67と、推進用のノズル68を備えている。加圧
室70と酸化剤収容室62とはピストン63により仕切
られている。
する隔壁64には、酸化剤収容室62から主燃焼室67
に至る酸化剤噴射器69が複数箇所に設けてある。各酸
化剤噴射器69は、図4(b)に示すように、その内部
にスクリュー69aを備えると共に、このスクリュー6
9aにより図4(d)に示すように螺旋状の流路を形成
し、液体酸化剤61を螺旋状流路に通して噴射すること
により、主燃焼室67内で良好に拡散させて分解ガスと
の混合効率を高めるようにしている。
70とを連通させる燃料流路75が複数箇所に設けてあ
って、各燃料流路75には、流量を調整する制御弁76
が設けてある。したがって、この実施例においては、燃
料収容室66は燃料流路75を介してピストン63側に
開放された状態にある。
2が設けてある。噴射器72は、加圧室70、ピストン
63、酸化剤収容室62および隔壁64を貫通し、ピス
トン63を摺動自在に保持していると共に、隔壁64に
おいて固定してあり、隔壁体74におけるロケット頭部
側の端部に分解ガスの流入部72aを有すると共に、主
燃焼室67内におけるロケット尾部側の端部に分解ガス
の噴射部72bを有している。この噴射部72bは、図
4(c)に示すように多数の孔により構成してある。な
お、この燃料噴射器72には、先の実施例と同様に、例
えば、銅製の管状部材の表面にポリ四フッ化エチレン
(商品名;テフロン)をコーティングしたものが用いら
れる。
R4は、図示しないイグナイタで固体燃料65に点火す
ると、これにより発生した分解ガスが燃料噴射器72を
通して主燃焼室67に噴射される一方で、分解ガスの圧
力でピストン63をロケット尾部方向に押圧し、液体酸
化剤61を加圧して同液体酸化剤61を酸化剤噴射器6
9から主燃焼室67内に噴射する。
4は、主燃焼室67内で固体燃料65の分解ガスと液体
酸化剤61とを混合燃焼させ、これにより発生した燃焼
ガスをノズル68から噴出させることにより推進力を得
る。
は、先の実施例と同様の作用効果が得られるうえに、燃
料噴射器72がピストン63の案内・保持機構を兼用し
た構成になっており、その分構造が簡単で且つ軽量なも
のになると共に、固体燃料65の分解ガスの熱により液
体酸化剤61が活性化されて燃焼効率が高められ、さら
に、制御弁76を操作して燃料流路75における分解ガ
スの流量を調整することにより、ピストン63の加圧力
を変化させるのに伴って主燃焼室67に対する液体酸化
剤61の供給量を変化させ、これにより推力制御を行う
ことが可能となる。
体燃料65を採用すれば、イグナイタの配置を燃料収容
室66の頭部側端部にすることもできると共に、短時間
燃焼への対応がより一層容易になる。さらに、燃料収容
室66の容積が一定に保たれるため、燃焼圧力が安定
し、固体燃料65の燃焼により生じた分解ガスの主燃焼
室67への供給も一定になり、液体酸化剤61の供給量
を変化させることにより、より精度の高い推力制御が可
能となる。
ロケットの液体酸化剤には、液体酸化剤にゲル化剤を混
合して成るゲル化酸化剤を使用することも可能である。
項1に係わるハイブリッドロケットによれば、固体燃料
を安定した速度で燃焼させることが可能となり、この燃
焼で生じた分解ガスと液体酸化剤とを混合して安定燃焼
させることができるので、燃焼効率を大幅に向上させる
ことができ、また、分解ガスの圧力により直接的にピス
トンを押圧して液体酸化剤を加圧するので、重量物であ
る加圧器が廃止され、さらに、ロケット内部に液体酸化
剤および分解ガスの流通系を含む酸化剤噴射器および燃
料噴射器を備えているので、システム重量を大幅に軽減
することができ、例えばロケット外部に配管類を設ける
場合に比べて、構造が簡単で且つ軽量であるともに空力
的にも有利であるなどの利点がある。
ケットによれば、固体燃料の分解ガスの温度を下げるこ
となくピストンを有効に加圧することができると共に、
酸化剤噴射器がピストンの案内機構を兼ねることとな
り、その分構造をより簡略化し且つ軽量化することがで
きるほか、短時間燃焼を行うことも容易であり、本発明
の請求項3に係わるハイブリッドロケットによれば、複
数の酸化剤噴射器を採用したことにより、液体酸化剤の
供給量を増大させることができ、短時間燃焼に対応する
ことがより一層容易になる。
ケットによれば、請求項1と同様の効果を得ることがで
きるうえに、燃料噴射器を酸化剤収容室に貫通状態とし
たことにより、固体燃料の分解ガスの熱により液体酸化
剤を活性化させることができ、これにより燃焼効率をよ
り一層高めることができる。
ケットによれば、請求項1と同様の効果を得ることがで
きるうえに、主燃焼室における燃焼噴射位置を一定に保
つことができ、分解ガスと液体酸化剤との混合をより安
定した状態で行うことができ、これにより燃焼効率をよ
り一層高めることができる。
ケットによれば、請求項1と同様の効果を得ることがで
きるうえに、燃料噴射器がピストンの案内機構を兼ねる
こととなり、その分構造の簡略化や軽量化を実現するこ
とができると共に、固体燃料の分解ガスの熱により液体
酸化剤を活性化して燃焼効率を高めることができ、さら
には、制御弁を操作することによって推力制御を行うこ
とができる。また、燃料収容室の容積が一定となるの
で、燃焼圧力を安定させることができると共に、固体燃
料の燃焼により生じた分解ガスの主燃焼室への供給も一
定にすることができ、液体酸化剤の供給量を変化させる
ことによって、より精度の高い推力制御を行うことがで
きる。
ケットの一実施例を説明する側部断面図(a)および図
a中のA−A線矢視に基づく断面図(b)である。
トの一実施例を説明する側部断面図である。
トの一実施例を説明する側部断面図(a)、燃料噴射器
の伸長状態(b)および収縮状態(c)を示す各々側面
図である。
トの一実施例を説明する側部断面図(a)、酸化剤噴射
器部分の側部断面図(b)および燃料噴射器の先端部分
の側面図(c)である。
側部断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 液体酸化剤の酸化剤収容室と、自己燃焼
性を有する固体燃料の燃料収容室と、液体酸化剤と固体
燃料の分解ガスとを混合燃焼させる主燃焼室を備え、酸
化剤収容室の燃料収容室側の隔壁部分を機軸方向に摺動
自在なピストンで形成すると共に、燃料収容室をピスト
ン側に開放し、酸化剤収容室から主燃焼室に至る酸化剤
噴射器と、燃料収容室から主燃焼室に至る燃料噴射器を
ロケット内部に備えたことを特徴とするハイブリッドロ
ケット。 - 【請求項2】 頭部側に酸化剤収容室を備えると共に、
酸化剤収容室の尾部側隔壁部分をピストンで形成し、そ
の尾部側に筒状の燃料収容室を備えると共に、燃料収容
室の内側に主燃焼室を備え、酸化剤噴射器が棒状を成
し、酸化剤噴射器に対してピストンを摺動自在に設けた
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドロケッ
ト。 - 【請求項3】 酸化剤噴射器を複数備えたことを特徴と
する請求項2に記載のハイブリッドロケット。 - 【請求項4】 頭部側から、燃料収容室、ピストン、酸
化剤収容室および主燃焼室を備え、ピストンに、酸化剤
収容室を貫通して主燃焼室に至る燃料噴射器を設けたこ
とを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドロケッ
ト。 - 【請求項5】 燃料噴射器が、機軸方向に収縮自在であ
ると共に、酸化剤収容室の尾部側隔壁に先端部分を貫通
状態にして固定してあることを特徴とする請求項4に記
載のハイブリッドロケット。 - 【請求項6】 頭部側から、燃料収容室、隔壁体、加圧
室、ピストン、酸化剤収容室および主燃焼室を備え、隔
壁体に、燃料収容室と加圧室とを連通させる燃料流路
と、燃料流路における流量を調整する制御弁と、ピスト
ンおよび酸化剤収容室を貫通して主燃焼室に至る燃料噴
射器を設けたことを特徴とする請求項1に記載のハイブ
リッドロケット。
Priority Applications (1)
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JP07365695A JP3214655B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | ハイブリッドロケット |
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JPH08270506A JPH08270506A (ja) | 1996-10-15 |
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JP07365695A Expired - Fee Related JP3214655B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | ハイブリッドロケット |
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CN115355111B (zh) * | 2022-07-21 | 2024-07-26 | 宁波天擎航天科技有限公司 | 一种固液混合火箭发动机启动装置及火箭发动机 |
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