JP3025812B2 - 液体ラムロケット - Google Patents

液体ラムロケット

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JP3025812B2
JP3025812B2 JP3251506A JP25150691A JP3025812B2 JP 3025812 B2 JP3025812 B2 JP 3025812B2 JP 3251506 A JP3251506 A JP 3251506A JP 25150691 A JP25150691 A JP 25150691A JP 3025812 B2 JP3025812 B2 JP 3025812B2
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air
ram rocket
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久保田浪之介
辺 久 幸 渡
野 実 光
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部より導入した空気
中に液体燃料の液滴を噴射して生じた混合気を燃焼室で
燃焼させることによって飛翔推力を発生する液体ラムロ
ケット(ラムジェットと称することもある。)の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の液体ラムロケットとして
は、例えば、図7に示すものがあった。
【0003】図7に示す液体ラムロケット101は、円
周方向の複数箇所に設けた空気取入口102より導入し
た空気中に液滴を噴射して生じた混合気を燃焼させる燃
焼室103を備えており、この燃焼室103の後端部に
はラムロケットノズル104が設けてある。
【0004】また、燃焼室103の前部側には、液体燃
料105を充填した縮小可能なタンク106と、液体燃
料105を圧送するターボポンプ107と、液体燃料1
05の流量を制御する流量制御装置108と、液体燃料
105を空気取入口102に噴射する噴射弁109を備
えており、タンク106は、空気導入用のチューブ11
1aを有したケース111内に収容されている。
【0005】さらに、空気取入口102の後端側には混
合気の点火装置110を備えている。
【0006】このような構造とした液体ラムロケット1
01は、チューブ111aよりケース111内に流入す
る空気によって加圧されて縮小するタンク106から液
体燃料105を流出させ、ターボポンプ107および流
量制御装置108を経て圧送された液体燃料105を噴
射弁109により噴射する。
【0007】そして、噴射された液体燃料105の液滴
と、空気取入口102より導入した空気との混合気に点
火装置110によって点火し、燃焼室103内における
混合気の燃焼により生じた燃焼ガスをラムロケットノズ
ル104から増速して噴出させることにより推力を発生
するものとなっている。
【0008】なお、この種のラムロケットに関しては、
例えば、「増補板 航空宇宙工学便覧」 社団法人 日
本航空宇宙学会編 昭和58年4月25日 丸善発行の
第655頁〜第656頁に若干の説明がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の液体ラムロケット101において、空気取入口1
02より導入した空気と、噴射弁109より噴射された
液体燃料105の液滴との混合気の点火は点火装置11
0によってなされるものの、点火ののちの燃焼室103
内における燃焼は、混合気がもつ自らの燃焼エネルギの
みによって持続させるようになっていたため、とくに高
高度飛翔を設計基準とした場合には、燃焼室103内で
の混合気流速が大きくかつ圧力が低いことから、流入空
気量の変化によって燃焼が持続しないこともあり得ると
いう問題があった。
【0010】また、上記した液体ラムロケット101で
は、チューブ111aから流入する空気でタンク106
を押圧することによって、液体燃料105を流出させる
ようにしていたが、この流入空気による押圧だけでは液
体燃料105を噴射弁109に圧送するのに十分とはい
えないため、送給途中に過酷な条件に耐えうるターボポ
ンプ107を設けなくてはならないという問題があり、
これらの問題を解決することが従来の課題となってい
た。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたもので、請求項1の発明では、点火装置を
必要とすることなく混合気の点火を行うことができるう
え、燃焼室内における混合気の燃焼を良好に持続させる
ことが可能であり、とくに高高度飛翔を設計基準とする
液体ラムロケットにも十分対応することが可能である液
体ラムロケットを提供することを目的とし、請求項2の
発明では、加圧によって縮小可能としたタンクを備えた
液体ラムロケットにおいて、点火装置を必要とすること
なく混合気の点火を行うことができるうえ、燃焼室内に
おける混合気の燃焼を良好に持続させることが可能であ
ると共に、前記タンクに加える圧力を高めることによっ
て、従来必要としていたターボポンプを用いることなく
液体燃料を噴射弁まで圧送することが可能であり、加え
て、前記タンクを加圧して液体燃料を圧送する機能を最
大限に発揮させ得るものとした液体ラムロケットを提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1とし
て、液体燃料の液滴と外部から導入した空気との混合気
を燃焼させる燃焼室を備えた液体ラムロケットにおい
て、前記混合気の燃焼とは別に燃料を連続燃焼させて生
じる燃焼ガスを点火兼保炎用の燃焼ガスとして前記燃焼
室内に供給する燃焼ガス発生手段を設けた構成とし、請
求項2として、ケース内に加圧によって縮小可能として
収容したタンクを備えると共に、前記タンクに充填した
液体燃料の液滴と外部から導入した空気との混合気を燃
焼させる燃焼室を備えた液体ラムロケットにおいて、前
記混合気の燃焼とは別に燃料を連続燃焼させて生じる燃
焼ガスを点火兼保炎用の燃焼ガスとして前記燃焼室内に
供給する燃焼ガス発生手段を設けると共に、前記燃焼ガ
ス発生手段で生じる燃焼ガスの一部を前記ケース内に導
入して前記タンクを前記燃焼ガスの圧力により縮小可能
とするべく前記燃焼ガス発生手段とケースとを管体で連
し、前記管体の一部を大気に晒した構成としたことを
特徴としており、上記各液体ラムロケットの構成を課題
を解決するための手段としている。
【0013】本発明に係わる液体ラムロケットにおい
て、推力を発生するための液体燃料の原料構成はとくに
限定されない。
【0014】また、燃焼ガス発生手段には、固体燃料お
よび液体燃料のいずれをも用いることができ、固体燃料
として、例えば、高エネルギバインダに使用される多硫
化物,ポリブタジエン材料に少量の金属を含ませたもの
や、コンポジット推進薬に使用されるポリブタジエン6
0重量%+過塩素酸アンモニウム30重量%+RDX1
0重量%の配合組成をもつものに少量のZrなどの金属
を含ませた低燃焼速度のものを適宜用いることができ、
一方、液体燃料として、例えば、一液の場合にはヒドラ
ジンやエチレンオキサドを、また二液の場合には四酸化
二窒素+ヒドラジンや四酸化二窒素+モノメチルヒドラ
ジンをそれぞれ使用することができる。
【0015】さらに、燃焼ガス発生手段は、外部より導
入した空気と液体燃料の液滴との混合気の循環領域に近
い燃焼室の前端部分に、燃焼ガスを供給するように設け
ることが望ましい。
【0016】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる液体ラムロケ
ットは、上記した構成としてあるので、外部より導入し
た空気と液体燃料の液滴との混合気の点火は、点火装置
を用いることなく行われるようになり、加えて、燃焼ガ
ス発生手段から燃焼室内に連続して供給される燃焼ガス
によって、すなわち、混合気の燃焼とは別に燃料を連続
燃焼させて生じる燃焼ガスによって、混合気の燃焼は良
好に持続されるようになることから、高高度飛翔を設計
基準とした場合のように燃焼室内での混合気流速が大き
くかつ圧力が低いときでも混合気の燃焼の吹き消えなど
の不具合いは生じないこととなる。
【0017】また、本発明の請求項2に係わる液体ラム
ロケットは、上記した構成を有しているので、請求項1
に係わる液体ロケットの作用と同様の作用がもたらされ
るのに加えて、燃焼ガス発生手段で生じる燃焼ガスの一
部がケース内に導入されることから、タンク内の液体燃
料は高い圧力で送給されることとなり、ターボポンプを
必要としないものとなるうえ、燃焼ガスの一部が管体を
通してケース内に導入される間に、管体の大気に晒され
た部分から管体内を通過する燃焼ガスの熱が周囲に放射
されることから、管体内の燃焼ガスは低温の状態でケー
ス内に導入されることとなり、タンクを押圧するのに好
適な状況となる。
【0018】
【0019】
【実施例】[第1実施例] 図1および図2は本発明に係わる液体ラムロケットの一
実施例を示し、この液体ラムロケット1は、ブースタ推
進薬2を装填した燃焼室3を有し、この燃焼室3の後端
部にはブースタノズル4とラムロケットノズル5とが分
離継手6を介して同心状に設けてあり、ブースタノズル
4には、ブースタ推進薬用点火装置7が設けてある。
【0020】前記燃焼室3の前端側の外周には円周方向
の複数箇所に配設した空気取入口8を備えており、前記
空気取入口8を閉塞するポートカバー9をポートカバー
解除機構10によって解除するようになっている。
【0021】また、燃焼室3の前部側には、液体燃料1
1を充填しかつ加圧によって縮小可能とした燃料タンク
12と、液体燃料11の流量を制御する流量制御装置1
3と、液体燃料11を空気取入口8に噴射する噴射弁1
4を備えており、燃料タンク12は空気導入用のチュー
ブ15aを有したケース15内に収容されている。
【0022】この場合、燃焼室3の前部側における機軸
上には、燃焼ガス発生手段としての固体燃料16を充填
したガス発生室17が設けてある。このガス発生室1
、前記固体燃料16に点火する固体燃料用の点火装置
18を備えていると共に、このガス発生室17と一体で
設けた点火兼保炎用ガス噴射ノズル19を備えており
隔壁20を貫通してこの点火兼保炎用ガス噴射ノズル1
9を燃焼室3内に突出させることによって、液体燃料1
1とは別に固体燃料16を連続燃焼させて生じる燃焼ガ
スを点火兼保炎用の燃焼ガスとして燃焼室3内に供給す
るようになっている
【0023】そして、ガス発生室17にはガス供給装置
21がケース15に隣接して設けてあり、前記固体燃料
16の燃焼により生じた燃焼ガスの一部をこのガス供給
装置21を介してケース15内に導入するようになって
いる。
【0024】このような構造の液体ラムロケット1にお
いては、ブースタ推進薬用点火装置7によりブースタ推
進薬2に点火することによって、燃焼室3内でブースタ
推進薬2が燃焼し、この燃焼ガスをブースタノズル4か
ら噴射することによって発進しそして加速する。
【0025】続いて、ブースタ推進薬2の燃焼末期にお
いて分離継手6の部分でブースタノズル4が分離すると
共に、ポートカバー解除機構10により空気取入口8の
ポートカバー9が除去されて図2に示す状態となり、こ
れに合わせて噴射弁14から液体燃料11が液滴となっ
て噴出する。
【0026】これと同時に、固体燃料16の点火が固体
燃料用の点火装置18によってなされ、空気取入口8よ
り導入した空気と前記噴射弁14から噴射された液体燃
料11の液滴との混合気に、点火兼保炎用ガス噴射ノズ
ル19から噴出する固体燃料16の燃焼によって生じた
燃焼ガスにより点火し、燃焼室3内での混合気の燃焼に
より生じた推力発生用の燃焼ガスをラムロケットノズル
5から増速して噴出させて推力を得るものとなってい
る。
【0027】このとき、燃焼室3の前端部分には、燃焼
ガス発生手段としての固体燃料16の燃焼により生じた
燃焼ガスが、すなわち、空気と液体燃料11の液滴との
混合気の燃焼とは別に固体燃料16が連続燃焼すること
によって生じた燃焼ガスが、点火兼保炎用ガス噴射ノズ
ル19から継続して噴出しているので、前記空気と液体
燃料11の液滴との混合気に対して初期点火を行ったあ
ともこの混合気はそれ自体の燃焼エネルギだけでなく、
前記点火兼保炎用ガス噴射ノズル19から噴出する燃焼
ガスによっても燃焼が良好に持続されるものとなり、高
高度飛翔を設計基準とした場合のように燃焼室3内のガ
ス流速が大きくかつ圧力が低いときであっても、吹き消
えなどが生じることなく混合気の燃焼は良好に持続され
ることとなる。
【0028】また、固体燃料16の燃焼により生じた燃
焼ガスの一部は、ガス供給装置21によりケース15内
に導入されているので、燃料タンク12は高い圧力で押
圧されることとなり、燃料タンク12内の液体燃料11
はターボポンプを必要とすることなく噴射弁14まで圧
送されることとなる。
【0029】[第2実施例」 図3は本発明に係わる液体ラムロケットの他の実施例を
示しており、この実施例による液体ラムロケット31
が、第1実施例による液体ラムロケット1と相違すると
ころは、燃焼ガス発生手段として、タンク33に充填さ
れた液体燃料32を用いた点にある。
【0030】したがって、図3に燃焼室3の後端側を省
略して示したこの液体ラムロケット31では、ブースタ
推進薬(2)の燃焼が終了したのち、外部より導入され
る空気と燃料タンク12から送給される液体燃料11の
液滴との混合気の点火をタンク33から流出させた燃焼
ガス発生手段としての液体燃料32の燃焼で発生した燃
焼ガスによって行い、さらに、初期点火を行ったのち
も、液体燃料32の燃焼により生じた燃焼ガスを点火兼
保炎用ガス噴射ノズル19から継続して噴射しているの
で、すなわち、空気と液体燃料11の液滴との混合気の
燃焼とは別に液体燃料32が連続燃焼することで発生し
た燃焼ガスを点火兼保炎用ガス噴射ノズル19から噴射
しているので、混合気の燃焼は良好に持続されることと
なる。
【0031】また、前記燃焼ガスの一部は、ガス供給装
置21によってケース15内に導入されるので、燃料タ
ンク12は高い圧力で押圧されることとなり、この燃料
タンク12内の液体燃料11はターボポンプを必要とす
ることなく噴射弁14まで圧送されることとなる。
【0032】[第3実施例] 図4は本発明にかかわる液体ラムロケットのさらに他の
施例を示しており、この液体ラムロケットは図1およ
び図2に示した液体ラムロケット1の変形例を示すもの
であって、同一機能の部分には同一符号を付している。
【0033】この図4に示す液体ラムロケット41は、
燃焼ガス発生手段としての固体燃料42を充填しかつ固
体燃料用の点火装置46を有したガス発生室43を空気
取入口8の後端側に設け、ガス発生室43に一体で設け
た点火兼保炎用ガス噴射ノズル44を空気取入口8の後
端近傍に突出させると共に、一部を外殻48の外側に位
置させて大気に晒したガス供給管(管体)45を介して
ス発生室43とケース47とを連通させた構成をなし
ている。
【0034】この液体ラムロケット41では、ブースタ
推進薬(2)の燃焼の終了に合わせて、固体燃料42の
点火が固体燃料用の点火装置46によってなされ、外部
より導入した空気と液体燃料11の液滴との混合気に対
して、点火兼保炎用ガス噴射ノズル44から噴射される
固体燃料42の燃焼によって発生した燃焼ガスにより点
火し、混合気を燃焼室3内において燃焼させる。
【0035】そして、この場合も、燃焼室3の前端寄り
の部分には、燃焼ガス発生手段としての固体燃料42の
燃焼によって生じた燃焼ガスが、すなわち、空気と液体
燃料11の液滴との混合気の燃焼とは別に固体燃料42
が連続燃焼することによって生じた燃焼ガスが、点火兼
保炎用ガス噴射ノズル44から引き続き噴出しているの
で、前記混合気の初期点火を行ったあともこの混合気の
燃焼は自らの燃焼エネルギのみならず、前記点火兼保炎
用ガス噴射ノズル44から噴出する燃焼ガスによって
に持続されることとなる。
【0036】また、固体燃料42の燃焼で生じた燃焼ガ
スの一部は、ガス供給管45を介してケース47内に導
入されるので、燃料タンク12には高い圧力が加えられ
ることとなり、液体燃料11はターボポンプを用いるこ
となく噴射弁14まで圧送されることとなる。
【0037】このとき、ガス供給管45の一部は外殻4
8の外側に位置して大気に晒された状態となっている
で、ガス供給管45を通過する高温の燃焼ガスは、周囲
の空気によって冷却されることとなり、固体燃料42の
燃焼によって生じた燃焼ガスがケース47内に導入され
るときには低温のガスとなり、したがって、ケース47
内の燃料タンク12を押圧するのにより好適な条件とな
る。
【0038】この実施例による液体ラムロケット41で
は、ガス発生室43を空気取入口8の後端側に設けてい
るので、燃料タンク12により多くの液体燃料11を充
填することができる。
【0039】[第4実施例] 図5は本発明に係わる液体ラムロケットのさらに他の実
施例を示しており、この液体ラムロケットも図1および
図2に示した液体ラムロケットの変形例を示すものであ
る。なお、この場合も同一機能の部分には同一符号を付
し説明は省略する。
【0040】図5に燃焼室3の後端側を省略して示す液
体ラムロケット51は、燃焼ガス発生手段としての液体
燃料52を充填したタンク56を空気取入口8の後端側
に設け、このタンク56内の液体燃料52をガス発生室
53にチューブ54を介して送給するようにしていると
共に、一部を外殻58の外側に位置させて大気に晒した
ガス供給管(管体)55を介してガス発生室53とケー
ス57とを連通させた構成をなしている。
【0041】この液体ラムロケット51では、ブースタ
推進薬(2)の燃焼が終了したのち、タンク56からチ
ューブ54を介して送給された燃焼ガス発生手段として
の液体燃料52の燃焼で生じた燃焼ガスを点火兼保炎用
ガス噴射ノズル19から噴出させることにより、外部か
ら導入される空気と燃料タンク12から送給される液体
燃料11の液滴との混合気の点火を行う。
【0042】このとき、空気と液体燃料11の液滴との
混合気の燃焼とは別に液体燃料52の燃焼で生じた燃
ガスは、初期点火を行ったあとも点火兼保炎用ガス噴射
ノズル19から継続して噴出するので、燃焼室3内の混
合気の燃焼は良好に持続されることとなる。
【0043】そして、前記燃焼ガスの一部は、ガス供給
管55を介してケース57内に導入されることから、燃
料タンク12は高い圧力で押圧されることとなり、液体
燃料11はターボポンプを用いることなく噴射弁14ま
で送給されることとなる。
【0044】加えて、この実施例においても、ガス送給
管55の一部は外殻58の外側に位置して大気に晒され
た状態となっているので、ケース57内に導入される前
記燃焼ガスは低温のガスとなり、ケース57内の燃料タ
ンク12の加圧がより適した状態で行われることとな
る。
【0045】また、この実施例の液体ラムロケット51
では、液体燃料52を充填したタンク56を空気取入口
8の後端側に設けているので、燃料タンク12の燃料充
填率が優れたものとなる。
【0046】[第5実施例] 図6は本発明に係わる液体ラムロケットのさらに他の実
施例を示しており、図1および図2に示した液体ラムロ
ケット1の変形例を示すものであって、同一の機能を有
する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】図6に示す液体ラムロケット61は、燃焼
ガス発生手段としての固体燃料16を充填したガス発生
室17にフィルタ62を設けると共に、一部を外殻68
の外側に位置させて大気に晒したガス供給管(管体)6
5を介してフィルタ62の部分と燃料タンク12を収容
するケース67とを連通し、さらに、流量制御装置13
と噴射弁14との間に設けた送給管64に前記ガス送給
管65の外殻68の内側に位置する部分を複数回巻き付
けた構成をなしている。
【0048】このような構成を有する液体ラムロケット
61では、外部から導入される空気と燃料タンク12か
ら送給される液体燃料11の液滴との混合気の点火を燃
焼ガス発生手段としての固体燃料16の燃焼により生じ
た燃焼ガスによって行う。
【0049】そして、空気と液体燃料11の液滴との混
合気の燃焼とは別に固体燃料16の燃焼で生じた燃焼ガ
スは、初期点火ののちも混合気に対して点火兼保炎用ガ
ス噴射ノズル19から噴射されつづけるので、混合気の
燃焼は良好に持続される。
【0050】この場合、点火兼保炎用ガス噴射ノズル1
9から噴射される燃焼ガスは高温のものであるため、こ
の燃焼ガスによる前記混合気の点火および保炎は確実に
なされることとなる。
【0051】また、前記燃焼ガスの一部は、ガス供給管
65を介してケース67内に導入されるので、燃料タン
ク12には高い圧力が加えられることとなり液体燃料1
1はターボポンプを必要とすることなく噴射弁14まで
圧送されることとなる。
【0052】このとき、ガス供給管65の一部は送給管
64に巻き付けた状態としてあると共に、ガス供給管6
5の他の部分は外殻68の外側に位置して大気に晒され
状態となっているので、ガス供給管65を高温の状態
で通過する燃焼ガスは、送給管64を通して送給される
液体燃料11により冷却され、さらに、外部において空
気によっても冷却されることとなり、前記燃焼ガスがケ
ース67内に導入される時には低温のガスとなり、した
がって、ケース67内の燃料タンク12を押圧するのに
一層適した状態となる。
【0053】なお、この実施例による液体ラムロケット
61では、ガス発生室17にフィルタ62を設けた構成
としたが、これに限定されるものではなく、固体燃料1
6に用いる原料に応じてフィルタ62を設けない構成と
してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係わる液体ラムロケットは、上記した構成とした
から、外部より導入した空気と液体燃料の液滴との混合
気に対する点火を点火装置を用いることなく行うことが
できると共に、燃焼ガス発生手段から燃焼室内に連続し
て供給される燃焼ガスによって当該混合気の燃焼室での
燃焼を良好に持続して行わせることが可能であり、とく
に高高度飛翔を設計基準とする液体ラムロケットにも十
分対応することが可能であるという著しく優れた効果を
もたらす。
【0055】また、本発明の請求項2に係わる液体ラム
ロケットは、上記した構成としたため、請求項1に係わ
る液体ラムロケットと同じ効果が得られるのに加えて
ンクを高い圧力で押圧することが可能となるので、従
来必要としていたターボポンプを用いることなく液体燃
料を圧送することができ、さらに、管体内の燃焼ガスを
低温の状態でケース内に導入することが可能であり、そ
の結果、燃料タンクの加圧をより一層適した状態で行わ
せることが可能になるという非常に優れた効果をもたら
す。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液体ラムロケットの一実施例を
示す断面説明図である。
【図2】図1の液体ラムロケットのブースタ推進薬燃焼
末期の状態を示す断面説明図である。
【図3】本発明の他の実施例による液体ラムロケットの
ブースタ推進薬燃焼末期の状態を示す断面説明図であ
る。
【図4】本発明のさらに他の実施例による液体ラムロケ
ットのブースタ推進薬燃焼末期の状態を示す断面説明図
である。
【図5】本発明のさらに他の実施例による液体ラムロケ
ットのブースタ推進薬燃焼末期の状態を示す断面説明図
である。
【図6】本発明のさらに他の実施例による液体ラムロケ
ットのブースタ推進薬燃焼末期の状態を示す断面説明図
である。
【図7】従来の液体ラムロケットの断面説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光 野 実 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 桑 原 卓 雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 平2−33456(JP,A) 特開 昭56−6027(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02K 7/10 - 7/20 F02K 9/76 F02K 9/95

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料の液滴と外部から導入した空気
    との混合気を燃焼させる燃焼室を備えた液体ラムロケッ
    トにおいて、前記混合気の燃焼とは別に燃料を連続燃焼
    させて生じる燃焼ガスを点火兼保炎用の燃焼ガスとし
    前記燃焼室内に供給する燃焼ガス発生手段を設けたこと
    を特徴とする液体ラムロケット。
  2. 【請求項2】 ケース内に加圧によって縮小可能として
    収容したタンクを備えると共に、前記タンクに充填した
    液体燃料の液滴と外部から導入した空気との混合気を燃
    焼させる燃焼室を備えた液体ラムロケットにおいて、前
    記混合気の燃焼とは別に燃料を連続燃焼させて生じる燃
    焼ガスを点火兼保炎用の燃焼ガスとして前記燃焼室内に
    供給する燃焼ガス発生手段を設けると共に、前記燃焼ガ
    ス発生手段で生じる燃焼ガスの一部を前記ケース内に導
    入して前記タンクを前記燃焼ガスの圧力により縮小可能
    とするべく前記燃焼ガス発生手段とケースとを管体で連
    し、前記管体の一部を大気に晒したことを特徴とする
    液体ラムロケット。
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