JP3213969U - 芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔 - Google Patents

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Abstract

【課題】降下液体と蒸気が十分に接触可能な芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔を提供する。【解決手段】塔体1、及び塔体1内に上下方向に順次設置される複数の棚板2を含み、棚板2に通気孔が貫通形成されており、塔体1に液体取入管11、液体排出管12、気体取入管13及び気体排出管14がそれぞれ、連通して設置されており、棚板2に貫通孔が貫通形成されており、貫通孔の内壁に回転軸が回転可能に設置されており、回転軸に各棚板2よりも上方にそれぞれ羽根4が設置されており、回転軸を回転駆動する駆動部材5が接続されている構成とする。回転軸は羽根4を継続的に回転駆動することで、隣り合う棚板2の間の蒸気は、棚板2の周方向に沿って継続的で流動し、かくして蒸気と降下液体との接触時間が延長して、降下液体と蒸気を十分に接触させる。【選択図】図1

Description

本実用新案は、塔型気液接触装置に関し、具体的に芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔に関するものである。
棚段精留塔は、精留を行うための塔型気液接触装置である。蒸発して得られる気相は、降下する液体(以下、降下液体)と向流接触する。気相と液相の接触により、降下液体中の揮発性の高い成分が継続的に気相に移り、気相中の揮発性の低い成分が継続的に降下液体に移る。気相が塔頂に近づくほど、その揮発性の高い成分の濃度が高くなり、降下液体が塔底に近づくほど、その揮発性の低い成分の濃度が高くなり、かくして成分分離の目的を達成する。
公開番号CN106902533Aの中国特許は、ベンズアルデヒド製造用精留塔を提供している。それは筒状構造の精留塔主体を含み、精留塔主体の中間部に、芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体を取り入れるための液体原料取入口が設置されており、精留塔主体内に芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体を継続的に下へ流動させるための多段分配器が設置されており、精留塔主体の最下部に、芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体が流出する釜残液出口が設置されている。精留塔主体の底部に芳香族炭化水素などの蒸気を取り入れるための気相取入口が設置されており、分配器に芳香族炭化水素溶剤などの蒸気を継続的に上へ流動させるための通気孔が貫通形成されており、精留塔主体の上端に芳香族炭化水素溶剤などの蒸気を排出する気相出口が設置されている。使用時は、分配器での蒸気が降下液体と接触すると、降下液体中の揮発性の高い成分が継続的に蒸気に移り、蒸気中の揮発性の低い成分が継続的に降下液体に移り、かくして芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体の成分分離の目的を達成する。
一方で、芳香族炭化水素溶剤などの蒸気が上へ流動する速度が速いため、芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体と蒸気との接触時間が短く、芳香族炭化水素系溶剤などの降下液体の成分分離が不十分になり、改善する余地がある。
本実用新案は、従来技術における欠点を解消すべく、降下液体と蒸気が十分に接触可能な芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔を提供することを目的とする。
芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔であって、それは塔体、及び前記塔体内に上下方向に順次設置される複数の棚板を含み、前記棚板に通気孔が貫通形成されており、前記塔体に液体取入管、液体排出管、気体取入管及び気体排出管がそれぞれ、それと連通して設置されており、前記棚板に貫通孔が貫通形成されており、前記貫通孔の内壁に回転軸が回転可能に設置されており、なお、前記回転軸に各前記棚板よりも上方にそれぞれ羽根が設置されており、前記回転軸に前記回転軸を回転駆動する駆動部材が接続されている。
上記技術的解決手段において、降下液体は液体取入管を介して塔体の内部に入ると棚板上で流動し、そして継続的にその下方の棚板へ流動する。蒸気は気体取入管を介して塔体の内部に入ると通気孔を介して継続的に上へ流動して、降下液体と接触する。蒸気と降下液体との接触と同時に、駆動部材は回転軸を駆動して継続的に回転させ、そして前記回転軸は羽根を継続的に回転駆動することで、隣り合う棚板の間の蒸気は、前記棚板の周方向に沿って継続的に流動し、かくして蒸気と降下液体との接触時間が延長し、降下液体と蒸気を十分に接触させるという目的が達成される。
さらに、上記羽根において、その回転方向側に、下へ延伸するバッフルが設置されており、前記バッフルと上記棚板との間に液体流動隙間が設置されている。
上記の技術的解決手段において、液体流動隙間が設置されることで、降下液体が流動するようになり、バッフルが降下液体の上表面と接触したら、降下液体をまき散らし、かくして降下液体と蒸気との接触の度合いを高める。
さらに、上記羽根のその回転方向と反対する側は、上向きに傾斜して設置されている。
上記の技術的解決手段において、降下液体の一部は、傾斜する上記羽根に沿って上へ飛散することで、降下液体と蒸気との接触の度合いを一層高める。
さらに、上記羽根の上側に複数の分離歯が設置されている。
上記の技術的解決手段において、分離歯は、羽根上の降下液体を均一に分散させることで、降下液体と蒸気との接触面積を増やす。
さらに、上記塔体の上端に取付け孔が設置されており、前記回転軸の上端は前記塔体の上方へ延伸して前記取付け孔の内壁に回転可能に接続されており、上記回転部材は前記塔体の外側に配置されている。
上記の技術的解決手段において、上記駆動部材が上記塔体の外側に配置されていることで、前記駆動部材の修理及び取付けを容易にする。
さらに、上記駆動部材が上記取付け孔の片側に配置されており、前記駆動部材と上記回転軸との間に伝動ベルトが接続されている。
上記の技術的解決手段において、上記駆動部材が上記取付け孔の片側に配置されていることで、蒸気の前記駆動部材への直接付着を軽減して、前記駆動部材への腐食を緩和する。
さらに、上記取付け孔の内壁に軸受が嵌設されており、前記軸受の内壁は上記回転軸の外壁と密着している。
上記の技術的解決手段において、上記回転軸が回転する過程で、その下端が上記貫通孔の内壁と回転可能に接続されており、その上端が上記軸受内に配置されていることで、前記回転軸の回転時の安定性を向上させる。
さらに、上記取付け孔の内壁に支持リングが固設されており、前記支持リングは上記軸受の下方に配置されている。
上記の技術的解決手段において、上記支持リングが上記軸受の下方に配置されていることで、軸受を受け止める。かくして前記軸受の取付け時に、前記軸受が上記塔体の内部に落ちることが防止される。
さらに、上記支持リングと上記軸受との間に防錆リングが設置されており、前記防錆リングの外周壁は上記取付け孔の内壁と密着しており、前記防錆リングの内壁は上記回転軸の外壁と密着している。
上記の技術的解決手段において、上記防錆リングが設置されることで、上記塔体の外部への蒸気の流出を軽減して蒸気と上記駆動部材との接触を軽減することで、前記駆動部材への腐食を一層緩和する。
1、羽根の回転により、蒸気が隣り合う棚板の間で停留する時間を延長させて、蒸気と降下液体を十分に接触させることができる。
2、駆動部材が取付け孔の片側に配置されることで、蒸気と駆動部材との接触を軽減して、駆動部材への腐食を緩和することができる。
本実施例にかかる芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔の構造の概略図。 図1中のA部分の拡大図。 図1中のB部分の拡大図。
以下、図面を参照しながら、本実用新案をより詳しく説明する。なお、下記の実施例は、本実用新案への説明に過ぎず、それを限定するものではない。当業者は、本明細書をベースに、必要に応じて、本実施例について進歩性のない修正を加えることができるが、本実用新案登録の請求範囲内に含まれるものは、すべて実用新案法により保護されるものとする。
芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔であって、図1及び図2に示すように、それは塔体1、及び前記塔体1内に上下方向に順次固設された複数の棚板2を含み、前記棚板2に蒸気を通すための通気孔21が貫通形成されており、前記塔体1に液体取入管11、液体排出管12、気体取入管13及び気体排出管14がそれぞれ、それと連通して設置されており、なお、前記液体取入管11は降下液体の前記塔体1への取り入れに用いられ前記塔体1の中間部に配置されており、前記液体排出管12は降下液体の排出に用いられ前記塔体1の下端に配置されており、前記気体取入管13は蒸気の前記塔体1への取り入れに用いられ前記塔体1の下端に配置されており、前記気体排出管14は蒸気の排出に用いられ前記塔体1の上端に配置されている。
図1に示すように、蒸気を凝縮させて生成する液体の一部を上記塔体1に戻すために、前記塔体1の上端にそれと連通する戻し管15が設置されている。
図1及び図2に示すように、上記棚板2に貫通孔22が貫通形成されており、前記貫通孔22の内壁に軸受を介して回転軸3が回転可能に設置されており、なお、前記回転軸3に各前記棚板2よりも上方にそれぞれ、蒸気が隣り合う前記棚板2の間の空間で回るようにするための羽根4が設置されており、前記羽根4において、その回転方向側に、液体と接触する下へ延伸するバッフル41が設置されており、かくして液体をまき散らして蒸気との接触の度合いを高める。一定の量の降下液体が継続的に前記棚板2上で流動するように、前記バッフル41と前記棚板2との間に液体流動隙間23が設置されている。
図2に示すように、上記羽根4上の降下液体がより効率的に上へ飛散するように、上記羽根4のその回転方向と反対する側は、上向きに傾斜して設置されている。前記羽根4上の降下液体が十分に分散するように、前記羽根4の上方の片側に複数の分離歯42が設置されている。
図1及び図3に示すように、上記塔体1の上端に上記取付け孔16が設置されており、上記回転軸3の上端が前記塔体1の上方へ延伸しており、且つ前記取付け16の内壁と回転可能に接続されている。前記回転軸3に、駆動部材5としてそれを回転駆動するモータが接続されており、なお、前記モータは前記塔体1の外側、且つ前記取付け孔16の片側に配置されていることで、蒸気がモータの外壁まで流動することが防止される。モータの回動軸と前記回転軸3との間に伝動ベルト51(ゴムベルト又は同期ベルト)が接続されている。
図3に示すように、上記取付け孔16の内壁に軸受161が嵌設されており、前記軸受161の内壁が上記回転軸3の外壁と密着していることで、前記回転軸3の安定性を向上させる。前記取付け孔16の内壁に溶接により支持リング162が固設されており、前記支持リング162が前記軸受161の下方に配置されていることで、前記軸受161が上記塔体1の内部に落ちることが防止される。
図3に示すように、上記支持リング162と上記軸受161の間に防錆リング163が設置されており、前記防錆リング163の外周壁は上記取付け孔16の内壁と密着しており、前記防錆リング163の内壁は前記回転軸3の外壁と密着している。かくして蒸気の前記取付け孔16からの排出が軽減され、なお、モータが前記取付け孔16に配置されているため、モータへの腐食を軽減する効果もある。
動作原理:
動作時は、降下液体が液体取入管11を介して塔体1内に入ると、棚板2上で流動し、同時に下方の前記棚板2へ継続的に流動する。なお、蒸気が凝縮して生成する液体の一部は、戻し管15を介して前記塔体1の内部に流れて前記棚板2上で流動し、同時に下方の前記棚板2へ継続的に流動する。
蒸気は気体取入管13を介して上記塔体1の内部に入ると、上記棚板2の通気孔21を介して、上記塔体1の上方へ継続的に流動する。蒸気が降下液体と接触する過程で、成分分離の目的が達成される。
この過程で、モータが回転軸3を回転駆動する。同時に、羽根4が継続的に回転し、かくして蒸気が隣り合う上記棚板2の間の空間で周方向に沿って継続的に回り、蒸気が降下液体と十分に接触する。バッフル41が前記棚板2上で流動する降下液体と接触すると、前記羽根4が回転状態にあるために降下液体が前記羽根4の幅方向に沿って上へ流動して分離歯42によって分散され、降下液体が蒸気と十分に接触する。かくして、降下液体と蒸気を十分に接触させるという目的が達成される。
1 塔体
11 液体取入管
12 液体排出管
13 気体取入管
14 気体排出管
15 戻し管
16 取付け孔
161 軸受
162 支持リング
163 防錆リング
2 棚板
21 通気孔
22 貫通孔
23 液体流動隙間
3 回転軸
4 羽根
41 バッフル
42 分離歯
5 駆動部材
51 伝動ベルト

Claims (9)

  1. 塔体(1)、及び前記塔体(1)内に上下方向に順次設置される複数の棚板(2)を含み、前記棚板(2)に通気孔(21)が貫通形成されており、前記塔体(1)に液体取入管(11)、液体排出管(12)、気体取入管(13)及び気体排出管(14)がそれぞれ、それと連通して設置されている芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔であって、前記棚板(2)に貫通孔(22)が貫通形成されており、前記貫通孔(22)の内壁に回転軸(3)が回転可能に設置されており、なお、前記回転軸(3)に各前記棚板(2)よりも上方にそれぞれ羽根(4)が設置されており、前記回転軸(3)に前記回転軸(3)を回転駆動する駆動部材(5)が接続されていることを特徴とする、芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  2. 上記羽根(4)において、その回転方向側に、下へ延伸するバッフル(41)が設置されており、前記バッフル(41)と上記棚板(2)との間に液体流動隙間(23)が設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  3. 上記羽根(4)のその回転方向と反対する側は、上向きに傾斜して設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  4. 上記羽根(4)の上側に複数の分離歯(42)が設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  5. 上記塔体(1)の上端に取付け孔(16)が設置されており、前記回転軸(3)の上端は前記塔体(1)の上方へ延伸して前記取付け孔(16)の内壁に回転可能に接続されており、上記回転部材(5)は前記塔体(1)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  6. 上記駆動部材(5)は上記取付け孔(16)の片側に配置されており、前記駆動部材(5)と上記回転軸(3)との間に伝動ベルト(51)が接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  7. 上記取付け孔(16)の内壁に軸受(161)が嵌設されており、前記軸受(161)の内壁は上記回転軸(3)の外壁と密着していることを特徴とする、請求項5に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  8. 上記取付け孔(16)の内壁に支持リング(162)が固設されており、前記支持リング(162)が上記軸受(161)の下方に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
  9. 上記支持リング(162)と上記軸受(161)との間に防錆リング(163)が設置されており、前記防錆リング(163)の外周壁は上記取付け孔(16)の内壁と密着しており、前記防錆リング(163)の内壁は上記回転軸(3)の外壁と密着していることを特徴とする、請求項8に記載の芳香族炭化水素系溶剤用棚段精留塔。
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